(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
疾患の治療用または予防に使用するための、請求項1〜6いずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物。
疾患の予防用または治療用医薬の製造のための、請求項1〜6いずれか1項記載の一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0029】
第1の態様の実施態様に従って、本発明は、一般式(I):
【化8】
[式中、
Aは、
【化9】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化10】
は、
【化11】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキル基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R4は、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
Rは、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''は、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0030】
本明細書に記載の用語は、好ましくは、以下の意味を有する:
【0031】
用語「ハロゲン原子」、「ハロ−」または「Hal−」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味すると解されるべきである。
【0032】
用語「C
1〜C
6アルキル」は、好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価の飽和炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、neo−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基もしくは1,2−ジメチルブチル基、またはその異性体を意味すると解されるべきである。特に、当該基は、1、2、3または4個の炭素原子を有するもの(「C
1〜C
4アルキル」)であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、特に、1個、2個または3個の炭素原子を有するもの(「C
1〜C
3アルキル」)であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基またはiso−プロピル基である。
【0033】
用語「ハロ−C
1〜C
6アルキル」は、好ましくは、用語「C
1〜C
6アルキル」が上記で定義されたものであり、1個以上の水素原子が同じまたは異なるハロゲン原子(すなわち、ハロゲン原子はお互いに独立している)と置き換わっている、直鎖または分枝鎖の一価の飽和炭化水素基を意味すると解されるべきである。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C
1〜C
6アルキル基は、例えば、−CF
3、−CHF
2、−CH
2F、−CF
2CF
3または−CH
2CF
3である。
【0034】
用語「C
1〜C
6アルコキシ」は、−O−アルキル(ここで、用語「アルキル」は、上記で定義されたものである)で示される直鎖または分枝鎖の一価の飽和炭化水素基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ペントキシ基、iso−ペントキシ基もしくはn−ヘキソキシ基またはその異性体を意味すると解されるべきである。
【0035】
用語「ハロ−C
1〜C
6アルコキシ」は、好ましくは、1個以上の水素原子が同じまたは異なるハロゲン原子と置き換わっている、上記で定義された直鎖または分枝鎖の一価の飽和C
1〜C
6アルコキシ基を意味すると解されるべきである。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基は、例えば、−OCF
3、−OCHF
2、−OCH
2F、−OCF
2CF
3または−OCH
2CF
3である。
【0036】
用語「C
1〜C
6アルコキシ−C
1〜C
6アルキル」は、好ましくは、1個以上の水素原子が上記で定義された同じまたは異なるC
1〜C
6アルコキシ基と置き換わっている、上記で定義された直鎖または分枝鎖の一価の飽和アルキル基、例えば、メトキシアルキル基、エトキシアルキル基、プロピルオキシアルキル基、iso−プロポキシアルキル基、ブトキシアルキル基、iso−ブトキシアルキル基、tert−ブトキシアルキル基、sec−ブトキシアルキル基、ペンチルオキシアルキル基、iso−ペンチルオキシアルキル基、ヘキシルオキシアルキル基(用語「C
1〜C
6アルキル」は上記で定義されたものである)、またはその異性体を意味すると解されるべきである。
【0037】
用語「ハロ−C
1〜C
6アルコキシ−C
1〜C
6アルキル」は、好ましくは、1個以上の水素原子が同じまたは異なるハロゲン原子と置き換わっている、上記で定義された直鎖または分枝鎖の一価の飽和C
1〜C
6アルコキシ−C
1〜C
6アルキル基を意味すると解されるべきである。特に、該ハロゲン原子はFである。該ハロ−C
1〜C
6アルコキシ−C
1〜C
6アルキル基は、例えば、−CH
2CH
2OCF
3、−CH
2CH
2OCHF
2、−CH
2CH
2OCH
2F、−CH
2CH
2OCF
2CF
3または−CH
2CH
2OCH
2CF
3である。
【0038】
用語「C
2〜C
6アルケニル」は、好ましくは、1個以上の二重結合を含んでおり、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基、特に2個または3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基(「C
2〜C
3アルケニル」)を意味すると解されるべきであり、該アルケニル基が2個以上の二重結合を含んでいる場合、該二重結合は、お互いに孤立していても共役していてもよいと解される。該アルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、(E)−2−メチルビニル基、(Z)−2−メチルビニル基、ホモアリル基、(E)−ブタ−2−エニル基、(Z)−ブタ−2−エニル基、(E)−ブタ−1−エニル基、(Z)−ブタ−1−エニル基、ペンタ−4−エニル基、(E)−ペンタ−3−エニル基、(Z)−ペンタ−3−エニル基、(E)−ペンタ−2−エニル基、(Z)−ペンタ−2−エニル基、(E)−ペンタ−1−エニル基、(Z)−ペンタ−1−エニル基、ヘキサ−5−エニル基、(E)−ヘキサ−4−エニル基、(Z)−ヘキサ−4−エニル基、(E)−ヘキサ−3−エニル基、(Z)−ヘキサ−3−エニル基、(E)−ヘキサ−2−エニル基、(Z)−ヘキサ−2−エニル基、(E)−ヘキサ−1−エニル基、(Z)−ヘキサ−1−エニル基、イソプロペニル基、2−メチルプロパ−2−エニル基、1−メチルプロパ−2−エニル基、2−メチルプロパ−1−エニル基、(E)−1−メチルプロパ−1−エニル基、(Z)−1−メチルプロパ−1−エニル基、3−メチルブタ−3−エニル基、2−メチルブタ−3−エニル基、1−メチルブタ−3−エニル基、3−メチルブタ−2−エニル基、(E)−2−メチルブタ−2−エニル基、(Z)−2−メチルブタ−2−エニル基、(E)−1−メチルブタ−2−エニル基、(Z)−1−メチルブタ−2−エニル基、(E)−3−メチルブタ−1−エニル基、(Z)−3−メチルブタ−1−エニル基、(E)−2−メチルブタ−1−エニル基、(Z)−2−メチルブタ−1−エニル基、(E)−1−メチルブタ−1−エニル基、(Z)−1−メチルブタ−1−エニル基、1,1−ジメチルプロパ−2−エニル基、1−エチルプロパ−1−エニル基、1−プロピルビニル基、1−イソプロピルビニル基、4−メチルペンタ−4−エニル基、3−メチルペンタ−4−エニル基、2−メチルペンタ−4−エニル基、1−メチルペンタ−4−エニル基、4−メチルペンタ−3−エニル基、(E)−3−メチルペンタ−3−エニル基、(Z)−3−メチルペンタ−3−エニル基、(E)−2−メチルペンタ−3−エニル基、(Z)−2−メチルペンタ−3−エニル基、(E)−1−メチルペンタ−3−エニル基、(Z)−1−メチルペンタ−3−エニル基、(E)−4−メチルペンタ−2−エニル基、(Z)−4−メチルペンタ−2−エニル基、(E)−3−メチルペンタ−2−エニル基、(Z)−3−メチルペンタ−2−エニル基、(E)−2−メチルペンタ−2−エニル基、(Z)−2−メチルペンタ−2−エニル基、(E)−1−メチルペンタ−2−エニル基、(Z)−1−メチルペンタ−2−エニル基、(E)−4−メチルペンタ−1−エニル基、(Z)−4−メチルペンタ−1−エニル基、(E)−3−メチルペンタ−1−エニル基、(Z)−3−メチルペンタ−1−エニル基、(E)−2−メチルペンタ−1−エニル基、(Z)−2−メチルペンタ−1−エニル基、(E)−1−メチルペンタ−1−エニル基、(Z)−1−メチルペンタ−1−エニル基、3−エチルブタ−3−エニル基、2−エチルブタ−3−エニル基、1−エチルブタ−3−エニル基、(E)−3−エチルブタ−2−エニル基、(Z)−3−エチルブタ−2−エニル基、(E)−2−エチルブタ−2−エニル基、(Z)−2−エチルブタ−2−エニル基、(E)−1−エチルブタ−2−エニル基、(Z)−1−エチルブタ−2−エニル基、(E)−3−エチルブタ−1−エニル基、(Z)−3−エチルブタ−1−エニル基、2−エチルブタ−1−エニル基、(E)−1−エチルブタ−1−エニル基、(Z)−1−エチルブタ−1−エニル基、2−プロピルプロパ−2−エニル基、1−プロピルプロパ−2−エニル基、2−イソプロピルプロパ−2−エニル基、1−イソプロピルプロパ−2−エニル基、(E)−2−プロピルプロパ−1−エニル基、(Z)−2−プロピルプロパ−1−エニル基、(E)−1−プロピルプロパ−1−エニル基、(Z)−1−プロピルプロパ−1−エニル基、(E)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル基、(Z)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル基、(E)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル基、(Z)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル基、(E)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル基、(Z)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル基、1−(1,1−ジメチルエチル)エテニル基、ブタ−1,3−ジエニル基、ペンタ−1,4−ジエニル基、ヘキサ−1,5−ジエニル基またはメチルヘキサジエニル基である。特に、該基は、ビニルまたはアリルである。
【0039】
用語「C
2〜C
6アルキニル」は、好ましくは、1個以上の三重結合を含んでおり、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基、特に2個または3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基(「C
2〜C
3アルキニル」)を意味すると解されるべきである。該C
2〜C
6アルキニル基は、例えば、エチニル基、プロパ−1−イニル基、プロパ−2−イニル基、ブタ−1−イニル基、ブタ−2−イニル基、ブタ−3−イニル基、ペンタ−1−イニル基、ペンタ−2−イニル基、ペンタ−3−イニル基、ペンタ−4−イニル基、ヘキサ−1−イニル基、ヘキサ−2−イニル基、ヘキサ−3−イニル基、ヘキサ−4−イニル基、ヘキサ−5−イニル基、1−メチルプロパ−2−イニル基、2−メチルブタ−3−イニル基、1−メチルブタ−3−イニル基、1−メチルブタ−2−イニル基、3−メチルブタ−1−イニル基、1−エチルプロパ−2−イニル基、3−メチルペンタ−4−イニル基、2−メチルペンタ−4−イニル基、1−メチルペンタ−4−イニル基、2−メチルペンタ−3−イニル基、1−メチルペンタ−3−イニル基、4−メチルペンタ−2−イニル基、1−メチルペンタ−2−イニル基、4−メチルペンタ−1−イニル基、3−メチルペンタ−1−イニル基、2−エチルブタ−3−イニル基、1−エチルブタ−3−イニル基、1−エチルブタ−2−イニル基、1−プロピルプロパ−2−イニル基、1−イソプロピルプロパ−2−イニル基、2,2−ジメチルブタ−3−イニル基、1,1−ジメチルブタ−3−イニル基、1,1−ジメチルブタ−2−イニル基または3,3−ジメチルブタ−1−イニル基である。特に、該アルキニル基は、エチニル、プロパ−1−イニルまたはプロパ−2−イニルである。
【0040】
用語「C
3〜C
10シクロアルキル」は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個の炭素原子を含有する飽和した一価の単環式または二環式炭化水素環(「C
3〜C
10シクロアルキル」)を意味すると解されるべきである。該C
3〜C
10シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルもしくはシクロデシル、または二環式炭化水素環、例えばパーヒドロペンタレニレン環もしくはデカリン環である。
【0041】
用語「C
4〜C
10シクロアルケニル」は、好ましくは、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個の炭素原子を含有しており、該シクロアルケニル環のサイズが許す限り1個、2個、3個または4個の二重結合を共役してまたは共役せずに含む、一価の単環式または二環式炭化水素環を意味すると解されるべきである。該C
4〜C
10シクロアルケニル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えばシクロブテニル、シクロペンテニルもしくはシクロヘキセニル、または二環式炭化水素、例えば、
【化12】
である。
【0042】
用語「3員〜10員ヘテロシクロアルキル」は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子を含有しており、C(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
a(ここで、R
aは、水素原子、C
1〜C
6アルキル基またはハロ−C
1〜C
6アルキル基を表す)から選択される1個以上のヘテロ原子含有基を含有する、飽和した一価の単環式または二環式炭化水素環を意味すると解されるべきであり;該ヘテロシクロアルキル基は、いずれか1個の炭素原子または存在する場合には窒素原子を介して分子残部と結合することができる。
【0043】
特に、該3員〜10員ヘテロシクロアルキルは、2個、3個、4個または5個の炭素原子および1個以上の上記ヘテロ原子含有基を含有することができ(「3員〜6員ヘテロシクロアルキル」)、特に、該ヘテロシクロアルキルは、4個または5個の炭素原子および1個以上の上記ヘテロ原子含有基を含有することができる(「5員〜6員ヘテロシクロアルキル」)。
【0044】
特に、限定するものではないが、該ヘテロシクロアルキルは、例えば、4員環、例えばアゼチジニルもしくはオキセタニル、または5員環、例えばテトラヒドロフラニル、ジオキソリニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニルもしくはピロリニル、または6員環、例えばテトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニルもしくはトリチアニル、または7員環、例えばジアゼパニル環であってよい。場合により、該ヘテロシクロアルキルはベンゾ縮合されていてよい。
【0045】
該ヘテロシクリルは、二環式、例えば、限定するものではないが、5員,5員環、例えばヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−イル環、または5員,6員二環式環、例えばヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル環であってよい。
【0046】
上記したように、該窒素原子含有環は、部分的に不飽和であってよく、すなわち、それは1個以上の二重結合を含んでいてよく、例えば、限定するものではないが、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、4H−[1,3,4]チアジアジニル、4,5−ジヒドロオキサゾリルまたは4H−[1,4]チアジニル環であり得るか、または、例えば、それはベンゾ縮合されていてもよく、例えば、限定するものではないが、ジヒドロイソキノリニル環であってよい。
【0047】
用語「4〜10員ヘテロシクロアルケニル」は、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子を含有しており、C(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
a(ここで、R
aは、水素原子、C
1〜C
6アルキル基またはハロ−C
1〜C
6アルキル基を表す)から選択される1個以上のヘテロ原子含有基を含む不飽和一価の単環式または二環式炭化水素環を意味すると解されるべきであり;該ヘテロシクロアルケニル基は、いずれか1個の炭素原子または存在する場合には窒素原子を介して分子残部と結合することができる。該ヘテロシクロアルケニルの例としては、1個以上の二重結合を含んでよく、例えば、4H−ピラニル、2H−ピラニル、3H−ジアジリニル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、[1,3]ジオキソリル、4H−[1,3,4]チアジアジニル、2,5−ジヒドロフラニル、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロチオフェニル、2,3−ジヒドロチオフェニル、4,5−ジヒドロオキサゾリルまたは4H−[1,4]チアジニル基であってよく、またはそれはベンゾ縮合されていてよい。
【0048】
用語「アリール」は、好ましくは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個または14個の炭素原子を有する一価の芳香族または部分的に芳香族の単環式または二環式または三環式炭化水素環(「C
6〜C
14アリール」基)、特に6個の炭素原子を有する環(「C
6アリール」基)、例えばフェニル基;またはビフェニル基、または、9個の炭素原子を有する環(「C
9アリール」基)、例えばインダニル基もしくはインデニル基、または10個の炭素原子を有する環(「C
10アリール」基)、例えば、テトラリニル、ジヒドロナフチルもしくはナフチル基、または13個の炭素原子を有する環(「C
13アリール」基)、例えばフルオレニル基、または14個の炭素原子を有する環(「C
14アリール」基)、例えばアントラニル基を意味するものと解される。
【0049】
用語「ヘテロアリール」は、好ましくは、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個または14個の環原子(特に、5個または6個または9個または10個の原子)を有し、同じであっても異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含む一価の単環式、二環式または三環式芳香環系(「5員〜14員ヘテロアリール」基)を意味するものと解されるべきであり、該ヘテロ原子は例えば酸素、窒素または硫黄であり、また、各場合に、ベンゾ縮合されていてよい。特に、ヘテロアリールは、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チア−4H−ピラゾリルなど、およびそのベンゾ誘導体、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリルなど;またはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなど、およびそのベンゾ誘導体、例えばキノリニル、キナゾリニル、イソキノリニルなど;またはアゾシニル、インドリジニル、プリニルなど、およびそのベンゾ誘導体;またはシンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフトピリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニルまたはオキセピニルなどから選択される。
【0050】
概して、特に明記しない限り、ヘテロアリール基またはヘテロアリーレン基は、可能なその異性体のすべてを含み、例えばその位置異性体を含む。かくして、いくつかの例示的な限定されない例として、用語「ピリジニル」または「ピリジニレン」としては、ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イレン、ピリジン−3−イル、ピリジン−3−イレン、ピリジン−4−イルおよびピリジン−4−イレンが挙げられるか;または用語「チエニル」または「チエニレン」としては、チエン−2−イル、チエン−2−イレン、チエン−3−イルおよびチエン−3−イレンが挙げられる。
【0051】
用語「C
1〜C
6」は、本明細書全体にわたって、例えば「C
1〜C
6アルキル」、「C
1〜C
6ハロアルキル」、「C
1〜C
6アルコキシ」または「C
1〜C
6ハロアルコキシ」の定義に関連して、用いられる場合、1個〜6個という有限個の炭素原子、すなわち1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味するものと解されるべきである。また、当然のことながら、この用語「C
1〜C
6」は、下位の範囲、例えばC
1〜C
6、C
2〜C
5、C
3〜C
4、C
1〜C
2、C
1〜C
3、C
1〜C
4、C
1〜C
5;特に、C
1〜C
2、C
1〜C
3、C
1〜C
4、C
1〜C
5、C
1〜C
6;より具体的にはC
1〜C
4;「C
1〜C
6ハロアルキル」および「C
1〜C
6ハロアルコキシ」の場合にはさらに具体的にはC
1〜C
2が含まれると解釈されるべきである。
【0052】
同様に、本明細書中で用いる場合、用語「C
2〜C
6」は、本明細書全体にわたって、例えば「C
2〜C
6アルケニル」および「C
2〜C
6アルキニル」の定義に関連して、用いられる場合、2個〜6個という有限個の炭素原子、すなわち、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルケニル基またはアルキニル基を意味するものと解されるべきである。また、当然のことながら、この用語「C
2〜C
6」は、下位の範囲、例えばC
2〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
2〜C
3、C
2〜C
4、C
2〜C
5;特に、C
2〜C
3が含まれると解釈されるべきである。
【0053】
さらに、本明細書中で用いる場合、用語「C
3〜C
6」は、本明細書全体にわたって、例えば「C
3〜C
6シクロアルキル」の定義に関連して、用いられる場合、3個〜6個という有限個の炭素原子、すなわち、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味するものと解されるべきである。この用語「C
3〜C
6」は、下位の範囲、例えばC
3〜C
6、C
4〜C
5、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
6、C
5〜C
6;特に、C
3〜C
6が含まれると解釈されるべきである。
【0054】
用語「置換されている」とは、現状での指定の原子の通常の原子価を超えないことを条件として、また、該置換が結果的に安定な化合物をもたらすことを条件として、指定の原子上の1個以上の水素が所定の基からの選択されたものと置き換えられていることを意味する。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが結果的に安定な化合物をもたらす場合にのみ許される。
【0055】
用語「置換されていてもよい」とは、特定の基、ラジカルまたは部分による任意の置換を意味する。
【0056】
環系置換基は、例えば芳香環系または非芳香環系上の利用可能な水素と置き換わる、該芳香環系または非芳香環系に結合した置換基を意味する。
