【実施例】
【0065】
以下の実施例で示される本発明の組成物は、本発明の組成物の特定の実施形態を示すものであって、本発明を限定するものではない。その他の変更は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実行されることができる。
【0066】
速められた成長期の開始の判定
成長期の開始の加速をC3Hマウスにおいて判定するために、従来の混合技術を用いて以下の治療製剤を調製した。
【表1】
【表2】
1.Actavis MidAtlantic LLC,Baltimore,MDより供給。
【0067】
6〜7週齢の雌のC3HマウスをTaconic Farms(Germantown,NY)から購入した。C3Hマウスの毛周期は、同様の成長期、退行期、及び休止期を有する。(表1)(Miyamoto I.;Hamada K.、Journal of Dermatological Science,Volume 10,Number 1,July 1995,pp.99〜99(1))。
【表3】
【0068】
各時期はかなり短く、同時に生じる。このため、C3Hマウスは、活性物質による発毛の誘発活性を研究するための有用なモデルとなる。C3Hマウスは、第7週から第15週までの間が長い休止時期となる。したがって、典型的には、発毛研究は7週目に開始し、15週目に終了する、即ち、研究期間は約8週間である。
【0069】
マウスは、12時間明るく12時間暗くなる光周期の環境調節室内にある、適切に寸法設定されたケージに入れられ、餌と水は不断給餌された。動物の世話は、「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」、NIH Publication No.85〜23に基づいた。全てのマウスが毛周期の長期の毛髪休止期/休息期に入った時点で、背部領域約1.5×5cmを刈り込んだ(Wahl Clippers 8900 Series,Blade # 1086)。群ごとに5匹の雌のマウスを刈り込むと同時に、誘発及び維持のための2%のイソフルラン及び0.5Lの酸素で鎮静させた。データに表示されるマウスの実際の数は、研究中の1匹以上のマウスの不慮の死により変化し得る。
【0070】
治療群及び治療製剤は、次のように選択された。
【表4】
(角括弧「[ ]」は、治療製剤中の、αケト酸成分と、酸化防止剤成分と、脂肪酸混合物成分との重量%比を示す。)
【0071】
200mgの各試験製剤を試験皮膚領域に、毎日、週5日間局所適用した。毛髪成長期/活発な成長期の初発症候を目視観察により判定するために、及び硬毛が皮膚治療領域を覆う速度を判定するために、治療の各週の5日目及びその後7日ごとに画像を撮影した。成長期に入ったマウスの日々の観察(灰色の皮膚、新たな育毛の最初の目に見える手掛かり)を記録する研究ログ(即ち、成長期ログ)をつけた。治療は9週間継続した。驚くべきことに、成長期の開始は、5%ミノキシジル単独よりも、5%のミノキシジルに本発明の混合物を加えたもので治療したC3Hマウス群でより速く現れた。成長期ログに記録された結果を表IIに再現する。
【0072】
表IIは、成長期ログに記録されたA群〜H群に関する成長期開始を示している。
【表5】
(角括弧「[ ]」は、治療製剤中の、αケト酸成分と、酸化防止剤成分と、脂肪酸混合物成分との重量%比を示す。)
【0073】
表IIのデータは、成長期の開始が、A群においてG群よりも5日早く、H群よりも23日早く現れたことを明らかにしている。混合物にミノキシジルを加えることにより、成長期の開始が次のように速められた。
i.B、C、及びD群はG群よりも9日早く、H群よりも27日早い。
ii.E群はG群よりも13日早く、H群よりも31日早い。
【0074】
各群におけるマウスの硬毛の平均被覆度は、0週目、4週目及び5週目に撮影した画像の目視検査によって判定された。「硬毛の被覆度」というフレーズは、硬毛によって覆われた治療部位の観察されたおよその平均割合を意味する。「高い硬毛の被覆度」というフレーズは、マウスの1つの群に関連した硬毛の平均被覆が、a.)平均して密度が高い又は色が濃い、及び/又はb.)別の群で観察された平均割合よりも大きな観察されたおよその平均割合で治療部位を覆っている、ことを意味する。「低い硬毛の被覆度」というフレーズは、マウスの1つの群に関連した硬毛の平均被覆が、a.)平均して薄い又は色が明るい、及び/又はb.)別の群で観察された平均割合よりも大きな観察されたおよその平均割合で治療部位を覆っている、ことを意味する。「硬毛の平均被覆度が速い」というフレーズは、硬毛の被覆度が時間的により速く達成されることを意味する。用語「平均」とは、各群のマウス全体の平均を意味する。用語「観察された」又は「目視観察」とは、ヒトの裸眼によって行われる画像の目視検査を意味する。
【0075】
次に、群を、最も高い硬毛被覆度から最も低い硬毛被覆度の順番でランク付けした。表示されている混合物成分に関する酸と酸化防止剤と脂肪酸混合物の混合比は、用語「混合物」の後の角括弧の中に記載されている。
【0076】
0週目(マウスを剃毛した日)に撮影された画像の目視観察は、この研究段階において、A群〜H群の全てのマウスの全ての硬毛が除去されていることを示している。
【0077】
表IIIは、5週目に撮影された画像に基づいたA、G、及びH群に関する硬毛被覆度のランキングである。
【表6】
【0078】
表IIIのランキングは、製剤5(ミノキシジル非含有混合物[7:7:7])で治療されたA群が、未治療のG群及び製剤7(5%ミノキシジル単独)で治療されたH群よりも速くかつ高い硬毛被覆度をもたらしたことを示す。
【0079】
ミノキシジルを混合物に加えると、より速くかつより高い程度の有効性がもたらされたことが更に示された。4週目に撮影された画像を基に、群を硬毛の被覆度によってランク付けし、表IVに示す。
【表7】
【0080】
