(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記易破断線の前記他方の正面板から離れる側の端部に接続して、フラップ部易破断線が、前記上面サイドフラップの周縁部に到るように延設して設けられている請求項2記載の包装箱。
前記フラップ部易破断線の前記上面サイドフラップの周縁部側の端部は、前記上面サイドフラップの周縁部分に切欠き形成された周縁切欠き部と接続している請求項3記載の包装箱。
前記上面メインフラップの前記固着片が設けられた側縁部とは反対側の側縁部に、差込片が、折曲線を介して側方に突出して設けられており、前記易破断線及び前記破断部が設けられた一方の側面板と対向する他方の側面板の前記上面サイドフラップとの間の折曲線には、前記差込片と対応する位置に差込スリットが設けられており、前記上面部が形成された状態で、前記差込片が前記差込スリットに差込み係止される請求項1〜4のいずれか1項記載の包装箱。
前記易破断線及び前記破断部が設けられた一方の側面板と対向する他方の側面板に連接された上面サイドフラップは、前後一対の正面板の幅の半分よりも長い長さで延設して設けられている請求項1〜5のいずれか1項記載の包装箱。
前記底面部は、前記左右一対の側面板の下端部に折曲線を介して各々連接された底面サイドフラップを内側に折り込むと共に、一方の正面板の下端部に折曲線を介して連接された底面メインフラップを折り重ね、該底面メインフラップの先端部に折曲線を介して連接された差込みフラップを他方の正面板の下端部分の内側に差し込むことによって形成されており、
前記左右一対の側面板の少なくとも一方の下端部分には、両端部が前記底面サイドフラップとの間の折曲線に接続する易破断線が、凹形状に延設して設けられており、
前記底面メインフラップの側縁部には、前記側面板の前記易破断線によって囲まれる破断部に収まる大きさの固着片が、折曲線を介して側方に突出して前記破断部と対応する位置に設けられており、
前記固着片は、前記底面部が形成された状態で、前記破断部に外側から重ねて接着されている請求項1〜6のいずれか1項記載の包装箱。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す発明の好ましい一実施形態に係る包装箱10は、物品として、例えば化粧料を充填収容した円柱形状の化粧品用の容器(図示せず)を梱包して、化粧製品として製品化される。また、本実施形態の包装箱10は、前後一対の正面板11a,11bと、左右一対の側面板12a,12bとからなる筒状本体13の下端部の開口を、底面メインフラップ26(
図3参照)等によって形成される底面部15によって閉塞してから、筒状本体13の内部に物品を、筒状本体13の上端部の開口を介して収容する。しかる後に、筒状本体13の上端部の開口を、上面メインフラップ18(
図3参照)等によって形成される上面部14によって閉塞することによって、内部に物品を収容した中空の六面体形状に組み立てられる。本実施形態の包装箱10は、易破断線19を破断させることで初めて開封できるようになっていると共に、一度開封した後も、上面部14を開閉して、収容された物品をスムーズに出し入れできるようになっており、また易破断線19や易破断線19を破断させた部分は、外観上目立たない位置に形成されている。
【0013】
そして、本実施形態の包装箱10は、
図1及び
図2に示すように、前後一対の正面板11a,11bと左右一対の側面板12a,12bと上面部14と底面部15とを含み、中空の六面体形状を備える包装用の箱であって、上面部14は、左右一対の側面板12a,12bの上端部に折曲線16aを介して各々連接された上面サイドフラップ17a,17bを内側に折り込むと共に、一方の正面板11aの上端部に折曲線16bを介して連接された上面メインフラップ18を折り重ね、この上面メインフラップ18の先端部に折曲線16cを介して連接された差込みフラップ18aを他方の正面板11bの上端部分の内側に差し込むことによって形成されている。左右一対の側面板12a,12bの少なくとも一方の側面板12a(本実施形態では一方の側面板12a)の上端部分には、両端部19a,19bが上面サイドフラップ17aとの間の折曲線16aに接続する易破断線19が、指の先端部が収まる大きさの凹形状に延設して設けられており、上面メインフラップ18の一方の側縁部には、一方の側面板12aの易破断線19によって囲まれる破断部20に収まる大きさの固着片21が、折曲線16dを介して側方に突出して破断部20と対応する位置に設けられている。固着片21は、上面部14が形成された状態で、破断部20に外側から重ねて接着される。