【0057】
本明細書中で用いる場合、用語「1個以上」は、例えば本発明の一般式で示される化合物の置換基の定義では、「1個、2個、3個、4個または5個、特に1個、2個、3個または4個、さらに特に1個、2個または3個、さらに特に1個または2個」を意味すると解されるべきである。
【0058】
本発明は、また、本発明の化合物のすべての適切な同位体変種を含む。本発明の化合物の同位体変種は、少なくとも1個の原子が、同じ原子数を有するが自然界に通常または主として見られる原子質量と異なる原子質量を有する原子により置き換えられたものと定義される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、
2H(重水素)、
3H(トリチウム)、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
32P、
33P、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129Iと
131Iが挙げられる。本発明の化合物の特定の同位体変種、例えば、
3Hまたは
14Cのような1個以上の放射性同位体が組み込まれたものは、薬物および/または基質の組織分布研究に有用である。トリチウム標識および炭素14、すなわち
14Cの同位体は、それらの調製の容易さおよび検出能のために特に好ましい。また、重水素のような同位体による置換は、より高い代謝安定性により得られる特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増加または必要用量の減少をもたらし、それ故に、ある状況下では好ましい場合がある。本発明の化合物の同位体変種は、一般に、当業者に既知の慣用的な手順、例えば適切な試薬の適当な同位体変種を用いる例示方法または後述の実施例に記載の製造方法により製造することができる。
【0059】
化合物、塩、多形体、水和物および溶媒和物という用語ならびにその類似の用語の複数形が本明細書中で用いられる場合、それは単数の化合物、塩、多形体、異性体、水和物もしくは溶媒和物またはその類似のものをも意味すると解される。
【0060】
「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度への単離および有効な治療薬への製剤化を切り抜けるのに十分に強い化合物を意味する。
【0061】
本発明の化合物は、所望の様々な置換基の位置および性質に応じて、1個以上の不斉中心を含みうる。不斉炭素原子は、(R)または(S)立体配置で存在してよく、結果的に、不斉中心が1個の場合にはラセミ混合物となり、不斉中心が複数の場合にはジアステレオマー混合物となる。特定の例において、不斉は、所定の結合、例えば特定の化合物の2つの置換された芳香環に隣接する中心結合の周りの束縛回転のために存在し得る。
【0062】
本発明の化合物は、不斉硫黄原子、例えば以下の構造の不斉スルホキシド基または不斉スルホキシイミン基を含んでもよい:
【化13】
ここで、*は、分子残部と結合し得る原子を示す。
【0063】
環上の置換基は、シス形またはトランス形のいずれで存在してもよい。そのような立体配置のすべて(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)は本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0064】
好ましい化合物は、より望ましい生物活性を奏する化合物である。分離されたかまたは純粋なまたは部分的に精製された、本発明の化合物の異性体および立体異性体またはラセミ混合物またはジアステレオマー混合物もまた本発明の範囲内に含まれる。そのような物質の精製および分離は、当該技術分野で公知の標準的な技術により行われ得る。
【0065】
光学異性体は、慣用的な方法に従ったラセミ混合物の分割により、例えば光学活性酸または光学活性塩基を使用したジアステレオ異性体塩の形成または共有結合性ジアステレオマーの形成により、得ることができる。適当な酸の例としては、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸が挙げられる。ジアステレオ異性体の混合物は、それらの物理的および/または化学的差異に基づき、当該技術分野で公知の方法、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶により、個々のジアステレオマーに分離され得る。次いで、分離したジアステレオマー塩から光学活性塩基または光学活性酸を遊離させる。光学異性体の分離のための別の方法は、慣用の誘導体化を伴うかまたは伴わない、エナンチオマーの分離を最大にするように最適に選択されたキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用を含む。適切なキラルHPLCカラムは、Daicelにより製造され、とりわけ例えばChiracel ODおよびChiracel OJがあるが、ルーチン的にすべて選択可能である。誘導体化を伴うかまたは伴わない酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物は、さらに、光学活性出発物質を利用するキラル合成によっても得ることができる。
【0066】
異なるタイプの異性体を制限するために、IUPAC Rules Section E (Pure Appl Chem 45, 11-30, 1976)が参照される。
【0067】
本発明は、単一の立体異性体として、または該立体異性体(例えば、RもしくはS異性体、またはEもしくはZ異性体)の任意の割合の混合物としての、本発明の化合物の可能な立体異性体のすべてを含む。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、いずれかの適切な当該技術分野の技術水準である方法、例えばクロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーなどにより達成することができる。
【0068】
また、本発明の化合物は、互変異性体として存在し得る。例えばヘテロアリール基としてピラゾール部分を含む本発明の化合物は、1H互変異性体もしくは2H互変異性体として、または任意の量のこの2つの互変異性体の混合物としても、存在することができるか、または、トリアゾール部分は、例えば、1H互変異性体、2H互変異性体もしくは4H互変異性体として、または任意の量のこの1H互変異性体、2H互変異性体および4H互変異性体の混合物としても、存在することができる:
【化14】
【0069】
本発明は、単一の互変異性体として、または任意の割合のこの互変異性体の混合物として、本発明の化合物の可能な互変異性体のすべてを含む。
【0070】
また、本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されていると定義されるNオキシドとして存在することができる。本発明は、そのような可能なN−オキシドのすべてを含む。
【0071】
本発明は、また、本明細書中で記載した化合物の有用な形態、例えば代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に医薬上許容される塩、および共沈物に関する。
【0072】
本発明の化合物は、当該本発明の化合物が、例えば該化合物の結晶格子の構造要素として、極性溶媒、特に水、メタノールまたはエタノールを含んでいる、水和物または溶媒和物として存在することができる。極性溶媒(特に、水)の量は、化学量論比または非化学量論比で存在し得る。化学量論の溶媒和物(例えば、水和物)の場合、ヘミ−、(セミ−)、モノ−、セスキ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−などの溶媒和物または水和物がそれぞれ可能である。本発明は、そのような水和物または溶媒和物のすべてを含む。
【0073】
また、本発明の化合物は、遊離形で、例えば遊離塩基もしくは遊離酸として、または双極性イオンとして存在することができるか、または、塩の形態で存在することができる。該塩は、いずれの塩であってもよく、有機または無機付加塩のいずれであってもよく、特に、医薬で習慣的に用いられるいずれかの医薬上許容される有機または無機付加塩であってよい。
【0074】
用語「医薬上許容される塩」は、本発明の化合物の比較的無毒な無機または有機酸付加塩を意味する。例えば、S. M. Berge, et al. “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19を参照のこと。
【0075】
本発明の化合物の適切な医薬上許容される塩は、例えば、鎖または環に窒素原子を有する、例えば十分に塩基性である、本発明の化合物の酸付加塩であってもよく、該酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸もしくは硝酸などとの酸付加塩、または有機酸、例えばギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、桂皮酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモン酸、ペクチン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸またはチオシアン酸などとの酸付加塩であってもよい。
【0076】
また、十分に酸性である本発明の化合物の別の適切な医薬上許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩もしくはマグネシウム塩、アンモニウム塩、または生理学的に許容されるカチオンを与える有機塩基との塩、例えば、N−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リジン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノメタン、アミノプロパンジオール、sovak塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールとの塩である。加えて、塩基性窒素含有基は、低級アルキルのハロゲン化物、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル;および硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物、アラルキルのハロゲン化物、例えばベンジルおよびフェネチルの臭化物および同類のもので四級化されてもよい。
【0077】
また、当業者は、本発明の化合物の酸付加塩は、多くの公知方法のいずれかにより、本化合物と適当な無機酸または有機酸との反応によって製造され得ると認識するであろう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩は、様々な公知方法により本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって製造される。
【0078】
本発明は、単一の塩として、または該塩の任意の割合の混合物のいずれかとして、本発明の化合物の可能な塩すべてを含む。
【0079】
本明細書中で用いる場合、用語「インビボ加水分解性エステル」は、カルボキシ基またはヒドロキシ基を含有する本発明の化合物のインビボ加水分解性エステル、例えば、ヒトまたは動物の体内で加水分解されて、親酸または親アルコールを生成する医薬上許容されるエステルを意味するものと解される。カルボキシについての適切な医薬上許容されるエステルとしては、例えば、アルキル、シクロアルキルおよび置換されていてもよいフェニルアルキル、特にベンジルエステル、C
1〜C
6アルコキシメチルエステル、例えばメトキシメチル、C
1〜C
6アルカノイルオキシメチルエステル、例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C
3〜C
8シクロアルコキシ−カルボニルオキシ−C
1〜C
6アルキルエステル、例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オンイルメチルエステル、例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オンイルメチル;およびC
1〜C
6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば1−メトキシカルボニルオキシエチルが挙げられ、本発明の化合物中の任意のカルボキシ基で形成されてもよい。
【0080】
ヒドロキシ基を含有する本発明の化合物のインビボ加水分解性エステルとしては、無機エステル、例えばリン酸エステルおよびα−アシルオキシアルキルエーテル、ならびに、該エステルのインビボ加水分解の結果として分解して親ヒドロキシ基を与える関連化合物が挙げられる。α−アシルオキシアルキルエーテルの例としては、アセトキシメトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシが挙げられる。ヒドロキシについてのインビボ加水分解性エステル形成基の選択としては、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチル、置換ベンゾイル、置換フェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキルカルボネートエステルを与えるため)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを与えるため)、ジアルキルアミノアセチルおよびカルボキシアセチルが挙げられる。本発明はこのようなエステルのすべてを包含する。
【0081】
さらにまた、本発明は、本発明の化合物の可能な結晶形または多形体のすべてを、単一の多形体として、または2種以上の多形体の任意の割合の混合物として、含む。
【0082】
第一の態様の第二の実施形態に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化15】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、該基と分子残部との結合点を示す);
【化16】
が、
【化17】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキル基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基またはハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0083】
第1の態様の第2の実施態様の変異形に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化18】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化19】
が、
【化20】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキル基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基またはハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0084】
第1の態様の第3の実施態様に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化21】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、該基と分子残部との結合点を示す);
【化22】
が、
【化23】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキル基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基またはハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、アリール、1個以上のR置換基で置換されているアリール、ヘテロアリール、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリールから選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0085】
第1の態様の第3の実施態様の変異形に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化24】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化25】
が、
【化26】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基またはハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、アリール、1個以上のR置換基で置換されているアリール、ヘテロアリール、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリールから選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0086】
第1の態様の第4の実施態様に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化27】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化28】
が、
【化29】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ−基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、アリール、1個以上のR置換基で置換されているアリール、ヘテロアリール、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリールから選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0087】
第1の態様の第4の実施態様の変異形に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化30】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化31】
が、
【化32】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、アリール、1個以上のR置換基で置換されているアリール、ヘテロアリール、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリールから選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含す。
【0088】
第1の態様の第5の実施態様に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化33】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化34】
が、
【化35】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルからお互いに独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0089】
第1の態様の第5の実施態様の変異形に従って、本発明は、上記の一般式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化36】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
【化37】
が、
【化38】
から選択される基を表し(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルからお互いに独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、ハロゲン原子、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基から選択される置換基を表し;
R4が、水素原子を表す、
化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0090】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化39】
から選択される基を表す(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)
化合物に関する。
【0091】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
【化40】
が、
【化41】
から選択される基を表す(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)、
化合物に関する。
【0092】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
【化42】
が、
【化43】
から選択される基を表す(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)、
化合物に関する。
【0093】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0094】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R3が、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0095】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0096】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0097】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0098】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0099】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R3が、ハロゲン原子、−CN、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、−OH、C
1〜C
6アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルコキシから選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0100】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
【化44】
が、
【化45】
から選択される基を表す(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)
化合物に関する。
【0101】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
【化46】
が、
【化47】
から選択される基を表す(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されており、
この基は、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、1個以上のR置換基で置換されているアリール基、ヘテロアリール基、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリール基、−C(=O)R'基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)H基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)H基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)NH
2基、−N(H)S(=O)NHR'基、−N(H)S(=O)N(R')R''基、−N(R')S(=O)NH
