特許第5944605号(P5944605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5944605販売促進支援装置及び販売促進の支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5944605
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】販売促進支援装置及び販売促進の支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160621BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20160621BHJP
【FI】
   G06Q30/02 350
   G06Q30/06 330
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-15450(P2016-15450)
(22)【出願日】2016年1月29日
(62)【分割の表示】特願2015-183702(P2015-183702)の分割
【原出願日】2015年9月17日
【審査請求日】2016年2月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500165795
【氏名又は名称】ネットパイロティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117592
【弁理士】
【氏名又は名称】土生 哲也
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 公一朗
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−108824(JP,A)
【文献】 特開平11−66160(JP,A)
【文献】 特開平9−245085(JP,A)
【文献】 特開2004−185147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーを選択することによって商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進支援装置であって、
販売対象となる商品又はサービスを、前記商品又はサービスが属するカテゴリーと関連づけた商品情報を格納する商品情報格納手段と、
販売対象となる商品又はサービス毎に集計された顧客の選好度を数値化した前記顧客の商品又はサービスに対する選好度を把握するために用いられるポイントを、顧客毎のポイント情報として格納するポイント情報格納手段と、
顧客が商品又はサービスを購入又は選択した情報を受け付けると、前記商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスを前記商品情報格納手段に格納された商品情報から特定し、前記商品又はサービス及び前記商品又はサービスの属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに加算するポイントを所定の条件に基づいて決定して、決定したポイントを加算して前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新するポイント情報更新手段と、
を備えることを特徴とする販売促進支援装置。
【請求項2】
前記商品情報格納手段に格納される商品情報には、各々の商品又はサービスに複数レイヤーに階層化されたカテゴリーが関連付けられていて、
前記ポイント情報更新手段は、購入又は選択された商品又はサービスと同一のカテゴリーのうち、下位レイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービスには、前記下位レイヤーのカテゴリーには属さず、前記下位レイヤーより上位の階層にある上位レイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービスに比べ、より選好度が強いことを示すポイントを加算して、前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新すること
を特徴とする請求項1記載の販売促進支援装置。
【請求項3】
前記ポイント情報更新手段は、購入又は選択された商品又はサービスが属する最下位のレイヤーのカテゴリーに属する前記購入又は選択された商品又はサービス以外の全ての商品又はサービスには同一のポイントを加算し、前記最下位のレイヤーのカテゴリーより1階層上位のレイヤーにあるカテゴリーに属する前記最下位のレイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービス以外の全ての商品又はサービスには、前記最下位のレイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービスに加算したポイントより選好度が弱いことを示す同一のポイントを加算して、前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新すること
を特徴とする請求項2記載の販売促進支援装置。
【請求項4】
前記ポイント情報更新手段は、購入又は選択された商品又はサービスには、前記購入又は選択された商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する他の商品又はサービスに比べ、最も選好度が強いことを示すポイントを加算して、前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新すること
を特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の販売促進支援装置。
【請求項5】
顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーを選択することによって商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進の支援方法であって、
