【文献】
岡本浩一,製剤関係分野シンポジウムレポート,PHARM TECH JAPAN 8月号,Vol.20, No.9,p.1783-1785
【文献】
FRISEN.D.T. et al.,Hydroxypropyl Methylcellulose Acetate Succinate-Based Spray-Dried Dispersions: An Overview,Molecular Pharmaceutics,Vo.5, No.6,p.1003-1019
【文献】
LEUNER,C. et al.,Improving drug solubility for oral delivery using solid dispersions,European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics,2000年,Vol.50, No.1,p.47-60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマーを含む、固体分散体。
非晶質N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含む、請求項1に記載の固体分散体。
前記分散ポリマーが、ビニルポリマーおよびコポリマー、PVP−VA、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニルコポリマー、PVP、アクリレートおよびメタクリレートコポリマー、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、ポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコールと、ポリビニルカプロラクタムと、ポリ酢酸ビニルとから構成されるグラフトコポリマー、およびHPMCA、HPMC、HPC、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートHPMCP、カルボキシメチルエチルセルロースCMEC、セルロースアセテートフタレートCAP、セルロースアセテートスクシネートCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレートHPMCAP、セルロースアセテートトリメリテートCAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテートHPMCAT、およびカルボキシメチルセルロースアセテートブチレートCMCABから選択されるセルロースポリマーから選択される、請求項1または2に記載の固体分散体。
前記分散ポリマーが、ビニルピロリジン/酢酸ビニルコポリマー、メチルアクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記分散ポリマーが、ビニルピロリジン/酢酸ビニルコポリマー、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはこれらの混合物から選択される、請求項1〜4または8のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが、前記分散ポリマーに対して約0.1重量%〜約50重量%の量で存在し、ここで、「約」は、記述された値を20%の変動で上回って、および下回って数値を変更する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが、前記分散ポリマーに対して約1重量%〜約40重量%の量で存在し、ここで、「約」は、記述された値を20%の変動で上回って、および下回って数値を変更する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが、前記分散ポリマーに対して約5重量%〜約35重量%の量で存在し、ここで、「約」は、記述された値を20%の変動で上回って、および下回って数値を変更する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが、前記分散ポリマーに対して約25重量%〜約35重量%の量で存在し、ここで、「約」は、記述された値を20%の変動で上回って、および下回って数値を変更する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの少なくとも80%が非晶質形態である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの少なくとも85%が非晶質形態である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの少なくとも90%が非晶質形態である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の固体分散体。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの少なくとも95%が非晶質形態である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の固体分散体。
(a)N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマーを適切な溶媒に溶解して、供給溶液を形成するステップと、
(b)前記供給溶媒を噴霧乾燥して、前記固体分散体を形成するステップと、
を含む、請求項45または46に記載のプロセス。
非晶質N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを調製するプロセスであって、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを噴霧乾燥することを含むプロセスであって、
ここで、前記噴霧乾燥が分散ポリマーも含む、プロセス。
前記N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが適切な溶媒に溶解される、請求項48に記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで参照が特定の実施形態に対して詳細に行われ、それらの例が本明細書において説明される。列挙された実施形態が記載されるが、これらは、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しないことが理解される。むしろ本発明は、特許請求の範囲により定義された本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替物、変更、および同等物を網羅することが意図される。当業者は、本発明の実施に使用することができる、本明細書に記載されているものと類似または同等の多くの方法および材料を認識する。本発明は、記載される方法および材料にいかようにも限定されない。定義された用語、用語の用法、記載された技術などが含まれるが、これらに限定されない、1つ以上の組み込まれた文献および類似の材料が本出願と異なる、または相反する場合、本出願が優先する。
【0014】
定義
用語「約」は、およそ、あたり、ほぼ、またはぐらいを意味するために本明細書において使用される。用語「約」が数値範囲と共に使用される場合、記載された数値の境界を上回って、および下回って延長させることによって、範囲を変更する。一般に、用語「約」は、記述された値を20%の変動で上回って、および下回って数値を変更するために本明細書において使用される。
【0015】
本明細書で使用されるとき、変数の数値範囲の列挙は、本発明をその範囲内の任意の値に等しい変数で実施し得ることを伝えることが意図される。したがって、本質的に別個の変数では、変数は、範囲の終点を含む数値範囲の任意の整数値に等しいものであり得る。同様に、本質的に連続している変数では、変数は、範囲の終点を含む数値範囲の任意の実数値に等しいものであり得る。例としては、0〜2の値を有すると記載される変数は、本質的に別個の値では0、1、または2であり得、本質的に連続している変数では0.0、0.1、0.01、0.001、または任意の他の実数値であり得る。
