(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
車載機の機能が進化している。車載機の一例としてナビゲーション端末を例に挙げるとナビゲーション機能に加え、テレビ、DVD再生、ハンズフリー通話、バックモニタ、テレマティクスなどの機能が追加されてきた。また、車載機と高機能な携帯電話(スマートフォンという)を接続し、スマートフォンの機能を車載機で活用する動向がある。
【0003】
カーナビゲーション装置(カーナビという)では映像、音声によるドライバーへの情報提示の際に、高い安全性と利便性が求められる。
【0004】
安全性については、カーナビゲーション装置には、その操作中にはドライバーの注意が散漫になりやすいという問題がある。このため、カーナビは走行中のテレビ視聴を規制する機能や、ナビ操作メニューをハッチング等により制限する機能を備える。
【0005】
利便性については、電話着信時には音楽再生をミュートしてハンズフリー通話を可能にするという機能を備える。即ち、カーナビの機能をその時のカーナビの状態や車両状態に応じて制御することが必要とされる。
【0006】
特許文献1には、車載受信装置は放送局から送出されるデジタル放送中で緊急情報が発生した際、デジタル放送で受信した緊急情報に関するデータ放送をナビゲーション装置に送りモニタに出力する方法や、モニタの出力画面を車載機画面からデータ放送画面に自動的に切り替える方法が記載されている。
【0007】
非特許文献1には、車載機とスマートフォンを有線または無線で接続し、車載機が備えるユーザインタフェースでスマートフォンを操作し、スマートフォンの画面を車載機ディスプレイに出力する方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
車載機では安全性と利便性の高い画面出力を行うことが求められる。ユーザの意思に関わらず、車載機の特定の機能が出力する情報が提供されるべき時には当該機能による画面出力が、スマートフォンの特定の機能が出力する情報が提供されるべき時にはスマートフォン画面出力が、それぞれディスプレイに出力されることが必要である。
【0011】
すなわち、車載機もしくはスマートフォンがユーザ操作、CAN(Controller Area Network,車載機器の接続規格)情報受信、メッセージ受信などの外部イベントの入力を検出した場合に、イベントの種類、双方の端末に搭載される機能の動作状態、画面表示状態に応じて、どのような画面が出力されるべきかを判定して画面を制御する必要がある。
【0012】
特許文献1、非特許文献1には、このような課題を解決する技術は開示されておらず、より高い安全性と利便性を提供する画面制御方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1の端末(たとえば、カーナビゲーション装置などの車載機)と第1の端末と接続された機器(たとえば、高機能携帯電話)とを含んで構成され、第1の端末においてより高い安全性と利便性を提供する表示制御システム、および、当該表示制御システムに用いる第1の端末(たとえば、カーナビゲーション装置などの車載機)を提供する。
【0014】
開示されるより具体的な態様は、
第1の端末と第2の端末とが接続され、
第1の端末と第2の端末は、それぞれの端末が提供する機能を実現する処理部と、処理部による処理結果に基づく表示情報を出力する機能制御部を備え、
第1の端末が、第1の端末または第2の端末が処理結果に基づき出力する表示情報のいずれかを、有効表示情報として、当該第1の端末の画面に表示する表示制御部を備える表示制御システムと、当該表示制御システムを構成する端末であって、
当該表示制御システムの第1の端末または第2の端末は、
第1の端末または第2の端末がそれぞれの外部から新たなイベントを受信した場合に、イベントの処理を担当するいずれかの処理部がイベントの処理結果に基づき出力する表示情報を、新たな有効表示情報として切り替えるか否かを判断し、切り替えると判断した場合は、切り替えを、第1の端末が備える表示制御部に指示する管理部を備えることを特徴とする。
【0015】
さらに、当該表示制御システムにおいて、第1の端末または第2の端末は、イベントを受信した場合に、イベントの受信を管理部に通知し、管理部は、第1の端末または第2の端末から、イベントの受信を通知された場合に、いずれの処理部がイベントの処理を担当するかを判断し、イベントの処理を担当する処理部を備える第1の端末または第2の端末の機能制御部に対して、イベントの受信を通知する、という特徴を備えても良い。
【0016】