表IVのランキングは、製剤4(混合物[7:1:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたE群が、全群の中で最も早くかつ高い硬毛被覆度を示したことを実証している(製剤5(ミノキシジル非含有混合物[7:7:7])で治療されたA群よりも1週間早かった)。製剤1(混合物[7:7:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたB群、製剤2(混合物[7:7:1]含有5%ミノキシジル)で治療されたC群、製剤3(混合物[1:7:7]含有5%ミノキシジル)で治療されたD群、及び製剤6(混合物[3.5:3.5:3.5]含有5%ミノキシジル)で治療されたF群は、全群の中で2番目に速くかつ高い硬毛被覆度を示した。製剤5(ミノキシジル非含有混合物[7:7:7])で治療されたA群、未治療のG群、及び製剤7(混合物非含有5%ミノキシジル)で治療されたH群は、この研究段階において最も少ない硬毛被覆度を示した。
【0081】
表III及び表IVに記録されているランキングデータの要約は、以下のことを示している。
a.ミノキシジル非含有混合物を含有する組成物で治療されたマウスの皮膚は、未治療マウスの皮膚よりも硬毛の被覆度が速いことを実証した。
b.αケト酸と脂肪酸混合物との比が1:1であるが、酸化防止剤が比例的に少ない混合物を含有する組成物で治療されたマウスの皮膚は、同等に少ない量のαケト酸又は脂肪酸混合物(即ち、酸化防止剤と脂肪酸混合物との比、及びαケト酸と酸化防止剤との比が、それぞれ1:1の場合)を含有する混合物よりも硬毛の被覆度が速いことを実証した。
c.ミノキシジルと本発明の混合物とを含有する組成物で治療されたマウスの皮膚は、次のi.、ii.、iii.の皮膚よりも硬毛の被覆度が速いことを実証した:
i.同量の混合物非含有ミノキシジルを含有する組成物で治療されたマウスの皮膚、
ii.同量のミノキシジル非含有混合物を含有する組成物で治療されたマウスの皮膚、及び
iii.未治療のマウスの皮膚。
【0082】
以下の非限定的実施例は、本開示の組成物を更に説明する。各実施例の成分は、従来の混合技術を用いて当該成分を混合することによって調製された。
【表8】
【表9】
【0083】
〔実施の態様〕
(1) 脱毛を低減させる及び/又は育毛若しくは発毛を促進する方法であって、
約0.1重量%〜約100重量%の混合物を含む、安全かつ有効な量の組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類の皮膚に塗布する工程を含み、前記混合物が、
a.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、クレブス回路の中間体、クレブス回路の中間体でないαケト酸、これらの誘導体、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
b.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、並びに
c.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸(margaroleic acid)、ベヘン酸、ジホモリノレン酸(dihomolinoleic acid)、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択される少なくとも7種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、
を含む、方法。
(2) 前記酸がαケト酸である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記αケト酸が、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、α−ケトイソ吉草酸、α−ケトイソカプロン酸、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記αケト酸が、ピルビン酸、ピルビン酸リチウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸マグネシウム、ピルビン酸カルシウム、ピルビン酸亜鉛、ピルビン酸マンガン、ピルビン酸メチル、これらの塩、これらのプロドラッグ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるピルビン酸である、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記ピルビン酸がピルビン酸ナトリウムである、実施態様4に記載の方法。
(6) 前記酸化防止剤が、ビタミンA、ビタミンC、トコフェロール、ビタミンAのプロドラッグ、ビタミンCのプロドラッグ、及びビタミンEのプロドラッグ、ビタミンAの塩、ビタミンCの塩、及びビタミンEの塩、フラボノイド、ポリフェノール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記酸化防止剤が、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコキノン、トコトリエノール、これらのエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるビタミンEである、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記ビタミンEが、トコフェロールのエステル、β−トコフェロールのエステル、γ−トコフェロールのエステル、δ−トコフェロールのエステル、トコキノンのエステル、トコトリエノールのエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記ビタミンEが、トコフェロールの酢酸エステル、β−トコフェロールの酢酸エステル、γ−トコフェロールの酢酸エステル、δ−トコフェロールの酢酸エステル、トコキノンの酢酸エステル、トコトリエノールの酢酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記脂肪酸が、約0.2%〜0.4%の酪酸、約0.1%のカプロン酸、約0.3%〜0.8%のカプリル酸、約2.2%〜3.5%のカプリン酸、約0.9%〜5.5%のラウリン酸、約2.8%〜8.5%のミリスチン酸、約0.1%〜0.6%のミリストレイン酸、約23.2%〜24.6%のパルミチン酸、約1.8%〜3.0%のパルミトレイン酸、約6.9%〜9.9%のステアリン酸、約36.0%〜36.5%のオレイン酸、約20%〜20.6%のリノール酸、約7.5〜7.8%のリノレン酸、約1.1%〜4.9%のアラキジン酸、及び約3.3%〜6.4%のガドレイン酸の重量で前記脂肪酸混合物中に存在する、実施態様1に記載の組成物。
