(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記IVUSデータのシーケンスを処理して運動アーチファクトを補償する段階は、心臓周期の同じ相に属する該IVUSデータのシーケンスからフレームを選択する段階を含むことを特徴とする請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
前記IVUSデータのシーケンスを処理して運動アーチファクトを補償する段階は、前記IVUS撮像器の運動から生じる空間ミスアラインメントに対処するために該IVUSデータのフレームを平行移動する段階を含むことを特徴とする請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
前記IVUSデータのシーケンスの領域を複数の特徴に基づいて分類する段階は、該IVUSデータのシーケンスの少なくとも一部分を分類のためのAdaBoostアルゴリズムに従わせる段階を含むことを特徴とする請求項7に記載のコンピュータ可読媒体。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,246,959号明細書
【特許文献2】米国特許第7,306,561号明細書
【特許文献3】米国特許第6,945,938号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0100522号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0106320号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0173350号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0253028号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0016054号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2007/0038111号明細書
【特許文献10】米国特許出願出願番号第12/898,437号明細書
【特許文献11】米国特許第7,460,716号明細書
【特許文献12】米国特許第7,680,307号明細書
【特許文献13】米国特許第7,729,533号明細書
【特許文献14】米国特許出願出願番号第12/253,471号明細書
【特許文献15】米国特許出願出願番号第12/429,005号明細書
【特許文献16】米国特許出願出願番号第12/563,754号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ciompi他、「Med Image Comput Assist Interv」,12,869−76(2009)
【非特許文献2】Magjarevic他、「13th International Conference on Biomedical Engineering,IFMBE Proceedings」,pp.22−26(2009)
【非特許文献3】Gatta他、「IEEE Trans Inf Technol Biomed」,13,1006−1011(Nov.2009)
【非特許文献4】Bovik他、「IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence」,12,55−73(1990)
【非特許文献5】Ojala他、「IEEE Transactions of Pattern Analysis and Machine Intelligence」,24,971−987(2002)
【非特許文献6】Kudo他、「Proc. of the 20th Annual International Conf. of the IEEE」,2,830−831(1998)
【非特許文献7】Li他、「Ultrasound in Medicine and Biology」,22,583−590(1996)
【非特許文献8】Loy他、「7th European Conference on Computer Vision」,p.358,Springer(2002)
【非特許文献9】Zhang他、「IEEE Transaction on Medical Imaging」,17(6):889−899(1998)
【非特許文献10】Pujol他、「Functional Imaging and Modeling of the Heart:Lecture Notes in Computer Science」,pp.242−251(2003)
【非特許文献11】Caballero他、「Proceedings of the 29th Annual International Conference of the IEEE EMBS」,2167−2170(2007)
【非特許文献12】Rotger他、「IEEE Transactions on Information Technology in Biomedicine」,14(2):535−537(2010)
【非特許文献13】Ciompi他、「International Journal of Cardiovascular Imaging」,26:763−779(2010)
【非特許文献14】O’Malley他、「Proceedings of the 10th International Conference on Medical Image Computing and Computer−Assisted Intervention−Part I」,pages202−209,Springer−Verlag(2009)
【非特許文献15】Ojala他、「IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence」,24(7),971−987(2002)
【非特許文献16】Freund他、「Journal of Computer and System Sciences」,55(1):119−139(1997)
【非特許文献17】Breiman、「Mach.Learn.」,45:5−32(2001)
【非特許文献18】Cortes他、「Mach.Learn.」,20:273−297(1995)
【非特許文献19】Pujol他、「Proceedings of the 8th International Workshop on Multiple Classifier Systems」,pages262−271,Splinger−Verlag(2009)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、患者の中に挿入可能な撮像システム、及び撮像システムを製造及び使用する方法の分野に関する。本発明はまた、血管分岐のような身体内腔の分岐を検出及び表示する方法及びそのための撮像システムに関する。
【0012】
本明細書に説明する方法、システム、及びデバイスは、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に説明する実施形態に限定すると解釈すべきではない。従って、本明細書に説明する方法、システム、及びデバイスは、全体的にハードウエア実施形態、全体的にソフトウエア実施形態、又はソフトウエア及びハードウエア態様を組み合わせた実施形態の形態を取ることができる。本明細書に説明する方法は、各デバイスが処理の少なくとも一部を実施するプロセッサ又は計算デバイスのあらゆる組合せを含むコンピュータのようなあらゆるタイプの計算デバイスを使用して実施することができる。
【0013】