【0014】
また、本実施形態では、易破断線19及び破断部20は、他方の正面板11bに近接する部分に設けられており、易破断線19の他方の正面板11bから離れる側の端部19aに接続して、フラップ部易破断線22が、サイドフラップ17aの周縁部に到るように延設して設けられている。
【0015】
本実施形態の包装箱10は、
図3に示すような、例えば一枚の紙製のブランク23を用いて形成される。ブランク23は、六面体形状の包装箱10を展開した所定の形状となるように、例えば薄板状の紙製のシート材料を打ち抜いて裁断することで容易に得ることができる。ブランク23は、側縁部を把持して片持ち状に水平に延設させた場合でも、折れ曲がることなく滑らかに湾曲した状態を容易に保持できる程度の保形剛性及び弾性を備えると共に、手の力で容易に折り曲げることができる程度の変形性を備える。
【0016】
また、ブランク23には、例えば罫線等からなる折曲線16a,16b,16c,16d,16e,16f,16g,16h,24や、ミシン等からなる易破断線19,22,32,34や、全切れ線等からなる切込み27が、適宜の位置に設けられていることで、ブランク23から包装箱10を、六面体形状となるように容易に組み立てることができる。
【0017】
本実施形態では、裁断された
図3に示すブランク23において、展開図の左側には、例えば縦幅が61.5mm程度、横幅が67mm程度の大きさの、略正方形の一方の正面板11aが配置されている。一方の正面板11aの右側には、縦方向折曲線24を介して、例えば縦幅が61.5mm程度、横幅が66.5mm程度の大きさの、略正方形の一方の側面板12aが連接している。一方の側面板12aの右側には、縦方向折曲線24を介して、例えば縦幅が61.5mm程度、横幅が67mm程度の大きさの、略正方形の他方の正面板11bが連接している。他方の正面板11bのさらに右側には、縦方向折曲線24を介して、例えば縦幅が61.5mm程度、横幅が66.5mm程度の大きさの、略正方形の他方の側面板12bが連接している。また、一方の正面板11aの左側には、縦方向折曲線24を介して、例えば一方の正面板11aと同様の縦幅を備えると共に、25mm程度の横幅で、接着接合片25が側方に張り出して連接している。
【0018】
一方の正面板11aの上方には、折曲線16bを介して、例えば縦幅が66mm程度、横幅が67mm程度の大きさの、略正方形の上面メインフラップ18が連接している。上面メインフラップ18の上方には、折曲線16cを介して、例えば上面メインフラップ18と同様の横幅を備えると共に、15mm程度の縦幅で、差込みフラップ18aが上方に張り出して連接している。
【0019】
また、本実施形態では、上面メインフラップ18の右側の側縁部から側方に突出して、固着片21が、折曲線16dを介して連接して設けられている。固着片21は、指の先端部が収まる大きさとして、例えば縦幅が19mm程度、横幅が14mm程度の大きさの、略直角台形の形状を備えており、一方の側面板12aに設けられた易破断線19によって囲まれる破断部20と対応する位置として、差込みフラップ18aと近接する部分に設けられている。
【0020】
一方の正面板11aの下方には、折曲線16eを介して、例えば縦幅が65mm程度、横幅が67mm程度の大きさの、略正方形の底面メインフラップ26が連接している。底面メインフラップ26の下方には、折曲線16fを介して、例えば底面メインフラップ26と同様の横幅を備えると共に、16mm程度の縦幅で、差込みフラップ26aが下方に張り出して連接している。底面メインフラップ26と差込みフラップ26aとの間の折曲線16fの両端部分には、後述する底面サイドフラップ28a,28bの基端部に設けられたロック片29との間で公知のロック機構を構成する、ロック用切込み27が形成されている。