【0016】
用語「非晶質」は、非結晶状態である固体状態の固体を意味する。非晶質固体は、一般に結晶状短距離分子配置を有するが、結晶質固体において見出される分子充填の長距離秩序は有さない。固体の固体状態の形態は、偏光顕微鏡検査法、X線粉末回折(「XRPD」)、示差走査熱量測定法(「DSC」)、または当業者に既知の他の標準的な技術によって決定することができる。
【0017】
語句「非晶質固体分散体」は、薬剤物質および分散ポリマーを含む固体を意味する。本明細書において考察される非晶質固体分散体は、非晶質N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマーを含み、ここで非晶質固体分散体は、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを実質的に非晶質固体状態の形態で含む。特定の実施形態において、実質的に非晶質固体状態の形態とは、非晶質固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミン成分が、少なくとも80%が非晶質のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンであること意味する。特定の実施形態において、実質的に非晶質固体状態の形態とは、非晶質固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミン成分が、少なくとも85%が非晶質のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンであること意味する。特定の実施形態において、実質的に非晶質固体状態の形態とは、非晶質固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミン成分が、少なくとも90%が非晶質のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンであること意味する。特定の実施形態において、実質的に非晶質固体状態の形態とは、非晶質固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミン成分が、少なくとも95%が非晶質のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンであること意味する。
【0018】
用語「癌」および「癌性」は、典型的には異常または無調節細胞増殖により特徴付けられる哺乳動物における生理学的状態を意味する、または記載する。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。癌の例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病、またはリンパ性悪性腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。より詳細には、そのような癌の例には、扁平細胞癌(例えば、上皮扁平細胞癌)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜の癌、肝細胞癌、胃腸の癌を含む胃または腹部の癌、膵癌、グリア芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝腫、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、脳、子宮内膜、または子宮の癌、唾液腺癌、腎臓または腎性の癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝臓癌腫、肛門癌、陰茎癌、黒色腫を含む皮膚癌、ならびに頭頸部癌が含まれる。
【0019】
語句「分散ポリマー」は、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが、固体分散体を形成し得るように全体にわたって分散することを可能にするポリマーを意味する。分散ポリマーは、好ましくは中性または塩基性である。分散ポリマーは、2つ以上のポリマーの混合物を含有することができる。分散ポリマーの例には、ビニルポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリジン酢酸ビニルコポリマー(「PVP−VA」)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリジン(「PVP」)、アクリレートおよびメタクリレートコポリマー、メチルアクリル酸メチルメタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標))、ポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロキサマーとも呼ばれる)、ポリエチレングリコールと、ポリビニルカプロラクタムと、ポリ酢酸ビニルとから構成されるグラフトコポリマー(例えば、Soluplus(登録商標))、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート(「HPMCA」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテート、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(「HPMCAS」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(「HPMCP」)、カルボキシメチルエチルセルロース(「CMEC」)、セルロースアセテートフタレート(「CAP」)、セルロースアセテートスクシネート(「CAS」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(「HPMCAP」)、セルロースアセテートトリメリテート(「CAT」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(「HPMCAT」)、およびカルボキシメチルセルロースアセテートブチレート(「CMCAB」)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
用語「哺乳動物」は、本明細書に記載されている疾患を有する、または疾患を発生する危険性のある温血動物を意味し、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、およびヒトを含む霊長類が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
語句「薬学的に許容される」は、物質または組成物が、組成物を含む他の成分および/または治療される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合することを示す。
【0022】
語句「薬学的に許容される塩」は、本明細書で使用されるとき、本明細書において記載される化合物の薬学的に許容される有機または無機塩を意味する。
【0023】
語句「固体分散体」は、一方の成分が他方の成分の全体にわたって分散されている少なくとも2つの成分を含む固体状態の系を意味する。本明細書において考察される固体分散体は、他方の成分、特に分散ポリマーの全体にわたって分散されている一方の成分であるN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含む。
【0024】
語句「噴霧乾燥」は、液体混合物を小型液滴に分解(霧化)すること、および液滴から溶媒を蒸発させる強力な駆動力がある噴霧乾燥装置において混合物から溶媒を急速に除去することを伴う。噴霧乾燥という語句は、慣用的および広義に使用される。噴霧乾燥プロセスおよび噴霧乾燥器機は、Perry,Robert H.,and Don W.Green(eds.).
