特許第5944209号(P5944209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5944209
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】情報入力用ペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20160621BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   G06F3/03 400F
   G06F3/044 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-94567(P2012-94567)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-222375(P2013-222375A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(72)【発明者】
【氏名】切田 和久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 俊博
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−027689(JP,A)
【文献】 特開2012−053681(JP,A)
【文献】 特開平08−016300(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/015221(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に情報を入力する入力用タッチペンであって、前記入力用タッチペンは軸体、および、導電性ゴムを含むペン先尖端から成り、前記軸体の把持部は導電性を有し、かつ、前記ペン先尖端は該導電性ゴムがその側面を被覆し、その先端はJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度80°以下である硬度の材料が露出することを特徴とする入力用タッチペン。
【請求項2】
前記軸体の把持部と前記導電性ゴムは電気的に導通していることを特徴とする請求項1に記載の入力用タッチペン。
【請求項3】
前記JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度80°以下である硬度の材料がゴム、エラストマー、独立気泡体であることを特徴とする請求項1に記載の入力用タッチペン。
【請求項4】
前記導電性ゴムはペン先尖端側面を被覆し、前記JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度80°以下である硬度の材料は前記導電性ゴムの内側に接着していることを特徴とする請求項1に記載の入力用タッチペン。
【請求項5】
前記ペン先尖端は前記軸体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1に記載の入力用タッチペン。
【請求項6】
前記ペン先尖端と前記軸体とは先軸部を介して接合することを特徴とする請求項5に記載の入力用タッチペン。
【請求項7】
前記ペン先尖端の先端部は、前記軸体の中心軸と交差する平面を含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の入力用タッチペン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン、携帯端末などの情報処理装置に接続された静電容量型座標入力装置あるいは表示一体型静電容量型入力装置に、ある程度の線幅を持つ座標情報を入力するための静電容量型入力パッド用のタッチペンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピューターの静電容量型座標入力装置あるいは表示一体型静電容量型入力装置に情報を入力する際には、直接指をあてて入力していた。
しかしながら、指では力加減により入力するパネルとの接触状態が変化して位置がずれたり、汗などで指のすべりが悪くなった場合に操作性が劣ったりするという欠点があった。
このような欠点に対しては、既に様々な提案がなされている。これらは、主に導電性のペン先と導電性の軸体から構成され、入力パネルから手指までの導通を確保しつつ、安定した書き味や位置検出を可能とするための提案である。
【0003】
まず、吸水性材料からなるペン先と軸体内部に設けた保水部に水を含浸させ、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが提案されている(特許文献1)。この場合、パネルには水の筆跡が残るため、連続で使用するとパネル表面の水の影響で正確な位置情報が入力できないことがあった。更には、精密極まりない電子機器に対して、水を付着させるという、致命的な事故を起こしかねないものでもあった。
【0004】
次に、ペン先に導電性繊維の筆や導電性のフェルトを用い、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが、本出願人により提案されている(特許文献2)。この場合、筆やフェルトの先端は柔らかく、入力時の感触は柔和で入力パネルを傷めないものであったが、変形しやすいため、正確な位置情報が入力できないという欠点があった。
