特許第5944894号(P5944894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5944894触媒担体粒子、および触媒担体粒子の作製方法
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  • 特許5944894-触媒担体粒子、および触媒担体粒子の作製方法 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5944894
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】触媒担体粒子、および触媒担体粒子の作製方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 21/08 20060101AFI20160621BHJP
   B01J 37/06 20060101ALI20160621BHJP
   B01J 35/10 20060101ALI20160621BHJP
   C08F 4/02 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   B01J21/08 Z
   B01J37/06
   B01J35/10 301H
   C08F4/02
【請求項の数】19
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-515956(P2013-515956)
(86)(22)【出願日】2011年6月23日
(65)【公表番号】特表2013-534470(P2013-534470A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】GB2011000943
(87)【国際公開番号】WO2011161412
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】10251143.3
(32)【優先日】2010年6月24日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/358,125
(32)【優先日】2010年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503003957
【氏名又は名称】ピーキュー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】パラグ・ラシクラル・シャー
(72)【発明者】
【氏名】ヤタオ・レイチェル・フー
(72)【発明者】
【氏名】イ・ミョンギ
【審査官】 増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−116615(JP,A)
【文献】 特表2004−502795(JP,A)
【文献】 特開2003−192713(JP,A)
【文献】 特開2001−019422(JP,A)
【文献】 特開昭56−054220(JP,A)
【文献】 特表2003−515620(JP,A)
【文献】 特表2003−521364(JP,A)
【文献】 特公昭49−010596(JP,B1)
【文献】 特公昭53−023787(JP,B2)
【文献】 特表2001−518835(JP,A)
【文献】 特開平11−092517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 − 38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.5cm/g以上の細孔容積および600m/g以上の表面積を有する細孔構造を有する触媒担体粒子の作製方法であって、
a)アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化により、15重量%〜33重量%の固形含量を有するシリカヒドロゲルを供すること、
b)ヒドロゲル粒子中にシリカヒドロゲルを形成すること、
c)pH3.5以下で1時間以上の間ヒドロゲル粒子を洗浄して、2000重量ppm未満のヒドロゲルのアルカリ金属酸化物の含有物を供すること、
d)ヒドロゲル粒子をpH3〜5を有する水性分散液を供するために設けられた水性エージング溶液と、40℃〜エージング溶液の沸点までの温度で、4時間以上のエージング期間接触させて、エージングさせたヒドロゲル粒子を供すること、(エージング温度は最低エージング温度Tから最大エージング温度Tまでであり、T=(90−10×pH)℃およびT=(184−22.6×pH)℃である。)
e)35mN/m以下の表面張力を有する液体溶媒でエージングさせたヒドロゲル粒子の溶媒交換を行い、それによって、エージングさせたヒドロゲル粒子中の水溶液を実質的に液体溶媒に置換すること、および
f)エージングさせたヒドロゲル粒子から液体溶媒を実質的に除去して、触媒担体粒子を供することを含んで成る、方法。
【請求項2】
エージング期間が4〜30時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程d)でのエージング後かつ工程e)での溶媒交換前に、工程d)のエージングさせたヒドロゲルをpH3未満まで酸性化する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
水性エージング溶液がエージングさせたヒドロゲル粒子を供するためにヒドロゲル粒子と接触しつつ、一定のpH3〜5を有する水性分散液を供するために設けられたバッファーを有して成る、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
バッファーがカルボン酸塩/カルボン酸のバッファーである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
大気圧以下の圧力で溶媒を除去する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
エージング前のヒドロゲル粒子が、150℃で乾燥後洗浄されたヒドロゲルで測定可能な表面積920m/g以上を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
エージング前のヒドロゲル粒子が、溶媒交換後洗浄されたヒドロゲルで測定可能な細孔容積1.3cm/g以下を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
触媒担体粒子が少なくとも90重量%のシリカを有して成るシリカキセロゲル粒子である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
触媒担体粒子が1.8cm/g以上の細孔容積を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
触媒担体粒子が800m/g以上の表面積を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
触媒担体粒子が、100mlのスラリー当たり12.5gの触媒担体を有するスラリー状の沸騰して、脱塩された水で25℃で測定される際、pH6以下を供する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
触媒担体粒子が20〜1000重量ppmのソーダ含量を有している、請求項1〜12のいずれかに記載の方法
【請求項14】
1.5cm/g以上の細孔容積および800m/g以上の表面積を有した少なくとも90重量%のシリカを有して成るシリカキセロゲルである触媒担体粒子であって、
100mlのスラリー当たり12.5gの触媒担体を有したスラリー状の沸騰して、脱塩された水で25℃で測定される際、触媒担体粒子はpH3〜5を供し、20〜1000重量ppmのソーダ含量を有している、触媒担体粒子。
【請求項15】
触媒担体粒子が1.8cm/g以上の細孔容積を有する、請求項14に記載の触媒担体粒子。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の触媒担体粒子、および触媒担体粒子の細孔構造体内に沈着した触媒金属の化合物を有して成る触媒前駆体であって、触媒金属がクロムを有して成る、触媒前駆体。
