特許第5944219号(P5944219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5944219
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】農園芸用殺菌剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 59/20 20060101AFI20160621BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20160621BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   A01N59/20 Z
   A01N25/00 101
   A01P3/00
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-103764(P2012-103764)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-231004(P2013-231004A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000169
【氏名又は名称】クミアイ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097825
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 久紀
(74)【代理人】
【識別番号】100137925
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 紀一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100158698
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 基樹
(72)【発明者】
【氏名】三角 裕治
(72)【発明者】
【氏名】大高 伸明
【審査官】 松本 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−231001(JP,A)
【文献】 特開昭55−027164(JP,A)
【文献】 国際公開第1996/003872(WO,A1)
【文献】 特開2006−282553(JP,A)
【文献】 特開2000−198710(JP,A)
【文献】 特表2005−516982(JP,A)
【文献】 特表昭61−501763(JP,A)
【文献】 特開平11−076374(JP,A)
【文献】 特開昭54−089032(JP,A)
【文献】 特開2008−297285(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0248673(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 1/00−65/48
A01P 1/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸化第二銅、アニオン性界面活性剤、及び、コハク酸、コハク酸塩、リンゴ酸、リンゴ酸塩、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩から選ばれる1種または2種以上と、水溶性アンモニウム塩を配合してなる、植物に対する散布汚れが軽減された農園芸用殺菌剤。
【請求項2】
水溶性アンモニウム塩が塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、コハク酸アンモニウム、(+)酒石酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウムから選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の農園芸用殺菌剤を植物に散布することを特徴とする、植物の水酸化第二銅による散布汚れ軽減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物に対する散布汚れが軽減された農園芸用殺菌剤及び該剤を用いた植物の散布汚れ軽減方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農園芸用殺菌剤分野では、種々の化合物が有効成分として使用されている。その中で、水酸化第二銅は古くから知られている有効成分であるが、病原菌の薬剤抵抗性が発達し難く、比較的安価で且つ植物病害に対して安定した防除効果を有することから、現在でも広く使用されている。しかし、この水酸化第二銅は、植物の葉部及び果実が青、緑色、褐色等の使用した銅化合物の色調に汚れてしまうという問題がある。農園芸作物が汚れてしまうと、外観が悪くなるので商品価値が下がる。したがって、水酸化第二銅による農作物や園芸植物などの散布汚れは、農園芸家にとって深刻な問題であった。これらの点から、水酸化第二銅を含有する農園芸用殺菌剤は植物に対する汚れの少ないものが望まれている。
【0003】
特許文献1には、水酸化第二銅の薬害軽減対策として用いられる炭酸カルシウムによる汚れを軽減する技術が開示されているが、水酸化第二銅そのものの汚れを軽減する技術は知られていない。
【0004】