Perry’s Chemical Engineers’ Handbook.New York:McGraw−Hill,2007(8
th edition)に一般的に記載されている。
【0025】
語句「治療有効量」または「治療量」は、治療の必要な哺乳動物に投与されたとき、本明細書に記載されている(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を治療または予防する、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つ以上の症状を軽減、改善、もしくは排除する、または(iii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つ以上の症状の発症を予防もしくは遅延するのに十分な、本明細書に記載されている化合物の量を意味する。そのような量に対応する化合物の量は、特定の化合物、疾患の状態および重篤度、治療の必要な哺乳動物の個性(例えば、体重)のような要因に応じて変わるが、いずれにしても当業者によって日常的に決定することができる。
【0026】
用語「治療する」または「治療」は、治療、予防、姑息、または防止的な手段を意味する。有益または有望な臨床結果には、検出可能または検出不能に関わらず、症状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の安定化した(すなわち、悪化していない)状態、疾患の進行の遅延または緩徐、疾患状態の改善または姑息、および寛解(一時的または完全な)が含まれるが、これらに限定されない。「治療」は、治療を受けない場合の予測生存率と比較して延長された生存率も意味し得る。治療の必要なものには、既に状態もしくは障害を有しているもの、ならびに状態もしくは障害を有する傾向のあるもの、または状態もしくは障害が予防されなければならないものが含まれる。
【0027】
固体分散体および薬学的組成物
本明細書において提供されるものは、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含む固体分散体である。
【0028】
固体分散体は、一般に、薬剤物質および分散ポリマーを適切な溶媒に溶解して供給溶液を形成し、次に供給溶液を噴霧乾燥して固体分散体を形成する(および溶媒除去する)ことによって調製される。噴霧乾燥は既知のプロセスである。噴霧乾燥は、一般に、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマーを適切な溶媒に溶解して、供給溶液を形成することによって実施される。供給溶液を、アトマイザーを介して乾燥チャンバーにポンプで送ることができる。供給溶液を、2流体超音波処理ノズル、圧力ノズル、回転ノズル、および2流体非超音波処理ノズルのような当該技術に既知の従来の方法により霧化することができる。次に、溶媒を乾燥チャンバーにおいて除去して、固体分散体を形成する。典型的な乾燥チャンバーは、強制空気、窒素、窒素濃縮空気、またはアルゴンのような高温ガスを使用して、粒子を乾燥する。乾燥チャンバーのサイズを調整して、粒子特性または処理量を達成することができる。
【0029】
固体分散体は、好ましくは従来の噴霧乾燥技術により調製されるが、溶融押出、凍結乾燥、回転蒸発、ドラム乾燥、または他の溶媒除去プロセスのような当該技術において既知の他の技術を使用することができる。
【0030】
一実施形態において、固体分散体を調製するプロセスであって、
(a)N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマーを、適切な溶媒に溶解することと、
(b)溶媒を蒸発させて、前記固体分散体を形成することと、
を含むプロセスが提供される。
更なる実施形態において、ステップ(b)での溶媒の蒸発は、噴霧乾燥、溶融押出、凍結乾燥、回転蒸発、ドラム乾燥、または他の溶媒除去プロセスにより実施される。
【0031】
特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、HPMCAS、およびHPMC、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、HPMCAS、およびHPMCから選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、CAP、HPMCAS Grade M、HPMC、およびこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、CAP、HPMCAS Grade M、およびHPMCから選択される。
【0032】
特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMCAS、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMCASから選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、CAP、およびHPMCAS Grade M、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、CAP、およびHPMCAS Grade Mから選択される。
【0033】
特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMC、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、CAP、およびHPMCから選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、CAP、およびHPMC、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、CAP、およびHPMCから選択される。
【0034】
特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、およびCAP、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー、HPMCP、およびCAPから選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、およびCAP、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VA、Eudragit(登録商標)L100、HPMCP H−55、およびCAPから選択される。
【0035】
特定の実施形態において、分散ポリマーはPVP−VAである。
【0036】
特定の実施形態において、分散ポリマーは、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマーである。特定の実施形態において、分散ポリマーはEudragit(登録商標)である。特定の実施形態において、分散ポリマーはEudragit(登録商標)L100である。
【0037】
特定の実施形態において、分散ポリマーはHPMCPである。特定の実施形態において、分散ポリマーはHPMCP H−55である。
【0038】
特定の実施形態において、分散ポリマーはCAPである。
【0039】
特定の実施形態において、分散ポリマーはHPMCASである。特定の実施形態において、分散ポリマーはHPMCAS Grade Mである。
【0040】
特定の実施形態において、分散ポリマーは、好ましくは中性または塩基性である。特定の実施形態において、分散ポリマーは、PVP−VAおよびHPMCから選択される。特定の実施形態において、分散ポリマーはHPMCである。
【0041】
適切な溶媒は、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマーの両方が適切な溶解度(1mg/mLを超える溶解度)を有する溶媒または溶媒の混合物である。溶媒の混合物は、固体分散体のそれぞれの成分(すなわち、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよび分散ポリマー)が所望の溶解度を得るために異なる溶媒を必要とする場合に使用することができる。溶媒は、150℃以下の沸点で揮発性であり得る。加えて、溶媒は、比較的低い毒性を有するべきであり、The International Committee on Harmonization(「ICH」)指針により許容されるレベルまで分散体から除去されるべきである。このレベルまでの溶媒の除去は、トレイ乾燥のような続く処理ステップを必要とする。適切な溶媒の例には、メタノール(「MeOH」)、エタノール(「EtOH」)、n−プロパノール、イソプロパノール(「IPA」)、およびブタノールのようなアルコール;アセトン、メチルエチルケトン(「MEK」)、およびメチルイソブチルケトンのようなケトン;酢酸エチル(「EA」)および酢酸プロピルのようなエステル;ならびにテトラヒドロフラン(「THF」)、アセトニトリル(「ACN」)、塩化メチレン、トルエン、および1,1,1−トリクロロエタンのような多様な他の溶媒が含まれるが、これらに限定されない。酢酸ジメチルまたはジメチルスルホキシド(「DMSO」)のような低揮発性溶媒を使用することができる。ポリマーおよびN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンが噴霧乾燥プロセスを実行可能なものにするために十分に可溶性がある限り、溶媒と水の混合物を使用することもできる。一般に、低可溶性薬剤の疎水性の性質に起因して、非水性溶媒を使用することができ、これは溶媒が約10重量%未満の水を含むことを意味する。