【0005】
また、ペン先に導電性ゴムを用い、さらに導通性の軸体を通して入力パネルから手指までの導通を確保するものが本出願人により提案されている(特許文献3)。この場合、ポインティング動作では問題は無く、入力時の感触は柔和で入力パネルを傷めないものであったが、ゴムの滑りが悪く、密着面積も大きく、スライドさせるような動作では抵抗が強くなってしまい、快適にスライドさせる動作ができなかった。また、導電性ゴムのペン先内部に硬い芯体を収め、場合によっては、この芯体とペン先との間に隙間を作っている形態が開示されている。この実施形態では使用者の入力感を、よりしっかりしたものとすることが出来、また、その入力感を適宜調整することが容易となるが、先端のゴムが破れ易く、そこで硬い芯体が露出すると結局は入力パネルを傷つけることとなってしまうものであった。また、ある程度の線幅を持つ座標入力を行おうとすると、入力パネルにペン先を強く押し付けることとなり、やはりスライドさせるような操作が不可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−44484号公報(実施例等)
【特許文献2】特開平10−39989号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特開平10−161795号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述した欠点を除去、即ち、水などの導電性液体を入力装置に付着することなく、検知される幅が広く、大きな接地面積により確実に入力を行うことが出来、かつ、パネル表面を傷つけるような材料を用いずに製造できるペン先を備えた静電容量型入力パッド用のタッチペンの提供にある。
【0008】
即ち、本発明は次の(1)〜(7)に存する。
(1)静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に情報を入力する入力用タッチペンであって、前記入力用タッチペンは軸体、および、導電性ゴムを含むペン先尖端から成り、前記軸体の把持部は導電性を有し、かつ、前記ペン先尖端は該導電性ゴムがその側面を被覆し、その先端はJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度以下である硬度の材料が露出することを特徴とする入力用タッチペン。
(2)前記軸体の把持部と前記導電性ゴムは電気的に導通していることを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(3)前記JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度以下である硬度の材料がゴム、エラストマー、独立気泡体であることを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(4)前記導電性ゴムはペン先尖端表面の全てを被覆し、前記JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度以下である硬度の材料は前記導電性ゴム内側に密着していることを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(5)前記ペン先尖端は前記軸体に対して着脱自在であることを特徴とする上記(1)に記載の入力用タッチペン。
(6)前記ペン先尖端と前記軸体とは先軸部を介して接合することを特徴とする上記(5)に記載の入力用タッチペン。
(7)前記ペン先尖端の先端部は、前記軸体の中心軸と交差する平面を含むことを特徴とする上記(1)から(6)の何れか1つに記載の入力用タッチペン。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタッチペンは、前記した通り、ペン先尖端は導電性ゴムがその側面を覆い、その先端部はJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度以下である硬度の材料が露出するため、入力パネルに対する接地面積が大きく、検知される幅が広く、かつ、入力パネルを傷つけにくい静電容量型入力パネル用タッチペンが構成される。また、このペン先尖端を軸体の中心軸と交差する平面を含む構成とすることによって、更に入力パネルを傷つけにくい静電容量型入力パネル用タッチペンとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態の入力ペンに装着されるペン先尖端の断面模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態の入力ペンの断面模式図である。
図3】本発明の第2の実施形態の入力ペンの断面模式図である。
図4】本発明の入力ペンの尖端が正しい角度で入力パネルに接触した場合の模式図である。
図5】本発明の入力ペンの尖端が正しい角度より、ややずれた角度で入力パネルに接触した場合の模式図である。
図6】本発明の第3、第4の実施形態の入力ペンの断面模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で用いる導電性ゴムとしては、導電性天然ゴム、導電性クロロプレンゴム、導電性ニトリルゴム、導電性フッ素ゴム、導電性シリコーンゴムなどの1種又は2種以上の組み合わせからなるものが挙げられる。これらの導電性ゴムは通常のゴム素材に導電性の炭素材等を混練して導電性を持たせるものであり、ゴム素材に関しては特に制限はなく使用することが出来る。