よって、植物に対する汚れの少ない水酸化第二銅を含有する農園芸用殺菌剤の開発が、当業界において強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−297285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、植物に散布後の植物の葉部、果実等の散布汚れが軽減された、水酸化第二銅を含有してなる農園芸用殺菌剤、及び、該剤を用いた植物の散布汚れ軽減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、水酸化第二銅を含有する農園芸用殺菌剤について種々研究を重ねた結果、水酸化第二銅、アニオン性界面活性剤、及び有機酸、有機酸塩のいずれかあるいは両方と、水溶性アンモニウム塩を必須構成成分として配合してなる剤が、散布汚れを軽減させ、かつ保存性・安定性が良好であることを見出し、かかる知見に基づいて発明を完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)水酸化第二銅、アニオン性界面活性剤、及び有機酸、有機酸塩のいずれかあるいは両方と、水溶性アンモニウム塩を配合してなる、植物に対する散布汚れが軽減された農園芸用殺菌剤。
(2)有機酸がコハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸から選ばれる1種または2種以上である(1)に記載の剤。
(3)有機酸塩がコハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸の塩から選ばれる1種または2種以上である(1)または(2)に記載の剤。
(4)水溶性アンモニウム塩が塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、コハク酸アンモニウム、(+)酒石酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウムから選ばれる1種または2種以上である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の剤。
(5)(1)〜(4)のいずれか1つに記載の農園芸用殺菌剤を植物に散布することを特徴とする、植物の水酸化第二銅による散布汚れ軽減方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る農園芸用殺菌剤は、植物に対する水酸化第二銅による散布汚れが軽減される。さらに、前記散布汚れの軽減効果が長期間安定して維持される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の水酸化第二銅は、所望により、その他の植物病害に防除効果を示す殺菌性銅化合物とともに使用することもできる。水酸化第二銅以外の殺菌性銅化合物としては、例えば、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅、硫酸銅、塩化第二銅、塩基性硫酸銅等の無機殺菌性銅化合物、8−ヒドロキシキノリン銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、ペンタクロロフェノール銅及びテレフタル酸銅等の有機殺菌性銅化合物が挙げられる。
【0011】
なお、これらの殺菌性銅化合物は公知であり、例えば、「THE PESTICIDE MANUAL−15th EDITION」(BCPC刊,ISBN 978−1−901396−18−8)、「SHIBUYA INDEX 15th Edition」(SHIBUYA INDEX研究会刊,ISBN 978−4−88137−157−2)、「農薬ハンドブック 1994年版」(平成6年12月21日 社団法人 日本植物防疫協会発行)、あるいは「最新農薬データブック 第3版(1997年)」(1997年1月25日 株式会社ソフトサイエンス社,ISBN 978−4−88171−073−9)に記載されている。
【0012】
水酸化第二銅の製剤中への添加量は、製剤全量の0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜80重量%である。
【0013】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤の中で、特に、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、及びジアルキルスルホコハク酸塩が好適に用いられる。
【0014】
有機酸としては、特に限定はされないが、例えば、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸が好適に用いられ、さらに好適にはコハク酸、DLリンゴ酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸が用いられる。
【0015】
また、これら有機酸の製剤中への添加量は、特に限定はされないが、通常は製剤全量の0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜25重量%、さらに好適には0.5〜10重量%である。
【0016】
有機酸塩としては、特に限定はされないが、例えば、ヒドロキシ酸塩、ジカルボン酸塩が用いられ、好適には、コハク酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩が用いられる。さらに好適には、クエン酸三ナトリウム、DLリンゴ酸二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酒石酸ナトリウムが用いられる。
【0017】
また、これら有機酸塩の製剤中への添加量は、特に限定はされないが、通常は製剤全量の0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜25重量%、さらに好適には0.5〜10重量%である。
【0018】
水溶性アンモニウム塩としては、特に限定はされないが、例えば、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、コハク酸アンモニウム、(+)酒石酸アンモニウム、酒石酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウムが用いられ、特に硫酸アンモニウムが好適に用いられる。
【0019】
