(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧力変動を伴う流体が流れる流体経路に設置され、筒状内部に内周面から中心軸に向かって放射状に形成された複数のフィンを有し、隣り合うフィンとの間を流体通路とするセル構造の消音器であって、
樹脂により成形され、前記フィンが前記中心軸に向かう方向の先端から該中心軸までの距離をフィン間で不均一としたことを特徴とする消音器。
前記フィンの流体流通方向に垂直な断面形状において、前記中心軸に向かう方向の長さが長いフィンほど該フィンの流体流通方向に垂直な周方向の幅を大きくし、前記中心軸に向かう方向の長さが短いフィンほど前記幅を小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の消音器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記セル構造体の脈動低減効果は、セル通過時の摩擦損失により圧力変動が減衰するためである。摩擦損失量は、水力平均深さ(=セルの断面積/セルの周長さ)に反比例するため、上記フィンタイプのセル構造体の場合は、フィンの本数を多くすると水力平均深さが減少して脈動低減効果が高まる。また、経路内、流れの中に設置するフィン部の厚さ(流体流通方向と直角な断面における周方向長さ)が厚いと、経路開口面積が低下し通過流量が低下してしまうため、フィン部は薄くするのが望ましい。
【0007】
フィンタイプのセル構造体を安価に製造する場合、射出成形による生産が考えられる。射出成形においては、加圧により樹脂を型に流し込み成形するが、上記セル構造体の特性を向上させるためフィン部を「より長く、薄く、数も多く」した仕様に成形しようとすると、樹脂が流れ込んでフィン部となる射出成形用金型(成形駒)に形成されている溝が非常に細く、本数も多くなる。特に、射出成形用金型(成形駒)のフィン部先端部に対応する部分が非常に薄くなり剛性が低下する。その結果、加圧された樹脂流動により、射出成形用金型(成形駒、特にフィン部となる溝の経路)が変形し、フィン形状の成形精度が低下する。更に、変形により溝が塞がれフィン部が成形できなくなったり、変形により型が破損したりする可能性もある。型の変形を防止するため剛性を上げるには、型の「溝を短く、太くし、数を減らす」ことになるが、セル構造体のフィンを「短く、太くし、数を減らす」ことになるので、上記セル構造体の特性向上と相反する。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、消音器の脈動低減効果を保ちつつ、該消音器の生産性(樹脂成形性)を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明に係る消音器は、圧力変動を伴う流体が流れる流体経路に設置され、筒状内部に内周面から中心軸に向かって放射状に形成された複数のフィンを有し、隣り合うフィンとの間を流体通路とするセル構造の消音器であって、以下の構成を有する。
【0010】
樹脂により成形され、前記フィンが前記中心軸に向かう方向の先端から該中心軸までの距離をフィン間で不均一とする。
また、本発明に係る圧縮機は、上記構成の消音器を吸入経路または吐出経路の少なくとも一方に設置された構成とする。
【0011】
また、本発明に係る型は、上記構成の消音器の樹脂成形に使用される型とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る消音器によれば、フィンが前記中心軸に向かう方向の先端から該中心軸までの距離をフィン間で不均一とすることにより、フィン先端部位置に対応する型(成形駒)の最薄部が同一円状へ集中することが抑制される。これにより、型の剛性を向上させることができ、変形、破損を抑制できると共に、成形される消音器のフィンの変形、フィン間の閉塞等を抑制できる。また、型の最薄部を分散させることで型の強度を確保しつつ、成形される消音器のフィンの数を増大して水力平均深さを小さくすることができ、消音器の脈動低減効果を向上することができる。
【0013】
また、本発明に係る圧縮機によれば、上記構造の消音器を冷媒吸入経路の途中、又は冷媒吐出経路の途中の少なくとも一方に設置することにより、脈動発生源である圧縮機内で脈動を減衰できるため、脈動の他のコンポーネント(吸入経路設置の場合は、エバポレータ、吐出経路設置の場合は、コンデンサ)への伝達をより低減できる。
【0014】
また、本発明に係る金型によれば、上述のように、最薄部が同一円状へ集中することが抑制され、剛性が向上して、変形、破損を抑制でき、同時に、成形されるフィンの変形、フィン間の閉塞等を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る圧縮機(特に可変容量斜板式圧縮機)の縦断面図である。
【0017】
