特許第5944339号(P5944339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5944339角膜インプラントならびにそれを配置する方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5944339
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】角膜インプラントならびにそれを配置する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/14 20060101AFI20160621BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   A61F2/14
   A61F9/007 120
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2013-62381(P2013-62381)
(22)【出願日】2013年3月25日
(62)【分割の表示】特願2010-506542(P2010-506542)の分割
【原出願日】2008年4月25日
(65)【公開番号】特開2013-126583(P2013-126583A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2013年3月25日
【審判番号】不服2015-217(P2015-217/J1)
【審判請求日】2015年1月6日
(31)【優先権主張番号】11/741,496
(32)【優先日】2007年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509121798
【氏名又は名称】シューイー, イーチェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シューイー, イーチェー
【合議体】
【審判長】 平岩 正一
【審判官】 西村 泰英
【審判官】 栗田 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表平10−506805(JP,A)
【文献】 特表平9−503930(JP,A)
【文献】 特表平7−506730(JP,A)
【文献】 特表平3−500491(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/083708(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角膜インプラントであって、該角膜インプラントは、
角膜ポケット中に移植するための可逆的に変形可能な骨格であって、該骨格は、緩和された状態および変形された状態により特徴付けられ、ここで、該変形された状態における該骨格は、該緩和された状態における該骨格の幅よりも小さい切開を通して角膜内に移植されることが可能であり、そしてここで、該骨格は、該角膜ポケット中への移植の後に該緩和された状態に戻る、骨格
を備え;
ここで、該骨格は3次元形状を画定し;
ここで、該骨格の硬さは、ヒトの角膜のそれよりも大きく;そして
ここで、該骨格が角膜中の角膜ポケットに移植されるときに、該骨格は角膜を成形して該3次元形状に適合させる、
角膜インプラント。
【請求項2】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、前記骨格は、2つ以上の非同一平面リングを備える、角膜インプラント。
【請求項3】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、前記骨格が角膜中の角膜ポケット内に移植されるときに、該骨格が角膜を成形して近視を減少させる、角膜インプラント。
【請求項4】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、前記骨格が角膜中の角膜ポケット内に移植されるときに、該骨格が角膜を成形して遠視を減少させる、角膜インプラント。
【請求項5】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、前記骨格が角膜中の角膜ポケット内に移植されるときに、該骨格が角膜を成形して乱視を減少させる、角膜インプラント。
【請求項6】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、該骨格が、シリコーンおよびコラーゲン共重合体からなる群から選択される材料を含む、角膜インプラント。
【請求項7】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、該骨格が金属または合金を含む、角膜インプラント。
【請求項8】
請求項1に記載の角膜インプラントであって、ここで、該骨格のいずれの部分も、200ミクロンを超える幅を有さない、角膜インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
屈折誤差および疾患を治療するために開発された多くの異なるタイプの角膜インプラントがある。角膜ポケットを生成するための方法に限りがあるため、これらのインプラントは、全て、サイズがインプラントの最小寸法と同じかそれ以上のいずれかである角膜切開の生成により角膜に配置するように設計されてきた。近年、ポケットの最大内部幅未満である外部開口幅でポケットを生成できる角膜ポケットの生成方法が2つ考案された。全面開示により参照することによって本明細書に組み込まれる、本明細書の発明者による米国特許第2004/0243159号および第0243160号に記載があるように、これらの2つの方法は、フェムト秒レーザおよび特別な関心がもたれる角膜切断によるポケット生成である。
【背景技術】
【0002】
インプラントの幅未満である外部切開、特に、インプラントの幅の半分未満である外部切開を通して配置できる生体適合性角膜インプラントを有することは、有利である。角膜インプラントが、閉合のために縫合を必要としない、典型的には、3mmまたはそれ未満の切開を通して配置できる場合、特に有利である。そのような小さな外部切開は、また、起因性外科的乱視を軽減し、患者の回復時間を速める。さらに、比較的に小さい切開を通して配置できる比較的に大きいインプラントを有することは、有用である。例えば、より大きいレンズインプラントは、特に大きな瞳孔をもつ患者に、良質の視力を与える傾向がある。また、角膜インプラントのために、簡単で信頼性のある送達システムを有することは、有利である。
【0003】
白内障手術用の眼内レンズ(IOL)は、小切開を通して配置されるように設計されてきた。これらの小切開の白内障手術レンズは、事実上、角膜ポケット内に使用できない。多くの小切開の白内障手術レンズは、角膜ポケット内に配置されるには、通常、非常に厚い。例えば、白内障手術レンズインプラントの典型的な厚さは、1mm以上であり、通常0.5から0.6mmの間であるヒトの角膜より実質的に厚い。設計されてきた角膜インプラントのいくつかは、約0.05mmのみの厚さを有する。さらに、白内障手術レンズインプラントは、レンズインプラントを被膜房内に固定するように設計されたレンズインプラントからの延長である触覚部を有する。角膜インプラントでは、触覚部は存在せず、必要もない。最後に、白内障手術レンズインプラントは、角膜と生体適合性であるように設計されず、角膜インプラントとして容認されないであろう。
【0004】
小切開白内障手術レンズインプラント用に設計された送達システムは、小切開角膜インプラント用の送達システムとして使用するためにはうまく適合しない。これらの送達システムは、通常の角膜インプラントより非常に厚い白内障手術レンズインプラント用に設計されている。小切開白内障手術レンズインプラント用の送達システムは、角膜レンズインプラントに存在しないであろう触覚部を収容するように設計される。少なくとも市販の角膜インプラントのいくつかは、標準のIOL入射器を通して配置されるときに、破壊されることが分かっている。同様に、標準のIOL入射器を通して配置される生体角膜インプラントは、しばしば、内皮損傷等の重度の組織損傷を示す。
【0005】