本発明の農園芸用殺菌剤には、所望により、さらに防除対象に応じた殺菌成分、殺虫成分、殺ダニ成分、殺線虫成分、除草成分、植物成長調整成分等の農薬成分を配合することができる。これらの農薬成分は市販されているか、または農薬成分として知られた化合物であり、これらの化合物は日本植物防疫協会発行の農薬ハンドブック、日本植物防疫協会発行の農薬要覧、全国農業協同組合連合会発行のクミアイ農薬総覧及び同連合会発行のSHIBUYA INDEX、株式会社ソフトサイエンス社発行の最新農薬データブック等に記載されている。
【0020】
併用する殺菌成分の具体例として、例えば、アシベンゾラルSメチル、アゾキシストロビン、アミスルブロム、アメトクトラジン、イソチアニル、イソピラザム、イソプロチオラン、イプコナゾール、イプロジオン、イプロバリカルブ、イプロベンホス、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン酢酸塩、イミベンコナゾール、エクロメゾール、エジフェンホス、エタボキサム、エポキシコナゾール、オキサジキシル、オキサジニラゾール。オキシテトラサイクリン、オキスポコナゾールフマル酸塩、オキソリニック酸、オリサストロビン、カスガマイシン、カプタホール、カルプロパミド、カルベンダゾール、キノキシフェン、キノメチオネート、キャプタン、キントゼン、グアザチン、クレソキシムメチル、クロロネブ、クロロタロニル、シアゾファミド、ジエトフェンカルブ、ジクロシメット、ジクロメジン、ジチアノン、ジネブ、ジフェノコナゾール、シフルフェナミド、ジフルメトリム、シプロコナゾール、シプロジニル、シメコナゾール、ジメトモルフ、シモキサニル、ジモキシストロビン、ジラム、ストレプトマイシン、セダキサン、ゾキサミド、ダゾメット、チアジアジン、チアジニル、チアベンダゾール、チウラム、チオファネートメチル、チフルザミド、テクロフタラム、テトラコナゾール、テブコナゾール、テブフロキン、トリアジメホン、トリシクラゾール、トリフルミゾール、トリフロキシストロビン、トリホリン、トルクロホスメチル、トルニファニド、バリダマイシン、ビキサフェン、ピコオキシストロビン、ビテルタノール、ヒドロキシイソキサゾール、ヒメキサゾール、ピリフェノックス、ピリブチカルブ、ピリベンカルブ、ピリメタニル、ピロキロン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピリオフェノン、ビンクロゾリン、ファモキサドン、フェナジンオキシド、フェナミドン、フェナリモル、フェノキサニル、フェリムゾン、フェンピラザミン、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フォルペット、フサライド、ブラストサイジンS、フラメトピル、フルアジナム、フルオキサストロビン、フルオピコリド、フルオピラム、フルオルイミド、フルキサピロキサド、フルジオキソニル、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、プロキナジド、プロクロラズ、プロシミドン、プロチオコナゾール、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、プロピネブ、プロベナゾール、ヘキサコナゾール、ベノミル、ペフラゾエート、ペンシクロン、ベンチアバリカルブイソプロピル、ペンチオピラド、ペンフルフェン、ボスカリド、ホセチル、ポリオキシン、ポリカーバメート、ホルペット、マンジプロパミド、マンゼブ、マンネブ、ミクロブタニル、メタラキシル、メトミノストロビン、メトラフェノン、メパニピリム、メフェノキサム、メプロニル、銀、硫黄化合物、有機亜鉛、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、脂肪酸グリセリド、シイタケ菌糸体抽出物、微生物農薬のエルビニア属細菌、シュードモナス属細菌、バシルス属細菌、タラロマイセス属菌、トリコデルマ属菌、フザリウム属菌より選ばれるものが使用できる。
【0021】
殺虫成分、殺ダニ成分、殺線虫成分の具体例としては、例えば、1,3−ジクロロプロペン、BPMC、BPPS、BRP、CL900167、氷晶石、CVMP、CYAP、DCIP、D−D、DCIP、DDVP、DEP、DMTP、ECP、EPN、MEP、MIPC、MPP、NAC、N−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム、NNI−0101、PAP、PHC、RU15525、XDE−175、XMC、ZXI8901、アクリナトリン、アザメチホス、アジンホス・エチル、アジンホス・メチル、アセキノシル、アセタミプリド、アセトプロール、アセフェート、アゾシクロチン、アバメクチン、アミトラズ、アラニカルブ、アルジカルブ、アルファ−シペルメトリン、アレスリン、イソカルボホス、イソキサチオン、イソプロカルブ、イミシアホス、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エチルチオメトン、エトキサゾール、エトフェンプロックス、エトプロホス、エマメクチン、エンドスルファン、エンペントリン、オキサミル、オキシジメトン・メチル、オメトエート、オレイン酸ナトリウム、カーバム、カーバムナトリウム、カズサホス、カデスリン、カルタップ、カルバリル、カルボスルファン、カルボフラン、ガンマ・シハロトリン、キシリルカルブ、キナルホス、キノプレン、キノメチオネート、クマホス、クロチアニジン、クロフェンテジン、クロマフェノイド、クロルエトキシホス、クロルデン、クロルピクリン、クロルピリホス、クロルピリホス・メチル、クロルフェナピル、クロフェンテジン、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロマフェノジド、クロルメホス、サノピラフェン、シアノホス、ジアフェンチウロン、ジエノクロル、ジクロトホス、シクロプロトリン、ジクロルボス、ジスルホトン、ジノテフラン、シハロトリン、シフェノトリン、シフルトリン、ジフルベンズロン、シフルメトフェン、シヘキサチン、シペルメトリン、ジメチルビンホス、ジメトエート、シラフルオフェン、シロマジン