2基、−N(R')S(=O)NHR'基、−N(R')S(=O)N(R')R''基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、C
1〜C
6アルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
該C
1〜C
6アルキル基は、−Hal、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロ−C
1〜C
6アルコキシ基から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)、
化合物に関する。
【0102】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化48】
から選択される基を表す(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)、
化合物に関する。
【0103】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
【化49】
が、
【化50】
から選択される基を表す(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルからお互いに独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)、
化合物に関する。
【0104】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
【化51】
が、
【化52】
から選択される基を表す(ここで、
この基は、−OH基およびHO−C
1〜C
6アルキルからお互いに独立して選択される1個以上の置換基で置換されており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す)、
化合物に関する。
【0105】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R3が、水素原子、ハロゲン原子、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0106】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R3が、ハロゲン原子、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0107】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R4が、水素原子、ハロゲン原子、−CN、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、アリール、1個以上のR置換基で置換されているアリール、ヘテロアリール、1個以上のR置換基で置換されているヘテロアリールから選択される置換基を表し;
Rが、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、C
2〜C
6アルケニル基、C
2〜C
6アルキニル基、C
3〜C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−C(=O)NH
2基、−C(=O)N(H)R'基、−C(=O)N(R')R''基、−C(=O)OR'基、−NH
2基、−NHR'基、−N(R')R''基、−N(H)C(=O)R'基、−N(R')C(=O)R'基、−N(H)C(=O)NH
2基、−N(H)C(=O)NHR'基、−N(H)C(=O)N(R')R''基、−N(R')C(=O)NH
2基、−N(R')C(=O)NHR'基、−N(R')C(=O)N(R')R''基、−N(H)C(=O)OR'基、−N(R')C(=O)OR'基、−NO
2基、−N(H)S(=O)R'基、−N(R')S(=O)R'基、−N(H)S(=O)
2R'基、−N(R')S(=O)
2R'基、−N=S(=O)(R')R''基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基、−OC(=O)R'基、−OC(=O)NH
2基、−OC(=O)NHR'基、−OC(=O)N(R')R''基、−SH基、C
1〜C
6アルキル−S−基、−S(=O)R'基、−S(=O)
2R'基、−S(=O)
2NH
2基、−S(=O)
2NHR'基、−S(=O)
2N(R')R''基、−S(=O)(=NR')R''基から選択される置換基を表し;
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ハロアルキルから選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0108】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Rが、ハロゲン原子、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0109】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R'およびR''が、お互いに独立して、C
1〜C
6アルキル基を表す、
化合物に関する。
【0110】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、
【化53】
から選択される基を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0111】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、基
【化54】
を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0112】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、基
【化55】
を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0113】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、基
【化56】
を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0114】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
Aが、基
【化57】
を表し(ここで、
基Aのいずれかの位置に、1個以上のR3置換基がお互いに独立して存在しており;
*は、この基と分子残部との結合点を示す);
R3が、水素原子、ハロゲン原子、−CN基、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ハロアルキル基、−OH基、C
1〜C
6アルコキシ基、C
1〜C
6ハロアルコキシ基から選択される置換基を表す、
化合物に関する。
【0115】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物であって、
R4が、水素原子を表す、
化合物に関する。
【0116】
上記態様のさらなる実施態様において、本発明は、上記のいずれかの実施態様に従った式(I)で示される化合物の立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはそれらの混合物に関する。
【0117】
当然のことながら、本発明は、上記一般式(I)で示される化合物の本発明のいずれかの実施態様または態様の範囲内のいずれかのサブコンビネーションに関する。
【0118】
さらに詳しくは、本発明は、本明細書の下記実施例のセクションに開示される一般式(I)で示される化合物を包含する。
【0119】
別の態様に従って、本発明は、実験セクションに記載されるような工程を含む、本発明の化合物の製造方法を包含する。
【0120】
さらなる態様に従って、本発明は、特に本明細書に記載の方法において、一般式(I)で示される本発明の化合物の製造に有用な中間化合物を包含する。特に、本発明は、一般式(V):
【化58】
(式中、A、R3およびR4は、一般式(I)で示される化合物についての上記定義と同じであり、Xは、脱離基、例えばハロゲン原子、例えば塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子、またはパーフルオロアルキルスルホナート基、例えばトリフルオロメチルスルホナート基、ノナフルオロブチルスルホナート基を表す)
で示される基を包含する。
【0121】
さらに別の態様に従って、本発明は、例えば上記で定義した一般式(I)で示される化合物の製造のための、一般式(V):
【化59】
(式中、A、R3およびR4は、一般式(I)で示される化合物についての上記定義と同じであり、Xは、脱離基、例えばハロゲン原子、例えば塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子、またはパーフルオロアルキルスルホナート基、例えばトリフルオロメチルスルホナート基、ノナフルオロブチルスルホナート基を表す)
で示される中間化合物の使用を包含する。
【0122】
実験セクション
このパラグラフおよび実施例セクションで使用される略語のリストを下記の表に記載する。
【表1】
【0123】
スキーム1および下記の手順は、本発明の一般式(I)で示される化合物の一般的な合成経路を例示するものであり、これに限定されるものではない。スキーム1に例示されるような変換の順序が種々変更され得ることは当業者に明らかなことである。したがって、スキーム1に例示される変換の順序は、限定されるものではない。また、置換基、R1、R2、R3、R4またはAのいずれかの相互変換は、例示された変換の前および/または後に行われ得る。これらの変更としては、例えば、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の交換、還元もしくは酸化、ハロゲン化、メタル化、置換、または当業者に既知の他の反応などを挙げることができる。これらの変換としては、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものが挙げられる。適当な保護基ならびにそれらの導入および開裂は、当業者には周知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照)。具体的な例を以下のパラグラフに記載する。また、2つ以上の連続する工程は、当業者に周知であるように、該工程間で後処理を行うことなく実施すること、例えば「ワンポット」反応を行うことが可能である。
【0125】
当該化合物の製造は、以下のとおり行われ得る:
A1)3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンIIに変換し、
A2)段階A1の生成物を3−ハロ−6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンIIIに変換し、
A3)段階A2の生成物を、化合物NHR
1R
2との反応により、一般式VIで示される化合物に変換し、
A4)段階A3に生成物を一般式Iで示される化合物に変換するか、
または
B1)3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンIIに変換し、
B2)段階B1の生成物を3−ハロ−6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンIIIに変換し、
B3)段階B2の生成物を一般式Vで示される化合物に変換し、
B4)段階B3の生成物を一般式Iで示される化合物に変換するか、
または
C1)3−アミノ−6−ハロピラジンを6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンIIに変換し、
C2)段階C1の生成物を、化合物NHR
1R
2との反応により、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)−(R
1)−(R
2)−アミンIVに変換し、
C3)段階C2の生成物を一般式VIで示される化合物に変換し、
C4)段階C3の生成物を一般式Iで示される化合物に変換する。
【0126】
当該反応は、以下のとおり行われ得る:
A1)3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて、6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを得、
A2)段階A1の生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて、3−ブロモ−6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを得、
A3)段階A2の生成物を、ブッフバルト・ハートウィッグ・クロスカップリング反応で化合物NHR
1R
2と反応させることにより、(3−ブロモイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)−(R
1)−(R
2)−アミンに変換し、
A4)段階A3の生成物を、例えば基Aによって置換されていてもよいボロン酸またはスタンナンと反応させて、一般式Iで示される化合物を得るか、
または
B1)3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて、6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを得、
B2)段階B1の生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて、3−ブロモ−6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを得、
B3)段階B2の生成物を、例えば基Aによって置換されていてもよいホウ酸と反応させて、化合物Vを得、
B4)段階B3の生成物を、ブッフバルト・ハートウィッグ・クロスカップリング反応で化合物NHR
1R
2と反応させることにより、一般式Iで示される化合物に変換するか、
または
C1)3−アミノ−6−ハロピラジンをクロロアセトアルデヒドと反応させて、6−ハロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを得、
C2)段階C1の生成物を、ブッフバルト・ハートウィッグ・クロスカップリング反応で化合物NHR
1R
2と反応させることにより、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)−(R
1)−(R
2)−アミンに変換し、
C3)段階C2の生成物をN−ブロモスクシンイミドと反応させて、(3−ブロモイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)−(R
1)−(R
2)−アミンを得、
C4)段階C3の生成物を、例えば基Aによって置換されていてもよいボロン酸またはスタンナンと反応させて、一般式Iで示される化合物を得る。
【0127】
本発明の化合物は、特に好ましくは、A1−A4の合成経路によって製造される。
【0128】
側基を保護するために、該合成経路は保護基を使用して製造することもできる。そのような保護基の技術は、例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999から、当業者に知られている。
【0129】
段階A1、B1およびC1は、例えば、60〜130℃で、特に100〜130℃で、溶媒としてのn−ブタノール中にて、1時間〜10日間、特に3〜6日間、例えばクロロアセトアルデヒドと一緒に、加熱することによって、行われ得る。
【0130】
アミノ化(それぞれ、段階A3、B4およびC2)は、例えば、90〜180℃で、特に90℃で、1時間〜72時間、特に1時間〜16時間、適当なアミンと一緒に加熱することによって、行われ得る。加熱は、慣用の加熱によって、または好適な装置によるマイクロ波照射によって、行われ得る。炭酸カリウムまたはトリエチルアミンのような補助的塩基の使用は、必ずしも必要なわけではない。アセトニトリル、エタノール、n−ブタノールまたはNMPのような溶媒の使用は、必ずしも必要なわけではない。該アミノ化には、例えばいわゆるブッフバルト・ハートウィッグ・クロスカップリング反応を用いることができる。該ブッフバルト・ハートウィッグ・クロスカップリング反応は、例えば文献D. Zim, S.L. Buchwald, Org. Lett., 5: 2413-2415 (2003)またはS. Urgaonkar, M. Nagarajan, J.G. Verkade, J. Org. Chem., 68: 452-459 (2003)のいずれかに従って、行われ得る。
【0131】
3−ブロモ中間体を得る反応(段階A2、B2およびC3)は、前駆化合物をクロロホルムに導入し、−5〜30℃で、特に0〜10℃で、N−ブロモスクシンイミドを添加し、次いで、0〜30℃で、特に15〜25℃で、1時間〜2日間、特に5〜15時間、反応させることによって、行われ得る。しかしながら、本発明の3−ハロ中間体を製造するための代替合成経路もまた、有機合成の分野における当業者に知られている。
【0132】
段階A4、B3およびC4は、例えば、前駆化合物にジメトキシエタンを導入し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)のようなパラジウム(0)供給源、トリ−o−トリルホスフィンのようなリガンド、および重炭酸ナトリウムのような塩基の存在下でボロン酸を添加し、5〜40時間、特に10〜20時間、還流下にて加熱することによって、行われ得る。
【0133】
出発化合物の製造が記載されていない場合、それらは、公知であるか、または公知化合物と同様に、もしくは本明細書に記載の方法で、製造され得る。
【0134】
異性体混合物は、異性体がお互いに平衡でない限り、慣用方法、例えば、結晶化、クロマトグラフィーまたは塩形成によって、個々の異性体に、例えば、個々のエナンチオマー、個々のジアステレオマーおよび/または個々のE/Z異性体に分別され得る。
【0135】
本発明の一般式(I)で示される化合物の合成
R1、R2、R3、R4およびAが一般式(I)について与えられるような意味を有する一般式Iで示される化合物は、スキーム1に示される手順に従って合成され得る。スキーム1は、合成の様々な段階でのR1、R2、R3、R4およびAの変化を可能にする主な経路を例示する。しかしながら、有機合成の分野における当業者の常識に従って、目的化合物を合成するために他の経路を使用することもできる。
【0136】
実施態様に従って、本発明は、また、上記で定義した一般式(I)で示される化合物の製造方法であって、一般式(V):
【化61】
(式中、A、R3およびR4は、一般式(I)で示される化合物についての上記定義と同じであり、Xは、脱離基、例えばハロゲン原子、例えば塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子、またはパーフルオロアルキルスルホナート基、例えばトリフルオロメチルスルホナート基、ノナフルオロブチルスルホナート基を表す)
で示される中間化合物を一般式(III):
【化62】
(式中、R1およびR2は、一般式(I)で示される化合物についての上記定義と同じである)
で示される化合物と反応させて、一般式(I):
【化63】
(式中、A、R1、R2、R3およびR4は、上記定義と同じである)
で示される化合物を得る工程を含む方法に関する。
【実施例】
【0137】
一般的な部分
化合物名は、ACD/Name Batch Version 12.01を用いて命名した。
凍結乾燥は、Christ Gamma 1−20 Lyophilizerにて行った。
NMPの蒸発は、Zirbus ZT−6遠心式真空乾燥機にて実施した。
【0138】
HPLC方法:
方法1:
装置:Waters Acquity UPLCMS ZQ4000;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、50×2.1mm;溶離液A:水+0.05%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル+0.05%ギ酸、勾配:0−1.6分 1−99%B、1.6−2.0分 99%B;流速0.8mL/分;温度:60℃;注入量:2μL;DADスキャン:210−400nm;ELSD
方法2:
装置:Waters Acquity UPLCMS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、50×2.1mm;溶離液A:水+0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル、勾配:0−1.6分 1−99%B、1.6−2.0分 99%B;流速0.8mL/分;温度:60℃;注入量:2μL;DADスキャン:210−400nm;ELSD
方法3:
MS装置:Waters ZQ;HPLC装置:Waters UPLC Acquity;カラム:Acquity BEH C18(Waters)、50mm×2.1mm、1.7μm;溶離液A:水+0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル(Lichrosolv Merck);勾配:0.0分 99%A−1.6分 1%A−1.8分 1%A−1.81分 99%A−2.0分 99%A;温度:60℃;流速:0.8mL/分;UV−Detection PDA 210−400nm
【0139】
中間体
中間体1
3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化64】
3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、例えばWO 2007/147646またはDE 10 2006 029447に記載されているように、例えば、下記に従って、合成した。
【0140】
工程1:6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンの製造:
【化65】
3−アミノ−6−クロロピリダジン5.0g(38.6mmol)を、n−ブタノール15mL中にて120℃で5日間、クロロアセトアルデヒド(水中55%強度)4.7mL(40mmol)と一緒に加熱した。反応が完了した後、該反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液に添加し、酢酸エチルで3回抽出した。次いで、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空除去した。シリカゲルクロマトグラフィーによる最終精製において、非晶質の白色固体の形態の所望の生成物4.17g(70%)を単離した。
1H−NMR(CDCl
3,モレキュラーシーブ後に貯蔵):δ=7.06(d,1H);7.79(d,1H);7.92(d,1H);7.96(d,1H)ppm。
【0141】
工程2:3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンの製造
【化66】
6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン478mg(3.11mmol)をアルゴン下にてクロロホルム10mLに導入し、氷冷しながら、N−ブロモスクシンイミド664mg(3.73mmol)を添加した。添加完了後、該反応混合物を室温で一夜撹拌した。次いで、該反応混合物を水および酢酸エチルと混合し、重炭酸ナトリウム飽和溶液を添加した後、相を分取した。水相を酢酸エチルでさらに3回抽出した。次いで、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の最終除去において、非晶質の白色固体の形態の所望の生成物を定量的収量で単離し、さらなるクロマトグラフィー精製を行わずに次反応に使用した。
1H−NMR(CDCl
3,モレキュラーシーブ後に貯蔵):δ=7.12(d,1H);7.79(s,1H);7.90(d,1H)ppm。
【0142】
中間体2
3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化67】