角膜インプラントは、合成材料(例えば、プロテーゼ)または生物組織材料(例えば、移植組織移植片)より生成されるかのいずれかであり得る。近年、層状の角膜実質内皮移植組織移植片の配置のための新しい手術技術が、2つ考案された。これらの手術技術は、フックス内皮変性症および偽水晶体水泡性角膜症等の角膜の内皮疾患の治療に有用である。これらの技術の1つは、深層状角膜内皮移植術(DLEK)と呼ばれる。本技術において、ポケットが角膜内に生成され、疾患角膜内皮が、角膜実質層に沿って切除される。健全な層状角膜実質内皮組織は、次いで、切除された疾患組織により残された空間に移植される。別の技術は、角膜内皮移植術(Descemet’s stripping automated endothelial keratoplasty)(DSAEKまたはDSEK)と呼ばれる。本技術において、層状角膜実質内皮移植組織移植片は、マイクロケラトームまたはレーザのいずれかを使用して自動的に生成される。疾患角膜内皮は、外科器具を用いて剥離され、次いで、層状角膜実質内皮移植組織移植片が、全層角膜切開を通して、前房内へ挿入される。移植片は、次いで、移植片が所定位置で治癒できるまで、気泡により剥離された後方角膜実質表面に対して所定位置に保持される。
【0006】
DLEKおよびDSAEKの両方において、小角膜または強膜切開を通して非侵襲的に比較的大きい移植組織を挿入できることが有利である。大きい移植組織は、より多く角膜内皮細胞を有し、角膜内皮疾患の治療において、よい結果をもたらすはずである。しかしながら、小切開を通して前房の中へ角膜移植組織を挿入する従来の技術方法に伴う重大な課題は、全て、移植組織を折り畳み、移植組織をピンセットで掴むことを必要とすることである。さらに、移植組織は、典型的には、角膜切開を通過するにつれて、激しく圧縮される。移植組織の繊細な角膜内皮細胞の多くは、従来の技術である挿入プロセス中に殺傷されることが、生体染色法の使用を通して実証されている。DSAEKまたはDLEKの角膜移植組織移植片のように、合成角膜インプラント、例えば、角膜インレイプロテーゼも、非常に繊細である。多くの場合、これらの角膜インレイは、ピンセットによって非常に破られ易い30から40ミクロンの薄さの場合がある。したがって、小切開を通して非侵襲的にこれらの角膜インレイを配置するため方法を改善する必要もある。
【0007】
小切開を通して後房に眼内レンズ(IOL)を配置するための送達システムを記述する。しかしながら、小切開白内障手術IOL用に設計されたこれらの送達システムは、小切開を通した角膜インプラントの送達システムとしての使用に十分に適合されない。例えば、典型的な眼内レンズインプラントは、厚さが1mmまたはそれ以上であるが、DLEKまたはDSAEK用の典型的な角膜インプラントは、厚さが0.1から0.15mmの間である。さらに、前述の通り、角膜インレイプロテーゼの厚さは、わずか30から40ミクロンであり得る。加えて、IOLのサイズおよび形状は、角膜インプラントのサイズおよび形状と異なる。IOLは、典型的には、長さが12から13mmで、幅が5から6mmで、厚さが1mmまたはそれ以上であるが、角膜移植組織DSEK移植片は、典型的には、形状は、円形であり、8から9mmの直径、そして0.1mmから0.2mmの厚さを有する。角膜プロテーゼインプラントの場合、直径は、1mmから10mmの範囲であり、厚さは、0.01mmから0.6mmの範囲である。最後に、IOL送達システムは、挿入プロセス中、IOLを非常に圧縮するように設計されているが、このタイプの圧縮は、生体角膜インプラントを損傷するかまたは破壊するかのいずれかの傾向がある。IOL送達システムに使用される圧縮量は、非常に薄い角膜インプラントも損傷し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
角膜インプラントを移植するための改善されたシステムおよび方法を本発明により提供する。「角膜インプラント」という句は、ヒトの角膜に移植され得るあらゆる自然(生物学的)または合成インプラントもしくは移植片を意味する。これらのシステムおよび方法は、実質的にインプラントの幅未満の角膜切開を通して角膜インプラントを配置できる。インプラントの配置は、上皮、ボーマン膜、実質、デスメ膜、および内皮を含む任意の角膜層の中またはそれらの間であり得る。好適な側面において、角膜切開は、インプラントの幅の半分と等しいかそれ未満である。さらなる好適な側面において、システムは、3mm未満またはそれと等しい切開を通して角膜インプラントの配置を可能にし、有利には、ほとんどの場合、切開の縫合の必要がなく、また、望ましくない起因性乱視の可能性を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面によると、角膜インプラントは、インプラントの幅の半分と等しいまたはそれ以下の角膜切開を通過できるように、形状が可逆的に変形可能である。角膜インプラントは、角膜、眼、および体と生体適合性である。ある実施形態において、これらの基準に合う合成材料は、インプラント用に使用される可能性がある。適切な合成材料は、コラーゲン、ポリウレタン、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリビニルピロリドン、ポリグリセロールメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸、シリコーン、アクリル類、ポリフルオロカーボン、およびホスホコリンを伴うポリマーから成る群から選択される1つ以上の化合物を含む。他の実施形態では、移植片は、移植片またはDSEK、もしくはデスメ膜および内皮のみを含む移植片等の移植組織に使用するために採取されたヒト角膜を含む。デスメ膜および内皮のみの移植は、デスメ膜角膜内皮移植術(DMEK)と呼ばれる。将来は、生体角膜インプラントが、動物、遺伝子組み換え動物、体外細胞培養等の他の供給源から得られるかもしれない。
【0010】
好適な実施形態において、材料は、ヒドロゲルを含む。さらなる好適な実施形態において、材料は、ポリメタクリル酸−coヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA/MAA)を含む。
【0011】
代替の好適な実施形態において、角膜インプラントは、眼内レンズ用に使用されるもの等、可逆的に変形可能なアクリル系コポリマーから成る材料から形成される。これらの材料は、優れた引張強度を有し、破断前に250%も細長くされる可能性がある。そのような特性は、インプラントに損傷を与えずに、本発明のような挿入を実施可能にさせる。適切な材料の実施例は、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメチルメタクリレート(例えば、Contamac C126、Cl18、C121材料、ベンズIOL25UVおよびベンズズフレック(Benzflex)26UVの登録商標で入手可能な材料)のコポリマーを含む。さらなる好適な側面において、変形可能ポリマーは、インプラントの光学表面の平滑な湿潤を可能にするように、本質的に親水性である。湿潤性は、優れた光学インターフェースとして涙膜を作用させる角膜インプラントの重要な特性である。さらに別の好適な側面において、材料は、1%から20%の間のメタクリル酸を含む。より好ましくは、5から10%のメタクリル酸を含み、有利には、ポリエチレングリコール等の分子をインプラントの表面に係留するための連結を可能にする。分子の係留は、上皮化の促進または角膜との化学結合を引き起こす能力等の有用なインプラントの特性を引き起こすように、反応性部分をインプラントの表面に連結させる。角膜インプラント材料の別の好適な物理的特性は、0.1から4MPaの範囲の引張強度、より好ましくは、0.6から2.6MPaの範囲の引張強度であろう。加えて、0.1から5MPaの弾性率、より好ましくは、0.2から3.1MPaの範囲の弾性率も望ましいであろう。我々は、特定のタイプのアクリル系コポリマーを角膜インプラントに適切であると記述してきたが、上述と同じ物理的および化学的特性を有する別のタイプの材料(例えば、シリコーンまたはコラーゲンのポリマー)も使用されることができ、全てが本発明の一部であると考えられる。