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロテトラマト(スピロテトラマト)、スピロメシフェン、スルプロホス、スルホテップ、ゼタ・シペルメトリン、ダイアジノン、タウフルバリネート、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオシクラム、チオスルタップ、チオファノックス、チオメトン、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメスリン、テブピリムホス、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルトリン、テフルベンズロン、デメトン・S・メチル、テメホス、デリス、デルタメトリン、テルブホス、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、トルフェンピラド、ナトリウム=メチルジチオカルバマート、ナレッド、ニテンピラム、ネマデクチン、ノバルロン、ノビフルムロン、ハイドロプレン、バミドチオン、パラチオン、パラチオン・メチル、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、ビオアレトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、ピダフェンチオン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ピメトロジン、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダベン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、ピリミカルブ、ピリミジフェン、ピリミホスメチル、ピレトリン、ファムフル、フィプロニル、フェナザキン、フェナミホス、フェニソブロモレート、フェニトロチオン、フェノキシカルブ、フェノチオカルブ、フェノトリン、フェノブカルブ、フェンチオン、フェントエート、フェンバレレート、フェンピロキシメート、フェンブタンチン・オキシド、フェンプロパトリン、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、ブプロフェジン、フラチオカルブ、プラレトリン、フルアクリピリム、フルシクロクスウロン、フルシトリネート、フルスルファミド、フルバリネート、フルピラゾホス、フルフェノクスウロン、フルベンジアミド、フルメトリン、フルリムフェン(フルフェネリム)、プロチオホス、フロニカミド、プロパホス、プロピキスル、プロフェノフォス、プロペタムホス、ブロモプロピレート、ベータ−シペルメトリン、ベータ・シフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヘプテノホス、ペルメトリン、ベンスルタップ、ベンゾエピン、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ホキシム、ホサロン、ホスチアゼート、ホスファミドン、ホスメット、ホルメタネート、ホレート、マシン油、マラチオン、ミルベメクチン、メカルバム、メスルフェンホス、メソミル、メタアルデヒド、メタフルミゾン、メタミドホス、メチオカルブ、メチダチオン、メチルイソチオシアネート、メトキシフェノジド、メトトリン、メトプレン、メトルカルブ、メビンホス、モノクロトホス、ラムダ・シハロトリン、リナキシピル、ルフェヌロン、レスメトリン、レピメクチン、ロテノ、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、硫酸ニコチン、塩酸レバミゾール、酸化エチレン、酸化フェンブタスズ、脂肪酸グリセリド、酒石酸モランテル、なたね油、デンプン、大豆レシチン、BT、バーティシリウム・レカニ、パスツーリアペネトランスより選ばれるものが使用できる。ここでいうBT剤とは細菌のBacillus thuringiensisを利用した農薬の総称であり、菌の産生する結晶タンパク、生菌胞子、その両方の混合物があるが、本発明ではそのいずれも用いることができる。
【0022】
除草成分の具体例としては、例えば2,3,6−TBA、2,4−D、2,4−DB、2,4−PA、ACN、CAT、DBN、DCBN、DCMU、DCPA、DNOC、DPA、EPTC、HC−252、IPC、KIH−485、MCPA、MCPA・イソプロピルアミン塩、MCPA・エチル、MCPA・ナトリウム、MCPA・チオエチル、MCPB、MCPP、MDBA、MDBA・イソプロピルアミン塩、MDBA・ナトリウム塩、PAC、SAP、S−メトラクロール、TCTP、TM−435、アイオキシニル、アクロニフェン、アシフルオルフェン、アジムスルフロン、アシュラム、アセトクロール、アトラジン、アニロホス、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミトロール、アミノピラリド、アミプロホスメチル、アメトリン、アラクロール、アロキシジム、アンシミドール、イオドスルフロン、イソウロン、イソキサフルトール、イソキサベン、イソプロツロン、イマザキン、イマザピル、イマザメタベンズ、イマザメメタピル(イマザピク)、イマザモックス、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、エスプロカルブ、エタメトスルフロン・メチル、エタルフルラリン、エトキシスルフロン、エトフメセート、エトベンザニド、エンドタール二ナトリウム、オキサジアゾン、オキサジアルギル、オキサジクロメホン、オキサスルフロン、オキシフルオルフェン、オリザリン、オルベンカルブ、カフェンストロール、カルフェントラゾン・エチル、カルブチレート、カルベタミド、キザロホップ・P、キザロホップ・P・エチル、キザロホップ・P・テフリル、キザロホップ・エチル、キノクラミン、キンクロラック、キンメラック、クミルロン、グリホサート、グリホサート・アンモニウム塩、グリホサート・イソプロピルアミン塩、グリホサート・カリウム塩、グリホサート・トリメシウム塩(スルホセート)、グリホサート・ナトリウム塩、グルホシネート、グルホシネートナトリウム塩、クレトジム、クロジナホップ、クロピラリド、クロマゾン、クロメプロップ、クロランスラム・メチル、クロリダゾン、クロリムロン・エチル、クロルスルフロン、クロルタル・ジメチル、クロルフタリム、クロルプロファム、クロルメコート、クロロトルロン、シアナジン、ジウロン、ジカンバ、シクロエート、シクロキシジム、ジクロスラム、シクロスルファムロン、ジクロベニル、ジクロホップ・メチル、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、ジクワット、ジチオピル、シデュロン、ジニトラミン、シニドン・エチル、シノスルフロン、ジノテルブ、シハロホップ・ブチル、ジフェナミド、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルメトリム、シマジン、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、シメトリン、ジメピペレート、ジメフロン、シンメチリン、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホスルフロン、スルホメツロン・メチル、セトキシジム、ターバシル、ダイムロン、チアゾピル、チエンカルバゾン、チオカルバジル、チオベンカルブ、チジアズロン、チフェンスルフロン・メチル、デシルアルコール、デスメディファム、テトラピオン、テニルクロール、テブチウロン、テプラロキシジム、テフリルトリオン、テルブチラジン、テルブトリン、テルブメトン、テンボトリオン、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアジフラム、トリアスルフロン、トリアレート、トリエタジン、トリクロピル、トリスルフロン・メチル、トリトスルフロン、トリフルラリン、トリフロキシスルフロン・ナトリウム塩、トリベニュロン・メチル、ナプタラム、ナプロアニリド、ナプロパミド、ニコスルフロン、ネブロン、ノルフルラゾン、パラコート、ハロキシホップ、ハロキシホップ・P、ハロキシホップ・P・メチル、ハロスルフロン・メチル、ビアラホス、ピキサデン、ピクロラム、ピコリナフェン、ビスピリバック・ナトリウム塩、ビフェノックス、ピラクロニル、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピラゾスルフロン・エチル、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ビラナホス、ピラフルフェン・エチル、ピリチオバック・ナトリウム塩、ピリデート、ピリフタリド、ピリブチカルブ、ピリベンゾキシム、ピリミスルファン、ピリミスルフロン・メチル、ピリミノバックメチル、フェノキサプロップ・P・エチル、フェノキサプロップ・エチル、フェンクロリム、フェントラザミド、フェンメディファム、フォラムスルフロン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブチレート、ブトラリン、ブトロキシジム、フラザスルフロン、フラムプロップ・M、フルアジホップ、フルアジホップ・P、フルオメツロン、フルオログリコフェン、フルカルバゾン・ナトリウム塩、フルセトスルフロン、フルチアセット・メチル、フルピルスルフロン、フルフェナセット、フルポキサム、フルミオキサジン、フルミクロラック・ペンチル、フルメツラム、フルルプリミドール、フルロキシピル、プレチラクロール、プロジアミン、プロスルフロン、プロスルホカルブ、プロパキザホップ、プロパクロール、プロパジン、プロパニル、プロピザミド、プロピソクロール、プロファム、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン・ナトリウム塩、プロホキシジム、ブロマシル、プロメトリン、プロメトン、ブロモキシニル、ブロモブチド、フロラスラム、ヘキサジノン、ベスロジン、ペトキサミド、ベナゾリン、ペノキススラム、ペブレート、ベンズフェンジゾン、ベンスリド、ベンスルフロン・メチル、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ペンタノクロール、ベンチオカーブ、ペンディメタリン、ペントキサゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ホメサフェン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジド、メコプロップ、メコプロップ−P・カリウム塩、メソスフロン・メチル、メソトリオン、メタザクロール、メタベンズチアズロン、メタミトロン、メタミホップ、メチルダイムロン、メトキスロン、メトスラム、メトスルフロン・メチル、メトベンズロン、メトラクロール、メトリブジン、メピコート・クロリド、メフェナセット、モノリニュロン、モリネート、ラクトフェン、リニュロン、リムスルフロン、レナシル、ザントモナス・キャンペストリス、ドレクスレラ・モノセラスより選ばれるものが使用できる。
【0023】
植物成長調整成分の具体例としては、例えばアブシジン酸、イナベンフィド、インドール、ウニコナゾールP、エチクロゼート、エテホン、オキシン硫酸塩、ギ酸カルシウム、クロキシホナック、クロルメコート、コリン、シアナミド、ジクロルプロップ、ジベレリン、ダミノジッド、デシルアルコール、ブトルアリン、トリネキサパックエチル、パクロブトラゾール、パラフィン、ピラフルフェンエチル、ブトルアリン、フルルプリミドール、プロヒドロジャスモン、プロヘキサジオンカルシウム塩、ベンジルアミノプリン、ペンディメタリン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロリド、ワックス、MCPA・チオエチル、MCPB、1−ナフチルアセトアミド、4−CPA、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、過酸化カルシウム、クロレラ抽出物、混合生薬抽出物より選ばれるものが使用できる。