【0042】
特定の実施形態において、適切な溶媒は、MeOHおよびTHF、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、適切な溶媒は、約1:3のMeOH:THFの溶媒系である。特定の実施形態において、適切な溶媒は、1:3のMeOH:THFの溶媒系である。
【0043】
特定の実施形態において、適切な溶媒は、MeOH、THF、および水、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、適切な溶媒は、MeOH、THF、および水から選択される。特定の実施形態において、適切な溶媒は、約80:10:10のTHF:MeOH:水の溶媒系である。特定の実施形態において、適切な溶媒は、80:10:10のTHF:MeOH:水の溶媒系である。特定の実施形態において、適切な溶媒は、約82:8:10のTHF:MeOH:水の溶媒系である。特定の実施形態において、適切な溶媒は、82:8:10のTHF:MeOH:水の溶媒系である。特定の実施形態において、適切な溶媒は、約82.2:8.2:9.6のTHF:MeOH:水の溶媒系である。特定の実施形態において、適切な溶媒は、82.2:8.2:9.6のTHF:MeOH:水の溶媒系である。
【0044】
特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約0.1重量%〜約70重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して0.1重量%〜70重量%の範囲である。
【0045】
特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約1重量%〜約60重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して1重量%〜60重量%の範囲である。
【0046】
特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約5重量%〜約60重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して5重量%〜60重量%の範囲である。
【0047】
特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約55重量%〜約65重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して55重量%〜65重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約60重量%である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して60重量%である。
【0048】
特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約25重量%〜約35重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して25重量%〜35重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約30重量%である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して30重量%である。
【0049】
特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約45重量%〜約55重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して45重量%〜55重量%の範囲である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して約50重量%である。特定の実施形態において、固体分散体中のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの量は、分散ポリマーに対して50重量%である。
【0050】
特定の実施形態において、固体分散体は非晶質固体分散体である。
【0051】
別の実施形態は、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、分散ポリマーと、担体または賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。
【0052】
適切な担体および賦形剤は、当業者に良く知られており、例えばAnsel,Howard C.,et al.,
Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004;Gennaro,Alfonso R.,et al.
Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;およびRowe,Raymond C.
Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に記載されている。
【0053】
薬学的組成物は、緩衝剤、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、酸化防止剤、オペーキング剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、風味剤、希釈剤、および薬剤の洗練された体裁をもたらす他の既知の添加剤、すなわち、本明細書に記載されている化合物、またはその薬学的組成物、または薬学的生成物、すなわち医薬の製造における助剤(上記のAnsel;Gennaro;およびRoweを参照すること)のような1つ以上の追加の成分を含むこともできる。薬学的組成物の成分は、薬学的に許容されるべきである。
【0054】
特定の実施形態は、
(a)約1〜約70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約0.1〜約20重量%の崩壊剤と、
(c)約0.1〜約25重量%のosmogenと、
(d)約0.1〜約10重量%の滑剤と、
(e)約0.1〜約10重量%の滑沢剤と、
(f)約0.1〜約25重量%の結合剤/希釈剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)1〜70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)0.1〜20重量%の崩壊剤と、
(c)0.1〜25重量%のosmogenと、
(d)0.1〜10重量%の滑剤と、
(e)0.1〜10重量%の滑沢剤と、
(f)0.1〜25重量%の結合剤/希釈剤と、
を含む。
【0055】
特定の実施形態は、
(a)約25〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約5〜約15重量%の崩壊剤と、
(c)約15〜約25重量%のosmogenと、
(d)約0.1〜約3重量%の滑剤と、
(e)約0.1〜約3重量%の滑沢剤と、
(f)約10〜約25重量%の結合剤/希釈剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)25〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)5〜15重量%の崩壊剤と、
(c)15〜25重量%のosmogenと、
(d)0.1〜3重量%の滑剤と、
(e)0.1〜3重量%の滑沢剤と、
(f)10〜25重量%の結合剤/希釈剤と、
を含む。
【0056】
特定の実施形態は、
(a)約40〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約5〜約15重量%の崩壊剤と、
(c)約15〜約25重量%のosmogenと、
(d)約0.1〜約3重量%の滑剤と、
(e)約0.1〜約3重量%の滑沢剤と、
(f)約10〜約25重量%の結合剤/希釈剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)40〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)5〜15重量%の崩壊剤と、
(c)15〜25重量%のosmogenと、
(d)0.1〜3重量%の滑剤と、
(e)0.1〜3重量%の滑沢剤と、
(f)10〜25重量%の結合剤/希釈剤と、
を含む。
【0057】
特定の実施形態は、
(a)約1〜約70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約0.1〜約20重量%の崩壊剤と、