【0012】
別の好適な実施形態において、角膜における健全な代謝を維持するために、栄養物質およびガス(例えば、水、グルコース、および酸素)がインプラントを容易に通過できることによりインプラントの生体適合性を増加するように、穴または孔がインプラントに提供され得る。さらに別の好適な実施形態において、ポリマー材料は、インプラントが1つの温度で1つの形状を有し、第2の温度で別の所望の形状に変形するように、熱可塑性物質特性を有し得る。また別の好適な側面において、角膜インプラントは、角膜ポケット内に配置される原位置で組み立てられる、1つ以上の別の小型要素を含み得る。そのような原位置での組み立ては、角膜インプラントを挿入するために必要な切開サイズを有利に最小限にする。
【0013】
角膜インプラントは、角膜ポケット内への配置を可能にさせるあらゆる形状であり得る。好適な実施形態において、角膜インプラントは、実質的に円形である。代替の好適な実施形態において、角膜インプラントは、円形ではない。円形でない角膜インプラントは、角膜ポケット内で回転しにくいという利点を有する。この特性は、乱視を矯正するインプラントに有用である。
【0014】
好適な他の実施形態において、角膜インプラントは、レンズである。レンズは、単焦点、多焦点、フレネル、回折、プリズム、または屈折誤差(近視、遠視、または乱視等)、老眼、もしくは例えば黄斑変性症等の眼疾患を治療するために使用される他のタイプのレンズであり得る。レンズは、また、Jethmalaniの米国特許出願第2003/0173691号に記載されるように、電磁エネルギーにより永久的にまたは可逆的に調節されるその屈折特性を有することのできるポリマーから生成され得る。
【0015】
角膜インプラントは、角膜の一部を置換する、または増大するために使用されるプロテーゼを含み得る。そのようなインプラントは、角膜移植の代わりに、角膜に光学的鮮明さまたは構造的完全性を回復するために有用である。角膜プロテーゼは、角膜の厚さ部分の一部のみ、または角膜の厚さ部分の全てを置換するために使用され得る。好適な側面において、角膜インプラントは、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、物質P、インスリン様成長因子−1等の細胞外マトリクスタンパク質、またはフィブロネクチン接着促進ペプチド(FAP)等のペプチド配列で被覆され得る。さらなる好適な側面において、これらの細胞外マトリクスタンパク質およびペプチドは、Jacobらの米国特許第6,689,165号に記載される方法により、角膜インプラントの上皮側に係留または結合される。そのような表面処理は、角膜インプラントの表面上の上皮化を促進するのを目的とする。
【0016】
代替の好適な実施形態において、角膜インプラントの表面は、角膜インプラントの表面上の上皮化を促進するテクスチャを有し得る。表面陥凹等のテクスチャは、Daltonらの米国特許第6,454,800号に記載されるように、上皮化を促進するように角膜インプラントの表面に適用され得る。
【0017】
さらに別の代替の好適な実施形態において、角膜インプラントは、角膜インプラントの表面上の上皮化を促進する材料から製造される。そのような材料の実施例は、コラーゲンとN−イソプロピルアクリルアミド、コラーゲンと1−エチル−3.3’(ジメチル−アミノプロピル)−カルボジイミド、ならびにコラーゲンとN−ヒドロキシコハク酸イミド(EDC/NHS)から成る群から選択されるポリマーを含む。さらに好適な側面において、ポリマーは、加えて、フィブロネクチン、ラミニン、物質P、インスリン様成長因子−1等の細胞外マトリクスタンパク質、またはフィブロネクチン接着促進またはペプチド(FAP)等のペプチド配列を含み得る。
【0018】
随意に、少なくともデバイスの一部は、停留および生体適合性を促進するために、角膜組織の成長を促進するように穴を含むかまたは本質的に多孔性であり得る。そのような多孔性インプラントは、Noolandiらの米国特許第6,976,997号およびChirilaらの米国特許第5,300,116号に記載されるように製造され得る。
【0019】
随意に、少なくともレンズの一部または他の角膜インプラントは、彩色され得る。彩色は、美容目的または治療目的、例えば、無虹彩症治療において有用であり得る。例えば、カラーコンタクトレンズの製造でよく知られる生体適合性インクを適用する方法が、角膜インプラントの彩色に使用され得る。特定の彩色方法は、米国特許出願第2003/0054109号および第2003/0025873号に記載されており、その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。代替の好適な側面において、角膜インプラントは、電磁波に曝されると色が変化する感光性インクで彩色され得る。これは、体内で電磁波に曝されることにより永久的または可逆的に角膜インプラントの色を調節できる。
【0020】
随意に、角膜インプラントは、3−(2ベンジオトリアゾリル(Benzyotriazolyl))−2−ヒドロキシ−5−Tert−オクチル−ベンジルメタクリルアミド等のベンゾフェノンタイプの紫外線フィルタ化合物も含み得る。
【0021】
代替の好適な実施形態において、角膜インプラントは、その中がほとんど空の内部容積で周囲形状を画定する離散要素を含む3次元構造を有する足場を含み得る。所定の形状は、角膜ポケットに配置されるときに、視力矯正を提供するように選択される。足場は、角膜を再形成するまたは補助する目的で、角膜ポケットに挿入され得る。角膜の再形成は、屈折異常を含む種々の視力問題の矯正、ならびに円錐角膜またはペルーシド角膜変性等の角膜拡張症の治療に有用である。好適な側面において、角膜インプラントの足場は、単一平面では構造の要素全ての通過が不可能である、3次元構造から成る。別の好適な側面において、角膜インプラントは、本発明のデバイスおよび方法により角膜ポケットに導入され得るように可逆的に変形可能である。また、好ましくは、角膜インプラントの足場は、角膜ポケットへの足場の挿入が角膜の形状の変化または角膜に構造強度の増加を提供できるかのいずれかを引き起こすことができるような、哺乳類の角膜を超える硬さを有するべきである。好適な側面において、角膜インプラントの足場は、生体適合性で、可逆的変形可能なポリマー、または生体適合性で、可逆的変形可能な金属もしくは合金(例えば、金、チタン、ニチノール)から生成される。さらなる好適な側面において、角膜インプラントの足場の構造的要素の幅は、0.1mmから1mm、より好ましくは、0.3から0.6mmである。好適な側面において、足場の構造要素の厚さは、0.001mmから0.5mm、より好ましくは、0.01mmから0.06mmである。代替の好適な側面において、角膜足場インプラントは、また、角膜の形状の変更と別のレンズの追加の両方により屈折誤差の矯正を有利に併用する、構造内にレンズを含み得る。
【0022】
さらに別の代替の好適な実施形態において、角膜インプラントは、デバイスであり得る。可能性のあるインプラントデバイスの実施例は、小型カメラおよび水性グルコースモニタを含む。
【0023】
本発明の改善された角膜インプラントは、変形または拘束されない時、実質的にインプラントの幅未満である角膜切開を通過させる縮小した幅形状に可逆的に変形可能である。好適な側面において、インプラントは、インプラントの幅の半分未満またはそれと等しい、好ましくは、3mmまたはそれ未満の切開を通して挿入可能である。
【0024】
本発明に従うシステムは、中空部材の軸方向中空通路内に嵌入するように拘束される角膜インプラントを送達するために使用される、中空部材およびインプラント移動器、または他の軸方向押込器を含む。インプラントは、例えば、巻回されて、または折り畳まれて中空部材内に嵌入される「縮小幅」を有するあらゆる形状または構成に変形または拘束され得る。「縮小幅」により、円形レンズの直径等のインプラントの最大幅は、閾値に、典型的には、少なくとも半分(50%)に、しばしば、少なくとも60%、時として65%以上縮小される。
【0025】
本発明に従うシステムは、中空部材内に嵌入するように拘束される角膜インプラントを送達するために使用される、中空部材およびインプラント移動器を含む。一度角膜インプラントが中空部材内に入ると、インプラント移動器は、角膜ポケットまたは前房の中にインプラントを移動するために使用される。