3−ブロモ−6−クロロ−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン13.9g(59.8mmol)を1,4−ジオキサン508mLに懸濁させた。2−ベンゾフラニルボロン酸10.1g(62.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)2.76g(2.29mmol)および炭酸ナトリウム19.0g(179mmol)を添加した。得られた混合物を100℃に24時間加熱した。
塩化アンモニウム飽和水溶液400mLを添加した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒が蒸発した後、得られた固体物質をジクロロメタンとメタノールの混合物(8:2)40mL中にて分解し、濾過し、真空乾燥させて、固体物質として標記化合物5.42g(44%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6):δ[ppm]=7.23−7.40(m,2H)、7.51(d,1H)、7.59−7.67(m,2H)、7.77(d,1H)、8.33−8.40(m,2H)。
LCMS(方法1):R
t=1.35分;MS(ESIpos)m/z=270 [M+H]
+。
【0143】
中間体3
6−クロロ−3−(4−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化68】
6−クロロ−3−(4−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(1.68g、7.22mmol)から出発して中間体2と同様にして製造し、固体物質を収率43%で得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=3.96(3H)、6.85−6.91(1H)、7.25−7.38(2H)、7.52−7.59(2H)、8.37−8.43(2H)。
LCMS(方法1):R
t=1.31分;MS(ESIpos)m/z=300 [M+H]
+。
【0144】
中間体4
6−クロロ−3−(5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化69】
6−クロロ−3−(5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(1.74g、7.5mmol)から出発して中間体2と同様にして製造し、固体物質を収率45%で得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=3.81(3H)、6.91−6.99(1H)、7.33(1H)、7.50−7.60(3H)、8.35−8.42(2H)。
LCMS(方法1):R
t=1.29分;MS(ESIpos)m/z=300 [M+H]
+。
【0145】
中間体5
6−クロロ−3−(6−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化70】
6−クロロ−3−(6−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(1.68g、7.2mmol)から出発して中間体2と同様にして製造し、固体物質を収率53%で得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=3.84(3H)、6.95(1H)、7.29(1H)、7.51(1H)、7.55(1H)、7.66(1H)、8.31(1H)、8.38(1H)。
LCMS(方法1):R
t=1.30分;MS(ESIpos)m/z=300 [M+H]
+。
【0146】
中間体6
6−クロロ−3−(3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化71】
6−クロロ−3−(3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(174mg、0.75mmol)から出発して中間体2と同様にして製造し、固体物質を収率24%で得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=3.84(3H)、6.95(1H)、7.29(1H)、7.51(1H)、7.55(1H)、7.66(1H)、8.31(1H)、8.38(1H)。
LCMS(方法1):R
t=1.30分;MS(ESIpos)m/z=300 [M+H]
+。
【0147】
中間体7
6−クロロ−3−(7−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化72】
7−メトキシ−1−ベンゾフラン500mg(3.38mmol)の乾燥THF(30mL)中混合物を−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムのヘキサン中1.6M溶液3.2mL(5mmol)を添加し、得られた混合物を−78℃で1時間撹拌した。塩化トリブチルスズ1.37mL(5mmol)を添加した。該反応を室温で一夜撹拌した。
メタノールを注意深く添加し、溶媒を蒸発させた。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、対応する2−スタンニルベンゾフランの粗生成物1.3gを得、さらなる精製を行わずに使用した。
密封した圧力管中、不活性雰囲気下で、THF 18mL中にて中間体1(506mg、2.2mmol)、粗2−スタンニルベンゾフラン1g(2.3mmol)、ヨウ化銅(I)41mg(0.22mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド76mg(0.11mmol)を85℃で一夜撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた固体をメタノール中にて分解し、濾過した。固体残渣をフラッシュクロマトグラフィーに付して、固体物質として標記化合物282mg(39%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=3.99(3H)、7.02(1H)、7.23(1H)、7.35(1H)、7.55(1H)、7.62(1H)、8.37−8.43(6H)。
LCMS(方法1):R
t=1.29分;MS(ESIpos)m/z=300 [M+H]
+。
【0148】
中間体8
6−クロロ−3−(フロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化73】
6−クロロ−3−(フロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(1.14g、4.92mmol)から出発して中間体6と同様にして製造し、固体物質を収率51%で得た。
LCMS(方法2):R
t=0.85分;MS(ESIpos)m/z=271 [M+H]
+。
【0149】
中間体9
6−クロロ−3−(フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化74】
6−クロロ−3−(フロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(314mg、1.35mmol)から出発して中間体6と同様にして製造し、固体物質を収率62%で得た。
LCMS(方法2):R
t=0.60分;MS(ESIpos)m/z=271 [M+H]
+。
【0150】
中間体10
6−クロロ−3−(5−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化75】
6−クロロ−3−(5−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(513mg、2.21mmol)から出発して中間体6と同様にして製造し、固体物質を得た。
LCMS(方法2):R
t=1.34分;MS(ESIpos)m/z=288 [M+H]
+。
【0151】
中間体11
6−クロロ−3−(3−クロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化76】
6−クロロ−3−(3−クロロ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(219mg、0.94mmol)から出発して中間体6と同様にして製造し、固体物質を収率62%で得た。
LCMS(方法2):R
t=1.38分;MS(ESIpos)m/z=304 [M+H]
+。
【0152】
中間体12
6−クロロ−3−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化77】
6−クロロ−3−(4−フルオロ−1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体1(262mg、1.13mmol)から出発して中間体6と同様にして製造し、固体物質500mgを得、粗生成物として使用した。
LCMS(方法2):R
t=1.37分;MS(ESIpos)m/z=288 [M+H]
+。
【0153】
中間体13
3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化78】
工程1:3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン10g(61.4mmol)のエタノール33mL中懸濁液にアンモニア水溶液(26%v/v)33.3mL(6750mmol)を添加した。該混合物をオートクレーブ(Berghof RHS175)中にて120℃/20バールに一夜加熱した。室温に冷却した後、溶媒を蒸発させて、粗生成物12gを得、そのまま工程2で使用した。
【0154】
工程2:工程1で得た粗物質をn−ブタノールに懸濁させた。55%クロロアセトアルデヒド水溶液10.3mL(87mmol)を添加した。該混合物を12時間加熱還流した。室温に冷却した後、生じた沈殿物を濾過し、真空乾燥させて、所望の位置異性体6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを約25%含む望まない位置異性体6−クロロ−8−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン7.2gを得た。
溶媒を蒸発させた後、母液から、主な混合物としての他の位置異性体と一緒に所望の位置異性体6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン9.8gを純度88%で単離した。この物質を、さらなる精製を行わずに工程3で使用した。
【0155】
工程3:工程3で得た、主生成物として所望の位置異性体を含有する物質を酢酸60mLに溶解した。臭素3.54mL(68.7mmol)をゆっくりと滴下した。得られた懸濁液を室温で1.5時間撹拌した。沈殿物を濾過し、酢酸およびメチル−tert−ブチルエーテルで洗浄した。固体物質6.81gを得た。
この物質0.5gを分取HPLCによって精製して、固体物質として標記化合物90mg(3つの工程を通した収率8.4%;粗生成物全体についての最終HPLC精製からの収率と類似すると仮定して、工程3から得られる粗物質に基づいて算出した)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=2.42(3H)、7.89(1H)、8.21(1H)。
LCMS(方法2):R
t=1.00分;MS(ESIpos)m/z=247 [M+H]
+。
【0156】
中間体14
3−(1−ベンゾフラン−2−イル)−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化79】
3−(1−ベンゾフラン−2−イル)−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体13(400mg、0.81mmol)から出発して中間体2と同様にして製造し、固体物質460mgを得、さらなる精製を行わずに使用した。
LCMS(方法2):R
t=1.41分;MS(ESIpos)m/z=284 [M+H]
+。
【0157】
中間体15
3−ブロモ−6−クロロ−7−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化80】
標記化合物を、6−クロロ−5−フェニルピリダジン−3−アミン(WO 2007/038314)から出発し、クロロアセトアルデヒド(工程2)に代えてクロロアセトアルデヒドジエチルアセタールを使用して、中間体13と同様にして製造した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=7.48−7.61(5H)、8.04(1H)、8.30(1H)。
LCMS(方法2):R
t=1.24分;MS(ESIpos)m/z=308 [M+H]
+。
【0158】
中間体16
3−(1−ベンゾフラン−2−イル)−6−クロロ−7−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【化81】
3−(1−ベンゾフラン−2−イル)−6−クロロ−7−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジンを、中間体15(500mg、0.81mmol)から出発して中間体2と同様にして製造して、固体物質435mgを得、さらなる精製を行わずに使用した。
LCMS(方法2):R
t=1.58分;MS(ESIpos)m/z=345 [M+H]
+。
【0159】
実施例
実施例1、方法A
{(2S)−1−[3−(1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピロリジン−2−イル}メタノール
3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン40.5mg(0.15mmol)およびジイソプロピルエチルアミン25mg(0.195mmol)の1−ブタノール1mL中混合物にNMP(0.3mL)中の(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール21mg(0.22mmol)を添加した。該混合物を120℃で8時間撹拌した。NMP(0.2mL)中の(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール16mg(0.16mmol)を添加し、120℃で8時間振盪し続けた。再度、NMP(0.2mL)中の(2S)−ピロリジン−2−イルメタノール16mg(0.16mmol)を添加し、120℃で8時間振盪し続けた。
得られた混合物を、約1mLの体積まで蒸発により濃縮させた。DMSOを添加して、全体積を2mLにした。得られた混合物を分取HPLCによって精製して、固体物質として標記化合物16mg(32%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=1.92−2.13(4H)、3.39−3.50(2H)、3.58−3.70(2H)、4.14(1H)、4.87(1H)、7.01(1H)、7.21−7.32(2H)、7.57−7.61(2H)、7.67(1H)、7.92(1H)、7.97(1H)。
LC−MS(方法3):R
t=1.01分;MS(ESIpos)m/z=335 [M+H]
+。
【0160】
表1に示す実施例の化合物を方法Aに従って製造した。
【0161】
【表2】
【0162】
実施例6
1−[3−(1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アゼチジン−3−オール
【化82】
0〜5℃で、アゼチジン−3−オール・塩酸塩(1:1)121.9mg(1.11mmol)を無水DMF(7.5mL)中の水素化ナトリウム(油中60%)89mg(2.23mmol)に添加した。5分間撹拌した後、3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン150mg(0.56mmol)を添加した。氷浴を外し、室温で3日間撹拌した。
該反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液中に注ぎ、酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機相をブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をHPLCによって精製して、生成物17mg(10%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=3.85−3.93(2H)、4.32−4.40(2H)、4.59−4.71(1H)、5.73−5.79(1H)、6.74−6.80(1H)、7.21−7.34(2H)、7.55−7.62(2H)、7.67−7.73(1H)、7.92−7.98(1H)、7.98−8.02(1H)。
LC−MS(方法2):R
t=0.89分;MS(ESIpos)m/z=307 [M+H]
+。
【0163】
実施例7
{(3R)−1−[3−(1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピロリジン−3−イル}メタノール
【化83】
ブタン−1−オール4.0mL中の3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン150mg(0.56mmol)、(3R)−ピロリジン−3−イルメタノール135mg(1.34mmol)および炭酸水素ナトリウム112.1mg(1.34mmol)を150℃で72時間撹拌した。溶媒を除去した。残留物をHPLCによって精製して、92mg(48%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=1.77−1.87(1H)、2.03−2.13(1H)、2.45−2.54(1HおよびDMSOシグナル)、3.31−3.37(1H)、3.41−3.57(3H)、3.59−3.69(2H)、4.73−4.79(1H)、6.92(1H)、7.22−7.32(2H)、7.57(2H)、7.68−7.72(1H)、7.91(1H)、7.96(1H)。
LC−MS(方法2):R
t=0.94分;MS(ESIpos)m/z=335 [M+H]
+。
【0164】
実施例8
(3S)−1−[3−(1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピロリジン−3−オール
【化84】
ブタン−1−オール4.0mL中の3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン150mg(0.56mmol)、(3S)−ピロリジン−3−オール116.3mg(1.34mmol)および炭酸水素ナトリウム112.1mg(1.34mmol)を150℃で72時間撹拌した。溶媒を除去した。残留物をHPLCによって精製して、22mg(12%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=1.92−2.00(1H)、2.04−2.14(1H)、3.44−3.50(1H)、3.64(3H)、4.43−4.49(1H)、5.01−5.08(1H)、6.92−6.97(1H)、7.21−7.32(2H)、7.58(2H)、7.69−7.73(1H)、7.91(1H)、7.97(1H)。
LC−MS(方法2):R
t=0.89分;MS(ESIpos)m/z=321 [M+H]
+。
【0165】
実施例9
(3R)−1−[3−(1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピロリジン−3−オール
【化85】
ブタン−1−オール5.0mL中の3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン150mg(0.56mmol)および(3R)−ピロリジン−3−オール206.2mg(1.67mmol)を150℃で72時間撹拌した。溶媒を除去した。残留物をHPLCによって精製して、23mg(13%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=1.90−2.02(1H)、2.02−2.16(1H)、3.43−3.50(1H)、3.59−3.70(3H)、4.42−4.49(1H)、5.02−5.06(1H)、6.91−6.97(1H)、7.21−7.33(2H)、7.59(2H)、7.68−7.74(1H)、7.90−7.95(1H)、7.97(1H)。
LC−MS(方法2):R
t=0.87分;MS(ESIpos)m/z=321 [M+H]
+。
【0166】
実施例10
{(3S)−1−[3−(1−ベンゾフラン−2−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]ピロリジン−3−イル}メタノール
【化86】
ブタン−1−オール4.0mL中の3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン150mg(0.56mmol)、(3S)−ピロリジン−3−イルメタノール・塩酸塩(1:1)183.7mg(1.34mmol)および炭酸水素ナトリウム186.9mg(2.23mmol)を150℃で72時間撹拌した。溶媒を除去した。残留物をHPLCによって精製して、65mg(35%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)、δ[ppm]=1.80−1.90(1H)、2.06−2.16(1H)、2.46−2.58(1HおよびDMSOシグナル)、3.34−3.40(1H)、3.43−3.61(3H)、3.62−3.72(2H)、4.75−4.80(1H)、6.93−6.98(1H)、7.24−7.35(2H)、7.60(2H)、7.70−7.74(1H)、7.92−7.96(1H)、7.99(1H)。
LC−MS(方法2):R
t=0.91分;MS(ESIpos)m/z=335 [M+H]
+。
【0167】
参考化合物
例R1、方法B
N−ベンジル−3−(ピリジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
(WO 2007/013673の実施例102)
【化87】
3−(1−ベンゾフラ−2−イル)−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン70mg(0.26mmol、純度80%)、ベンジルアミン42mg(0.39mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム4.8mg(0.005mmol)、(Rac)−BINAP(6.5mg、0.01mmol)およびNaO
tBu(50mg、0.52mmol)をDMF(2mL)中にて一夜100℃に加熱した。
溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルと水の混合物に溶解した。酢酸エチルで水層を抽出した。合わせた有機相を蒸発させ、得られた粗生成物をHPLCによって精製して、固体物質として標記化合物31mg(39%)を得た。
1H−NMR 300MHz,クロロホルム−d,δ[ppm]=4.64(2H)、4.85−4.95(1H)、6.59(1H)、7.30−7.49(4H)、7.75(1H)、7.90(2H)、7.97(1H)、8.60(2H)。
LC−MS(方法1):R
t=0.64分;MS(ESIpos)m/z=302 [M+H]
+。
【0168】
表2に示す参考化合物を方法Bと同様にして製造した。
【0169】
【表3-1】
【表3-2】
【0170】
表3に示す参考化合物を方法Bと同様にして製造した。表3に記載の保持時間は、LCMS方法2を使用して得られた。
【表4】
【0171】
さらに、本発明の式(I)で示される化合物は、当業者には既知のいずれかの方法によって、本明細書に記載のいずれかの塩に変換することができる。同様に、本発明の式(I)で示される化合物の塩はいずれも、当業者には既知のいずれかの方法によって、その遊離形の化合物に変換することができる。
【0172】
本発明の化合物の医薬組成物