【0021】
また、本実施形態では、底面メインフラップ26の右側の側縁部から側方に突出して、底部固着片30が、折曲線16gを介して連接して設けられている。底部固着片30は、上面メインフラップ18に設けられた固着片21と同様に、指の先端部が収まる大きさとして、例えば縦幅が19mm程度、横幅が14mm程度の大きさの、略直角台形の形状を備えており、一方の側面板12aに設けられた後述する底部易破断線32によって囲まれる破断部33と対応する位置として、差込みフラップ26aと近接する部分に設けられている。
【0022】
一方の側面板12aの上端部分には、当該側面板12aと上面サイドフラップ17aとの間の折曲線16aに両端部19a,19bが接続する、例えばミシン目等からなる易破断線19が設けられている。易破断線19は、本実施形態では、指の先端部が収まる大きさとして、例えば縦幅が20mm程度、横幅が15mm程度の大きさの、略直角台形状の破断部20を形成するように、これの外周に沿って、略直角台形状の凹形状に延設して設けられている。また本実施形態では、易破断線19及び当該易破断線19によって周囲を囲まれる破断部20は、上面メインフラップ18の差込みフラップ18aが内側に差し込まれる、他方の正面板11bに近接する部分に設けられている。易破断線19及び破断部20が、他方の正面板11bに近接する部分に設けられていることにより、易破断線19を破断させて上面部14を開封する操作を、さらにスムーズに行うことが可能になる。また、易破断線19及び破断部20が、他方の正面板11bに近接する部分に設けられていることにより、包装箱10が閉塞されている状態で、上面メインフラップ18が接着されていない部分の隙間を介して指を入れることで、収容された物品が、無理やり取り出されることになるのを効果的に回避することが可能になると共に、包装箱10において剛性が高くなっている角部分に易破断線19及び破断部20が配設されるので、包装箱10が比較的薄いブランク23によって形成されていても(撓んでしまうことなく)、破断部20に指を押し込んで易破断線19を容易に破断させることが可能になる。
【0023】
一方の側面板12aの上方には、折曲線16aを介して、例えば縦幅が40mm程度、基端部における横幅が66.5mm程度の大きさの、略直角台形の形状を備える一方の上面サイドフラップ17aが連接している。一方の上面サイドフラップ17aには、一方の側面板12aの上端部分に形成された易破断線19の、他方の正面板11bから離れる側の端部19aに接続して、フラップ部易破断線22が、上面サイドフラップ17aの、斜辺部となった他方の正面板11b側の側縁部(周縁部)に到るように延設して設けられている。本実施形態では、フラップ部易破断線22は、点付け部を介して介在させて連設する、くの字状切込み22aと、弧状切込み22bとを含んで形成されている。また、一方の上面サイドフラップ17aの、斜辺部となった他方の正面板11b側の側縁部の基端部には、上面メインフラップ18の差込みフラップ18aを係止させるロック片29が、外側に突出して設けられている。
【0024】
また、本実施形態では、フラップ部易破断線22の、上面サイドフラップ17aの周縁部側の端部は、当該上面サイドフラップ17aの周縁部分に切欠き形成された、周縁切欠き部31と接続している。フラップ部易破断線22の周縁部側の端部が、周縁切欠き部31と接続していることにより、包装箱10の開封時に、易破断線19を破断させるのに引き続いて、フラップ部易破断線22を破断させることで、破断部20と共に上面サイドフラップ17aのフラップ部易破断線22よりも外側部分38を切り離す際に、破断させる力を負荷させ難くなるフラップ部易破断線22の終端部分において、周縁切欠き部31に繋げることによって、当該終端部分における切り離しを、綺麗に、且つスムーズに行うことが可能になる。
【0025】