さらに、当該表示制御システムにおいて、各端末の機能制御部は、担当する処理部が起動していない場合は、当該処理部を起動させる、という特徴を備えても良い。
【0017】
さらに、上記端末の管理部は、第1の端末、第2の端末が備える処理部のリストを保持し、当該リストに対応する処理部の有効化および画面切替制御定義を保持する、という特徴を備えても良い。
【0018】
さらに、当該表示制御システムは、第1の端末と第2の端末と接続されるサーバ装置を備え、上記端末の管理部は、起動時に、第1の端末と第2の端末に搭載されている処理部を検知し、搭載されている処理部に対応するリストを作成して、サーバ装置へ送信し、サーバ装置から、リストに対応する処理部の有効化および画面切替制御定義をサーバ装置から取得する、という特徴を備えても良い。
【0019】
さらに、上記端末の管理部は、第1の端末、第2の端末の何れかが処理部を追加または削除したことを、検知した場合に、リストを追加または削除された処理部に対応するよう更新して、サーバ装置へ送信し、サーバ装置から、更新したリストに対応する新たな処理部の有効化および画面切替制御定義を、サーバ装置から取得する、という特徴を備えても良い。
【0020】
さらに、上記端末が外部から受信するイベントは、ユーザ操作と、車両情報と、通信回線を介して受信するメッセージと、のいずれか一つ以上である、という特徴を備えても良い。
【0021】
さらに、上記端末の管理部は、他の端末の接続状態と、当該表示制御システムが搭載される車両の走行状態と、に応じた処理部群の有効化の可否を規定する定義を管理し、有効化の可否を規定する定義と、他の端末の接続状態と、当該表示制御システムが搭載される車両の走行状態と、に基づき、有効化可能な処理部群を選定し、選定した処理部群の有効化インタフェースを画面表示する、という特徴を備えても良い。
【0022】
上記態様によれば、車載機もしくは車載機と接続された機器が外部入力を検出した場合に、双方に搭載されるアプリケーションプログラム群の動作状態と画面表示状態と優先度定義に応じて、外部機器画面と車載機画面の何れかを有効化して画面表示を切り替えることにより、高い安全性と利便性を提供可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、高い安全性と利便性を提供する画面制御システムと当該システムに用いる端末を提供可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施例)
=== 構成
図1===
図1は、本実施形態における表示制御システムの全体構成図である。本システムは、車載機1、通信機能を備えた情報処理端末2、サーバ3を含んで構成される。車載機1は、例えば、カーナビゲーション装置である。通信機能を備えた情報処理端末2は、例えば、高機能な携帯電話(スマートフォンという)や通信機能を備えた情報処理装置(パーソナルコンピュータやタブレット端末)であり、本実施例では以下、図面を含め、スマートフォン2と記す。
【0026】
また、車載機1、スマートフォン2が提供する各機能は、それぞれが備えるアプリケーションプログラムが、それぞれにおいて実行されることにより実現される処理部により提供されるものである。
【0027】
車載機1およびスマートフォン2のそれぞれは、
図9に示すような、CPU101、メインメモリ102、視聴者や使用者等との情報の入出力を司る入出力装置(ディスプレイ、スピーカ、タッチパネル、キーボード等)103、3Gなどの無線通信インタフェース1(104)、ネットワーク7を介して外部機器と無線通信するためのBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信インタフェース2(107)、ネットワーク7を介して外部機器と有線通信するためのUSBなどの有線通信インタフェース(105)とを含み、これらはバス等の内部通信線108により接続されるコンピュータ上に実現することができる。
【0028】
CPU101は、記憶装置106に格納されるプログラムをメインメモリ102に読み込み実行することにより、本実施例における種々の処理を行う各処理部を実現する。これらのプログラムやデータは、予め記憶装置106に格納しておいてもよいし、CD−ROM等の記憶媒体から入力してもよいし、ネットワーク経由で他の装置からダウンロードしてもよい。又、該プログラムにより実現される機能を、専用のハードウェアにより実現してもよい。
【0029】
図1に示すように、車載機1とスマートフォン2はインターネットなどのネットワーク6を通じてサーバ3に接続される。また、上述のとおり、車載機1とスマートフォン2はUSBやBluetooth(登録商標)などの有線または無線のネットワーク7によって接続される。