本発明は、1種以上の本発明の化合物を含有する医薬組成物にも関する。これらの組成物は、必要な患者への投与により所望の薬理効果を達成するために利用され得る。本発明の目的のために、患者は、特定の状態または疾患の処置が必要な、ヒトを含む哺乳動物である。したがって、本発明は、医薬上許容される担体および本発明の化合物またはその塩の医薬上有効量を含む医薬組成物を包含する。医薬上許容される担体は、好ましくは、担体に起因するいずれかの副作用が有効成分の有益な効果を損なわないように、該有効成分の有効な活性と一致する濃度で、患者に対して比較的無毒で且つ害のない担体である。化合物の医薬上有効量は、好ましくは、処置される特定の状態に対して結果を生じるかまたは影響を及ぼす量である。本発明の化合物は、当該分野で周知の医薬上許容される担体と共に、即時放出型、持続放出型および徐放型製剤を包含するいずれかの有効な慣用の投薬単位形を用いて、経口、非経口、局所、経鼻、眼科的、経眼、舌下、直腸、経膣および他の経路にて投与され得る。
【0173】
経口投与については、該化合物は、固形製剤または液体製剤、例えばカプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、メルト剤、散剤、液剤、懸濁剤または乳剤に製剤化することができ、医薬組成物の製造に関して当業者に既知の方法に従って調製することができる。固形の単位剤形は、例えば界面活性剤、潤滑剤および不活性充填剤、例えばラクトース、シュークロース、リン酸カルシウムおよびコーンスターチを含有する一般的なハードゼラチンカプセルタイプまたはソフトゼラチンカプセルタイプのものであってよいカプセル剤であり得る。
【0174】
他の実施態様において、本発明の化合物は、慣用的な錠剤基剤、例えばラクトース、シュークロースおよびコーンスターチを、結合剤、例えばアカシア、コーンスターチまたはゼラチン、投与後に錠剤の崩壊および溶解を補助することを意図した崩壊剤、例えばジャガイモ澱粉、アルギン酸、コーンスターチおよびグアーガム、トラガカントガム、アカシア、錠剤造粒の流動を改善することおよび錠剤材料が錠剤ダイおよびパンチの表面に付着するのを防止することを意図した潤滑材、例えばタルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、錠剤の審美的品質を高めることおよび錠剤を患者にさらに許容されるものとすることが意図された染料、着色剤および香味料、例えばペパーミント、冬緑油もしくはチェリー香味と組み合せて打錠されてもよい。経口液剤形における使用に適切な賦形剤は、リン酸二カルシウムおよび希釈剤、例えば水およびアルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールを含み、医薬上許容される界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤の添加を伴っても伴わなくてもよい。様々な他の材料が、コーティング剤として、または、投与単位の物理的形態を変更するために存在してよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、セラック、糖または両方でコーティングされてよい。
【0175】
分散性散剤および顆粒剤は、水性懸濁剤の調製に適している。それらは、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種上の保存剤と混合した有効成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、既に上記したもので例示される。さらなる賦形剤、例えば、上記の甘味料、香味料および着色剤が存在してもよい。
【0176】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形であってもよい。該油相は、流動パラフィンなどの植物油または植物油の混合物であってよい。適切な乳化剤は、(1)アカシアガムおよびトラガカントガムなどの天然ガム、(2)大豆およびレシチンなどの天然リン脂質、(3)脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、(4)該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。該エマルションは、甘味剤および香味料を含んでもよい。
【0177】
油性懸濁剤は、有効成分を、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油など、または鉱物油、例えば流動パラフィンに懸濁させることによって製剤化できる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどを含んでよい。該懸濁剤は、1種以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルなど;1種以上の着色剤;1種以上の香味料;および1種以上の甘味料、例えばシュークロースまたはサッカリンを含んでよい。
【0178】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはシュークロースなどと共に製剤化してよい。そのような製剤はまた、粘滑剤および保存剤、例えばメチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびに香味料および着色剤を含んでよい。
【0179】
本発明の化合物はまた、医薬上許容される界面活性剤、例えば石鹸もしくは洗剤、懸濁化剤、例えばペクチン、カルボマー類、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロース、または乳化剤およびその他の医薬用アジュバントの添加を伴ってまたは伴わずに、無菌の液体または液体混合物であってよい医薬上の担体と共に、好ましくは生理学的に許容される希釈剤、例えば水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連糖液、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコール)、グリコール類(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)、グリセロールケタール類(例えば、2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノール)、エーテル類(ポリ(エチレングリコール)400)、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸グリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリド中の化合物の注射用製剤として、非経口で、すなわち、皮下、静脈内、眼内、滑膜内、筋肉内または腹腔内に、投与することができる。
【0180】
本発明の非経口製剤に使用できる油の例としては、石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のもの、例えば落花生油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱油である。適切な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸が挙げられる。適切な脂肪酸エステル類は、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適切な石鹸としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩が挙げられ、適切な洗剤としては、陽イオン洗剤、例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライド、アルキルピリジニウムハライドおよびアルキルアミンアセテート;陰イオン洗剤、例えばスルホン酸アルキル、スルホン酸アリールおよびスルホン酸オレフィン、硫酸アルキル、硫酸オレフィン、硫酸エーテルおよび硫酸モノグリセリド、ならびにスルホスクシネート;非イオン洗剤、例えば脂肪アミンオキシド類、脂肪酸アルカノールアミド類、およびポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)類またはエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドコポリマー類;および両性洗剤、例えば、アルキル−ベータ−アミノプロピオネートおよび2−アルキルイミダゾリン4級アンモニウム塩、ならびに混合物が挙げられる。
【0181】
本発明の非経口組成物は、典型的には溶液中に約0.5重量%〜約25重量%の有効成分を含有する。保存剤および緩衝化剤も有利に使用できる。注射部位における刺激を最小限にするかまたは無くすために、該組成物は、親水性親油性バランス(HLB)が約12〜約17の非イオン界面活性剤を含有し得る。そのような製剤中の界面活性剤の量は、好ましくは、約5重量%〜約15重量%の範囲である。界面活性剤は、上記HLBを有する単一成分であってもよいか、または所望のHLBを有する2種以上の成分の混合物であってもよい。
【0182】
非経口製剤に使用される界面活性剤の例示としては、一群のポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えばソルビタンモノオレエート、およびプロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により形成されるエチレンオキシドと疎水性塩基との高分子量付加物である。
【0183】
医薬組成物は、無菌の注射用水性懸濁剤の剤形であってよい。そのような懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム;天然のホスファチド、例えばレシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えば、ヘプタデカ−エチレンオキシセタノール、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい、分散剤または湿潤剤を使用して、公知の方法に従って製剤化し得る。
【0184】
滅菌注射用製剤は、無毒性の非経口上許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。用いられ得る希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンゲル溶液、等張塩化ナトリウム溶液および等張グルコース溶液である。加えて、滅菌固定油が、溶媒または懸濁媒質として慣用的に使用される。この目的に関して、いずれかの無菌性固定油、例えば合成モノグリセリドまたはジグリセリドを用いてもよい。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を注射剤の調製に用いてもよい。
【0185】
本発明の組成物はまた、薬物の直腸投与用坐剤の剤形で投与してもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内では融解して薬物を放出し得る適切な非刺激性賦形剤と薬物とを混合することによって調製することができる。そのような物質は、例えば、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
【0186】
本発明の方法で用いられる別の製剤は、経皮送達装置(「パッチ」)を用いる。そのような経皮パッチ剤は、本発明の化合物の制御された量の連続または不連続の注入を提供するために用いることができる。薬剤を送達するための経皮パッチの構成および使用は、当該分野で周知である(例えば、1991年6月11日に発行された米国特許第5,023,252号を参照のこと。この文献は出典明示により本明細書に組み込まれる)。そのようなパッチ剤は、薬剤の連続的な、拍動性の、またはオンデマンドの送達のために構成され得る。
【0187】
非経口投与用放出制御型製剤は、当該分野で公知のリポソーム、重合体マイクロスフェアおよび重合体ゲル製剤を含む。
【0188】
機械的な送達装置を介して、該医薬組成物を患者に導入することが望ましいまたは必要な場合がある。薬剤送達のための機械的な送達装置の構成および使用は当該分野で周知である。例えば、薬物を脳に直接投与するための直接技術は、通常、血液脳関門を迂回するための患者の脳室系への薬物送達カテーテルの設置を含む。身体の特定の解剖学的領域に薬剤を輸送するために用いられるそのような埋め込み可能な送達系の1つは、1991年4月30日に発行された米国特許第5,011,472号に記載されている。
【0189】
本発明の組成物はまた、必要に応じて、一般に担体または希釈剤と称される他の慣用的な医薬上許容される配合成分を含有することもできる。適当な剤形のそのような組成物を製造する慣用的な手順を使用することができる。そのような成分および手順としては、下記の文献に記載されているものが挙げられる(各文献は、出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する):Powell, M.F. et al., “Compendium of Excipients for Parenteral Formulations” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998, 52(5), 238-311;Strickley, R.G “Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States(1999)-Part-1” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999, 53(6), 324-349;およびNema, S. et al., “Excipients and Their Use in Injectable Products” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997, 51(4), 166-171。
【0190】
意図される投与経路用の組成物を製剤化するために必要に応じて使用できる一般的に使用される医薬成分としては、以下のものが挙げられる:
【0191】
酸性化剤(例としては、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0192】
アルカリ化剤(例としては、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0193】
吸着剤(例としては、粉末セルロースおよび活性炭が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0194】
エアロゾル噴射剤(例としては、二酸化炭素、CCl
2F
2、F
2ClC−CClF
2およびCClF
3が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0195】
空気置換剤(例としては、窒素およびアルゴンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0196】
抗真菌性保存剤(例としては、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0197】
抗菌性保存剤(例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0198】
抗酸化剤(例としては、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0199】
結合剤(例としては、ブロックポリマー、天然ガムおよび合成ガム、ポリアクリレート類、ポリウレタン類、シリコーン類、ポリシロキサン類およびスチレン−ブタジエン共重合体類が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0200】
緩衝化剤(例としては、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム・二水和物が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0201】
担体(例としては、アカシアシロップ、芳香性シロップ、芳香性エリキシル、チェリーシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、コーン油、鉱油、落花生油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射液、および静菌性注射用水が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0202】
キレート剤(例としては、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0203】
着色剤(例としては、FD&CレッドNo.3、FD&CレッドNo.20、FD&CイエローNo.6、FD&CブルーNo.2、D&CグリーンNo.5、D&CオレンジNo.5、D&CレッドNo.8、カラメルおよび赤色酸化鉄が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0204】
清澄剤(例としては、ベントナイトが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0205】
乳化剤(例としては、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン50が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0206】
カプセル化剤(例としては、ゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0207】
香味剤(例としては、アニス油、桂皮油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0208】
湿潤剤(例としては、グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0209】
研和剤(例としては、鉱油およびグリセリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0210】
油(例としては、落花生油、鉱油、オリーブ油、落花生油、ゴマ油および植物油が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0211】
軟膏基剤(例としては、ラノリン、親水軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏、およびローズ水軟膏が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0212】
浸透促進剤(経皮送達)(例としては、モノヒドロキシアルコールもしくはポリヒドロキシアルコール、1価アルコールもしくは多価アルコール、飽和脂肪アルコールもしくは不飽和脂肪アルコール、飽和脂肪酸エステルもしくは不飽和脂肪酸エステル、飽和ジカルボン酸もしくは不飽和ジカルボン酸、精油、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン類、アミド類、エーテル類、ケトン類および尿素類が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0213】
可塑剤(例としては、フタル酸ジエチルおよびグリセロールが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0214】
溶媒(例としては、エタノール、コーン油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、落花生油、精製水、注射用水、注射用滅菌水、および洗浄用滅菌水が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0215】
硬化剤(例としては、セチルアルコール、セチルエステルワックス、微結晶ワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、白ろうおよび黄ろうが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0216】
坐剤基剤(例としては、ココアバターおよびポリエチレングリコール類(混合物)が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0217】
界面活性剤(例としては、塩化ベンザルコニウム、ノンオキシノール10、オクトキシノール9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびモノパルミチン酸ソルビタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0218】
懸濁化剤(例としては、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびビーガムが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0219】
甘味剤(例としては、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびシュークロースが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0220】
錠剤付着防止剤(tablet anti-adherent)(例としては、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0221】
錠剤結合剤(tablet binder)(例としては、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮性糖(compressible sugar)、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドン、およびアルファー化デンプンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0222】
錠剤およびカプセル剤の希釈剤(例としては、第二リン酸カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよびデンプンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0223】
錠剤コーティング剤(例としては、液体グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、およびセラックが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0224】
錠剤直接圧縮賦形剤(例としては、第二リン酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0225】
錠剤崩壊剤(例としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0226】
錠剤流動促進剤(例としては、コロイドシリカ、コーンスターチおよびタルクが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0227】
錠剤滑剤(例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛が挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0228】
錠剤/カプセル剤不透明化剤(opaquant)(例としては、二酸化チタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0229】
錠剤光沢剤(polishing agent)(例としては、カルナバロウおよび白ロウが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0230】
粘稠剤(thickening agent)(例としては、ミツロウ、セチルアルコールおよびパラフィンが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0231】