販売対象となる商品又はサービスを、前記商品又はサービスが属するカテゴリーと関連づけた商品情報を格納する商品情報格納手段と、販売対象となる商品又はサービス毎に集計された顧客の選好度を数値化した前記顧客の商品又はサービスに対する選好度を把握するために用いられるポイントを、顧客毎のポイント情報として格納するポイント情報格納手段とを備えた販売促進支援装置が、顧客が商品又はサービスを購入又は選択した情報を受け付けると、前記商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスを前記商品情報格納手段に格納された商品情報から特定し、前記商品又はサービス及び前記商品又はサービスの属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに加算するポイントを所定の条件に基づいて決定して、決定したポイントを加算して前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新すること
を特徴とする販売促進の支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーの選択、あるいは顧客が選好する商品又はサービスの選択により、商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進支援装置及び販売促進の支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドラッグストア等の店舗では、来店した顧客に商品の販売を促進するために、店舗内にタッチパネル等で操作する端末を設置し、会員カード等から顧客の識別情報を読み取ると、過去の購買履歴等から判断した顧客の選好する商品を選択して、割引価格での購入が可能になるクーポン等の情報を提示することによって、おすすめ商品をレコメンドするシステム(例えば、特許文献1参照)が利用されるようになっている。
【0003】
こうした商品のレコメンドシステムにおいては、顧客が選好する商品をどのように選択するかが課題になるが、例えば、顧客がある商品を選択すると、その商品と機能、性能、価格等が類似する他の商品を選択してレコメンドする方法(例えば、特許文献2参照)や、顧客が最近購入した商品と関連性の高い商品を選択してレコメンドする方法(例えば、特許文献3参照)などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−181272号公報
【特許文献2】特開2009−181415号公報
【特許文献3】特開2013−152681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、顧客にレコメンドする商品の選択には様々な方法が提案されているが、類似する商品や他の商品との関連性といった商品を提供する側の定義付けに基づいて商品をレコメンドする方法による場合には、定義付けが適切にされていないと、必ずしも顧客の嗜好に合致していない商品が選択されてしまうおそれがある。顧客の嗜好を正確に把握するためには、できるだけ商品を提供する側による主観的な判断を排して、顧客の購入履歴など顧客側から得た客観性の高い情報を有効に活かしながら、レコメンドする商品を選択する方法が求められるところである。
【0006】
また、顧客へのレコメンドは、直接個別の商品を選択する方法に限られるものではなく、まずは顧客が選好する商品のカテゴリーを提示し、顧客の選択によって絞り込まれたカテゴリーの中からレコメンドする商品を選択する方法とすることもできるが、こうした方法を実現するためには、顧客の選好するカテゴリーを選択する技術が求められることになる。
【0007】
さらに、こうしたレコメンドシステムは店舗内等において速やかなレスポンスが求められるサービスに用いられるため、レコメンドする商品を選択するロジックがあまりに複雑化して、システムに過度の負荷がかかるものとなることは望ましくない。顧客の反応を高めるよう運用上の調整を行いやすくするためにも、できるだけシンプルなロジックに基づいたレコメンドシステムを構築することが好ましい。
【0008】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、効果的的かつ効率的な顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーの選択、あるいは顧客が選好する商品又はサービスの選択を実現することによって、商品又はサービスの販売促進の支援に資する販売促進支援装置及び販売促進の支援方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明に係る販売促進支援装置では、販売対象となる商品やサービスに対する顧客の選好度をポイントとして数値化して、ある商品等が購入又は選択されるとその商品等にポイントを加算するが、購入又は選択された商品等のみでなく、その商品等が属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する他の商品等にも所定のポイントを加算するよう構成する。これによって、商品等そのものだけでなく、商品等のカテゴリーに対する嗜好も反映した商品等に対する顧客の選好度を把握することが可能になるが、このポイントを基準に、顧客に提示すべきカテゴリーや商品等を選択するよう構成すれば、効果的かつ効率的な商品等のレコメンドが実現される。
【0010】
本発明は、顧客毎に集計されたポイントを基準にして、顧客に提示すべきカテゴリーを選択する第1の発明、及び顧客に提示すべき商品等を選択する第2の発明として特定することができるが、第1の発明については、選択された複数のカテゴリーから顧客が一のカテゴリーを選択すると、そのカテゴリーの中から顧客に提示すべき商品等を選択するよう構成することも可能である。
【0011】
すなわち、第1の発明は、顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーを選択することによって商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進支援装置であって、販売対象となる商品又はサービスを、前記商品又はサービスが属するカテゴリーと関連づけた商品情報を格納する商品情報格納手段と、販売対象となる商品又はサービス毎に集計された顧客の選好度を数値化したポイントを、顧客毎のポイント情報として格納するポイント情報格納手段と、顧客が商品又はサービスを購入又は選択した情報を受け付けると、前記商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスを前記商品情報格納手段に格納された商品情報から特定し、前記商品又はサービス及び前記商品又はサービスの属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに加算するポイントを所定の条件に基づいて決定して、決定したポイントを加算して前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新するポイント情報更新手段と、顧客の識別情報を受け付けると、前記ポイント情報格納手段に格納された前記顧客のポイント情報に基づいて、前記顧客が選好する一又は二以上の商品又はサービスのカテゴリーを選択するカテゴリー選択手段と、を備えることを特徴とする販売促進支援装置である。
【0012】
第1の発明は、顧客が選択したカテゴリーに関する情報を受け付けると、前記ポイント情報格納手段に格納された前記顧客のポイント情報に基づいて、前記カテゴリーに属する商品又はサービスから、顧客が選好する一又は二以上の商品又はサービスを選択するカテゴリー内商品選択手段を備えることを特徴とすることもできる。
【0013】
第2の発明は、顧客が選好する商品又はサービスを選択することによって商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進支援装置であって、販売対象となる商品又はサービスを、前記商品又はサービスが属するカテゴリーと関連づけた商品情報を格納する商品情報格納手段と、販売対象となる商品又はサービス毎に集計された顧客の選好度を数値化したポイントを、顧客毎のポイント情報として格納するポイント情報格納手段と、顧客が商品又はサービスを購入又は選択した情報を受け付けると、前記商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスを前記商品情報格納手段に格納された商品情報から特定し、前記商品又はサービス及び前記商品又はサービスの属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに加算するポイントを所定の条件に基づいて決定して、決定したポイントを加算して前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新するポイント情報更新手段と、顧客の識別情報を受け付けると、前記ポイント情報格納手段に格納された前記顧客のポイント情報に基づいて、前記顧客が選好する一又は二以上の商品又はサービスを選択する商品選択手段と、を備えることを特徴とする販売促進支援装置である。
【0014】
尚、本発明は、顧客に販売する対象となり得るものであれば、有形の商品のみでなく無形のサービスも対象にすることができる。また、ポイントの加算は、商品等が販売されたことを基準に行うこととすればよいが、実際に商品等が販売されたか否かに関わらず、例えば割引価格での購入が可能になるクーポン券の発行など、顧客が特定の商品等を選択する操作を行った場合にも、それをもって顧客の選好が示されたと判断して、所定のポイントを加算することとしてもよい。
【0015】
また、本発明は、前記商品情報格納手段に格納される商品情報には、各々の商品又はサービスに複数レイヤーに階層化されたカテゴリーが関連付けられていて、前記ポイント情報更新手段は、購入又は選択された商品又はサービスと同一のカテゴリーのうち、下位レイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービスには、前記下位レイヤーのカテゴリーには属さず、前記下位レイヤーより上位の階層にある上位レイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービスに比べ、より選好度が強いことを示すポイントを加算して、前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新することを特徴とすることもできる。
【0016】
前記ポイント情報更新手段は、購入又は選択された商品又はサービスが属する最下位のレイヤーのカテゴリーに属する前記購入又は選択された商品又はサービス以外の全ての商品又はサービスには同一のポイントを加算し、前記最下位のレイヤーのカテゴリーより1階層上位のレイヤーにあるカテゴリーに属する前記最下位のレイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービス以外の全ての商品又はサービスには、前記最下位のレイヤーのカテゴリーに属する商品又はサービスに加算したポイントより選好度が弱いことを示す同一のポイントを加算して、前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新することを特徴としてもよい。
【0017】
このように、商品等のカテゴリーを複数レイヤーに階層化して、購入又は選択された商品等と同一のカテゴリーに属する商品等であっても、下位レイヤーのカテゴリーが共通する商品等ほど、より選好度が強いことを示すポイントを加算するよう構成すれば、顧客の嗜好をよりきめ細かく反映したポイントによる評価が可能になる。尚、この場合には、最下位のレイヤーのカテゴリーに社会通念上代替可能な商品のカテゴリーを設定することによって、顧客に購入又は選択された商品等と代替可能な商品等に最も高いポイントが加算されることになり、顧客の嗜好がより適切にポイントに反映されることになる。また、顧客に購入又は選択された商品等と関連性の低い商品等に選好度が強いことを示すポイントが加算されることを防ぐためには、関連性の低い商品等をグループ化した「その他」のカテゴリーを設けないことが好ましい。
【0018】
さらに本発明は、前記ポイント情報更新手段は、購入又は選択された商品又はサービスには、前記購入又は選択された商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する他の商品又はサービスに比べ、最も選好度が強いことを示すポイントを加算して、前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新することを特徴とすることもできる。
