(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
縮小レンズ部の後面と連結部材の前端との間に隙間を形成した状態で連結部材の前端部を固定する連結部材固定部が、第一部材の後面側に設けられた請求項1記載の遊技機の部材連結構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、遊技者等の観者に与える違和感を極力抑えながら、第一部材の透明部における連結部材と前後方向に重なる部位に形成され得る暗点を目立ちにくくすることが可能な遊技機の部材連結構造を提供するものである。また、この部材連結構造を用いて部材を連結した遊技機を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、
透明部を有する第一部材と第一部材の後側に配される第二部材とを不透明な連結部材を介して連結する遊技機の部材連結構造であって、
第一部材の透明部における連結部材と前後方向に重なる部位に、連結部材の像を縮小表示するための縮小レンズ部が設けられたことを特徴とする遊技機の部材連結構造
を提供することによって解決される。
【0007】
かかる構成にあっては、遊技者等の観者に連結部材を縮小して表示することが可能になる。このため、遊技者等の観者に与える違和感を極力抑えながら、第一部材の透明部における連結部材と前後方向に重なる部位に形成され得る暗点を目立ちにくくする(場合によっては、肉眼では視認できない程度に小さくする)ことが可能になる。
【0008】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造の具体例としては、縮小レンズ部の後面と連結部材の前端との間に隙間を形成した状態で連結部材の前端部を固定する連結部材固定部を、第一部材の後面側に設けることができる。
【0009】
かかる構成にあっては、上記の暗点をさらに小さくしてより目立ちにくくすることが可能になる。というのも、凹レンズ部等の縮小レンズ部は、その光学的な性質から、縮小レンズ部からその一側(後側)にある物体までの距離が遠くなれば遠くなるほど、その他側(前側)の観者には、当該物体の像が小さく見えるようになるからである。
【0010】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造において、連結部材固定部を設ける場合には、連結部材固定部を、第一部材と別体で形成することができる。
【0011】
かかる構成にあっては、連結部材の寸法・形状に変更があったときでも、第一部材の設計に変更を加えることなく、連結部材固定部の設計のみを変更することで対応することが可能になる。
【0012】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造の具体例としては、連結部材を、金属製の軸体とすることもできる。
【0013】
かかる構成にあっては、連結部材の強度を高めることができる。加えて、金属は、不透明であるため、連結部材が金属製とすると、本発明の部材連結構造の構成を採用する意義を深めることができる。
【0014】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造の具体例としては、連結部材を、固着具とし、縮小レンズ部を、第一部材と別体で且つ第一部材に対して嵌め込むことにより前記固着具を封止する封止部材に設けることもできる。
【0015】
かかる構成にあっては、以下のことが可能になる。すなわち、遊技機におけるネジやボルト等の固着具は、遊技機の不正な改造等を試みる者による不正アクセスの対象となりやすいところ、上記の構成を採用することにより、固着具を遊技機の不正な改造等を試みる者に見にくくすることができ、その固着具への不正アクセスを行いにくくすること(場合によっては、固着具の存在自体を知られないようにすること)が可能になる。
【0016】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造の具体例としては、第一部材を、その前面側に意匠が施された回転装飾体とし、第二部材を、モーターを備えた回転駆動機構部とし、連結部材を、モーターの回転力を第一部材に伝達する回転駆動軸とすることもできる。
【0017】
かかる構成にあっては、遊技者に対する視覚効果を高めるために設けられる装飾装置等における回転装飾体に生じ得る上記の暗点を目立ちにくくすることができ、本発明の構成を採用する意義が深めることができる。