(車載機1)
車載機1はユーザインタフェース(UI)8、CAN(Controller Area Network)インタフェース9、記憶部2000を備える。ユーザインタフェース(UI)8はタッチパネルやハードウェアボタンや音声入力のためのマイク、および、画面出力のためのディスプレイ、音声出力のためのスピーカなどを備える。CANインタフェース9はCANと接続されCAN情報を送受信する。
【0030】
記憶装置106用いて実現される記憶部2000は、車載機1の外部入力受信部A21、アプリケーション管理部A22、車載機制御部A23、画面入力切替部10、アプリリスト管理部A24などを実現するための処理プログラムを記憶する。また、記憶部2000はアプリケーションプログラム有効化および画面切替定義A25、車載機アプリケーションプログラムリスト11などのデータを記憶する(以下、アプリケーションプログラムをアプリケーションと略記する)。
【0031】
外部入力受信部A21は、UI(ユーザインタフェース)8、CANインタフェース9から制御情報を受信する。
また、外部入力受信部A21は無線通信インタフェース1(3G通信等)(104)およびネットワーク6を介して接続された外部サーバ3001からメッセージを受信する。
また、外部入力受信部A21は有線通信インタフェース(105)や無線通信インタフェース2(107)を介して、スマートフォン2などの外部端末から、ネットワーク7を介して送信される制御指示を受信する。
【0032】
アプリケーション管理部A22は、外部入力受信部A21から送信されるメッセージを受信したら、アプリケーション有効化および画面切替定義A25を参照し、該当するアプリケーションの指定と、該当するアプリケーションへ渡す受信したメッセージと、車載機制御部A23もしくはスマートフォン2のスマートフォン制御部A27に送信し、画面入力切替部10に、当該アプリケーションによる表示情報が有効となるよう、画面入力切替指示を送信する。
【0033】
画面入力切替部10は、受信した指示に応じて車載機1とスマートフォン2の何れの画面をディスプレイに出力するかを判定し、ディスプレイ入力を切り替える。車載機制御部A23は、アプリケーション管理部A22から送信されるメッセージを、指定された車載機1のアプリケーションに送信する。当該アプリケーションが起動していない場合は起動する。
【0034】
アプリケーションリスト管理部A24は、車載機1もしくはスマートフォン2のいずれかのアプリケーションが追加または削除された際に、車載機1が搭載するアプリケーションIDが記載された車載機アプリケーションリスト11、およびスマートフォン2のアプリケーションリスト送信部A26から送信されるスマートフォンアプリケーションリスト12をマージして双方の端末に対するアプリケーションリストを作成し、当該リストをサーバ3に送信してアプリケーション有効化および画面切替定義5を取得し、アプリケーション有効化および画面切替定義A25を更新する。
(スマートフォン2)
スマートフォン2は記憶部2001を備える。記憶装置106用いて実現される記憶部2001には、外部入力送信部A28、スマートフォン制御部A27、アプリケーションリスト送信部A26などの処理部を実現するプログラム、およびスマートフォンアプリケーションリスト12が格納される。
【0035】
外部入力送信部A28は、無線通信インタフェース(104)を介して緊急情報などのメッセージを受信し、当該事象を車載機1の外部入力受信部A21に送信する。アプリケーションリスト送信部A26は、車載機1のアプリケーションリスト管理部A24からの要求に応じてスマートフォン2が搭載するアプリケーションのIDが記載されたスマートフォンアプリケーションリスト12を送信する。スマートフォン制御部A27は、車載機1のアプリケーション管理部A22から送信される事象(メッセージ)を指定されたスマートフォンアプリに送信する。当該スマートフォンアプリが起動してない場合は起動する。
【0036】
サーバ3は、アプリケーション有効化および画面切替定義配信部4などの処理プログラム、アプリケーション有効化および画面表示切替定義5などを記憶する記憶部(図示せず)を備える。サーバ3が保持するアプリケーション有効化および画面表示切替定義5は、ネットワーク6を介して、アプリケーション有効化および画面切替定義配信部4によって1つ又は複数の車載機1に配信される。新たに端末(車載機1又はスマートフォン2)が追加された場合、あるいは、ある端末に関連する端末が追加又は削除された場合にも、同様に、サーバ3からアプリケーション有効化および画面表示切替定義5が配信される。
【0037】