【0019】
このように構成すると、同じカテゴリーに属する商品等の中でも、顧客が特にどの商品等を選好しているかをポイントに反映することが可能になり、個々の商品等をレコメンドするのに効果的となる。
【0020】
また、本発明は、本発明に係る販売促進支援装置によって実行される、販売促進の支援方法に関する発明として特定することもできる。
【0021】
すなわち、第1の発明に対応する販売促進の支援方法に関する発明は、顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーを選択することによって商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進の支援方法であって、販売対象となる商品又はサービスを、前記商品又はサービスが属するカテゴリーと関連づけた商品情報を格納する商品情報格納手段と、販売対象となる商品又はサービス毎に集計された顧客の選好度を数値化したポイントを、顧客毎のポイント情報として格納するポイント情報格納手段とを備えた販売促進支援装置が、顧客が商品又はサービスを購入又は選択した情報を受け付けると、前記商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスを前記商品情報格納手段に格納された商品情報から特定し、前記商品又はサービス及び前記商品又はサービスの属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに加算するポイントを所定の条件に基づいて決定して、決定したポイントを加算して前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新するポイント情報更新ステップと、前記販売促進支援装置が、顧客の識別情報を受け付けると、前記ポイント情報格納手段に格納された前記顧客のポイント情報に基づいて、前記顧客が選好する一又は二以上の商品又はサービスのカテゴリーを選択するカテゴリー選択ステップと、を有することを特徴とする販売促進の支援方法である。
【0022】
第2の発明に対応する販売促進の支援方法に関する発明は、顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーを選択することによって商品又はサービスの販売促進を支援する販売促進の支援方法であって、販売対象となる商品又はサービスを、前記商品又はサービスが属するカテゴリーと関連づけた商品情報を格納する商品情報格納手段と、販売対象となる商品又はサービス毎に集計された顧客の選好度を数値化したポイントを、顧客毎のポイント情報として格納するポイント情報格納手段とを備えた販売促進支援装置が、顧客が商品又はサービスを購入又は選択した情報を受け付けると、前記商品又はサービスと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスを前記商品情報格納手段に格納された商品情報から特定し、前記商品又はサービス及び前記商品又はサービスの属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する商品又はサービスに加算するポイントを所定の条件に基づいて決定して、決定したポイントを加算して前記ポイント情報格納手段に格納されたポイント情報を更新するポイント情報更新ステップと、前記販売促進支援装置が、顧客の識別情報を受け付けると、前記ポイント情報格納手段に格納された前記顧客のポイント情報に基づいて、前記顧客が選好する一又は二以上の商品又はサービスを選択する商品選択ステップと、を有することを特徴とする販売促進の支援方法である。
【0023】
また、本発明に係る販売促進の支援方法に関する発明は、先に説明した本発明に係る販売促進支援装置の各々の構成に対応した、販売促進の支援方法に関する発明として特定することもできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、カテゴリーの概念を用いた比較的シンプルなロジックに基づいて、効果的的かつ効率的な顧客が選好する商品又はサービスのカテゴリーの選択、あるいは顧客が選好する商品又はサービスの選択が実現されるので、これを商品又はサービスのレコメンドに用いることによって、商品又はサービスの販売促進に資することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態の概要を示す図である。
図2】本発明において顧客が操作する端末に表示されるカテゴリー選択画面の一例を示す図である。
図3】本発明において顧客が操作する端末に表示されるクーポン選択画面の一例を示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態の概要を示す図である。
図5】本発明に係る販売促進支援装置の第1の実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
図6】本発明における商品のカテゴリーを示すツリーと、ポイント加算方法の一例を示す図である。
図7】本発明におけるカテゴリー選択時のカテゴリー別ポイントの集計方法の一例を示す図である。
図8】本発明において商品購入時にポイントを加算する処理フローを示すフローチャートである。
図9】本発明においてカテゴリー選択画面を送信する処理フローを示すフローチャートである。
図10】本発明においてクーポン選択画面を送信する処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下においては、主として、本発明に係る販売促進支援装置を店舗内に設置される端末と接続して、商品を割引価格での購入できるクーポンの発行に用いる例について説明するが、これは本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明は以下に説明する実施形態に示す構成に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態の概要を示したものである。図1では、店内端末やレジ端末と接続された販売促進支援サーバが、本発明に係る販売促進支援装置に対応する。販売促進支援サーバに設けられるデータベースには、販売対象となる商品を識別する商品コードに対して、顧客の各々の商品の選好度を数値化したポイントが、顧客毎のポイント情報として格納されている。
