【実施例】
【0024】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%を示す。
【0025】
<実施例1>
ガラス製オートクレーブにビスフェノールA849.3g(3.72mol)、イソプロピルアルコール(以下において、IPAと表記する場合がある。)120.0g、水120.0g、トリエチルアミン7.5g(ビスフェノールAに対して2モル%)を仕込み、窒素置換を行った後、60℃まで昇温し、ビスフェノールAを混合溶媒に分散させた。
次いで、EO350.7g(7.97mol)を55〜65℃、反応圧0.2MPa以下の範囲で滴下し、反応させた。反応時間は合計8時間であった。
反応後、160℃まで徐々に昇温し、減圧下で触媒、溶媒等を留去し、本発明のジオキシエチレンエーテル(B−1)を1174.7g(収率99.0%)得た。
この(B−1)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物90.5モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.19モル%であった。
【0026】
<実施例2>
実施例1の反応温度を80℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−2)を1183.1g(収率99.0%)得た。
この(B−2)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物89.0モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.46モル%であった。
【0027】
<実施例3>
実施例1の溶媒をIPA60.0g、水139.4g、触媒を水酸化テトラメチルアンモニウム25%水溶液54.2g(ビスフェノールAに対して4モル%)とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−3)を1180.0g(収率99.0%)得た。
この(B−3)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物90.2モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.28モル%であった。
【0028】
<実施例4>
実施例1の溶媒をトルエン240.0g、水2.4g、触媒を水酸化リチウム・1水和物1.6g(ビスフェノールAに対して1モル%)とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−4)を1175.6g(収率99.0%)得た。
この(B−4)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物86.5モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.14モル%であった。
【0029】
<実施例5>
実施例4の水を120.0g、反応温度を50℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−5)を1175.0g(収率99.0%)得た。
この(B−5)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物92.2モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.35モル%であった。
【0030】
<実施例6>
実施例1の溶媒をテトラヒドロフラン540.0g、水19.3g、触媒を水酸化テトラメチルアンモニウム25%水溶液54.2g(ビスフェノールAに対して4モル%)、反応温度を40℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−6)を1175.0g(収率99.0%)得た。
この(B−6)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物88.3モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.21モル%であった。
【0031】
<実施例7>
実施例1の溶媒をテトラヒドロフラン60.0g、水24.0g、触媒をトリエチルアミン7.5g(ビスフェノールAに対して2モル%)、反応温度を80℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−7)を1168.5g(収率99.0%)得た。
この(B−7)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物88.6モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.44モル%であった。
【0032】
<実施例8>
実施例1のビスフェノールAをビスフェノールF745.0g、IPA105.3g、水105.3gとする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B−8)を1313.7g(収率99.0%)得た。
この(B−8)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物87.8モル%、ビスフェノールFのベンゼン環へのEO直接付加物0.48モル%であった。
【0033】
<比較例1>
ガラス製オートクレーブにビスフェノールA849.3g(3.72mol)、水120.0g、水酸化リチウム・1水和物1.6g(ビスフェノールAに対して1モル%)を仕込み、窒素置換を行った後、80℃まで昇温し、ビスフェノールAを混合溶媒に分散させた。
次いで、EO350.7g(7.97mol)を75〜85℃、反応圧0.2MPa以下の範囲で滴下反応させた。反応時間は合計10時間であった。
反応後、160℃まで徐々に昇温し、減圧下で溶媒等を留去し、ジオキシエチレンエーテル(B’−1)を1167.5g(収率99.0%)得た。
この(B’−1)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物93.6モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.94モル%であった。
【0034】
<比較例2>
比較例1の触媒をトリエチルアミン3.8g(ビスフェノールAに対して1モル%)、反応温度を110℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B’−2)を1171.8g(収率99.0%)得た。
この(B’−2)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物92.0モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物1.13モル%であった。
【0035】
<比較例3>
実施例4の触媒をトリエチルアミン7.5g(ビスフェノールAに対して2モル%)、反応温度を100℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B’−3)を1182.8g(収率99.0%)得た。
この(B’−3)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物92.0モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物1.13モル%であった。
【0036】
<比較例4>
比較例3の溶媒をトルエン168.0g、水84.0g、反応温度を85℃とする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B’−4)を1182.8g(収率99.0%)得た。
この(B’−4)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物89.2モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物1.20モル%であった。
【0037】
<比較例5>
実施例1の溶媒をIPA240.0gのみとする以外は同様にして、ジオキシエチレンエーテル(B’−5)を1176.6g(収率99.0%)得た。
この(B’−5)をLCにて分析したところ、EO2モル付加物82.1モル%、ビスフェノールAのベンゼン環へのEO直接付加物0.32モル%であった。
【0038】
実施例1〜8及び比較例1〜5の製造条件及び得られたジオキシアルキレンエーテルの分析結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1中における化合物の略号は以下のとおりである。
ビスA:ビスフェノールA
ビスF:ビスフェノールF
EO:エチレンオキサイド
TEA:トリエチルアミン
TMAH:水酸化テトラメチルアンモニウム
LiOH:水酸化リチウム
IPA:イソプロパノール
THF:テトラヒドロフラン
【0041】
本発明の製造法により得られるビスフェノール化合物のジオキシアルキレンエーテルは、従来法により得られるものに比べ、ビスフェノール化合物のベンゼン環へAOが直接付加した不純物が大幅に低減し、かつAO2モル付加物の含有量が高いものが得られることがわかる。