【0018】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造の具体例としては、第一部材を、その前面側に意匠が施された装飾体とし、第二部材を、装飾体の後面側に配されて前方に光を照射する光源部材とし、連結部材を、装飾体を光源部材に固定するための固着具とすることもできる。
【0019】
かかる構成にあっては、遊技者に対する視覚効果を高めるために設けられる装飾装置等における装飾体に生じ得る上記の暗点を目立ちにくくすることができ、本発明の構成を採用する意義が深めることができる。
【0020】
また、本発明に係る遊技機の部材連結構造の具体例としては、第一部材を、電子基板の一面を覆う第一基板ケースとし、第二部材を、電子基板の他面を覆う第二基板ケースとし、連結部材を、第一基板ケースを第二基板ケースに固定するための固着具とすることもできる。
【0021】
かかる構成にあっては、以下のことが可能になる。すなわち、遊技機の筺体内には、メイン制御基板やサブ制御基板等、遊技機の各種制御を行うCPUやROM等が搭載された各種電子基板が収容されており、これらの電子基板は、遊技機の不正な改造等を試みる者の不正アクセスの対象となりやすいため、遊技機の各メーカーは、これらの電子基板を透明なケース(基板ケース)内に収容した状態で遊技機の筺体内に納めているところ、上記の構成を採用することにより、第一基板ケース(第一部材)と第二基板ケース(第二部材)とを固定する固着具を基板ケースの外部から見えにくくして、遊技機の不正改造を試みる者が固着具を取り外しにくく(基板ケースを開きにくく)することが可能になる。
【0022】
ところで、上記課題は、上記の部材連結構造を用いて第一部材と第二部材とを連結したことを特徴とする遊技機を提供することによっても解決される。
【0023】
かかる構成を遊技機における上記の装飾装置等で採用した場合には、上記の暗点が目立ちにくく外観品質に優れた遊技機を提供することが可能になる。一方、かかる構成を上記の封止部材等で採用した場合には、不正アクセスを行いにくく、不正改造がされにくい遊技機を提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の部材連結構造の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、説明の便宜上、本発明の部材連結構造を回胴式遊技機において採用する場合を例に挙げて説明するが、本発明の部材連結構造は、パチンコ遊技機等の他の遊技機においても採用することができる。
【0026】
1. 回胴式遊技機
図1は、回胴式遊技機10の正面図である。回胴式遊技機10は、
図1に示すように、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13,14,15と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー17等を備えたものとなっており、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール13,14,15の回転を開始するためのスタートレバー20と、リール13,14,15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン21,22,23と、演出を切り替えるためのチャンスボタン24と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25等を有するものとなっている。
【0027】
この回胴式遊技機10は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13,14,15が一斉に回転を開始し、ストップボタン21,22,23がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン21,22,23に対応するリール13,14,15の回転が停止していき、全てのリール13,14,15が停止したときにリール窓10b
1の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)に、その役に応じた枚数のメダルが払い出され、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、ホッパーユニット36(