(c)約0.1〜約25重量%のosmogenと、
(d)約0.1〜約10重量%の滑剤と、
(e)約0.1〜約10重量%の滑沢剤と、
(f)約0.1〜約25重量%の充填剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)1〜70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)0.1〜20重量%の崩壊剤と、
(c)0.1〜25重量%のosmogenと、
(d)0.1〜10重量%の滑剤と、
(e)0.1〜10重量%の滑沢剤と、
(f)0.1〜25重量%の充填剤と、
を含む。
【0058】
特定の実施形態は、
(a)約25〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約1〜約10重量%の崩壊剤と、
(c)約15〜約25重量%のosmogenと、
(d)約0.1〜約3重量%の滑剤と、
(e)約0.1〜約3重量%の滑沢剤と、
(f)約10〜約25重量%の充填剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)25〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)1〜10重量%の崩壊剤と、
(c)15〜25重量%のosmogenと、
(d)0.1〜3重量%の滑剤と、
(e)0.1〜3重量%の滑沢剤と、
(f)10〜25重量%の充填剤と、
を含む。
【0059】
特定の実施形態は、
(a)約40〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約1〜約10重量%の崩壊剤と、
(c)約15〜約25重量%のosmogenと、
(d)約0.1〜約3重量%の滑剤と、
(e)約0.1〜約3重量%の滑沢剤と、
(f)約10〜約25重量%の充填剤と、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)40〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)1〜10重量%の崩壊剤と、
(c)15〜25重量%のosmogenと、
(d)0.1〜3重量%の滑剤と、
(e)0.1〜3重量%の滑沢剤と、
(f)10〜25重量%の充填剤と、
を含む。
【0060】
特定の実施形態において、osmogenは、NaClおよびKCl、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0061】
特定の実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0062】
特定の実施形態において、滑剤はコロイド二酸化ケイ素である。
【0063】
特定の実施形態において、結合剤/希釈剤は、微晶質セルロースである。 特定の実施形態において、結合剤/希釈剤は、結合剤と希釈剤の両方として作用する。
【0064】
特定の実施形態において、結合剤は、微晶質セルロースである。
【0065】
特定の実施形態において、希釈剤は、微晶質セルロースである。
【0066】
特定の実施形態において、充填剤はラクトースである。
【0067】
特定の実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンおよび重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)、ならびにこれらの混合物から選択される。特定の実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドンおよび重炭酸ナトリウムから選択される。特定の実施形態において、崩壊剤は重炭酸ナトリウムである。特定の実施形態において、崩壊剤はクロスポビドンである。
【0068】
特定の実施形態において、組成物は重炭酸ナトリウムを含有する。N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンは、加水分解または他の方法を介してゆっくりと分解してカルバメート不純物になり得る。
【化2】
。
重炭酸ナトリウムは、カルバメート不純物への分解を遅延することに役立つ。重炭酸ナトリウムは、錠剤が異なる湿度に曝露されたとき、一定した錠剤崩壊をもたらすことにも役立つ。
【0069】
特定の実施形態は、
(a)N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンと、
(b)重炭酸ナトリウムと、
を含む、薬学的組成物を提供する。
【0070】
特定の実施形態は、
(a)約1〜約70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約0.1〜約30重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)1〜70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)0.1〜30重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含む。
【0071】
特定の実施形態は、
(a)約1〜約70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約0.1〜約30重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含み、
(c)残りの重量が他の薬学的に許容される賦形剤および担体である、
薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)1〜70重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)0.1〜30重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
【0072】
特定の実施形態は、
(a)約25〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約0.1〜約15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)25〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)1〜15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含む。
【0073】
特定の実施形態は、
(a)約25〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約1〜約15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含み、
(c)残りの重量が他の薬学的に許容される賦形剤および担体である、
薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)25〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)1〜15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
【0074】
特定の実施形態は、
(a)約40〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約1〜約15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含む、薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)40〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)1〜15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含む。
【0075】
特定の実施形態は、
(a)約40〜約60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)約1〜約15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含み、
(c)残りの重量が他の薬学的に許容される賦形剤および担体である、
薬学的組成物を提供する。
更なる実施形態において、薬学的組成物は、
(a)40〜60重量%の、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの固体分散体と、
(b)1〜15重量%の重炭酸ナトリウムと、
を含み、
(c)残りの重量は、他の薬学的に許容される賦形剤および担体である。
【0076】