【0012】
これら導電性ゴムの体積抵抗率としては、10Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは、1〜10Ω・cmである。体積抵抗率が10Ω・cmを超えると入力し難くなり、好ましくない。また、これら導電性ゴムのJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度としては、80°以下であることが好ましい。より好ましくは、30°〜70°である。ゴム硬度が80°を超えると入力パネルが傷付きやすくなり、好ましくない。
【0013】
これらの導電性ゴムの内部に含ませペン先尖端から露出させる材料としては、上記導電性ゴムのJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度以下の硬度を持つものであれば制限なく使用することが出来る。実際には、成形性等の面から、ゴム、エラストマー、及びこれらの発泡体が挙げられる。ゴムとしては、天然ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、NBR、EPDM等が挙げられる。エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー等が挙げられる。発泡体としては、特に、ポリエチレンフォーム、塩ビフォーム、ポリスチレンフォーム等を好適なものとして挙げることが出来る。これらの柔軟な素材は、導電性の炭素材等を混入させて導電性を持つ材料として使用してもよい。これら内部の材料のJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度としては、70°以下であることが好ましい。より好ましくは、30°〜60°である。このゴム硬度が70°を超えると側面の導電性ゴムの劣化が起こりやすくなり、好ましくない。
【0014】
前記ゴム硬度80°以下の導電性ゴムによって、このゴム硬度以下の柔軟な材料の側面を覆い、少なくとも入力パネル表面に接触する面の周縁を、この導電性ゴムが接触するような形態としてペン先尖端を形成させる。その方法としては、接着、融着、嵌合等、特に制限は無いが、密着性の点から二色成形あるいはインサート成形によって、図1に示す通り、一体に成形する方法が好ましい。
【0015】
前記したようなペン先尖端の側面あるいは後端には、図1に示す通り、被係止部を設けることができる。被係止部は、ペン先尖端後端に設ける場合にはフランジ状の被係止部等、ペン先尖端側面の場合には、フランジ状であっても、全周に亘る溝状であっても設けることが出来る。
【0016】
また、本発明に係わるペンのペン先の、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に接触するペン先尖端は、そのまま用いても問題ないが、ペン先をより小さくする場合は、ペン先全面を接触させなければ応答性に劣る場合がある。この場合は、ペン先尖端の接地部分を変形可能とし、ペン先尖端に柔軟なタッチを持たせることにより、接触角度によらず好適な応答性を得ることができる。変形し沈み込む長さが長いと、前記した通り、特許文献2に開示されるような製品同様の欠点が生じることとなる。即ち、ペン先に導電性繊維の筆や導電性のフェルトを用いた時に起こる筆やフェルトの先端の変形による位置情報ずれが発生する。そのため、変形し沈み込む長さは3mmを超えない範囲、好ましくは2mmを超えない範囲にすることが望ましい。
【0017】
前記ペン先尖端の形状は、一般的な入力動作に供するのであれば図1に示す通りのドーム状であれば、ある程度対応可能であるが、一般の書籍等に行うマーキングに相当する動作を電子書籍等の表示面に行うのであれば、図2に示すような、軸体の中心軸と交差する平面を含むような形状、即ち、竹槍状或いはナイフカット状の端面形状とすることが好ましい。
【0018】
そして、ペン先尖端が、ペン体の中心軸と交差する平面を含む場合には、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に接触するこの平面は、前記中心軸との角度を45°〜90°とすることが好ましい。45°を下回ると先端部の尖りが鋭くなり過ぎ、何度も接触する内、表面の導電性ゴムが疲労により劣化した状態になりやすい。その平面の面積は10mm〜80mm好ましく、更には20mm〜40mmであることが望ましい。10mm未満の接触面積では、使用感等において、従来のタッチペンと何ら変わらず、80mmを超える接触面積は大きすぎて入力パネル上の目標とする箇所以外に接触する可能性が高くなってしまう。
【0019】