等張化剤(例としては、デキストロースおよび塩化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない);
【0232】
増粘剤(viscosity increasing agent)(例としては、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントが挙げられるが、これらに限定されるものではない);および
【0233】
湿潤剤(例としては、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、モノオレイン酸ソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールおよびステアリン酸ポリオキシエチレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない)
【0234】
本発明にかかる医薬組成物は以下に例示され得る:
【0235】
滅菌IV溶液: 無菌注射用水を用いて、本発明の所望の化合物の5mg/mL溶液を調製することができ、必要に応じてそのpHを調整する。この溶液を、無菌5%デキストロースを用いて、1〜2mg/mLへと投与用に希釈し、約60分間かけてIV輸液として投与する。
【0236】
IV投与用の凍結乾燥散剤: (i)本発明の所望の化合物(凍結乾燥粉末)100〜1000mg、(ii) クエン酸ナトリウム32〜327mg/mL、および(iii) デキストラン40 300〜3000mgを用いて、滅菌製剤を調製することができる。この製剤は、無菌注射用生理食塩水またはデキストロース5%溶液を用いて、10〜20mg/mLの濃度に再構成し、さらに生理食塩水またはデキストロース5%で0.2〜0.4mg/mLに希釈し、そしてIVボーラスまたはIV輸液のいずれかによって15〜60分かけて投与される。
【0237】
筋肉内用懸濁剤: 筋肉内注射用の以下の液剤または懸濁剤を調製することができる:
本発明の所望の水不溶性化合物50mg/mL
カルボキシメチルセルロースナトリウム5mg/mL
TWEEN80 4mg/mL
塩化ナトリウム9mg/mL
ベンジルアルコール9mg/mL。
【0238】
ハードシェルカプセル剤: 粉末有効成分100mg、ラクトース150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを個々の標準二片ハードゼラチンカプセルに充填することによって、多数の単位カプセル剤を調製する。
【0239】
ソフトゼラチンカプセル: 有効成分の、大豆油、綿実油またはオリーブ油のような可消化油中混合物を調製し、移送式ポンプを利用して溶融ゼラチンに注入して、有効成分100mgを含有するソフトゼラチンカプセルを形成させる。このカプセルを洗浄し、乾燥させる。該有効成分を、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解して、水混和性医薬混合物を製造することができる。
【0240】
錠剤: 投薬単位が有効成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶性セルロース275mg、デンプン11mgおよびラクトース98.8mgとなるように、通常の手順によって、多数の錠剤を製造する。嗜好性を高めるため、エレガンスおよび安定性を改善するため、または吸収を遅らせるために、適切な水性コーティング剤および非水性コーティング剤を適用することができる。
【0241】
即時放出型錠剤/カプセル剤: これらは慣用の工程および新規な工程で調製される固形の経口投与剤形である。該単位は、医薬の即時の溶解と送達のために、水を用いずに経口服用される。有効成分を、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味剤などの成分を含有する液体中で混合する。これらの液体を、凍結乾燥および固相抽出法により、固形錠剤またはカプレットに固化する。該薬物化合物を、粘弾性および熱弾性の糖類およびポリマー類または発泡性成分と一緒に圧縮して、水を要しない、即時放出を意図した多孔質性マトリクスを生成しうる。
【0242】
併用療法
本発明は、
上記一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特に、その医薬上許容される塩、またはこれらの混合物から選択される1種以上の第1の有効成分、および
化学療法用抗癌剤から選択される1種以上の第2の有効成分
を含む医薬組合せにも関する。
【0243】
用語「化学療法用抗癌剤」は、限定するものではないが、131I−chTNT、アバレリクス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン(arglabin)、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、BAY80−6946、BAY1000394、BAY86−9766(RDEA119)、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、フォリン酸カルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、クリサンタスパーゼ(crisantaspase)、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダーベポエチンα、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、ジブロスピジウム(dibrospidium)クロライド、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、エリプチニウム・アセテート、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン(eptaplatin)、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エクセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスティム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、フォテムスチン、フルベストラント、ガリウム硝酸塩、ガニレリックス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルトキシム(glutoxim)、ゴセレリン、ヒスタミン二塩化水素化物、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブ・チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモッド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドマイド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、リュープロレリン、レバミゾール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテフォシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパラガーゼ、PEG−エポエチン・ベータ(メトキシPEG−エポエチン・ベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム(poliglusam)、リン酸ポリエストラジオール、ポリサッカリドK、ポルフィマーナトリウム、プララトレキセート、プレドニマスチン、プロカルバジン、キナゴリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチン、シプリューセル(sipuleucel)−T、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロマイド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロフォスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム90ガラス・ミクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン、またはその組合せを含む。
【0244】
本発明の化合物は、単独の医薬品として、または、組合せが許容できない副作用をもたらさない1種以上の他の医薬品と組み合わせて投与できる。本発明は、そのような組合せにも関する。例えば、本発明の化合物は、公知の抗過剰増殖剤または他の適応症試薬など、ならびにそれらの混合物および組合せ物と組合せてもよい。他の適応症試薬としては、限定するものではないが、抗血管形成剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、DNAインターカレーション抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調節物質、または抗ホルモンを含む。
【0245】
さらなる医薬品は、アフィニトール、アルデスロイキン、アレンドロン酸、アルファフェロン(alfaferone)、アリトレチノイン、アロプリノール、アロプリム(aloprim)、アロキシ、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アミホスチン、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンズメト(anzmet)、アラネスプ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アロマシン、5−アザシチジン、アザチオプリン、BAY80−6946、BCGまたはタイスBCG、ベスタチン、酢酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、ベキサロテン、硫酸ブレオマイシン、ブロクスウリジン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルシトニン、キャンパス、カペシタビン、カルボプラチン、カソデックス、セフェゾン、セルモロイキン、セルビジン(cerubidine)、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノキソム(DaunoXome)、デカドロン、リン酸デカドロン(decadron phosphate)、デレストロゲン(delestrogen)、デニロイキンジフチトクス、デポ・メドロール、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジエチルスチルベストロール、ジフルカン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロナビノール、DW−166HC、エリガード、エリテック(elitek)、エレンス(ellence)、イメンド、エピルビシン、エポエチンアルファ、エポジェン(epogen)、エプタプラチン(eptaplatin)、エルガミソール(ergamisol)、エストレース(estrace)、エストラジオール、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エチニルエストラジオール、エチヨル(ethyol)、エチドロン酸、エトポホス(etopophos)、エトポシド、ファドロゾール、フェアストン(farston)、フィルグラスティム、フィナステリド、フィルグラスチム(fligrastim)、フロキシウリジン、フルコナゾール、フルダラビン、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、5−フルオロウラシル(5-FU)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォルメスタン、ホステアビン(fosteabine)、フォテムスチン、フルベストラント、ガンマガード、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グリベック、グリアデル、ゴセレリン、グラニセトロンHCl、ヒストレリン、ハイカムチン、ハイドロコートン、エイトロ−ヒドロキシノニルアデニン(eyrthro-hydroxynonyladenine)、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ・チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2、インターフェロンアルファ−2A、インターフェロンアルファ−2B、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a、インターロイキン−2、イントロンA、イレッサ、イリノテカン、カイトリル、ラパチニブ、硫酸レンチナン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、レボフォリン酸(levofolinic acid)カルシウム塩、レボスロイド(levothroid)、レボキシル(levoxyl)、ロムスチン、ロニダミン、マリノール、メクロレタミン、メコバラミン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メネスト、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メトビックス(metvix)、ミルテフォシン、ミノサイクリン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、モドレナル(Modrenal)、マイオセット(Myocet)、ネダプラチン、ニューラスタ(neulasta)、ニューメガ(neumega)、ニューポジェン、ニルタミド、ノルバデックス、NSC−631570、OCT−43、オクトレオチド、オンダンセトロンHCl、オラプレド(orapred)、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペジアプレド(pediapred)、ペグアスパラガーゼ、ペガシス、ペントスタチン、ピシバニール、ピロカルピンHCl、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニマスチン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレマリン、プロカルバジン、プロクリット、ラルチトレキセド、RDEA119、レビフ、レニウム−186エチドロン酸、リツキシマブ、ロフェロン(roferon)−A、ロムルチド、サラジェン、サンドスタチン、サルグラモスチン、セムスチン、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソルメドロール、スパルホス酸(sparfosic acid)、幹細胞療法、ストレプトゾシン、ストロンチウム−89クロライド、スニチニブ、シンスロイド(synthroid)、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、タストラクトン(tastolactone)、タキソテール、テセロイキン、テモゾロマイド、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、テストレド(testred)、チオグアニン、チオテパ、甲状腺刺激ホルモン、チルドロン酸、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トレクサール(trexall)、トリメチルメラミン、トリメトレキセート、トリプトレリンアセテート、トリプトレリンパモ酸塩、UFT、ウリジン、バルルビシン、ベスナリノン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビルリジン(virulizin)、ジネカルド(zinecard)、ジノスタチンスチマラマー、ゾフラン(zofran)、ABI−007、アコルビフェン、アクティミューン、アフィニタック(affinitak)、アミノプテリン、アルゾキシフェン、アソプリスニル、アタメスタン、アトラセンタン、ソラフェニブ(BAY43−9006)、アバスチン、CCI−779、CDC−501、セレブレックス、セツキシマブ、クリスナトール(crisnatol)、酢酸シプロテロン、デシタビン、DN−101、ドキソルビシン−MTC、dSLIM、デュタステライド、エドテカリン、エフロルニチン、エキサテカン、フェンレチニド、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリンヒドロゲルインプラント(histrelin hydrogel implant)、ホルミウム−166DOTMP、イバンドロン酸、インターフェロンガンマ、イントロン−PEG、イキサベピロン、キーホールリンペットヘモシニアン、L−651582、ランレオチド、ラソフォキシフェン、ライブラ(libra)、ロナファルニブ、ミプロキシフェン(miproxifene)、ミノドロン酸、リポソームMTP−PE、MX−6、ナファレリン、ネモルビシン(nemorubicin)、ネオバスタット(neovastat)、ノラトレキシド、オブリメルセン、オンコ−TCS、オシデム(osidem)、パクリタキセル・ポリグルタミン酸、パミドロン酸二ナトリウム、PN−401、QS−21、クアゼパム、R−1549、ラロキシフェン、ランピルナーゼ、13−シスレチノイン酸、サトラプラチン、セオカルシトール、T−138067、タルセバ、タクサオプレキシン、サイモシン・アルファ1、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、TLK−286、トレミフェン、TransMID−107R、バルスポダル(valspodar)、バプレオチド、バタラニブ、ベルテポルフィン、ビンフルニン、Z−100、ゾレドロン酸、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0246】
本組成物に添加し得る任意の抗過剰増殖剤は、限定するものではないが、Merck Index 第11版(1996)の「the cancer chemotherapy drug regimens」に列挙される化合物(出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)、例えば、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ(colaspase)、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エポチロン、エポチロン誘導体、エトポシド、5−フルオロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレタミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカルバジン、ラロキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシンを含む。
【0247】
本発明の組成物と共に使用するのに適した他の抗過剰増殖剤には、限定するものではないが、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (第9版)、Molinoffら編、McGraw-Hill出版、1225-1287頁(1996)の「the treatment of neoplastic diseases」で使用されるものと認められる化合物(出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)、例えば、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン・クラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフルオロデキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン(erythrohydroxynonyl adenine)、エチニルエストラジオール、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、リン酸フルダラビン、フルオキシメステロン、フルタミド、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、イダルビシン、インターフェロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メルファラン、ミトタン、パクリタキセル、ペントスタチン、N−ホスホノアセチル−L−アスパラギン酸塩(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、プロピオン酸テストステロン、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジンおよびビノレルビンを含む。
【0248】
本発明の組成物と共に使用するのに適した他の抗過剰増殖剤は、限定するものではないが、他の抗癌剤、例えば、エポチロンおよびその誘導体、イリノテカン、ラロキシフェンおよびトポテカンを含む。
【0249】
本発明の化合物は、タンパク質治療剤と組合せて投与されてもよい。癌または他の血管形成疾患の処理に適した及び本発明の組成物と共に使用するのに適した該タンパク質治療剤は、限定するものではないが、インターフェロン(例えばインターフェロン−アルファ、−ベータまたは−ガンマ)、超アゴニスト(supraagonistic)モノクローナル抗体、ツェビンゲン(Tuebingen)、TRP−1タンパクワクチン、コロストリニン(Colostrinin)、抗FAP抗体、YH−16、ゲムツズマブ、インフリキシマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デニロイキンジフチトクス、リツキシマブ、サイモシンアルファ1、ベバシズマブ、メカセルミン、メカセルミンリンファベート(mecasermin rinfabate)、オプレルベキン、ナタリズマブ、rhMBL、MFE−CP1+ZD−2767−P、ABT−828、ErbB2特異イムノトキシン、SGN−35、MT−103、リンファベート(rinfabate)、AS−1402、B43−ゲニステイン、L−19ベースの放射免疫療法、AC−9301、NY−ESO−1ワクチン、IMC−1C11、CT−322、rhCC10、r(m)CRP、MORAb−009、アビスクミン(aviscumine)、MDX−1307Her−2ワクチン、APC−8024、NGR−hTNF、rhH1.3、IGN−311、エンドスタチン、ボロシキシマブ、PRO−1762、レクサツムマブ、SGN−40、ペルツズマブ、EMD−273063、L19−IL−2融合タンパク質、PRX−321、CNTO−328、MDX−214、チガポチド(tigapotide)、CAT−3888、ラベツズマブ、アルファ粒子放出放射性同位体連結型(alpha-particle-emitting radioisotope-llinked)リンツズマブ、EM−1421、HyperAcuteワクチン、ツコツズマブ(tucotuzumab)セルモロイキン、ガリキシマブ、HPV−16−E7、Javelin−前立腺がん、Javelin−メラノーマ、NY−ESO−1ワクチン、EGFワクチン、CYT−004−MelQbG10、WT1ペプチド、オレゴボマブ、オファツムマブ、ザルツムマブ、シントレデキンベスドトキシ(cintredekin besudotox)、WX−G250、アルブフェロン、アフリバーセプト、デノスマブ、ワクチン、CTP−37、エフングマブ(efungumab)または131I−chTNT−1/Bを含む。タンパク質治療剤として有用なモノクローナル抗体は、限定するものではないが、ムロモナブ(muromonab)−CD3、アブシキシマブ、エドレコロマブ、ダクリズマブ、ゲンツズマブ(gentuzumab)、アレムツズマブ、イブリツモマブ、セツキシマブ、ベビシツマブ(bevicizumab)、エファリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ムロモナブ−CD3、リツキシマブ、ダクリズマブ、トラスツズマブ、パリビズマブ、バシリキシマブとインフリキシマブを含む。