好ましい計算デバイスは、典型的には大容量メモリを含み、典型的にはデバイスの間の通信を含む。大容量メモリは、あるタイプのコンピュータ可読媒体、つまりコンピュータストレージ媒体を示している。コンピュータストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を格納するためのあらゆる方法又は技術に実施された揮発性、不揮発性、取り外し可能、及び取り外し不能媒体を含むことができる。コンピュータストレージ媒体の例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学式メモリ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクメモリ又は他の磁気記憶デバイス、又は望ましい情報を格納するのに使用することができて計算デバイスによってアクセス可能なあらゆる他の媒体を含む。
【0014】
システムのデバイス又は構成要素の間の通信の方法は、有線及び無線(例えば、RF、光、又は赤外線)の両方の通信方法を含むことができ、このような方法は、別のタイプのコンピュータ可読媒体、つまり通信媒体を提供する。通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波、データ信号、他の伝達機構のような変調データ信号の他のデータを具現化するあらゆる情報送出媒体を含む。用語「変調データ信号」及び「搬送波信号」は、信号において情報、命令、データなどを符号化するような方式で設定又は変更した特性のうちの1つ又はそれよりも多くを有する信号を含む。一例として、通信媒体は、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ、導波管、及び他の有線媒体のような有線媒体と、音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体のような無線媒体とを含む。
【0015】
好ましい血管内超音波(「IVUS」)撮像システムは、以下に限定されるものではないが、患者の中への経皮的挿入に対して構成かつ配置されたカテーテルの遠位端上に配置された1つ又はそれよりも多くの変換器を含む。カテーテルを有するIVUS撮像システムの例は、例えば、米国特許第7,246,959号明細書、米国特許第7,306,561号明細書、及び米国特許第6,945,938号明細書、並びに米国特許出願公開第2006/0100522号明細書、米国特許出願公開第2006/0106320号明細書、米国特許出願公開第2006/0173350号明細書、米国特許出願公開第2006/0253028号明細書、米国特許出願公開第2007/0016054号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0038111号明細書に見出され、当該特許の全ては、引用により本明細書に組み込まれている。
【0016】
図1は、IVUS撮像システム100の一実施形態を概略的に示している。IVUS撮像システム100は、制御モジュール104に結合可能なカテーテル102を含む。制御モジュール104は、例えば、プロセッサ106、パルス発生器108、駆動ユニット110、及び1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112を含むことができる。少なくとも一部の実施形態において、パルス発生器108は、カテーテル102に配置された1つ又はそれよりも多くの変換器(
図3の312)に入力することができる電気パルスを形成する。
【0017】
少なくとも一部の実施形態において、駆動ユニット110からの機械的エネルギを使用して、カテーテル102に配置された撮像コア(
図3の306)を駆動することができる。少なくとも一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの変換器(
図3の312)から送信された電気信号は、処理するためにプロセッサ106に入力することができる。少なくとも一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの変換器(
図3の312)からの処理された電気信号は、1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に1つ又はそれよりも多くの画像として表示することができる。例えば、走査コンバータを使用して、走査線サンプル(例えば、半径方向走査線サンプルなど)を2次元直交格子にマップし、1つ又はそれよりも多くの画像を1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に表示することができる。
【0018】
少なくとも一部の実施形態において、プロセッサ106はまた、制御モジュール104の他の構成要素のうちの1つ又はそれよりも多くの機能を制御するのに使用することができる。例えば、プロセッサ106を使用して、パルス発生器108から送信された電気パルスの周波数又は持続期間のうちの少なくとも一方、駆動ユニット110による撮像コア(
図3の306)の回転速度、駆動ユニット110による撮像コア(
図3の306)の引き戻しの速度又は長さ、又は1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に形成された1つ又はそれよりも多くの画像のうちの1つ又はそれよりも多くの特性を制御することができる。
【0019】
図2は、IVUS撮像システム(
図1の100)のカテーテル102の一実施形態の概略側面図である。カテーテル102は、細長い部材202及びハブ204を含む。細長い部材202は、近位端206及び遠位端208を含む。
図2では、細長い部材202の近位端206は、カテーテルハブ204に結合され、細長い部材の遠位端208は、患者の中に経皮的に挿入するように構成かつ配置される。任意的に、カテーテル102は、洗浄ポート210のような少なくとも1つの洗浄ポートを形成することができる。洗浄ポート210は、ハブ204に形成することができる。ハブ204は、制御モジュール(
図1の104)に結合するように構成かつ配置することができる。一部の実施形態において、細長い部材202及びハブ204は、単一の本体として形成される。他の実施形態において、細長い部材202及びカテーテルハブ204は、個別に形成され、その後に互いに組み付けられる。
【0020】
図3は、カテーテル102の細長い部材202の遠位端208の一実施形態の概略斜視図である。細長い部材202は、縦軸線303及び内腔304を有するシース302を含む。撮像コア306は、内腔304に配置される。撮像コア306は、手動又はコンピュータ制御駆動機構を使用して回転可能な駆動シャフト310の遠位端に結合された撮像デバイス308を含む。1つ又はそれよりも多くの変換器312は、撮像デバイス308に装着され、音響信号を送信して受信するために使用することができる。シース302は、患者の中に挿入するのに適するあらゆる可撓性の生体適合性材料から形成することができる。好ましい材料の例は、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、プラスチック、螺旋状に切断したステンレス鋼、ニチノールハイポチューブなど、又はそれらの組合せを含む。
【0021】
好ましい実施形態(
図3に示すような)では、変換器312のアレイが、撮像デバイス308に装着される。代替的な実施形態において、単一変換器を使用することができる。あらゆる適切な数の変換器312を使用することができる。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12,15、16、20、25、50、100、500、1000、又はそれよりも多くの変換器がある場合がある。認識することができるように、他の数の変換器を使用することもできる。複数の変換器312を使用する時に、変換器312は、例えば、環状配置、矩形配置などを含むあらゆる適切な配置に構成することができる。