【0026】
随意に、システムは、インプラントが中空部材内に嵌入する形状およびサイズに変形される、変形チャンバをさらに含む。好適な側面において、変形チャンバは、変形プロセス中、変形チャンバ内の角膜インプラントの配向の保持および誘導を補助する凸部、突起、陥凹、またはくぼみを含み得る。さらに好適な側面において、変形チャンバは、使用される角膜インプラントのタイプに適切なサイズである。例えば、角膜移植の場合、開口変形チャンバの最小内部寸法は、6から10mmの間、より好ましくは、8から9mmの間であるべきである。角膜インプラントプロテーゼの場合において、開口変形チャンバの最小内部寸法は1mmから10mmの間、より好ましくは、2.0mmから7mmの間であるべきである。さらなる好適な側面において、変形部は、先細または漏斗形状、すなわち、一方の端が他方より狭くてもよい。先細または漏斗形状は、有利には、角膜インプラントがより小さい直径構成に拘束され易くする。
【0027】
別の好適な側面において、中空部材の内部は、中空部材の中を移動する時に、角膜インプラントの配向の保持および誘導を補助する凸部、突起、陥凹、またはくぼみを含み得る。そのような表面特性は、ポケット内のインプラントが方向を失うかもしれない挿入中の角膜インプラントの回転を防止するように構成される。さらなる好適な側面において、中空部材の内部は、折り畳む、またはピンセットで掴む必要のない、小切開を通して移動させる方法で変形するように層状の角膜実質内皮移植組織を誘導する凸部、突起、陥凹、またはくぼみを含み得る。システムは、3mmと等しいまたはそれ未満の切開を通して角膜移植組織を配置できるように設計される。しかしながら、システムは、3mm以上の切開を通してインプラントを配置するためにも使用され得る。
【0028】
随意に、システムは、滅菌され、単回使用の使い捨て用に設計され得る。これは、有利には、汚染および感染の危険を低減する。また、外科医にとって、加圧滅菌およびエチレンオキシド等の他の滅菌方法の提供が不要となる。システムが滅菌され、かつ単回使用のみであることを確保するために、以下の機能の1つ以上を追加できる。好適な側面において、システムの1つ以上の部品は、加圧滅菌時に使用不可能な形状に溶解または変形するポリマーから生成され得る。さらなる好適な側面において、システムは、一度インプラント移動器が一定の距離を移動すると、インプラント移動器が中空部材内部の所定位置に係止され、したがって、別の角膜インプラントの再装填を防止するように、一方向係止機構を有し得る。代替の好適な側面において、システムは、使い捨て部品の安全な組み立てを可能にするが、再使用のためにシステムを解体しようとする時に容易に破壊される、タブまたはスナップの使用を通して組み立てられ得る。
【0029】
随意に、システムは、角膜インプラントが、使用前に外科医によって中空部材内に事前装填されるように設計され得る。これは、角膜インプラントの損傷を引き起こし得る、外科医による繊細な角膜インプラントの操作の必要性を有利に最小限にする。
【0030】
一度角膜インプラントが中空部材内に入ると、インプラント移動器または他の軸方向押込器は、インプラントを角膜ポケットの中に係合し、押し込むために使用される。随意に、システムは、インプラントが中空部材内に嵌入する形状およびサイズに変形される変形チャンバをさらに含み得る。別の好適な側面において、変形チャンバは、変形プロセス中、変形チャンバ内の角膜インプラントの配向の保持を補助する凸部、突起、陥凹、またはくぼみを含み得る。随意に、中空部材は、先細にされ、すなわち、近位端より遠位端で狭い。そのような先細は、中空部材を通して前進し、小さい遠位開口部を通して外に通過する時の、インプラントのさらなる変形(サイズまたは幅縮小)を可能にする。中空部材の内部は、中空部材内を移動する時に、角膜インプラントの配向の保持を補助する凸部、突起、陥凹、またはくぼみを含み得る。インプラント配置システムは、インプラントの幅の半分と等しいまたはそれ未満である入口切開をもつ角膜ポケットにインプラントを配置させるように設計されるが、しかしながら、システムは、インプラントの幅の半分以上である角膜切開を通してインプラントを配置するために使用されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1Aは、従来の技術の角膜インプラントの図示である。
図1B図1Bは、従来の技術の角膜インプラントの図示である。
図1C図1Cは、従来の技術の角膜インプラントの図示である。
図1D図1Dは、従来の技術の角膜インプラントの図示である。
図2A図2Aは、本発明の装置の第1の実施形態の図示である。
図2B図2Bは、本発明の装置の第1の実施形態の図示である。
図2C図2Cは、本発明の装置の第1の実施形態の図示である。
図3A図3Aは、前進し、図2A−2Cの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図3B図3Bは、前進し、図2A−2Cの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図3C図3Cは、前進し、図2A−2Cの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図4A図4Aは、本発明の装置の第2の実施形態の図示である。
図4B図4Bは、本発明の装置の第2の実施形態の図示である。
図4C図4Cは、本発明の装置の第2の実施形態の図示である。
図4D図4Dは、本発明の装置の第2の実施形態の図示である。
図5A図5Aは、前進し、図4A−4Dの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図5B図5Bは、前進し、図4A−4Dの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図5C図5Cは、前進し、図4A−4Dの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図5D図5Dは、前進し、図4A−4Dの装置により拘束されたときの角膜インプラントの側面図の図示である。
図6A図6Aは、本発明の装置の第3の実施形態の図示である。
図6B図6Bは、本発明の装置の第3の実施形態の図示である。
図6C図6Cは、本発明の装置の第3の実施形態の図示である。
図7A図7Aは、角膜にインプラントを移植する、図6A−6Cの装置の使用の図示である。
図7B図7Bは、角膜にインプラントを移植する、図6A−6Cの装置の使用の図示である。
図8A図8Aは、本発明に従う好適な角膜インプラントの図示である。
図8B図8Bは、本発明に従う好適な角膜インプラントの図示である。
図8C図8Cは、本発明に従う好適な角膜インプラントの図示である。
図8D図8Dは、本発明に従う好適な角膜インプラントの図示である。
図9A図9Aは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図9B図9Bは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図9C図9Cは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図9D図9Dは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図9E図9Eは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図9F図9Fは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図10A図10Aは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図10B図10Bは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図10C図10Cは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図10D図10Dは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図10E図10Eは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図10F図10Fは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図11A図11Aは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図11B図11Bは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図11C図11Cは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図11D図11Dは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図11E図11Eは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図11F図11Fは、本発明に従うさらなる移植プロトコルの図示である。