【請求項17】
30分〜15時間の活性期間に200〜1200℃の温度で非還元雰囲気で請求項16に記載の触媒前駆体を加熱することで得られた又は得られる、オレフィン重合触媒。
【請求項18】
請求項17に記載のオレフィン重合触媒の存在下で重合を行うことを特徴とする、1つ又はそれよりも多いC〜Cのα−アルケンの重合方法。
【請求項19】
低メルトインデックス・ポリマーを生じさせるため1つ又はそれよりも多いC〜Cのα−アルケンの重合のための請求項17に記載のオレフィン重合触媒の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒担体粒子として使用するための多孔性の固体粒子、特に多孔性のシリカキセロゲル粒子形成ための方法に関する。これらは、オレフィン重合等の重合反応で使用するため活性化させてよい触媒前駆体としてのクロム混合物等の触媒化合物を使用するために適当である。更に、本発明は触媒担体粒子、触媒担体粒子から作成される触媒前駆体および活性触媒、オレフィン(α−アルケン)重合でのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィン重合で使用される典型的なフィリップタイプの活性触媒は、多孔性の無機担体粒子から成る細孔構造内の表面に担持された酸化クロムを有して成る。多くの使用のため、酸化アルミニウム、酸化チタン又は他の酸化物は例えば、無機担体がシリカアルミナ共ゲル担体である場合、)無機担体の一部として存在してよく、又は多孔性無機支持体の細孔構造内に酸化クロムと共に担持されてよい。
【0003】
典型的には、触媒化合物は多孔性担体粒子から成る細孔構造に液状で含浸される。例えば、触媒化合物は、例えば溶媒に分散される又は溶解される有機金属化合物として細孔構造に含浸されてよい。触媒化合物の活性化前の気化により溶媒除去が行われてよい。含浸させた担体粒子(すなわち、触媒化合物と共に含浸させた無機多孔性担体粒子)は触媒前駆体粒子と言い、続いて、例えばオレフィン重合のため、この触媒前駆体粒子を触媒粒子として有用するために活性化を要してもよい。
【0004】
一般的に、触媒化合物と共に含浸後のキャリア粒子は、非活性化フォームで(すなわち、触媒前駆体粒子として)供給され、移送され、又、オレフィン重合のための触媒粒子として活用する前に活性化を要してもよい。200℃〜1200℃、好ましくは一時的には400℃〜1000℃の高温で、数秒〜典型的には数時間、例えば30分〜15時間、窒素、不活性ガス又は二酸化炭素等の非還元雰囲気で、又は好ましくは大気又は酸素等の酸化雰囲気で触媒前駆体粒子を加熱することにより活性化させて、触媒を活性化状態に換える。例えば、クロムは酸化によりクロムVI状態に適当に換えられる。一旦活性化すると、触媒はすぐに使用され、又は使用されるまでドライ、不活性雰囲気で保存されてよい。
【0005】
担体粒子は細孔容積の高い細孔構造を有することが望ましい。例えば、1.5cm/g以上の細孔容積が望ましい。又、キャリア粒子は例えば600m/g以上の高表面積を有することが望ましい。
【0006】
担体粒子から成る細孔構造の平均細孔径は細孔容積に比例し、又細孔表面積に反比例する。従って、原則として2つのキャリア粒子が同じ平均細孔径を有することが可能である。第1担体粒子は低細孔容積および低表面積を有し、第2担体粒子は高細孔容積および高表面積を有する。活性化触媒を得るために細孔構造を形成する細孔の細孔径は大きいことが望ましい(従来技術の文献により触媒が活性化する最小の細孔径条件がある。)。重合工程は、ある選択された分子量のポリマーを生成するために必要とされる。これは、通常ポリマーのメルトインデックス(MI)により評価される。MIは分子量と反比例の関係にある(高MIは低分子量を示し、低MIは高分子量を示す。)。一定のMIターゲットおよび一定の触媒細孔径のため、高細孔容積は高表面積、高活性に関連し、例えば、担体粒子を使用して重合により生じるポリマーの挙動をNCTL(切欠き定引張り荷重試験)により測定する際の耐環境応力亀裂性(ESCR)の改善に関連している。触媒活性は、1時間当たりに使用される触媒重量当たりに生じるポリマー重量を示すパラメーターである。
【0007】
同じ細孔容積を有するが細孔径が異なり、それ故表面積の異なる2つの触媒粒子を比べると、高表面積の触媒粒子は低細孔径を有し、同じ活性および重合反応状況のため、低表面積を有した触媒粒子よりも低MIポリマーを得る。触媒の細孔容積および表面積は、触媒を作成するために使用される担体粒子の対応する値に密接に関連している(例えば、処理状況により、その表面積は対応する担体粒子の表面積よりも最大例えば150m/g低くてよく、その細孔容積は担体粒子の細孔容積よりも最大例えば0.8cm/g低減されてよい。)。換言すれば、細孔構造の一定の細孔容積および高い表面積を有した担体粒子を供給することにより、高活性で、結果として生じるポリマーの良好なNCTL/ESCR挙動を有した低MIポリマーを得るためのオレフィン重合を行うことが可能である。
【0008】
高荷重メルトインデックス(HLMI)およびメルトインデックス(MI)は、190℃で各々21.6kgおよび2.16kgの荷重を用いてASTM D−1238により決定されたポリマー特性である。
【0009】
シリカ系キャリア粒子の作成のための標準的な製造工程では、シリカヒドロゲルを用意し、次いで、シリカヒドロゲルから水を除去して、水を除去して残された細孔構造を有する乾燥ゲル又はキセロゲルが得られる。例えば、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩と酸との間の反応を行って、ヒドロゾルを形成し、次いで、ヒドロゾルのゲル化によりヒドロゲルを得てよい。典型的には、触媒担体粒子として使用するためのヒドロゲルは、数時間以上40℃以上の温度で、又、典型的にはpH7よりも大きいpHでエージングさせてよい。続く細孔構造を供するためのヒドロゲルからの水の除去により、水の除去の間に粒子のシリカ骨格が崩壊し、細孔容積が低くならないように、このエージング工程は結果として得られるシリカヒドロゲルを十分に強固にするために従来技術で必要であると考えられている。しかしながら、1.5cm/g以上の最終の細孔容積を得るために使用される際のこのエージング工程は、600m/g以下の値まで表面積が付随的に減少する。
【0010】
理論的に達成可能な細孔容積は、細孔構造を満たす水で洗浄後の最終のヒドロゲルの固形分、すなわち、ヒドロゲルが形成されるヒドロゾルの固形分により決定される。本明細書では、ヒドロゲルに用いられる際の用語「固形分」とは、細孔構造から実質的に除去される可溶性塩で洗浄されたヒドロゲル中の不溶性の固体酸化物の重量パーセンテージを言う。シリカのみから成る骨格を有したシリカヒドロゲルでは、これはシリカ量に一致するであろう。しかし、チタン又はアルミナ等の他の不溶性酸化物がシリカから成る骨格分子構造体内にある場合、不溶性酸化物の全量を考慮することを要する。
【0011】
理論的に達成可能な最大細孔容積は、ソル/ゲル中の不溶性の固体の容積により決定される。液体がゲルから除去される際に、完全なる硬い骨組みのネットワークを形成する固体が崩れなかった場合、液体により空にされた全容積は結果として生じる触媒担体粒子のための細孔容積を維持したままである。%SiOが、洗浄された(すなわち、ヒドロゲルの細孔構造に可溶性塩が実質的にない)シリカヒドロゲル中のSiOの重量割合である場合、典型的にはシリカゲルの理論上の最大細孔容積(cm/gでのTPV)は(100-%SiO)/%SiO)により見積もられる。
【0012】
任意の学説に縛られることなく、シリカゲルの細孔構造から水を除去することで、水の表面張力から生じる力が導かれ、水を除去する際に一部少なくとも細孔構造を潰す力が導かれる。満たされたヒドロゲル内の水が、(メタノール又はエタノール、又は2−プロパノール等の脂肪族アルコール、トリフルオロ酢酸又はアセトン等の)水よりも表面張力の低い溶媒にまず部分的に又は全体的に交換される場合、この効果は溶媒交換方法により低減されるかもしれない。溶媒交換方法はその分野で周知であり、第1溶媒交換が第1水混和性溶媒で行われ、続く交換が第1溶媒と混和する第2水非混和性溶媒で行われる場合、共沸蒸留や多重溶媒交換処理を含む。そのような溶媒交換処理により、(例えば、溶媒を水にまず交換し、次いで、交換した溶媒を除去する)ヒドロゲルの乾燥から生じる細孔容積のロスが低減されるかもしれないが、細孔容積のロスを完全に除けないかもしれないので、ヒドロゲルの細孔構造から水を除去する際に細孔容積を維持することができる場合、多孔性シリカ構造体の強化が更に重要となる。1.5cm/gを超える最終の細孔容積を得るために使用される際の溶媒交換処理は、典型的に表面積を600m/g以下の値まで付随的に低減する水除去の前にヒドロゲルの更なるエージングを要する。