【0022】
1つ又はそれよりも多くの変換器312は、印加された電気パルスを1つ又はそれよりも多くの変換器312の表面上の圧力歪みに変換することができる1つ又はそれよりも多くの公知の材料から形成することができ、逆も同じである。好ましい材料の例は、圧電セラミック材料、圧電複合材料、圧電プラスチック、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、メタニオブ酸鉛、及びポリフッ化ビニリデンなどを含む。他の変換器の技術は、複合材料、単一結晶複合材、及び半導体素子(例えば、容量性マイクロマシン加工超音波変換器(「cMUT」)、圧電マイクロマシン加工超音波変換器(「pMUT」)など)を含む。
【0023】
1つ又はそれよりも多くの変換器312の表面上の圧力歪みは、1つ又はそれよりも多くの変換器312の共振周波数に基づいて周波数の音響パルスを形成する。1つ又はそれよりも多くの変換器312の共振周波数は、1つ又はそれよりも多くの変換器312を形成するのに使用するサイズ、形状、及び材料の影響を受ける場合がある。1つ又はそれよりも多くの変換器312は、カテーテル102内に位置するのに、かつ1つ又はそれよりも多くの選択方向に望ましい周波数の音響パルスを伝播するのに適するあらゆる形状に形成することができる。例えば、変換器は、ディスク形、ブロック形、矩形状、長円形などとすることができる。1つ又はそれよりも多くの変換器は、例えば、ダイスカット、ダイス及び充填、機械加工、及び微細加工などを含むあらゆる処理によって望ましい形状に形成することができる。
【0024】
一例として、1つ又はそれよりも多くの変換器312の各々は、整合層と音響吸収性材料(例えば、タングステン粒子を有するエポキシ基板)から形成された導電性裏当て材料との間に挟まれた圧電材料の層を含むことができる。作動中に、圧電層は、音響パルスを放出させるために電気的に励起させることができる。
【0025】
1つ又はそれよりも多くの変換器312を使用して、周囲空間の半径方向断面画像を形成することができる。従って、例えば、1つ又はそれよりも多くの変換器312がカテーテル102に配置されて患者の血管の中に挿入される時に、別の変換器312を使用して、血管及び血管を取り囲む組織の壁の画像を形成することができる。
【0026】
撮像コア306は、カテーテル102の縦軸線303の周りで回転する。撮像コア306が回転すると、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、異なる半径方向に(すなわち、異なる半径方向走査線に沿って)音響信号を放出する。例えば、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、1回転当たり256の半径方向走査線のような規則的(又は不規則的)区分で音響信号などを放出することができる。その代わりに1回転当たり他の数の半径方向走査線を放出することができる点は、理解されるであろう。
【0027】
十分なエネルギを有する放出された音響パルスが、1つ又はそれよりも多くの組織境界のような1つ又はそれよりも多くの媒体境界に遭遇する時に、放出された音響パルスの一部分は、エコーパルスとして放出変換器に反映される。検出するのに十分なエネルギを有する変換器に到達する各エコーパルスは、受け入れ変換器において電気信号に変換される。1つ又はそれよりも多くの変換された電気信号は、制御モジュール(
図1の104)に送信され、ここでプロセッサ106は、電気信号の特性を処理し、送信した音響パルス及び受信したエコーパルスの各々からの情報の収集に少なくとも部分的に基づいて撮像領域の表示可能な画像を形成する。少なくとも一部の実施形態において、撮像コア306の回転は、制御モジュール(
図1の104)に配置された駆動ユニット110によって駆動される。代替的な実施形態において、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、所定位置に固定され、回転しない。その場合には、駆動シャフト310は、代替的に、固定された1つ又はそれよりも多くの変換器312に出入りする音響信号を反射する鏡を回転させることができる。
【0028】
1つ又はそれよりも多くの変換器312が音響パルスを放出するカテーテル102の縦軸線303の周りで回転する時に、複数の画像を形成することができ、それらは、対象になる血管及び血管を取り囲む組織の壁のような1つ又はそれよりも多くの変換器312を取り囲む領域の一部分の半径方向断面画像(例えば、断層画像)を集合的に形成する。半径方向断面画像は、任意的に、1つ又はそれよりも多くのディスプレイ112上に表示することができる。撮像コア306の少なくとも1つは、手動で回転するか又はコンピュータ制御機構を使用して回転するかのいずれでもよい。
【0029】
撮像コア306はまた、複数の断面画像を血管の縦方向長さに沿って形成することができるように、カテーテル102を挿入する血管に沿って縦方向に移動することができる。撮像手順中に、1つ又はそれよりも多くの変換器312は、カテーテル102の縦方向長さに沿って後退(すなわち、引き戻し)することができる。カテーテル102は、1つ又はそれよりも多くの変換器312の引き戻し中に後退することができる少なくとも1つの伸縮部分を含むことができる。少なくとも一部の実施形態において、駆動ユニット110は、カテーテル102内に撮像コア306を引き戻す。撮像コアの駆動ユニット110引き戻し距離は、例えば、少なくとも5cm、10cm、15cm、20cm、25cm、又はそれよりも長いものを含むあらゆる適切な距離とすることができる。カテーテル102全体は、カテーテル102とは無関係に縦方向に移動する撮像コア306の有無に関わらず撮像手順中に後退することができる。
【0030】
ステッパモータは、任意的に、撮像コア306を引き戻すのに使用することができる。ステッパモータは、撮像コア306を短距離引き戻し、1つ又はそれよりも多くの変換器306に対して十分長く停止し、撮像コア306を別の短距離引き戻し、更に別の1つの画像又は一連の画像を捕捉する前に1つの画像又は一連の画像を捕捉することができる等々である。
【0031】
1つ又はそれよりも多くの変換器312と異なる深さで生成する画像の品質は、例えば、帯域幅、変換器焦点、ビームパターン、並びに音響パルスの周波数を含む1つ又はそれよりも多くのファクタによって影響を受ける場合がある。1つ又はそれよりも多くの変換器312から出力された音響パルスの周波数はまた、1つ又はそれよりも多くの変換器312から出力された音響パルスの侵入深さに影響を与える場合がある。一般的に、音響パルスの周波数が低下する時に、患者組織内の音響パルスの侵入深さは増大する。少なくとも一部の実施形態において、IVUS撮像システム100は、5MHzから100MHzの周波数範囲で作動する。
【0032】
1つ又はそれよりも多くの導体314は、変換器312を制御モジュール104(例えば、
図1参照)に電気的に接続することができる。その場合には、1つ又はそれよりも多くの導体314は、回転可能駆動シャフト310の縦方向長さに沿って延びることができる。
【0033】
撮像コア308の遠位端208に装着された1つ又はそれよりも多くの変換器312を有するカテーテル102は、撮像すべき血管のような選択領域の選択部分から離れた部位において、大腿動脈、大腿静脈、又は頸静脈のようなアクセス可能な血管を通じて患者の中に経皮的に挿入することができる。カテーテル102は、次に、選択血管の一部分のような選択撮像部位に患者の血管を通して進むことができる。
【0034】