【0250】
本発明の化合物は、生物学的治療剤、例えば抗体(例えばアバスチン、リツキサン、アービタックス、ハーセプチン)または組み換えタンパク質と組合せてもよい。
【0251】
本発明の化合物は、血管形成阻害剤、例えばアバスチン、アキシチニブ、DAST、レセチン(recentin)、ソラフェニブまたはスニチニブと組合せてもよい。プロテアソーム阻害剤またはmTOR阻害剤、あるいは抗ホルモンまたはステロイド代謝酵素阻害物質との組合せも可能である。
【0252】
実施態様において、本発明は、
− 上記一般式(I)で示される1種以上の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特に、その医薬上許容される塩、またはこれらの混合物
および
− タキサン、例えばドセタキセル、パクリタキセル、ラパチニブ、スニチニブまたはタキソール;エポチロン、例えばイクサベピロン、パツピロンまたはサゴピロン;ミトキサントロン;プレドニゾロン;デキサメタゾン;エストラムスチン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ドキソルビシン;アドリアマイシン;イダルビシン;ダウノルビシン;ブレオマイシン;エトポシド;シクロホスファミド;イホスファミド;プロカルバジン;メルファラン;5−フルオロウラシル;カペシタビン;フルダラビン;シタラビン;Ara−C;2−クロロ−2'−デオキシアデノシン;チオグアニン;抗アンドロゲン、例えばフルタミド、酢酸シプロテロンまたはビカルタミド;ボルテゾミブ;白金誘導体、例えばシスプラチンまたはカルボプラチン;クロカムブシル;メトトレキサート;ならびにリツキシマブから選択される1種以上の薬剤
を含む医薬組合せに関する。
【0253】
一般的に、本発明の化合物または組成物との組合せにおける、細胞毒性剤および/または細胞増殖抑制剤の使用は、以下を与え得る:
(1)いずれかの試薬を単独で投与するのと比較して、腫瘍の成長を低減させるのにより良好な効力を奏するか、または、腫瘍を除去しさえする、
(2)より少量の投与される化学療法剤の投与を可能にする、
(3)単剤の化学療法およびある種の併用療法で観察されるよりも少ない有害な薬理的合併症で、患者に良好に耐容される化学療法剤治療を可能にする、
(4)哺乳動物、特にヒトにおいて、より幅広い範囲の様々な癌タイプの処置を可能にする、
(5)処置される患者間で、より高い応答率を可能にする、
(6)処置される患者間で、標準的な化学療法の処置と比較してより長い生存時間を可能にする、
(7)腫瘍の進行により長時間をもたらす、および/または、
(8)他の癌作用物質(cancer agent)の組合せが、拮抗作用を奏する既知の例と比較して、単独で使用される薬剤の効能および許容性と少なくとも同程度に良好な効能および許容性の結果を与える。
【0254】
細胞を放射線に増感する方法
本発明の別の実施形態において、本発明の化合物は、細胞を放射線に増感させるために用いられ得る。すなわち、本発明の化合物で細胞を処理し、該細胞を放射線処理することで、該細胞を、本発明の化合物によるいずの処理もしていない細胞よりも、DNA損傷および細胞死に対してより影響され易くする。1つの実施形態において、細胞は、少なくとも1つの本発明の化合物により処理される。
【0255】
従って、本発明はまた、細胞を死滅させる方法を提供し、ここで該細胞は、従来の放射線療法と組み合せて、1または複数の本発明の化合物が投与される。
【0256】
本発明はまた、細胞を細胞死に対してより影響され易くする方法を提供し、ここで前記細胞は、細胞死を引き起こすかまたは誘発するための細胞の処理前に、1または複数の本発明の化合物で処理される。ある実施形態においては、細胞を1または複数の本発明の化合物で処理した後、該細胞を、正常細胞の機能を阻害することまたは細胞を死滅させることを目的として、DNA損傷を引き起こすために少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの方法もしくはその組合せで処理する。
【0257】
1つの実施形態において、細胞を少なくとも1つのDNA損傷剤で処理することで細胞を死滅させる。すなわち、細胞を細胞死に増感させるために、細胞を1または複数の本発明の化合物で処理した後、該細胞を、細胞を死滅させるための少なくとも1つのDNA損傷剤で処理する。本発明に有用なDNA損傷剤は、限定するものではないが、化学療法剤(例えば、シスプラチン)、イオン化放射線(X線、紫外線)、発癌性物質および変異誘発物質を含む。
【0258】
他の実施形態において、DNA損傷を引き起こすまたは誘発する少なくとも1つの方法で細胞を処理することで、細胞を死滅させる。そのような方法は、限定するものではないが、細胞シグナル化経路が活性化される場合に結果的にDNA損傷をもたらす経路の活性化、細胞シグナル化経路が阻害される場合に結果的にDNA損傷をもたらす経路の阻害、および細胞において結果的にDNA損傷をもたらす生化学的変化の誘発を含む。非制限的な例によれば、細胞におけるDNA修復経路が阻害され、それにより、DNA損傷の修復を妨げて、結果的に細胞におけるDNA損傷の異常蓄積をもたらし得る。
【0259】
本発明の態様において、本発明の化合物は、細胞におけるDNA損傷に関する放射線照射または他の誘発の前に、細胞に投与される。本発明の他の態様において、本発明の化合物は、細胞におけるDNA損傷に関する放射線照射または他の誘発と同時に、細胞に投与される。本発明のさらなる他の態様において、本発明の化合物は、DNA損傷に関する放射線照射または他の誘発が始まった直後に、細胞に投与される。
【0260】
他の態様において、細胞はインビトロで存在する。他の実施形態に置いて、細胞はインビボで存在する。
【0261】
上記したとおり、本発明の化合物は、驚くべきことにMKNK−1を効果的に阻害することが見出され、したがって、制御されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞炎症応答に関する疾患、あるいは制御されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞の炎症性応答に付随する疾患で、特に、制御されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞の炎症性応答がMKNK−1により媒介され、例えば血液腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺腫瘍および他の婦人科腫瘍、腎腫瘍、膀胱腫瘍および前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移の処置または予防に使用され得る。
【0262】
したがって、他の態様によれば、本発明は、上記疾患の処置または予防に使用するための、本明細書に記載し定義した一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物を包含する。
【0263】
したがって、本発明の他の特定の態様は、疾患の予防または処置のための、上記した一般式(I)で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特にその医薬上許容される塩、またはそれらの混合物の使用である。
【0264】
したがって、本発明の他の特定の態様は、疾患の処置または予防のための医薬組成物を製造するための、上記した一般式(I)で示される化合物の使用である。
【0265】
前の2つのパラグラフに示した疾患は、制御されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞炎症性応答に関する疾患、あるいは制御されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞の炎症性応答に付随する疾患で、特に、制御されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞の炎症性応答がMKNK−1により媒介され、例えば、血液腫瘍、固形腫瘍、および/またはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺腫瘍および他の婦人科腫瘍、腎腫瘍、膀胱腫瘍および前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移である。
【0266】
用語「不適切な」は、本発明の文脈の範囲内で、特に本明細書で使用されるように「不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞の炎症性応答」の文脈において、好ましくは、正常未満もしくは正常を超える応答、および該疾患の病理に付随するか、関与するか、または結果的に該疾患の病理となる応答を意味すると理解されるべきである。
【0267】
好ましくは、使用は、疾患の処置または予防における使用であって、該疾患は血液腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移である。
【0268】
過剰増殖性障害を処置する方法
本発明は、哺乳動物の過剰増殖性障害を処置するための本発明の化合物およびその組成物の使用方法に関する。化合物は、細胞増殖および/または細胞分裂を阻害、阻止、低減、減少などのために、および/またはアポトーシスをもたらすために利用できる。この方法は、その必要のある哺乳動物、例えばヒトに、該障害を処置するのに有効な量の本発明の化合物、またはその医薬上許容される塩、異性体、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステルを投与することを含む。過剰増殖性障害は、限定するものではないが、乾癬、ケロイド、および皮膚に影響を及ぼす他の過形成、良性前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍、例えば乳房、呼吸器、脳、生殖器、消化器、泌尿器、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびそれらの遠隔転移を含む。これらの障害は、リンパ腫、肉腫および白血病も含む。
【0269】
乳癌の例は、限定するものではないが、浸潤性腺管がん、浸潤性小葉がん、非浸潤性乳管がん、および上皮内小葉がんを含む。
【0270】
呼吸器の癌の例は、限定するものではないが、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫を含む。
【0271】
脳腫瘍の例は、限定するものではないが、脳幹および視床下部(hypophtalmic)のグリオーマ、小脳および大脳の星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体の腫瘍を含む。
【0272】
雄性生殖器の腫瘍は、限定するものではないが、前立腺および精巣の癌を含む。雌性生殖器の腫瘍は、限定するものではないが、子宮内膜、子宮頸、卵巣、膣および外陰部の癌、ならびに子宮の肉腫を含む。
【0273】
消化器の腫瘍は、限定するものではないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺の癌を含む。
【0274】
尿路の腫瘍は、限定するものではないが、膀胱、ペニス、腎臓、腎盂、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎細胞がんを含む。
【0275】
眼の癌は、限定するものではないが、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫を含む。
【0276】
肝臓がんの例は、限定するものではないが、肝細胞癌(線維層状変異(fibrolamellar variant)の有無に関係なく肝細胞癌腫)、胆管癌(肝臓内胆管癌腫)および肝細胞癌・胆管細胞癌の混合型を含む。
【0277】
皮膚がんは、限定するものではないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がんおよび非メラノーマ皮膚がんを含む。
【0278】
頭頸部癌は、限定するものではないが、喉頭がん、下咽頭がん、鼻咽頭がん、口咽頭がん、口唇の癌および口腔癌および扁平上皮細胞を含む。リンパ腫は、限定するものではないが、AIDS関連のリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫を含む。
【0279】
肉腫は、限定するものではないが、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫を含む。
【0280】
白血病は、限定するものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリーセル白血病を含む。
【0281】
これらの障害は、ヒトでは十分にキャラクタライズされているが、他の動物にも同様の病因により存在し、本発明の医薬組成物の投与により処置できる。
【0282】
用語「処置する」または「処置」は、本明細書を通じて述べられるように、一般的に用いられ、疾患または障害、例えば癌腫などの状態などに対抗すること、緩和すること、低減すること、軽減すること、改善することを目的とした、対象の管理またはケアである。
【0283】
キナーゼ障害を処置する方法
本発明はまた、異常な分裂促進物質細胞外キナーゼ活性と関連した障害、例えば、限定するものではないが、脳卒中、心不全、肝腫大、心臓肥大、糖尿病、アルツハイマー疾患、嚢胞性線維症、異種移植片拒絶反応の症状、敗血性ショックまたは喘息を処置する方法を提供する。
【0284】
有効量の本発明の化合物は、上記の背景技術の項目で言及した疾患(例えば癌)を含むそのような障害を処置するのに用いることができる。それでもなお、そのような癌および他の疾患は、キナーゼと該障害との作用機序および/またはその関係に関わらず、本発明の化合物を用いて処置でできる。
【0285】
用語「異常なキナーゼ活性」または「異常なチロシンキナーゼ活性」は、キナーゼをコードする遺伝子またはそれがコードするポリペプチドの何らかの異常な発現または活性を含む。そのような異常な活性の例は、限定するものではないが、遺伝子またはポリペプチドの過剰発現;遺伝子増幅;恒常的活性もしくは過活性なキナーゼ活性を与える突然変異;遺伝子変異、欠失、置換、付加などを含む。
【0286】
本発明はまた、キナーゼ活性、特に分裂促進物質細胞外キナーゼのキナーゼ活性を阻害する方法を提供し、該方法は有効量の本発明の化合物、例えばその塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えばエステル)およびそのジアステレオマーを投与することを含む。キナーゼ活性は、細胞(例えばインビトロ)において、または処置の必要のある哺乳類対象、特にヒト患者のその細胞において阻害されてよい。
【0287】
血管形成障害を処置する方法
本発明はまた、過剰および/または異常な血管形成に関連する障害および疾患を処置する方法を提供する。
【0288】
血管形成の不適切で異所性の発現は、生物にとって有害であり得る。多くの病的状態は、異質な血管の増殖に関連している。これらは、例えば、糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症および未熟網膜症[Aiello et al. New Engl. J. Med. 1994, 331, 1480; Peer et al. Lab. Invest. 1995, 72, 638]、加齢性網膜黄斑部変性[AMD; Lopez et al. Invest. Opththalmol. Vis. Sci. 1996, 37, 855を参照のこと]、血管形成緑内障、乾癬、後水晶体線維増殖、血管線維腫、炎症、関節リウマチ(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、人工血管再狭窄などを含む。さらに、腫瘍における新たな血液およびリンパ管の成長は、制御不能の細胞(renegade cells)に逃避経路を与え、がんの転移および拡散の結果を助長する。従って、本発明の化合物は、前記の血管形成障害を、例えば、血管形成を抑制および/または低減することにより;血管形成に関与する内皮細胞増殖または他のタイプを、抑制、ブロック、低減、減少などすることにより、並びに、そのような細胞タイプの細胞死またはアポトーシスを引き起こすことにより処置および/または予防するのに利用できる。
【0289】
用量および投与
過剰増殖性障害および血管形成障害の処置に有用な化合物を評価するために既知の標準的な実験室技術に基づいて、以上で特定した哺乳動物における状態の処置の決定のための標準的な毒性試験および標準的な薬理アッセイにより、そして、これらの結果を該状態を処置するのに使用される既知の医薬による結果と比較することで、本発明の化合物の有効な投与量は、所望の適応症それぞれの処置について容易に決定できる。これらの状態のうち、1つの状態の処置について投与されるべき有効成分の量は、用いられる具体的な化合物および投薬単位、投与様式、処置期間、処置される患者の年齢および性別、並びに、処置される状態の性質および程度などの考慮すべき事項によって大きく変動し得る。
【0290】
投与される有効成分の総量は、一般的に、1日あたり約0.001mg/体重kg〜約200mg/体重kg、好ましくは1日あたり約0.01mg/体重kg〜約20mg/体重kgの範囲であり得る。臨床的に有用な投薬スケジュールは、1日1回〜3回の投薬ないし4週ごとに1回の投薬の範囲であり得る。加えて、患者が一定期間の間に投薬を受けない「休薬期間」は、薬理効果と耐性の全体的なバランスに対して有益であり得る。投薬量単位は、約0.5mg〜約1500mgの有効成分を含有してよく、1日1回以上または1日1回未満で投与され得る。注射、例えば静注、筋内注射、皮下注射および非経口注射による、ならびに点滴技術の使用による投与に関する平均の1日投薬量は、好ましくは0.01〜200mg/総体重kgであり得る。平均の1日直腸投薬レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/総体重kgであり得る。平均の1日膣投薬量レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/総体重kgであり得る。平均の1日局所投薬量レジメンは、好ましくは1日1回〜4回投与される0.1〜200mgであろう。経皮濃度は、好ましくは0.01〜200mg/kgの1日用量を維持するのに必要とされる濃度であり得る。平均の1日吸入投薬量レジメンは、好ましくは0.01〜100mg/総体重kgであり得る。
【0291】
もちろん、各患者の具体的な開始および継続投薬量レジメンは、担当の診断医によって決定される状態の性質および重篤度、用いられる具体的な化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与時間、投与経路、薬物の排出速度、薬物の組合せなどによって変動し得る。所望の処置様式および本発明の化合物またはその医薬上許容される塩もしくはエステルまたは組成物の投薬回数は、当業者であれば通常の処置試験を使用して確認され得る。
【0292】
好ましくは、該方法の疾患は、血液腫瘍、固形腫瘍および/またはその転移である。
【0293】
本発明の化合物は、特に、治療および予防に、即ち腫瘍増殖および転移の予防に、特に腫瘍増殖の予備的処置の有無にかかわらず全ての兆候およびステージの固形腫瘍に使用できる。
【0294】
特定の薬理学的または医薬的特性について試験する方法は、当業者には周知である。
【0295】
本明細書に記載される実施例の試験実験は本発明を例証するためのものであり、本発明は記載の実施例に限定されない。
【0296】
実施例は、選択した生物学的アッセイにおいて1回以上試験された。2回以上試験した場合、データは平均値か中央値のいずれかで記録され、ここで、
・平均値は、算術平均とも称され、試験回数で除算して得られた値の和を表し、および、
・中央値は、値を昇順または降順で並べた場合に数値群の中央の数値を表す。データセット中の数値の数が奇数の場合、中央値は中央の値である。データセット中の数値の数が偶数の場合、中央値は2つの中央の値の算術平均である。
【0297】
実施例は1回以上合成された。2回以上合成した場合、生物学的アッセイのデータは1以上の合成バッチの試験により得られたデータセットを利用して算出された平均値または中央値を表す。
【0298】
生物学的アッセイ:
MKNK1キナーゼアッセイ
本発明の化合物のMKNK1阻害活性は、以下の段落で記載するように、MKNK1 TR−FRETアッセイを用いて定量化した。
【0299】
バキュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞で発現され、そしてグルタチオンセファロース親和性クロマトグラフィーにより精製された、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST、N末端)とヒト全長MKNK1(受入番号BAA19885.1のアミノ酸1−424およびT344D)との組換え融合タンパク質を、Carna Biosciences(製品番号02−145)から購入し、酵素として用いた。そのキナーゼ反応の基質として、例えばBiosyntan社(Berlin-Buch, Germany)から購入できるビオチン化ペプチド ビオチン−Ahx−IKKRKLTRRKSLKG(アミド型のC末端)を用いた。
【0300】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[50mMのHEPES pH7.5、5mMの塩化マグネシウム、1.0mMのジチオトレイトール、0.005%(v/v)のノニデット(Nonidet)−P40(Sigma)]中のMKNK1溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(0.1μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は0.06μMである)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で45分の反応時間インキュベートした。MKNK1濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な濃度は0.05μg/mLであった。該反応は、水性EDTA溶液(50mMのHEPES pH7.5中の100mMのEDTA、0.1%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(5nMのストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびInvitrogen[#44921G]の1nMの抗リボソームタンパク質S6(pSer236)抗体および1nMのLANCE EU−W1024ラベル化ProteinG[Perkin-Elmer, 製品番号AD0071])溶液5μLの添加により停止させた。
【0301】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。続いて、リン酸化された基質の量をEuキレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をTR−FRET読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で11種の濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで1:3.4の連続希釈によってアッセイ前に別個に調製した希釈系列)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0302】
【表5】
【0303】
MKNK1キナーゼ高濃度ATPアッセイ
MKNK1と予めインキュベートした後の、本発明の化合物の高濃度ATPでのMKNK1阻害活性を、以下の段落で記載するようにTR−FRETベースのMKNK1高濃度ATPアッセイを用いて定量化した。
【0304】
バキュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞で発現され、そしてグルタチオンセファロース親和性クロマトグラフィーにより精製された、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST、N末端)とヒト全長MKNK1(受入番号BAA19885.1のアミノ酸1−424およびT344D)との組換え融合タンパク質を、Carna Biosciences(製品番号02−145)から購入し、酵素として用いた。そのキナーゼ反応の基質として、例えばBiosyntan社(Berlin-Buch, Germany)から購入できるビオチン化ペプチド ビオチン−Ahx−IKKRKLTRRKSLKG(アミド型のC末端)を用いた。
