(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、ブーム受けおよび作業台受けを備えて構成される高所作業車では、ブームおよび作業台をそれぞれブーム受けおよび作業台受け上に載置して格納させる必要がある。このときには、一般的には、まずブームを倒伏させてブーム受けに載置させて格納し、次にブームの先端部に対して作業台を降下させて作業台受けに載置させて格納させる。しかしながら、ブームの先端部に対する作業台の上下位置によってはブームがブーム受けに載置される前に、ブームの倒伏作動によって作業台が作業台受けに押し付けられて干渉するという問題がある。例えば、作業台の上下位置が、作業台格納状態の上下位置より下方に位置した状態で、ブームを倒伏させてブーム受けに載置させて格納するようなときにこのような問題が生じる。
【0007】
このため、従来では作業台が作業台受けと干渉しないように作業台を上動させておき、まずブームをブーム受けに載置して格納し、次いで作業者が目視チェックしながら作業台を作業台受けの上に載置させるように作業台を降下させる操作を行っていた。このため、格納操作が煩わしく、手間がかかるという問題があった。なお、特許文献1に記載のように作業台を弾性的に載置させて格納するダンパを備えれば、作業台の格納位置の自由度が大きくなるため、作業台を降下させて格納する操作が楽になるが、この格納操作が必要であることに変わりなく、且つダンパ機構を設けるために、重量およびコストが増加するという問題がある。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ブームの倒伏作動によって作業台を作業台受けに押し付けることなく、且つ簡単な操作で、ブームおよび作業台を格納させることができる構成の高所作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的達成のため、本発明に係る第1の高所作業車は、車体に
起伏動自在に設けられ、前記車体上に倒伏されて格納されるブームと、前記ブームの先端部に上下方向に昇降動自在に設けられ、前記ブームが格納された状態で前記車体上に格納される作業台と、
前記ブームの起伏作動および前記作業台の昇降作動を制御する
作動制御手段(例えば、実施形態におけるコントロールユニット80)と、前記車体に設けられ、前記車体上に格納された前記ブームを載置させて支持するブーム支持手段(例えば、実施形態におけるブーム受け50)と、前記車体に設けられ、前記車体上に格納された前記作業台を載置させて支持する作業台支持手段(例えば、実施形態における作業台受け60)と、前記ブーム支持手段への前記ブームの格納を検出するブーム格納検出手段(例えば、実施形態におけるブーム格納検出器76)と、前記作業台支持手段への前記作業台の格納を検出する作業台格納検出手段(例えば、実施形態における作業台格納検出器77)とを有する
。そして、
前記作動制御手段は、
前記ブームおよび前記作業台を格納するときに、前記作業台を前記ブームの先端部に対して
格納位置よりも上方に上昇させながら、もしくは
前記作業台を前記上昇させた後に、前記ブームを倒伏させ
る制御を行い、前記ブーム格納検出手段により前記ブーム支持手段への前記ブームの格納が検出され
たときに前記ブームの倒伏作動を停止させるとともに前記作業台を降下させ
る制御を行い、前記作業台格納検出手段により前記作業台支持手段への前記作業台の格納が検出されたときに前記作業台の降下作動を停止させる制御を行うように構成されたことを特徴とする。
【0010】
上記構成の高所作業車において、前記ブームが格納位置よりも所定量だけ上方に起伏したブーム格納準備位置に位置することを検出する格納準備位置検出手段を有し、前記作動制御手段は、前記ブームおよび前記作業台を格納するときに、前記格納準備位置検出手段により前記ブームが前記ブーム格納準備位置に位置することが検出されると、前記作業台を前記ブームの先端部に対して格納位置よりも上方に上昇させる制御を行うように構成されることが好ましい。
【0011】
上記構成の高所作業車において、前記ブームは
、前記車体
に起伏動、旋回動および伸縮
動自在に設けられ、前記ブームを起伏させるための操作が行われる起伏操作手段(例えば、実施形態における操作レバー42)と、前記ブームの起伏角を検出する起伏角検出手段(例えば、実施形態における起伏角度検出器72)と、前記ブームの旋回角を検出する旋回角検出手段(例えば、実施形態における旋回角度検出器71)と、前記ブームの伸縮状態を検出する伸縮状態検出手段(例えば、実施形態における伸縮量検出器73)とを備
える。そして、
前記格納準備位置検出手段は、前記起伏角検出手段、前記旋回角検出手段および前記伸縮状態検出手段による検出結果に基づいて、前記ブームが全縮状態となって前記ブーム格納準備位置に位置することを検出
するように構成され、
前記作動制御手段は、前記格納準備位置検出手段により前記ブームが前記ブーム格納準備位置に位置することが検出され、且つ、前記ブームを倒伏させるように前記起伏操作手段が操作されたことを検出したときに、前記作業台を
前記ブームの先端部に対して格納位置よりも上方に上昇させる制御を行う
ように構成されることが好ましい。
【0012】