複合画像の画像フレーム(「フレーム」)は、1つ又はそれよりも多くの音響信号が周囲組織に出力され、1つ又はそれよりも多くの対応するエコー信号が撮像器308によって受信され、かつプロセッサ106に送信される毎に生成することができる。複数の(例えば、シーケンス)フレームは、撮像デバイス308のあらゆるタイプの移動中に時間と共に取得することができる。例えば、フレームは、ターゲット撮像位置に沿って撮像デバイス308の回転及び引き戻し中に取得することができる。フレームは、撮像デバイス308の回転の有無に関わらず及び引き戻しの有無に関わらず取得することができる点は理解されるであろう。更に、フレームは、撮像デバイス308の回転又は引き戻しのうちの少なくとも一方に加えて又はこの代わりに他のタイプの移動手順を使用して取得することができる点は理解されるであろう。
【0035】
少なくとも一部の実施形態において、引き戻しが行われる時に、引き戻しは、一定の速度にすることができ、従って、縦方向血管/プラーク測定値を計算することができる潜在的用途のためのツールを提供する。少なくとも一部の実施形態において、撮像デバイス308は、少なくとも0.3mm/sの一定の速度で引き戻される。少なくとも一部の実施形態において、撮像デバイス308は、少なくとも0.4mm/sの一定の速度で引き戻される。少なくとも一部の実施形態において、撮像デバイス308は、少なくとも0.5mm/sの一定の速度で引き戻される。少なくとも一部の実施形態において、撮像デバイス308は、少なくとも0.6mm/sの一定の速度で引き戻される。少なくとも一部の実施形態において、撮像デバイス308は、少なくとも0.7mm/sの一定の速度で引き戻される。少なくとも一部の実施形態において、撮像デバイス308は、少なくとも0.8mm/sの一定の速度で引き戻される。
【0036】
少なくとも一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの音響信号は、一定の時間間隔で周囲組織に出力される。少なくとも一部の実施形態において、1つ又はそれよりも多くの対応するエコー信号は、一定の時間間隔で撮像器308によって受信され、プロセッサ106に送信される。少なくとも一部の実施形態において、得られるフレームは、一定の時間間隔で生成される。
【0037】
図4は、2つの在来のIVUS撮像図である。短軸
図402は、シーケンスの単一画像を表し、縦方向図(又は長軸図)404は、3次元引き戻しの横方向切断を表している。ここでの縦方向図は、カテーテル位置に沿って中心に置かれた2次元パイプとして引き戻しを表し、血管の実際の形態的曲げ及び捩れを示していない。
【0038】
対照的に、主要血管及びその枝分かれの両方の解剖学的形態は、血管造影撮像によって評価される。殆どの適切な血管処理の最良の選択肢に対して、臨床医は、血管造影投影におけるIVUSフレームとその位置との間の対応を思考的に見出すために、IVUSと血管造影可視化の間でスイッチを切り換えることができる。
【0039】
本発明は、少なくとも部分的に、血管の分岐点での血管の曲げを示す修正非線形IVUSの縦方向図をもたらす血管造影投影とのIVUS縦方向画像のアラインメントに関する。得られる修正IVUS縦方向図は、IVUSロードマップ図と呼ぶことができ、IVUSによって提供された高解像度プラーク解析を血管造影投影の解剖学的形態情報と組み合わせることができる。
【0040】
図5は、IVUSデータを解析し、分岐に関する形態学的情報を組み込む修正IVUS縦方向図を表示するための流れの一実施形態を示している。本方法は、同じ身体内腔(例えば、血管)に対するデータのIVUS引き戻しシーケンス502(例えば、引き戻し手順中に取得されるIVUSフレームのシーケンス)と血管造影投影504の2つのシーケンスの取得を示している。あらゆる適切なIVUS及び血管造影法、並びにデバイスを使用して、IVUS引き戻しシーケンス及び血管造影投影を取得することができる。このような方法及びデバイスは公知である。
【0041】
IVUS引き戻しシーケンスを解析し、身体内腔における分岐を識別する(ボックス506)。手動又は自動検出又はそれらの組合せを含む分岐のためのあらゆる適切な方法を使用することができる。分岐検出のためのIVUSフレームの解析は、例えば、分岐を識別するように訓練された自動分類器の使用を含むことができる。一実施形態において、分類器は、分岐を含有するIVUSフレームの角度セクターを他のものと区別するためにバイナリ分類器として形成される。一部の実施形態において、この分類は、シーケンスの各画像フレームがテクスチャ解析を使用して自動的に分類されるコンピュータビジョン手法を使用して達成される。少なくとも一部の実施形態において、分類器は、手動で識別されているIVUSフレームのデータベースを使用して訓練される。
【0042】
分類の例として、IVUS引き戻しシーケンスでは、血内腔偏心は、典型的には分岐領域で増大する。従って、分類器は、偏心変動量を識別するために、血管の1つ又はそれよりも多くの多重スケールのテクスチャ及び半径方向特性を解析することができる。分類器及び分類手法の付加的な例は、以下に説明する。
【0043】
少なくとも一部の実施形態において、IVUS引き戻シーケンスは、心臓の鼓動が引き起こす運動アーチファクトを補償するように分類の前に安定化される。引用により本明細書に組み込まれている米国特許出願出願番号第12/898,437号明細書に説明する技術を含むあらゆる適切な運動安定化技術を使用することができる。その結果、分類は、分類器が予め解析されたIVUSフレームのデータベースを使用して訓練される機械学習技術を使用して行われる。好ましくは、それらのIVUSフレームは、手動で専門家によって既にラベル付けされているものである。各引き戻しシーケンスに対して、分岐及び非分岐角度セクターの間の分類の結果は、任意的に、例えば、引き戻しシーケンスに沿った角度及び縦方向位置が水平及び垂直軸線上にそれぞれ表されている1つ又はそれよりも多くのパラメータ分類マップMとして図形で表すことができる。1つのパラメータマップ又は複数のパラメータマップMは、このようなマップを生成するための公知の方法を使用して取得することができる。
【0044】
分類の結果は、分岐領域の時空的連続性を考慮して精緻化することができ、従って、1つのパラメータマップ又は複数のパラメータマップのピクセルの近傍関係を利用する。各分岐に対して、各分岐の中心及び縦方向(時間)及び角度(向き)延長の両方の推定を取得することができる。
【0045】
x及びyが直交IVUSフレームの垂直及び水平座標であり、tが引き戻しに沿った縦方向座標であるI(x、y、t)として定めることができるIVUS画像の引き戻しシーケンスが与えられると、1つ又はそれよりも多くの分岐縦方向図を選択することができる(ボックス508)。各分岐の縦方向図は、分岐が見えるシーケンスの2次元切断I(ρ,t)に対応し、ここで、ρは、IVUSフレームの角度座標である。座標ρは、好ましくは、例えば、手動で、自動的に、又はパラメータマップMから識別されている分岐の中心として取得される。
【0046】
図6Aは、識別された分岐区域604にグレースケールのIVUS引き戻し縦方向図上に影をつけている縦方向
図602の一例を示している。
図6Bでは、分岐区域に属する単一フレーム606が示されている。線608は、
図6Aの縦方向図を生成する選択角度ρを表している。
【0047】
内腔区域は、自動セグメンテーション法(例えば、引用により本明細書に組み込まれているCiompi他、「Med Image Comput Assist Interv」,12,869−76(2009)参照)を使用して選択分岐縦方向図から確実に抽出することができ、対応する血管中心線は、内腔輪郭から計算される(ボックス510)。好ましい方法は、自動セグメンテーション及び血管中心線の計算のために使用することができる。中心線の及び分岐位置の合体情報は、血管造影法及びIVUSアラインメントのための目印を表している。
【0048】