【0028】
商品の購入時に、顧客がどのような商品を購入したかを示す購入データがレジ端末から送信されると、販売促進支援サーバでは購入した商品とその商品に関連する商品に、所定のルールに基づいてポイントを加算して、データベースのポイント情報を更新する。ここで本発明においては、購入した商品とあわせて、購入した商品と同一のカテゴリーに属する商品にも所定のポイントが加算されることを特徴としている。尚、こうしたポイント情報の更新は、レジ端末から送信された購入データを直接受信してリアルタイムで実行するものではなく、他のデータベースに蓄積された購入データを、所定のタイミングで販売促進支援サーバから呼び出すこととしてもよい。
【0029】
店舗に来店した顧客が店内端末を操作して、会員カードから読み取った顧客のIDを販売促進支援サーバに送信すると、データベースに格納されたポイント情報から、所定のルールに基づいて顧客が選好する商品のカテゴリーが選択され、図2に例示したような顧客が選択可能なカテゴリーのボタンが配置されたカテゴリーの選択画面が、店内端末に表示される。ここでカテゴリー選択画面に表示するカテゴリーの選択は、例えば、カテゴリーに属する商品のうちポイントが上位の所定件数分の商品に蓄積されたポイントを合計して、合計ポイントの高いカテゴリーを選択することとすればよい。こうしたカテゴリーを選択する処理は、顧客のIDの受信をトリガとして実行することとしてもよいし、あらかじめ各々の顧客からのアクセスがあった際に店内端末に表示すべきカテゴリーを選択して記憶させておき、受信した顧客のIDに対応する表示すべきカテゴリーに関する情報を読み出してカテゴリーの選択画面を生成し、店内端末に送信することとしてもよい。
【0030】
顧客がカテゴリー選択画面においていずれかのカテゴリーを選択すると、選択されたカテゴリーに関する情報が販売促進支援サーバに送信される。販売促進支援サーバでは、データベースに格納された選択されたカテゴリーに属する商品のポイント情報を参照して、蓄積されたポイントが上位の商品が選択されて、図3に例示したような商品を割引価格で購入できるクーポンの選択画面が店内端末に表示される。尚、ここで商品を選択する処理についてもカテゴリーの選択の場合と同様に、選択されたカテゴリーに関する情報の受信をトリガとして実行することとしてもよいし、あらかじめ各々の顧客があるカテゴリーを選択した際に店内端末にクーポンを表示すべき商品を選択して記憶させておき、受信したカテゴリーに対応する表示すべき商品に関する情報を読み出してクーポンの選択画面を生成し、店内端末に送信することとしてもよい。
【0031】
このように、本発明では、販売対象となる商品に対する顧客の選好度をポイントとして数値化して、ある商品が購入されると、その商品に加えてその商品が属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する他の商品にも、所定のポイントを加算する。これによって、商品そのものだけでなく、商品のカテゴリーに対する嗜好も反映した商品に対する顧客の選好度を把握することが可能になり、このポイントを基準にして顧客に提示すべきカテゴリーや商品を選択するよう構成すれば、効果的かつ効率的な商品等のレコメンドが実現される。
【0032】
尚、本発明は、販売対象となる商品だけでなく、サービスもクーポンの対象とすることが可能である。また、商品の選好度を示すポイントの加算は、商品の購入のみでなく、店内端末で商品を検索することや、クーポンを出力することなど、商品を購入しなくても特定の商品を選択する操作が行われることをもって、ポイントを加算することとしてもよい。
【0033】
図4は、本発明の第2の実施形態の概要を示したものであるが、本発明に係る販売促進支援装置に対応する販売促進支援サーバは、インターネットを介してパーソナルコンピュータやスマートフォンなどのネットワーク端末と接続される。ネットワーク端末を用いたインターネットショッピング等による商品の購入によってポイント情報が更新され、カテゴリーやクーポンの選択画面はネットワーク端末に表示される構成となる。
【0034】
第2の実施形態においても、ある商品が購入されると、その商品に加えてその商品が属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する他の商品にも所定のポイントが加算されること、このポイントを基準にして顧客に提示すべきカテゴリーや商品を選択するよう構成されることは、第1の実施形態と同様である。
【0035】
図5は、本発明に係る販売促進支援装置の第1の実施形態における構成の一例を示したものである。図5においては、販売促進支援サーバ10が、本発明に係る販売促進支援装置に対応することになる。尚、以下の構成は、本発明に係る販売促進支援装置を商品の販売促進に用いることを前提にしているが、前述のとおり本発明は商品の販売のみでなくサービスを対象にすることも可能であり、その場合には例えば、商品情報提供部11はサービス情報提供部として機能することになる。
【0036】
販売促進支援サーバ10には、ネットワークに接続して店内端末20やレジ端末30との情報の送受信が可能なコンピュータが用いられる。販売促進支援サーバ10には、CPU、メインメモリ、HDDやSSD等の補助記憶装置が備えられていて、補助記憶装置に格納されたプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、所定の機能が実現される。
【0037】
販売促進支援サーバ10を構成するコンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、本発明におけるポイント加算やクーポン情報の提供等の機能以外に、他の機能が同一のコンピュータに備えられるものであってもよい。本発明に必要な各々の機能は、物理的に一台のコンピュータによって実現されるものであってもよいし、複数のコンピュータを用いて実現されるものであってもよい。
【0038】