図12A図12Aは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従うツールの図示である。
図12B図12Bは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従うツールの図示である。
図13A図13Aは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図13B図13Bは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図14A図14Aは、図15Aから15Dに示すように前進する時のインプラントを示す13Aおよび13Bのツールの横断面図である。
図14B図14Bは、図15Aから15Dに示すように前進する時のインプラントを示す13Aおよび13Bのツールの横断面図である。
図14C図14Cは、図15Aから15Dに示すように前進する時のインプラントを示す13Aおよび13Bのツールの横断面図である。
図15A図15Aは、本発明の原理に従うインプラントの断面の前進および縮小における図13Aおよび13Bのツールの使用の図示である。
図15B図15Bは、本発明の原理に従うインプラントの断面の前進および縮小における図13Aおよび13Bのツールの使用の図示である。
図15C図15Cは、本発明の原理に従うインプラントの断面の前進および縮小における図13Aおよび13Bのツールの使用の図示である。
図15D図15Dは、本発明の原理に従うインプラントの断面の前進および縮小における図13Aおよび13Bのツールの使用の図示である。
図16A図16Aは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図16B図16Bは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図16C図16Cは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図16D図16Dは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図16E図16Eは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図16F図16Fは、角膜インプラントの折り畳みおよび前進における本発明の原理に従う代替ツールの図示である。
図17A図17Aは、近視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図17B図17Bは、近視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図17C図17Cは、近視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図18A図18Aは、遠視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図18B図18Bは、遠視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図19A図19Aは、遠視性乱視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図19B図19Bは、遠視性乱視治療用の角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図20A図20Aは、レンズも含む角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
図20B図20Bは、レンズも含む角膜インプラントの角膜足場実施形態の図示である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1Aは、白内障手術レンズインプラント2の上面図を示す。インプラント2の円形光学5は、光学の周囲から延在する触覚10を有する。触覚10は、光学中央を補助し、被膜房内に密着するために使用される。図1Bは、白内障手術レンズインプラント光学5の側面図を示す。光学5の厚さtは、典型的には、1mmまたはそれ以上であり、実質的に、ヒト角膜の0.5から0.6mmの厚さ以上であることに留意する。光学5の厚さは、角膜レンズインプラントとして使用するのに適切な厚さにされる。図1Cは、角膜インプラント15の上面図を示す。角膜インプラント上に触覚がないことに留意する。図1Dは、角膜インプラント15の側面図を示す。厚さtは、実質的に、白内障手術レンズインプラント5未満であることに留意する。角膜インプラント15の厚さtは、一般に、ヒト角膜の厚さ未満である。
【0033】
図2Aは、角膜インプラント送達システム18の一部分を示す。遠位先端部21(好ましくは、斜角または面取りされる)を有する中空部材20は、中空軸方向通路25(例えば、軸方向管腔)を画定する。軸方向押込器30は、図2Bに示すように、中空部材20の中空軸方向通路25内に嵌入するように形状を変形させ、拘束される角膜インプラント15を係合する先端35を有する。中空通路25の断面は、円形、多角形、または角膜インプラント15の拘束を促すあらゆる他の形状であり得る。中空部材20の中空軸方向通路25は、中空部材の遠位に前進する時(図示せず)に、角膜インプラントの配向の保持を補助する凸部、突起、陥凹、またはくぼみ(図示せず)を含み得る。軸方向押込器30は、中空通路25を通して拘束されたインプラントを前進するように、拘束された角膜インプラント15の一端を係合する。図2Cは、依然として変形され、拘束された構成の中空通路25の遠位端から現れる拘束された角膜インプラント15を示す。角膜の切開を通して中空部材20の先端を配置することにより、角膜インプラント15は、非常に小さい切開さえ通って、角膜ポケット(図示せず)の中に前進され得る。好適な側面において、角膜インプラントは、角膜インプラントの幅の半分未満である入口切開を通過できる。これらの場合において、中空部材は、0.5mmから5mm、好ましくは、1mmから3mmの外部幅、そして0.3mmから4.8mm、好ましくは、0.8mmから2.8mmの内部幅を有する。
【0034】
図3Aは、非変形、非拘束形状の角膜インプラント15の側面図を示す。図3Bおよび3Cは、中空部材20内で移動されるときの角膜インプラント15の図の端を示す。角膜インプラント15は、巻状構成に変形され、拘束されていることに留意する。巻状構成は、中空部材20の中空通路25に嵌入するように、好ましくは、0.3mmから4.8mm、より好ましくは、0.6mmから2.6mmの範囲の直径を有する。
【0035】