【0024】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばタルク、ベントナイト、クレー、炭酸カルシウム、セピオライト、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、尿素、軽石等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられる。
【0025】
担体が非水溶性の場合、その製剤中への添加量は、通常、製剤全量の90%未満である。好適には、50%未満が好ましく、さらに好適には10%未満が好ましい。散布汚れの面からは、非水溶性の担体は無添加とすることが最も好ましい。
【0026】
液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
【0027】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロ−ス、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及び酸性リン酸イソプロピル、ジブチルヒドロキシトルエン等の安定化剤が挙げられる。
【0028】
本発明に係る農園芸用殺菌剤は、一般に汎用されている農薬製剤に製剤化して使用する。すなわち、本発明の必須構成成分に必要に応じて担体、補助剤等を配合し、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、微粒剤、粒剤、乳剤、懸濁剤等の任意の剤型にして使用することができ、特に水和剤、顆粒水和剤が好ましい。
【0029】
水和剤は、水酸化第二銅、アニオン性界面活性剤、及び有機酸、有機酸塩のいずれかあるいは両方と、水溶性アンモニウム塩、さらに必要に応じて、その他の農薬活性成分、製剤用補助剤、増量剤等を添加し、衝撃式粉砕機や高速気流粉砕機を用いて混合粉砕することにより、調製しうる。
【0030】
顆粒水和剤は、水酸化第二銅、アニオン性界面活性剤、及び有機酸、有機酸塩のいずれかあるいは両方と、水溶性アンモニウム塩、さらに必要に応じて、その他の農薬活性成分、製剤用補助剤、増量剤等を添加し、混合粉砕後、加水混練して押し出し造粒機を用いて造粒後、乾燥、整粒し、調製しうる。また、粉体混合物に加水しながら転動造粒機にて造粒し、乾燥、整粒してもよい。さらに粉体混合物を水に分散させ、噴霧乾燥造粒機により製造してもよいし、粉体混合物を流動させながら、粘結剤、水溶液あるいは有効成分等をスプレーして造粒する流動層造粒機によって製造しうる。
【0031】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。なお、以下の説明において「部」は重量部を示す。
【実施例】
【0032】
(実施例1)
水酸化第二銅53.58部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、クエン酸一水和物10部、クエン酸三ナトリウムニ水和物5部、硫酸アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0033】
(実施例2)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、クエン酸一水和物5部、クエン酸三ナトリウムニ水和物1.25部、硫酸アンモニウム26.17部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0034】
(実施例3)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、クエン酸一水和物5部、クエン酸三ナトリウムニ水和物2.5部、クエン酸三アンモニウム24.92部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0035】
(実施例4)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸10部、クエン酸ニ水素アンモニウム22.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0036】
(実施例5)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸15部、硫酸アンモニウム17.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0037】
(実施例6)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸5部、DLリンゴ酸二ナトリウム0.5水和物2.5部、硫酸アンモニウム24.92部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0038】
(実施例7)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸二ナトリウム0.5水和物2.5部、硫酸アンモニウム29.92部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0039】
(実施例8)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム7部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸5部、DLリンゴ酸二ナトリウム0.5水和物2.5部、炭酸アンモニウム23.92部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0040】
(実施例9)
水酸化第二銅53.58部、リグニンスルホン酸ナトリウム7部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、コハク酸5部、コハク酸二ナトリウム2.5部、コハク酸アンモニウム28.92部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0041】