販売促進支援サーバ10の商品情報提供部11、ポイント演算部12、購入情報受信部13は、いずれも機能的に特定されるものであって、HDDやSSD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、各部に対応する機能が実現される。
【0039】
販売促進支援サーバ10の顧客情報格納部14、クーポン情報格納部15、ポイント情報格納部16、商品情報格納部17、購入履歴格納部18には、販売促進支援サーバ10を構成するコンピュータ等に備えられるHDDやSSD等の補助記憶装置の所定の記憶領域が割り当てられる。これらの記憶領域は物理的に一台のコンピュータに設けられることを要件とするものではなく、データベースサーバを構成するコンピュータなどを含む複数のコンピュータに設けられるものであってもよい。
【0040】
店内端末20には店舗内に設置されるKIOSK端末等が用いられるが、レジ端末30とあわせて、販売促進支援サーバ10とのデータ通信が可能な端末であれば、その構成は特に限定されるものではない。第2の実施形態では、これらの端末が、インターネットに接続可能なパーソナルコンピュータやスマートフォンなどのネットワーク端末に置換されることになる。尚、販売促進支援サーバ10が店内端末20から直接商品の購入データを取得するのではなく、購入データを蓄積する外部のデータベースサーバ等を介する構成とすることも可能である。
【0041】
以上の構成を前提として、図2図3図6図7と、図8図10のフローチャートを用いながら、第1の実施形態において、販売促進支援サーバ10が商品の購入時にポイントを加算する処理フローと、店内端末20からのリクエストに応じて、カテゴリー選択画面とクーポン選択画面を送信する処理フローについて説明する。
【0042】
顧客が店舗で商品を購入すると、レジ端末30から、購入した商品を識別する商品コードと購入数量等を含む購入データが、店舗が発行した会員カード等から読み取った会員番号等の顧客の識別情報とともに、販売促進支援サーバ10に送信される。この購入データを販売促進支援サーバ10が受信すると、購入情報受信部13が起動され、購入データに含まれる顧客が購入した商品の商品コード、購入数量、購入場所や購入日時等の情報が、顧客毎の購入履歴として購入履歴格納部18に書き込まれる。購入履歴格納部18に書き込まれるデータ形式は、特に限定されるものではない。尚、以上については、店内端末20から送信された購入データを一旦データベースサーバ等に蓄積し、購入情報受信部13が所定のタイミングで起動されて、外部のデータベースサーバ等に新たに書き込まれた購入データを呼び出す処理フローとすることも可能である。
【0043】
さらに、購入履歴の書込みとあわせてポイント演算部12が起動され、以下に説明する図8のフローチャートに示した処理フローの例にしたがって、販売対象となる商品等に対する顧客の選好度を数値化したポイントを演算して、ポイント情報格納部16に顧客別に格納されたポイント情報が更新される。
【0044】
レジ端末30から送信された購入データを受信すると(S01)、購入データに含まれる商品コード等の顧客が購入した商品の識別情報をキーに商品情報格納部17を検索して(S02)、顧客が購入した商品の属するカテゴリーを特定する(S03)。ここで商品情報格納部17には、図6に例示したように、商品が属するカテゴリーをツリー構造に関連付けた情報が格納されていて、このツリー構造から顧客が購入した商品の属する全てのカテゴリーを特定することができる。
【0045】
本発明は、ある商品が購入された際に、その商品に対して顧客が選好することを示す所定のポイントが加算されることに加えて、その商品と同一のカテゴリーに属する他の商品にも、そのカテゴリーに属する商品を選好することを示す所定のポイントが加算されることを特徴としている。商品を分類するカテゴリーについては、図6の例に示したように、複数レイヤーに階層化することが好ましい。
【0046】
カテゴリーを複数レイヤーに階層化する場合、同一のカテゴリーに属する他の商品にポイントを加算する際には、下位レイヤーにあるカテゴリーが一致するほど購入した商品との関連性が強いことになるので、より顧客の選好度が強いことを示すポイントを加算することが好ましい。図6に示した例では、ポイントが高いほど顧客の選好度が強いという前提で、最下位のレイヤーである小カテゴリーが一致する商品には100ポイント、その上位のレイヤーである中カテゴリーが一致する商品には10ポイント、さらに最上位のレイヤーである大カテゴリーが一致する商品には1ポイントを加算することとしている。
【0047】
さらに、購入された商品そのものについては、同一カテゴリーの中でも特に選好度が強い商品として区別できるように、小カテゴリーに加算する100ポイントにボーナスポイントを加えたポイント(図6の例ではボーナスポイント1ポイントを加えた101ポイント)を加算することが好ましい。このように商品の購入によって加算された商品毎のポイントの累計値は、顧客の商品の選好度を示すポイント情報として、ポイント情報格納部16に顧客毎に集計して格納されている。
【0048】
尚、この場合には、最下位のレイヤーのカテゴリーには、社会通念上代替可能な商品のカテゴリー(例えば、パック入りの納豆、ペットボトル入りの緑茶のように、異なるブランドの商品でも代替可能な商品)を設定することが好ましい。なぜならば、顧客に購入された商品と代替可能な商品に最も高いポイントが加算されることになり、顧客の嗜好がより適切にポイントに反映されることになるからである。また、顧客に購入された商品と関連性の低い商品に選好度が強いことを示すポイントが加算されることを防ぐためには、関連性の低い商品をグループ化した「その他」のようなカテゴリーを設けず、社会通念上代替可能なものがない商品であれば、単独で1つのカテゴリーを設定することが好ましい。
【0049】
図8のフローチャートに戻ると、顧客が購入した商品の属するカテゴリーが特定された状態で、ポイント情報格納部16に格納されている当該顧客のポイント情報のうち、顧客が購入した商品について蓄積されているポイントに、ボーナスポイントを含めた所定のポイント(図6の例では101ポイント)を加算して更新する(S04)。
【0050】
続いて、顧客が購入した商品の属するカテゴリーのうち、最下位のカテゴリーである小カテゴリーに属する他の商品が存在する場合は(S05)、ポイント情報格納部16に格納されている当該顧客のポイント情報のうち、その商品について蓄積されているポイントに、所定のポイント(図6の例では100ポイント)を加算して更新する(S06)。