薬学的組成物は、好ましくは治療有効量のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含有する。しかし、幾つかの実施形態において、それぞれ個別の用量は、組成物の複数用量が必要になり得るように、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンの治療有効量の一部を含有する(例えば、2個以上の錠剤が治療有効量のために必要である)。したがって、本出願において、薬学的組成物が治療有効量を含有すると記載される場合、組成物は、1用量(例えば、1個の錠剤)または複数用量(例えば、2個の錠剤)であり得ることを意味する。特定の実施形態において、薬学的組成物は、1〜500mgのN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含有する。
【0077】
特定の実施形態において、薬学的組成物は、25〜400mgのN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含有する。
【0078】
特定の実施形態において、薬学的組成物は、100〜300mgのN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含有する。
【0079】
本明細書に記載されている薬学的組成物を、治療される状態に適した任意の都合の良い経路で投与することができる。適切な経路には、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、鞘内、および硬膜外を含む)、経皮、直腸内、径鼻、局所(頬側および舌下を含む)、眼内、膣内、腹腔内、肺臓内、ならびに鼻腔内が含まれる。非経口投与が望ましい場合、組成物は、無菌であり、注射または注入に適した液剤または懸濁剤の形態である。
【0080】
化合物を、任意の都合の良い投与形態、例えば、錠剤、粉末剤、カプセル剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、噴霧剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤などで投与することができる。
【0081】
本明細書に記載されている薬学的組成物は、典型的には経口投与される。本明細書に記載されている薬学的組成物は、典型的には錠剤、カプセル剤、硬もしくは軟ゼラチンカプセル剤、丸剤、顆粒剤、または懸濁剤として投与される。
【0082】
本発明の化合物による治療方法
また、提供されるものは、本明細書に記載されている薬学的組成物を投与して、疾患または状態を治療または予防する方法である。一実施形態において、ヒト患者は、本明細書に記載されている薬学的組成物により、ErbB2活性を阻害する量で治療される。一実施形態において、ヒト患者は、本明細書に記載されている薬学的組成物により、ErbB2活性を検出可能に阻害する量で治療される。
【0083】
別の実施形態において、哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法であって、本明細書に記載されている薬学的組成物を哺乳動物に投与することを含む方法が、提供される。
【0084】
特定の実施形態において、過剰増殖性疾患は癌である。
【0085】
別の実施形態において、癌を、そのような治療を必要とする哺乳動物において治療または予防する方法であって、該方法は、前記哺乳動物に本明細書に記載されている薬学的組成物を投与することを含む。癌は、乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、泌尿生殖器、食道、喉頭、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃、皮膚、角化棘細胞腫、肺、類表皮癌、大細胞癌、NSCLC、小細胞癌、肺腺癌、骨、結腸、腺腫、膵臓、 腺癌、甲状腺、濾胞性癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫 、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝癌および胆汁道、腎癌、骨髄性障害、リンパ性障害、毛様細胞、 頬側口腔および咽頭(口腔内)、唇、舌、口、咽頭、小腸、結腸直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系、ホジキン、ならびに白血病から選択される。別の実施形態は、癌の治療のための医薬の製造における、本明細書に記載されている薬学的組成物の使用を提供する。
【0086】
別の実施形態において、癌はErbB2陽性である。
【0087】
別の実施形態において、癌は、乳房、胃、胆道、結腸直腸、肺、NSCLC、膵臓、頭頸部、卵巣、子宮、および脳の癌から選択される。
【0088】
別の実施形態において、癌は、乳房、胃、胆道、結腸直腸、肺、NSCLC、膵臓、頭頸部、卵巣、および子宮の癌から選択される。
【0089】
別の実施形態において、癌は、乳房、胃、結腸直腸、肺、および卵巣の癌から選択される。
【0090】
別の実施形態において、癌は、乳房、卵巣、胃、および子宮の癌から選択される。
【0091】
別の実施形態において、癌は、乳房、胃、結腸直腸、NSCLC、および卵巣の癌から選択される。
【0092】
別の実施形態において、癌は、乳房、肺、膵臓、結腸直腸、および頭頸部の癌から選択される。
【0093】
別の実施形態において、癌は乳癌である。
【0094】
別の実施形態において、癌は胃癌である。
【0095】
別の実施形態において、癌は胆道癌である。
【0096】
別の実施形態において、癌は直腸結腸癌である。
【0097】
別の実施形態において、癌は肺癌である。
【0098】
別の実施形態において、癌はNSCLCである。
【0099】
別の実施形態において、癌は膵癌である。
【0100】
別の実施形態において、癌は頭頸部癌である。
【0101】
別の実施形態において、癌は卵巣癌である。
【0102】
別の実施形態において、癌は子宮癌である。
【0103】
別の実施形態において、癌は脳癌である。
【0104】
別の実施形態において、ErbB2により調節される疾患または障害を治療または予防する方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に本明細書に記載されている薬学的組成物の治療有効量を投与することを含む。そのような疾患および障害の例には、癌が含まれるが、これに限定されない。
【0105】
別の実施形態は、癌の治療のための医薬の製造における、本明細書に記載されている薬学的組成物の使用を提供する。
【0106】
別の実施形態は、疾患の治療のために、本明細書に記載されている固体分散体を提供する。更なる実施形態において、疾患は過剰増殖性疾患である。更なる実施形態において、過剰増殖性疾患は癌である。
【0107】
別の実施形態は、疾患の治療のために、本明細書に記載されている薬学的組成物を提供する。更なる実施形態において、疾患は過剰増殖性疾患である。更なる実施形態において、過剰増殖性疾患は癌である。
【実施例】
【0108】
例示の目的のために、以下の実施例が含まれる。しかし、これらの実施例は本発明を制限せず、本発明の実施方法を提案することのみが意図されることを理解するべきである。当業者は、記載される化学反応を本明細書に記載されている化合物の調製に容易に適用することができ、化合物を調製する代替的方法が本発明の範囲内であると認められることを認識する。例えば、本明細書に記載されている化合物の合成は、当業者にとって明白な変更により、例えば妨害基を適切に保護することにより、記載されているもの以外の当業者に既知の他の適切な試薬を利用することにより、および/または反応条件に日常的な変更を行うことにより、成功裏に実施することができる。あるいは、本明細書に記載されている、または当該技術において知られている他の反応が、本明細書に記載されている化合物の調製に提供可能であると認識される。当業者は、記載されている固体分散体および組成物を他の分散体および組成物の調製に容易に適合することができ、分散体および組成物、ならびに代替的組成物を調製する代替的方法が、本発明の範囲内であると認められることも認識する。
【0109】
実施例1
PVP−VAを使用する30%固体分散体
30重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびPVP−VAを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入口温度、35m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、19.6g(収率87.7%)の固体分散体を生じた。物理化学的分析の結果は表1である。XRPD走査を
図1に示す。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、検出可能なMeOHを有さないことを示した。
【0110】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図2である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ63.46μg/mLおよび245.05μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ52.50μg/mLおよび204.12μg/mL