血管造影投影504に移ると、単一平面血管造影シーケンスからの血管の解剖学的形態の抽出は、対象になる血管が見えるフレームの選択を含む。少なくとも一部の実施形態において、フレームは、フレームの選択により血管造影システムによって移出されたデータのみを使用する時に使用するX線撮像器とは無関係である。中心線は、主要血管及びその枝の骨格を提供するように単一平面の血管造影投影(例えば、引用により本明細書に組み込まれているMagjarevic他、「13th International Conference on Biomedical Engineering,IFMBE Proceedings」,pp.22−26(2009)参照)から抽出される(ボックス512)。あらゆる適切な中心線抽出法を使用することができる。分岐が次に検出され(ボックス514)、分岐角度の推定(ボックス516)は、2つの枝の中心線から計算される。
【0049】
IVUS分岐縦方向図のアラインメント及び血管造影投影は、上述したように両画像診断法における中心線及び分岐形状の抽出を含む。2つの画像診断法の幾何学的アラインメントは、あらゆる適切な技術を使用して取得することができる(ボックス518)。例えば、少なくとも一部の実施形態において、幾何学的アラインメントは、IVUSデータを血管造影投影から抽出した血管形状に変換する中心線の間で非剛性変換Tを計算することによって取得することができる。任意的に、分枝位置(すなわち、分岐)を目印として使用して、両形状の間にロバスト一致を作り出すことができる。
【0050】
アラインメントから(例えば、幾何学的変換Tから)、血管造影投影の形態を使用してIVUS縦方向画像の部分を変形する修正IVUS画像を取得することができる(ボックス520)。例えば、IVUS縦方向画像の部分は、Bスプライン規則化に基づく非剛性位置合わせ法を使用して変形することができる。
図7は、この処理を使用して形成された修正IVUS画像の一例を示している。動脈の向きは、血管造影画像の解剖学的形態に従う。
【0051】
修正IVUS縦方向画像は、IVUS撮像システムの臨床価値を高めることができる。この修正図は、プラーク成長及び破裂に対して重要な位置である可能性がある血管分岐領域を診断する機能を高めることができる。
【0052】
上述したように、修正IVUS縦方向画像を形成する処理の1つの部分は、IVUSデータの分岐の識別である。IVUSデータにおいて構造を分離する方法を含むあらゆる適切な識別方法を使用することができる。このような分類方法は、組織分類のために使用されており、分岐の識別に適合することができる。適用することができる組織分類方法の例は、以下に限定されるものではないが、米国特許第7,460,716号明細書、米国特許第7,680,307号明細書、及び米国特許第7,729,533号明細書、並びに米国特許出願出願番号第12/253,471号明細書、米国特許出願出願番号第12/429,005号明細書、及び米国特許出願出願番号第12/563,754号明細書に説明されている方法を含み、当該特許の全ては、引用により本明細書に組み込まれている。
【0053】
図8は、分類の方法の一実施形態のためのワークフローを示している。IVUSフレーム又はフレームのシーケンスが準備される(ボックス802)。IVUSフレーム又はシーケンスは、任意的に、例えば、心臓の鼓動による運動アーチファクトに対して補償される(ボックス804)。次に、引き戻しの各角度セクターは、分岐の有無で分類され(ボックス806)、分岐が検出される(ボックス808)。本手順に関する更なる詳細は、以下で提供される。
【0054】
図示のように、IVUSデータは、運動アーチファクトを補償することができる。IVUS引き戻し取得中に、カテーテルは、いくつかの運動アーチファクトの影響を受ける可能性がある。1つの特に関連付けられた運動アーチファクトは、心臓の鼓動によって引き起こされ、心臓の鼓動は、血管の軸線に沿ってカテーテルの反復縦方向首振り(揺動効果)を生じる場合があり、同じ血管位置の可能な多重サンプリングをもたらす。血管横方向部分の固有の再構成を取得するために、1つの可能な解決法は、例えば、引用により本明細書に組み込まれている米国特許出願出願番号第12/898,437号明細書に説明されているような画像ベースのゲーティングによって実施される最適な安定フレームの選択である。第2の望ましくない運動アーチファクトは、実際の血管形態に対して連続フレームの空間ミスアラインメントを引き起こすカテーテル変動によって表される。連続フレームにおいて血管中心を整列させるために、IVUS位置合わせ方法を使用することができる。以下に限定されるものではないが、ゲートシーケンスの後続フレームの剛性平行移動を含むあらゆる適切な位置合わせ方法を使用することができる。好ましい位置合わせ方法の一例は、引用により本明細書に組み込まれているGatta他、「IEEE Trans Inf Technol Biomed」,13,1006−1011(Nov.2009)に見出される。
【0055】
IVUS引き戻しシーケンスの分岐を識別するために、分類の1つの方法は、他のものからの分岐を含有するフレームの間の区別に狙いを定めたバイナリ分類問題を定める段階を含む。このタスクは、分類器が、手動でラベル付けされたIVUSフレームのデータベースを使用することによって最初に訓練され、次に、分類器が、IVUS引き戻しシーケンスのフレームに適用されるパターン認識技術を使用することにより達成することができる。一実施形態において、決定スタンプ弱分類器を有するAdaBoostアルゴリズムが、その計算の簡素化及び速度のために選択される。他の分類器及びアルゴリズムを含む他のパターン認識方法を使用することができることは認識されるであろう。
【0056】
一例として、IVUS引き戻しシーケンスでは、血内腔偏心度が、典型的には分岐に対応して増加する。従って、血管テクスチャの半径方向特性を解析し、偏心度変動を識別することができる。少なくとも一部の実施形態において、IVUS引き戻しは、極座標に変換することができ、ここで、角度セクターは、コラムに対応する。
ここで、IはIVUS画像であり、x及びyは、直交座標系の水平及び垂直座標であり、r及びρは、極座標系の半径方向及び角度座標である。
【0057】
テクスチャ解析手法の後で、1つ又はそれよりも多く(N
m)のパラメータマップMのセットを抽出することができる。
あらゆる適切な方法を使用して、パラメータマップを準備することができる。例えば、このようなマップは、Gaborフィルタ(例えば、引用により本明細書に組み込まれているBovik他、「IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence」,12,55−73(1990)参照)、ローカルバイナリパターン(LBP)(例えば、引用により本明細書に組み込まれているOjala他、「IEEE Transactions of Pattern Analysis and Machine Intelligence」,24,971−987(2002)参照)、及び相互相関変換(例えば、当該文献の両方が引用により本明細書に組み込まれているKudo他、「Proc. of the 20th Annual International Conf. of the IEEE」,2,830−831(1998)及びLi他、「Ultrasound in Medicine and Biology」,22,583−590(1996)参照)を極座標図に適用することによって計算することができる。グレーレベル画像は、同様にマップの1つと考えることができる。
【0058】
パラメータマップの1つ又はそれよりも多くの(好ましくは、各)コラムに対して、1組の基本的な統計的特徴(例えば、最大値の位置、標準偏差、中央値、及び最大値)を計算することができる:
ここで、N
