(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれの一体蝶番は、斜めに広がる形の一対のアームを有する実質的にY字形であり、前記一体蝶番の前記付勢力は、前記アクチュエータが遠位部の方へ移動する際に前記ハンドル上の構造物によって前記一対のアームが互いの方へ押し付けられるときに生じるようになっている、請求項1に記載の安全カテーテル。
それぞれの一体蝶番は、前記軸線から所定の半径方向距離のところに位置決めされ、それぞれの一体蝶番は、第1のアーム及び第2のアームを有し、前記アクチュエータは、
それぞれの一体蝶番の各第1の端部を相互接続する第1のアーチ形バンドと、それぞれの一体蝶番の各第2の端部を相互接続する第2のアーチ形バンドと、をさらに備え、
前記第1及び第2のアーチ形バンドは、前記アクチュエータが遠位部の方へ移動するときに前記半径方向距離から移動して前記軸線の方向へ移動し、前記ハンドル上の各ストッパーと係合して前記アクチュエータが遠位方向にさらに移動するのを防止するようになっている、請求項2に記載の安全カテーテル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの実例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきでない。本明細書で開示されている形態の他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明から当業者には明白であり、これは、例示により、本発明を実施するために企図されている最良の態様のうちの1つである。理解されるように、本明細書で説明されている形態では、すべて本発明から逸脱することなく、他の異なる、明白な態様を実施することが可能である。したがって、図面及び説明は、性質上例示的であり、制約的でない、とみなされるべきである。
【0012】
図に示されているように、本明細書に例示されている形態は、スタイレット及び/又は他の任意の硬直化若しくは貫通要素を操作して患者の血管系と流体的に連通するカテーテルを位置決めし、その後、スタイレットを隠して、不注意によりスタイレットで「針刺し」するのを防ぐためのデバイスとして有用なものとすることができる。一形態において、スタイレット又は針カニューレの後退は制御されながら実行され、制御後退により、臨床医からの入力なしで自動的に生じる無制御後退に付随しうる組織損傷を制限するか、又は緩和することができる。
【0013】
患者の血管系内への流体アクセス部位を確立するためにカテーテルが使用される場合、カテーテルは一般的に可撓性である。位置決めされた後、可撓性のカニューレは、患者の不快感を低減し、組織損傷を最小限度に抑えるうえで有利な働きをしうる。しかし、可撓性のカテーテルは、カテーテルの遠位端、又はカニューレが組織を通過し、血管系内で位置決めされうるように、挿入のため硬直化する必要がある場合がある。この硬直は、例えば、カテーテルの内腔内に選択的に挿入されうるスタイレットを使用して挿入時にカテーテルを硬直させることによって達成されうる。硬直したカテーテルを血管系内で適切に位置決めした後、スタイレットをカテーテルから取り出して、可撓性のカテーテルを、そこからの流体の送出又は取り出しのために血管系と流体的に連通したままにすることができる。
【0014】
本明細書で説明されている安全カテーテルの形態は、可撓性のカテーテルが適切に位置決めされた後に可撓性のカテーテルから受動的に後退するスタイレット又は針カニューレを構成する。カテーテルを位置決めしたときにスタイレットを受動的に後退させるステップにより、カテーテルの挿入が完了してからスタイレットを安全に固定することによって不注意による針刺しが生じる危険性を低減することができる。少なくとも一形態では、受動的解放は、後退させるため針若しくはシャトル集成体を自動的に解放するステップを指す。しかし、受動的な解放がなされたとき、針アセンブリが固定位置に自由に入ることができる場合、使用者は、それでも、実際の解放のタイミングを制御しつつ、制御された後退を行うことができることは理解されるであろう。本明細書の形態では、可撓性のカテーテルの位置決めをした後、スタイレットの制御後退を行い、制御後退により、スタイレットを突然の、又は無制御の後退に付随しうる組織損傷を引き起こさずに安全に固定することができる。