【0305】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[50mMのHEPES pH7.5、5mMの塩化マグネシウム、1.0mMのジチオトレイトール、0.005%(v/v)のノニデットP40(Sigma)]中のMKNK1溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、3.3mM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は2mMである)および基質(0.1μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は0.06μMである)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で30分の反応時間インキュベートした。MKNK1濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な濃度は0.03μg/mlであった。該反応は、水性EDTA溶液(50mMのHEPES pH7.5中の100mMのEDTA、0.1%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(5nMのストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびInvitrogen[#44921G]の1nMの抗リボソームタンパク質S6(pSer236)抗体および1nMのLANCE EU−W1024ラベル化ProteinG[Perkin-Elmer, 製品番号AD0071])溶液5μLの添加により停止させた。
【0306】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。続いて、リン酸化された基質の量をEuキレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をTR−FRET読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で11種の濃度(例えば、20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで、アッセイ前に別個に調製した希釈系列、その正確な濃度は用いたピペッターにより変動し得る)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0307】
【表6】
【0308】
CDK2/CycEキナーゼアッセイ
本発明の化合物のCDK2/CycE阻害活性を、以下の段落で記載するようにCDK2/CycE TR−FRETアッセイを用いて定量化した。
【0309】
昆虫細胞(Sf9)で発現され、そしてグルタチオンセファロース親和性クロマトグラフィーにより精製された、GSTとヒトCDK2との組換え融合タンパク質およびGSTとヒトCycEとの組換え融合タンパク質を、ProQinase GmbH(Freiburg, Germany)から購入した。そのキナーゼ反応の基質として、例えばJERINIペプチド・テクノロジー社(Berlin, Germany)から購入できるビオチン化ペプチド ビオチン−Ttds−YISPLKSPYKISEG(アミド型のC末端)を用いた。
【0310】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[50mMのトリス/HCl pH8.0、10mMの塩化マグネシウム、1.0mMのジチオトレイトール、0.1mMのオルトバナジウム酸ナトリウム、0.01%(v/v)のノニデットP40(Sigma)]中のCDK2/CycE溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(1.25μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は0.75μMである)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で25分の反応時間インキュベートした。CDK2/CycE濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な濃度は130ng/mLであった。該反応は、水性EDTA溶液(100mMのHEPES/NaOH pH7.0中の100mMのEDTA、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のTR−FRET検出試薬(0.2μMのストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]およびBD Pharmingen[#558389]の1nMの抗RB(pSer807/pSer811)抗体および1.2nMのLANCE EU−W1024ラベル化抗マウスIgG抗体[Perkin-Elmer, 製品番号AD0077、代替物として、Cisbio Bioassaysのテルビウム−クリプタート・ラベル化抗マウスIgG抗体を用いてもよい])溶液5μLの添加により停止させた。
【0311】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、リン酸化されたビオチン化ペプチドと検出試薬との複合体を形成させた。続いて、リン酸化された基質の量をEuキレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をTR−FRET読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で11種の濃度(20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで1:3.4の連続希釈によってアッセイ前に別個に調製した希釈系列)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0312】
PDGFRβキナーゼアッセイ
本発明の化合物のPDGFRβ阻害活性を、以下の段落で記載するようにPDGFRβ HTRFアッセイを用いて定量化した。
【0313】
キナーゼとして、昆虫細胞(Sf9)で発現され、そしてグルタチオンセファロース親和性クロマトグラフィーにより精製された、Proqinase[Freiburg i.Brsg., Germany]から購入したヒトPDGFRβのC末断片(アミノ酸561〜1106)を含むGST−His融合タンパク質を用いた。そのキナーゼ反応の基質として、Cis Biointernational(Marcoule, France)のビオチン化ポリ−Glu,Tys(4:1)コポリマー(#61GT0BLA)を用いた。
【0314】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[50mMのHEPES/NaOH pH7.5、10mMの塩化マグネシウム、2.5mMのジチオトレイトール、0.01%(v/v)のTriton−X100(Sigma)]中のPDGFRβ溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(2.27μg/mL => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は1.36μg[約30nM]である)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で25分の反応時間インキュベートした。該アッセイ中のPDGFRβ濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な酵素濃度は約125pg/μL(5μLのアッセイ容量での終濃度)であった。該反応は、水性EDTA溶液(50mMのHEPES/NaOH pH7.5中の100mMのEDTA、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のHTRF検出試薬(200nMのストレプトアビジン−XLent[Cis Biointernational]および1.4nMのPT66−Euキレート、Perkin Elmerのユーロピウムキレート・ラベル化抗ホスホチロシン抗体[PT66−Euキレートに代えて、Cis BiointernationalのPT66−Tbクリプタートを用いてもよい])溶液5μLの添加により停止させた。
【0315】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、ビオチン化リン酸化ペプチドをストレプトアビジン−XLentおよびPT66−Euキレートに結合させた。続いて、リン酸化された基質の量をPT66−Euキレートからストレプトアビジン−XLentへの共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRF読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で10種の濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、DMSO中の100倍濃縮溶液レベルで1:3の連続希釈によってアッセイ前に調製した希釈系列)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0316】
Fynキナーゼアッセイ
バキュロウイルス感染昆虫細胞で発現された(Invitrogenから購入した, P3042)、ヒトT−FynのC末端His6タグ付ヒト組換えキナーゼドメインをキナーゼとして用いた。そのキナーゼ反応の基質として、例えばBiosynthan GmbH社(Berlin-Buch, Germany)から購入できるビオチン化ペプチド ビオチン−KVEKIGEGTYGVV(アミド型のC末端)を用いた。
【0317】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[25mMのトリス/HCl pH7.2、25mMの塩化マグネシウム、2mMのジチオトレイトール、0.1%(v/v)のウシ血清アルブミン、0.03%のノニデットP40(Sigma)]中のT−Fyn溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(2μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は1.2μMである)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で60分の反応時間インキュベートした。Fyn濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な酵素濃度は約0.13nMであった。該反応は、水性EDTA溶液(50mMのHEPES/NaOH pH7.0中の125mMのEDTA、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のHTRF検出試薬(0.2μMのストレプトアビジン−XL[Cisbio Bioassays, Codolet, France)および0.66nMのPT66−Euキレート、Perkin Elmerのユーロピウムキレート・ラベル化抗ホスホチロシン抗体[PT66−Euキレートに代えて、Cisbio BioassaysのPT66−Tbキレートを用いてもよい])溶液5μLの添加により停止させた。
【0318】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、ビオチン化リン酸化ペプチドをストレプトアビジン−XLおよびPT66−Euキレートに結合させた。続いて、リン酸化された基質の量をPT66−Euキレートからストレプトアビジン−XLへの共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRF読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で10種の濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、100倍濃縮ストック溶液レベルで1:3の連続希釈によってアッセイ前に調製した希釈系列)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0319】
Flt4キナーゼアッセイ
本発明の化合物のFlt4阻害活性は、以下の段落で記載するように、Flt4 TR−FRETアッセイを用いて定量化した。
【0320】
キナーゼとして、昆虫細胞[SF9]で発現され、そして、親和性クロマトグラフィーにより精製された、Proqinase[Freiburg i.Brsg., Germany]から購入したヒトFlt4のC末端断片(アミノ酸799〜1298)を含むGST−His融合タンパク質を用いた。このキナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチド ビオチン−Ahx−GGEEEEYFELVKKKK(アミド型のC末端、Biosyntan, Berlin-Buch, Germanyから購入した)を用いた。
【0321】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[25mMのHEPESpH7.5、10mMの塩化マグネシウム、2mMのジチオトレイトール、0.01%(v/v)のTriton−X100(Sigma)、0.5mMのEGTAおよび5mMのβ−ホスホ−グリセロール]中のFlt4溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(1.67μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は1μMである)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で45分の反応時間インキュベートした。このアッセイにおけるFlt4濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な酵素濃度は約120pg/μL(5μLのアッセイ容量中の終濃度)であった。該反応は、水性EDTA溶液(50mMのHEPES pH7.5中の50mMのEDTA、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のHTRF検出試薬(200nMのストレプトアビジン−XL665[Cis Biointernational]および1nMのPT66−Tbクリプタート、Cisbio Bioassays(Codolet, France)のテルビウム−クリプタート・ラベル化抗ホスホチロシン抗体)溶液5μLの添加により停止させた。
【0322】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、ビオチン化リン酸化ペプチドをストレプトアビジン−XL665およびPT66−Tbクリプタートに結合させた。続いて、リン酸化された基質の量をPT66−Tbクリプタートからストレプトアビジン−XL665への共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRF読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で10種の濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、100倍濃縮ストック溶液レベルで1:3の連続希釈によってアッセイ前に調製した希釈系列)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0323】
TrkAキナーゼアッセイ
本発明の化合物のTrkA阻害活性は、以下の段落で記載するように、TrkA HTRFアッセイを用いて定量化した。
【0324】
キナーゼとして、昆虫細胞[SF9]で発現され、そして、親和性クロマトグラフィーにより精製された、Proqinase[Freiburg i.Brsg., Germany]から購入したヒトTrkAのC末端断片(アミノ酸443〜796)を含むGST−His融合タンパク質を用いた。このキナーゼ反応の基質として、Cis Biointernational(Marcoule, France)のビオチン化ポリ−Glu,Tyr(4:1)コポリマー(#61GT0BLA)を用いた。
【0325】
このアッセイのために、DMSO中の試験化合物の100倍濃縮溶液50nLを、黒色の低容量384ウェル・マイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで移し、水性アッセイ緩衝液[8mMのMOPS/HCl pH7.0、10mMの塩化マグネシウム、1mMのジチオトレイトール、0.01%(v/v)のNP−40(Sigma)、0.2mMのEDTA]中のTrkA溶液2μLを加え、該混合液を22℃で15分間インキュベートし、キナーゼ反応の開始前に試験化合物を酵素に予め結合させた。次いで、該キナーゼ反応は、アッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP、16.7μM => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は10μMである)および基質(2.27μg/mL => 5μLのアッセイ容量中の終濃度は1.36μg/mL[約30nM]である)溶液3μLの添加により開始させ、結果的に得られた混合液を22℃で60分の反応時間インキュベートした。このアッセイにおけるTrkA濃度は、酵素ロットの活性に応じて調整し、線形範囲内のアッセイとなるように適宜選択し、典型的な酵素濃度は約20pg/μL(5μLのアッセイ容量中の終濃度)の範囲内であった。該反応は、水性EDTA溶液(100mMのHEPES/NaOH pH7.5中の100mMのEDTA、0.2%(w/v)のウシ血清アルブミン)中のHTRF検出試薬(30nMのストレプトアビジン−XL665[Cis Biointernational]および1.4nMのPT66−Euキレート、Perkin Elmerのユーロピウムキレート・ラベル化抗ホスホチロシン抗体[PT66−Euキレートに代えて、Cis BiointernationalのPT66−Tbクリプタートを用いてもよい])溶液5μLの添加により停止させた。
【0326】
結果的に得られた混合液を、22℃で1時間インキュベートし、ビオチン化リン酸化ペプチドをストレプトアビジン−XL665およびPT66−Euキレートに結合させた。続いて、リン酸化された基質の量をPT66−Euキレートからストレプトアビジン−XL665への共鳴エネルギー移動の測定により評価した。したがって、350nmでの励起後に620nmおよび665nmでの蛍光発光をHTRF読取機、例えばRubystar(BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で計測した。665nmでの発光と622nmでの発光との比を、リン酸化された基質の量の測定値とした。そのデータを標準化した(阻害剤を含まない酵素反応=0%阻害、酵素を除いた他の全てのアッセイ成分=100%阻害)。通常、試験化合物は、20μM〜0.1nMの範囲で10種の濃度(20μM、6.7μM、2.2μM、0.74μM、0.25μM、82nM、27nM、9.2nM、3.1nMおよび1nM、100倍濃縮ストック溶液レベルで1:3の連続希釈によってアッセイ前に調製した希釈系列)で各濃度につき2回の値にて、同じマイクロタイタープレート上で試験し、そして、IC
50値を4パラメーターフィッティングにより算出した。
【0327】
AlphaScreen SureFire eIF4E Ser209リン酸化アッセイ
AlphaScreen SureFire eIF4E Ser209リン酸化アッセイは、細胞溶解物中の内因性のeIF4Eのリン酸化を測定するために用いられる。AlphaScreen SureFire技術は、細胞溶解物中のリン酸化タンパク質の検出を可能にする。このアッセイにおいて被検体(p−eIF4E Ser209)の存在下でのみ形成されるサンドイッチ抗体複合体を、AlphaScreenドナーとアクセプター・ビーズにより捕捉し、それらを近傍に位置させる。ドナー・ビーズの励起は、アクセプター・ビーズにおけるエネルギー移動のカスケードを誘発する一重線酸素分子の放出を引き起こし、結果的に、520〜620nmの光を放射する。
【0328】
20%FCS刺激を用いたA549細胞におけるSurefire EIF4e Alphascreen
このアッセイのために、Perkin ElmerのAlphaScreen SureFire p−eIF4E Ser209 10KアッセイキットおよびAlphaScreen ProteinAキット(10Kアッセイポイント用)の両方を用いた。
【0329】
初日に、50.000のA549細胞を、1ウェルあたり100μLの増殖培地(安定なグルタミン、10%FCSを含むDMEM/Hams’F12)中、96ウェルプレートに蒔き、37℃でインキュベートした。細胞の付着後、培地を飢餓培地(starving medium)(DMEM、0.1% FCS、グルコースは含ない、グルタミンは含む、5g/Lのマルトースが補充されている)に交換した。2日目に、試験化合物を、終濃度1%DMSOを含む50μLの飢餓培地中に連続的に希釈し、試験した化合物の活性に応じて高濃度として10μM〜低濃度として10nMの範囲の終濃度で、試験プレート中のA549細胞に加えた。処置した細胞を37℃で2時間インキュベートした。37μlのFCSを該ウェルに20分間で加えた(=FCS終濃度20%)。次いで、培地を取り除き、細胞を50μLの溶解緩衝液を加えることで溶解した。次に、プレートを、プレート撹拌機上で10分間激しく撹拌した。10分の溶解時間後に、4μLの溶解物を384ウェルプレート(Proxiplate from Perkin Elmer)に移し、AlphaScreenアクセプター・ビーズを含む反応緩衝混合液を加えた反応緩衝液5μLを加えた。プレートをTopSeal−A粘着性フィルムで密閉し、室温で2時間プレート撹拌機上にて穏やかに撹拌した。その後、AlphaScreenドナー・ビーズを含む希釈緩衝液2μLを、やわらかな光のもとで加え、該プレオートをTopSeal−A粘着フィルムで再び密閉し、金属箔で覆った。室温でさらに2時間の穏やかな撹拌のために、インキュベーションを行った。次いで、該プレートを、AlphaScreenプログラムを備えたEnVision読取機(Perkin Elmer)にて測定した。各データポイント(化合物の希釈物)は3回測定した。
【0330】
IC
50値は、4パラメーターフィッティングによって決定した。
【0331】
当業者には、他のMKNK−1キナーゼアッセイは適当な試薬を用いて同様にして実施得ることは認識するであろう。
【0332】
かくして、本発明の化合物は、1つ以上のMKNK−1キナーゼを効果的に阻害し、したがって、抑制されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞炎症反応に関する疾患、特に、該抑制されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞炎症反応がMKNK−1により媒介され、より具体的には、抑制されていない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞性免疫応答、または不適切な細胞炎症反応に関する疾患が血液腫瘍であり、該腫瘍およびまたはその転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む胸部の腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺腫瘍および他の婦人科腫瘍、腎腫瘍、膀胱腫瘍および前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、および肉腫、および/またはその転移を処置または予防するのに適している。