本発明に係る第2の高所作業車は、車体に起伏動自在に設けられ、前記車体上に倒伏されて格納されるブームと、前記ブームの先端部に上下方向に昇降動自在に設けられ、前記ブームが格納された状態で前記車体上に格納される作業台と、前記ブームの起伏作動および前記作業台の昇降作動を制御する作動制御手段と、前記車体に設けられ、前記車体上に格納された前記ブームを載置させて支持するブーム支持手段と、前記車体に設けられ、前記車体上に格納された前記作業台を載置させて支持する作業台支持手段と、前記ブーム支持手段への前記ブームの格納を検出するブーム格納検出手段と、前記作業台支持手段への前記作業台の格納を検出する作業台格納検出手段と、前記ブームが格納位置よりも所定量だけ上方に起伏したブーム格納準備位置(例えば、実施形態における格納準備位置)に位置することを検出する格納準備位置検出手段とを有する。そして、前記作動制御手段は、前記ブームおよび前記作業台を格納するときに、前記作業台を前記ブームの先端部に対して格納位置よりも上方に上昇させながら、もしくは前記作業台を前記上昇させた後に、前記ブームを倒伏させる制御を行い、前記格納準備位置検出手段により前記ブームが前記ブーム格納準備位置に位置することが検出されることに応じて、前記ブームを倒伏させながら前記作業台を降下させる制御を行い、前記ブーム格納検出手段により前記ブーム支持手段への前記ブームの格納が検出されたときに前記ブームの倒伏作動を停止させ、前記作業台格納検出手段により前記作業台支持手段への前記作業台の格納が検出されたときに前記作業台の降下作動を停止させる制御を行うように構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記構成の高所作業車において、前記作業台支持手段に前記作業台を自動で載置支持させて自動格納させる自動格納操作が行われる自動格納操作装置(例えば、実施形態における作業台自動格納スイッチ43)を備えて構成されることが好ましい。
【0014】
上述の高所作業車において、前記作業台は、
前記ブームの先端部に対して最も降下させた最降下位置近傍に
おいて前記作業台支持手段に載置支持されて格納される構成が好ましい。
【0015】
また、上述の高所作業車において、
前記作動制御手段は、前記作業台を昇降作動させる作動速度と、前記作動速度で前記作業台を昇降作動させる作動時間とに基づいて
予め設定された作動条件(例えば、実施形態における作業台上昇作動時間)に基づいて、前記作業台を
前記ブームの先端部に対して格納位置よりも上方に上昇させる制御を行う
ように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る第1の高所作業車においては、
作動制御手段が、ブームをブーム支持手段に載置支持させて格納し、作業台を作業台支持手段に載置支持させて格納するときに、予め作業台を上昇させる制御を行い、ブームの格納が検出されることに応じて作業台を降下させ、作業台の格納が検出されたときに作業台の降下作動を停止させるように構成される。この構成により、ブームが倒伏されて格納される際、ブームの倒伏作動により作業台が作業台支持手段に押し付けられないように、ブームの先端部に対する上下位置に拘らず一律に作業台を上昇させておき、ブームが格納された後で作業台を降下させて格納位置に位置させる制御が行われる。そのため、簡単且つ確実に、作業台を作業台受けに押し付けることなく、ブームをブーム支持手段に載置させて格納させるとともに、作業台を作業台支持手段に載置させて格納させることが可能となる。
【0017】
本発明に係る第2の高所作業車は、
作動制御手段が、ブームおよび作業台を格納するときに、予め作業台を上昇させる制御を行い、ブームがブーム格納準備位置に位置することに応じてブームを倒伏させながら作業台を降下させ、作業台の格納が検出されたときに作業台の降下作動を停止させるように構成される。このように、第2の高所作業車においては、ブームを倒伏させながら作業台が降下されるので、作業台を作業台受けに押し付けることなく、速やかにブームおよび作業台を格納することができる。
【0018】
上述の高所作業車において、
作動制御手段が、ブームが全縮状態となってブーム格納準備位置に位置すること
が検出
され、且つ、ブームを倒伏させる操作を検出したときに、作業台を上昇させる制御を行うように構成されたことが好ましい。このように構成された場合には、ブームおよび作業台を格納させようとする作業者の意図を的確に把握でき、その上で、作業台を作業台受けに押し付けることなくブームおよび作業台を格納させることができる。
【0019】
上述の高所作業車において、
作業台支持手段に作業台を自動で載置支持させて自動格納させる自動格納操作が行われる自動格納操作装置を備える構成が好ましい。このように自動格納操作装置を備えた構成の場合には、この自動格納操作装置に対する自動格納操作を検出することで、ブームおよび作業台を格納させようとする作業者の意図を的確に把握でき、その上で、作業台を作業台受けに押し付けることなくブームおよび作業台を格納させることが可能になる。
【0021】
上述の高所作業車において、作業台が、ブームの先端部に対して最降下位置近傍に位置した状態で作業台支持手段に載置されて格納されるように構成されたことが好ましい。このように、最降下位置近傍で格納されるように構成すると、格納状態における重心位置を低くして高所作業車の安定性、特に、高所作業車を走行させる際の走行安定性を向上させることができる。
【0022】
また、昇降作動制御手段は、作業台を昇降作動させる作動速度と、作業台を昇降作動させる作動時間とに基づいて設定される作動条件に基づいて、作業台を上昇させる制御を行う構成が好ましい。ここで、ブームの先端部に対して作業台を昇降作動させるときの作業台の昇降量は、作業台を昇降作動させる作動速度と、作業台を昇降作動させる作動時間との積として規定できる。そのため、ブームを倒伏させて格納させる際に、作動速度と作動時間とに基づいて設定される作動条件に基づいて作業台を上昇させることで、ブームの先端部に対する作業台の上下位置に拘らず、作業台と作業台支持手段との干渉を回避できる作業台格納準備位置にまで確実に作業台を上昇させることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。以下においては、トラック車両をベースとする車体を有して構成される高所作業車1に、本発明を適用した例について説明する。まず、この高所作業車1の構成について、
図1〜
図4を参照しながら説明する。