【0015】
本明細書で説明されている形態は、薬液を血管系内に複数回注入するために単一の流体アクセス部位を確立するように位置決めされうるカテーテル・デバイス及びシステムを対象とする。安全カテーテル・システムは、可撓性のカテーテルが自動的にスタイレットから分離され、不注意による針刺しを防ぐためカテーテルの配置後にスタイレットが隠されるように単一ステップの動作で構成され、アクチュエータ及び/又は制御後退を円滑に行わせるための他の解放デバイス、機構、若しくは構成要素を備えることができる。
【0016】
図1及び
図2を参照すると、患者の血管系内に挿入するように構成された安全カテーテル10の一形態が形成されている。安全カテーテル10を使用して、限定はしないが、皮下注射器又はIVポンプ(図示せず)などの体外流体源によって繰り返し、又は順次使用されうる、患者の血管系内への単一の流体アクセス部位を確立することができる。一般的に、安全カテーテル10の形態は、患者の血管系内に挿入するために可撓性のカテーテル又はカニューレ22を硬直させるように構成される。カニューレ22が適切に位置決めされた後、安全カテーテル10は、カテーテルから引き抜くために、スタイレット(探り針)36、又は他の好適な任意の硬直及び/若しくは貫通要素を受動的に、及び/又は自動的に解放するように構成される。一形態において、スタイレット36がカニューレ22から受動的に解放されると、スタイレット36はアクチュエータ80(
図17)を介してハンドル本体部52内に制御後退を行い、不注意による針刺しを防ぐためスタイレット36の鋭利な遠位先端部42を隠すように構成される。スタイレット36の制御後退は、カニューレ22から受動的に解放された後に、無制御の又は突然の後退に付随する組織損傷を低減するか、又は防止することができる。
【0017】
図1を参照すると、安全カテーテル10の一形態が、事前展開又は使用前構成で図示されている。より具体的には、安全カテーテル10は、テクスチャ表面13及びキャップ若しくはシールド14とともにハンドル12を有するように示されている。例示されているように、シールド14はハンドル12と係合して、安全カテーテル10の露出及び汚染を防止する。シールド14は、カニューレ22及びスタイレット36の露出を防止するように設計された好適な任意の構成をとりうる(
図2)。シールド14は、好適な任意の形状若しくはグリップを備え、カニューレ22及びスタイレット36の可視化が円滑になされるように透明であるか又は半透明であるものとすることができる。
図6を参照すると、シールド14は、安全カテーテル10が平面上を転がるのを防ぎ、ハンドル12との自動的係合が円滑になされるように平坦部15を備えることができる。シールド14は、確実な結合がなされるようにハンドル12と係合する構成の、1つ若しくは複数の突出部17、又は他の好適な任意の結合部をさらに備えることができる。ハンドル12は、好適な任意の対応する結合手段を備えることができる。
【0018】
図7を参照すると、ハンドル12は、取り扱い、シールドからの分離、操作、又は同様の活動が円滑になされるように、テクスチャ表面13などの、好適な任意のつかみ面を有することができる。安全カテーテルのハンドル12は、一形態では、近位端75及び遠位端59を有する細長いハンドル本体部52を備える。また、ハンドル12は、内部チャンバー77を備えて形成される。操作時に、カテーテルが患者の血管系内に挿入された後、ハンドル本体部52はスタイレットが後退したときにシャトル集成体50(
図4)を保持するように構成される。チャンバー77は、不注意による針刺しを防ぎ、再利用を防ぐためにスタイレット36用の一区画として使用される。
【0019】
図1において、シールド14はハンドル12と係合しているように示されており、摩擦による嵌合、スナップ式の嵌合、ネジによる嵌合、シュリンク・ラップ、不正開封防止包装、又は同様のものを含む、シールド14とハンドルとの間の好適な任意の結合が企図されている。一形態では、シールド14が安全カテーテル10の残り部分から取り外された後、シールド14はハンドル12に再び取り付けることができない。
【0020】
