【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のため、本発明によって、サービスプロバイダおよび所有者に関連付けられユーザによって使用される、ローカル端末と通信する携帯機器であって、
−少なくとも複数のアプリケーションを記憶する第1の記憶媒体と、
−複数のアプリケーションのうちの1つのアプリケーションに従って、ローカル端末とのアプリケーショントランザクションを実行するよう構成された第1の処理手段と、
−ローカル端末に接触しないでデータを送信するよう構成された第2の非接触通信手段と、を少なくとも有し、
−ローカル端末と少なくとも1つのアプリケーション機能を実行するよう構成された、第1の処理手段と区別される第2の処理手段と、
−第2の処理手段に対して書込みモードでのみアクセス可能で、第1の処理手段に対して読取りモードでのみアクセス可能である第2の記憶媒体と、をさらに有し、
第2の処理手段は、第2の記憶媒体に少なくとも1つのアプリケーション機能の結果を表すデータを書き込むよう適合し、
第1の処理手段は、第2の記憶媒体上のデータを読み取ることによって、複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つのアプリケーションに従って、ローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行するよう適合する、携帯機器を提案する。
【0010】
したがって、この携帯機器によって、第1の処理手段は、ローカル端末と実行されるアプリケーショントランザクションを順次実行し、アプリケーションにアクセスする任意の処理の前に、これらのアプリケーショントランザクションを実行するのに必要なデータの収集を担当する第2の処理手段は、第2の記憶媒体上にこれらのデータを記憶することができる。
【0011】
特定の特徴によれば、この携帯機器は、接触通信手段であって、第1の処理手段は、接触通信手段を介して複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つのアプリケーションに従ってローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行する接触通信手段をさらに有する。
【0012】
したがって、この携帯機器は、ローカル端末との通常の接触通信を行うことができる。
【0013】
また、本発明は、
ローカル端末と複数の携帯機器とを有し、それぞれの携帯機器はサービスプロバイダおよび所有者に関連付けられユーザによって使用される、通信システムであって、
ローカル端末は、
−ローカル端末のカバレッジ領域内に位置する携帯機器を検出するよう構成された検出器と、
−それぞれの携帯機器に接触しないでデータを送信するよう構成された第1の非接触通信手段と、を少なくとも有し、
それぞれの携帯機器は、
−少なくとも複数のアプリケーションを記憶する第1の記憶媒体と、
−複数のアプリケーションのうちの1つのアプリケーションに従って、ローカル端末とのアプリケーショントランザクションを実行するよう構成された第1の処理手段と、
−ローカル端末に接触しないでデータを送信するよう構成された第2の非接触通信手段と、を少なくとも有し、
それぞれの携帯機器は、
−ローカル端末との少なくとも1つのアプリケーション機能を実行するよう構成された、第1の処理手段と区別される第2の処理手段と、
−第2の処理手段に対して書込みモードでのみアクセス可能で、第1の処理手段に対して読取りモードでのみアクセス可能である第2の記憶媒体と、をさらに有し、
第2の処理手段は、第2の記憶媒体に少なくとも1つのアプリケーション機能の結果を表すデータを書き込むよう適合し、
第1の処理手段は、第2の記憶媒体上のデータを読み取ることによって、複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つのアプリケーションに従って、ローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行するよう適合する、通信システムに関する。
【0014】
したがって、このシステムによって、ローカル端末のカバレッジ領域内に複数の携帯機器が同時に存在するのを管理するだけでなく、第1の処理手段は、ローカル端末と実行されるアプリケーショントランザクションを順次実行し、アプリケーションにアクセスする任意の処理の前に、これらのアプリケーショントランザクションを実行するのに必要なデータの収集を担当する第2の処理手段は、第2の記憶媒体上にこれらのデータを記憶することができる。
【0015】
特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器は、接触通信手段をさらにし、第1の処理手段は、この接触通信手段を介して複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つのアプリケーションに従ってローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行する。
【0016】
したがって、このシステムによって、それぞれの携帯機器は、ローカル端末との通常の接触通信を行うことができ、事実上、少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行するのに使用される携帯機器が選択される。
【0017】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体は、携帯機器および関連付けられたサービスプロバイダに関する認証データを記憶し、第1のアプリケーション機能は、ローカル端末に対して、携帯機器および関連付けられたサービスプロバイダに関する認証データに少なくとも基づいて携帯機器を認証することを有する。