【0025】
図1には高所作業車1の側面を示しており、この
図1に示すように、高所作業車1は、トラック式車両の車体10と、車体10上に設けられた旋回台20と、基端部が旋回台20に枢結されたブーム30と、ブーム30の先端部に設けられた作業台40と、車体10上に設けられてブーム30を支持するブーム受け50と、車体10上に設けられて作業台40を支持する作業台受け60と、コントロールユニット80(
図4参照)とを備えて構成される。
【0026】
車体10は、運転者が搭乗する運転キャブ11と、この運転キャブ11から後方に延びるフレーム12と、前後左右に設けられたタイヤ車輪13と、フレーム12に設けられたアウトリガジャッキ14と、油圧ユニット15(
図2および
図4参照)とを備えて構成される。油圧ユニット15は、
図4に示すように、後述する旋回モータ2や伸縮シリンダ3、起伏シリンダ4、アーム旋回モータ5、首振りモータ6、昇降シリンダ7等の油圧アクチュエータ9に対応して設けられ、油圧ポンプPで発生された作動油の供給方向および流量を制御する流量制御弁(電磁比例弁)SV
1〜SV
6、エンジンにより駆動される油圧ポンプP、作動油を貯めるタンクT等から構成される。
【0027】
旋回台20は、
図1および
図2に示すように、フレーム12の後部に上下軸まわり360度回動可能に取り付けられており、フレーム12に備えられた旋回モータ2を油圧駆動することにより図示しないギヤを介して水平旋回作動させることができる。
【0028】
ブーム30は、基端ブーム31、中間ブーム32および先端ブーム33が入れ子式に組み立てられた構成を有しており、その内部に設けられた伸縮シリンダ3を油圧駆動することにより各ブーム31,32,33を相対的に移動させて、ブーム30全体を軸方向に伸縮作動させることができる。基端ブーム31の基端部が旋回台20に枢結されて上下に揺動可能に取り付けられるとともに、基端ブーム31と旋回台20との間には起伏シリンダ4が跨設されており、この起伏シリンダ4を油圧駆動することによりブーム30全体を上下面内で起伏作動させることができる。なお、本実施形態では、ブーム30を三段伸縮構成としているが、二段若しくは四段以上の多段伸縮構成としても良い。
【0029】
また、先端ブーム33の先端部には、上下に揺動可能に垂直ポスト34が取り付けられている。垂直ポスト34は、その下端部と先端ブーム33の先端部との間に配設されたレベリングシリンダ(図示せず)により揺動制御が行われ、ブーム30の起伏の如何に拘わらず常に垂直に延びて位置するように揺動制御(レベリング制御)される。このように常時垂直に保持される垂直ポスト34に旋回アーム35が水平旋回可能に枢結され、この旋回アーム35の先端部に昇降ステー36が水平旋回可能に枢結される。
【0030】
作業台40は、昇降ステー36に垂直昇降可能且つ首振り旋回可能(垂直軸を中心とした水平旋回可能)に取り付けられており、垂直ポスト34がレベリング制御されることにより、作業台40の床面はブーム30の起伏の如何に拘わらず常に水平に保持される。昇降ステー36と作業台40の間には昇降機構38が配設されており、昇降ステー36に内蔵された昇降シリンダ7を作動させることにより、昇降ステー36に対して作業台40を上下に昇降移動させることができる。
【0031】
垂直ポスト34に枢結される旋回アーム35の基部には、垂直ポスト34に対して旋回アーム35を旋回作動させるアーム旋回モータ5が内蔵され、旋回アーム35の先端部に枢結される昇降ステー36の枢結部には、旋回アーム35に対して昇降ステー36を旋回作動(首振り作動という)させる首振りモータ6が内蔵されている。このため、アーム旋回モータ5を作動させることで垂直ポスト34に対して旋回アーム35を左右に旋回させ、首振りモータ6を作動させることで旋回アーム35の先端部に対して作業台40を左右に旋回(首振り)させることができる。
【0032】
図2および
図4に示すように、作業台40にはブーム操作装置41が設けられている。ブーム操作装置41は、旋回台20の旋回、ブーム30の起伏および伸縮、旋回アーム35の旋回、作業台40の首振りおよび昇降などの作動操作を行う操作レバー42や、作業台自動格納スイッチ43を含む各種の操作スイッチや、各種の表示器を備えて構成される。作業台40に搭乗する作業者が操作レバー42を操作することで、旋回台20の旋回作動、ブーム30の起伏および伸縮作動、旋回アーム35の旋回作動、作業台40の首振りおよび昇降作動等の作動操作を行うことができるようになっている。
【0033】
操作レバー42が操作されると、ブーム操作装置41は操作内容に対応した指令信号を車体側に設けられたコントロールユニット80に出力する。
図4にコントロールユニット80を含むブームの作動制御装置の構成を示しており、以下この図を交えて説明する。コントロールユニット80は、ブーム操作装置41から指令信号を受けると、指令信号に基づいた制御信号を油圧ユニット15に出力する。なお、
図4では電気的または光学的信号回路を実線で示し、油圧回路を点線で表示している。
【0034】
油圧ユニット15は、旋回モータ2、伸縮シリンダ3、起伏シリンダ4、アーム旋回モータ5、首振りモータ6、昇降シリンダ7等の油圧アクチュエータ9に対応して設けられ、油圧ポンプPで発生された作動油の供給方向および流量を制御する流量制御弁(電磁比例弁)SV
1〜SV
6、エンジンにより駆動される油圧ポンプP、作動油を貯めるタンクTなどから構成されている。油圧ユニット15はコントロールユニット80からの制御信号に基づいて流量制御弁SV
1〜SV
6の作動制御を行って各油圧アクチュエータ2〜7に供給する作動油の流れを制御し、油圧アクチュエータの作動を制御する。
【0035】
従って、作業台40に搭乗する作業者がブーム操作装置41を操作することにより、コントロールユニット80が指令信号に基づいて流量制御弁SV
1〜SV