【0051】
さらに、顧客が購入した商品の属するカテゴリーのうち、その1階層上位のカテゴリーである中カテゴリーに属していて、小カテゴリーは顧客が購入した商品と同一でない他の商品が存在する場合は(S07)、ポイント情報格納部16に格納されている当該顧客のポイント情報のうち、その商品について蓄積されているポイントに、所定のポイント(図6の例では10ポイント)を加算して更新する(S08)。
【0052】
さらに、顧客が購入した商品の属するカテゴリーのうち、その1階層上位にあり、最上位のカテゴリーである大カテゴリーに属していて、中カテゴリーは顧客が購入した商品と同一でない他の商品が存在する場合は(S09)、ポイント情報格納部16に格納されている当該顧客のポイント情報のうち、その商品について蓄積されているポイントに、所定のポイント(図6の例では1ポイント)を加算して更新する(S10)。
【0053】
以上により、商品を購入した購入データを受信した場合(あるいはデータベースサーバ等に新たに書き込まれた購入データを呼び出した場合)に、ポイントを加算する処理を終了するが、ここでは商品の属するカテゴリーが3つのレイヤーに階層化された例を前提に説明したが、レイヤーの数が異なる場合は、その数に応じて同様にカテゴリー毎にポイントを加算する処理を繰り返すことになる。
【0054】
図8のフローチャートでは、購入情報受信部13で購入データを受信したタイミングで、ポイント加算の処理を実行する前提で説明したが、このような処理を実行するタイミングについては、前述の外部のデータベースサーバ等を介する方法の他、販売促進支援サーバ10で受信した購入データを一旦購入情報格納部18に蓄積し、所定の期間内に購入情報格納部18に新たに書き込まれた購入データを所定のタイミングで読み出して、複数の購入データに係るポイント加算の処理をまとめて実行することとしてもよい。
【0055】
また、図8のフローチャートでは、顧客が購入した商品へのボーナスポイントを含めたポイントを加算するS04の処理を先行させることとしているが、小カテゴリーが同一の商品とあわせて所定のポイント(図6の例では100ポイント)を加算する処理(S05〜S06)を先に実行した後に、顧客が購入した商品のみにボーナスポイント(図6の例では1ポイント)を加算する処理を実行することとしてもよい。
【0056】
また、商品の購入に対してポイントを加算する際には、顧客の属性と商品の属性の一致度に応じて、所定のポイントを加算又は減算、あるいはポイントに所定の係数を乗じることとしてもよい。商品と顧客には、男性と男性向けの商品といったように、それぞれに属性を付与しておき、これらが一致する場合は高いポイントを付与する。一致しない場合は、他人に頼まれた商品を購入するなど、顧客の嗜好と直接関係しない商品の購入である可能性があるため、ポイントの減算、あるいはポイントを減ずるための係数を乗じて、加算するポイントを抑えるように調整することとすればよい。
【0057】
この場合、各々の商品の属性に関する情報は商品情報格納部17に、顧客の属性に関する情報は顧客情報格納部14に保持させておけばよく、ポイント演算部12で加算するポイントを演算する際には、各々の属性に関する情報を参照するよう構成することによって、属性の一致も反映したポイントの加算が可能になる。ここで用いる属性については、男性か女性かといった区分のみでなく、男性的な嗜好が70%といった比率で表すこととしてもよい。
【0058】
図6には、商品A、商品X、商品Yが購入された場合の、ポイントの加算方法の具体例を記載している。例えば、顧客が商品Aを購入すると、商品Aにはボーナスポイントを含めた101ポイントが、同じ小カテゴリーAAAに属している商品Aと相互に社会通念上代替可能な商品である商品Bと商品Cには100ポイントが加算される。これらの商品以外で、同じ中カテゴリーAAに属する商品D〜商品Iには10ポイントが加算される。これらの商品以外で、同じ大カテゴリーAに属する商品(例えば商品X)には1ポイントが加算されるが、大カテゴリーも異なる商品(例えば大カテゴリーBの商品Y)にポイントは加算されない。
【0059】
大カテゴリーA、中カテゴリーABに属する商品Xが購入された場合には、大カテゴリーAは共通するものの、異なる中カテゴリーAAに属する商品A〜商品Iには1ポイントが加算されることになる。大カテゴリーBに属する商品Yが購入された場合には、大カテゴリーAに属する商品A〜商品I、商品Xにポイントは加算されない。
【0060】
尚、これまでの例は、顧客の選好度が強い商品ほど高いポイントを付与するという前提で、商品が購入された場合には所定のポイントが加算されることとして説明したが、逆に顧客の選好度が強い商品ほどポイントを低くすることも可能であり、その場合の商品の購入した際のポイントの加算方法は、選好していると判断された商品に所定のマイナスポイントが加算(すなわち所定のポイントが減算)されることになる。
【0061】
ここまでに説明したように、顧客が商品を購入する毎に所定のポイントが加算され、ポイント情報格納部16に顧客毎のポイント情報が蓄積された状態で、顧客が店舗を訪れて店内端末20を操作する。店内端末20に顧客の会員カードを読み取らせる等の方法によって、顧客を識別する会員番号が販売促進支援サーバ10に送信されると、図9のフローチャートに示した処理フローの例にしたがって、店内端末20にカテゴリー選択画面を送信する処理が実行される。
【0062】
店内端末20から顧客を識別する会員番号を受信すると(S11)、販売促進支援サーバ10では商品情報提供部11が起動される。ここで顧客の認証は、有効な会員カードを保有する顧客の情報を格納する顧客情報格納部14に、受信した会員番号が登録されているかどうかを確認することによって行えるが、必要に応じて顧客にパスワード等の入力を求めることとしてもよい。
【0063】
続いて、受信した会員番号に対応するポイント情報格納部16のポイント情報を検索して(S12)、当該顧客の商品別に蓄積されたポイントを大カテゴリー毎に集計する(S13)。
【0064】