図2は、安全カテーテル10の一形態のさまざまな構成要素を示す安全カテーテル10の分解図を例示している。シールド14に加えて、安全カテーテル10は、ルアー若しくは中空本体部分20、カニューレ22、アイレット24、及び一方向弁26を備える。組み合わせると、これらの構成要素は、図示され、
図3を参照しつつ詳細に説明されている、ルアー集成体16を構成する。安全カテーテル10は、スタイレット36、フィルター・プラグ40、及びシャトル本体部38を備えるシャトル本体部アセンブリ50をさらに具備し、これは
図4にさらに詳しく示されている。
図2は、バネ70を中に保持するように構成されたハンドル本体部52と係合する本体頂部54を備えるハンドル集成体63の分解図をさらに例示している。ハンドル集成体63は、本体頂部54上に保持され、本体頂部54に対して縦方向に移動するように構成されているアクチュエータ80をさらに備える。例示されている形態において、ルアー集成体16、シャトル集成体50、及びハンドル集成体63は、複数の段階で互いに相互に作用することによって、患者の血管系に正確に、効果的にアクセスし、血管系に適切にアクセスした後、不注意で針刺しをする危険性を低減する方法が提供される。
【0021】
図3は、ルアー集成体16のより詳細な断面図を例示している。一形態において、カニューレ22は、近位端30及び遠位端34を備え、カニューレ22の近位端30は、アイレット(小穴)24に接合されるか、又は他の何らかの形で取り付けられる。ルアー集成体16を組み立てるときに、カニューレ22を取り付けられたアイレット24は、例示されているように、カニューレ22が本体部分20の遠位端32から延在するように、中空本体部分20の近位端33から嵌め込まれる。カニューレ22及びアイレット24を本体部分20と係合させた後、一方向弁26をアイレット24の近くの中空本体部分20の内側に位置決めすることができる。一方向弁、又は他の好適な遮断構成要素及び/又は選択的アクセス可能構成要素は、安全カテーテル10の操作中にシャトル集成体50(
図4)のスタイレット36を中に通せるようにし、スタイレット36を取り外すと封止して、注射器又は同様のものによる適切な取り付けがなされるまでルアー集成体16から流体が流れ出さないようにする。このようにして、ルアー集成体16は、血管系内に留まり、その一方で、さまざまな構成要素を一方向弁を介して接続し、流体を送出するか、又は取り出すことができる。
【0022】
カニューレ22は、患者の血管系内に挿入するのに適した、可撓性の生体適合性エラストマー材料などの任意の材料から構成されうる。カニューレ22は、血液又は他の流体を可視化できるように透明であるか、又は半透明とし、好適な任意の内径を有し、特定の形状若しくは構成への付勢力を有し、剛体であるか、若しくは半剛体であり、及び/又は遠位端33において好適な任意の幾何学的形状を有することができることは理解されるであろう。代替的一形態において、カニューレ22は、アイレット24及び/又は一方向弁26と一体である。ルアー集成体16の構成要素の結合は、接着剤、スナップ式の嵌合、摩擦による嵌合、又は同様の手段などの、好適な任意の係合手段で達成されうることは理解されるであろう。
【0023】
なおも
図3を参照すると、中空本体部分20の例示されている形態は、近位端33から遠位端32へ先細りになる一般的に円錐台形の形状を有する。アイレット24の近位端は、ルアー集成体16及びシャトル集成体50の係合時にスタイレット36及びシャトル本体部38の遠位端46を最初に受け付けるように構成される。ルアー若しくは中空本体部分20の外面は、安全カテーテル10の操作時に使用者によってつかまれるように構成された、ギザギザのある表面若しくは隆起のある表面などの、テクスチャ表面35を備えることができる。中空本体部分20の例示されている形態は、本体部分54上の弾力的な指部66と係合するように構成された一対のガイド28をさらに備える。中空本体部分20は、カニューレ22を保持するように、使用者によって遠位に前進されるように、及び/又は本体部分54に付随する弾力的な指部66と係合するように設計された好適な任意の形状又は構成を有することができることは理解されるであろう。中空本体部分20は、対応する1つ又は複数の弾力的な指部66と係合するように構成された、1つ又は複数のガイドなどの、好適な任意の数のガイド28を備えることができることは理解されるであろう。