本実施形態では、一方の側面板12aの下端部分には、当該側面板12aと下面サイドフラップ28aとの間の折曲線16hに両端部32a,32bが接続する、例えばミシン目からなる易破断線32が設けられている。易破断線32は、上端部分の易破断線19と同様に、指の先端部が収まる大きさとして、例えば縦幅が20mm程度、横幅が15mm程度の大きさの、略直角台形状の破断部33を形成するように、これの外周に沿って、略直角台形の凹形状に延設して設けられている。また本実施形態では、易破断線32及び当該易破断線32によって周囲を囲まれる破断部33は、底面メインフラップ26の差込みフラップ26aが内側に差し込まれる、他方の正面板11bに近接する部分に設けられている。
【0026】
一方の側面板12aの下方には、折曲線16hを介して、例えば縦幅が40mm程度、基端部における横幅が66.5mm程度の大きさの、略直角台形の形状を備える一方の底面サイドフラップ28aが連接している。一方の底面サイドフラップ28aには、一方の上面サイドフラップ17aと同様に、一方の側面板12aの下端部分に形成された易破断線32の、他方の正面板11bから離れる側の端部32aに接続して、フラップ部易破断線34が、底面サイドフラップ28aの、斜辺部となった他方の正面板11b側の側縁部(周縁部)に到るように延設して設けられている。底面サイドフラップ28aに設けられたフラップ部易破断線34もまた、点付け部を介在させて連設する、くの字状切込み34aと、弧状切込み34bとを含んで形成されている。
【0027】
また、本実施形態では、フラップ部易破断線34の、底面サイドフラップ28aの周縁部側の端部は、当該底面サイドフラップ28aの周縁部分に切欠き形成された、周縁切欠き部35と接続している。さらに、本実施形態では、一方の底面サイドフラップ28aの、斜辺部となった他方の正面板11b側の側縁部の基端部には、底面メインフラップ26に形成されたロック用切込み27との間で公知のロック機構を構成するロック片29が、外側に突出して設けられている。
【0028】
本実施形態では、他方の正面板11bの上方には、仮折曲線36を介して、例えば縦幅が40mm程度、横幅が67mm程度の大きさの、略横長矩形の看板部37が連接して設けられている。看板部37は、仮折曲線36を折り曲げることなく、他方の正面板11bと略面一になった状態を保持して、中空の六面体形状の包装箱10が組み立てられた際に、他方の正面板11bから上方に立設して設けられた、当該看板部37を形成する(
図1参照)。
【0029】
他方の側面板12bの上方には、折曲線16aを介して、例えば縦幅が40mm程度、基端部における横幅が66.5mm程度の大きさの、略直角台形の形状を備える他方の上面サイドフラップ17bが連接している。これによって、易破断線19及び破断部20が設けられた一方の側面板12aと対向する他方の側面板12bに連接された、当該他方の上面サイドフラップ17bは、前後一対の正面板11aの幅の半分よりも長い長さで延設して設けられていることになる。他方の側面板12bに連接された他方の上面サイドフラップ17bが、前後一対の正面板11aの幅の半分よりも長い長さで延設していることにより、包装箱10が閉塞されている状態で、上面メインフラップの、一方の側面板12aの破断部20に固着片21が固着された側縁部とは反対側の側縁部から、当該反対側の側縁部と、他方の側面板12bの上縁部との間の隙間を介して指を入れることで、収容された物品が、無理やり取り出されることになるのを、効果的に回避することが可能になる。また、他方の上面サイドフラップ17bの、斜辺部となった他方の正面板11b側の側縁部の基端部には、上面メインフラップ18の差込みフラップ18aを係止させるロック片29が、外側に突出して設けられている。
【0030】
他方の側面板12bの下方には、折曲線16hを介して、例えば縦幅が40mm程度、基端部における横幅が66.5mm程度の大きさの、略直角台形の形状を備える他方の底面サイドフラップ28bが連接している。また、他方の底面サイドフラップ28bの、斜辺部となった他方の正面板11b側の側縁部の基端部には、底面メインフラップ26に形成されたロック用切込み27との間で公知のロック機構を構成するロック片29が、外側に突出して設けられている。
【0031】