【0018】
したがって、このシステムによって、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体上に記憶された複数のアプリケーションのうちの任意のアプリケーションにアクセスする任意の処理の前に、カバレッジ領域内で検出されたそれぞれの携帯機器のローカル端末に対する信頼性および保全性を検証することができる。
【0019】
他の特定の特徴によれば、ローカル端末は、ローカル端末とそれぞれの認証済み携帯機器との間で非接触通信チャネルをオープンするよう適合する。
【0020】
したがって、このシステムによって、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体上に記憶された複数のアプリケーションのうちの任意のアプリケーションにアクセスする任意の処理の前に、不正または偽装の、あるいは、拒絶された携帯機器と通信しないようにすることができる。
【0021】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体は、携帯機器が記憶する複数のアプリケーションのリストを記憶し、第2のアプリケーション機能は、アプリケーションのリストをローカル端末に接触しないで送信することであって、ローカル端末が、ローカル端末がそれぞれと通信チャネルをオープンした携帯機器のうち、ローカル端末によって認識される少なくとも1つのアプリケーションを有する携帯機器を選択することを少なくとも有する。
【0022】
したがって、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体上に記憶された複数のアプリケーションのうちの任意のアプリケーションにアクセスする任意の処理の前に、ローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを続行するよう選択される携帯機器は、確実に、ローカル端末によって認識される少なくとも1つのアプリケーションを有する。
【0023】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体は、携帯機器の所有者に関する認証データを表すテンプレートを記憶し、第3のアプリケーション機能は、携帯機器の所有者の認証データに少なくとも基づいて、ローカル端末に対して携帯機器のユーザを認証することを有する。
【0024】
したがって、このシステムによって、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体上に記憶された複数のアプリケーションのうちの任意のアプリケーションにアクセスする任意の処理の前に、確実に認証された携帯機器であってそのユーザが合法的な所有者として認証された携帯機器とのみ通信することができる。
【0025】
他の特定の特徴によれば、ローカル端末は、ユーザが認証されたそれぞれの認証済み携帯機器とのトランザクションセッションをオープンするよう適合し、ローカル端末に携帯機器のそれぞれが有する少なくとも1つのアプリケーションへのアクセス権を与える。
【0026】
したがって、このシステムによって、自身が認証されているユーザの少なくとも1つの認証済み携帯機器とのトランザクションセッションをオープンすることができる。少なくとも1つの携帯機器とのトランザクションセッションが一旦オープンされると、それぞれの携帯機器の第2の処理手段は、それ以上いかなる目的の機能も遂行せず、透過的になる(他から見えなくなる)ことによって、ローカル端末とのトランザクションセッションにおいて、ローカル端末に対して少なくとも1つの携帯機器によって保持された少なくとも1つのアプリケーションへの直接アクセスに権限を与えることができることは利点である。
【0027】
他の特定の特徴によれば、認証されたユーザが、複数の認証済み携帯機器を携行する場合、ローカル端末は、ユーザにトランザクションに使用する携帯機器を選択するよう入力を促すか、または、ローカル端末は、選択を決定するためのデータを有する場合、トランザクションに使用する携帯機器を自体で選択する。
【0028】
したがって、このシステムによって、ローカル端末とのトランザクションセッションにおいて、複数の携帯機器から、使用される携帯機器が、まだ選択されていなければ、選択されうる。
【0029】
他の特定の特徴によれば、ローカル端末は、選択された携帯機器がローカル端末によって認識される複数のアプリケーションを有する場合、ユーザに少なくとも1つのアプリケーションを選択するよう入力を促すか、または、ローカル端末は、選択を決定するためのデータを有する場合、少なくとも1つのアプリケーションを自体で選択し、第1の処理手段は、第2の処理手段によって第2の記憶媒体上に書き込まれたデータを読み取り、選択された少なくとも1つのアプリケーションを実行することによって、トランザクションセッション中に選択された少なくとも1つのアプリケーションに従ってローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行する。
【0030】
他の特定の特徴によれば、ローカル端末との通信が終了させられたかまたは割り込まれたとき、第2の処理手段は、第2の記憶媒体上に書き込んだデータを消去するよう適合する。
【0031】
したがって、このシステムによって、ユーザが追跡されないよう防止し、ユーザの匿名性を保証することができる。
【0032】
また、本発明は、ローカル端末と複数の携帯機器とを有する通信システムで実行され、それぞれの携帯機器はサービスプロバイダおよび所有者に関連付けられユーザによって使用される、通信方法であって、