6の作動を制御し、その指令信号に応じた油圧アクチュエータ9を作動させて、作業台40を所望の高所位置に移動させることができる。
【0036】
図3にはブーム受け50を斜め後方から見た図を示しており、この
図3に示すように、ブーム受け50は、フレーム12に立設された柱状のブーム支持基部51と、このブーム支持基部51の上端部に左右に延びて取り付けられてブーム30の下面を支持するブーム支持ヘッド部52と、樹脂材料を用いて円筒状に形成されてブーム支持ヘッド部52上に左右一対となって取り付けられたクッション部材53と、ブーム支持ヘッド部52における左右一対のクッション部材53の間に配設されたブーム格納検出器76とを備えて構成される。なお、本実施形態では、ブーム支持ヘッド部52上に左右一対のクッション部材53を備えたブーム受け50を例示しているが、ブーム受けの構成はこれに限定されず、例えばクッション部材53を備えずにブーム支持ヘッド部52上にブーム30を直接載置させる構成でも良い。
【0037】
ブーム格納検出器76は、斜め上方に向けられて上下に揺動可能に取り付けられた検出片76aと、この検出片76aが下方(
図3に示す矢印Lの方向)に向けて揺動されたときにオン・オフが切り替わるように配設されたリミットスイッチ76bとから構成される。そのため、ブーム30が倒伏されて、ブーム30の下面がクッション部材53に当接すると(以下、この状態を「格納状態」と称する)、ブーム30の下面が検出片76aに当接して検出片76aが矢印Lの方向に揺動されてリミットスイッチ76bのオン・オフが切り替わり、そのオン・オフに対応する検出信号がコントロールユニット80に出力される(
図4参照)。
【0038】
作業台受け60は、
図3に示すように基本的にブーム受け50と同一構成となっており、フレーム12に立設された柱状の作業台支持基部61と、この作業台支持基部61の上端部に左右に延びて取り付けられて作業台40の下面を支持する作業台支持ヘッド部62と、樹脂材料を用いて円筒状に形成されて作業台支持ヘッド部62上に左右一対となって取り付けられたクッション部材63と、作業台支持ヘッド部62における左右一対のクッション部材63の間に配設された作業台格納検出器77とを備えて構成される。
【0039】
作業台格納検出器77は、斜め上方に向けられて上下に揺動自在に取り付けられた検出片77aと、この検出片77aが矢印Lの方向に揺動されたときにオン・オフが切り替わるように配設されたリミットスイッチ77bとから構成される。そのため、作業台40が降下されて、作業台40の下面がクッション部材63に当接すると(以下、この状態を「格納状態」と称する)、作業台40の下面が検出片77aに当接して検出片77aが矢印Lの方向に揺動されてリミットスイッチ77bのオン・オフが切り替わり、そのオン・オフに対応する検出信号がコントロールユニット80に出力される(
図4参照)。
【0040】
コントロールユニット80は、
図4に示すように、演算処理回路81と、メモリー82とを有して構成される。メモリー82には、作業台自動格納スイッチ43が操作されたときに実行される作業台40の自動格納シーケンスプログラムや、作業台上昇作動時間が記憶されている(詳しくは後述)。
【0041】
コントロールユニット80には、車体10に対するブーム30の位置を検出するブーム位置検出器70からも検出信号が入力されている。ブーム位置検出器70は、車体10に対する旋回台20の旋回角度を検出する旋回角度検出器71、ブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検出器72、ブーム30の伸縮長さを検出する伸長量検出器73、垂直ポスト34に対する旋回アーム35の旋回角度を検出するアーム旋回角度検出器74、旋回アーム35に対する作業台40の首振り角度を検出する首振角度検出器75等から構成されており、コントロールユニット80に各検出器71〜75からそれぞれの検出信号が入力されている。コントロールユニット80は、ブーム位置検出器70からの検出信号を基に車体10に対するブーム30の位置を検出することで、車体10の転倒を防止するために設定された移動規制範囲を超えるブーム30の作動を規制することも可能になる。
【0042】
以上、高所作業車1の構成について説明した。次に、このように構成される高所作業車1を用いて高所作業を行う例を説明する。この場合には、まず、高所作業車1を走行させて作業現場に移動させ、作業現場に到着するとアウトリガジャッキ14を車体10の左右に拡幅させるとともに、アウトリガジャッキ14の接地板を下方に張り出し伸長させて車体10を持ち上げ支持させる。この状態で、作業台40に搭乗する作業者が、例えばブーム30を起伏させるように操作レバー42を操作すると、ブーム30を起伏させる操作に対応した指令信号がコントロールユニット80に入力される。コントロールユニット80は、操作レバー42から指令信号を受けると、指令信号に基づいた制御信号を流量制御弁SV
3に出力して起伏シリンダ4を起伏作動させる。ブーム30の伸縮、旋回作動や、作業台40の首振り作動についても、操作レバー42の操作に応じて同様に行われる。このように、作業台40に搭乗する作業者は、操作レバー42を操作して油圧アクチュエータ9を作動させることで、作業台40を所望の高所位置に移動させて高所作業を行うことができる。
【0043】
高所作業車1を走行させる場合等の高所作業を行わないときには、ブーム30をブーム受け40に載置させるとともに作業台40を作業台受け60に載置させて、ブーム30および作業台40を車体10上に格納させるようになっている。
図1および
図2には、ブーム30および作業台40が格納された状態を示しており、これらの図から分かるように、ブーム30が縮小作動されて全縮されて前後方向に対して斜め右側に向くように旋回作動され、旋回アーム35が旋回作動、作業台40が首振り作動されて、作業台40が平面視でブーム30の左側面に沿うように移動された状態で格納される。このように、ブーム30および作業台40を車体10上に格納させるときには、まずブーム30をブーム受け50に載置させて格納させ、その後で作業台40を作業台受け60に載置させて格納させる。