図1に示す可変容量斜板式圧縮機100は、後述する駆動軸106の軸線と同軸の所定円周上に所定間隔を隔てて配設された複数のシリンダボア101aを備えたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端に設けられた比較的深い有底筒状のフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端に対峙して配設されたバルブプレート103と、シリンダブロック101の前記他端と協働してバルブプレート103を挟持する比較的浅い有底筒状のシリンダヘッド104とを備えている。
【0018】
シリンダブロック101とフロントハウジング102とによって画成されるクランク室105内を横断して駆動軸106が設けられ、駆動軸106に斜板107が装着されている。斜板107は、駆動軸106に固着されたロータ108と連結部109を介して結合し、駆動軸106に対して傾角可変となっている。
【0019】
シリンダブロック101のシリンダボア101a内には、片頭型のピストン110が頭部をシリンダヘッド104側に向けて往復動自在に挿入配置されている。ピストン110頭部と反対側の端部にはコ字状の窪みが形成され、この窪み内に斜板107の外周部が収容され、これによりピストン110と斜板107とが連動する構成となっている。従って、駆動軸106の回転によりピストン110がシリンダボア101a内を往復動することが可能となる。
【0020】
シリンダヘッド104には、吸入室119及び吐出室120が区画形成され、吸入室119は、シリンダヘッド104の径方向の中心側(駆動軸106の軸線の延長上)に配置され、吐出室120は、シリンダヘッド104の径方向の外側に吸入室119を取り囲むように環状に配置されている。
【0021】
バルブプレート103には、シリンダボア101a(ピストン110による圧縮室)とシリンダヘッド104側の吸入室119とを連通する吸入孔(図示省略)と、シリンダボア101a(ピストン110による圧縮室)とシリンダヘッド104側の吐出室120とを連通する吐出孔(図示省略)とが形成され、吸入孔及び吐出孔にはそれぞれ一方向弁からなる吸入弁及び吐出弁(図示省略)が設けられている。
【0022】
シリンダヘッド104にはまた、シリンダヘッド104の上側の側部に開口してエアコンシステムの低圧側冷媒回路と接続される吸入ポート104aと、吸入ポート104aと吸入室119とを連通する吸入通路104bとが形成されている。
【0023】
また、エアコンシステムの高圧側冷媒回路と接続される吐出ポート122aと、吐出ポート122aと吐出室120とを連通する吐出通路122bとが設けられるが、吐出ポート122aは、シリンダブロック101の上側の側部に開口するように形成され、吐出通路122bは、シリンダブロック101、バルブプレート103及びシリンダヘッド104に跨って形成されている。
【0024】
この可変容量斜板式圧縮機100では、駆動軸106の回転を変換機構としての斜板107によりピストン110の往復運動に変換して、冷媒を吸入・吐出する。すなわち、シリンダヘッド104側と反対側へ移動するピストン110により、そのシリンダボア(圧縮室)101a内に吸入室119内の冷媒を吸入し、シリンダヘッド104側へ移動するピストン110により、そのシリンダボア(圧縮室)101a内の冷媒を圧縮して吐出室120へ吐出する。
【0025】
そして、かかる吸入・吐出動作に伴って、吸入室119には、エアコンシステムの低圧側冷媒回路から、吸入ポート104a及び吸入通路104bを介して、冷媒が流入し、吐出室120からは、吐出通路122b及び吐出ポート122aを介してエアコンシステムの高圧側冷媒回路に冷媒が送給される。
【0026】
この可変容量斜板式圧縮機100では、前述のように、駆動軸106の回転を変換機構としての斜板107によりピストン110の往復運動に変換して、冷媒を吸入・吐出するが、斜板107の傾角により、ピストン110のストロークを変化させて、吐出容量を変化させることができ、斜板107の傾角は、クランク室105の圧力により変更される。すなわち、全ピストン110の前後の圧力差によるモーメントにより、斜板107の傾角が変化することから、クランク室105の圧力により斜板107の傾角を任意に制御可能である。
【0027】
この制御のため、吐出室120とクランク室105とを連通する給気通路(図示省略)と、クランク室105と吸入室119とを連通する抽気通路(図示省略)とが設けられ、前記給気通路には流量調整用の制御弁(図示省略)が設けられ、前記抽気通路には流量規制用のオリフィス(図示省略)が設けられている。
【0028】
従って、前記制御弁の開度調整によりクランク室105の圧力が変化し、これにより斜板107の傾角が変化して吐出容量が変化可能となっている。尚、前記制御弁には吸入室119の圧力が導かれており、前記制御弁は吸入室119の圧力が所定の圧力を維持するようにクランク室105への吐出ガス導入量を調整している。
【0029】
次に、冷媒の流通経路(冷媒を吸入又は吐出する経路)に設置される脈動低減装置としての消音器について説明する。
図1〜