図1及び
図8を参照すると、中空本体部分20は、
図18〜
図27aを参照しつつさらに詳しく説明されるように、アクチュエータ80(
図1)と係合するように構成された一対の横方向フランジ81をさらに備える。
【0024】
ルアー集成体16は、安全カテーテル10から取り外せるように構成され、患者の血管系内への流体アクセスのための部位を確立するように設計される。ルアー集成体が患者の血管系内で適切に位置決めされた後、安全カテーテル10の他の構成要素は、I.V.ライン又は同様のものをルアー集成体16と結合できるように取り外される。ルアー集成体16は、患者の血管系への好適な任意のアクセス手段及び/又は流体送出若しくは抽出手段に結合するための手段を備えることができることは理解されるであろう。
【0025】
図4は、安全カテーテル10に付随するシャトル集成体50の一形態の断面図を例示している。シャトル集成体50は、近位端45及び遠位端46を有するシャトル本体部38を備える。例示されている形態において、シャトル本体部38の遠位端46は、近位端44及び遠位端42を有する針若しくはスタイレット36を保持するように構成された流路47を備える。流路47は、シャトル本体部38の一部にそってシャトル本体部38の遠位端46から近位に延在し、例えば、接着剤、接合、摩擦による嵌合、又は他の好適な任意の機械的係合など、好適な任意の手段でスタイレット36を保持するように構成されうる。一形態では、スタイレット36はシャトル本体部38と一体である。シャトル本体部38の近位端45は、横方向に突き出ている円環状フランジ72を備え、
図18〜
図27aにさらに詳しく示されているように、バネ70が円環状フランジ72と本体頂部54上の円環状フランジ61との間に保持される。
【0026】
一形態では、シャトル本体部38は、中にある血液などの流体の可視化が円滑になされるように透明若しくは半透明の材料から構成される。一形態では、シャトル本体部38は、シャトル本体部38の外壁、流路47の近位端、及びフィルター・プラグ40によって画成されるキャビティ49をさらに備える。スタイレット36は、一形態において、血液又は他の流体が遠位先端部42から近位端46へ流れ、そしてキャビティ49内に流れ込むのを円滑にするための中を通る内腔を有する。キャビティ49に入る流体は、フィルター・プラグ40によってトラップされる。一形態では、キャビティ49を画成するシャトル本体部38の少なくとも一部は透明であり、このため、患者の血管系にアクセスすると、血液がスタイレット36の内腔を通り、キャビティ49内に入り、臨床医は血管系が正常にアクセスされたことを確認できる。スタイレット36は、患者の血管系へのアクセスが円滑になされるようにする面取りされた遠位先端部42などの好適な任意の構成を有するものとしてよい。フィルター・プラグ40は、流体がシャトル本体部38から出るのを防ぐように構成され、シャトル本体部と一体であるか、又はシャトル本体部38に接合されるものとしてよい。
【0027】
なおも
図4を参照すると、例示されている形態において、シャトル本体部38は、遠位端46のところ、又はその近くに一対の対向する凹み又は平坦部48を備える。平坦部48は、本体部分54(
図5)に付随する弾力的なアーム66上に配置された対応する一対の突出部68と係合するように構成される。シャトル本体部38は、好適な任意の数の弾力的なアーム66及び/又は突出部68と係合するように構成された、好適な任意の数の平坦部48、又は他の結合特徴を備えることができることは理解されるであろう。例示されている構成要素の特徴は、実例としてのみ示されており、本明細書で説明されている形態及び方法によるデバイスの動作を円滑にするのに適した任意の構成要素も企図されることは理解されるであろう。
【0028】
ルアー集成体16(
図3)及びシャトル集成体(
