特許第5944248号(P5944248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5944248-液体用流量計 図000002
  • 特許5944248-液体用流量計 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5944248
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】液体用流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/52 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
   G01F1/52 B
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-148943(P2012-148943)
(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公開番号】特開2014-10122(P2014-10122A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】湯本 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】西川 嘉晃
【審査官】 谷山 稔男
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭50−139760(JP,A)
【文献】 特開昭60−239623(JP,A)
【文献】 実開昭60−031621(JP,U)
【文献】 特開昭61−045924(JP,A)
【文献】 実開昭60−054920(JP,U)
【文献】 実開昭58−090406(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/52
G01F 23/30−23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と上流室と出口を有するケーシングと、上流室と出口を仕切るセキ板と、セキ板に開けられたセキ孔と、上流室に配されたフロートと、上流室から外部に突出して固定されたケースと、ケースの中心軸の回りに回転自在に取付けられた回転板と、一端が回転板に固定され他端がフロートに固定されフロートの浮上降下により回転して回転板を回転せしめるフロートアームと、中心軸とは別の連結軸により中心軸から離れた点において回転板に連結され回転板の回転に伴ってケースの軸心方向に変位する可動軸と、可動軸に内蔵された永久磁石と、永久磁石の変位に応じた永久磁石との距離変化に基づき上流室の液位を検出する磁気センサと、上流室の液位とセキ孔の通過量との関係から液体の流量を算出する流量算出器とを具備することを特徴とする液体用流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、油、薬液等の液体の流量を測定する液体用流量計に関し、特に、セキ孔の上流の液位とセキ孔の通過量との関係から液体の流量を測定する液体用流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体用流量計は、例えば特許文献1に開示されている。これは、入口と上流室と下流室と出口を有するケーシングと、上流室と下流室を仕切るセキ板と、セキ板に開けられたセキ孔と、上流室に配されたフロートと、上流室から外部に突出して固定されたケースと、フロートと磁気結合してケースの軸心方向に変位する可動軸と、可動軸に連動する摺動接点と抵抗体に接続された固定接点とから成るポテンショ・メータと、上流室の液位とセキ孔の通過量との関係から液体の流量を算出する流量算出器とを具備するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−45924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の液体用流量計は、摺動接点と固定接点との接触不良が生じるために流量を測定できなくなる問題点があった。
【0005】
したがって本発明が解決しようとする課題は、確実に流量を測定できる液体用流量計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の液体用流量計は、入口と上流室と出口を有するケーシングと、上流室と出口を仕切るセキ板と、セキ板に開けられたセキ孔と、上流室に配されたフロートと、上流室から外部に突出して固定されたケースと、ケースの中心軸の回りに回転自在に取付けられた回転板と、一端が回転板に固定され他端がフロートに固定されフロートの浮上降下により回転して回転板を回転せしめるフロートアームと、回転板に連結され回転板の回転に伴ってケースの軸心方向に変位する可動軸と、可動軸に内蔵された永久磁石と、永久磁石の変位に応じた永久磁石との距離変化に基づき上流室の液位を検出する磁気センサと、上流室の液位とセキ孔の通過量との関係から液体の流量を算出する流量算出器とを具備するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、磁気センサにより上流室の液位を検出するので、確実に流量を測定できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係わる液体用流量計の断面図である。
図2図1のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図2を参照して説明する。ケーシング1は入口2とほぼ円柱状の空間から成る上流室3と出口4を有し、図示しない入口側配管フランジと出口側配管フランジの間に配されボルトとナットから成る締結手段によって挟持される。入口2と上流室3を円板状の整流板5により仕切る。整流板5には複数の小孔から成る整流孔が開けられている。整流孔により入口2と上流室3を連通する。上流室3と出口4を円板状のセキ板6により仕切る。セキ板6にはセキ孔7とセキ孔7の上端から連通する通孔8が開けられている。セキ孔7と通孔8により上流室3と出口4を連通する。セキ孔7の上流の上流室3に中空球形のフロート9を配置する。
【0010】
ケーシング1にねじ結合によりケース10を固定する。ケース10の内端二又部分10aに中心軸11により回転板12を回転自在に取付ける。回転板12にフロートアーム13の一端を圧入により固定し、フロートアーム13の他端をフロート9に溶接により固定する。フロートアーム13はフロート9の浮上降下により回転して回転板12を回転せしめる。回転板12に可動軸15の一端二又部分15aを連結軸14により連結する。可動軸15は回転板12の回転に伴ってケース10の軸心方向に変位する。可動軸15の他端に永久磁石16を内蔵する。ケース10の隔壁10bにより永久磁石16とは隔てて永久磁石16の変位に応じた永久磁石16との距離変化に基づき上流室3の液位を検出する磁気センサ17をケース10に取付ける。磁気センサ17を流量算出器18に接続する。流量算出器18は上流室3の液位とセキ孔7の通過量との関係を予め記憶しており、上流室3の液位から液体の流量を算出する。
【0011】
入口2の液体は整流孔を通して上流室3に入り、セキ孔7を通して出口4に流出する。上流室3の液位に伴ってフロート9が浮上降下し、フロート9の浮上降下によりフロートアーム13が回転して回転板12が中心軸11の回りに回転する。回転板12の回転に伴って可動軸15がケースの軸心方向に変位して永久磁石16の磁気センサ17との距離が変化する。磁気センサ17が永久磁石16との距離変化に基づき上流室3の液位を検出し、流量算出器18が上流室3の液位とセキ孔7の通過量との関係から液体の流量を算出する。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、水、油、薬液等の液体の流量を測定する液体用流量計に利用することができる。
【符号の説明】
【0013】
1 ケーシング
2 入口
3 上流室
4 出口
5 整流板
6 セキ板
7 セキ孔
8 通孔
9 フロート
10 ケース
11 中心軸
12 回転板
13 フロートアーム
14 連結軸
15 可動軸
16 永久磁石
17 磁気センサ
18 流量算出器
図1
図2