ローカル端末は、
−ローカル端末のカバレッジ領域内に位置する携帯機器を検出するよう構成された検出器と、
−それぞれの携帯機器に接触しないでデータを送信するよう構成された第1の非接触通信手段と、を少なくとも有し、
それぞれの携帯機器は、
−少なくとも複数のアプリケーションを記憶する第1の記憶媒体と、
−複数のアプリケーションのうちの1つのアプリケーションに従って、ローカル端末とのアプリケーショントランザクションを実行するよう構成された第1の処理手段と、
−ローカル端末に接触しないでデータを送信するよう構成された第2の非接触通信手段と、を少なくとも有し、この通信方法は、
−少なくとも1つのアプリケーション機能を実行する第1のステップであって、それぞれの携帯機器は、少なくとも1つのアプリケーション機能を実行するよう構成された、第1の処理手段と区別される第2の処理手段をさらに有する第1のステップと、
−少なくとも1つのアプリケーション機能の結果を表すデータを書き込むステップであって、それぞれの携帯機器が第2の処理手段に対して書込みモードでのみアクセス可能である第2の記憶媒体をさらに有することによって、第2の処理手段が第2の記憶媒体上で実行することができるステップと、
−少なくとも1つのアプリケーション機能の結果を表すデータを読み取るステップであって、第2の記憶媒体が第1の処理手段に対して読取りモードでのみアクセス可能であることによって、第1の処理手段が読み取るステップを第2の記憶媒体上で実行して複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つのアプリケーションに従って少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行することができるステップと、を少なくとも有する、通信方法に関する。
【0033】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器は、接触通信手段をさらに有し、この通信方法は、第1の処理手段が、接触通信手段を介して、複数のアプリケーションのうちの少なくとも1つのアプリケーションに従ってローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行する第2のステップをさらに有する。
【0034】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体は、携帯機器および関連付けられたサービスプロバイダに関する認証データを記憶するので、第1の実行ステップは、第1のアプリケーション機能を実行する第1のサブステップであって、ローカル端末に対して、携帯機器および関連付けられたサービスプロバイダに関する認証データに少なくとも基づいて携帯機器を認証することを有する第1のサブステップを有する。
【0035】
他の特定の特徴によれば、この通信方法は、非接触ローカル端末が、ローカル端末とそれぞれの認証済み携帯機器との間で非接触通信チャネルをオープンするステップを有する。
【0036】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体は、第1の記憶媒体が記憶する複数のアプリケーションのリストをさらに記憶し、実行する第1のステップは、第2のアプリケーション機能を実行する第2のサブステップであって、アプリケーションのリストをローカル端末に接触しないで送信することであって、ローカル端末は、ローカル端末がそれぞれと通信チャネルをオープンした携帯機器のうち、ローカル端末によって認識されるアプリケーションを有する携帯機器のみを選択することを少なくとも有する第2のサブステップをさらに有する。
【0037】
他の特定の特徴によれば、それぞれの携帯機器の第1の記憶媒体は、携帯機器の所有者に関する認証データを表すテンプレートをさらに記憶し、実行する第1のステップは、第3のアプリケーション機能を実行する第3のサブステップであって、携帯機器の所有者に関する認証データに少なくとも基づいて、ローカル端末に対して携帯機器のユーザを認証することを有する第3のサブステップをさらに有する。
【0038】
他の特定の特徴によれば、この通信方法は、ローカル端末が、ユーザが認証されたそれぞれの認証済み携帯機器とのトランザクションセッションをオープンし、ローカル端末に携帯機器のそれぞれが有する少なくとも1つのアプリケーションへのアクセス権を与えるステップを有する。
【0039】
他の特定の特徴によれば、認証されたユーザが複数の認証済み携帯機器を携行する場合、この通信方法は、トランザクションのため使用される携帯機器を選択するステップであって、ローカル端末が、ユーザに選択を提示すること、または、ローカル端末が、選択を決定するためのデータを有する場合、選択を自体で行うことを有するステップをさらに有する。
【0040】
他の特定の特徴によれば、選択された携帯機器がローカル端末によって認識される複数のアプリケーションを有する場合、この通信方法は、少なくとも1つのアプリケーションを選択するステップであって、ローカル端末が、ユーザに選択を提示すること、または、ローカル端末が、選択を決定するためのデータを有する場合、選択を自体で行うことを有するステップをさらに有し、第1の処理手段は、第2の処理手段によって第2の記憶媒体上に書き込まれたデータを読み取り、選択された少なくとも1つのアプリケーションを実行することによって、選択された少なくとも1つのアプリケーションに従ってローカル端末との少なくとも1つのアプリケーショントランザクションを実行する。
【0041】
他の特定の特徴によれば、この通信方法は、該通信方法が終了させられたかまたは割り込まれたとき、第2の処理手段が、第2の記憶媒体上に書き込んだデータを消去するステップを有する。