【0044】
このようにして格納が行われるため、ブーム30をブーム受け50に載置させて格納させたときに、作業台40も作業台受け60に載置されて格納される構成が望ましい。しかし、作業台40が格納状態の上下位置よりも下方に位置した状態で、ブーム30を倒伏させてブーム受け50に載置させて格納させる場合には、作業台40が過大な力で作業台受け60に押し付けられるという問題がある。これとは反対に、作業台40が格納状態の上下位置よりも上方に位置した状態で、ブーム30を倒伏させてブーム受け40に載置させて格納させる場合には、作業台40と作業台受け60との間に隙間ができて作業台40を作業台受け60に格納できないという問題が発生する。
【0045】
そこで、本発明を適用した高所作業車1では、ブーム30が格納された状態で作業台40と作業台受け60との間に隙間が空くように、ブーム30が格納される前に作業台40を前もって上昇させておき、ブーム30が格納された後で作業台40を降下させて格納させる構成となっている。この構成により、ブーム30を格納させるときに作業台40が作業台受け60に押し付けられるのを防止しつつ、作業台40を確実に作業台受け60に格納させることができるようになっている。すなわち、昇降ステー36に対して作業台40が最も降下された最降下位置近傍に位置する場合であっても、ブーム30が格納された状態で作業台40と作業台受け60との間に隙間が空くように、前もって作業台40が上昇されるようになっている。
【0046】
本発明を適用した高所作業車1は、操作レバー42または作業台自動格納スイッチ43を操作して、ブーム30および作業台40を格納させるように構成されている。以下においては、
図5および
図6を参照しながら、まず、操作レバー42を操作してブーム30および作業台40を格納させるときの手動格納制御フロー100について、作業台40が最降下位置近傍に位置した状態で作業台受け60に載置されて格納される場合を例示して説明する。なお、
図5には垂直ポスト34や旋回アーム35等を省略した高所作業車1の側面を、
図6には手動格納制御フロー100をそれぞれ示している。
【0047】
通常、操作レバー42を操作してブーム30および作業台40を格納させるときには、操作レバー42を操作してブーム30を縮小作動させて全縮させるとともに、格納状態の旋回角度位置から左側および右側に5度程度旋回させた格納旋回角度範囲内(ブーム30をブーム受け50に載置可能な旋回角度範囲内)に位置させる旋回作動をさせ、また、旋回アーム35を旋回作動、作業台40を首振り作動させて、作業台40が平面視でブーム30の左側面に沿う位置(作業台40を作業台受け60に載置可能な位置)に移動させておき(
図2参照)、この状態でブーム30を倒伏させてブーム30および作業台40を格納させる。
【0048】
上述のように、ブーム30が縮小作動および旋回作動されるとともに作業台40がブーム30の左側面に沿うように移動された状態において、ブーム30を倒伏させる操作が操作レバー42により行われると、コントロールユニット80は操作レバー42からの倒伏操作信号に基づいた制御信号を流量制御弁SV
3に出力して、起伏シリンダ4を作動させてブーム30を倒伏させる。このようにしてブーム30が倒伏されて、ブーム30をブーム受け50に格納させた状態の起伏角度よりも5〜10度程度起仰させた状態の起伏角度(格納準備起伏角度)が起伏角度検出器72で検出されると、コントロールユニット80においてブーム30がブーム受け50の直上の格納準備位置に位置すると判断される。ここで、格納準備起伏角度は、作業台40が最降下位置近傍に位置する場合であっても、作業台40と作業台受け60とが干渉しないように設定された起伏角度である。
【0049】
ブーム30が格納準備位置に位置する状態で引き続き倒伏操作信号が入力されると、コントロールユニット80は、作業者がブーム30および作業台40を格納させようとしていると判断する(ステップS110)。このとき、操作レバー42への操作に基づいてブーム30を倒伏させると、昇降ステー36に対する作業台40の上下位置によっては、ブーム30がブーム受け50に載置されて格納される前に作業台40が作業台受け60に押し付けられる(干渉する)場合がある。そこで、コントロールユニット80は、
図5(a)に示すように、流量制御弁SV
6に制御信号を出力して作業台40を上昇作動させる制御を行うとともに、流量制御弁SV
3に制御信号を出力してブーム30を倒伏作動させる(ステップS120)。
【0050】
このステップS120での作業台40の上昇作動について詳しく説明する。ブーム30格納時に作業台40が作業台受け60に押し付けられることを防止するためには、ブーム30がブーム受け50に載置されて格納される前に、
図5(b)に示す作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を位置させる必要がある。ここで、作業台格納準備位置は、格納状態での昇降ステー36に対する作業台40の上下位置(
図5(c)に示す位置で、「格納上下位置」と称す)よりも所定高さだけ上方の位置である。この高所作業車1は、昇降ステー36に対する作業台40の上下位置に拘らず一律にメモリー82に記憶された作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇作動させる制御を行うことで、昇降ステー36に対する作業台40の上下位置を検出しなくても、作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を位置させることができるように構成されている。