*時間であった。
【0111】
実施例2
Eudragitを使用する30%固体分散体
30重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびEudragit L100を含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入口温度、35m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、18.6g(収率82.7%)の固体分散体を生じた。物理化学的分析の結果は表1である。XRPD走査を
図1に示す。残留溶媒分析は、分散体が約4.5%のTHFを有し、検出可能なMeOHを有さないことを示した。
【0112】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図3である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ22.70μg/mLおよび71.06μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ9.26μg/mLおよび35.49μg/mL
*時間であった。
【0113】
実施例3
HPMCPを使用する30%固体分散体
30重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびHPMCP H−55を含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入口温度、35m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、20.3g(収率90.3%)の固体分散体を生じた。物理化学的分析の結果は表1である。XRPD走査を
図1に示す。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、検出可能なMeOHを有さないことを示した。
【0114】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図4である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ25.00μg/mLおよび96.66μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ16.15μg/mLおよび56.81μg/mL
*時間であった。
【0115】
実施例4
CAPを使用する30%固体分散体
30重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびCAPを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、22mL/分の流速で100℃の入口温度、35m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、20.0g(収率90.4%)の固体分散体を生じた。物理化学的分析の結果は表1である。XRPD走査を
図1に示す。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、検出可能なMeOHを有さないことを示した。
【0116】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図5である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ11.62μg/mLおよび36.69μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ5.64μg/mLおよび20.58μg/mL
*時間であった。
【0117】
実施例5
HPMCASを使用する30%固体分散体
30重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびHPMCAS Grade Mを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、163.19mg(収率48.3%)の固体分散体を生じた。物理化学的分析の結果は表1である。XRPD走査を
図1に示す。残留溶媒分析は、分散体が0.5%未満のTHFを有し、検出可能なMeOHを有さないことを示した。
【0118】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図6である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ19.04μg/mLおよび68.09μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ13.50μg/mLおよび51.74μg/mL
*時間であった。
【表1】
【0119】
実施例6
PVP−VAを使用する60%固体分散体
60重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびPVP−VAを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、135.0mg(収率88.2%)の固体分散体を生じた。XRPD走査を
図7に示す。
【0120】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図8である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ34.80μg/mLおよび133.76μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ21.88μg/mLおよび84.43μg/mL
*時間であった。
【0121】
実施例7
Eudragitを使用する60%固体分散体
60重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびEudragit L100を含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、88.1mg(収率52.4%)の固体分散体を生じた。XRPD走査を
図7に示す。
【0122】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図9である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ26.82μg/mLおよび84.49μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ9.85μg/mLおよび34.89μg/mL
*時間であった。
【0123】
実施例8
HPMCPを使用する60%固体分散体
60重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびHPMCP H−55を含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、98.0mg(収率58.0%)の固体分散体を生じた。XRPD走査を
図7に示す。
【0124】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図10である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ32.21μg/mLおよび38.28μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ9.96μg/mLおよび38.28μg/mL
*時間であった。
【0125】
実施例9
CAPを使用する60%固体分散体
60重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびCAPを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、74.9mg(収率44.6%)の固体分散体を生じた。XRPD走査を
図7に示す。
【0126】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図11である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ51.98μg/mLおよび144.91μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ15.07μg/mLおよび59.69μg/mL
*時間であった。
【0127】
実施例10
HPMCASを使用する60%固体分散体
60重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびHPMCAS Grade Mを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、5%噴霧溶液濃度、35mL/分の流速で80℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、40℃で約16時間行った。噴霧乾燥は、113.3mg(収率67.2%)の固体分散体を生じた。XRPD走査を