図7は、大カテゴリー毎のポイントの集計方法の一例を示したものであるが、大カテゴリーに含まれる全てのポイントを合計することにすると、大カテゴリーに属する商品の数の違いが合計値に影響を与えることになってしまうので、大カテゴリーに属する商品のうち上位から所定の件数の商品を選択して、それらの商品について蓄積されたポイントを集計して、大カテゴリー毎の合計値とすることが好ましい。また、ある商品が購入されると小カテゴリーが同一の他の商品にも比較的高いポイントが加算されるため、単純に上位から所定の件数分の商品のポイントを合計すると、特定の小カテゴリーに属する商品ばかりが選択され、ポイントの合計値を押し上げてしまう可能性がある。そのため、合計値に含めることができる1つの小カテゴリー(あるいは1つの中カテゴリー)あたりの件数に、制限を設けることとしてもよい。
【0065】
図7の例であれば、大カテゴリー内において蓄積されたポイントが上位5件の商品のポイントの合計値を大カテゴリーのポイントの合計値とすることにして、上位5件を選択する際に1つの小カテゴリー内で選択し得る商品の上限を2件に設定したとする。そうすると、522ポイントで大カテゴリーAの中で第3位となる商品Bは、小カテゴリーAAAでは3件目となり上限を超えてしまうことになるため、集計対象からは除外される。そして、335ポイントで大カテゴリーAの中では第6位である商品Hが、繰り上がって集計対象に含まれることになる。その結果、商品A、商品C、商品X、商品I、商品Hの5件のポイントの合計値である2,190ポイントが、大カテゴリーAのポイントの合計値となる。
【0066】
続いて、集計したポイントの合計値について、上位から所定の件数(n件)の大カテゴリーを抽出して(S14)、顧客がそれらのカテゴリーの中から興味のあるものを選択することが可能な、図2に例示したようなカテゴリー選択画面を生成して、店内端末20に送信する(S15)。カテゴリー選択画面には、抽出された各々の大カテゴリーを選択するために押下するボタンが設けられる。
【0067】
このようにして、顧客が操作する店内端末20には、当該顧客が興味をもつ可能性の高い商品のカテゴリーが選択可能なボタンとして表示される。表示されたカテゴリーのボタンの中から、顧客が割引価格で商品が購入できるクーポンを取得したいカテゴリーを選択する操作(ここではボタンを押下する操作)を行うと、選択されたカテゴリーに関する情報が販売促進支援サーバ10に送信されて、図10のフローチャートに示した処理フローの例にしたがって、店内端末20にクーポン選択画面を送信する処理が実行される。
【0068】
店内端末20から顧客に選択されたカテゴリーに関する情報を受信すると(S21)、ポイント情報格納部16のポイント情報を検索して(S22)、受信したカテゴリー(大カテゴリー)に属する商品について、蓄積されたポイントが上位から所定の件数(n件)の商品を抽出して(S23)、抽出された商品について発行が可能な割引価格で商品を購入できるクーポンに関する情報を、クーポン情報格納部15から読み出す。読み出した情報から、図3に例示したようなクーポン選択画面を生成して、店内端末20に送信する(S24)。
【0069】
図3のクーポン選択画面の例では、6件の商品に関するクーポン情報とクーポンを出力するためのボタンが表示されているが、クーポン情報を表示する商品の選択方法については、例えば、図7を用いて説明したルールと同様のルールを適用することとすればよい。図7の例において、蓄積されたポイントが上位6件をそのまま選択すると、商品A、商品C、商品B、商品X、商品I、商品Hとなるが、小カテゴリーあたり2件の商品までという上限を設ければ、商品A、商品C、商品X、商品I、商品H、商品Eの6件が選択されて、図3に例示したようなクーポン選択画面が生成されることになる。
【0070】
尚、図9図10のフローチャートは、店内端末20にカテゴリー選択画面、クーポン選択画面の順に表示して、顧客にクーポンを選択させるフローを前提にしているが、カテゴリー選択画面を表示する行程を省略して、顧客の識別情報が送信された後に、直ちにクーポン選択画面を表示することとしてもよい。この場合、図9のフローチャートに示した大カテゴリー毎のポイントの集計は行われず、全てのカテゴリーに属する商品を対象に、図10に示した処理フローに準じた方法で、商品毎に蓄積されたポイントが上位の商品を抽出して、クーポン情報を表示する商品を選択することとすればよい。
【0071】
また、図9図10のフローチャートでは、店内端末20から会員番号や選択されたカテゴリーに関する情報を受信した後に、ポイント情報格納部16のポイント情報を検索して画面に表示するカテゴリーや商品を選択するフローについて説明したが、これらの演算処理を顧客毎、顧客とカテゴリーの組合せ毎にあらかじめ行って、カテゴリー選択画面やクーポン選択画面の表示対象となる情報を決定して所定の記憶領域に記憶させておき、会員番号や選択されたカテゴリーに関する情報を受信したら、対応する情報をその記憶領域から読み出して、ただちに店内端末20に送信する画面に表示する内容を決定するフローとしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 販売促進支援サーバ
11 商品情報提供部
12 ポイント演算部
13 購入情報受信部
14 顧客情報格納部
15 クーポン情報格納部
16 ポイント情報格納部
17 商品情報格納部
18 購入履歴格納部
20 店内端末
30 レジ端末
【要約】
【課題】 効果的的かつ効率的な顧客が選好する商品等のカテゴリーの選択、あるいは顧客が選好する商品等の選択を実現することによって、商品等の販売促進の支援に資する販売促進支援装置を提供する。
【解決手段】 販売対象となる商品等に対する顧客の選好度をポイントとして数値化し、ある商品等が購入されるとその商品等にポイントを加算するが、購入された商品等のみでなく、その商品等が属するカテゴリーと同一のカテゴリーに属する他の商品等にも所定のポイントを加算するよう構成する。これによって、商品等そのものだけでなく、商品等のカテゴリーに対する嗜好も反映して、商品等に対する顧客の選好度を把握することが可能になる。このポイントを基準に、顧客に提示すべきカテゴリーや商品等を選択するよう構成して、効果的かつ効率的な商品等のレコメンドを実現する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10