===(車載機画面からスマートフォン画面への切替)===
図2に、アプリケーション管理部が車載機1に配置される
図1の構成において、車載機画面の出力中にスマートフォン画面の出力に切り替える場合のシーケンスを示す。
【0038】
ここでは、車載機1の車載機制御部A23が車載機のアプリケーション管理部A22からの指示を受けて車両状態通知アプリケーションを起動して、その処理結果を、画面入力切替部10が画面出力しているという状態を前提とする。ここで車両状態通知アプリケーションは、例えばバッテリ残量が少なくなっていることや水温が上がっていることを警告する機能を実現するアプリケーションである。
【0039】
スマートフォン2の外部入力送信部A28は携帯電話通信網などを介して緊急情報を受信する(201)。ここで緊急情報とは緊急地震速報や暴風警報などの気象情報である。
【0040】
外部入力送信部A28は、IEEE802規格の近距離無線通信またはUSB(Universal Serial Bus)などの有線通信によって接続された通信経路を介して、車載機1のアプリケーション管理部A22に緊急情報受信事象を送信する(202)。
【0041】
アプリケーション管理部A22は、受信事象を受信した際にアプリケーション有効化および画面切替定義A25を参照し、画面表示を有効とすべきアプリケーションを緊急情報と決定し、当該アプリケーションが搭載される機器がスマートフォン2である、と判定する(203)。
【0042】
アプリケーション管理部A22は、スマートフォン2のスマートフォン制御部A27に緊急情報アプリケーションに対する緊急情報受信という事象を送信し(204)、画面入力切替部10にスマートフォン画面出力指示を送信する(205)。
【0043】
スマートフォン制御部A27は緊急情報アプリケーションに対して(起動してない場合は起動し)、緊急情報受信を通知し、その処理結果を、画面入力切替部10へ送信する。また、画面入力切替部10は、緊急情報アプリケーションが出力するスマートフォン画面情報をディスプレイに出力するよう切替える。
【0044】
===(スマートフォン画面から車載機画面への切替)===
図3に、アプリケーション管理部が車載機1に配置される
図1の構成において、スマートフォン画面出力中に車載機画面出力に切り替える場合のシーケンスを示す。
【0045】
ここでは、車載機1の画面入力切替部10が、車載機のアプリケーション管理部A22がスマートフォン制御部A27に対してアプリケーション有効化指示を送信し、スマートフォン制御部A27が緊急情報アプリケーションを起動して、その処理結果を画面出力しているという状態を前提とする。ここで緊急情報アプリケーションとは、例えば緊急地震速報や暴風警報などの気象情報を通知する機能を実現するアプリケーションである。
【0046】
外部入力受信部A21は車両安全報知を受信し(301)、アプリケーション管理部A22に送信する(302)。ここで報知される情報は追突や出会い頭衝突を回避のための情報である。
【0047】
アプリケーション管理部A22は上記の情報を受信した際にアプリケーション有効化および画面切替定義A25を参照し、画面表示を有効とすべきアプリケーションを車両安全報知と決定し、当該アプリケーションが搭載される機器が車載機1である、と判定する(303)。
【0048】
アプリケーション管理部A22は車載機の車載機制御部A23に車両安全報知アプリケーションに対する車両安全報知の受信という事象を送信し(304)、画面入力切替部10に車載機画面出力指示を送信する(305)。
【0049】
車載機制御部A23は車両安全報知アプリケーションに対して(起動していない場合は起動し)、車両安全報知の受信を通知し、その処理結果を、画面入力切替部10へ送信する。また、画面入力切替部10は、車載器の車両安全報知アプリケーションによる画面情報をディスプレイに出力するよう切替える。
【0050】
=== アプリケーション有効化および画面切替定義 ===
図4にアプリケーション有効化および画面切替定義A25を示す。アプリケーション有効化および画面切替定義A25はアプリケーションの組合せによってその内容が異なる。
【0051】
該定義はアプリケーション管理部A22によって参照される。
【0052】
該定義の列項目にはディスプレイ出力中の端末画面(車載機画面またはスマートフォン画面)とアプリケーションの画面表示の状態が記載され(41、42)、行項目には車載機1もしくはスマートフォン2からの外部入力(無線経由メッセージ受信、CAN情報受信、ユーザ操作)が記載される(43、44)。画面表示の状態41、42と外部入力43、44の種々の組合せによって決まる、アプリケーション有効化および画面切替定義A25のテーブルにおける各セルに記載されている「1.」はアプリケーション管理部A22が有効化するアプリケーションを示し、「2.」はディスプレイ出力の切り替え画面を示す。