図4)を組み立てるときに、スタイレット36の遠位先端部42は、中空本体部分20の近位端33から挿入され、一方向弁26に通され、可撓性のカニューレ22に通される。この方法で、スタイレット36は、患者の血管系内に挿入できるようにカニューレ22を硬くする働きをする。スタイレット36の外径は、カニューレ22とスタイレット36との間にシールが形成されるようにカニューレ22の内径とほぼ同じになるように構成することができるが、カニューレ22とスタイレット36との間の好適な任意の関係が企図される。スタイレット36は、シャトル本体部の遠位端46が一方向弁26の近位端に隣接するか、又は近づくまでカニューレ22に通して挿入されうる。安全カテーテル10は、好適な任意の長さのカニューレ22及びスタイレット36を備えることができる。一形態では、カニューレ22は、中空本体部分20と最初に係合したときに露出されているスタイレット36の長さより約1cm短い長さを有するが、好適な任意の寸法及び関係を考えることができる。
【0029】
一般的に、シャトル集成体50は、ルアー集成体16が適切に位置決めされるまで、ルアー集成体16のカニューレ22に十分な剛性を付与するようになっている。位置決めされた後、
図18〜
図27aを参照しつつさらに詳しく示されているように、ルアー集成体16は、最初にルアー集成体16をアクチュエータ80で前進させ、次いで、手動でルアー集成体16を安全カテーテル10の残り部分から完全に取り外すことによってシャトル集成体から取り外される。シャトル集成体50が取り外された後、カニューレ22は、その可撓性を取り戻し、カニューレ22の内腔は、流体が中を移動できるようにきれいな状態にされる。
【0030】
図5を参照すると、ハンドル集成体63の一形態は、ハンドル本体部52、本体頂部54、アクチュエータ80(
図17)、及びバネ70を備えるように例示されている。例示されている形態では、本体頂部54は、ハンドル本体部52の遠位端59に挿入され、接合されるように構成された一般的に円筒形の近位端58を有する。本体頂部54は、係合したときにハンドル本体部の遠位端59に隣接する外側部分65を有する円環状フランジ61を備える。本体頂部54及びハンドル本体部52は、接合、スナップ式嵌合、摩擦による嵌合を含む好適な任意の結合を有するか、又は代替的一実施例では、一体構造として構成することができる。本体頂部54の円環状フランジ61は、シャトル集成体50(
図18〜
図27aに示されている)のシャトル本体部38と組み合わせてハンドル本体部52内にバネ70を保持するように構成された内部67をさらに備える。より具体的には、安全カテーテル10が組み立てられるときに、バネ70は、シャトル本体部38(
図4)の円環状フランジ72と円環状フランジ61の内部67との間に位置決めされる。一形態では、バネ70を使用して、操作時にハンドル集成体63に関してシャトル集成体50を並進させるように構成された推進力を選択的に付与する。
【0031】
図9を参照すると、本体頂部54の遠位端69は、本体頂部54から横向きに外へ突出する一対のストッパー71を備える。一対のストッパー71は、それらの間に一対の間隙73(
図2)を画成する。アクチュエータ80は、本体頂部54の遠位端69と係合するように構成され、またそれらに対して軸線方向に並進するように構成される。本体頂部54に関するアクチュエータ80の動作は、
図17〜
図27aを参照しつつさらに詳しく説明される。本体頂部54の遠位端69から近位に突き出ているのは、その遠位端から横方向に内向きに突出する突出部68を有する一対の弾力的なアーム66である。弾力的なアーム66は、例示されている形態において、弾力的なアーム66と本体頂部54の遠位端69との間の接続点の周りに一体蝶番(living hinge)として枢動するように構成される。突出部68は、
図18〜
図27aを参照しつつさらに詳しく説明されるようにシャトル集成体50のシャトル本体部38上の平坦部48と係合するように構成される。
【0032】
なおも
図5を参照すると、本体頂部54の一形態は、透明若しくは半透明の本体頂部54の少なくとも一部を備える必要がある。一形態において、ハンドル集成体63がシャトル集成体50と係合するときに、本明細書でさらに詳しく説明されるように、シャトル本体部38のキャビティ49は、本体頂部54の遠位部分と位置合わせされる。
図20〜
図21aを参照すると、キャビティ49を覆うシャトル本体部38の透明部分と位置が合わされている本体頂部54の透明な遠位部分69を備えることによって、患者の血管系に適切にアクセスされたことを臨床医が確認できるようにするフラッシュ・ウィンドウ62が形成されている。フラッシュ・ウィンドウ62を備えると、患者体内の安全カテーテル10の適切な配置に関して臨床医が推測する必要がなくなる。血管系へのアクセスが確認された後、