【0013】
オレフィン重合処理の間、触媒担体粒子を潰して十分に脆くして、得られるポリオレフィンのざらざらした風合いを避けることが望ましい。典型的には、触媒粒子のフラグメントを得られるポリオレフィン中に保つことが可能であり、それ故、ポリオレフィンの至る所に分散される小さい粒子中に触媒担体粒子を潰すことが重要である。しかしながら、脆すぎる触媒担体粒子は細孔構造に触媒金属を沈殿させ、活性化触媒粒子を形成するために使用される処理工程に耐えることができないかもしれない。
【0014】
pH7を上回る場合でのエージングは、キセロゲル触媒担体粒子のため十分に大きな細孔径を得るために使用される典型的には標準的な方法である。エージングにより、シリカマトリックス又は骨組みが強化されて潰れないと考えられており、その強化はシリカ粒子をオストワルトエージングすることで生じると考えられ、通常、そのようなエージングを合理的な時間内で生じさせるため、シリカが相対的に可溶性であるような状態が選択される(すなわち、pH7よりも大きいpH)。実際には、そのような強化により細孔容積が増えると、それに代わって付随的に表面積が低減すると分かっている。1.5cm/g以上の細孔容積を有し、pH7以上でエージングされるヒドロゲルの溶媒交換により準備される触媒担体粒子の表面積値が600m/g以下になる。
【0015】
従来技術の問題を解決する試みとして、ヒドロゲル中の水を交換するため、有機溶剤又は二酸化炭素等の超臨界流体を使用することが挙げられる。超臨界溶媒の使用の根底にある原理は、超臨界状態で溶媒の表面張力がなくなることで、pH7以上でのエージングによる強化が取り除かれるかもしれないということである。表面積1195m/gと細孔容積3.53cm/gを有するシリカゲルは、交換媒体として超臨界流体を使用することにより得られた。Ranliao Huaxue Xuebaoの1996−24(6)517〜521を参照して下さい。又、Yang Ruらの微細孔およびメソ多孔性材料129(2010)1〜10を参照して下さい。しかしながら、超臨界流体の使用は典型的には高圧格納容器を要し、産業規模での安全な操作のためかなり複雑な処理である。更に、得られるキセロゲルは標準的に強化されたキセロゲルよりも弱いかもしれない。
【0016】
又、シリカの表面はキセロゲルの形成前にシリル化剤で処理されてよい。これは、例えばUS7470725、微細孔およびメソ多孔性材料(2008)112(1〜3)、504〜509又は適用された表面化学(2007)254(2)、574〜579に記載されている。シリル化剤を使用することで、シリケート剤と反応することによりシリカキャリア表面のヒドロキシル基のほとんどが取り除かれる。従って、乾燥ゲルは典型的には高い炭素量を有している。例えば、US7470725により作成されるシリカキャリアは乾燥状態で12重量%の炭素を含んでいてよい。多くの触媒用途のため、シリカの表面ヒドロキシル基は触媒的な活性種を固定する際の役割を果たすかもしれないので、シリル化剤による化学不活性は望ましくない。
【0017】
高表面積および高細孔容積を有する担体粒子を供するための効果的な別の方法は、ヒドロゲルの凍結乾燥である。これは、固体状態で維持するためにヒドロゲルの細孔中の水を十分に低い温度で凍結し、続いて、ヒドロゲルから水を真空昇華させることを含む。これは、例えば、シリカキャリアが757m/gおよび2.77cm/gの細孔容積を有するUS3652214で得られると開示されている。凍結乾燥処理は、溶媒交換をするキセロゲル触媒担体粒子と比べてゆっくりでエネルギー集約型の処理である。
【0018】
別の従来の方法は、ヒドロゲルが形成される液/固中に少量の重合調整剤があることを要する。US5229096に開示されているこの方法により、洗浄後に995m/gの表面積および2.32cm/gの細孔容積を有するシリカキャリアが供された。重合調整剤はキャリア中に不純物として残ったままであるかもしれず、触媒担体粒子から完全に除去されない場合触媒性能に負の影響を及ぼす。
【0019】
従って、高表面積および高細孔容積の両方を有する細孔構造の多孔性キセロゲル触媒担体粒子作成のための方法を要する。又、この方法は現在の処理装置を使用して実施するのに適当であり、作成の間、キセロゲルに潜在的に触媒混入物質の導入を要しない。又、多孔性キセロゲル触媒担体粒子が、移動および操作に対して耐性を有するが、重合反応での使用の間に潰れるための十分な脆さを供するための適当な強度を有するような粒子の作成方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0020】
高細孔容積と高表面積を有する多孔性キセロゲル触媒担体粒子を供することがとりわけ本発明の目的である。別の目的は、標準的な装置および溶媒交換技術を用いてそのような担体粒子を作成するための方法を供することである。本発明の別の目的は、キセロゲル形成のための超臨界溶媒を使用することを要することを避けることである。又、触媒活性を妨げ、又は添加剤の除去のための追加の処理工程を要するかもしれないキセロゲルへの添加剤の取り入れを避けることが本発明の目的である。
【0021】
本発明の第1態様は、1.5cm/g以上の細孔容積および600m/g以上の表面積を有する細孔構造を有する触媒担体粒子の作成方法を供する。この方法は、
a)アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化により15重量%〜33重量%の固形分を有するシリカヒドロゲルを供すること、
b)ヒドロゲル粒子中にシリカヒドロゲルを形成すること、
c)ヒドロゲル粒子を1時間以上、pH3.5以下で洗浄して、実質的に塩を除去すること、
d)40℃〜水性エージング溶液の沸点までのエージング温度で4時間以上エージングさせて、pH3〜5を有する水分散液を供するために設けられた水性エージング溶液とヒドロゲル粒子とを接触させて、エージングさせたヒドロゲル粒子を供すること、
e)35mN/m以下の表面張力を有する液体溶媒でエージングさせたヒドロゲル粒子の溶媒交換を行い、エージングさせたヒドロゲル粒子中の水溶液が実質的に液体溶媒によって置換されること、および
f)エージングさせたヒドロゲル粒子から液体溶媒を実質的に除去して、触媒担体粒子を供することを含んで成る。
【0022】
本発明の第2態様は本発明の第1態様の方法により得られた触媒担体粒子を供する。本発明の第2態様は、1.5cm/g以上の細孔容積および600m/g以上の表面積を有する少なくとも90重量%のシリカを有して成るシリカヒドロゲルである触媒担体粒子を供する。100mlのスラリー当たり12.5gの触媒担体を有したスラリー状の沸騰させ又脱塩させた水で25℃で測定した際、この触媒担体粒子はpH6以下である。本発明の第2態様の触媒担体粒子は、20〜1000重量ppm(重量部)、例えば60〜600重量ppmのソーダ含量(すなわち、NaO)を有していてよい。
【0023】
本発明の第3の態様は、細孔構造内に沈殿させた触媒金属の化合物、好ましくはクロムを有して成る触媒金属の化合物を有して成る本発明の第2態様の触媒担体粒子を有して成る触媒前駆体を供する。
【0024】
本発明の第4の態様は、非還元雰囲気で好ましくは酸化雰囲気で、30分〜15時間の活性期間に200〜1200℃の温度で、本発明の第3の態様の触媒前駆体を加熱することで得られる又は得ることが可能なオレフィン重合触媒を供する。
【0025】
本発明の第5の態様は、1つ又はそれよりも多いC〜Cのα−アルケンの重合が本発明の第4態様のオレフィン重合触媒の存在下で行われることを特徴とする重合方法を供する。
【0026】