【0051】
ここで、上記の作業台上昇作動時間について説明する。作業台40の上昇量は、作業台40(昇降シリンダ7)の作動速度と、その作動速度で作業台40を上昇作動させる作動時間との積として算出され、昇降シリンダ7の作動速度は油圧ポンプP(エンジン)の回転数や流量制御弁SV
6の開度等に応じて変化する。そのため、ステップS120で例えば流量制御弁SV
6を所定の開度に制御する場合、エンジンが回転数の低いアイドリング状態のときに油圧ポンプPからの作動油を上記所定の開度に対応した流量で昇降シリンダ7に供給することで、最降下位置から作業台格納準備位置まで作業台40を上昇作動させることができる作動時間を作業台上昇作動時間として設定すると、作業台40の上下位置やエンジン回転数に拘らず作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を位置させることができる。
【0052】
このステップS120での制御により、
図5(b)に示すように、作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を上昇させた状態でブーム30がブーム受け50に載置されて格納されるので、ブーム30格納時に作業台40が作業台受け60に押し付けられることを防止できるとともに、ブーム30が格納される前に作業台40が作業台受け60に載置されてブーム30をブーム受け50に載置できないという事態も発生しない。
【0053】
この手動格納制御フロー100は、作業台40が最降下位置近傍に位置して作業台受け60に格納される構成、すなわち、最降下位置と格納上下位置とが同一である構成を例示している。この構成において、格納上下位置よりも所定高さだけ上方に作業台40を位置させた状態でブーム30をブーム受け50に載置させるようにすると、例えば垂直ポスト34のレベリング制御に狂いが生じても、ブーム30格納時に作業台40が作業台受け60に干渉することを防止できる。また、作業台40が最降下位置近傍に位置して作業台受け60に格納される構成にすると、作業台40を格納させたときの重心位置を低くすることができるので、高所作業車1の安定性、特に高所作業車1を走行させる際の走行安定性を向上させることが可能になる。
【0054】
このようにしてブーム30がブーム受け50に載置されて格納されると、ブーム格納検出器76からブーム30の格納に対応する検出信号が出力され、コントロールユニット80においてブーム30が格納されたと判断される(ステップS130)。
【0055】
ステップS130においてブーム30が格納されたと判断されると、コントロールユニット80は、
図5(c)に示すように、流量制御弁SV
6に制御信号を出力して昇降シリンダ7を作動させて作業台40を降下作動させる(ステップS140)。これにより、昇降ステー36に対して作業台40が降下されて作業台受け60に載置される。作業台40が作業台受け60に載置されて格納されると、作業台格納検出器77から作業台40の格納に対応する検出信号が出力され、コントロールユニット80において作業台40が格納されたと判断される(ステップS150)。
【0056】
ステップS150において作業台40が格納されたと判断されると、コントロールユニット80は作業台40の降下作動を停止させる(ステップS160)。以上説明したように、操作レバー42へのブーム30を倒伏させる操作に基づいて、作業台40を自動で昇降作動させながらブーム30を倒伏作動させ、ブーム30をブーム受け50に載置させて格納させるとともに作業台40を作業台受け60に載置させて格納させて、手動格納制御フロー100が完了する。
【0057】
この手動格納制御フロー100によれば、ブーム30を倒伏させる操作を操作レバー42により行うだけで、簡単な(単一の)操作でありながら、ブーム30を格納させるときに作業台40が作業台受け60に押し付けられるのを防止しつつ、作業台40を確実に作業台受け60に格納させることができる。
【0058】
以上、操作レバー42への操作に基づいてブーム30および作業台40を格納させる手動格納制御フロー100について説明した。次に、作業台自動格納スイッチ43への操作に基づいてブーム30および作業台40を格納させるときの自動格納制御フロー200について、
図5および
図7を参照しながら説明する。以下においては、作業台40が高所に位置した状態で作業台自動格納スイッチ43が操作され、その操作に基づいてブーム30および作業台40を格納させる場合について説明する。
【0059】
作業台40に搭乗する作業者により作業台自動格納スイッチ43が操作されると、作業台自動格納スイッチ43から出力された自動格納信号がコントロールユニット80に入力され(ステップS210)、コントロールユニット80はメモリー82に記憶された作業台40の自動格納シーケンスプログラムを読み込み、この自動格納シーケンスプログラムに基づいて以下のようにブーム30および作業台40の作動を制御する。
【0060】
まず、コントロールユニット80の演算処理回路81において、ブーム位置検出器70で検出される検出値から車体10に対するブーム30の移動位置を演算処理して求め、当該移動位置からブーム30をブーム受け50に格納させるときに作業半径を拡大させずに移動可能な最短の移動経路を求める。そして、求められた移動経路に基づいて油圧ユニット15に制御信号を出力してブーム30を作動させる。
【0061】
具体的には、ブーム30を縮小作動させて全縮させるとともに最短の旋回移動角となる旋回方向に旋回台20を旋回作動させて、ブーム30を格納状態の旋回角度位置から左側および右側に5度程度旋回させた格納旋回角度範囲内に位置させるとともに、作業半径を拡大させない範囲で格納準備起伏角度までブーム30を倒伏作動させる。また、旋回アーム35を旋回作動、作業台40を首振り作動させて、作業台40が平面視でブーム30の左側面に沿う位置に移動させる。なお、このとき昇降シリンダ7による作業台40の昇降作動は行わせず、自動格納開始時(ステップS210)の上下位置を維持させる。