図18〜
図27aに従って安全カテーテル10をさらに操作することができる。ルアー集成体16、シャトル集成体50、及びハンドル集成体63は、実例としてのみ説明され、本明細書で説明されている形態により好適な任意の構成において好適な任意の構成要素を備えることができることは理解されるであろう。構成要素は、別々でも、一体型でもよい。
【0033】
図6は、シールド14のより詳細な斜視図を例示しており、
図7は、ハンドル12のより詳細な斜視図を例示している。
図8は、中空本体部分20のより詳細な斜視図を例示している。
図9は、本体頂部54のより詳細な斜視図を例示している。
図10は、一形態においてシャトル本体部38が平坦部90を備える、シャトル本体部38のより詳細な斜視図を例示している。
図11は、スタイレット36のより詳細な側面図を例示している。
図12は、一形態において円錐状のベベル115を有するアイレット24のより詳細な斜視図を例示している。
図13は、バネ70のより詳細な側面図を例示している。
図14は、カニューレ22の側面図を例示しており、そこでは、一形態において、カニューレ22は、テーパーを有する遠位端34を備える。
図15は、一方向弁26のより詳細な斜視図を例示している。一方向弁は、好適な任意の弁であってよく、例えば、円環状カラー92及びその中にスリット96を有する遠位弁部分94を備えることができる。弁部分94は、スリット96が、例えば、スタイレット36又は他の血管系アクセス若しくは送出デバイス若しくは構成要素によって貫通されなければ通常は封止されるように好適な任意の材料から構成されうる。流体の移動を選択的に制約する好適な任意の弁若しくは構成要素が企図されることは理解されるであろう。
図16は、フィルター・プラグ40のより詳細な斜視図を例示している。フィルター・プラグ40は、好適な任意の材料から構成することができ、空気又は他のガスを排出できるようにしながら流体の流れを防ぐか、又は遮るのに好適な任意の構成を有することができることは理解されるであろう。
【0034】
図17は、近位端98及び遠位端100を有するアクチュエータ80の一形態を例示している。アクチュエータ80は、背面サムパッド97、一対の遠位に延在するレール102、及び一対の横方向アーム104を有するベース95を備える。横方向アーム104は、内向きに突出する横方向突出部108を有する一対の遠位保持ラッチ106及び一対の近位一体蝶番110をさらに備える。一体蝶番110の近位端は、アクチュエータ80の近位端のところで部分的円環状バンドを形成する一対の三日月型バンド112によって連結される。アクチュエータ80の動作は、
図18〜
図27aを参照しつつさらに詳しく説明される。
【0035】
図18〜
図27aを参照すると、安全カテーテル10の動作の一形態が例示されている。一般的に、安全カテーテルの動作は、シャトル集成体50を、ハンドル12の遠位の第1の位置からハンドル12のチャンバー77の内側の第2の位置へ移動することである。より具体的には、一形態において、シャトル集成体50がハンドル12上の第1の位置にあるときに、安全カテーテル10を使用して患者の血管系内へのルアー集成体16の流体アクセスを確立することができる。この流体アクセス部位を維持するために、ルアー集成体16を安全カテーテル10の残り部分から分離する。ルアー集成体16を安全カテーテル10の残り部分から分離した後、シャトル集成体50をハンドル12の内側の第2の位置まで後退させる。第2の位置に来たら、スタイレット36の鋭利な遠位先端部42をハンドル12のチャンバー77の内側に効果的に隠して、スタイレット36により不注意で、又はうっかりして「針刺し」をするのを防ぐ。
【0036】
図18〜
図19aを参照すると、安全カテーテル10が、スタイレット36を効果的に隠すためにハンドル12と係合するシールド14とともに使用前の構成で図示されている。安全カテーテル10は、デバイスの安全な輸送及び/又は保管のために好適な任意の方法でパッケージ化することができる。
【0037】
図20〜