図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。メダルのクレジット枚数は、メダルのクレジット枚数が上限値に達していないときに、メダル投入口11にメダルが投入される、又は、入賞によってメダルが払い出されると増加するようになっている。
【0028】
図2は、前扉10bを開いた状態の回胴式遊技機10を示した斜視図である。回胴式遊技機10は、
図2に示すように、前方が開放された箱状を為す筺体本体10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉10bとで構成された遊技機筺体の内部に各種の機器が収容されたものとなっている。本実施態様の回胴式遊技機10において、遊技機筺体の内部には、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33、コネクタユニット34、リールユニット35及びホッパーユニット36等が納められている。
【0029】
メイン制御基板ユニット30は、役抽選や入賞判定等、遊技における基本的な制御を行うメイン制御基板(電子基板)が格納されたユニットである。サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行うサブ制御基板(電子基板)が格納されたユニットである。液晶ユニット32は、液晶ディスプレイ16(
図1を参照)に表示される映像による演出に関する制御を行う映像基板(電子基板)が格納されたユニットである。電源ユニット33は、回胴式遊技機10における各機器に電力を供給する電源基板(電子基板)が格納されたユニットである。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する仲介基板(電子基板)が格納されたユニットである。リールユニット35は、リール13,14,15の回転をそれぞれ独立して制御するリール制御基板(電子基板)を備えたユニットである。ホッパーユニット36は、メダル投入口11(
図1を参照)に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板ユニット30からの信号に基づいてメダル払出口12(
図1を参照)へメダルを送出する制御を行うホッパー制御基板(電子基板)を備えたユニットである。
【0030】
これらのユニット30〜36における各種電子基板のうち、例えば、メイン制御基板ユニット30に格納されたメイン制御基板には、遊技機における基本的な制御を行うためのプログラムが記録された記憶装置(ROM)が搭載されている。この記憶装置が偽造されたものに交換されてしまうと、特定の操作を行うと必ず大当たりになるようにする等、悪意のある遊技者に不正な遊技を許してしまう。このため、本実施態様の回胴式遊技機においては、
図3に示すように、メイン制御基板ユニット30における電子基板(メイン制御基板30a)を基板ケース100の内部に収容したで封止した状態としている。
図3は、回胴式遊技機におけるメイン制御基板ユニット30を分解した状態を示した斜視図である。メイン制御基板30aには、CPUやROM等の電子機器が実装されるが、
図3においては、当該電子機器の図示を省略している。
【0031】
本実施態様の回胴式遊技機において、基板ケース100は、
図3に示すように、メイン制御基板30aの背面側を覆うベース部材110(第二基板ケース)と、メイン制御基板30aの前面側を覆うカバー部材120(第一基板ケース)とで構成している。カバー部材120は、ネジ130(固着具)によって、所定箇所をベース部材110に固定するようになっている。カバー部材120におけるネジ止めされる箇所は、穴状に窪んで形成された固定穴121となっており、固定穴121には、透明な封止部材122が嵌め込まれるようになっている(
図9を参照)。このため、封止部材122や、カバー部材120の本体部(固定穴121が設けられた部材)や、ベース部材110を破壊する等、封止部材122等に何らかの痕跡を残さない限りは、ネジ130を取り外して基板ケース100を開けることが極めて困難となっている。したがって、基板ケース100が不正に開けられた際には、その痕跡を見つけることで、基板ケース100が不正に開けられたことを回胴式遊技機の管理者側が発見できるようになっている。
【0032】
封止部材122は、固定穴121を封止できるものであればその形態を特に限定されないが、本実施態様の回胴式遊技機においては、