本発明の第6の態様は、1つ又はそれよりも多いC〜Cのα−アルケンの重合のための本発明の第4の態様のオレフィン重合触媒を使用して、低メルトインデックスポリマーを生じさせることである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は本発明の第1態様の方法の工程を示す概略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書を通じて、用語「comprising」又は「comprises」は他の構成要素を排除するものではないが、規定される構成要素を含むことを意味する。用語「consisting essentially」又は「consists essentially」は、不純物として存在する材料、構成要素を供するために使用される処理の結果として存在する不可避の材料を除く他の構成要素、および本発明の技術的効果を得る以外の目的のために追加される構成要素を排除するものではないが規定される構成要素を含むことを意味する。典型的には、不可欠な一式の構成要素から成る組成物は、5重量%以下、典型的には3重量%以下、より典型的には1重量%以下の非規定の構成要素を含んで成る。
【0029】
又、必要な場合には、用語「comprises」又は「comprising」の使用は、「consists essentially」又は「consisting essentially」の意味を含んでよい。
【0030】
本発明の第1態様は、1.5cm/g以上の細孔容積および600m/g以上の表面積の細孔構造を有する触媒担体粒子の作成方法を供する。
【0031】
工程a)では、ケイ酸カリウム又はケイ酸ナトリウム、通常ケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩溶液の酸性化により15重量%〜33重量%、好ましくは20重量%〜30重量%の固形分を有するシリカヒドロゲルが供される。固形分は、本明細書で(水とヒドロゲル粒子を実質的に洗浄するヒドロゲル形成の際の副産物であるヒドロゲル可溶性塩で満たされた粒子の細孔構造を有した)洗浄したヒドロゲル粒子の重量に基づくヒドロゲル中の不溶性酸化物の重量割合として規定される。固形分の測定のため、可溶性塩を洗浄により実質的にヒドロゲルから除去することで、ヒドロゲルは2000重量ppm以下のアルカリ金属酸化物(例えば、NaO)、好ましくは1000重量ppmのヒドロゲルを含む。典型的には、これはpH3の水溶液で5時間洗浄することにより達成することが可能である。
【0032】
処理工程a)は、典型的には例えば、30〜60℃、55℃の温度でケイ酸ナトリウム溶液等のアルカリ金属ケイ酸塩溶液に過剰に強酸を加えることによるヒドロソルの形成、続く必要とする固形分を有するヒドロゲルを得るためのヒドロソルのゲル化を含む。ヒドロソルがヒドロゲルに固化するのに約3〜20分、例えば4〜10分典型的にはかかり、次いで、典型的には取り組まれる更なる処理工程の前に更に40〜150分間ゲルを固化することが可能である。得られるソルが0.5〜1の規定度を有する(すなわち、ソルが0.5〜1N酸である)ように、酸が典型的に加えられる。例えば、硫酸、硝酸又は塩酸等の任意の適当な鉱酸が使用されてよい。硫酸が好ましい。ゲル形成の間のpHは典型的には3未満である。しかしながら、得られたゲルのpHが3よりも大きいと、ゲルのpHは、洗浄前の表面積の不慮のロスを避けるために更なる処理前に酸性化により適当に3以下に低減される。
【0033】
ある適当な形態では、初期のアルカリ金属ケイ酸塩溶液は典型的には、13〜40重量%のSiO含量を有していてよく、SiO:MOのモル比は0.9〜3.7、典型的には2.0〜3.3である。MはK又はNa等のアルカリ金属を示している。ヒドロゾルを形成するために使用される酸は、配合又は混合装置で高せん断条件で典型的に加えられる例えば硫酸であってよい。HSO:MOのモル比は典型的には1より大きく、例えば1.2〜2、例えば約1.4である。
【0034】
初期に形成されるヒドロゾルは12重量%〜19重量%のSiO%含量を有していてよい。得られるゲルのSiO%は、続く洗浄間の可溶性塩のシネレシスおよび除去によりある液体が失われて形成されるゾルのSiO%よりも高い。この形態は酸−セットヒドロゲルと呼んでよい。
【0035】
本発明の別の適当な形態では、初期のアルカリ金属ケイ酸塩溶液は10〜13重量%のSiO含量を有してよく、HSO:MOのモル比は0.7〜0.95であってよい。そのような処理から得られる洗浄されたヒドロゲルは、典型的には15〜18重量%のSiOを有していてよい。この処理から得られるヒドロゲルは洗浄前に典型的にはpH10以上を有する。この形態は塩基−セットヒドロゲルと呼ばれてよい。この高いpHのため、ゲルのpHは洗浄前に表面積の不意のロスを避けるために更なる処理前に酸性化により3以下に適当に低減される。
【0036】
後の処理工程d)は、ゲルがpH3〜5を有する水性分散液中の水性液体の存在下でエージングされるので、不可避的にゲルの表面積のロスを導く。最終の触媒担体粒子の表面積を600m/g以上にするために、本発明の方法の工程d)に入るゲルの開始表面積は適当には600m/gよりも大きい。シリカゲルがケイ酸ナトリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩に強酸を加えることにより生じるケイ酸から形成される際、ゲルを形成するために合体する初期のシリカナノ粒子は、低pHで形成されるので1〜2nmの大きさを有する。続いてシリカナノ粒子はゲルが形成されて、洗浄される際に大きくなってもよい。ゲルが形成されるシリカ粒子の大きさは、最終の触媒担体粒子のため潜在的に得ることが可能な最大表面積を制限する。従って、最終表面積を大きくするために、攪拌を強くして、pH3以下で好ましくは2以下でシリカゲルを形成し、工程d)の開始までpHを3未満に維持することが望ましい。この初期の表面積は処理工程c)から得られるヒドロゲル(すなわち、洗浄されたヒドロゲル)を乾燥し、例えば真空炉中で150℃で加熱し、続いて得られた乾燥ゲルの表面積を測定することにより容易に決定されてもよい。
【0037】
乾燥処理は細孔容積を低くするかもしれないが、表面積は使用される乾燥方法により実質的に影響を受けない。処理工程d)の始めに使用されるヒドロゲルは、620m/g以上、好ましくは720m/g以上、より好ましくは820m/g以上、更により好ましくは920m/g以上、例えば950m/g以上、例えば1000m/g以上、例えば最大1100m/gまでの表面積を有する。その表面積は乾燥後に洗浄されたヒドロゲルで測定される。
【0038】
処理工程(d)の始めに使用されるヒドロゲルの細孔容積は、典型的には1.5cm/g未満、例えば1.3cm/g以下、例えば1.2cm/g以下、例えば1cm/g以下である。細孔容積は交換溶媒としてメタノールを使用して溶媒交換を行い、真空でメタノールを気化した後に、本明細書に記載の細孔容積の測定法により測定されてよい。
【0039】
シリカヒドロゲルは工程b)でヒドロゲル粒子中に形成される。ヒドロゲル粒子は適当には(ふるい分けにより測定される際)2cm以下の径である。任意の適当な手段、
例えばミル等を使用して押しつぶすことによりセットしたゲルを粉砕して、粒子中に形成されてよい。これは、任意の更なる化学処理により理論上の時間スケール内で生じさせることが可能である。ヒドロゲル粒子が大き過ぎると、ヒドロゲル粒子内外の化学拡散が過剰に長い時間を要するかもしれない。又、ゾルは、適当な大きさの球状のゲル粒子中にゾルを形成するためにスプレーされてよい。スプレーセッティングは本明細書に記載の塩基セットヒドロゲルに特に有用である。
【0040】
ゲル化および粒子中への形成後、シリカヒドロゲルはゲル化後に過剰の酸を除去して、実質的に水溶性塩を除去するために工程c)で洗浄される。水溶性塩は、典型的にはヒドロゾルおよびヒドロゲルを形成するために使用されるケイ酸塩溶液と鉱酸との間の反応の副産物として存在する。水溶性とは25℃で少なくとも10g/lの水に対する溶解度を有することである。
【0041】