ペンの軸体は、導電性ゴムが側面を覆うペン先尖端の導電性が十分に大きければ、導電性のない材料からなる軸体でも静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に入力が可能である。ただし、ペン先尖端の導電性が小さい場合や、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の応答性能が劣る場合、カーボンブラックや金属微粒子などを配合した合成樹脂軸や、合成樹脂軸表面にめっきをほどこした軸や、導電性金属からなる軸を用いることにより、軸体の把持部とペン先が導電性を有するような軸体を得ることができる。また、軸体は、軸体の把持部とペン先が導電性を有していれば、1部品単体で構成、または、先軸、軸筒、尾栓などの複数部品により構成してもよいし、あるいは、先軸、軸筒などの部材の外周部にカーボンブラックや金属微粒子などを配合した合成樹脂を被覆したり、めっきをほどこしたり、導電性金属からなる被覆を施したり、又は、前記の導電性材料の被覆を施してもよい。更には、軸体内部に、ペン先と導通するように、導電性繊維、導電性スポンジ、金属、グラファイト焼結体などの導電体を収納しておくことで、導電体の体積を増大させ、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の応答性を適宜調整することができる。
【0020】
そして、本発明に係わるペンのペン先から、軸体の把持部までの抵抗値は、特に限定はされない。この抵抗値が10MΩ以下であれば、より反応性の高いタッチペンとすることができるが、一般の測定機器により測定不能な程度に高い抵抗値であっても、軸体の下部、即ち、先端部(ペン先)に近い方を使用者が把持することによって、使用上問題の無い反応性とすることができる。
【0021】
本発明に係わるペンによれば、ペン先尖端は、軸体を介して使用者の手と、たとえ微小であっても、電気的に導通される。したがって、ペン先尖端が、軸体を把持する使用者の手と同電位に維持されるとともに、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置とペン先尖端の接触状態で、静電容量が形成される。
【0022】
このように構成されたペンを用いて静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に座標を入力する場合、使用者は、軸体を適切な位置で把持し、ペン先を静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置に押し当てることで入力する。
この結果、使用者の手と、静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置の間に、接触面積に依存した静電容量が形成され、幅広の線の入力が可能となる。
【0023】
そして、ペン先側面を、導電性ゴムで被覆し、先端部にJIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度以下の硬度を持つ材料を露出させることで、露出部周縁の導電性ゴムの部分が反応し、水などの導電性液体を入力装置に付着させることがなく、筆圧によって検知位置がずれず、検知される幅が広く、パネル表面を傷つけることのない入力が可能となる。
【実施例】
【0024】
(第1の実施形態)以下、図を参照しながら、本発明の実施の形態に係わるペンについて説明する。
まず、図2は第1の実施形態であり、導電性の軸体1と、側面を導電性ゴム22が弾性材23を覆うペン先尖端2よりなるペン先2と、尾栓3により構成されている。ペン先尖端2は外径5mmで、その先端部をドーム状に成形して、側面の導電性ゴムは材質が導電性天然ゴム(体積抵抗値1.0×10、JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度を60°)とするとともに、内部の弾性材をシリコーンゴム(JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度を40°)としている。軸体1は導電性材料のみから構成されている。ここでは、軸体1の接続部11とペン先2の接触部21の導電性ゴム22が覆う周縁部とが、接触・導通している。ペン先2から接触部21の導電性ゴム22が覆う周縁部、接続部11を通じて、軸体1の把持部12まで、導電性の材料で繋がっている構成となっている。
【0025】
このペン先尖端2は二色成形により得られる。得られたペン先尖端を接続部11に挿入し、本実施例の入力用タッチペンを完成させた。側面の導電性ゴム22から把持部12までの電気抵抗の測定を行ったが、相当に高い値で測定値が変動し、明確な値を示すことが出来ないが、入力動作に対する反応は全く問題が無く正確な入力を行うことができた。
【0026】
(第2の実施形態)
図3は第2の実施形態であり、導電性の軸体1と、側面の導電性ゴム22が内部の弾性材23を覆うペン先尖端2よりなるペン先2と、尾栓3により構成されている。ペン先尖端2は外径5mmで、その先端部の平面とを軸体1との角度70°である竹槍状に成形して、側面の導電性ゴムは材質が導電性天然ゴム(体積抵抗値5.0×10、JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度を70°)とするとともに、先端部に露出している弾性材をシリコーンゴム(JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度を50°)としている。軸体1は導電性材料のみから構成されている。ここでも、軸体1の接続部11とペン先2の接触部21の導電性ゴム22が覆う周縁部とが、接触・導通している。ペン先2から、接触部21の導電性ゴム22が覆う周縁部、接続部11を通じて、軸体1の把持部12まで、導電性の材料で繋がっている構成となっている。
【0027】