(実施例10)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8部、(+)酒石酸5部、(+)酒石酸ナトリウム二水和物1.25部、硫酸アンモニウム25.17部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0042】
(実施例11)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、クエン酸三ナトリウム二水和物10部、(+)酒石酸アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0043】
(実施例12)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、DLリンゴ酸10部、(+)酒石酸水素アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0044】
(実施例13)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、DLリンゴ酸10部、塩化アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0045】
(実施例14)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、DLリンゴ酸10部、炭酸水素アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0046】
(実施例15)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、DLリンゴ酸10部、酢酸アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0047】
(実施例16)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、DLリンゴ酸10部、リン酸三アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0048】
(実施例17)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム8部、DLリンゴ酸10部、リン酸二水素アンモニウム21.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0049】
(比較例1)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸5部、DLリンゴ酸二ナトリウム0.5水和物2.5部、クレー24.92部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0050】
(比較例2)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、硫酸アンモニウム32.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0051】
(比較例3)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、クレー32.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0052】
(比較例4)
水酸化第二銅53.58部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1部、リグニンスルホン酸ナトリウム6部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム7部、DLリンゴ酸15部、クレー17.42部を衝撃式粉砕機で混合粉砕し、水和剤を得た。
【0053】
(試験例1;散布汚れ評価試験)
各実施例、比較例に記載の農園芸用殺菌剤を500倍に水で希釈し、トマト、ナスにスプレーガンを用いて均一に十分量を散布した。散布1日後における実への汚れの程度を次の評価基準に従って判定した。評価試験は3回行い、その平均値を算出した。
また、各実施例、比較例に記載の農園芸用殺菌剤をアルミ袋に入れてヒートシールをして密封し、54℃に28日間保存した後、常温に戻して開封し、上記と同様に散布し、散布1日後における汚れの程度を次の評価基準に従って判定した。評価試験は3回行い、その平均値を算出した。
【0054】
<汚れの評価基準>
汚れが認められない。 指数係数:0
汚れが軽微。 指数係数:1
汚れが明確に認められる。 指数係数:2
汚れが目立つ。 指数係数:3
汚れが激しい。 指数係数:4
汚れ指数:{Σn(0〜4)/4n}×100=汚れ指数(n:葉数)
【0055】
結果を表1に示した。比較例では初期から水酸化第二銅による実の汚れが目立つものが見受けられ、長期保存後は全てのものが実の汚れが目立つあるいは激しいという評価であった。これに対し、本発明では、いずれの段階でも実の汚れが認められないか軽微な状態であり、水酸化第二銅による散布汚れが軽減されること、当該効果が長期間安定して維持されることが示された。
【0056】
【表1】
【0057】
本発明を要約すれば次のとおりである。
【0058】
本発明は、植物に散布後の植物の葉部、果実等の散布汚れが軽減された、水酸化第二銅を含有してなる農園芸用殺菌剤等を提供することを目的とする。
【0059】
そして、植物病害に防除効果を示す水酸化第二銅、アニオン性界面活性剤、及び有機酸、有機酸塩のいずれかあるいは両方と、水溶性アンモニウム塩を必須構成成分として配合してなる農園芸用殺菌剤を使用することにより、植物に散布後の植物の葉部、果実等の散布汚れを軽減する。また、この散布汚れの軽減効果が長期間安定して維持される。