図3に示すように、固定穴121に挿入される筒状の固定穴挿入部122aと、固定穴挿入部122aの前端側の開口を塞ぐ蓋体部122bとで封止部材122を構成している。固定穴挿入部122aの外周部には、固定穴121の内周部に設けられた被係合部(図示省略)に係合させるための係合部(図示省略)が設けられており、この係合部と被係合部との係合を外さないと、封止部材122を固定穴121から取り外すことができないようになっている。蓋体部122bの外周部は、固定穴挿入部122aの外周面よりも外方に突出してフランジ状に設けられており、固定穴121の内周面と固定穴挿入部122aの外周面との隙間に、マイナスドライバー等の器具を挿し込むことができないようにしている。このため、封止部材122を固定穴121に一旦嵌め込むと、上記のように封止部材122等を破壊しない限りは、ネジ130を取り外すことができないようになっている。封止部材122は、透明であればその成形材料を特に限定されないが、本実施態様の回胴式遊技機においては、透明樹脂で成形している。
【0033】
基板ケース100におけるベース部材110やカバー部材120の成形材料は、特に限定されないが、通常、それに格納されている電子基板等が偽造品に交換されたり、それがこじ開けられたりしたような場合であっても、その痕跡をその外部から視認できるようにするために、透明樹脂が用いられる。本実施態様の回胴式遊技機において、ベース部材110とカバー部材120は、透明樹脂を射出成形したものとなっている。サブ制御基板ユニット31や液晶ユニット32等、電子基板を格納する他のユニットにおいても、メイン制御基板ユニット30と同様の封止構造(電子基板を基板ケースで封止する構造)が採用される。
【0034】
ところで、本実施態様の回胴式遊技機は、
図4に示す装飾装置200を備えたものとなっている。
図4は、回胴式遊技機における装飾装置200の動作を説明する正面図である。この装飾装置200は、遊技機筺体の前扉10bにおける上枠部の後面側であって、液晶ディスプレイ16の映像表示部よりも前方に位置する部分(
図1における破線部A)に設けられる。装飾装置200は、ベースユニット210と、回転装飾ユニット220と、左右一対の支持アーム230とで構成されている。
【0035】
ベースユニット210の左側及び右側には、
図4に示すように、左右一対のスライド孔210bが設けられている。それぞれのスライド孔210bには、それぞれの支持アーム230の基端部(上端部)が左右方向にスライド可能な状態で支持されており、それぞれの支持アーム230の基端部は、ベースユニット210に設けられた図示省略のモーター等の駆動手段により、その左右位置を変化させることができるようになっている。左側の支持アーム230の先端部と右側の支持アーム230の先端部は、回転装飾ユニット220を介して回動可能な状態で連結されている。
【0036】
このため、
図4(a)に示すように、左右一対の支持アーム230の基端部がスライド孔210bの外側の端部に位置する場合には、左右一対の支持アーム230が為す角度θが180°に近い状態となり、回転装飾ユニット220がベースユニット210の中央部における露出窓210aに嵌め込まれた状態(上側位置にある状態)となる一方、
図4(b)に示すように、左右一対の支持アーム230の基端部がスライド孔210bの外側の端部に位置する場合には、左右一対の支持アーム230が為す角度θが小さくなり、回転装飾ユニット220が、ベースユニット210の中央部下側に吊り下がった状態(下側位置にある状態)となるようになっている。
【0037】
回転装飾ユニット220の上下位置は、回胴式遊技機の遊技状態に応じて変化するようになっている。本実施態様の回胴式遊技機においては、通常遊技状態にあるときには、回転装飾ユニット220が上側位置になり、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な条件で遊技が進行する特別遊技状態にあるときには、回転装飾ユニット220が下側位置になるようになっている。回転装飾ユニット220は、上側位置と下側位置との間を往復動するようにしてもよい。
【0038】
回転装飾ユニット220は、
図5及び
図6に示すように、回転装飾体221と、回転装飾体221の後側に配された光源基板222(光源部材)と、光源基板222のさらに後側に配された回転駆動機構ユニット223と、回転装飾ユニット220の外周部を覆う装飾体ボディ224と、回転駆動機構部223で発生した回転力を回転装飾体221に伝達するための回転駆動軸225とで構成されている。