【0084】
(11) 前記脂肪酸が、約0.3%のミリスチン酸、約19%のパルミチン酸、約0.5%のパルミトレイン酸、約13%のステアリン酸、約44.4%のオレイン酸、約21.3%のリノール酸、及び約0.5%のリノレン酸の重量で前記脂肪酸混合物中に存在する、実施態様1に記載の組成物。
(12) 好適な局所用担体の形態である、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記局所用担体が、軟膏、ペースト、ゲル、ゼリー、セラム、エアゾールスプレー、非エアゾールスプレー、泡、クリーム、ローション、溶液、懸濁液の形態である、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記組成物が、ローション又は懸濁液の形態である、実施態様13に記載の方法。
(15) 脱毛を低減させる及び/又は育毛若しくは発毛を促進する方法であって、
約5%〜約50%の混合物を含む、安全かつ有効な量の組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類の頭皮に塗布する工程を含み、前記混合物が、
a.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
b.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のトコフェロール又はそのエステル、並びに
c.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の脂肪酸混合物の供給源であって、前記脂肪酸混合物の供給源が、
i.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のオリーブ油、
ii.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%のカカオバター、及び
iii.前記脂肪酸混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の綿実油
を含む、油混合物である、脂肪酸混合物の供給源、
を含む、方法。
(16) 脱毛を低減させる及び/又は育毛若しくは発毛を促進する方法であって、
約5重量%〜約50重量%の混合物を含む、安全かつ有効な量の組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類の頭皮に塗布する工程を含み、前記混合物が、
a.前記混合物の約20重量%〜約70重量%の、ピルビン酸、その塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
b.前記混合物の約20重量%〜約70重量%の酸化防止剤、並びに
c.前記混合物の約20重量%〜約70重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、
を含み、
前記ピルビン酸成分と前記脂肪酸混合物との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(約1:0.01)であり、前記ピルビン酸成分と前記酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:1.01)であり、前記脂肪酸混合物成分と前記酸化防止剤成分との比が、0.01:1(又は約0.01:1)〜1:0.01(又は約1:0.01)である、方法。
(17) 前記ピルビン酸成分又は前記脂肪酸成分と前記酸化防止剤成分との比が、1:1〜1:0.5である、実施態様16に記載の方法。
(18) 育毛組成物であって、
a.任意に、安全かつ有効な量の少なくとも1種の発毛活性物質、
b.前記組成物の5重量%〜10重量%の酸、
c.前記組成物の5重量%〜10重量%の酸化防止剤、並びに
d.前記組成物の5重量%〜10重量%の脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源であって、前記脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源が、
i)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第1の油、
ii)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第2の油、及び
iii)前記脂肪酸混合物の0.01重量%〜99.98重量%の第3の油、
を含む、油混合物である、脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、
を含む、組成物。
(19) 発毛組成物であって、
a.安全かつ有効な量の少なくとも1種の育毛活性物質、並びに
b.約0.1%〜約99%の混合物であって、前記混合物が、
i.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、クレブス回路の中間体、クレブス回路の中間体でないαケト酸、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸、
ii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の酸化防止剤、並びに
iii.前記混合物の約0.01重量%〜約99.98重量%の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ペンタデカン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ベヘン酸、ジホモリノレン酸、アラキドン酸、及びリグノセリン酸からなる群から選択される少なくとも7種の不飽和又は飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物又は脂肪酸混合物の供給源、
を含む、混合物、
を含む、組成物。