図7に示す。
【0128】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。固体分散体をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。結果は
図12である。全ての薬剤種(コロイド+遊離)のCmaxおよびAUCは、それぞれ26.45μg/mLおよび96.21μg/mL
*時間であった。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ10.96μg/mLおよび42.83μg/mL
*時間であった。
【0129】
実施例11
PVP−PAを使用する50%固体分散体
50重量%のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンおよびPVP−VAを含有する固体分散体を、Buchi B−290小型噴霧乾燥機を使用して調製した。固体分散体を、MeOH:THF(1:3)溶媒系、3.9%噴霧溶液濃度、30mL/分の流速で100℃の入口温度、40m
3/時間の乾燥ガス流速、80psigのノズル圧、0.66m
3/時間のノズルガス流速、および1.5mmのノズル型によって噴霧乾燥した。次に、分散体の乾燥は、真空下、50℃で約72時間行った。噴霧乾燥は、28.7g(収率72.7%)の固体分散体を生じた。
【0130】
実施例12
N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミン遊離塩基ヘミエタノレート
ステップ1:(E)−N’−(2−シアノ−4−(3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)チオウレイド)フェニル)−N,N−ジメチルホルムイミドアミドを、酢酸イソプロピル:酢酸(65:35v/v)において45℃で4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルアニリンと結合させて、1−(4−((4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)アミノ)キナゾリン−6−イル)−3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)チオ尿素(91%)を生じた。
【0131】
ステップ2:1−(4−((4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)アミノ)キナゾリン−6−イル)−3−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)チオ尿素を、テトラヒドロフラン中、塩基性条件(2.5N NaOH)下で撹拌し、続いてp−トルエンスルホニルクロリドを加えた。水を投入して、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミン(96%)を、多形体の混合物(一般に、C型、G型ヘミTHF、G型モノTHF、M型、またはP型の1つ以上を含有する混合物)として生じた。
【0132】
ステップ3:ステップ2のN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを、エタノール中、65℃超で粉砕して、N4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンB型エタノール(89%)をもたらした。
【0133】
結晶質ヘミエタノレート(B型エタノール)のXRPD走査を、
図1および7に示す。
【0134】
溶解試験は、リン酸緩衝液においてpH6.5で実施した。結晶(粒子)をH
2Oに懸濁し、37℃で緩衝溶液に直接加えた。溶解プロフィールを、約240分間にわたって集めた。遊離薬剤種のCmaxおよびAUCは、それぞれ0.44μg/mLおよび5.49μg/mL
*時間であった。
【0135】
実施例13
薬学的組成物1
実施例1〜11のいずれかの固体分散体を含有する錠剤を、以下を含む従来の方法により調製することができる。
【表2A】
【0136】
1つの調製において、錠剤は、錠剤被覆としてOPADRY II 85F92727を3重量%で使用して作製した。錠剤は、150mgのAPIを含有した。
【0137】
実施例14
薬学的組成物2
実施例1〜11のいずれかの固体分散体を含有する錠剤を、以下を含む従来の方法により調製することができる。
【表3A】
【0138】
1つの調製において、錠剤は、錠剤被覆としてOPADRY II 85F92727を3重量%で使用して作製した。錠剤は、150mgのAPIを含有した。
【0139】
実施例15
薬学的組成物3
実施例1〜11のいずれかの固体分散体を含有する錠剤を、以下を含む従来の方法により調製することができる。
【表4A】
【0140】
1つの調製において、錠剤は、錠剤被覆としてOPADRY II 85F92727を3重量%で使用して作製した。錠剤は、150mgのAPIを含有した。
【0141】
実施例16
基準薬学的組成物−粉末カプセル剤
25mgまたは100mgのN4−(4−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イルオキシ)−3−メチルフェニル)−N6−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)キナゾリン−4,6−ジアミンを含有するPIC組成物を、実施例12において調製されたように調製した。PIC組成物を、サイズ00の白色不透明硬ゼラチンカプセル剤に調製した。
【0142】
溶解試験の比較は、実施例16の結晶質ヘミエタノレートPIC組成物を、実施例13の50%PVP−VA固体分散体(実施例11)の錠剤と、75rpmでUSP Apparatus IIを使用して、900mLの10mM酢酸緩衝液において37℃およびpH4.5で比較することによって実施した。 結果を
図13に示す。
【0143】
実施例17
安定性の審査
噴霧乾燥分散体の安定性の審査は、ガラスバイアルにおいて開放条件下、40℃、相対湿度75%で8日間かけて完了した。結果を表2に示す。
【表2】
【0144】
観察された主な分解物はカルバメート不純物であり、これらのポリマーのうちの幾つかが酸性であることに起因すると推定される。研究の期間にわたるXRPD分析は、実施例1〜4の固体分散体のいずれにも結晶化の証拠を示さなかった。
【0145】
実施例18
ビーグル犬におけるインビボ薬物動態
実施例1の固体分散体を、実施例12の結晶質微粉化懸濁製剤(d(v,0.9)=3.0μm)に対して、通常の絶食条件下、ならびにペンタガストリンまたはファモチジンによる前処理を伴って試験した。実施例1の固体分散体は、水中の懸濁剤として調製し、経口投与した。実施例12の微粉化懸濁剤は、水で再構成したSyrSpend(登録商標)SF Dryによる懸濁剤として調製し、経口投与した。変動を低くするため、ビーグル犬を、5日間の洗い出し期間の後、ペンタガストリンからファモチジンに交差させた。ペンタガストリンは、胃内pHを約2〜3に変更するpH変更剤であり、ファモチジンは、胃内pHを約5〜7.5に変更するpH変更剤である(Zhou,Rong,et al.“pH−Dependent Dissolution in Vitro and Absorption in Vivo of Weakly Basic Drugs:Development of a Canine Model.”
Pharm.Res.Vol.22,No.2(Feb.2005):pp.188−192)。一群あたり4匹のビーグル犬であった。A群は、ペンタガストリンの前処理、実施例12の微粉化懸濁剤、続いて5日間の洗い出し期間、次にファモチジンの前処理、最後に実施例12の微粉化懸濁剤を受けた。B群は、ペンタガストリンの前処理、実施例1の固体分散体、続いて5日間の洗い出し期間、次にファモチジンの前処理、最後に実施例1の固体分散体を受けた。C群は、実施例12の微粉化懸濁剤、続いて5日間の洗い出し期間、最後に実施例1の固体分散体を受けた。結果を表3に示す。
【表3】
【0146】
列挙された実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しないことが理解される。むしろ本発明は、特許請求の範囲により定義された本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替物、変更、および同等物を網羅することが意図される。したがって、前記の記載は、本発明の原理の例示のみとして考慮される。
【0147】
語「含む」および「含まれる」は、本明細書において、および以下の特許請求の範囲において使用されるとき、記述された特徴、整数、成分、またはステップの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、成分、ステップ、またはこれらの群の存在または追加を排除しないことが意図される。