図5は、回胴式遊技機における回転装飾ユニット220をその回転中心線(回転駆動軸225の中心線)を含む平面で切断した状態を示した断面図である。
図6は、回胴式遊技機における回転装飾ユニット220を各部に分解した状態を示した斜視図である。回転駆動軸225には比較的大きなトルクが印加されるため、回転駆動軸225は、金属製の軸体としている。このため、回転駆動軸225は、不透明となっている。
【0039】
回転装飾体221は、その前面側に図示省略の意匠が立体的に施されたものとなっており、透明に形成された部分(透明部B:
図6における網掛けハッチングで示した部分)を少なくともその一部に有するものとなっている。このため、光源基板222の前面に設けられた光源222a(本実施態様の回胴式遊技機においてはLED)から前方へ光が出射されると、その出射光が透明部Bから回転装飾体221の前方へと照射され、回転装飾体221の前方に位置する観者(遊技者)には、回転装飾体221の透明部Bに施された意匠が明るく浮き上がって見えるようになっている。回転装飾体221の形態は、特に限定されないが、本実施態様の回胴式遊技機では、前面視円形を為す鍋蓋状としている。回転装飾体221には、不透明な部分を設けてもよい。
【0040】
光源部222aは、回胴式遊技機の遊技状態に応じて発光するように制御される。例えば、通常遊技状態にあるときには、光源部222aが発光せず、特別遊技状態にあるときには、光源部222aが発光するようにすることができる。光源部222aは、所定のサイクルで点滅するようにしてもよい。
【0041】
回転装飾体221の透明部Bにおける回転駆動軸225と前後方向に重なる部位は、回転駆動軸225の前端部に連結固定される。回転駆動軸225の前端部を回転装飾体221の透明部Bにおけるどの箇所に連結固定するかは特に限定されないが、本実施態様の回胴式遊技機においては、回転装飾体221の中心部(回転装飾体221を前方から見た場合の中心部)に連結固定している。一方、回転駆動軸225の後端側は、回転駆動機構部223における回転力出力部に連結固定される。本実施態様の回胴式遊技機において、回転駆動機構部223は、モーター223aと、モーター223aの出力軸の回転力を回転駆動軸225に伝達する歯車223b,223c,223d等の複数の動力伝達部材とを備えたものとなっており、回転駆動軸225の後端側を、歯車223dの中心部に歯車223dと一体的に回転する状態で設けたチャック部材223eに固定している。このため、モーター223aが駆動すると回転駆動軸225が回転し、回転装飾体221が回転駆動軸225を中心として回転するようになっている。
【0042】
回転装飾体221は、回胴式遊技機の遊技機に応じて回転するように制御される。本実施態様の回胴式遊技機においては、通常遊技状態にあるときには、回転装飾体221が回転せず、特別遊技状態にあるときには、回転装飾体221が回転するようになっている。回転装飾体221は、同一方向にのみ回転するようにしてもよいが、逆方向にも回転するようにしてもよい。また、順方向の回転と逆方向の回転とを所定のサイクルで切り替えるようにしてもよい。
【0043】
2.本発明の部材連結構造
本発明の部材連結構造は、上記の回胴式遊技機において好適に採用することができる。以下においては、装飾装置200における回転装飾ユニット220(
図5及び
図6を参照)で採用する場合(第一実施態様の部材連結構造)と、メイン制御基板ユニット30の基板ケース100(
図3を参照)で採用する場合(第二実施態様の部材連結構造)とを例に挙げて、本発明の部材連結構造を説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施態様に限定されることなく、他の種類の部材を連結する場合にも採用することができる。
【0044】
2.1 第一実施態様の部材連結構造
まず、第一実施態様の部材連結構造について説明する。本発明の部材連結構造は、透明部を有する第一部材と第一部材の後側に配される第二部材とを不透明な連結部材を介して連結するためのものであるところ、第一実施態様の部材連結構造においては、上記の装飾装置200の回転装飾ユニット220における回転装飾体221が第一部材に相当し、同回転装飾ユニット220における回転駆動機構部223が第二部材に相当し、同回転装飾ユニット220における回転駆動軸225が連結部材に相当するようになっている。
【0045】
図7は、
図5における回転駆動軸225の前端部周辺を拡大した状態を示した断面図である。第一実施態様の部材連結構造においては、