図7に示される実施形態では、シリンダヘッド104の吸入通路104bに、消音器(セル構造体)300が設置されている。すなわち、吸入通路104bは、シリンダヘッド104内の吸入室119からシリンダヘッド104の端壁104fの内面に沿って径方向外方へ延在し、吸入ポート104aに連通しているが、ここに吸入通路104bを複数の並列なセル通路に区画するセル構造部を含む消音器300が設置されている。
【0030】
消音器300は、
図2に示すように樹脂製の成形品とする。材料は、本実施形態のように温度の低い吸入ガスが流れる吸入経路に消音器を設置する場合、耐熱性は特に求められないので耐冷媒性を有していればよく、安価なナイロンに代表されるポリアミド樹脂で成形する。また、強度が必要な場合は、ガラス繊維等を混入させ調整する。成形方法については、安価に生産するため、射出成形による一体成形とする。
【0031】
消音器300は、円筒体(ケース部)324の内周面から中心軸に向かって放射状にフィン321を成形し、隣合うフィン321間にセル通路を形成する。また、各フィン321の中心軸側の先端(以下、単に先端という)を中心軸より手前に位置させて、消音器300の中心部に、他のセル通路の円筒体324周方向の幅より大きい直径を有するセル通路を、消音器300の流入側と流出側を連通させるバイパス通路322として形成している。
【0032】
またフィン321は、全てが同じ長さではなく、
図3の断面図に示す様に不均一に、かつ、中心軸に対して対称に配置されている。
それぞれのフィン321の冷媒流通方向に対し垂直な断面形状は、円筒体324周方向の厚さ(以下、単にフィンの厚さという)が根元(円筒体324の内周)側で太く、先端側で細いテーパー形状となっている。
【0033】
また、
図4に示すようにフィン321の冷媒流入面323は、根元側から中心側のバイパス通路322に向かって下流側に傾斜している。
消音器の形状寸法に関しては、吸入通路104bの寸法形状に合わせて内径を13〜18mm程度に設定する。フィンに関しては、厚さが細く、枚数が多いほうが望ましいが、実際の射出成形による量産性を考えるとフィンの厚さは、最薄部で100〜500μmとし、枚数は求められる脈動低減効果、性能低下の許容値により変わるが、大よそ12〜48枚の間で調整する。
【0034】
本実施形態に係る消音器300は、内径が16mmで全長40mm、中心軸に向かう径方向の長さが最も大きいフィン321a、径方向長さが中間のフィン321b、径方向長さが最も短いフィン321cの3種類のフィンから構成され、フィン枚数は、フィン321aが4枚、フィン321bが4枚、フィン321bが8枚の合計16枚である。
【0035】
全てのフィン321は、先端に近づくほど厚さが細くなるテーパー形状となっている。例えばフィン321aは、径方向長さが6.5mmで厚さは先端が500μm、根元が900μm、フィン321bは、径方向長さが5.5mmで厚さは先端が400μm、根元が700μm、フィン321cは、径方向長さが4mmで厚さは先端が200μm、根元が500μmと設定しており、径方向長さが大きいフィンほど、厚さを太く設定してある。
【0036】
かかる構成を有した本実施形態に係る消音器300によれば、フィン321の径方向長さ(根元から先端までの長さ)をフィン321間で不均一としたことにより、
図5及び
図6に示すように、消音器300の射出成形時に使用される金型(型)の中の、フィン321先端部位置に対応する金型(成形駒)400の最薄部400a,400b,400cを3個の円上に分散させることができ、フィンの径方向長さを均一にしたときのように1個の同一円上へ集中することを抑制できる。
【0037】
これにより、金型400の剛性を向上させることができ、変形、破損を抑制でき、同時に、成形されるフィン321が変形し、さらにはフィン321間が閉塞されてしまうこと等を抑制でき消音器300製造の歩留まりが向上する。
【0038】
また、金型400の最薄部400a,400b,400cを分散させることで金型400の強度を確保しつつフィン321の数を増大して水力平均深さを小さくすることができ、消音器300の脈動低減効果を向上することができる。
【0039】
尚、本実施形態では円筒状の消音器としたが、この他に例えば4角形状の断面形状を有する消音器としてもよい。そして、これらの異なる断面形状も含めた消音器において、
樹脂成形用金型の最薄部を分散させるためには、フィンが中心軸に向かう方向の先端から該中心軸までの距離をフィン間で不均一とする構成とすればよい。
【0040】
また、本実施形態では、フィン321の径方向長さが長い(短い)フィンほど厚さを太く(細く)したことにより、以下の効果が得られる。
射出成形時に、径方向長さが短いフィンは、先端まで樹脂を充填させるに必要な圧力が低くすむので型の変形は少ない。従って、フィンの厚さを細くできる。逆に径方向長さが長いフィンは、高い充填圧力が必要となるので、変形防止のためフィンの厚さを太くし充填圧力を下げる必要がある。
【0041】