図4A−4Dは、変形チャンバ27および変形部材28をもつ角膜インプラント送達システムを示す。本発明の本実施形態において、角膜インプラント15は、無拘束および無変形構成でチャンバ27の中に配置され、次いで、変形部材28により変形チャンバ27内で折り畳んだ、または巻回された角膜インプラント17に変形される。変形部材28は、角膜インプラント15を折り畳んだ、または巻回された角膜インプラント17に変形して折り畳むために、変形チャンバ27内に移動される。図4Cは、インプラント移動器先端35により変形された角膜インプラント17を係合する軸方向押込器30を示す。図4Dは、変形され、折り畳まれた角膜インプラント17を示す。軸方向押込器30は、中空通路25の中の変形された拘束されたインプラントを押し込むように角膜インプラント17を係合する。図4Dは、角膜インプラント17が、拘束された形状を維持しながら、軸方向押込器30によって中空通路25の外に前進されたことを示す。角膜インプラント17の拘束された構成は、少切開を通して角膜ポケット(図示せず)への通過を可能にする。任意の変形チャンバ27および変形部材28の存在は、有利には、小角膜切開を通して角膜ポケットに配置させる構成に、角膜インプラント15を容易に変形させる。
【0036】
図5A−5Dは、例示的に変形され、折り畳まれたまたはひだ状にされた角膜インプラント17に変形された角膜インプラント15の側面図を示す。
【0037】
図6A−6Cは、代替の角膜インプラント送達システム100の上面図を示す。本実施形態において、角膜インプラント115は、変形部122に配置される。変形部の「ウイング」123が閉鎖されるとき、角膜インプラント115を変形する変形チャンバ124(図6B)が形成される。本実施形態において、角膜インプラント115は、半分に折り畳まれる。軸方向押込器130の先端132は、角膜インプラント115を係合する。中空部材120は、中空通路126が角膜ポケットの中に挿入する遠位端121で狭くなるように先細にされる。これは、インプラントが遠位に前進し、遠位端121を通る時に、角膜インプラント115をいっそうより小さい断面に変形させる。本実施形態において、有利には、インプラント移動器先端132は、また、狭い中空通路126内に嵌入するように変形可能であり得る。
【0038】
図7Aは、角膜ポケット140に挿入される角膜インプラント115の側横断面図を示す。図7Bは、角膜ポケット140に挿入され、角膜145内でその無拘束のサイズに戻って巻かれていない、または拡張された後の角膜インプラント115の最終形状を示す。
【0039】
図8Aは、角膜インプラントプロテーゼ50の横断面図を図示する。角膜インプラント50は、角膜の前方層の一部を置換することを意図する。本実施形態において、縁54から前方に突起する中央光学52がある。好適な側面において、中央光学は、縁から1から600ミクロン前方に突起するであろう。より好ましくは、中央光学は、50から400ミクロン前方に突起するであろう。中央光学52は、除去された疾患の前方角膜組織を置換する。縁54は、角膜インプラントプロテーゼを角膜に固定するために、光学の中央を部分的または完全に囲み、角膜ポケットの周囲くぼみ内に嵌入するように設計される。縁は、図示するように、連続したスカートであるか、または中央光学の周囲の周りの区間に分散され得る。図8Bは、中央光学52および縁54を示す、角膜インプラントプロテーゼ50の上面図を示す。縁54は、随意に、係留および生体適合性を促進するために、インプラントの中に、そしてそこを通して角膜組織の成長を促進するように、穴を含むか、または本質的に多孔性であり得る。
【0040】
図8Cは、角膜の部分の厚さ全体を置換することを意図する角膜インプラントプロテーゼ60の横断面図を示す。本実施形態において、縁64から前方に突起する中央光学の前方部分62がある。中央光学の前方部分62は、除去された疾患の前方角膜組織を置換する。好適な側面において、中央光学は、縁から1から600ミクロン前方に突起するであろう。より好ましくは、中央光学は、縁から50から400ミクロン前方に突起するであろう。加えて、角膜インプラントプロテーゼ60は、縁64から後方に突起する中央光学の後方部分66を有する。好適な側面において、中央光学は、縁から1から900ミクロン後方に突起するであろう。より好ましくは、中央光学は、縁から50から800ミクロン後方に突起するであろう。中央光学63の後方部分は、除去された疾患の後方角膜組織を置換する。縁64は、角膜ポケットの周囲くぼみ内に角膜インプラントプロテーゼ60を固定し、水密封止を提供する。縁64は、随意に、係留および生体適合性を促進するために、インプラントの中に、そしてそこを通して角膜組織の成長を促進するように、穴を含むか、または本質的に多孔性であり得る。縁は、上述のあらゆるレンズ材料から形成され得る。
【0041】
図9A−9Fは、本発明の方法および装置を使用する、前方角膜疾患を治療するプロセスの方法を示す。各図9A−Fにおいて、角膜の横断面図を上に示し、上面図を下に示す。図9Aにおいて、ポケット40が前方の疾患角膜43の後方に生成されたことを示す。図9Bは、前方の疾患角膜43が、周囲ポケットを有する上部開口を生成するために、円形トレフィン(図示せず)で切除されたことを示す。切除の端部を45として示す。図9Bは、変形部122に静止する角膜インプラント50も示す。図9Cにおいて、中空部材120は、外部開口42を通してポケット40に挿入され、角膜インプラント50は、変形チャンバ124内で半分に折り畳まれる。図9Dは、角膜インプラント50が狭い中空通路126を通して移動することにより、よりコンパクトな形状にさらに変形され、ポケット40に押し出されることを示す。図9Eは、角膜インプラント50が、角膜ポケット内40でその元の形状に回復されたことを示す。中央光学52は、切除された疾患の前方角膜43により残された空間を充填し、角膜に鮮明な光学を回復する。中空部材120およびインプラント移動器30は、角膜ポケット40から引き抜かれる。図9Fは、角膜ポケット40内に密着された角膜インプラント50の最終的な外観を示す。
【0042】
図10A−10Fは、本発明の使用を通して角膜疾患(例えば、偽水晶体水泡性角膜症)の厚さ全体を治療する方法を示す。各図10A−Fにおいて、角膜の横断面図を上に示し、上面図を下に示す。図10Aにおいて、ポケット40が疾患角膜41の層内に生成されたことを示す。ポケットは、角膜を疾患前方角膜43および疾患後方角膜44に分割する。図10Bは、前方疾患角膜43が円形トレフィン(図示せず)で切除されたことを示す。切除の端を45として破線で示す。切除45の端以内の前方角膜の開口部を参照番号46で示す。図10Bは、変形チャンバまたは変形部122に静止する角膜インプラント60も示す。図10Cにおいて、中空部材120は、外部開口42を通してポケット40に挿入され、角膜インプラント60は、変形チャンバ122内で半分に折り畳まれる。図10Dは、角膜インプラント60が狭い中空通路126を通して移動することにより、よりコンパクトな形状にさらに変形され、ポケット40に押し出されることを示す。図10Eは、角膜インプラント60が、角膜ポケット内40でその元の形状に回復されたことを示す。前方光学62は、切除された疾患の前方角膜43により残された空間を充填する。好適な側面において、角膜インプラント60がポケットに位置付けられた後、後方の疾患角膜44は、外部開口部42を通して挿入される低外形の湾曲した角膜剪刀または他の切断ツール(例えば、プラズマブレード)で切除され得る。図10Fは、角膜インプラントプロテーゼ60の最終的な外観を示す。縁64は、角膜ポケットの周囲くぼみ内に角膜インプラントプロテーゼ60を固定し、水密封止を提供する。本実施形態において、後方光学63は、切除された疾患角膜44により残された空間を通して突起する。しかしながら、後方光学63は、任意であり、角膜インプラントが適切に機能するために必ずしも必要とされない。前方の中央光学62、後方中央光学63および縁64の相対寸法、形状および角度は、全てが本発明の範囲内に保たれる、改善された係留ならびに光学品質を促進するように、それぞれ変形され得ることを理解されたい。
【0043】
代替の好適な側面において、角膜インプラント60は、開口部46を通して図9および10に前述されるように、入射器システムを使用してポケット40の中に導入され得る。中空部材120が、開口部46を通して挿入され、角膜インプラント60が、次いで、ポケット40の中に挿入される。さらに別の代替の好適な側面において、角膜インプラント60は、小さい直径構成(例えば、ピンセット)の中に角膜インプラント60を拘束し、中空部材120(図示せず)を使用せずにポケット40の中に開口部46を通して挿入することにより、ポケット40の中に配置され得る。