図7に示すように、回転装飾体221の透明部Bにおける回転駆動軸225と前後方向に重なる部位(回転装飾体221の中心部)に、縮小レンズ部221aが設けられている。この縮小レンズ部221aは、その前面側が凹面状に形成された凹レンズとなっており、その後側にある物体(回転駆動軸225の前端部)を、その前側の観者(遊技者)に縮小して表示するものとなっている。このため、回転装飾体221の前面に形成され得る暗点(
図5の光源222aを出射した光が回転駆動軸225で遮られることによって形成される暗点)を小さくし、遊技者に与える違和感を抑えることが可能となっている。
【0046】
縮小レンズ部221aは、上記の縮小作用を発揮できるものであれば特に限定されず、その焦点距離を特に限定されるものではない。しかし、縮小レンズ部221aの焦点距離を短くするためには、縮小レンズ部221aの凹面の曲率半径を小さくする必要があるため、縮小レンズ部221aの焦点距離を短くしすぎると、縮小レンズ部221aの成形が困難になる虞がある。一方、縮小レンズ部221aの焦点距離を長くしすぎると、縮小レンズ部221aによる縮小作用が限定的になってしまう。このため、縮小レンズ部221aの焦点距離は、縮小レンズ部221aによる縮小作用と縮小レンズ部221aの成形しやすさ等を考慮して適宜決定する。
【0047】
回転駆動軸225の前端は、縮小レンズ部221aの後面に密着させてもよいが、第一実施態様の部材連結構造においては、縮小レンズ部221aの後面と回転駆動軸225の前端との間に隙間D(
図7)を設けている。凹レンズ等からなる縮小レンズ部221aは、縮小レンズ部221aからその後側にある回転駆動軸225の前端までの距離が遠くなれば遠くなるほど、その前側の遊技者には、回転駆動軸225の前端の像が小さく見えるようになるところ、上記の隙間Dを設けることによって、上記の暗点をさらに小さくすることが可能となっている。
【0048】
回転駆動軸225の前端と縮小レンズ部221aの後面との間の隙間Dの幅W(
図7)は、特に限定されないが、隙間Dの幅Wを狭くしすぎると、縮小レンズ部221aによる暗点の縮小作用が限定的になってしまう。一方、隙間Dの幅Wを広くしすぎると、必然的に、回転装飾ユニット220の前後長を長く確保する必要が生じる。このため、隙間Dの幅Wは、縮小レンズ部221aによる縮小作用と回転装飾ユニット220の寸法等を考慮して適宜決定する。
【0049】
縮小レンズ部221の後面と回転駆動軸225の前端との間に隙間Dを設ける手段は、特に限定されないが、第一実施態様の部材連結構造においては、回転装飾体221の中心部付近の後面側に設けられた回転駆動軸固定部221b(連結部材固定部)に対して回転駆動軸225の前端部を固定することで、隙間Dを設けている。回転駆動軸固定部221bは、回転装飾体221の本体部(透明部Bが設けられた部分)と一体に形成してもよいが、第一実施態様の部材連結構造において、回転駆動軸固定部221bは、回転装飾体221の本体部とは別体としており、回転装飾体221の本体部に対して回転できない状態で一体的に固定するようにしている。このため、回転駆動軸225の寸法・形状に変更等があったときには、回転装飾体221の設計に変更を加えることなく、回転駆動軸固定部221bの設計のみを変更することで対応することができるようになっている。
【0050】
回転駆動軸固定部221bは、回転装飾体221の透明部Bと同様、透明な素材で形成されている。回転駆動軸固定部221bの具体的な形態は、上記の効果を奏することができるのであれば特に限定されない。第一実施態様の部材連結構造において、回転駆動軸固定部221bは、
図8に示すように、前後方向の貫通孔が設けられた中心部221b
1と、中心部221b
1から外方に突出した複数の突片部221b
2とで構成しており、その突片部221b
1の前面側に形成された突起(
図5を参照)を回転装飾体221の本体部の後面に設けた凹部に嵌め込むことで、回転装飾体221の本体部に固定するようにしている。
図8は、回転装飾ユニット220における回転装飾体221と回転駆動軸225とを後方から見た状態を示した斜視図である。回転駆動軸225の前端部は、回転駆動軸固定部221bの中心部221b
1における上記貫通孔に挿入された状態で把持固定されるようになっている。
【0051】