図21aは、安全カテーテル10が患者の血管系にアクセスするように設計された構成をとるようにシールド14を取り外した後の安全カテーテル10の一形態を例示している。シャトル集成体50が第1の位置にあるときに、ルアー集成体16、シャトル集成体50、及びハンドル集成体63はすべて、相互に作用する。例示されているように、シャトル集成体50のスタイレット36は、ルアー集成体16のカニューレ22内に保持され、シャトル本体部38の遠位端46は、ガイド28内のルアー集成体16の一方向弁26の近位にあり、隣接する位置に置かれる。スタイレット36は、シャトル本体部38から遠位に延在し、一方向弁26に通され、そしてカニューレ22に通される。例示されている構成では、スタイレット36は、患者の血管系内に挿入できるようにカニューレ22を硬直させる。
【0038】
それと同時に、ルアー集成体16の中空本体部分20の近位端33は、本体頂部54の弾力的な指部66の上に位置決めされ、弾力的な指部上の突出部68が、
図21に最もよく示されているように、シャトル本体部38の平坦部48と係合する。
図20及び
図21に例示されているように、中空本体部分を弾力的なアーム66の上に位置決めすることによって、シャトル集成体50がハンドル集成体63に関して移動できないように突出部68を平坦部48内に維持する。ルアー集成体16、シャトル集成体50、及びハンドル集成体63の間のこの相互作用により、シャトル集成体50はハンドル12に関して第1の位置に効果的に保持される。シャトル集成体50が、第1の位置にある間、
図20〜
図21aに示されているように、バネ70は、シャトル本体部38上の円環状フランジ72と本体頂部54上の円環状フランジ61との間に圧縮される。バネ70は、シャトル集成体50をホルダー12内に近位方向に付勢するように構成されるが、平坦部48内に弾力的なアーム66の突出部68を保持することにより、シャトル集成体50の近位方向への後退を防ぐ。バネ70は、シャトル集成体がルアー集成体16とアクチュエータ80の両方から解放されるまで圧縮されたままである。
【0039】
なおも
図20〜
図21aを参照すると、アクチュエータ80は、本体頂部54と係合し、またルアー集成体16の中空本体部分20の近位端33と係合するように示されている。より具体的には、例示されている形態において、横方向突出部108を有する保持ラッチ106は、中空本体部分20上の横方向フランジ81と係合する。この構成によって、ルアー集成体16は、安全カテーテル10の残りの部分に固定される。
図21aを見ると最もよくわかるように、横方向アーム104の首部は、本体頂部54上のストッパー71の間の間隙73内に位置決めされる。アクチュエータのバンド112は、円環状バンド61に隣接する本体頂部54の遠位端を実質的に取り囲む。この位置において、アクチュエータ80は、本体頂部54に固定され、横方向アーム104の一体蝶番110は、弛緩位置にあり、そこでは、横方向アーム104の首部のみが本体頂部54のストッパー71の間の間隙73内に位置決めされる。
【0040】
図20〜
図21aに示されているように、安全カテーテルは、患者の血管系内に挿入できるように構成される。カニューレ22及びスタイレット36が患者体内に挿入されると、本明細書の形態は、ルアー集成体16が患者の血管系と流体的に連通するように安全カテーテル10が適切に位置決めされたことを確認するステップを含む。血管系に正常にアクセスできた後、血液がスタイレット36の内腔を通り、シャトル本体部38内のキャビティ49内に入る。一形態では、シャトル本体部38及び周囲の本体頂部54は、透明であるため、このフラッシュ・ウィンドウを通して血液が見える。フラッシュ・ウィンドウ62を通して血液が見えるので、臨床医には、血管系が適切にアクセスされたことがわかる。フィルター・プラグ40は、シャトル集成体50のキャビティ49内に入る血液を制限し、血液で運ばれる病原菌が安全カテーテル10から漏れ出るのを防ぐ。
【0041】
図22〜
図23aを参照すると、患者の血管系にアクセスした後、カニューレ22をスタイレット36の遠位先端部42を超えて前進させ、及び/又は血管系のさらに奥に送り込むことができる。カニューレ22を送るのは、臨床医が、例えば、背部パッド97(
図23〜