図4及び図5は第2の実施形態における、ペン先尖端と静電容量型座標入力装置または表示一体型静電容量型入力装置6との接触状態である。本実施例においては、前記した通り、ペン体の中心軸Aとペン先の先端面との角度Tは70°である。図4のように、適正な断面積を有するペン先尖端を、ペン先の先端面と入力装置の面6が並行となるような適正な筆記角度(T)で接触させれば問題はない。しかしながら、通常の使用において、適切な角度Tで、常にペン体の中心軸Aと入力装置の面6との角度を保ち続けることは不可能であり、図5のような状態となってしまう場合がある。
【0028】
このような場合には、面6との接触面積が小さくなり、そのために、入力に支障が出てしまう可能性が高くなるが、この第2の実施形態における、ペン先尖端は柔軟な導電性ゴムと、それ以下のゴム硬度を持つ先端部に露出する材料から構成されているので、容易に変形し、大きな接触面積を確保することが出来る。ところで図5のように、ペン先尖端を、軽い筆圧によって変形させた場合、その歪みが表面の導電性ゴムの一部に掛かることとなる。ここで、仮に、先端部に露出する材料が表面の導電性ゴムを超えるゴム硬度であった場合、及び、先端部に露出する材料が無く中空であった場合には、この歪みを全て導電性ゴムが受けることになり、歪みが繰り返されることによって、疲労劣化を起こしてしまう。これに対して、内部に低いゴム硬度を持つ材料が隙間無く接着されていれば、この歪みの一部を、この材料が受けることとなり、導電性ゴムの疲労劣化を遅らせ、疲労劣化しても導電性ゴムを保持し続けることが出来る。
本実施例において、ペン先2から把持部12までの電気抵抗を測定したが、測定器の上限(10MΩ)を超えて測定不能であったが、問題なく正確な入力を行うことができた。
【0029】
(第3の実施形態)
図5は第3の実施形態であり、導電性の軸体1と、側面を導電性クロロプレンゴム(体積抵抗値1.5×10、JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度を80°)で覆い、先端部に導電性シリコーンゴム(体積抵抗値1.0×10、JIS K 6253におけるデュロメータタイプAの硬度を60°)露出させた形態のペン先尖端2と、軸体1の中に導電性スポンジ5と、ペン先尖端2と導電性スポンジ5を直接導通させるためのグラファイト焼結体4と尾栓3により構成されている。
この実施形態では、軸体1の接続部11とペン先2の接触部21の導電性ゴム22が覆う周縁部とは、導通していないが、ペン先尖端2の接触部21の導電性ゴム22が覆う周縁部から、グラファイト焼結体4、導電性スポンジ5を通じて、軸体1の把持部12まで、導電性材料で繋がっている構成となっている。
【0030】
このペン先尖端はいわゆるナイフカット状のチゼル型ペン芯の形状となっており、ペン芯尖端の稜線と軸体1との為す角は70°となっている。本実施例において、ペン先尖端2から把持部12までの電気抵抗の測定を行った。しかし相当に高い値で測定値が変動し、明確な値を示すことが出来ないが、入力動作に対する反応は全く問題が無く正確な入力を行うことができた。
【0031】
詳しく図示はしていないが、この第3の実施形態はペン先尖端2が軸体1に嵌合する口プラ10に収納されているので、ペン先尖端2の交換が比較的容易に行える。即ち、側面の導電性ゴム22を含むペン先尖端2が摩滅してきた場合などには、この口プラ10を取り外し、新たなペン先尖端2を備えた口プラ10に付け替えることが出来る。使用者は「筆記抵抗」や「入力感」が長期間の使用によって、柔らかくなり気に入らなくなった場合には、ペン先尖端2を軸体1から(口プラ10ごと)引っこ抜き、交換することによって、新品の「筆記抵抗」や「入力感」によって、作業を行うこともできる。
【0032】
また、これらの実施形態のペンの後端部に尾栓3の代わりにボールペンなどの筆記具を結合して構成し、普通の紙面へのメモ書き、アンダーライン引きを行えるようにしてもよい。
【0033】
(第4の実施形態)第4の実施形態は、軸体を導電性のない軸体としたこと以外は第3の実施形態と同様にして構成した。この実施形態においても、使用者が「筆記抵抗」や「入力感」が気に入らない場合には、この入力尖端2あるいは口プラ10ごと交換することで、気に入った「筆記抵抗」や「入力感」とすることができる。本実施例において、ペン先尖端2から把持部12までの電気抵抗を測定したが、測定器の上限(10MΩ)を超えて測定不能であった。しかし問題なく正確な入力を行うことができた。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。すなわち、水などの導電性液体を入力装置に付着することがなく、筆圧によって検知位置がずれず、パネル表面を傷つけることがないような入力が可能である。そしてペン先尖端部に、ある程度柔軟な平面部を持つため、いわゆる電子書籍の文字列のデータに対して、アンダーラインを引くような入力が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明品は、いわゆる電子書籍へのアンダーライン引き、デジタル映像への加筆、加工、あるいは、文字、筆跡および描線の入力に利用することが出来る。
【符号の説明】
【0036】
1 軸体
10 口プラ
11 軸体の接続部
12 把持部
13 尾栓嵌合部
2 ペン先尖端
21 導電性ゴム部
22 先端部
23 露出する材料部
24 ペン先尖端の接触部
3 尾栓
4 グラファイト焼結体
5 導電性スポンジ
6 入力装置の面
A ペン体の中心軸
T 先端面と中心軸の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6