【0062】
以上の作動が完了すると、コントロールユニット80において、ブーム位置検出器70で検出される検出値を基にして、ブーム30がブーム受け50の直上の格納準備位置に位置すると判断される(ステップS220)。このとき、作業台40は自動格納開始時の上下位置を維持しており、この自動格納開始時の上下位置によっては、ブーム30を格納準備位置から倒伏させてブーム受け50に載置させて格納させるときに、ブーム30がブーム受け50に載置されて格納される前に、作業台40が作業台受け60に押し付けられる場合があり得る。
【0063】
そこで、コントロールユニット80は、
図5(a)に示すように、流量制御弁SV
6に制御信号を出力して作業台40を上昇作動させる制御を行うとともに、流量制御弁SV
3に制御信号を出力してブーム30を倒伏作動させる(ステップS230)。ここで、自動格納シーケンスプログラムには上述した作業台上昇作動時間が組み込まれており、ステップS230で実行される自動格納シーケンスプログラムにより作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇作動させる制御が行われ、自動格納開始時の作業台40の上下位置に拘らず、作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を位置させることができる。
【0064】
このステップS230での制御により、
図5(b)に示すように、作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を上昇させた状態でブーム30がブーム受け50に載置されて格納されるので、上述した手動格納制御フロー100の場合と同様に、ブーム30格納時に作業台40が作業台受け60に押し付けられることを防止できるとともに、ブーム30が格納される前に作業台40が作業台受け60に載置されてブーム30をブーム受け50に載置できないという事態も発生しない。ブーム30がブーム受け50に載置されて格納されると、ブーム格納検出器76からブーム30の格納に対応する検出信号が出力され、コントロールユニット80においてブーム30が格納されたと判断される(ステップS240)。
【0065】
ステップS240においてブーム30が格納されたと判断されると、コントロールユニット80は、
図5(c)に示すように、昇降シリンダ7を作動させて作業台40を降下作動させる(ステップS250)。これにより、昇降ステー36に対して作業台40が降下されて作業台受け60に載置される。作業台40が作業台受け60に載置されて格納されると、作業台格納検出器77から作業台40の格納に対応する検出信号が出力され、コントロールユニット80において作業台40が格納されたと判断される(ステップS260)。
【0066】
ステップS260において作業台40が格納されたと判断されると、コントロールユニット80は作業台40の降下作動を停止させる(ステップS270)。以上説明したように、作業台自動格納スイッチ43への操作に基づいて、作業台40を自動で昇降作動させながらブーム30を倒伏作動させ、ブーム30をブーム受け50に載置させて格納させるとともに作業台40を作業台受け60に載置させて格納させて、自動格納制御フロー200が完了する。
【0067】
この自動格納制御フロー200によれば、作業台自動格納スイッチ43を操作するだけで、簡単な(単一の)操作でありながら、ブーム30を格納させるときに作業台40が作業台受け60に押し付けられるのを防止しつつ、作業台40を確実に作業台受け60に格納させることができる。
【0068】
上述の手動格納制御フロー100において、作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇作動させる制御(ステップS120)が完了したときに、これに対応する上昇制御完了情報をメモリー82に一時的に記憶させるとともに、ステップS130でブーム30の格納が検出されたとき、または、ステップS120とステップS130との間でブーム30を倒伏させる操作以外の操作(例えば、ブーム30を起仰させる操作や作業台40を昇降させる操作)が検出されたときに、この上昇制御完了情報を消去するようにしても良い。このようにすれば、ステップS120とステップS130との間で、ブーム30を倒伏させる操作が一時中断された後で再開される場合に、上昇制御完了情報がメモリー82に記憶されているので作業台40がさらに上昇されることを防止できる。一方で、ステップS120とステップS130との間で、ブーム30を起仰させる操作や作業台40を昇降させる操作がされた場合には、メモリー82に記憶された上昇制御完了情報が消去されるので、上記操作に基づいてブーム30が起仰または作業台40が昇降された後で格納される際に作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇作動させる制御が再度行われ、作業台40が作業台受け60に押し付けられることを確実に防止できる。また、上昇制御完了情報をメモリー82に記憶させる構成は、上述の自動格納制御フロー200にも同様に適用可能である。
【0069】
上述の実施形態においては、車体10の後部に旋回台20を設け、ブーム30の先端部を前方に向けた状態で格納されるタイプの高所作業車1に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこのタイプの高所作業車に限定して適用されるものではない。例えば
図8に示すように、車体310の前後中央部に旋回台320を設けて、ブーム330の先端部を後方に向けた状態で格納されるタイプの高所作業車300にも本発明を適用でき、この高所作業車300においては、車体310の後部にブーム受け350および作業台受け360が設けられる。