酸性洗浄液を使用して1時間以上、例えば1〜24時間、例えば2〜12時間ゲル粒子を洗浄して、洗浄の間のゲルのpHを典型的には3.5以下、好ましくは3以下にする。酸性洗浄液は硫酸又は別の鉱酸、例えば硝酸又は塩酸で低pHまで酸性化された水であってよい。酸性洗浄液はpH2.5〜3.5、例えば3〜3.5を有していてよい。典型的には、洗浄工程c)は例えば15〜40℃で行われる。これはゾル/ゲル反応から生じる可溶性塩の除去に有用である。実質的な水溶性塩の除去とは、ヒドロゲルがアルカリ金属酸化物(例えば、NaO)の含有物を供するために洗浄され、2000ppm未満、好ましくは1000ppm未満の重量割合のヒドロゲルとして表わされるということを示す。この工程で使用される洗浄水は水と鉱酸から基本的に構成されてよい。典型的には、5〜50lの酸性洗浄水が、実質的に水溶性塩を除去するためにヒドロゲル1kgあたりに必要とされる。
【0042】
水溶性塩を実質的に除去するための洗浄工程c)は、工程d)でのエージング前又は工程d)でのエージング後に行われてよい。後に本明細書で記載するように、工程c)およびd)は同時であってよい。
【0043】
本発明の第1態様の方法の工程d)は、ヒドロゲル粒子とpH3〜5の水性分散液を供するために設けられた水性エージング溶液とを40℃〜最大水性エージング溶液の沸点、例えば45℃〜100℃のエージング温度で4時間以上のエージング期間で接触させて、エージングさせたヒドロゲル粒子を供することを含む。
【0044】
エージング温度は、エージングがpH3で行われる際好ましくは約60℃〜沸点であり、エージングがpH5で行われる際約40℃〜71℃、好ましくは約45℃〜約70℃である。すなわち、最低および最高の適当なエージング温度は、下記のとおり約20時間という典型的なエージング時間の間pHに関連する。
【0045】
=適当な最低エージング温度=(90−10×pH)℃である。それ故、pH=3でTは60℃であり、pH=5でTは40℃である。
【0046】
=適当な最高エージング温度=(184−22.6×pH)℃である。それ故、pH=3でTは116℃であり、pH=5でTは71℃である。


【0047】
pH4でエージング温度のため、例えば、適当な最低エージング温度は50℃であり、最高エージング温度は93.6℃である。
【0048】
適当な最高エージング温度は高表面積を維持するために決定される。エージング温度が増えると、エージング処理により始めの表面積から大きく表面積が減る。
【0049】
適当な最低エージング温度は、1.5cm/g以上の値まで細孔容積を増やすために決定される。
【0050】
必要なエージング温度はエージング時間により調整されてよい。より低いエージング温度はエージング時間を長くするためであってよく、より高いエージング温度はエージング時間を短くするためであってよい。
【0051】
水溶液中のシリカゲルの水溶性分散液はpH3〜5、例えば、3.5〜4.5で、エージング温度は40℃〜最大エージング溶液の沸点まで、例えば本明細書に記載するように適当な最高および最低エージング温度である45℃〜100℃で、エージング期間は4時間以上、例えば4〜30時間であることで、エージングさせたシリカヒドロゲル粒子が供される。この接触は密閉容器又は閉鎖系で行われてよい。これにより、水性エージング液およびシリカヒドロゲルがpH3〜5であることが可能な水溶液の量および濃度で接触し、任意には攪拌され、循環される。これは当業者により「エージング(又はエージング;ageing)」と言われている。エージングがこの方法で行われる際、ヒドロゲル1kg当たり0.5〜10l水性エージング液が典型的には必要とされる。
【0052】
又、当業者に「洗浄」と呼ばれる際、要するpHである水性エージング溶液が、シリカヒドロゲル粒子を通り越して通るように接触はオープンシステムで生じてもよい。好ましくは、工程d)はエージング工程の際に行われる。
【0053】
pH3〜5を有する水性エージング溶液は典型的には、酸および/又は緩衝塩により酸性化された水である。それ故、水性エージング溶液は水および硫酸等の鉱酸から基本的に構成されてよい。例えば、硫酸、硝酸又は塩酸で酸性化された水が使用されてよい。カルボン酸ナトリウム、例えば酢酸ナトリウム又はクエン酸等の緩衝システムが用いられてよい。工程d)がエージング工程として行われる場合、本明細書で記載するように、pHがエージング処理を通じて実質的に一定に維持されるように水性エージング溶液として緩衝システムを使用することが好ましい。実質的に一定のpHとは、pHがエージング期間に±0.2pH未満変わることを意味する。
【0054】
一定にされた工程d)はエージング期間に、40℃〜最大エージング溶液の沸点までの温度で行われ、この工程の終わりにエージングされたシリカヒドロゲル粒子が得られる。
【0055】
上記に記載するように、これらの工程が各々生じること又は単一の処理工程と組み合わせることが本発明の範囲内であることは工程c)およびd)の記載から明らかである。工程d)の制限の範囲内である適当な状況で行われるように、工程c)の洗浄を選択するならば、工程d)は工程c)と同時に生じるであろう。すなわち、工程c)の酸性化された水性洗浄液は工程d)の水性エージング溶液として作用してよい。
【0056】
好ましくは、エージングさせたヒドロゲルは、工程d)のエージング後工程e)の溶媒交換前にpH3未満に酸性化される。
【0057】
例えば、工程d)のエージングさせたヒドロゲルは、工程d)の後工程e)の前に、特に更なる処理の前にゲルを保存し、移送することが可能であるならば、pH1.5〜3に酸性化されてよい。エージングさせたヒドロゲルを硫酸等の酸の追加によりpH1.5〜3(例えば2)に適当に酸性化して、溶媒交換前の容器でのエージングさせたゲルの予期せぬ更なるエージングを低減し、又はなくす。容器でのそのような予期せぬエージングは、細孔容積又は表面積の予期せぬ変化をもたらすかもしれない。
【0058】
例えば、緩衝システムが工程d)で用いられる場合に任意の可溶性塩を洗浄するために、又、溶媒交換前にゲルのpH値を3.5未満、例えば、3未満にするために水を除去するための溶媒交換である工程e)の前に、pH2.5〜3.5、例えば、pH3〜3.5まで酸性化させる更なる水性洗浄水を使用する更なる任意の洗浄工程があってよい。表面積および/又は細孔容積を予期せず変えるかもしれない予期せぬエージングを低減するために、溶媒交換の間のエージングさせたゲルのpHは3.5以下である、好ましくは3以下であることを確保することが望ましい。
【0059】
エージングさせたヒドロゲル粒子は、工程e)で35mN/m以下の表面張力を有する液体溶媒での溶媒交換に耐性がある。エージングさせたヒドロゲル粒子の細孔構造中の水溶液は実質的に液体溶媒に交換される。そのような溶媒交換処理は当業者に周知であり、シリカヒドロゲルを複数すすぐことを含んでよい。ゲルの細孔構造中の水は、最終的には実質的に完全に水混和性である溶媒に、部分的に水混和性又は水非混和性である溶媒に置換される。例えば、水は、水混和性である第1溶媒に置換し、第1溶媒に混和するが水非混和性である第2溶媒にこの第1溶媒を置換することにより水非混和性溶媒に置換されてよい。水非混和性とは、溶媒が25℃で0.1%未満の水溶解性を有することを示す。
【0060】
この溶媒交換は、液体溶媒が触媒担体粒子を供するためにエージングさせたヒドロゲル粒子から実質的に除去される工程f)に続く。減圧はゲル粒子全体に渡り圧力を減らし、それによって、溶媒除去が促進されることを指すと理解できようが、液体溶媒の除去は典型的には蒸発乾燥により、例えば、炉で行われ、減圧条件で、時には真空条件で行われてよい。又、溶媒除去はスラリー状に粉砕された溶媒交換された粒子をスプレー乾燥することにより効果があるかもしれない。これは、典型的にはキセロゲルの小さな粒子を有して成る凝集した粒子の形成により生じる。本明細書で使用する用語「溶媒交換」は、液体溶媒はヒドロゲルの細孔構造中の水を置換するために使用され、続いて溶媒が除去される処理を意味する。この用語は除去時に超臨界状態での溶媒の使用を含んでよいが、本発明の方法は好ましくは、除去の間に液体で固体状態ではなく、超臨界状態でない溶媒で溶媒交換を用いて行われる。
【0061】
すなわち、溶媒は好ましくは大気圧以下の圧力で除去される。
【0062】
エージング期間は、得られる触媒担体粒子が1.5cm/g以上の細孔容積および600m/g以上の表面積を有する細孔構造を有するようにされる。最も適当なエージング期間は、接触工程d)で使用される水溶液の特定の温度およびpHのための所望の細孔容積および表面積を供するために要するエージング期間を得るための一連の試みを行うことにより単純に決定されてよい。例えば、pH3等の特定の範囲内の低pHで、特定の範囲内の高温および長いエージング時間が適当である。例えばpH4又は5の高pHで、特定の範囲内の低温および短いエージング時間である。
【0063】
20時間のエージング期間でpH3〜5の範囲内でエージング後に得られる表面積は、エージングが行われる温度に依存すると下記に記載の実験データから分かるであろう。pH5では、600m/gを超える表面積を得るために、エージングは約71℃以下、例えば70℃以下の温度で行われてよいが、より高い表面積、例えば800m/gを得るために、エージング温度は低くある、例えば55℃以下であることを要する。しかしながら、pH3で必要な表面積を得るために、エージングは最大エージング溶液の沸点の温度で行われてよい。しかし、その温度は、触媒担体粒子の必要な細孔容積を供するために適当には約60℃を超えるべきである。
【0064】
水溶液の異なるpH値での適当なエージング温度および時間の詳細は、本発明の対象物を効果にする方法に関するガイダンスを供するために実施例に記載されている。
【0065】
エージング期間は、望ましくはエージング期間を長くすることがよいが、4時間以上、例えば4〜30時間である。
【0066】
細孔容積と共に表面積は、(アメリカ合衆国フロリダボイントンビーチのカンタクローム社により供給された)オートソーブ6アナライザーを使用して窒素ポロシメトリーにより測定される。サンプルはまず測定前に装置のガス放出部で350℃で4時間ガス放出される。(ガス放出されたサンプルを含む)サンプルチューブは分析部に移送され、液体窒素に含浸され、窒素等温線が決定される。表面積は、0.05〜0.30のP/Pの範囲でデータ点をとるBET理論を用いて計算される。
【0067】
シリカキセロゲルは少なくとも90重量%のシリカを有して成ってよい。チタン又はアルミニウム等の他の酸化物、又はそのような酸化物の混合物が、シリカキセロゲルの原子格子構造に含まれていてよい。しかし、これらはなくてもよい。適当には、本発明で使用されるシリカキセロゲルは少なくとも90重量%のSiOを有して成り、キセロゲル触媒担体粒子の重量割合として示される。より好ましくは、シリカキセロゲルは少なくとも95重量%のシリカを有して成る。キセロゲル中のSiOのレベルは、下記に記載するようにXRF(X線蛍光分光法)を使用して元素分析により適当に測定される。
【0068】
この明細書では、他に説明がない限り、重量割合はXRFを使用した元素分析により測定された際の割合を示す。すなわち、割合はXRFにより測定される全材料に関して示される。XRFのサンプル作成で使用される高温は、水等の揮発性材料が測定前に失われ、含有されないことを意味する。適当には、本発明の触媒担体粒子のシリカキセロゲルは、シリカ以外に10%未満の酸化物を有して成る。具体的には、触媒担体粒子は、好ましくは少なくとも90重量%のSiOを有して成るシリカキセロゲルである。
【0069】
シリカキセロゲルはシリカから構成され、又はシリカから基本的に構成されてよい。又、シリカキセロゲルは、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム又はこれらの混合物から選択される1つ又はそれよりも多い酸化物を有して成る共ゲルであってよい。例えば、シリカキセロゲルは全体で0.01〜9.9重量%のそのような酸化物を有して成ってよい。
【0070】
すなわち、シリカでない酸化物の全量は通常10重量%未満のシリカキセロゲルである。
【0071】
触媒担体粒子は、適当には1.5cm/g以上、1.6cm/g以上、1.7cm/g以上、1.8cm/g以上、1.9cm/g以上、2.0cm/g以上、2.2cm/g以上、又は2.4cm/g以上の細孔容積を有していてよい。触媒担体粒子は、600m/g以上、700m/g以上、800m/g以上、900m/g以上、又は950m/g以上の表面積を有していてよい。例えば、触媒担体粒子は表面積800m/g以上、900m/g以上、又は950m/g以上で1.8cm/gの細孔容積を有していてよく、又は例えば、触媒担体粒子は1.7cm/g以上、1.8cm/g以上、1.9cm/g以上、2.0cm/g以上、2.2cm/g以上、又は2.4cm/g以上の細孔容積で900m/gの表面積を有していてよい。
【0072】
工程e)の溶媒交換処理で使用される溶媒は、適当には水の表面張力よりも相当低い表面張力、例えば20℃で35mNm−1以下、例えば30mNm−1を有する。
【0073】
溶媒交換は、水混和性である溶媒を使用して過剰な溶媒と接触させることでヒドロゲルから水を除去することで行われてよい。この工程は何回も繰り返されてよく、次いで、工程f)で得られる溶媒交換されたゲルから交換する溶媒が例えば蒸発により除去されて、触媒担体粒子に細孔構造を得てもよい。水を除去するための別の溶媒交換処理は、最初に第1水混和性溶媒で水を置換し、第1溶媒に混和するが、水に混和しない又は部分的に混和する第2溶媒で第1溶媒を置換するための2段階の溶媒交換を含んでよい。溶媒除去の別の方法は、部分的に水混和性溶媒で共沸蒸留することである。部分的に水混和性溶媒、例えば酢酸エチルはヒドロゲルおよび蒸留混合物に加えられる。溶媒に富んだ凝縮液は蒸留混合物に戻され、水に富んだ蒸留液は捨てられ、ヒドロゲル中の水を溶媒に最終的に置換することを導く。得られるゲルは、気化又はキセロゲルを形成するための他の適当な手段により除去される溶媒を有していてよい。
【0074】
溶媒交換のため使用される溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、トリフルオロ酢酸、又はある他の適当な溶媒等の溶媒であってよい。酢酸エチルは、水と部分的に混和するのみである溶媒として使用されてよい。1つよりも多い溶媒は、溶媒交換のために混合物中で連続して使用されてよい。好ましくは、溶媒交換は超臨界溶媒で行われない。ゲルからの固体の除去の間、固体に液体溶媒がない。
【0075】
学説に縛られることなく、表面張力の低い溶媒は、水の表面張力と比べて溶媒が除去される際のゲルのシリカ骨格内の毛管力を低減すると考えられている。これにより、溶媒除去の間にシリカ骨格が潰れて、細孔構造の量が低減されると考えられている。これにより、凍結乾燥の必要性又は超臨界状態での使用を避けて、溶媒が除去される際に液体状態であることが可能である。
【0076】
溶媒は実質的にキセロゲルを形成するために除去されるが、本発明の触媒担体粒子に溶媒が残存したままでもよい。具体的には、溶媒はシリカ骨格のヒドロキシル基に化学的に結合された形状であってもよい。これにより、0.05重量%〜3重量%、例えば、0.1重量%〜2重量%の炭素量を有する本発明の触媒担体粒子が導かれてよい。好ましくは、触媒担体が含浸および活性化により触媒と共に供される際、触媒性能に影響するので、過剰量の結合されたヒドロキシル基を避けることを要する。
【0077】
炭素量は、(アメリカ合衆国ミシガン州StジョセフのLECO社により供給される)LECO CN−2000炭素窒素アナライザーにより適当に測定されてよい。分析は、元素炭素をCOに換えるために高温(約1350℃)でサンプルを燃焼することにより行われる。燃焼前に、サンプルは2時間5.3インチマーキュリーの真空(18kPa)条件で120℃で乾燥される。生じるCO量は、赤外線検出器セルを生じたガスが通過することにより測定される。
【0078】
本発明の第2態様は、1.5cm/g以上の細孔容積および600m/g以上の表面積を有する少なくとも90重量%のシリカを有して成るシリカキセロゲルである触媒担体粒子を供する。100mlのスラリー当り12.5gの触媒担体を有するスラリー状の沸騰、脱塩水で25℃で測定する際、触媒担体粒子はpH6以下、典型的には3〜6、例えば3〜5を供する。触媒担体粒子は20〜1000重量ppm、例えば60〜600重量ppmのソーダ(NaO)含量を有していてよい。触媒担体粒子のナトリウム含有物は、例えば、パーキンエルマーモデル分析100装置を使用してフレーム原子吸光分光法(AA)により適当に測定されてよい。分析サンプルはフッ化水素酸でまず分解され、その溶液はNa分析のためAA分光光度計中に吸引される。
【0079】
触媒担体のソーダ含有物は、得られる活性化触媒の性能およびそのような触媒を使用して形成されたポリマーの特性に効果がある。ソーダ含有物が増えると触媒活性およびポリマーMIが高まると分かっており、20〜1000ppmのNaOの範囲内でソーダ含量が増えると、ポリマーESCRが減る。
【0080】
触媒担体のpHに関して、担体表面積の安定性、特にかなり高表面積を有した担体の安定性は担体のpHによる。同じ表面積を有し、同じ湿気/湿度状態、同じ温度の下で保たれた2つの担体粒子において、高pHの担体粒子は容器での表面積のより急速なロスを示す。従って、触媒担体粒子が望ましい高表面積であることにより触媒担体粒子を長期間保存することができるように、測定される際、担体粒子が低pHを示すことが望ましい。
【0081】
本発明の第2態様の触媒担体粒子は本発明の第1態様の方法により適当に得られ、又、本発明の第2態様が適当である場合、本発明の態様の好ましい又は適当な特徴は適切である。ヒドロゲルがpH3〜5で本発明の方法でエージングされ、pH3未満に酸性化されおよび/又はpH3〜3.5で洗浄されてよいが、溶媒交換により細孔構造から水が除去された後、キセロゲルは最大pH6を有していてよいと分かるであろう。
【0082】
触媒担体粒子のpH値は粒子を12.5gとり、100mlの体積を有するスラリー(すなわち、粒子含有物は12.5%重量/体積である。)を供するために粒子に沸騰した、脱塩水を加えることで測定される。脱塩水は沸騰前にISO3696(1987)2級を満たすことを要する。脱塩水は沸騰されて二酸化炭素が除去され、次いでpH測定のための沸騰した脱塩水の使用前に室温(25℃)まで冷却される。スラリーは、pHが平衡値に到達するまで10分間以上撹拌される。pH6以下の粒子は、pH3〜5を有する水性分散液中での粒子と水溶液との間の長い間の接触を含む処理工程d)の結果として生じると考えられる。エージング後で溶媒洗浄前のpH1.5〜3.0(例えば、2.0)への任意の酸性化はこのpHの低減に寄与してよい。
【0083】
上記に本発明の第1態様を記載しているが、シリカキセロゲルは適当には少なくとも90重量%のシリカを有して成る。触媒担体粒子は、上記に記載するような本発明の第1態様の方法により得られる触媒担体粒子の細孔容積および表面積を有する。
【0084】
触媒担体粒子は適当には体積平均粒子径1〜300ミクロメートルを有する粒子の形状である。典型的には、最終的なキセロゲル担体粒子を光散乱により測定する際、本発明の方法から得られる粒子は、体積平均粒子径1〜300ミクロメートルを供するために、(工程f後の)キセロゲル粒子の形状で更に粉末状にされ、ふるいにかけられてよい。用語「直径」とは、粒子が球形状であることを示唆するものではないが、本明細書で記載する光散乱により測定する際の粒子サイズを示すために使用される。本発明の方法が、本明細書で記載するようにゾル粒子のスプレー硬化又はキセロゲル凝集体を供するための溶媒交換粒子のスプレー乾燥を含む際、その時の粒子サイズは、(例えば、ふるいによる)分類と相まったスプレー状況の変更により調整されてよい。又、体積平均粒子径とは粒子の平均体積モーメントを指す。すなわちD[4,3]=全粒子iで合計されたΣn/Σnである。
【0085】
又、この典型的な平均径は本発明の第3態様の触媒前駆体粒子、および基本的に担体材料と同じ粒子径を有する本発明の第5態様の活性触媒粒子に適用される。これは、マルバーンTMマスターサイザー等の装置を使用して光散乱による粒子サイズの分析により適当に測定されてよい。ウースターシャーのマルバーン社により作られたこの装置は、粒径分布を算出するためのミー理論を用いている。ミー理論はどのように光が球状の粒子により散乱するかを予測し、粒子の屈折率を考慮している。シリカの屈折率のため用いられる真の値は1.45であり、屈折率1.33での水分散剤で(光の吸収に対応して)0.1が粒子の架空の屈折率のため用いられる。
【0086】
粒径分布を考える際、平均粒子サイズとは対照的に、粒子は500μm以下、好ましくは400μm以下のd90を適当に有する。粒子は300μm以下のd50を有していてよい。粒子は1μm以上、好ましくは10μm以上のd10を有していてよい。(明確にするため、d90とは、90体積%の粒子がd90未満の直径を有し、同値の定義がd50およびd10に適用する直径である)。粒子は好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜250μm、更により好ましくは25〜150μmのd50を有する。
【0087】
粒子は任意には、例えばふるい等の手段によるサイズ分類と組み合わせた粉砕により作成されてよい。
【0088】
本発明の第3の態様は、本発明の第2態様の触媒担体粒子を有して成る触媒前駆体又は細孔構造内に沈殿させた触媒金属の化合物を有して成る本発明の第1態様により得られた又は得ることが可能な触媒前駆体を供する。
【0089】
「触媒前駆体」とは、触媒として、特にオレフィン重合触媒として使用されるために活性化することが可能である場合に、操作および局所に移送するために適当である生成物を言う。一般的に、そのような触媒は、下記に記載するように使用前の短い非還元、好ましくは酸化雰囲気での加熱により、活性化される。それ故、触媒前駆体は、単に活性化又は焼成により触媒を形成するために使用され得る商業的に有用な材料である。
【0090】
好ましくは、触媒金属はクロムである、又はクロムを有して成るが、例えばアルミニウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ホウ素等の他の金属又はそれらの混合物であってよい、又は、を含んでよい。既知の方法は、例えば、水性又は好ましくは非水性溶媒を使用した溶液からの沈着物を使用して、触媒担体粒子の細孔構造に触媒金属を含む化合物を含浸するために用いられてよい。塩又は有機金属のいずれか一方は、好ましくは、沈着により触媒担体粒子の細孔構造の細孔容積が減らないような方法で沈着効果をもたらすために使用されてよい。そのため、例えば、触媒前駆体の細孔容積は触媒担体粒子の細孔容積の少なくとも70%、例えば、少なくとも又は少なくとも90%である。
【0091】
GB1575352Aの方法では、クロムおよびアルミニウム化合物の両方を有した多孔性無機キャリア材料を同時に含浸することが可能である。開示された方法は、有機金属のクロムおよびアルムニウム化合物が、触媒担体粒子と接触させた脂肪族および/又は脂環式キャリア溶媒に溶解し、次いで、粒子の細孔構造の内側に沈着させた有機金属クロムおよびアルミニウムを残してキャリア溶媒が気化により除去されることを要する。
【0092】
WO99/12978は、触媒担体粒子をクロム混合物を運ぶ溶媒に含浸する第1ステージと、第1ステージからの生成物をチタン又はアルミニウム化合物に含浸する任意の第2ステージを含む方法により作成された触媒を開示している。クロム化合物は、酸化クロム又は硝酸、硫酸、炭酸、酢酸、アセチルアセトンクロム、クロム酸アンモニウム又はt−ブチルクロム酸等を焼成により酸化クロムに置換可能な化合物である。言及したアルミニウム化合物はアセチルアセテート、アセチルアセトネート、アルコキシ又はアルキルタイプである。
【0093】
US4814308は、触媒と組み合わせて使用する酸化物形態のクロム、リン、アルミニウムでいっぱいの触媒担体粒子を開示している。担持される触媒は、有機溶媒にクロムおよびアルミニウム有機金属化合物を用いる多孔性担体粒子を含浸することで形成される。
【0094】
WO2009/053672は、水性又は低脂肪族アルコール溶液および非有機金属塩を使用してクロム、アルミニウム、およびホウ素を有した触媒担体粒子の細孔構造を装填する方法を開示する。これらの方法、および既知の他の方法は、本発明の触媒担体粒子の細孔構造中に触媒金属を含む化合物を装填するために用いられてよい。
【0095】
本発明の第3態様の触媒前駆体は、ある材料は触媒担体粒子の外側表面に運ばれてもよいが、典型的には細孔構造に沈着されたキャリア材料として0.01〜3重量%、元素として表すならば好ましくは0.1〜2重量%、より好ましくは0.25〜1.5重量%のクロムを有して成る。触媒前駆体は、キャリア材料として0.1〜8%、元素として表すならば0.2〜4%、より好ましくは0.5〜2.5%のアルミニウムを適当に有して成る。触媒前駆体は、キャリア材料として0.1〜8%、元素として表すならば0.2〜5%、より好ましくは0.5〜4%のチタンを適当に有して成る。金属の混合物が使用されてよく、又は1つの金属のみがあってもよい。クロム、チタン、および/又はアルミニウムのレベルは 例えば、オランダ、アルメドのパナリティカルBVにより供給されるパナリティカルTMPW2440マジックスプロ装置を使用してXRF(X線蛍光)により適当に測定される。分析サンプルは1時間空気中で1000℃でまず焼成され、ホウ酸リチウムフラックスを使用して溶融ビーズとして作成される。溶融は典型的には1000℃〜1250℃の間である。
【0096】
(触媒前駆体の表面、特に細孔構造内の表面に沈着した)キャリア材料として存在する触媒金属の量は、触媒前駆体を形成するための含浸前の無機担体材料での測定レベルと比較して決定される。キャリア材料として存在するレベルは、無機担体材料の構造内の寄与した材料を引くことにより得られる。
【0097】
本発明の第4態様は、30分〜15時間の活性期間で200〜1200℃、好ましくは400〜1000℃の温度で非還元雰囲気で、好ましくは酸化雰囲気で本発明の第3態様の触媒前駆体を加熱することにより得られたオレフィン重合触媒を供する。
【0098】
好ましくは、非還元雰囲気とは、大気若しくは酸素又はこれらの混合物等の酸素含有雰囲気等の酸化雰囲気である。この処理は、活性オレフィン重合触媒を形成するための触媒前駆体の活性又は焼成として知られている。活性は始めに酸素のない非還元雰囲気で進行し、続いて酸素を含む雰囲気での活性が進行する、又はその逆である。任意の適当な活性処理が用いられてよい。
【0099】
典型的には、活性オレフィン重合触媒は、上記に詳述した触媒前駆体の好ましいレベルと同様にキャリア材料としての触媒金属のレベルを含む。クロム、アルミニウムおよびチタンのレベルは上記に詳述したとおりXRFにより適当に測定される。触媒担体粒子にあるキャリア材料として存在する触媒金属の量は、触媒前駆体を形成するための含浸前の触媒担体粒子中の測定量を引くことにより得られる。
【0100】
本発明の第5態様は、重合が本発明の第4態様のオレフィン重合触媒の存在下で行われる特徴を有する1つ又はそれよりも多いC2〜Cα−アルケンの重合方法を供する。
【0101】
本発明の第6態様は、低メルトインデックス・ポリマーを生じさせるための1つ又はそれよりも多いC2〜Cα−アルケンの重合のための本発明の第4態様のオレフィン重合触媒の使用を供する。特に、オレフィン重合触媒は、低メルトインデックス・ポリマー、例えば、15g/10min以下、より好ましくは10g/10min以下の高負荷メルトインデックス(HLMI)を有するポリマーを生じさせるために使用される。HLMIは1g/10minを上回ってよい。
【0102】
アルケン混合物又は他のモノマーと組み合わされたアルケンが用いられてよい。本発明の方法を用いて、又本発明の触媒前駆体から作成された触媒の使用は、アルケン重合に特に制限されるものではないが、目的のためには特に適当である。Co触媒が、本発明の前駆体又は本発明の方法により作成された触媒と組み合わせて使用されてよい。典型的には、活性後、触媒は室温(例えば、15〜35℃)まで冷却され、重合での使用のために準備される。本発明により作成された触媒は、様々なホモ又は共重合手段、例えば、溶液、スラリーループ、溶液CSTR(連続流攪拌タンク)又は気相重合等の処理手段によるポリエチレン生成のために使用されてよい。
【0103】
本発明の第5又は第6態様により行われるオレフィン重合は、600m/g未満の表面積および/又は1.5cm/g未満の細孔容積を有した従来の触媒担体粒子よりも、生成されるポリマーの必要なメルトインデックス(MI)および目標密度のため、測定される触媒活性および生成されるポリマーのNCTL/ESCR挙動が高くなる結果をもたらすと分かった。MIはポリマー分子量のおおよその大きさである。高いMIはポリマーの低分子量に対応する。同じ細孔容積だが異なる表面積を有した触媒では、高表面積を有した触媒は小さな細孔径を有するので、低MIポリマー(すなわち、高分子量のポリマー)を作成するのに適当である。高表面積の触媒を相対的に高温で活性して、更に必要とされる低MIターゲットを得てもよい。高温での活性により、良好な触媒活性が供される。
【0104】
同じ触媒では、高温で活性された触媒から生成された同じMI(および同じ密度)のポリマーは、触媒が低温で活性された(又、高重合反応温度を典型的に用いることを要する)場合よりも典型的にはNCTL/ESCR特性が劣る。同じ触媒PVおよび同じ活性温度では、(高重合反応温度を要する)高表面積を有する触媒から生成された同じMIおよび密度から成るポリマーは、低表面積の触媒が使用された場合よりもNCTL/ESCR挙動が改善される。
【0105】
これらの事を考慮すると、低表面積であるが、同じ細孔容積を有する触媒粒子を使用して生成されるポリマーと比べて、特定の細孔容積で高表面積を有した触媒粒子により、良い触媒活性を供し、それによってポリマーのNCTL/ESCR特性を維持し又は改善する特定のMIターゲットを得るために高温の活性温度を用いることが可能である。
【0106】
ポリマー活性は、時間当たりに使用される触媒の重さ当たりに生じるポリマーの重さである。理論に縛られるものではないが、触媒活性の改善は、触媒担体粒子中の細孔構造の高表面の結果として生じるかもしれないと考えられる。
【0107】
又、活性触媒が重合に触媒作用を及ぼすために使用される際、触媒内の活性部位での重合は担体粒子のフラグメンテーションにつながる傾向にある。触媒粒子がポリマーから除去されることを要さず、ポリマー中に「フィラー」として残るという意味であるので、この重合の間の触媒粒子のフラグメンテーションは重要で有利な特徴である。しかしながら、大きくて、分裂していない触媒粒子がポリマー中に残っている場合、続いてポリマーから形成される物に形成不良をもたらす。本発明は、重合の間簡単に砕け、下流処理の問題を低減又は除去する触媒粒子を供する。
【0108】
本発明は下記の限定されない実施例を更に参照しながら説明されるであろう。
【実施例1】
【0109】
図1は本発明の第1態様の処理工程を示す概略フローチャートを示す。
【0110】
(表1)
【0111】
表1での実施例では、ヒドロゾルはケイ酸ナトリウム(SiO:NaOのモル比が3.22である24.5%のSiO)と硫酸および水をHSO:NaOのモル比1.4で高せん断下で混合することで形成される。ターゲットのヒドロゾル固形含有物は約16重量%のSiOであった。ヒドロゾルは約7分でゲル化し、砕く前に70分間エージングさせた。砕かれたヒドロゲルを硫酸でpH3.3まで酸性化させた水で洗浄して、ゲル形成の副産物として生じるNaSOを除去し、過剰な硫酸を除去した。表中のシリカ重量値は、ヒドロゲルの細孔構造から実質的に除去されたゾル−ゲル形状の副産物である可溶性塩で洗浄されたヒドロゲルに関してである。
【0112】
洗浄されたヒドロゲルの部分を続いて表1に記載した条件を用いてエージングした。水性エージング溶液をクエン酸/クエン酸ナトリウムを用いて中和した。いずれの場合もエージング時間は20時間であった。エージング後、ゲルpHを酸性化によりpH2に調整した。溶媒交換前にゲルを後にpH3.3まで酸性化した水で洗浄した。
【0113】
交換溶媒としてメタノールを使用して溶媒交換を行った。残留水が1重量%以下になるまでメタノールで洗浄を繰り返し行った。次いで、メタノールに交換されたゲルを乾燥して、メタノールの気化によりキセロゲルを形成した。
【0114】
(表2)
【0115】
表2に示される実施例では、表1に記載する実施例の通りだが、エージング時間を変えエージング温度を65℃に固定してヒドロゲルを作成した。表2のこれら実施例では、使用したバッファーはクエン酸ナトリウム/クエン酸であった。
【0116】
(表3)
【0117】
表3に示される実施例では、表1に記載する実施例の通りだが、ヒドロゲルのため15%のSiO含有物を用いてヒドロゲルを作成した。エージング時間は24時間であり、エージング温度は65℃であった。表3のこれら実施例では、使用したバッファーはやはりクエン酸ナトリウム/クエン酸であった。
図1