【0044】
図11A−11Fは、角膜ポケット内に組み立てられ得る角膜インプラントの実施形態を示す。角膜ポケット内に角膜インプラントの個々の小さい部品を組み立てることにより、比較的大きな角膜インプラントが比較的小さい外部切開を使用しながら構成され得る。図11Aおよび11Bの上部は、内部実質ポケットをもつ角膜の横断面図を示す。図の11Aの裏面部は、内部実質ポケットをもつ角膜のトップダウン図を示す。図11Aおよび11Bの両方において、縁の最初の半分70は、既にポケットの内側に挿入されていることが分かる。縁の次の半分74は、小さい外部切開を通して挿入されている。角膜組織は、部分的に弾性であるため、縁は、比較的硬い材料、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)から生成され、依然として組み立てられた角膜インプラントの直径の半分未満の外部開口部42を通して挿入され得る。図の上の垂直破線および裏面図の円形破線は、(例えば、トレフィンで)切除された前方実質組織の円形ディスクにより残された開口部76を表す。図11Cおよび11Dは、光学72が開口部76に嵌入し得ることを示す。図11Eおよび11Fは、光学72が角膜インプラントのアセンブリを完成するように縁の両半分70および74に取り付けられたことを示す。角膜インプラントの個々の部分は、接着剤またはあらゆる他の適切な機械的もしくは化学的固定方法により、相互係止嵌めによって互いに取り付けられ得る。本発明の本実施形態において、角膜インプラントは、角膜の一部を置換する3部品のプロテーゼとして示される。しかしながら、本発明は、角膜ポケット内に2つ以上の部品として組み立てられ得るあらゆる角膜インプラントを含むことを理解されたい。
【0045】
図12A−12Bは、軸方向に押し込まれると、変形チャンバ内の突起82の存在が角膜インプラント90の配向の保持をどのように補助するかを示す中空部材80上の変形チャンバ86の後部の端面図である。変形チャンバ86は、角膜インプラント90を収容するために開口する中空部材を構成する3つの蝶番部80a、80bおよび80cを含む。角膜インプラント90の縁94を所定位置に保持するのを補助する2つの突起82は、変形部80の側方にある。図12Bは、中空部分80および変形チャンバ86を生成するためにウイング84(軸方向押込器またはインプラント移動器を一緒に形成する)を合わせることにより、80a、80bおよび80cが閉鎖され得ることを示す。角膜インプラント90は、この時点で、突起82によって中空変形チャンバ86内に確実に密着され、操作され得る。角膜インプラント90は、次いで、角膜インプラントの偶発的な回転をせずに軸方向押込器または他のインプラント移動器(図示せず)によって中空部材80に沿って軸方向に移動され得る。
【0046】
角膜インプラントの少なくともある部分は、眼の美的外観を改善するため、または眼への露光量を軽減するため(例えば、無虹彩の治療)に、本発明の実施形態のいずれかで彩色され得ることに留意する。
【0047】
ここで図13および13Bを参照すると、角膜インプラント挿入デバイス200は、2つの円形蝶番部分204により画定される変形チャンバ202を含む。蝶番部分204は、図13Bに示すように、インプラントが変形チャンバの中に導入された後に、角膜インプラントCを捕えるために蝶番部分を閉鎖させるウイング206に結合される。
【0048】
内側に弓形表面212を有する突起210は、図14Aに図示されるように、表面212が半径方向内向きに向けられた傾斜を形成できるように、蝶番部分204に結合される。したがって、図13Bに図示するように、角膜インプラントCが変形チャンバ202の中に導入された後、ウイング206を使用したチャンバの閉鎖は、図14Aに示すように、角膜インプラントCをC形状の外形に巻く。これは、インプラントの端部が、外向きに面している突起82の表面によって、概して開口構成で保持される、図12Aおよび12Bの角膜挿入ツールの実施形態に対して利点であり得る。
【0049】
本発明の角膜インプラント挿入デバイスの特定の実施形態において、角膜インプラントCは、直径が約9mmで、厚さが100μmの層状の角膜実質内皮移植組織移植片を含む。変形チャンバ220は、図13Bに図示するように、その端部が弓形の突起210表面212の下に配置されるように角膜インプラントCを収容するために、約9mmの直径または幅Dを有する。
【0050】
ここで図15Aから15Dを参照すると、前方部材232を有する押込器シャフト230は、角膜インプラント挿入デバイス200の変形チャンバ202の中に前進され得る。前面要素232は、図15Dに示すように、突起210を通過できるように中空通路の形状に類似する外形を有し、典型的には、挿入デバイスの先細領域240の中を通過できるように圧縮可能である。したがって、前方部材232は、図15Bに示すように、最初に、変形チャンバ202の一定直径の部分に導入され、角膜インプラントCを前方に前進させるために使用される。シャフト30および前方部材232は、図15Cに示すように、角膜インプラントCが先細領域240の遠位先端から押し出されるように前進し続ける。
【0051】
角膜インプラントCが前進するにつれて、その端部は、図14Aから14Cに図示するように、内向きに湾曲または外転する。図14Aにおいて、角膜インプラントCは、図15Aのように示される。図15Bに示すように、前方に前進するにつれて、角膜インプラントCは、図14Bに示すように、端部が半径方向内向きに押されながら直径が縮小される。最後に、角膜インプラントCが先細領域240の近位先端から解放されると、図14Cに示すように、著しく直径を縮小する。角膜インプラントCは、図14Cに示すように、可能な限りサイズが縮小されるが、先導するインプラントの先端は、内部表面に接触しないことが特に望ましい。これは、移植プロトコル中の繊細な角膜内皮細胞の損傷または外傷を軽減する。
【0052】
図16A−Fに図示する実施形態において、DSEKまたはDMEK移植片等の移植片Cは、インプラント移動器300の表面上に実質側を下に向けて配置される。インプラント移動器300は、装填場所を提供し、プラスチック等の薄い可撓性材料から成る可撓性の台310を有する。図16Aは、上面図からの台310上のDSEKまたはDMEK移植片Cを示す。図16Bは、側外形の台310上のDSEKまたはDMEK移植片Cを示す。図16Eは、装填プロセスの開始時の正面図からの台310上のDSEKまたはDMEK移植片を示す。図16Eは、図16Aおよび16Bと同じ装填プロセスの時点で示される。図16Cは、台310が、インプラント移動器300によって中空部材320に引き込まれる時、可撓性の台310がサイズおよび形状において拘束されることを示す、上面図である。DSEKまたはDMEK移植片Cは、可撓性であるため、移植片Cも、可撓性の台310内でサイズおよび形状が拘束される。図16Dは、16Cと同時点の側面図を示す。図16Fは、DSEKまたはDMEK移植片Cが、どのように可撓性の台310内で小さい直径構成に拘束されるかを示す。図16A−Dおよび16Fにおいて、内部弓形突起330は、実質表面のみを係合することにより、DSEKまたはDMEK移植片Cの内部上に位置する繊細な角膜内皮を保護するような形で、可撓性の台310およびDSEK移植片Cを巻かせる。DSEKまたはDMEK移植片Cが、前房の中に挿入されるときに、中空部材320は、角膜または強膜切開に前進される。インプラント移動器300は、次いで、前進され、DSEK移植片Cが、広がって前房に解放されるように、可撓性の台310およびDSEK移植片Cを放置する。図16A−Dは、有利には、眼の切開への簡単容易な挿入を可能にする中空部材320の端部の任意の斜角を示す。任意の斜角は、1°から89°の間、好ましくは、25°から65°の間の角度を有する。
【0053】