以上では、装飾装置200の回転装飾ユニット220における回転駆動機構部223に対して回転装飾体221を固定(連結)する場合について説明したが、第一実施態様の部材連結構造で説明した構成は、他の装飾装置においても好適に採用することができる。例えば、その前面側に意匠が施された装飾体(第一部材)と、当該装飾体の後面側に配されて前方に光を照射する光源部材(第二部材)とを、ネジ等の固着具(連結部材)を用いて固定(連結)する装飾装置(回転駆動機構部を備えない装飾装置)等にも好適に採用することができる。この種の装飾装置においても、装飾体における固着具と前後方向に重なる位置に暗点が形成され得るため、上記の構成を採用する意義があるからである。
【0052】
2.2 第二実施態様の部材連結構造
続いて、第二実施態様の部材連結構造について説明する。本発明の部材連結構造は、既に述べた通り、透明部を有する第一部材と第一部材の後側に配される第二部材とを不透明な連結部材を介して連結するためのものであるところ、第二実施態様の部材連結構造においては、上記のメイン制御基板ユニット30の基板ケース100におけるカバー部材120(第一基板ケース)が第一部材に相当し、同基板ケース100におけるベース部材110(第二基板ケース)が第二部材に相当し、カバー部材120をベース部材110に固定するためのネジ130(固着具)が連結部材に相当するようになっている。
【0053】
図9は、基板ケース100のカバー部材120における固定穴121を封止部材122で封止した状態を固定穴121の中心線を含む平面で切断した状態を拡大して示した断面図である。第二実施態様の部材連結構造においては、
図9に示すように、カバー部材120の透明部(第二実施態様の部材連結構造では、カバー部材120の略全体が透明に形成されている。)におけるネジ130と前後方向に重なる部位(封止部材122における蓋体部122bの中心部)に、縮小レンズ部122cが設けられている。この縮小レンズ部122cは、上述した第一実施態様の部材連結構造における縮小レンズ部221aと同様、その前面側が凹面状に形成された凹レンズとなっており、その後側にある物体(ネジ130の前端部)を、その前側の観者(ネジ130を不正に取り外そうとする者等)に縮小して表示するものとなっている。このため、ネジ130を不正に取り外そうとする者にネジ130を見えにくくする(場合によっては、肉眼では視認できないようにする)ことで、そのような不正を防止することが可能となっている。
【0054】
縮小レンズ部122cの焦点距離や、縮小レンズ部122cの後面からボルト130の前端との隙間の幅等、第二実施態様の部材連結構造において特に言及しない構成については、上記の第一実施態様の部材連結構造で説明した構成と同様の構成を採用することができる。ただし、第一実施態様の部材連結構造においては、回転駆動軸固定部221bを設けることで、縮小レンズ部221aの後面と回転駆動軸221bの前端との隙間Dの幅Wを適切な範囲に設定したが、第二実施態様の部材連結構造では、固定穴121の深さ、及び、封止部材122における固定穴挿入部122aの高さ(前後長)を適切に設定することで、縮小レンズ部122cの後面からボルト130の前端との隙間の幅を適切な範囲に設定するようにしている。
【0055】
以上では、メイン制御基板ユニット30の基板ケース100におけるベース部材110に対してカバー部材120を固定(連結)する場合について説明したが、第二実施態様の部材連結構造で説明した構成は、サブ制御基板ユニット31や液晶ユニット32等の他のユニットの基板ケース100においても好適に採用することができる。これらのユニットにおける基板ケース100も、メイン制御基板ユニット30の基板ケース100と同様、回胴式遊技機の不正な改造を試みる者のアクセス対象となる可能性があるからである。
【0056】
3. その他
本明細書において、「縮小レンズ部」とは、その一側(後側)にある物体をその他側(前側)の観者に縮小して表示するレンズ部のことを意味している。縮小レンズ部としては、凹レンズ等が例示される。縮小レンズ部は、その片面側のみに凹面を有するものであってもよいし、その両面側に凹面を有するものであってもよい。
【課題】遊技者等の観者に与える違和感を極力抑えながら、第一部材の透明部における連結部材と前後方向に重なる部位に形成され得る黒点を目立ちにくくすることが可能な遊技機の部材連結構造を提供する。
【解決手段】透明部Bを有する回転装飾体221(第一部材)を不透明な回転駆動軸225(連結部材)を介して回転駆動機構部(第二部材)に連結する遊技機の部材連結構造において、回転装飾体221の透明部Bにおける回転駆動軸225と前後方向に重なる部位に、回転駆動軸225の像を縮小表示するための縮小レンズ部221aを設けた。