本実施形態では、包装箱10は、上述のブランク23を用いて、好ましくは公知の封緘装置(製箱機)を使用した簡単な工程によって、物品を収容した立体形状に容易に組み立てることができる。すなわち、例えば一方の正面板11aの左側に連接する接着接合片25に接着剤を塗着した後に、接着剤を介して接着接合片25を、他方の側面板12bの側縁部に沿った内側面に接合することで、
図2に示すように、各縦方向折曲線24に沿って折り曲げられた前後一対の正面板11a,11bと左右一対の側面板12a,12bとからなる、矩形中空の断面形状を有する筒状本体13が形成される。
【0032】
筒状本体13を形成したら、これの下端部の開口を、一対の底面サイドフラップ28a,28bと底面メインフラップ26とを用いて閉塞する。すなわち、一対の側面板12a,12bの下方に各々連接する両側の底面サイドフラップ28a,28bを、折曲線16hを介して内側に折り曲げると共に、これらの底面サイドフラップ28a,28bの上に下方から折り重ねるようにして、底面メインフラップ26を、折曲線16eを介して内側に折り曲げる。また底面メインフラップ26の先端に折曲線16fを介して連接する差込みフラップ26aを、他方の正面板11bの下端部分の内側面に沿って差し込むと共に、折曲線16fの両端部に形成されたロック用切込み27を、一対の底面サイドフラップ28a,28bの基端部に形成されたロック片29に各々係止する。これによって、筒状本体13の下端部の開口を、一対の底面サイドフラップ28a,28b及び底面メインフラップ26からなる底面部15で覆って閉塞する。
【0033】
筒状本体13の下端部の開口を閉塞したら、筒状本体13の内部に物品を収容する。すなわち、本実施形態では、物品として、例えば化粧料を充填収容した円筒形状の化粧品用の容器を、これの底部側から上端部の開口を介して、筒状本体13の内部にぴったりと納まるように挿入配置する。
【0034】
底面部15を閉塞した筒状本体13の内部に物品を収容したら、筒状本体13の上端部の開口を、一対の上面サイドフラップ17a,17bと上面メインフラップ18とを用いて閉塞する。すなわち、一対の側面板12a,12bの上方に各々連接する両側の上面サイドフラップ17a,17bを、折曲線16aを介して内側に折り曲げると共に、これらの上面サイドフラップ17a,17bの上に上方から折り重ねるようにして、底面メインフラップ18を、折曲線16bを介して内側に折り曲げる。また上面メインフラップ18の先端に折曲線16cを介して連接する差込みフラップ18aを、他方の正面板11bの上端部分の内側面に沿って差し込んで、一対の上面サイドフラップ17a,17bの基端部に形成されたロック片29に各々係止する。
【0035】
しかる後に、上面メインフラップ18に設けられた固着片21を、折曲線16dを介して内側に折り曲げると共に、接着剤を用いて、一方の側面板12aの上端部分に設けられた、易破断線19によって囲まれる破断部20に、外側から重ねて接着する。また、底面メインフラップ26に設けられた底部固着片30を、折曲線16gを介して内側に折り曲げると共に、接着剤を用いて、一方の側面板12aの下端部分に設けられた、底部易破断線31によって囲まれる破断部32に、外側から重ねて接着する。これらの接着剤を塗布する工程や接着工程は、同じ一方の側面板12aの上端部分と下端部分において、一度に行うことができる。
【0036】
これらによって、筒状本体13の下端部の開口を、一対の底面サイドフラップ28a,28b及び底面メインフラップ26からなる底面部15で覆って、強固に且つ安定した状態で閉塞することが可能になり、また内部に物品が収容された筒状本体13の上端部の開口を、一対の上面サイドフラップ17a,17b及び上面メインフラップ18からなる上面部14で覆って、強固に且つ安定した状態で閉塞することが可能になると共に、六面体形状に組み立てられた包装箱10の内部に円柱形状の化粧品用の容器が梱包された、化粧製品50が製品化される。
【0037】
また、本実施形態の包装箱10は、上述のように簡便な構成を備えており、組立作業も簡素にすることができるので、効率良く化粧製品50を製造することが可能になる。
【0038】
一方、梱包された化粧品用の容器を包装箱10から取り出すには、
図4に示すように、一方の側面板12aの上端部分の、上面メインフラップ18の固着片21が固着された、易破断線19によって囲まれる破断部20に、指先によって押し込む力を負荷する。これによって、易破断線19が破断するので、固着片21と共に破断部20が包装箱10の内側に押し込まれると共に、破断部20が押し込まれることで易破断線19の内方に形成された開口穴39を介して、指先を、包装箱10の上端部の開口を閉塞する、上面メインフラップ18の下側に差し込むことが可能になる。
【0039】
しかる後に、差し込んだ指先によって、上面メインフラップ18を持ち上げる力を負荷すれば、
図5に示すように、図易破断線19に続けてフラップ部易破断線22を破断させながら、上面メインフラップ18を容易に開放させることが可能になると共に、さらに両側の上面サイドフラップ17a,17bを開放させて、化粧品用の容器を包装箱10から容易に取り出すことが可能になる。また、易破断線19を破断させて化粧品用の容器を取り出した後も、上面メインフラップ18は、そのままの形状を保持するので、必要に応じて固着片21や、これに固着された上面サイドフラップ17aのフラップ部易破断線22よりも外側部分38を適宜取り除いて、上面メインフラップ18を容易に開閉しながら、引き続き化粧品用の容器を包装箱10に収容したり、包装箱10から取り出したりすることが可能になる。
【0040】
なお、本実施形態では、包装箱10に収容される化粧品用の容器は、好ましくは円柱形状を有しており、六面形状の包装箱10に収容された際に、易破断線19が形成された一方の側面板12aの、他方の正面板11bに近接する部分の裏側には、相当の大きさの隙間が保持されるので、破断部20を指先によって押し込んで易破断線19を破断させる操作を、よりスムーズに行うことが可能になる。
【0041】
そして、上述の構成を備える本実施形態の包装箱10及び化粧製品50によれば、易破断線19を破断させることで開封できるようにすると共に、一度開封した後も、物品を出し入れしながら、開閉操作をスムーズに行うことができ、また易破断線19や易破断線を破断させた部分を外観上目立たなくして、美観を損わないようにすることが可能になる。
【0042】
すなわち、本実施形態によれば、包装箱10は、一方の側面板12aの上端部分に、両端部19a,19bが上面サイドフラップ17aとの間の折曲線16aに接続する易破断線19が、指の先端部が収まる大きさの凹形状に延設して設けられており、上面メインフラップ18の側縁部には、一方の側面板12aの易破断線19によって囲まれる破断部20に収まる大きさの固着片21が、折曲線16dを介して側方に突出して破断部20と対応する位置に設けられており、固着片21は、上面部14が形成された状態で、破断部20に外側から重ねて接着されている。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、易破断線19を破断させて、固着片21が固着された破断部20を押し込むことによって、初めて包装箱10を開封することができると共に、破断部20が押し込まれて開封された後は、易破断線19が破断していることが、一見して判別できるので、改竄防止機能を効果的に発揮することが可能になる。
【0044】
また、易破断線19が破断させて包装箱10を開封した後も、上面メインフラップ18は、そのままの形状を保持しているので、上面メインフラップ18を容易に開閉しながら、引き続き化粧品用の容器を包装箱10に収容したり、包装箱10から取り出したりすることが可能になる。
【0045】
さらに、易破断線19や破断部20は、一方の側面板12aの上端部分における、指先が納まる程度の僅かな領域にしか形成されていないため、包装箱10を全体から見た際に、包装箱10を開封する前のみならず、開封した後も、美観が損われるのを効果的に回避することが可能になる。また特に、包装箱10を開封する前の状態では、破断部20を覆って、これと略同じ形状の固着片21が固着されているので、包装箱10美観を向上させることも可能になる。
【0046】
図6は、本発明の他の実施形態に係る包装箱40を示すものである。
図6に示す包装箱40は、他方の正面板11bから上方に立設する、看板部が設けられていないことが、上記実施形態の包装箱10と相違している。その他の構成は、上記実施形態の包装箱10と同様である。