図23a)上に人差し指を置き、アクチュエータ80を遠位に送ることによって行われる。アクチュエータ80が前進されると、保持ラッチ106が外向に曲がり、横方向突出部108をルアー集成体16の中空本体部分20上の横方向フランジ81から係脱する。この係脱により、ルアー集成体16が自由になり、安全カテーテル10の残り部分から取り外せる。同時に、アクチュエータ80が前進されると、レール102がルアー集成体16を遠位に押して、それにより、カニューレ22を患者の血管内のさらに奥に送る。ルアー集成体16がアクチュエータ80によって遠位に押されると、アクチュエータのベース95が移動して本体頂部54の弾力的なアーム66(
図23)を覆い、これにより、突出部68は、シャトル本体部38上の平坦部48内にそのまま保持される。この位置では、ルアー集成体16の中空本体部分20は、もはや、弾力的なアームを保持することはないが、アクチュエータ80は、弾力的なアームが横方向に拡大して外れ、シャトル集成体50の後退を許すのを防ぐ。この方法で、カニューレ22は、患者の血管系のさらに奥まで伸張し、その後、シャトル集成体50を解放することができる。この構成は、スタイレット36をハンドル12内に後退させる前に、ある程度の硬さでカニューレ22を送り、必要ならば位置を変更できるので有利であると思われる。アクチュエータ80が前進されると、アクチュエータ上の一体蝶番110(
図23a)は、本体頂部54のストッパー71の間の間隙73に通して引かれ収縮する。この収縮で、アクチュエータ80は近位方向に付勢され、アクチュエータが解放されたとき、又はアクチュエータ上の遠位方向の力を小さくすることによって、アクチュエータは近位に移動する。
【0042】
図24〜
図25aを参照すると、カニューレ22がさらに奥に前進された後、ルアー集成体16は、安全カテーテル10の残り部分から取り外され、患者の血管系内に留まることができる。臨床医の指がアクチュエータ80にまだ置いたままで、スタイレット36及びシャトル集成体50を第1の位置に保持し、ルアー集成体16をスタイレット36から離れるように案内できる。例示されているように、アクチュエータ80(
図25)は、アクチュエータ80が後退できるまで平坦部48内に弾力的なアーム66の突出部68を保持し、それにより、スタイレットの解放が必要になるまでシャトル集成体を第1の位置に固定している。
【0043】
図26〜
図27aを参照すると、シャトル集成体50は、ルアー集成体16が前進された後任意の時点でハンドル12内に後退するように解放することができる。ルアー集成体16は、シャトル集成体50を後退できるようになる前に、シャトル集成体50から部分的に又は完全に取り外すことができる。後退は、一体蝶番110(
図27a)の近位への付勢力がアクチュエータを近位に付勢するように臨床医がアクチュエータ80上の遠位圧力を解放することによって引き起こされる。アクチュエータ80が近位に移動すると、外向きに付勢されている、弾力的なアーム66(
図27)は、もはや、平坦部48内に保持されない。弾力的なアーム66が、横方向に拡大できるようになると、弾力的なアーム上の突出部68は、平坦部48から係脱する。シャトル集成体50のシャトル本体部38は、ホルダー・アセンブリ63から係脱された後、ハンドル12内に保持されているバネ70によって付勢されて近位方向に移動する。バネ70は、シャトル集成体50をハンドル12のチャンバー77内の近位方向に付勢し、それにより、スタイレットの遠位先端部42をハンドル12の内側に隠す。スタイレット36をこのようにして隠すことで、不注意による針刺しに付随する危険性を低減することができる。シャトル集成体50がハンドル12内に保持された後、一形態では、スタイレットの遠位先端部42は、本体頂部54上のフラッシュ・ウィンドウ62と位置を合わされる。この形態では、臨床医は、遠位先端部42を確認して、スタイレット36が適切に保持され、もはや危険でなくなったことを知ることができる。
【0044】
安全カテーテル10を操作する方法は、実例のみによって開示されており、そこでは、ステップは、制御された後退を行う構成要素、患者の血管系にアクセスしたときに見るためのフラッシュ・ウィンドウ、及び/又は針若しくはスタイレットが安全な位置に後退したときに見るためのフラッシュ・ウィンドウの好適な任意の構成とともに好適な任意の順序で実行されうることは理解されるであろう。