Fは、抽出特徴の総数である。最終的に、各コラムのρは、全ての特徴f
i=f
1,...,f
NFを連結させることによって取得される特徴ベクトルによって説明することができる。特徴ベクトル又はパラメータマップ又はそれらの組合せを使用して、IVUSデータの部分を分類し、分岐を検出することができる。
【0059】
本方法は、冠動脈からの10のIVUSシーケンスに対して試験され、各シーケンスは、平均3000フレームを含有した。分類器の性能は、NP=10シーケンスにわたって「Leave−One−Patient−Out(LOPO)」の交差検証技術によって評価された。各検証フォールドにおいて、手動及び自動分岐検出が比較され、性能は、精度(A)、感受性(S)、特殊性(K)、精度(P)、正規化精度(NP)、誤警報率(FAR)の観点から評価される。自動分岐検出は、少なくとも感受性及びより低い誤警報率に対して優れているように見えた。残りのスコアは、手動及び自動分岐検出の両方に対して比較することができる。
【0060】
図9は、分類方法の別のワークフローを示している。本方法は、3つの連続ステージに分けられる。第1のステージ902では、IVUSシーケンス910は、運動によるアーチファクトに対して補償される。第2のステージ904では、シーケンスの各角度セクターは、分岐の有無で分類され、空間(θ;t)において2次元表示でシーケンスを編集することによってIVUS引き戻しシーケンスの新しい可視化をもたらし、ここで、θは短軸図の角度位置であり、tは、引き戻しに沿った縦方向(時間的)位置である。最終的に、第3のステージ906では、積み重ね逐次学習(SSL)手法を使用して角度及び時間次元の両方においてサンプル間の空間近傍関係が利用され、分類結果は、分岐の幾何学形状及び寸法に関する先験的情報を使用して引き続いて改良される。分類マップ912は、処理を通して生成することができる。
【0061】
上述したように、IVUSシーケンスの取得中に、カテーテルは、運動によるいくつかのアーチファクトの影響を受ける可能性があり、取得したシーケンスの可視化、解釈、及び解析に干渉する。1つの関連のアーチファクトは、心臓の鼓動によって引き起こされ、心臓の鼓動は、血管の軸線に沿ってカテーテルの反復首振り(揺動効果)を発生させ、同じ血管位置の可能な多重サンプリングをもたらす。動脈の横方向部分に対して固有の再構成を取得するために、1つの可能な解決法は、その後のフレームにおいて、血管が類似の位置及び回転を有するという方法での最適な安定フレームの選択である。このようなタスクは、ゲーティングアルゴリズムを使用することにより、ECG信号(それが利用可能である時に)を利用することによるか又は画像ベースのゲーティングによるかのいずれかで対処することができる。例えば、画像ベースのゲーティング方法を使用して、心臓周期の同じ相に属すると考えることができる最小運動ブラーでフレームを識別することができる。
【0062】
第2の望ましくないアーチファクトは、実際の血管形態に対して連続フレームの空間ミスアラインメントを引き起こす血管の中心でのカテーテルの相対位置決めの変動量によって表される。この場合には、動脈軸線は、面内平行移動を受ける。連続フレームの血管中心を整列させるために、IVUS位置合わせ方法は、ゲートシーケンスのその後のフレームの剛性平行移動を使用して適用することができる。動脈軸線の最適アラインメントは、血管中心の部分及び動脈半径の両方を使用することによって計算され、それらは、例えば、「高速半径方向対称」変換(例えば、引用により本明細書に組み込まれているLoy他、「7th European Conference on Computer Vision」,p.358,Springer(2002)を参照)のIVUS調節バージョンを使用することによって推定される。
図10は、縦方向図が(a)運動アーチファクト補償の前に元のシーケンスに対応し、縦方向図が、(b)ゲーティングの適用後であり、かつ(c)付加的な位置合わせ補償後である適用された運動アーチファクト補償の2つの連続ステージの結果を示している。
【0063】
分岐識別タスクに対処する際に、医師によって行われる外観検査に始まるIVUSフレームの直感的な解析は、各フレームの半径方向テクスチャ変化の研究を含む。画像の各角度セクターに沿って計算した特徴は、抽出して解析することができる。角度セクターに対応するサンプルの選択肢により、分岐の角度位置及び角度延長部の定義を可能にし、それらは、臨床診療において分枝を特徴付けるために医師によって使用される。
【0064】
この実施形態は、バイナリ分類器が、予め医師がラベル付けしたIVUSシーケンスのデータセットに対して最初に訓練される(訓練相)パターン認識技術を利用する。分類器は、次に、新しいシーケンスにおいて分岐のシーケンスを識別するのに使用することができる(試験相)。このような配置は、
図11のブロック図に示されている。
【0065】
分類器を作り出す方法の一例では、IVUSシーケンスのデータセットは、一方が訓練のために使用され(訓練セット)、他方が試験のために使用される(試験セット)2つの部分集合に分けられる。セットの両方に対して、ラベル付けしたground−truthサンプル(分岐及び非分岐サンプルを分離する)の信頼できるデータベースの生成から構成されるground−truth収集が行われる。更に、各角度セクターを説明する数値情報は、特徴抽出によって計算される。この情報は、2つのクラスの間を識別するのに使用される。訓練相中に、学習アルゴリズムは、抽出された訓練特徴及び対応するラベルを解析することによって訓練データの特性を学習し、学習アルゴリズムは、処理で学習した1組のパラメータによって出力として推測関数(分類器として定義された)を生成する。その結果、分類器は、新しいシーケンスを解析し、それらのラベルマップを生成することができる。分類の性能は、対応する試験ラベルによる分類結果と比較することによって評価することができる。
【0066】
特徴抽出に関して、フレームの殆どにおいて、内腔は、短軸図で擬似楕円形状を有し、これは、典型的には、分岐の存在下で非分岐フレームよりも高い偏心性を示している。血液領域の半径方向延長部は、一般的に、分岐角度セクターに対応して増加する。この特性は、IVUSフレームの各半径に沿って計算した画像テクスチャの特性を抽出することによって利用することができる。適用した剛性位置合わせ技術は、血管中心を整列させ、従って、均一な半径方向特徴を抽出することができる。この目的のために、模擬した血液領域を有するカテーテルに起因して円形の「リングダウン」アーチファクトによって占められる領域を置き換えることができる。シーケンスS(x,y,t)∈[0,1]を構成する正規化画像I(x,y)∈[0,1]の各々は、最初に極座標に変換される。
ここで、x及びyは、直交座標系の水平及び垂直座標であり、ρ及びθは、極座標系の半径方向及び角度座標であり、tは、引き戻しに沿った縦方向(時間的)座標である。
【0067】
1組のN
Tテックスチャ記述子が定義されている(例えば、当該文献の各々が引用により本明細書に組み込まれているZhang他、「IEEE Transaction on Medical Imaging」,17(6):889−899(1998);Pujol他、「Functional Imaging and Modeling of the Heart:Lecture Notes in Computer Science」,pp.242−251(2003);Caballero他、「Proceedings of the 29th Annual International Conference of the IEEE EMBS」,2167−2170(2007);Rotger他、「IEEE Transactions on Information Technology in Biomedicine」,14(2):535−537(2010);Ciompi他、「International Journal of Cardiovascular Imaging」,26:763−779(2010);及びO’Malley他、「Proceedings of the 10th International Conference on Medical Image Computing and Computer−Assisted Intervention−Part I」,pages202−209,Springer−Verlag(2009)を参照)。各記述子は、マッピング機能を指定する。