【0070】
上述の実施形態では、作業台40が最降下位置近傍に位置して作業台受け60に格納される構成を例示して説明したが、この構成に代えて、最降下位置近傍以外の位置で作業台40が作業台受け60に格納される構成としても良い。この構成の場合にも、最降下位置に位置する作業台40を、格納上下位置(最降下位置以外の位置)に対して所定高さだけ上方の作業台格納準備位置よりも上方に位置させることができる作業台上昇作動時間を設定すると、作業台40の上下位置に拘らずブーム30が格納される前に作業台40が作業台受け60に押し付けられることを防止できる。
【0071】
上述の実施形態においては、エンジンがアイドリング状態であっても、最降下位置から作業台格納準備位置まで作業台40を上昇作動させることができる作業台上昇作動時間を設定する構成を例示したが、作業台上昇作動時間の設定はこれに限られない。例えばエンジン回転数を検出し、検出されたエンジン回転数に対応させて最降下位置から作業台格納準備位置まで作業台40を上昇作動させることができる作業台上昇作動時間を設定するようにしても良い。
【0072】
上述の自動格納制御フロー200では、ブーム30が格納準備位置に位置すると判断された後のステップS230において、作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇作動させる制御を行う構成を例示して説明したが、作業台40を上昇作動させる制御を行うタイミングはこれに限定されない。ブーム30がブーム受け50に載置されて格納される前に、作業台格納準備位置よりも上方に作業台40を位置させれば良く、例えばステップS210における自動格納信号が入力されたタイミングで、若しくは、これ以降でブーム30が格納準備位置に位置するまでの任意のタイミングで、作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇作動させる制御を行うように構成しても良い。
【0073】
上述の実施形態においては、ブーム30の先端部に旋回アーム35を備えた高所作業車1に本発明を適用した例について説明したが、ブームの先端部に旋回アームを備えない高所作業車にも本発明を適用できる。
【0074】
上述の実施形態では、昇降ステー36に対する作業台40の上下位置を検出することなく、一律に作業台上昇作動時間だけ作業台40を上昇させる制御構成を例示したが、本発明はこの制御構成に限定されない。例えば昇降ステー36に対する作業台40の上下位置を検出する上下位置検出器を設けて、上下位置検出器での検出結果に基づいて作業台40が作業台格納準備位置よりも下方に位置すると判断される場合に作業台格納準備位置まで作業台40を上昇させ、ブーム30が格納された後で作業台40を降下させて格納させる制御構成としても良い。
【0075】
上述の実施形態では、ステップS130およびステップS240において、ブーム30がブーム受け50に格納されることに基づいて作業台40を降下作動させる構成を例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えばブーム30がブーム受け50の直上の格納準備位置に位置することが検出されることに基づいて、例えば作業台上昇作動時間だけ上昇作動された作業台40を降下作動させながらブーム30を倒伏作動させるように構成しても良い。このとき、作業台40が作業台受け60に載置される前にブーム30がブーム受け50に載置されるように、作業台40の降下作動速度およびブーム30の倒伏作動速度が設定される。この構成によれば、ブーム30および作業台40を速やかに格納することができる。なお、ブーム30が格納準備位置に位置することを、例えばリミットスイッチ等の検出器により検出することも可能である。
【0076】
上述の実施形態においては、ブーム30がブーム受け50に格納される前に、昇降ステー36に対する作業台40の上下位置に拘らず一律に作業台40を上昇作動させる構成を例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、以下のように構成しても良い。すなわち、操作レバー42または作業台自動格納スイッチ43を操作してブーム30を倒伏させて格納するとき、ブーム30がブーム受け50に格納されていない状態で作業台40が作業台受け60に載置されたことが検出された場合に、ブーム30を倒伏作動させながら作業台40を例えば作業台上昇作動時間だけ上昇作動させるようにしても良い。このとき、ブーム30を倒伏作動させることで作業台40が作業台受け60に押し付けられることがないように、ブーム30の倒伏作動速度および作業台40の上昇作動速度が設定される。このようにしてブーム30が倒伏されると、作業台40が作業台受け60に格納されていない状態でブーム30がブーム受け50に載置されて格納され、この状態が検出されることに基づいて作業台40を降下作動させて、作業台40が作業台受け60に載置されて格納されたことが検出されると作業台40の降下作動が停止される。
【0077】
上記の、ブーム30が非格納状態で作業台40が作業台受け60に載置された場合に作業台40を上昇作動させる構成によれば、ブーム30の倒伏作動によって作業台40が作業台受け60に押し付けられる虞がある場合にのみ作業台40が上昇作動されるので、一律に作業台40を上昇作動させる構成と比較して作業台40の無駄な上昇作動を抑えて作業台40をスムーズに格納することができる。なお、この構成のみならず、手動格納制御フロー100(ステップS120)および自動格納制御フロー200(ステップS230)においても、ブーム30を倒伏させながら作業台40を作業台上昇作動時間だけ上昇作動させる代わりに、作業台40を作業台上昇作動時間だけ上昇作動させた後でブーム30を倒伏させて格納するようにしても良い。