上述したように、セル構造体を設置した流路の断面積を確保するためにフィンの厚さは細いほうが望ましい。従って、本実施形態のように、厚さを細くすることが可能な径方向長さが短いフィンは可能な限り厚さを細くし、高い充填圧力が必要となる径方向長さが長いフィンは、該必要充填圧力に見合うだけの厚さに太くすることにより、金型延いてはフィンの変形を抑制し消音器の消音性能を確保しつつ、流路断面積を可及的に大きくして冷媒の消音器通過時の流量損失を低減することができる。
【0042】
ところで、この種の消音器形状(筒状内部に内周面から中心軸に向かって放射状に形成された複数のフィンを持つ形状)の射出成形においては、通常、筒状上部位置に複数のゲートを設置し、そこから樹脂を加圧注入し成形する。ここで、フィンの冷媒流通方向に垂直な断面形状が中心軸に対し非対称[ある一部に、厚さが細くて(太くて)径方向長さが短い(長い)フィンが偏在して設置されているような形状]であった場合、成形時に型にかかる圧力分布が不均等なり、型の変形を招きやすい。
【0043】
そこで、本実施形態では、消音器300の冷媒流通方向に垂直な断面形状を、中心軸に対して対称にしたことにより、圧力分布が均等化されるので、金型400の変形、ひいてはフィン321の変形を抑制できる。
【0044】
また、本実施形態では、フィン321の厚さを根元から先端に近づくほど細いテーパー形状としたことにより、フィン321先端まで樹脂の充填がしやすくなり、同時に、型の剛性も向上する。
【0045】
また、本実施形態では、フィン321相互間に形成されるセル通路の周方向の幅より大きい直径を有するバイパス通路322を中心部に設け、冷媒流入面323をバイパス通路322に向かって下流側に傾斜させる構造としたため、冷媒流入面に流れてきたセル通路の幅より大きな固形異物を該傾斜に沿ってバイパス通路322に流し込み、冷媒流入面323への異物の滞留を抑制しつつ、開口率の低下を抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記構成の消音器300を圧縮機の吸入通路104bに装着したことにより、脈動発生源である圧縮機内で吸気脈動を減衰でき、吸気脈動の他のコンポーネント(例えば、エバポレータ)への伝達をより低減できる。
【0047】
上記第1の実施形態では、圧縮機の吸入経路にセル構造体を設置したものを示したが、第2の実施形態では、
図7に示す様に、吐出脈動低減のため吐出経路にセル構造体を設置したものを示す。
【0048】
すなわち、シリンダヘッド104側の吐出室120とシリンダブロック101側の吐出ポート122aとを接続する吐出通路122bに消音器340を設置している。
尚、消音器340は、シリンダブロック101とバルブプレート103とで挟み込んで固定している。固定方法は、他にスナップリング等による固定方法も考えられる。
【0049】
また、本実施形態では、第1の実施形態と同形状の樹脂成形された消音器を用いているが、環境温度が100℃以上になる可能性のある吐出経路に設置する場合、材料には耐冷媒性がありかつ耐熱性の高いPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)や液晶ポリマー樹脂等を用い成形するのが望ましい。
【0050】
また、圧縮機内の吐出経路に設置する場合、経路が吸入経路と比べ細いことと、レイアウト上の制約のため、設置する消音器340の流路直径は、5〜13mm程度で設計することとなる。
【0051】
本実施形態のように、吐出脈動低減のため、吐出経路に本消音器を設置したものでも同様の脈動低減効果を得ることができ、脈動の他のコンポーネント(例えば、コンデンサ)への伝達をより低減できる。
【0052】
図8は、上記消音器300,340射出成形時の概要を示す。
図5及び
図6に示した金型(成形駒)400を内側に、有底円筒状の金型401を外側に配置し、本図で上方に配置した金型402のゲートから高温に溶融された液状樹脂を所定以上の圧力で注入(射出)する。金型401の底部には、金型(成形駒)400の断面形状と同一形状の溝孔が形成され、金型400の底部が金型401の溝に嵌合している。
【0053】
そして、樹脂の冷却固化後、内側の金型400を外側の金型401の底部の溝孔を通して引き抜くことにより、内側の金型400と外側金型401との間に注入されていた樹脂によって消音器300,340が成形される。
図9は、射出成形のゲートを含む消音器(セル構造体)の外観形状を示す。
【0054】
以上示した第1及び第2の実施形態に係る消音器300,340の射出成形時に使用する金型400によれば、最薄部が同一円状へ集中することが抑制され、剛性が向上して、変形、破損を抑制でき、同時に、成形されるフィンの変形、フィン間の閉塞等を抑制できる。
【0055】
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、圧縮機として可変容量斜板式圧縮機を例に記述したが、固定容量斜板式圧縮機、電動圧縮機でも同様の効果が得られる。また圧縮方式に関しても、斜板方式を含む往復動圧縮機のほか、スクロール方式、ベーン方式でも同様の効果が得られる。