【0053】
例えば、車載機画面出力中(41)であって、かつ車両状態警告アプリケーションの画面を表示中の状態において、スマートフォン2が緊急情報(地震速報など)メッセージを受信した場合には、該当するセル(45)には、(1.)表示内容は「緊急情報」であって、(2.)ディスプレイ出力はスマートフォン画面に切り替えることが記載されている。
【0054】
上記により本実施形態の車載機は、搭載されるアプリケーション(A)が動作中かつ画面出力中であっても、アプリケーション(A)よりも優先度が高いスマートフォン2に搭載されるアプリケーション(B)の有効化を要求するイベントを外部入力受信部A21によって検出した場合、アプリケーション(B)の有効化およびスマートフォン画面表示を行い、ディスプレイ出力画面をスマートフォン出力画面に切り替えることを可能とする。
【0055】
前述の画面切り換えにおいて、画面入力切替部10が画像合成機能を保有しており、車載機1画面とスマートフォン2画面の双方を親子画面(Picture-in-Picture)構成で表示する場合、優先される機器出力画面を親画面に、優先されない機器出力画面を子画面に表示しても良い。
【0056】
または、画面入力切替部10が、マルチウィンドウ形式での表示機能を有し、車載機1の一つ以上のアプリによる画面とスマートフォン2の一つ以上のアプリによる画面の各々をウィンドウ形式で表示する場合、優先される機能による画面をアクティブ画面として前面に表示するように、制御しても良い。
【0057】
また、画面入力切替部10は前述の画面切り替えを行わず、ディスプレイ出力画面とスマートフォン出力画面の双方の画面を表示してもよい。
【0058】
=== アプリケーション属性定義 ===
図5にアプリケーション属性定義を示す。
図5は、
図4の「1.」に記載する有効化するアプリケーション(有効化アプリケーション)のアプリケーション名称毎に、搭載している端末と有効化許可条件を管理するテーブルである。
【0059】
該定義はアプリケーション管理部A22によって参照される。
【0060】
該定義にはアプリケーション名称と当該アプリケーションが搭載される端末の種別51(例えば、車載機1、スマートフォン2)、および当該アプリケーションの有効化許可条件52が記載される。アプリケーションの有効化許可条件52として「車載機とスマートフォン2が接続中であること」53と、車速度パルス検出(車両走行中)54が記載される。「−」は、車速度パルス検出の有無を問わないことを示し、「×」は、車速度パルス検出しないことが条件であることを示す。
【0061】
アプリケーション管理部A22はアプリケーションが搭載されている端末の種別51を参照することで、当該アプリケーションを有効化することを判定した場合に画面入力切替部10に切替を指示する。
【0062】
アプリケーション管理部A22は有効化許可条件52を参照することで、それぞれの条件において有効化可能なアプリケーションを抽出し、当該状態に対応するアプリケーション有効化および画面切替定義25を参照する。すなわち、
図5のアプリケーション属性定義のアプリ名は、
図4の「1.」の有効化アプリケーションと一対一で対応している。また、
図5のアプリケーション属性定義は、アプリケーション有効化および画面切替定義A25の参照テーブルとして、
図4のアプリケーション有効化および画面切替定義A25と関連付けて記憶されている。
【0063】
上記により、本実施形態では、CANインタフェース経由で取得される車両状態や車両とスマートフォン2との接続状態に適したアプリケーション有効化と画面表示、ディスプレイ出力画面の切替を可能とする。
(第2の実施例)
=== 構成
図2 ===
図6に、アプリケーション管理部B65を車載機1の外部機器側(スマートフォン2)に配置した場合の実施例の構成図を示す。
【0064】
スマートフォン2は、外部入力受信部B64、アプリケーション管理部B65、アプリケーションリスト管理部B66、アプリケーション有効化および画面切替定義B67、スマートフォンアプリケーションリスト12、スマートフォン制御部B68を備え、これらは記憶部2001に格納されている。
【0065】
車載機1は、外部入力送信部B61と車載機制御部B62、画面入力切替部10、アプリケーションリスト送信部B63、車載機アプリケーションリスト11を備え、これらは記憶部2000に格納されており、さらにUI8、CANインタフェース(CAN I/F)9を備える。
【0066】
=== スマートフォンからの車載機アプリケーション有効化と画面出力切替 ===
図7にアプリケーション管理部B65の出力画面74を示す。
【0067】
画面左部にスマートフォン2のアプリケーションの有効化ボタン72と車載機のアプリケーションの有効化ボタン73を表示し、画面右部にスマートフォン2で実行中のアプリケーション画面71を表示する。
【0068】
画面左部に表示されるアプリケーション有効化ボタン72、73は前述の有効化許可条件によって選別されたアプリケーション群を表示する。
【0069】
当該出力画面74は、USBやコンポジットなどの有線通信路、または、近距離無線通信路を経由して車載機1に送信される。また、車載機1は、ユーザが車載機1のタッチパネルやハードウェアボタンを操作した場合に、スマートフォン2に対して制御信号を送信することでスマートフォン画面を操作する。
【0070】
===(アプリケーション管理部がスマートフォン側にあって、ユーザが車載機アプリケーションを有効化) ===
図8に、アプリケーション管理部B65がスマートフォン2に配置される
図6の構成において、スマートフォン画面出力中に車載機画面出力に切り替える場合のシーケンスを示す。
【0071】
ここでは、スマートフォン2のスマートフォン制御部B68が、スマートフォン2に搭載されるナビゲーションアプリケーションを起動して、その処理結果を、車載機1の画面入力切替部10へ送信し、画面入力切替部10がスマートフォン画面情報をディスプレイ出力しているという状態を前提とする。
【0072】
外部入力受信部B64は、ユーザが車載機アプリケーション有効化ボタンを押下して車両状態確認アプリケーション(たとえば、バッテリ残量等を確認)の有効化を要求したことを検出する(801)。外部入力受信部B64は、検出事象をアプリケーション管理部B65に送信する(802)。
【0073】
アプリケーション管理部B65は、検知事象を受信した際に、アプリケーションプログラム有効化および画面切替定義B67を参照し、画面表示を有効とすべきアプリケーションを車両状態確認と決定し、当該アプリケーションが搭載される機器が車載機1であると判定する(803)。
【0074】
アプリケーション管理部B65は、車載機1の車載機制御部B62に車両状態確認アプリケーションの有効化指示を送信し(804)、画面入力切替部10に車載機画面出力指示を送信する(805)。
【0075】
車載機制御部B62は、車両状態確認アプリケーションを有効化(起動していない場合は起動)する。また、画面入力切替部10は、車両状態確認アプリケーションが出力する車載機画面情報をディスプレイに出力するよう切替える。
【0076】
=== アプリケーション有効化および画面切替定義の更新 ===
図10にアプリケーション管理部A22またはB65がアプリケーション有効化および画面切替定義(25または67)を取得または更新するフローを示す。
【0077】
各端末においてアプリケーションの追加または削除時にアプリケーションリスト(11、12)が更新されていることを前提とする。
【0078】
アプリケーション管理部A22またはB65は、車載機1もしくはスマートフォン2のアプリケーションが追加または削除されたことを検出する(1001)。例えば、アプリケーション管理部A22またはB65は、起動時に前回リストと起動時点のリストとを比較、もしくはそれぞれのハッシュ値を比較してアプリケーションの追加または削除を検出する。また、例えば、アプリケーション管理部A22またはB65は、スマートフォン2と車載機1が接続されたことを検出する。
【0079】
アプリケーション管理部A22またはB65は車載機とスマートフォン2のアプリケーションリストを取得し、これらをマージした統合アプリケーションリストを更新する(1002)。次に、アプリケーション管理部A22またはB65は、更新した統合アプリケーションリストをサーバ3に送信する(1003)。サーバ3は、受信した統合アプリケーションリストに記載されるアプリケーションIDの組合せに対応する新しいアプリケーション有効化および画面切替定義5を、車載機1またはスマートフォン2のアプリケーション管理部A22またはB65に送信する(1004)。アプリケーション管理部A22またはB65は、送信されたアプリケーション有効化および画面切替定義5により、アプリケーション有効化および画面切替定義25または67を更新する(1005)。
【0080】
本方法によって車載機1またはスマートフォン2のアプリケーションが追加削除された場合、もしくは、搭載アプリケーションが異なる車載機にユーザがスマートフォン2を接続した場合であっても安全性と利便性の高いディスプレイ画面出力を可能とする。