図6に示す包装箱40によっても、上記実施形態の包装箱10と同様の作用効果が奏される。
【0047】
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る包装箱41を示すものである。
図7に示す包装箱41は、上面メインフラップ18の固着片21が設けられた側縁部とは反対側の側縁部に、差込片42が、折曲線16iを介して側方に突出して設けられており、易破断線19及び破断部20が設けられた一方の側面板12aと対向する他方の側面板12bの上面サイドフラップ17との間の折曲線16aには、差込片42と対応する位置に差込スリット43が設けられており、上面部14が形成された状態で、差込片42が差込スリット43に差込み係止されることが、上記実施形態の包装箱10と相違している。その他の構成は、上記実施形態の包装箱10と同様である。
【0048】
図7に示す包装箱41によっても、上記実施形態の包装箱10と同様の作用効果が奏される他、差込片42を差込スリット43に差込み係止することで、ロック機能を発揮させて、易破断線19を破断させて包装箱41を開封する前の状態で、上面メインフラップ18の、固着片21が設けられた側とは反対側の側縁部が浮き上がろうとするのを効果的に抑えると共に、包装箱41をさらに安定した状態で閉塞することが可能になる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、易破断線や破断部は、左右一対の側面板のうちの一方の側面板の上端部分にのみ設ける必要は必ずしも無く、両側の側面板の双方の上端部分に設けることもできる。また、易破断線や破断部は、他方の正面板に近接する部分に設ける必要は必ずしも無く、側面板の上端部分の中間部分に設けることもできる。さらに、左右一対の側面板の少なくとも一方の下端部分に、底部易破断線や破断部を設ける必要は必ずしも無い。包装箱を構成するブランクは、紙製のシート材料である必要は必ずしも無く、プラスチック製のシート材料等であっても良い。包装箱に収容される物品は、化粧料を充填収容した化粧品用の容器の他、その他の化粧品類、薬品類、菓子類、文房具類等の物品であっても良く、円柱形状を備えていなくても良い。
【0050】
また、易破断線の他方の正面板から離れる側の端部に接続して、上面サイドフラップ17aの周縁部に到るように延設して設けられたフラップ部易破断線22は、
図8(a)〜(h)に示すような、種々の形態のものを採用することができる。フラップ部易破断線22として、これらの形態のものを採用したことにより、上記実施形態のフラップ部易破断線22も含めて、易破断線19を破断させるのに続けてフラップ部易破断線22を破断させる際に、当該フラップ部易破断線22から外れた方向に上面サイドフラップ17aが破断されてゆくことになるのを、効果的に回避することが可能になる。特に、フラップ部易破断線22は、上面部14を閉塞した状態では、上面メインフラップによって覆われて見えなくなっているので、フラップ部易破断線22を直接視認しなくても、フラップ部易破断線22から外れないように、上面サイドフラップ17aが破断される方向を誘導してゆくことが重要である。またフラップ部易破断線22の終端部を上面サイドフラップ17aの側縁部とすることにより、フラップ部易破断線22を破断させる長さを短くして、開封しやすくできると共に、開封する際の指の感触も向上する。
【0051】
さらに、
図9(a)、(b)に示すように、一方の側面板12aと上面サイドフラップ17aとの間の折曲線16aに沿って、又はこれに近接して、切り取り線44を入れておくことにより、易破断線19を破断させてから、破断部20を容易に取り除くことが可能になる。さらにまた、
図10に示すように、上面サイドフラップ17aの側縁部のフラップ部易破断線22よりも先端側に、ロック片45を突出させると共に、上面メインフラップ18と差込フラップ18aとの間の折曲線16cに近接させて、ロック用凹凸部46を設けることで、ロック片29と相俟って、易破断線19を破断させて包装箱10を開封した後に上面メインフラップ18を再度閉塞した際の、ロック機構として機能させることもできる。