図17Aは、近視を矯正するように設計された角膜足場インプラント400の上面図を示す。足場インプラント400は、先を切り取ったドームである周囲形状を提供する離散要素402から形成される。ドームの内部容量は空で、構造から解放されている。図17Bは、切開Iを通して角膜ポケットの中に近視用の角膜足場インプラント400を挿入する前の角膜Cの形状を示す斜位像である。図17Cは、どのように近視用の角膜足場インプラント400の挿入が、矢印404の方向に角膜を平らにすることにより、近視を軽減するかを示す。
【0054】
図18Aは、遠視を矯正する目的のために設計された角膜足場インプラント410の上面図を示す。インプラント410は、インプラント400より高い先を切り取ったドームを形成する要素412を含む。図18Bは、どのように遠視用の本角膜足場インプラント410の挿入が、矢印の方向に角膜を急勾配にすることにより、遠視を軽減するかを示す。
【0055】
図19Aは、遠視性乱視を矯正する目的のために設計された角膜足場インプラント420の上面図を示す。インプラン420は、中央リング424によって接合された2つの横方向のウイング422を含む。図19Bは、どのように遠視性乱視用の本角膜足場インプラント420の挿入が、矢印の方向に中央角膜を急勾配にすることにより、遠視を軽減し、また角膜の急勾配軸を平らにすることにより、乱視を軽減するかを示す。
【0056】
図20Aは、斜線で示すレンズLも含む角膜足場インプラント430の上面図を示す。図20Bは、どのようにレンズ430を備える本角膜足場インプラントの挿入が、角膜の形状(この場合、平たん化)の変更、および光学システムへの追加のレンズの導入の両方により、屈折誤差を矯正するかを示す。
【0057】
足場は、成形等の通常の技術により、前述のように同一ポリマーから形成され得る。多くの他の角膜足場インプラントの形状および構成が、近視、遠視、乱視、高次収差、および角膜拡張症の治療に考案され得る。我々の発明は、構成要素の全てを通過することが単一平面では不可能な、全ての可能な3次元形状および構成を含む。
【0058】
上述は、本発明の好適な実施形態の完全な説明であるが、種々の代替、変形、および同等物が使用され得る。したがって、上述は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限するものではない。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
角膜インプラントを角膜に送達する方法であって、
初期幅で該インプラントを拘束するステップと、
該幅の幅を縮小するように先細チャンバを通して該インプラントを前進させるステップであって、該インプラントの対向縁は、該インプラントが前進させられるにつれて、半径方向内向きに湾曲する、ステップと、
該拘束されたインプラントを該縮小された幅で該角膜の中へ解放するステップと
を含む、方法。
(項2)
前記インプラントは、0.1MPaから4MPaの範囲の引張強度と、0.1MPaから5MPaの範囲の弾性率とを有するポリマーを備える、上記項1に記載の方法。
(項3)
前記インプラントおよびキャリアを拘束する前に、薄い可撓性のキャリア上に前記インプラントを配置するステップをさらに含む、上記項1に記載の方法。
(項4)
拘束するステップは、前記インプラント上の変形チャンバの半円形の半分体を閉鎖するステップを含む、上記項1に記載の方法。
(項5)
前進させるステップは、前記角膜インプラントに押込部材を押しつけるステップを含む、上記項1に記載の方法。
(項6)
前記押込部材の前方部分は、前記押込部材が押し込まれると、前記先細チャンバの内部に適合する、上記項5に記載の方法。
(項7)
前記角膜インプラントは、生体インプラントである、上記項1に記載の方法。
(項8)
前記生体インプラントは、層状の角膜実質内皮移植組織またはDMEK移植片を含む、上記項7に記載の方法。
(項9)
前記インプラントは、合成インプラントである、上記項1に記載の方法。
(項10)
角膜インプラントを送達するためのシステムであって、
角膜内のポケットに挿入するために構成される近位端および遠位端を有し、かつ遠位方向に先細になる軸方向中空通路を有する、中空部材と、
該中空通路を通して、拘束された角膜インプラントを係合し、軸方向に前進させるように、該中空部材の該中空軸方向通路に配置される軸方向押込器と
を備え、
該軸方向中空通路は、挿入物が該通路を通して軸方向に前進させられるにつれて、該角膜インプラントの縁を半径方向内向きに外転させる、内向きに配向された弓形の表面を含む、システム。
(項11)
前記軸方向押込器は、前記インプラント用の薄い可撓性のキャリアを備え、該キャリアは、前記角膜インプラントの前記縁とともに外転される縁を有する、上記項10に記載のシステム。
(項12)
前記軸方向押込器の遠位側の前記中空通路内で拘束される、角膜インプラントをさらに備える、上記項11に記載のシステム。
(項13)
前記軸方向押込器は、遠位方向に先細である、上記項11に記載のシステム。
(項14)
前記軸方向押込器は、前記先細中空通路を通して遠位に前進させられるにつれて、直径を縮小するように変形可能である、上記項13に記載のシステム。
(項15)
前記軸方向押込器は、形状が前記中空通路の断面外形と同様である、断面外形を有する、上記項14に記載のシステム。
(項16)
前記中空部材に結合される、インプラント変形チャンバをさらに備える、上記項15に記載のシステム。
(項17)
周囲形状を画定する離散要素を含む、3次元構造を有する足場を備え、該足場の中がほとんど空であり、該周囲形状は、角膜ポケットに配置されるときに視力矯正を提供するように選択される、角膜インプラント。
(項18)
前記周囲形状は、近視を矯正するように前記ポケットに配置されるときに、前記角膜を平らにする、上記項17に記載の角膜インプラント。
(項19)
前記周囲形状は、遠視を矯正するように、前記ポケットに配置されるときに、角膜を急勾配にする、上記項17に記載の角膜インプラント。
(項20)
前記周囲形状は、遠視を緩和し、乱視を軽減するように、前記ポケットに配置されるときに、角膜中央部を急勾配にし、該角膜の急勾配の軸を平らにする、上記項17に記載の角膜インプラント。
(項21)
レンズをさらに備え、前記形状は、前記ポケットに配置されるときに、前記角膜の形状を変化させ、該レンズは、付加的な屈折誤差矯正を提供する、上記項17に記載の角膜インプラント。
(項22)
角膜ポケットに配置されるときに、事前選択された視力矯正を提供するように選択される周囲形状を画定する、本体を備え、
該本体は、該本体が0.1MPaから4MPaの範囲の引張強度および0.1MPaから5MPaの範囲の弾性率を有するような材料から成る、
角膜インプラント。
(項23)
前記材料は、アクリル共重合体を含む、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項24)
前記材料は、シリコーンまたはコラーゲンの共重合体を含む、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項25)
前記周囲形状は、近視を矯正するように、前記ポケットに配置されるときに、角膜を平らにする、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項26)
前記周囲形状は、遠視を矯正するように、前記ポケットに配置されるときに、角膜を急勾配にする、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項27)
前記周囲形状は、遠視を緩和し、乱視を軽減するように、前記ポケットに配置されるときに、前記角膜中央部を急勾配にし、角膜の急勾配の軸を平らにする、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項28)
レンズをさらに備え、前記形状は、前記ポケットに配置されるとき、角膜の形状を変化させ、該レンズは、付加的な屈折誤差矯正を提供する、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項29)
前記材料は、金属を含む、上記項22に記載の角膜インプラント。
(項30)
前記金属は、金、チタン、およびニッケルチタン合金から成る群より選択される、上記項29に記載の角膜インプラント。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B