ここで、M
j(ρ,θ)は、j番目のテクスチャ記述子、j=1,2,...,N
Tによるパラメータ特徴マップである。引き続いて、血液領域の抽出及び偏心に関する情報を抽出するために、得られるパラメータマップの各コラムθに関連付けられた統計値を可能にする。各角度セクター(コラム)に対して、例えば、(i)標準偏差,(ii)平均値、(iii)中央値、(iv)最大値、(v)最大値の半径方向位置、及び(vi)ヒストグラムのうちの1つ又はそれよりも多くのような基本的な統計的特徴を計算する。この目的のために、第2のマッピング機能Dが適用される。
ここで、i=1,2,...,N
Sであり、N
Sは、統計的記述子の総数である。
【0068】
考慮した問題に対して最も区別できる特徴を選択するために、大きなセットの特徴を導入することができ、次に、分類器は、最も関連するかつ有用なものを選択することができる。
図12のブロック図は、特徴抽出処理のステージの一例を示している。2つの群のテクスチャ記述子が、この実施形態で使用される。第1の群は、IVUS画像における組織を特徴付けるその機能を明らかにし、一方、第2の群は、血液領域を特徴付けるために使用された。
【0069】
第1の特徴群は、以下から構成される。
−複素正弦波によって変調された「ガウス」関数のウェーブレットの特別な場合に、Gaborフィルタ(例えば、引用により本明細書に組み込まれているBovik他、「IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence」,12,55−73(1990)参照)。Gaborフィルタは、特定のフィルタの向きにより画像のテクスチャ特性を抽出することができる。
−4つの構成で適用された「ローカルバイナリパターン(LBP)」(例えば、引用により本明細書に組み込まれているOjala他、「IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence」,24(7),971−987(2002)参照)。LBPを使用して、角度空間及び空間解像度のいずれかの量子化によって円形近傍における均一なテクスチャパターンを検出し、それらは、輝度変化に対してロバストである。
【0070】
第2の特徴群は、以下から構成される。
−それぞれ同じIVUSフレーム内及び連続フレーム間で反復パターンを識別するように導入された自己相関及び相互相関。両測定は、3つの異なるサイズのスライド窓を使用することによって計算され、相互相関は、非ゲートシーケンスの所定のフレームと連続フレームとの間で計算される。IVUSデータでは、血液領域が、散乱を引き起こす血流の急速移動により組織よりもあまり相関性がないと予想されるので、自己相関及び相互相関は、有用な情報を提供することができる。逆に、血管境界の強度は、不変のままだと予想される。
【0071】
グレーレベル画像は、同様に特徴マップのうちの1つとして考えられる。グレーレベル画像から計算した統計的記述子の一部は、全体のフレームに対するそれらの平均値に対して連続的に正規化される。
【0072】
元のグレーレベル画像上及び第2群のパラメータマップ上に、すなわち、自己相関及び相互相関マップ上に2つの付加的な変換が適用され、入力特徴マップM
K(ρ,θ)に対応する特徴マップS
ek(ρ,θ)及びS
ik(ρ,θ)の計算をもたらす。
ここで、ρ
MAXは、半径の最大値である。マップS
ekは、影の存在又は所定の半径方向深さρに対して外部に存在する血液の定量化に関連することができ、一方、マップS
ikは、半径方向位置ρに対して内部に蓄積した血液の量に関する情報を与える。
【0073】
一実施形態において、N
Tの総数=26のパラメータマップM
j(ρ,θ)が取得される。全てのパラメータマップに対する統計的特徴の計算は、最終的に分岐の存在に関する情報を提供する。例えば、グレーレベル画像の最大値の位置は、一般的に、血管中心と血管境界の間の距離に対応し、それは、血管偏心度と共に増加するが、半径に沿った標準偏差及び平均値は、典型的には減少する。各角度セクターθは、従って、特徴ベクトルf
i(θ)=[f
1(θ),f
2(θ),...,f
NF(θ)]であり,式中N
Fは、考えられる特徴の総数である。
【0074】
分類に関して、監視学習手法が、ground−truthデータの利用可能性及びその結果としての例から学習する可能性が与えられる時に、そのより高いロバスト性及び精度により選択される。差別的分類方法は、特徴空間に対して仮説を立てる必要性を回避するために適用される。既存の差別的分類方法間で、一部は、分岐検出の特定のタスクに対して他のものよりも適切とすることができる。最先端の差別的分類の3つの例は、AdaBoost、「ランダムフォレスト」、及び「サポートベクトルマシン」である。
【0075】
分類器ラベル付けを超えて、上述の分類器によって提供することができる付加的な出力は、特徴空間では、決定境界からのサンプルの距離を表す分類マージンm∈[−∞,+∞]である。このようなマージン値は、ラベル付けの擬似確率と解釈することができ、それは、サンプルが分岐クラスに属する可能性の推定値pb∈[0,1]に変換することができる。
【0076】
AdaBoostアルゴリズム(例えば、引用により本明細書に組み込まれているFreund他、「Journal of Computer and System Sciences」,55(1):119−139(1997)を参照)は、簡単な弱分類器(基本学習器)の線形組合せとして強分類器を生成する。反復法は、訓練誤差が所定の値よりも低くなり又は反復の数が選択最大数に達するまで基本学習器を加え続けることを可能にする。AdaBoostの興味ある品質は、基本学習器が「決定スタンプ」である時に、訓練ステージ中に特徴に重みを割り当てるその機能であり、これは、特徴関連性に関連させることができ、特徴選択を行い、すなわち、ロバスト性モデルを構成するために関連特徴の部分集合を選択するのに使用することができる。実際に、「決定スタンプ」は、各反復でラベル付け誤差を最も良く低減する単一特徴を選択する。この研究でAdaBoostを適用することにより、その計算簡素化及び速度を利用することができる。
【0077】
一実施形態の一例として、各訓練反復において、「決定スタンプ」を有するAdaBoostアルゴリズムは、重みを各弱分類器(特徴)に割り当てる。このような重みを使用して、特徴関連性を評価することができる。シーケンスの数をN
P、初期特徴の数をN
F、i=1,2,...N
Fを各特徴のインデックス、及び
をP番目引き戻しに対応するP番目LOPO(Leave−One−Patient−Out)検証フォールドにおいてi番目に割り当てられた重みとする。AdaBoostによって各特徴に割り当てられた正規化重みw
fは、以下のように表される。
N
F特徴の初期セットF={f
1,f
2,...,f
NF}は、最大の関連のものから最少の関連の記述子まで順序つけされ、対応する正規化重みはW
SORT={w
1,w
2,...,w
NF}を有する選別されたセットF
SORT={f’
1,f’
2,...,f’
NFS}を生成する。その後、対応する正規化重み:
を有する特徴部分集合:
が選択され、F
SORT内の最も関連のN
S特徴を含み、その部分累積重み:
は合計して95%に設定された総累積重みのパーセントになる。
一実施形態において、最も関連の記述子は、グレーレベル画像及びそのパラメータ表示の両方の最大値の半径方向位置、Gaborパラメータマップから計算した特徴、グレーレベル画像から計算した特徴、及び「相互」相関マップからの特徴を含む。
【0078】
「ランダムフォレスト」(例えば、引用により本明細書に組み込まれているBreiman、「Mach.Learn.」,45:5−32(2001)参照)は、分類ツリーのアンサンブルを成長させ、ここで各ツリーはクラスを判断する。フォレストによる出力として生成されるクラスは、全ての個々のツリーの出力のモードである。「ランダムフォレスト」は、非常に多くの入力特徴を確実に処理することができる。AdaBoostのように、「ランダムフォレスト」は、ツリーを構成するように選択されたそれらのものの中の関連特徴のランダム変化が分類に影響を与えるという考えに基づいて特徴の関連を測定することができるが、関連特徴の変化は分類に影響を与えない。
【0079】
「サポートベクトルマシン(SVM)分類器(例えば、引用により本明細書に組み込まれているCortes他、「Mach.Learn.」,20:273−297(1995)参照)は、サンプルを2つのカテゴリに最適に分けるN次元超平面を構成することによってバイナリ分類を行う。最も簡単な場合には、超平面は直線である。そうでなければ、識別すべきデータが非線形領域によって分離される時に、非線形曲線をデータに当て嵌める代わりに、SVMは、カーネル関数を使用してデータを異なる空間にマップし、ここで、線形超平面を使用してそれらを分離することができる。SVMは、効率的な分類器と考えられるが、高次元特徴空間の場合の訓練は、一般的に高メモリ使用量及び計算の複雑性を抱えている。更に、SVMモデルの精度は、全体的にカーネルパラメータの選択に依存し、カーネルパラメータを調節する必要があり、そのことは訓練中の高い計算費用を意味する。一般的に、AdaBoost及び「ランダムフォレスト」は、SVMよりも速い。
【0080】
これまでに説明した学習システムでは、分類は、IVUS画像の各角度セクターが他のものとは無関係であるという仮定に基づいている。しかし、引き戻しシーケンスの枝の連続性は、それを追加的に考慮に入れて分類器の機能を高めることができる。シーケンスの縦方向及び角度寸法の両方において分岐存在に関して隣接する角度セクターサンプル間に有意な関係がある。隣接するサンプルによって提供される文脈情報を利用することができる。文脈情報の使用は、場合によっては、正確性及び精度の両方の観点から機械学習システムの性能を増大させることができる。例えば、多重スケールの「積み重ね逐次学習(SSL)」手法(例えば、引用により本明細書に組み込まれているPujol他、「Proceedings of the 8th International Workshop on Multiple Classifier Systems」,pages262−271,Splinger−Verlag(2009)参照)は、複数の空間スケールに広がった逐次相関を捕捉して利用する方法として使用することができる。SSL手法は、他の最先端の逐次法よりも良好に実施されることを明らかにしている。
図13のブロック図に示すように、多重スケールSSL手法は、以前の分類で使用された特徴セットと分類器による出力として提供された分類マージンとを利用する。
【0081】
各引き戻しに対して、分類マージン値は、空間(θ,t)の2次元擬似確率マップとして表すことができ、分岐存在の可能性の推定p
b(θ,t)∈[0,1]を示し、ここで、θは角度極座標であり、tは縦方向(時間的)位置である。多重スケールSSL手法では、このような擬似確率マップは、多重スケール(多重解像度)分解により表され、これは、1組の特徴を取得するようにサンプリングされる。付加的な特徴のこのセットは、近傍窓を考慮した基本的分類器によって生成された予想ラベルと元の訓練データ特徴とを接合する。一例として、一実施形態において、多重スケール分解は、9要素近傍を使用することによって45の付加的な特徴をもたらす5スケールを使用して適用される。
【0082】
元の特徴セット及びSSLサンプリングからの付加的な特徴から構成される拡大特徴セットが作り出される。最終的に、分類は、拡大特徴セットで行われる。多重解像度分解は、空間均一性及び異なるスケールで識別分岐領域の規則性に関する情報を提供する。
【0083】
分類ステージ後、結果は、冠動脈分枝の幾何学形状及び主要及び分岐血管の特性寸法に関する先験的知識を利用することによって精緻化することができる。ガイドワイヤの影のような異なるアーチファクトは、分岐領域と混同される可能性がある。実際に、単一フレーム(短軸図)を見る時に、分岐の外観とガイドワイヤの影の外観は類似している場合がある。しかし、影のテクスチャパターンは、シーケンスのいくつかのフレームに沿って繰り返されるので、縦方向寸法が角度寸法よりも遥かに拡張している領域を分類マップから廃棄することによって2つの構造の間で識別することができる。検出領域の向きは、分類マップの縦方向及び角度軸線に対して評価し、所定の閾値τよりも優れているθ軸線に対してある一定の角度を形成する領域を除去することができる。その後、結果をより均一にして分岐するには小さすぎる領域を除くために、形態学的フィルタリングをサイズ[n
Dn
F]の矩形構造化要素で行うことができ、ここでn
Dは角度数であり、n
Fはフレーム数である。モデルパラメータτ、n
F、及びn
Dを調節するために、交差検証処理を網羅的検索によって適用することができる。
【0084】
ブロック図の各ブロック及びブロック図のブロックの組合せ、並びに本明細書に開示するシステム及び方法のいずれの部分も、コンピュータプログラム命令によって実施することができる点は理解されるであろう。これらのプログラム命令は、プロセッサ上で実行されるこれらの命令が、1つ又は複数のブロック図に指定され、又は本明細書で開示するシステム及び方法に関して説明されたアクションを実施するための手段を生成するように、プロセッサに提供して機械を生成することができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行されて、プロセッサによって行うべき一連の作動ステップがコンピュータ実施処理を生じることを可能にすることができる。コンピュータプログラム命令はまた、作動ステップの少なくとも一部を並行して行うことを可能にすることができる。更に、ステップの一部はまた、多重プロセッサコンピュータシステムで行うことができるような1つよりも多くのプロセッサにわたって実施することができる。更に、1つ又はそれよりも多くの処理は、他の処理又は本発明の範囲又は精神から逸脱することなく例示したものと異なるシーケンスでも同時に実施することができる。
【0085】
コンピュータプログラム命令は、以下に限定されるものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学式メモリ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクメモリ又は他の磁気記憶デバイス、又は望ましい情報を格納するのに使用することができ、計算デバイスによってアクセス可能ないずれかの他の媒体を含むあらゆる適切なコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0086】
以上の仕様、実施例、及びデータは、本発明の構成物の製造及び用途の説明を提供するものである。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができるので、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲にも属するものである。