(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Xが、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ピロール、テトラゾール、ピラジン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジルイミダゾール、およびピリジルトリアゾールから選択される、請求項1に記載の化合物。
Xが、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ピリダジン、ピリミジン、およびピリジルトリアゾールから選択される、請求項2に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
定義
本発明の化合物、組成物、方法およびプロセスを記載する場合、他に指摘されない限り以下の用語は、以下の意味を有する。さらに、本明細書で使用する場合、単数の形態「a」、「an」および「the」は、使用されている文脈が明らかに他を指示していない限り、対応する複数の形態を含む。「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する」という用語は、包括的であることが意図され、列挙した要素以外のさらなる要素も存在し得ることを意味する。本明細書中で使用された成分の量、特性、例えば分子量、反応条件などを表現するすべての数は、他に指摘されない限り、すべての場合において、「約」という用語で修飾されているものと理解されたい。したがって、本明細書中に記述された数は、本発明により得ようとされている所望の特性に応じて異なり得る近似値である。少なくとも、しかも特許請求の範囲の同等物の原理の適用を限定しようと試みることなく、各数は、少なくとも、報告された有効数字を考慮して、かつ普通の丸め技法を適用することによって解釈すべきである。
【0017】
「アルキル」という用語は、直鎖または分枝鎖状であってよい一価の飽和炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、このようなアルキル基は通常、1〜10個の炭素原子を含有し、また例えば、−C
1〜4アルキル、−C
1〜5アルキル、−C
2〜5アルキル、−C
1〜6アルキル、−C
1〜8アルキルまた−C
1〜10アルキルなどが挙げられる。代表的なアルキル基は、例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。
【0018】
特定の炭素原子数が、本明細書中で使用されるある特定の用語を目的とする場合、炭素原子の数は、下付き文字として用語に先行して示されている。例えば、「−C
1〜6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、また「−C
3〜7シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味し、それぞれ、炭素原子は、任意の許容される構成である。
【0019】
「アルキレン」という用語は、直鎖または分枝鎖状であってよい二価の飽和炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、このようなアルキレン基は通常、0〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−C
0〜1アルキレン−、−C
0〜6アルキレン−、−C
1〜3アルキレン−、および−C
1〜6アルキレン−などが挙げられる。代表的なアルキレン基は、例として、メチレン、エタン−1,2−ジイル(「エチレン」)、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルなどが挙げられる。アルキレンという用語が−C
0〜1アルキレン−などゼロ個の炭素を含む場合、このような用語は、炭素原子が存在しないこと、すなわち、アルキレン基は、アルキレンという用語で分離された基を結合させる共有結合以外に存在しないことが意図されることを理解されたい。
【0020】
「アリール」という用語は、単環(すなわち、フェニル)または1つもしくは複数の縮合環を有する一価の芳香族炭化水素を意味する。縮合環系は、完全に不飽和なもの(例えば、ナフタレン)、ならびに部分的に不飽和なもの(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)が挙げられる。他に定義されない限り、このようなアリール基は通常、6〜10個の炭素環原子を含有し、例えば、−C
6〜10アリールなどが挙げられる。代表的なアリール基は、例として、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イルなどが挙げられる。
【0021】
「シクロアルキル」という用語は、一価の飽和炭素環式炭化水素基を意味する。他に定義されない限り、このようなシクロアルキル基は通常、3〜10個の炭素原子を含有し、例えば、−C
3〜5シクロアルキル、−C
3〜6シクロアルキルおよび−C
3〜7シクロアルキルが挙げられる。代表的なシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0022】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0023】
「ヘテロ環」という用語は、単環または2つの縮合環を有する一価の不飽和の(芳香族)ヘテロ環ならびに単環または複数の縮合環を有する一価の飽和および部分的に不飽和の基を含むことが意図される。ヘテロ環は、合計3〜15個の環原子を含有することができ、このうち1〜14個は環炭素原子であり、1〜4個は、窒素、酸素または硫黄から選択される環ヘテロ原子である。しかし、通常ヘテロ環は、合計3〜10個の環原子を含有し、このうち1〜9個は環炭素原子であり、1〜4個は環ヘテロ原子である。結合点は、任意の使用可能な炭素または窒素環原子である。典型的なヘテロ環として、例えば、−C
1〜7ヘテロ環、−C
3〜5ヘテロ環、−C
2〜6ヘテロ環、−C
3〜12ヘテロ環、−C
5〜9ヘテロ環、−C
1〜9ヘテロ環、−C
1〜11ヘテロ環、および−C
1〜14ヘテロ環(heterocyle)などが挙げられる。
【0024】
一価の不飽和のヘテロ環はまた、一般的に「ヘテロアリール」基とも呼ばれる。他に定義されない限り、ヘテロアリール基は通常、合計5〜10個の環原子を含有し、これらのうち1〜9個は環炭素原子であり、1〜4個は環ヘテロ原子であり、例えば、−C
1〜9ヘテロアリールおよび−C
5〜9ヘテロアリールが挙げられる。代表的なヘテロアリール基は、例として、ピロール(例えば、3−ピロリルおよび2H−ピロール−3−イル)、イミダゾール(例えば、2−イミダゾリル)、フラン(例えば、2−フリルおよび3−フリル)、チオフェン(例えば、2−チエニル)、トリアゾール(例えば、1,2,3−トリアゾリルおよび1,2,4−トリアゾリル)、ピラゾール(例えば、1H−ピラゾール−3−イル)、オキサゾール(例えば、2−オキサゾリル)、イソオキサゾール(例えば、3−イソオキサゾリル)、チアゾール(例えば、2−チアゾリルおよび4−チアゾリル)、およびイソチアゾール(例えば、3−イソチアゾリル)、ピリジン(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、および4−ピリジル)、ピリジルイミダゾール、ピリジルトリアゾール、ピラジン、ピリダジン(例えば、3−ピリダジニル)、ピリミジン(例えば、2−ピリミジニル)、テトラゾール、トリアジン(例えば、1,3,5−トリアジニル)、インドリル(例えば、1H−インドール−2−イル、1H−インドール−4−イルおよび1H−インドール−5−イル)、ベンゾフラン(例えば、ベンゾフラン−5−イル)、ベンゾチオフェン(例えば、ベンゾ[b]チエン−2−イルおよびベンゾ[b]チエン−5−イル)、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、キノリン(例えば、2−キノリル)、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどが挙げられる。
【0025】
一価の飽和ヘテロ環は通常、合計3〜10個の環原子を含有し、このうち2〜9個は環炭素原子であり、1〜4個は環ヘテロ原子であり、例えば−C
3〜5ヘテロ環が挙げられる。代表的な一価の飽和ヘテロ環は、例として、一価の種属のピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、3−ピロリンなどが挙げられる。場合によっては、部分は、これらが一緒になって、環内に酸素原子を必要に応じて含有する飽和−C
3〜5ヘテロ環を形成するものとして記載されてもよい。このような基として、
【0026】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。
【0027】
一価の部分的に不飽和のヘテロ環は通常、合計3〜10個の環原子を含有し、このうち2〜11個は環炭素原子であり、1〜3個は環ヘテロ原子であり、例えば−C
3〜5ヘテロ環および−C
2〜12ヘテロ環が挙げられる。代表的な一価の部分的に不飽和のヘテロ環は、例として、ピラン、ベンゾピラン、ベンゾジオキソール(例えば、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)、テトラヒドロピリダジン、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール、ジヒドロイミダゾール、ジヒドロトリアゾール、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピロロキノキサリン、およびジヒドロオキサジアザベンゾ[e]アズレンが挙げられる。場合によっては、部分は、これらが一緒になって、部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環を形成するものとして記載されてもよい。このような基として、
【0028】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。
【0029】
「必要に応じて置換されている」という用語は、対象の基は、非置換であり得るか、または1回もしくは数回、例えば1〜3回、もしくは1〜5回、もしくは1〜8回置換され得ることを意味する。例えば、ハロ原子で「必要に応じて置換されている」フェニル基は、非置換であり得るか、または1、2、3、4、もしくは5個のハロ原子を含有し得、フルオロ原子で「必要に応じて置換されている」アルキル基は、非置換であり得るか、または1、2、3、4、5、6、7、もしくは8個のフルオロ原子を含有し得る。同様に、1または2つの−C
1〜6アルキル基で「必要に応じて置換されている」基は、非置換であり得るか、または1もしくは2つの−C
1〜6アルキル基を含有し得る。
【0030】
本明細書で使用する場合、「式を有する」または「構造を有する」という語句は、限定的であることは意図されておらず、「含む」という用語が一般的に使用されるのと同じように使用される。例えば、1つの構造が描写されている場合、別途述べられていない限り、すべての立体異性体および互変異性体の形態が包含されることを理解されたい。
【0031】
「薬学的に許容される」という用語は、本発明で使用する場合、生物学的に、または別の点で、許容不可能ではない物質を指す。例えば「薬学的に許容される担体」という用語は、組成物に組み込むことができ、許容できない生物学的作用を引き起こすことなく、または組成物の他の構成成分と許容できない形で相互作用することなく、患者に投与される物質を指す。このような薬学的に許容される物質は通常、毒物学的試験および製造試験の必要とされる基準を満たし、米国食品医薬品局によって適切な不活性成分として特定される物質を含む。
【0032】
「薬学的に許容される塩」という用語は、患者、例えば哺乳動物などへの投与が許容される塩基または酸から調製した塩を意味する(例えば塩は、所与の投与計画に対して許容される哺乳動物の安全性を有する)。しかし、本発明に包含される塩は、薬学的に許容される塩である必要はないこと、例えば患者への投与を目的としない中間体化合物の塩などであることを理解されたい。薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基から、および薬学的に許容される無機酸または有機酸から誘導することができる。さらに、式Iの化合物が塩基性部分、例えばアミン、ピリジンまたはイミダゾールなどと、酸性部分、例えばカルボン酸またはテトラゾールなどの両方を含有する場合、双性イオンを形成することができ、これは本明細書で使用する「塩」という用語に含まれる。薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩として、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、および亜鉛塩などが挙げられる。薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩として、置換アミン、環式アミン、天然由来のアミンなどを含めた第一級、第二級および第三級アミン、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン(piperazine)、ピペラジン(piperadine)、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。薬学的に許容される無機酸から誘導される塩として、ホウ酸、炭酸、ハロゲン化水素酸(臭化水素酸、塩化水素酸、フッ化水素酸またはヨウ化水素酸)、硝酸、リン酸、スルファミン酸および硫酸の塩が挙げられる。薬学的に許容される有機酸から誘導される塩として、脂肪族ヒドロキシル酸(例えば、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、ラクトビオン酸、リンゴ酸、および酒石酸)、脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、酪酸、ギ酸、プロピオン酸およびトリフルオロ酢酸)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸)、芳香族カルボン酸(例えば安息香酸、p−クロロ安息香酸、ジフェニル酢酸、ゲンチシン酸、馬尿酸、およびトリフェニル酢酸)、芳香族ヒドロキシル酸(例えば、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸および3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸)、アスコルビン酸、ジカルボン酸(例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸およびコハク酸)、グルクロン(glucoronic)酸、マンデル酸、ムチン酸、ニコチン酸、オロト酸、パモン酸、パントテン酸、スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、エジシル酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸)、キシナホ酸などの塩が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用する場合、「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下、例えば、正常な代謝プロセスにおいて、体内で薬物の活性形態に変換される不活性な(または著しく活性の低い)薬物前駆体を意味することが意図される。このような化合物は、NEPで薬理学的活性を保有しないこともあるが、経口または非経口的に投与することができ、その後体内で代謝されることによって、NEPで薬理学的活性のある化合物を形成することができる。典型的なプロドラッグとして、エステル、例えばC
1〜6アルキルエステルおよびアリール−C
1〜6アルキルエステルなどが挙げられる。一実施形態では、活性化合物は、遊離カルボキシルを有し、プロドラッグは、そのエステル誘導体であり、すなわち、プロドラッグは、−C(O)OCH
2CH
3などのエステルである。次いでこのようなエステルプロドラッグを、加溶媒分解により、または生理学的条件下で遊離カルボキシル化合物へと変換する。この用語はまた、最終の脱保護段階前に作製することができる、式Iの化合物の特定の保護された誘導体を含むことが意図される。したがって、式Iの化合物のすべての保護された誘導体およびプロドラッグは本発明の範囲内に含まれる。
【0034】
「治療有効量」という用語は、処置を必要とする患者に投与した場合、処置を実行するのに十分な量、すなわち所望の治療効果を得るのに必要とされる薬物の量を意味する。例えば高血圧を処置するための治療有効量は、例えば、高血圧の症状を減少させる、抑制する、排除する、もしくは予防する、または根底にある高血圧の原因を処置するのに必要とされる化合物の量である。一実施形態では、治療有効量は、血圧を減少させるのに必要とされる薬物の量、または正常な血圧を維持するために必要とされる薬物の量である。他方では、「有効量」という用語は、所望の結果を得るのに十分な量を意味するが、この所望の結果とは、必ずしも治療的結果でなくてもよい。例えば、NEP酵素を含む系を研究する場合、「有効量」は、酵素を阻害するために必要とされる量であってよい。
【0035】
「処置する」または「処置」という用語は、本明細書で使用する場合、哺乳動物(特にヒト)などの患者における疾患または医学的状態(例えば高血圧)を処置すること、または処置を意味し、以下のうちの1つまたは複数を含む:(a)疾患または医学的状態が生じるのを予防する、すなわち、疾患もしくは医学的状態の再発を予防すること、または疾患もしくは医学的状態になる傾向がある患者の予防的処置;(b)疾患または医学的状態を改善する、すなわち、患者における疾患または医学的状態を排除することまたは退化を引き起こすこと;(c)疾患または医学的状態を抑制すること、すなわち患者における疾患または医学的状態の進行を遅延させるまたは止めること;あるいは(d)患者における疾患または医学的状態の症状を軽減すること。例えば、「高血圧を処置する」という用語では、高血圧が生じるのを予防する、高血圧を改善する、高血圧を抑制する、および高血圧の症状を軽減する(例えば、血圧を低下させる)ことを含むことになる。「患者」という用語は、処置もしくは疾患予防を必要とする、または特定の疾患もしくは医学的状態の疾患の予防もしくは処置のために現在処置を受けている、ならびにアッセイにおいて本発明の化合物が評価されている、または使用されている試験対象、例えば動物モデルなどである、ヒトなどの哺乳動物を含むことが意図される。
【0036】
本明細書中で使用される他のすべての用語は、これらが関連する技術分野の当業者であれば理解されるようなこれらの普通の意味を有することが意図される。
【0037】
一態様では、本発明は、式Iの化合物:
【0038】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容されるその塩に関する。
【0039】
本明細書で使用する場合、「本発明の化合物」という用語は、式Iにより包含されるすべての化合物、例えば式IaおよびIbで具体化された種、ならびに式IIおよびIII、ならびにこれらの種により包含される化合物を含む。さらに、本発明の化合物はまた、数種の塩基性基または酸性基(例えば、アミノまたはカルボキシル基)も含有することもでき、したがって、このような化合物は、遊離塩基もしくは遊離酸として、または様々な塩形態で存在することができる。すべてのこのような塩の形態は、本発明の範囲内に含まれる。さらに、本発明の化合物はまたプロドラッグとして存在し得る。したがって、当業者であれば、本明細書中の化合物への言及、例えば、「本発明の化合物」または「式Iの化合物」への言及は、他に指摘されない限り、式Iの化合物ならびにその化合物の薬学的に許容される塩およびプロドラッグを含むことを認識されよう。さらに、「またはその薬学的に許容される塩および/もしくはプロドラッグ」という用語は、塩およびプロドラッグのすべての順列、例えばプロドラッグの薬学的に許容される塩などを含むことが意図される。さらに、式Iの化合物の溶媒和物が、本発明の範囲内に含まれる。
【0040】
式Iの化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有することができ、したがって、これら化合物は、様々な立体異性形態で調製および使用することができる。したがって、本発明はまた、他に指摘されない限り、ラセミ混合物、純粋な立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオ異性体)、立体異性体を豊富に含む混合物などに関する。化学構造が任意の立体化学なしに本明細書中で描写されている場合、すべての可能な立体異性体がそのような構造に包含されることを理解されたい。したがって、例えば「式Iの化合物」、「式IIの化合物」などの用語は、化合物のすべての可能な立体異性体を含むことが意図される。同様に、ある特定の立体異性体が本明細書中で示されたかまたは名付けられた場合、他に指摘されない限り、より少ない量の他の立体異性体が本発明の組成物中に存在し得るが、ただし、全体としての組成物の有用性はこのような他の異性体の存在により排除されないものとすることを当業者であれば理解されよう。個々の立体異性体は、当技術分野で周知の多くの方法により得ることができるが、これらの方法には、適切なキラルな固定相もしくは担体を使用するキラルクロマトグラフィー、またはこれらをジアステレオ異性体へと化学的に変換し、これらのジアステレオ異性体を従来の手段、例えばクロマトグラフィーもしくは再結晶などで分離し、次いで元の立体異性体を再生することが含まれる。
【0041】
さらに、適用できる場合、本発明の化合物のすべてのシス−トランスまたはE/Z異性体(幾何異性体)、互変異性体形態およびトポ異性体形態が、特に明記しない限り本発明の範囲内に含まれる。例えば、Xが:
【0042】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
と描写されている(R
4は水素)場合、化合物は、互変異性体形態、例えば
【0043】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
などでも存在し得ることを理解されたい。
【0044】
さらに具体的には、式Iの化合物は、以下の式
【0045】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
において、記号
*で示された少なくとも1つのキラル中心を含有することができる。
【0046】
本発明の一実施形態では、記号
*で特定された炭素原子は、(R)配置を有する。本発明のこの実施形態は、式Ia
【0047】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
で示される。
【0048】
本実施形態では、化合物は、
*炭素原子において(R)配置を有するか、またはこの炭素原子において(R)配置を有する立体異性形態を豊富に含む。
【0049】
別の実施形態では、記号
*で特定された炭素原子は、(S)配置を有する。本発明のこの実施形態は、式Ib
【0050】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
で示される。
【0051】
本実施形態では、化合物は、
*炭素原子において(S)配置を有するか、またはこの炭素原子において(S)配置を有する立体異性形態を豊富に含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物の治療的活性を最適化するために、例えば、高血圧を処置するために、
*記号で特定された炭素原子が、ある特定の(R)もしくは(S)配置を有するか、またはこのような配置を有する立体異性形態を豊富に含むことが望ましいこともある。例えば、一実施形態では、本発明の化合物は、式Iaの(R)配置を有するか、または(R)配置を有する立体異性体を豊富に含み、別の実施形態では、本発明の化合物は、式Ibの(S)配置を有するか、または(S)配置を有する立体異性体形態を豊富に含む。他の実施形態では、本発明の化合物は、ラセミ混合物として、例えば式IaおよびIbの鏡像異性体の混合物として存在する。
【0053】
本発明の化合物、ならびにこれらの合成に使用される化合物は、同位体標識された化合物、すなわち、1つまたは複数の原子が、主に自然界に見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子を豊富に含む化合物もまた含む。式Iの化合物に組み込むことができるアイソトープの例は、例えば、これらに限定されないが、
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
35S、
36Cl、および
18Fなどである。特に興味深いのは、トリチウムまたは炭素−14を豊富に含む式Iの化合物(これらは、例えば、組織分布研究に使用することができる)、特に代謝の部位において重水素を豊富に含む式Iの化合物(例えば、より高い代謝安定性を有する化合物をもたらす)、および陽電子を放射するアイソトープ、例えば
11C、
18F、
15Oおよび
13Nなどを豊富に含む式Iの化合物(これらは、例えば、陽電子放射断層撮影法(PET)研究において使用することができる)などである。
【0054】
本発明の化合物を命名するために本明細書中で使用された命名法は、本明細書中の実施例において例示されている。この命名法は、市販のAutoNomソフトウエア(MDL、San Leandro、California)を使用して導かれた。
【0055】
代表的な実施形態
以下の置換基および値は、本発明の様々な態様および実施形態の代表的な例を提供することが意図される。これらの代表的な値は、このような態様および実施形態をさらに規定および例示することが意図され、他の実施形態を排除することも、本発明の範囲を限定することも意図されない。この点について、ある特定の値または置換基が好ましいという提示は、具体的に指摘されていない限り、本発明から他の値または置換基を排除することを決して意図しない。
【0056】
一態様では、本発明は、式Iの化合物に関する。
【0057】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
R
1は、−OR
7および−NR
8R
9から選択される。R
7部分は、
H;
−C
1〜8アルキル、例えば、−CH
3、−CH
2CH
3、−(CH
2)
2CH
3、−CH(CH
3)
2、−CH
2CH(CH
3)
2、−(CH
2)
3CH
3、−(CH
2)
4CH
3、−(CH
2)
2CH(CH
3)
2、−(CH
2)
5CH
3、および−(CH
2)
6CH
3;
−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、例えば、ベンジル;
−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、例えば、−CH
2−ピリジニルおよび−(CH
2)
2−ピリジニル;
−C
3〜7シクロアルキル、例えば、シクロペンチル;
−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、例えば、−(CH
2)
2OCH
3および−[(CH
2)
2O]
2CH
3;
−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
10、例えば、−CH
2OC(O)CH
3、−CH
2OC(O)CH
2CH
3、−CH
2OC(O)(CH
2)
2CH
3、−CH
2CH(CH
3)OC(O)CH
2CH
3、−CH
2OC(O)OCH
3、−CH
2OC(O)OCH
2CH
3、−CH(CH
3)OC(O)OCH
2CH
3、−CH(CH
3)OC(O)O−CH(CH
3)
2、−CH
2CH(CH
3)OC(O)−シクロペンチル、−CH
2OC(O)O−シクロプロピル、−CH(CH
3)−OC(O)−O−シクロヘキシル、−CH
2OC(O)O−シクロペンチル、−CH
2CH(CH
3)OC(O)−フェニル、−CH
2OC(O)O−フェニル、−CH
2OC(O)−CH[CH(CH
3)
2]−NH
2、−CH
2OC(O)−CH[CH(CH
3)
2]−NHC(O)OCH
3、および−CH(CH
3)OC(O)−CH(NH
2)CH
2COOCH
3;
−C
1〜6アルキレン−NR
12R
13、例えば、−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、
【0058】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
−C
1〜6アルキレン−C(O)R
31、例えば、−CH
2C(O)OCH
3、−CH
2C(O)O−ベンジル、−CH
2C(O)−N(CH
3)
2、および
【0059】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
−C
0〜6アルキレンモルホリニル、例えば、−(CH
2)
2−モルホリニルおよび−(CH
2)
3−モルホリニル:
【0060】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル、例えば、−(CH
2)
2SO
2CH
3;
【0061】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
R
10部分は、
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3および−CH
2CH
3;
−O−C
1〜6アルキル、例えば、−OCH
3、−O−CH
2CH
3、および−O−CH(CH
3)
2;
−C
3〜7シクロアルキル、例えば、シクロペンチル);
−O−C
3〜7シクロアルキル、例えば、−O−シクロプロピル、−O−シクロヘキシル、および−O−シクロペンチル;
フェニル;
−O−フェニル;
−NR
12R
13;
−CH[CH(CH
3)
2]−NH
2;
−CH[CH(CH
3)
2]−NHC(O)O−C
1〜6アルキル、例えば、−CH[CH(CH
3)
2]−NHC(O)OCH
3;および
−CH(NH
2)CH
2COOCH
3
から選択される。
R
12およびR
13部分は、独立して、H、−C
1〜6アルキル(例えば、CH
3)、およびベンジルから選択される。あるいは、R
12およびR
13部分は、−(CH
2)
3〜6−、−C(O)−(CH
2)
3−、または−(CH
2)
2O(CH
2)
2−として一つになって、例えば、
【0062】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
などの基を形成することもできる。
R
31部分は、−O−C
1〜6アルキル、例えば、−OCH
3、−O−ベンジル、および−NR
12R
13、例えば、−N(CH
3)
2および
【0063】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
などから選択される。
R
32部分は、−C
1〜6アルキル(例えば、−CH
3および−C(CH
3)
3)または−C
0〜6アルキレン−C
6〜10アリールである。
【0064】
R
8部分は、
H;
−OH;
−OC(O)R
14、例えば、−OC(O)CH
3、−OC(O)−フェニル、−OC(O)−OCH
2−フェニル、−OC(O)−CH
2O−フェニル、−OC(O)(NH
2)、および−OC(O)[N(CH
3)
2;
−CH
2COOH;
−O−ベンジル;
ピリジル;および
−OC(S)NR
15R
16、例えば、−OC(S)NH
2および−OC(S)N(CH
3)
2
から選択される。
R
14部分は、
H;
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3;
−C
6〜10アリール、例えば、フェニル;
−OCH
2−C
6〜10アリール、例えば、−OCH
2−フェニル;
−CH
2O−C
6〜10アリール、例えば、−CH
2O−フェニル;および
−NR
15R
16、例えば、−NH
2およびN(CH
3)
2
から選択される。
R
15およびR
16部分は、独立して、Hおよび−C
1〜4アルキルから選択される。
【0065】
R
9は、H、−C
1〜6アルキル(例えば、−CH
3)、および−C(O)R
17(例えば、−C(O)H)から選択される部分である。R
17部分は、H、−C
1〜6アルキル(例えば、−CH
2CH
3)、−C
3〜7シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、−C
6〜10アリール(例えば、フェニル)、および−C
1〜9ヘテロアリール(例えば、ピリジン)から選択される。
【0066】
さらに、R
1の中の各アルキル基は、1〜8個のフルオロ原子で必要に応じて置換されている。例えば、R
1が−OR
7であり、R
7が−C
1〜8アルキルである場合、R
1はまた、−OCH(CH
3)CF
3、−OCH
2CF
2CF
3、−OCH(CF
3)
2、−O(CH
2)
2CF
3、−OCH(CH
2F)
2、−OC(CF
3)
2CH
3、および−OCH(CH
3)CF
2CF
3などの基であり得る。
【0067】
一実施形態では、R
1は−OR
7であり、R
7は、H、−C
1〜8アルキル、−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、−C
0〜6アルキレンモルホリニル、および
【0068】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、R
32は、−C
1〜6アルキルであり、各アルキル基は、1〜8個のフルオロ原子で必要に応じて置換されている。他の実施形態ではこれらの化合物は、式IIIを有する。
【0069】
一実施形態では、R
1は、−OR
7および−NR
8R
9から選択され、R
7はHであり、R
8は、Hまたは−OHであり、R
9はHである。他の実施形態では、これらの化合物は式IIIを有する。
【0070】
別の実施形態では、R
1は−OR
7であり、R
7は、−C
1〜8アルキル、−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、−C
3〜7シクロアルキル、−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
10、−C
1〜6アルキレン−NR
12R
13、−C
1〜6アルキレン−C(O)R
31、−C
0〜6アルキレンモルホリニル;−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル;
【0071】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
さらに別の実施形態では、R
1は−NR
8R
9であり、R
8は、−OC(O)R
14、−CH
2COOH、−O−ベンジル、ピリジル、および−OC(S)NR
15R
16から選択され、R
9はHである。さらに別の実施形態では、R
1は−NR
8R
9であり、R
8はHまたは−OHであり、R
9は−C
1〜6アルキルまたは−C(O)R
17である。さらに別の実施形態では、R
1は−NR
8R
9であり、R
8は、−OC(O)R
14、−CH
2COOH、−O−ベンジル、ピリジル、および−OC(S)NR
15R
16から選択され、R
9は−C
1〜6アルキルまたは−C(O)R
17である。別の実施形態ではこれらの化合物は式IIIを有する。本発明の一態様では、これらの化合物に、プロドラッグとして、または本明細書中に記載されている合成手順の中間体としての特定の有用性を見出すことができる。例えば、一実施形態では、R
1は、−OR
7であり、R
7は−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
10、例えば−O−CH(CH
3)OC(O)−O−シクロヘキシルなどであり、
【0072】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
とすることにより、化合物をシレキセチルエステルとするか、またはR
1は、−OR
7であり、R
7は、−C
0〜6アルキレンモルホリニル、例えば−O−(CH
2)
2−モルホリニルなどであり、
【0073】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
とすることにより、化合物を2−モルホリノエチルもしくはモフェチルエステルとするか、またはR
1は、−OR
7であり、R
7は、
【0074】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
であり、例えば−O−CH
2−5−メチル−[1,3]ジオキソール−2−オンであり、
【0075】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
とすることにより、化合物をメドキソミルエステルとする。
【0076】
R
2はHまたは−P(O)(OH)
2である。R
2はまた、R
7と一緒になって、−CR
18R
19−を形成することができるか、またはR
8と一緒になって、−C(O)−を形成することができる。R
18およびR
19は、独立して、H、−C
1〜6アルキル、および−O−C
3〜7シクロアルキルから選択されるか、またはR
18およびR
19は、一緒になって、=Oを形成することができる。一実施形態では、R
2はHである。別の実施形態ではこの化合物は式IIIを有する。
【0077】
R
2がR
7と一緒になって−CR
18R
19−を形成する場合、本実施形態は、
【0078】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
と描写することができ、R
18およびR
19が一緒になって=Oを形成する場合、本実施形態は、
【0079】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
と描写することができる。
【0080】
R
2がR
8と一緒になって−C(O)−を形成する場合、本実施形態は、
【0081】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
と描写することができる。
【0082】
本発明の一態様では、これらの化合物に、プロドラッグとして、または本明細書中に記載されている合成手順の中間体としての特定の有用性を見出すことができる。別の実施形態ではこれらの化合物は式IIIを有する。また、R
2が−P(O)(OH)
2である化合物に、プロドラッグとしての有用性を見出すことができる。
【0083】
「X」部分は、−C
1〜9ヘテロアリールであり、結合点は、任意の使用可能な炭素または窒素環原子の位置にある。いくつかの実施形態では、R
3および/またはR
4は存在しなくてもよいことを注意されたい。存在する場合、R
3は、任意の使用可能な炭素原子上にある。存在する場合、R
4は任意の使用可能な炭素原子または窒素原子上にある。典型的な−C
1〜9ヘテロアリール環は、例示として、これらに限定されずに、以下が挙げられる:
ピラゾール環(例えば
【0084】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0085】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
イミダゾール環(例えば
【0086】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0087】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
トリアゾール環(1,2,3−トリアゾール(例えば
【0088】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
である)ならびに1,2,4−トリアゾール(例えば
【0089】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
である)が挙げられる)、
ベンゾトリアゾール環(例えば
【0090】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0091】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
フラン環(
【0092】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0093】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
ピロール環(
【0094】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0095】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
テトラゾール環(例えば
【0096】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
である)、
ピラジン環(
【0097】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0098】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
チオフェン環(
【0099】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0100】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
オキサゾール環(
【0101】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0102】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
イソオキサゾール環(
【0103】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0104】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
チアゾール環(
【0105】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0106】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
イソチアゾール環(
【0107】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
)、
オキサジアゾール環([1,2,4]オキサジアゾール(例えば
【0108】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
である)、ならびに[1,2,3]オキサジアゾール(例えば
【0109】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
である)、および[1,3,4]オキサジアゾール(
【0110】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
)が挙げられる)、
チアジアゾール環([1,2,4]チアジアゾール(例えば
【0111】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
である)、ならびに[1,2,3]チアジアゾール(例えば
【0112】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
である)、および[1,3,4]チアジアゾール(
【0113】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
)が挙げられる)、
ピリダジン環(
【0114】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
である)、
ピリジン環(
【0115】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0116】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
ピリミジン環(
【0117】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
であり、この具体例として、
【0118】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
ピラン環(例えば
【0119】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
である)、
ベンゾイミダゾール環(例えば
【0120】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0121】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
ベンゾオキサゾール環(例えば
【0122】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0123】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
ベンゾチアゾール環(例えば
【0124】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0125】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、
ピリジルイミダゾール環(例えば
【0126】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
であり、これらの具体例として、
【0127】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)、ならびに
ピリジルトリアゾール環(例えば
【0128】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられ、
これらの具体例として、
【0129】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる)。
【0130】
1つの特定の実施形態では、Xは、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ピロール、テトラゾール、ピラジン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジルイミダゾール、およびピリジルトリアゾールから選択される。
【0131】
いくつかの−C
1〜9ヘテロアリール環は、互変異性体の形態で存在することができ、このような互変異性体の形態は、本発明の一部であり、「ヘテロアリール」という用語で包含されることを理解されたい。したがって、化合物が−C
1〜9ヘテロアリール環と共に描写されている場合、化合物は互変異性体の形態でも存在することもでき、逆もまた同様であり、両方の形態が本発明に包含されていることを理解されたい。
【0132】
【化75-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0133】
【化75-2】
[この文献は図面を表示できません]
1つの特定の実施形態では、Xは、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ピリダジン、ピリミジン、およびピリジルトリアゾールから選択される。さらなる別の実施形態では、Xはイソオキサゾールであり、1つの特定の実施形態では、式III:
【0134】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1〜R
6、a、およびbは式Iに対して定義された通りである)を有する。さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、式IIIa:
【0135】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1、R
5、R
6、a、およびbは式Iに対して定義された通りである)を有する。さらなる別の実施形態では、本発明の化合物は、式IIIb:
【0136】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1、R
5、R
6、a、およびbは、式Iに対して定義された通りである)を有する。
【0137】
R
3部分は、存在しなくともよい。存在する場合、R
3は、「X」基の中の炭素原子に結合し、
H;
ハロ、例えば、クロロおよびフルオロ;
−C
0〜5アルキレン−OH、例えば、−OH、−CH
2OH、−CH(OH)CH
3、および−C(CH
3)
2−OH;
−NH
2;
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3、−(CH
2)
2CH
3、−CH(CH
3)
2、および−(CH
2)
3−CH
3;
−CF
3;
−C
3〜7シクロアルキル、例えば、シクロプロピルおよびシクロヘキシル;
−C
0〜2アルキレン−O−C
1〜6アルキル、例えば、−OCH
3、−OCH
2CH
3、−CH
2−OCH
3、および−(CH
2)
2−OCH
3;
−C(O)R
20、例えば、−C(O)Hおよび−C(O)CH
3;
−C
0〜1アルキレン−COOR
21、例えば、−COOH、−CH
2−COOH、−C(O)O−CH
2CH
3、−C(O)O−(CH
2)
2OCH
3、−C(O)O−CH
2OC(O)CH
3、−CH
2−C(O)O−CH
2OC(O)CH
3、−C(O)O−CH
2OC(O)O−CH
3、−CH
2−C(O)O−CH
2OC(O)O−CH
3、−C(O)O−CH(CH
3)OC(O)O−CH
2CH
3、−C(O)O−CH(CH
3)OC(O)O−CH(CH
3)
2、−C(O)O−CH
2CH(CH
3)OC(O)−シクロペンチル、−C(O)O−CH
2OC(O)O−シクロプロピル、−C(O)O−CH(CH
3)−OC(O)−O−シクロヘキシル、−C(O)O−CH
2OC(O)O−シクロペンチル、−C(O)O−CH
2CH(CH
3)OC(O)−フェニル、−C(O)O−CH
2OC(O)O−フェニル、−C(O)O−CH
2−ピリジン、−C(O)O−CH
2−ピロリジン、−C(O)O−(CH
2)
2−モルホリニル、−C(O)O−(CH
2)
3−モルホリニル、および−C(O)O−(CH
2)
2−SO
2−CH
3;
−C(O)NR
22R
23、例えば、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)NH−(CH
2)
2CH
3、−C(O)NH−CH
2COOH、−C(O)NH−(CH
2)
2−OH、−C(O)NH−(CH
2)
2−N(CH
3)
2、−C(O)NH−シクロプロピル、−C(O)NH−(CH
2)
2−イミダゾリル、−C(O)N(CH
3)−CH
2CH(CH
3)
2、および−C(O)N(CH
3)[(CH
2)
2OCH
3];
−NHC(O)R
24、例えば、−NHC(O)−CH
2CH
3、−NHC(O)−(CH
2)
3CH
3、−NHC(O)O−CH
2CH
3、−NHC(O)−CH
2−OCH
3、−NHC(O)−2−メトキシフェニル、−NHC(O)−2−クロロフェニル、および−NHC(O)−2−ピリジン;
=O;
−NO
2;
−C(CH
3)=N(OH);
ハロ、−OH、−CF
3、−OCH
3、−NHC(O)CH
3、およびフェニルから独立して選択される1または2つの基で必要に応じて置換されているフェニル(例えば、フェニル、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、3−メトキシフェニル、3−NHC(O)CH
3−フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシフェニル、4−ビフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−メトキシ、5−フルオロフェニル、および3,4−ジクロロフェニル);
ナフタレニル;
ピリジニル;
ピラジニル;
メチルで必要に応じて置換されているピラゾリル;
メチルまたはハロ(例えば、クロロ)で必要に応じて置換されているチオフェニル;
フラニル;ならびに
−CH
2−モルホリニルから選択される。
【0138】
R
20部分は、Hおよび−C
1〜6アルキル(例えば、−CH
3)から選択される。R
21部分は、
H;
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3および−CH
2CH
3;
−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール;
−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、例えば、−CH
2−ピリジン;
−C
3〜7シクロアルキル;
−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、例えば、−(CH
2)
2OCH
3;
−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
25、例えば、−CH
2OC(O)CH
3、−CH
2OC(O)O−CH
3、−CH
2OC(O)O−CH
3、−CH(CH
3)OC(O)O−CH
2CH
3、−CH(CH
3)OC(O)O−CH(CH
3)
2、−CH
2CH(CH
3)OC(O)−シクロペンチル、−CH
2OC(O)O−シクロプロピル、−CH(CH
3)−OC(O)−O−シクロヘキシル、−CH
2OC(O)O−シクロペンチル、−CH
2CH(CH
3)OC(O)−フェニル、および−CH
2OC(O)O−フェニル;
−C
1〜6アルキレン−NR
27R
28、例えば、−CH
2−ピロリジン;
−C
1〜6アルキレン−C(O)R
33;
−C
0〜6アルキレンモルホリニル、例えば、−(CH
2)
2−モルホリニルおよび−(CH
2)
3−モルホリニル:
【0139】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル、例えば、−(CH
2)
2−SO
2−CH
3;
【0140】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0141】
R
22およびR
23部分は、独立して
H;
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3および−(CH
2)
2CH
3;
−CH
2COOH;
−(CH
2)
2OH;
−(CH
2)
2OCH
3;
−(CH
2)
2SO
2NH
2;
−(CH
2)
2N(CH
3)
2;
−C
0〜1アルキレン−C
3〜7シクロアルキル、例えば、シクロプロピルおよび−CH
2−シクロプロピル;および
−(CH
2)
2−イミダゾリル
から選択される。
【0142】
R
22およびR
23はまた、一緒になって、ハロ、−OH、−COOH、または−CONH
2で必要に応じて置換されており、環内に酸素原子を必要に応じて含有する、飽和または部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環を形成してもよい。飽和−C
3〜5ヘテロ環として、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンおよびモルホリンが挙げられ、よって、典型的なR
3基として、
【0143】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。
【0144】
部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環として、2,5−ジヒドロ−1H−ピロールが挙げられ、よって、典型的なR
3基として、
【0145】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられる。
【0146】
R
24部分は、
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
2CH
3および−(CH
2)
3CH
3;
−C
0〜1アルキレン−O−C
1〜6アルキル、例えば、−O−CH
2CH
3および−CH
2−OCH
3;
ハロまたは−OCH
3で必要に応じて置換されているフェニル、例えば、−2クロロフェニルまたは−2−メトキシフェニル;ならびに
−C
1〜9ヘテロアリール、例えば2−ピリジン
から選択される。
【0147】
R
25は、
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3、−CH
2CH
3、および−(CH
2)
3CH
3;
−O−C
1〜6アルキル、例えば、−OCH
3、−OCH
2CH
3、および−OCH(CH
3)
2;
−C
3〜7シクロアルキル、例えば、シクロペンチル;
−O−C
3〜7シクロアルキル、例えば、−O−シクロプロピル、−O−シクロペンチル、および−O−シクロヘキシル;
フェニル;
−O−フェニル;
−NR
27R
28;
−CH[CH(CH
3)
2]−NH
2;
−CH[CH(CH
3)
2]−NHC(O)O−C
1〜6アルキル、例えば、−CH[CH(CH
3)
2]−NHC(O)OCH
3;および
−CH(NH
2)CH
2COOCH
3
から選択される。
【0148】
R
27およびR
28は、独立して、H、−C
1〜6アルキル、およびベンジルから選択されるか、またはR
27およびR
28は、−(CH
2)
3〜6−、−C(O)−(CH
2)
3−、または−(CH
2)
2O(CH
2)
2−として一つになり、R
33は、−O−C
1〜6アルキル、−O−ベンジル、および−NR
27R
28から選択され、R
34は、−C
1〜6アルキル(例えば、−CH
3および−C(CH
3)
3)または−C
0〜6アルキレン−C
6〜10アリールである。
【0149】
さらに、R
3の中の各アルキル基は、1〜8個のフルオロ原子で必要に応じて置換されている。例えば、R
3が−C
0〜1アルキレン−COOR
21であり、R
21が−C
1〜6アルキルである場合、R
3はまた、−COOCH(CH
3)CF
3、−COOCH
2CF
2CF
3、−COOCH(CF
3)
2、−COO(CH
2)
2CF
3、−COOCH(CH
2F)
2、−COOC(CF
3)
2CH
3、および−COOCH(CH
3)CF
2CF
3などの基であることもできる。
【0150】
一実施形態では、R
3は存在しないか、またはH;ハロ;−C
0〜5アルキレン−OH;−C
1〜6アルキル;−C
3〜7シクロアルキル;−C
0〜2アルキレン−O−C
1〜6アルキル;−C(O)R
20;−C
0〜1アルキレン−COOR
21;−C(O)NR
22R
23;−NHC(O)R
24;=O;ハロ、−OH、および−OCH
3から独立して選択される1もしくは2つの基で必要に応じて置換されているフェニル;ピリジニル;ならびにピラジニルから選択され、R
20は−C
1〜6アルキルであり、R
21はHであり、R
22は、Hまたは−C
1〜6アルキルであり、R
23は、−C
1〜6アルキル、−(CH
2)
2OH、−(CH
2)
2OCH
3、−(CH
2)
2SO
2NH
2、および−C
0〜1アルキレン−C
3〜7シクロアルキルから選択されるか、またはR
22およびR
23は一緒になって、ハロもしくは−OHで必要に応じて置換されており、環内に酸素原子を必要に応じて含有する、飽和もしくは部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環を形成し、R
24は−OCH
3で置換されているフェニルである。他の実施形態では、これらの化合物は式IIIを有する。
【0151】
一実施形態では、R
3は、存在しないか、または、H;ハロ;−C
0〜5アルキレン−OH;−NH
2;−C
1〜6アルキル;−CF
3;−C
3〜7シクロアルキル;−C
0〜2アルキレン−O−C
1〜6アルキル;−C(O)R
20;−C
0〜1アルキレン−COOR
21;−C(O)NR
22R
23;−NHC(O)R
24;=O;−NO
2;−C(CH
3)=N(OH);ハロ、−OH、−CF
3、−OCH
3、−NHC(O)CH
3、およびフェニルから独立して選択される1もしくは2つの基で必要に応じて置換されているフェニル;ナフタレニル;ピリジニル;ピラジニル;メチルで必要に応じて置換されているピラゾリル;メチルもしくはハロで必要に応じて置換されているチオフェニル;フラニル;ならびに−CH
2−モルホリニルから選択され、R
21はHである。他の実施形態ではこれらの化合物は、式IIIを有する。
【0152】
別の実施形態では、R
3は、−C
0〜1アルキレン−COOR
21であり、R
21は、−C
1〜6アルキル、−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、−C
3〜7シクロアルキル、−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
25;−C
1〜6アルキレン−NR
27R
28、−C
1〜6アルキレン−C(O)R
33、−C
0〜6アルキレンモルホリニル、−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル、
【0153】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0154】
本発明の一態様では、これらの化合物に、プロドラッグとして、または本明細書中に記載されている合成手順の中間体としての特定の有用性を見出すことができる。他の実施形態ではこれらの化合物は式IIIを有する。
【0155】
R
4部分は、存在しなくともよい。存在する場合、R
4は、「X」基の中の炭素原子または窒素原子に結合し、
H;
−OH;
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3;
−C
1〜2アルキレン−COOR
35、例えば、−CH
2COOHおよび−(CH
2)
2−COOH;
−CH
2OC(O)CH(R
36)NH
2、例えば、−CH
2OC(O)CH[CH(CH
3)
2]NH
2;
−OCH
2OC(O)CH(R
36)NH
2、例えば、−OCH
2OC(O)CH[CH(CH
3)
2]NH
2;
−OCH
2OC(O)CH
3;
−CH
2OP(O)(OH)
2;
−CH
2CH(OH)CH
2OH;
−CH[CH(CH
3)
2]−NHC(O)O−C
1〜6アルキル;
ピリジニル;ならびに
ハロ、−COOR
35、−OCH
3、−OCF
3、および−SCF
3から選択される1つまたは複数の基で必要に応じて置換されているフェニルまたはベンジル(例えば、4−クロロフェニル、3−メトキシフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−クロロ、5−フルオロフェニル、3−トリフルオロメトキシ、4−クロロフェニル、3−トリフルオロメチルスルファニル、4−クロロフェニル、2,6−ジフルオロ、4−クロロフェニル、2−クロロベンジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、3−カルボキシベンジル、4−カルボキシベンジル、3−メトキシベンジル、2−クロロ、5−フルオロベンジル、3−クロロ、5−フルオロベンジル、2−フルオロ、4−クロロベンジル、3−クロロ、4−フルオロベンジル、3−OCF3、4−クロロベンジル、3−SCF3、4−クロロベンジル、2,6−ジフルオロ、3−クロロベンジル、2,6−ジフルオロ、4−クロロベンジル、および2,3,5,6−テトラフルオロ、4−メトキシベンジル)
から選択される。
【0156】
R
35部分は、
H;
−C
1〜6アルキル、例えば、−CH
3および−CH
2CH
3;
−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール;
−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、例えば、−CH
2−ピリジン;
−C
3〜7シクロアルキル;
−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、例えば、−(CH
2)
2OCH
3;
−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
25、例えば、−CH
2OC(O)CH
3、−CH
2OC(O)O−CH
3、−CH
2OC(O)O−CH
3、−CH(CH
3)OC(O)O−CH
2CH
3、−CH(CH
3)OC(O)O−CH(CH
3)
2、−CH
2CH(CH
3)OC(O)−シクロペンチル、−CH
2OC(O)O−シクロプロピル、−CH(CH
3)−OC(O)−O−シクロヘキシル、−CH
2OC(O)O−シクロペンチル、−CH
2CH(CH
3)OC(O)−フェニル、および−CH
2OC(O)O−フェニル;
−C
1〜6アルキレン−NR
27R
28、例えば、−CH
2−ピロリジン;
−C
1〜6アルキレン−C(O)R
33;
−C
0〜6アルキレンモルホリニル、例えば、−(CH
2)
2−モルホリニルおよび−(CH
2)
3−モルホリニル:
【0157】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル、例えば、−(CH
2)
2−SO
2−CH
3;
【0158】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0159】
R
25、R
27、R
28、R
33、およびR
34部分は上で定義されている。R
36部分は、H、−CH(CH
3)
2、フェニル、およびベンジルから選択される。
【0160】
さらに、R
4の中の各アルキル基は、1〜8個のフルオロ原子で、必要に応じて置換されている。例えば、R
4が−C
1〜2アルキレン−COOR
35であり、かつR
35が−C
1〜6アルキルである場合、R
4はまた、−COOCH(CH
3)CF
3、−COOCH
2CF
2CF
3、−COOCH(CF
3)
2、−COO(CH
2)
2CF
3、−COOCH(CH
2F)
2、−COOC(CF
3)
2CH
3、および−COOCH(CH
3)CF
2CF
3などの基であり得る。
【0161】
R
4部分はまた、R
3と一緒になって、−フェニレン−O−(CH
2)
1〜3−または−フェニレン−O−CH
2−CHOH−CH
2−を形成することができる。例示のみの目的で、これらの実施形態は以下に描写されており、Xはピラゾールである。他のX基もまた使用することができることを理解されたい。
【0162】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
別の特定の実施形態では、R
4は、H;−OH;−C
1〜2アルキレン−COOR
35;ピリジニル;ならびにハロおよび−OCH
3から選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換されているフェニルまたはベンジルから選択され、R
35はHである。他の実施形態ではこれらの化合物は、式IIIを有する。
【0163】
一実施形態では、R
4は存在しないか、またはH;−OH;−C
1〜6アルキル;−C
1〜2アルキレン−COOR
35;−CH
2OC(O)CH(R
36)NH
2、−CH
2CH(OH)CH
2OH;ピリジニル;ならびにハロ、−COOR
35、−OCH
3、−OCF
3、および−SCF
3から選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換されているフェニルもしくはベンジルから選択され、R
35はHである。他の実施形態ではこれらの化合物は、式IIIを有する。
【0164】
別の実施形態では、R
4は、−OCH
2OC(O)CH
3;−CH
2OP(O)(OH)
2;−C
1〜2アルキレン−COOR
35;および少なくとも1つの−COOR
35基で置換されているフェニルまたはベンジルから選択され、R
35は、−C
1〜6アルキル、−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、−C
3〜7シクロアルキル、−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
25;−C
1〜6アルキレン−NR
27R
28、−C
1〜6アルキレン−C(O)R
33、−C
0〜6アルキレンモルホリニル、−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル、
【0165】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0166】
本発明の一態様では、これらの化合物に、プロドラッグとして、または本明細書中に記載されている合成手順の中間体としての特定の有用性を見出すことができる。他の実施形態ではこれらの化合物は式IIIを有する。
【0167】
R
5およびR
6基に対する付番は、以下の通りである:
【0168】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
整数「a」は0または1である。R
5部分は、存在する場合、ハロ、−CH
3、−CF
3、および−CNから選択される。一実施形態では、aは0である。別の実施形態では、aは1であり、かつR
5は、ハロおよび−CNから選択され、例えば2−クロロ、2−フルオロ、3−シアノ、3−クロロ、または3−フルオロなどである。整数「b」は0であるか、または1〜3の整数である。R
6部分は、存在する場合、独立して、ハロ、−OH、−CH
3、−OCH
3、および−CF
3から選択される。一実施形態では、bは0である。別の実施形態では、bは1であり、かつR
6は、Cl、F、−OH、−CH
3、−OCH
3、および−CF
3から選択され、例えば2’−クロロ、3’−クロロ、2’−フルオロ、3’−フルオロ、2’−ヒドロキシ、3’−ヒドロキシ、3’−メチル、2’−メトキシ、または3’−トリフルオロメチルなどである。一実施形態では、bは2であり、かつR
6は、2’−フルオロ−5’−クロロ、2’,5’−ジクロロ、2’,5’−ジフルオロ、2’−メチル−5’−クロロ、3’−フルオロ−5’−クロロ、3’−ヒドロキシ−5’−クロロ、3’,5’−ジクロロ、3’,5’−ジフルオロ、2’−メトキシ−5’−クロロ、2’−メトキシ−5’−フルオロ、2’−ヒドロキシ−5’−フルオロ、2’−フルオロ−3’−クロロ、2’−ヒドロキシ−5’−クロロ、または2’−ヒドロキシ−3’−クロロであり、別の実施形態では、bは2であり、かつ各R
6は、独立して、ハロ、−OH、−CH
3、または−OCH
3であり、例えば2’−フルオロ−5’−クロロ、2’,5’−ジクロロ、2’−メチル−5’−クロロ、3’−ヒドロキシ−5’−クロロ、3’,5’−ジクロロ、3’,5’−ジフルオロ、2’−メトキシ−5’−クロロ、2’−メトキシ−5’−フルオロ、3’−フルオロ−5’−クロロ、2’−ヒドロキシ−5’−フルオロ、2’−フルオロ−3’−クロロ、2’−ヒドロキシ−5’−クロロ、または2’−ヒドロキシ−3’−クロロなどである。別の実施形態では、bは3であり、かつ各R
6は、独立して、ハロまたは−CH
3であり、例えば2’−メチル−3’,5’−ジクロロまたは2’−フルオロ−3’−メチル−5’−クロロなどである。さらに別の実施形態では、aは1であり、bは1であり、かつR
5およびR
6は、独立して、ハロであり、例えば3−クロロおよび3’クロロである。他の実施形態では、これらの化合物は、式IIIを有する。特に興味深いのは、式:
【0169】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物である。
【0170】
ビフェニル上のメチレンリンカーは、1または2つの−C
1〜6アルキル基またはシクロプロピルで必要に応じて置換されている。例えば、一実施形態では、ビフェニル上のメチレンリンカーは非置換であり、別の実施形態では、ビフェニル上のメチレンリンカーは、1つの−C
1〜6アルキル基(例えば、−CH
3)で置換されており、さらに別の実施形態では、ビフェニル上のメチレンリンカーは、2つの−C
1〜6アルキル基(例えば、2つの−CH
3基)で置換されており、別の実施形態では、ビフェニル上のメチレンリンカーは、シクロプロピル基で置換されている。これらの実施形態は、それぞれ、
【0171】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
と描写される。
【0172】
別の実施形態では、R
1はOR
7であり、R
2はHであり、Xは、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ピリダジン、ピリミジン、およびピリジルトリアゾールから選択され、R
3は存在しないか、またはH;ハロ;−C
0〜5アルキレン−OH;−C
1〜6アルキル;−C
3〜7シクロアルキル;−C
0〜2アルキレン−O−C
1〜6アルキル;−C(O)R
20;−C
0〜1アルキレン−COOR
21;−C(O)NR
22R
23;−NHC(O)R
24;=O;ハロ、−OH、および−OCH
3から独立して選択される1もしくは2つの基で必要に応じて置換されているフェニル;ピリジニル;ならびにピラジニルから選択され、R
4は、H;−OH;−C
1〜2アルキレン−COOR
35;ピリジニル;ならびにハロおよび−OCH
3から選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換されているフェニルまたはベンジルから選択され、aは0であるか、またはaは1であり、かつR
5は、ハロおよび−CNから選択され、bは0であるか、またはbは1であり、かつR
6は、Cl、F、−OH、−CH
3、−OCH
3、および−CF
3から選択されるか、またはbは2であり、かつ各R
6は、独立して、ハロ、−OH、−CH
3、もしくは−OCH
3であるか、またはbは3であり、かつ各R
6は、独立して、ハロもしくは−CH
3であり、R
7は、H、−C
1〜8アルキル、−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、−C
0〜6アルキレンモルホリニル、および
【0173】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
R
32は−C
1〜6アルキルであり、R
20は−C
1〜6アルキルであり、R
21はHであり、R
22は、Hまたは−C
1〜6アルキルであり、R
23は、−C
1〜6アルキル、−(CH
2)
2OH、−(CH
2)
2OCH
3、−(CH
2)
2SO
2NH
2、および−C
0〜1アルキレン−C
3〜7シクロアルキルから選択されるか、またはR
22およびR
23は一緒になって、ハロもしくは−OHで必要に応じて置換されており、環内に酸素原子を必要に応じて含有する、飽和もしくは部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環を形成し、R
24は−OCH
3で置換されているフェニルであり、R
35はHであり、R
1の中の各アルキル基は、1〜8個のフルオロ原子で必要に応じて置換されている。
【0174】
さらなる別の実施形態では、R
1はOR
7であり、R
2はHであり、Xは、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ピリダジン、およびピリミジンから選択され、R
3は存在しないか、またはH;ハロ;−C
0〜5アルキレン−OH;−C
1〜6アルキル;−C
3〜7シクロアルキル;−C
0〜2アルキレン−O−C
1〜6アルキル;−C(O)R
20;−C
0〜1アルキレン−COOR
21;−C(O)NR
22R
23;−NHC(O)R
24;=O;ハロ、−OH、および−OCH
3から独立して選択される1もしくは2つの基で置換されているフェニル;ピリジニル;ならびにピラジニルから選択され、R
4は、ハロ基で必要に応じて置換されているフェニル、H、および−OHから選択され、aは0であるか、またはaは1であり、かつR
5はハロであり、bは0であるか、またはbは1であり、かつR
6は、ハロもしくは−CH
3であるか、またはbは2であり、かつ各R
6は、独立して、ハロ、−OH、−CH
3、もしくは−OCH
3であり、R
20は−C
1〜6アルキルであり、R
21はHであり、R
22は−C
1〜6アルキルであり、R
23は−C
1〜6アルキルまたは−C
0〜1アルキレン−C
3〜7シクロアルキルであるか、またはR
22およびR
23は一緒になって、ハロもしくは−OHで必要に応じて置換されている飽和−C
3〜5ヘテロ環を形成し、R
24は、−OCH
3で置換されているフェニルであり、R
7は、式Iに対して定義された通りである。
【0175】
ある特定の群の式Iの化合物が、2010年12月15日に出願された米国仮出願第61/423,175号に開示されている。この群は、式IIの化合物:
【0176】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1は、−OR
7および−NR
8R
9から選択され、R
7は、H;−C
1〜6アルキル;−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール;−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール;−C
3〜7シクロアルキル;−(CH
2)
2OCH
3;−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
10;−CH
2−ピリジン;−CH
2−ピロリジン;−C
0〜6アルキレンモルホリン;−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル;
【0177】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、R
10は、−C
1〜6アルキル、−O−C
1〜6アルキル、−C
3〜7シクロアルキル、−O−C
3〜7シクロアルキル、フェニル、−O−フェニル、−NR
12R
13、および−CH(NH
2)CH
2COOCH
3から選択され、R
12およびR
13は、独立して、H、−C
1〜6アルキル、およびベンジルから選択されるか、またはR
12およびR
13は、−(CH
2)
3〜6−として一つになり、R
8は、H;−OH;−OC(O)R
14;−CH
2COOH;−O−ベンジル;ピリジル;および−OC(S)NR
15R
16から選択され、R
14は、H、−C
1〜6アルキル、−C
6〜10アリール、−OCH
2−C
6〜10アリール、−CH
2O−C
6〜10アリール、および−NR
15R
16から選択され、R
15およびR
16は、独立して、Hおよび−C
1〜4アルキルから選択され、R
9は、H;−C
1〜6アルキル;および−C(O)R
17から選択され、R
17はH;−C
1〜6アルキル;−C
3〜7シクロアルキル;−C
6〜10アリール;および−C
1〜9ヘテロアリールから選択され、R
2はHであるか、またはR
1と一緒になって、−OCHR
18R
19−または−NHC(O)−を形成し、R
18およびR
19は、独立して、H、−C
1〜6アルキル、および−O−C
3〜7シクロアルキルから選択されるか、またはR
18およびR
19は一緒になって、=Oを形成し、Xは−C
1〜9ヘテロアリールまたは部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環であり、R
3は存在しないか、またはH;ハロ;−C
0〜5アルキレン−OH;−NH
2;−C
1〜6アルキル;−C
3〜7シクロアルキル;−C
0〜1アルキレン−O−C
1〜6アルキル;−C(O)R
20;−C
0〜1アルキレン−C(O)OR
21;−C(O)NR
22R
23;−NHC(O)R
24;ハロ、−CF
3、−OCH
3、−NHC(O)CH
3、およびフェニルから選択される1つの基で必要に応じて置換されているフェニル;ナフチル(napthyl);ピリジン;ピラジン;メチルで必要に応じて置換されているピラゾール;メチルで必要に応じて置換されているチオフェン;ならびにフランから選択され、R
3は、存在する場合、炭素原子に結合しており、R
20はHおよび−C
1〜6アルキルから選択され、R
21は、H;−C
1〜6アルキル;−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール;−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール;−C
3〜7シクロアルキル;−(CH
2)
2OCH
3;−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
25;−CH
2−ピリジン;−CH
2−ピロリジン;−C
0〜6アルキレンモルホリン;−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル;
【0178】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
R
25は−C
1〜6アルキル、−O−C
1〜6アルキル、−C
3〜7シクロアルキル、−O−C
3〜7シクロアルキル、フェニル、−O−フェニル、−NR
27R
28、および−CH(NH
2)CH
2COOCH
3から選択され、R
27およびR
28は、独立して、H、−C
1〜6アルキル、およびベンジルから選択されるか、またはR
27およびR
28は−(CH
2)
3〜6−として一つになり、R
22およびR
23は、独立して、H;−C
1〜6アルキル;−CH
2COOH;−(CH
2)
2OH;−(CH
2)
2OCH
3;−(CH
2)
2SO
2NH
2;−(CH
2)
2N(CH
3)
2;−C
3〜7シクロアルキル;および−(CH
2)
2−イミダゾールから選択されるか、またはR
22およびR
23は一緒になって、−OH、−COOH、もしくは−CONH
2で必要に応じて置換されており、環内に酸素原子を必要に応じて含有する飽和もしくは部分的に不飽和の−C
3〜5ヘテロ環を形成し、R
24は、−C
1〜6アルキル;−O−C
1〜6アルキル;−CH
2−O−C
1〜6アルキル;−OCH
3で置換されているフェニル;およびピリジンから選択され、R
4は、H;−C
1〜6アルキル;ハロ、−COOH、−OCH
3、−OCF
3、および−SCF
3から選択される1つまたは複数の基で置換されているフェニルまたはベンジルから選択され、R
4は、炭素または窒素原子に結合しており、aは0または1であり、R
5はハロまたは−CF
3であり、bは0または1であり、R
6はハロである)または薬学的に許容されるその塩を含む。
【0179】
さらに、興味深い式Iの特定の化合物は、以下の実施例において記述されているもの、ならびに薬学的に許容されるその塩を含む。
【0180】
一般的合成手順
本発明の化合物を、以下の一般的な方法、実施例に記述された手順を使用して、または当業者に公知の他の方法、試薬、および出発物質を使用することによって、容易に入手可能な出発物質から調製することができる。以下の手順は、本発明のある特定の実施形態を例示し得るが、本発明の他の実施形態は、同じもしくは同様の方法を使用して、または当業者に公知の他の方法、試薬および出発物質を使用することによって同様に調製することができることを理解されたい。通常のまたは好ましいプロセス条件(例えば、反応温度、回数、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が与えられている場合、他に述べられていない限り、他のプロセス条件もまた使用することができることを理解されたい。場合によっては、反応は室温で行われ、実際の温度測定は行われなかった。室温は、実験室環境内の周辺温度に一般的に伴う範囲内の温度を意味するとみなすことができ、通常約18℃〜約30℃の範囲であることを理解されたい。他の場合には、反応は室温で行い、温度を実際に測定、記録した。最適反応条件は、様々な反応パラメータ、例えば使用される特定の反応物質、溶媒および量などに応じて通常異なることになるが、当業者であれば、所定の最適化手順を使用して適切な反応条件を容易に決定することができる。
【0181】
さらに、当業者であれば明らかなように、特定の官能基が所望しない反応を受けるのを防ぐために、従来の保護基が必要となるか、または所望されることもある。ある特定の官能基に対して適切な保護基の選択、ならびにこのような官能基の保護および脱保護に対しての適切な条件および試薬の選択は当技術分野で周知である。所望する場合、本明細書中に記載されている手順に例示されたもの以外の保護基を使用することができる。例えば、多くの保護基、ならびにこれらの導入および除去は、T. W. GreeneおよびG. M. Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第4版、Wiley、New York、2006年およびこの中に引用された参考文献の中に記載されている。
【0182】
カルボキシ保護基は、カルボキシ基における所望しない反応を防ぐのに適切であり、例として、これらに限定されないが、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、トリメチルシリル(TMS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが挙げられる。アミノ保護基は、アミノ基における所望しない反応を防ぐのに適切であり、例として、これらに限定されないが、t−ブトキシカルボニル(BOC)、トリチル(Tr)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ホルミル、トリメチルシリル(TMS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)などが挙げられる。ヒドロキシル保護基は、ヒドロキシル基における所望しない反応を防ぐのに適切であり,例として、これらに限定されないが、C
1〜6アルキル、シリル基(トリC
1〜6アルキルシリル基(例えばトリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、およびtert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)など)を含む);C
1〜6アルカノイル基を含めたエステル(アシル基)、例えばホルミル、アセチル、およびピバロイルなど、ならびに芳香族アシル基、例えばベンゾイルなど;アリールメチル基、例えばベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが挙げられる。
【0183】
標準的な脱保護技法および試薬が保護基を除去するために使用され、これらは、どの基が使用されるかに応じて異なってもよい。例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウムは、カルボキシ保護基がメチルの場合、一般的に使用され、カルボキシ保護基がエチルまたはt−ブチルの場合、TFAまたはHClなどの酸が一般的に使用され、カルボキシ保護基がベンジルの場合には、H
2/Pd/Cを使用することができる。BOCアミノ保護基は、DCM中TFAまたは1,4−ジオキサン中HClなどの酸性試薬を使用して除去することができるが、Cbzアミノ保護基は、H
2(1atm)およびアルコール溶媒中の10%Pd/C(「H
2/Pd/C」)などの触媒水素添加条件を利用することによって除去することができる。H
2/Pd/Cは一般的にヒドロキシル保護基がベンジルの場合に使用されるが、NaOHは一般的にヒドロキシル保護基がアシル基の場合に使用される。
【0184】
これらのスキームにおける使用に対して適切な塩基は、例示として、およびこれらに限定されずに、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、4−メチルモルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムt−ブトキシド、および金属水素化物が挙げられる。
【0185】
これらのスキームにおける使用に対して適切な不活性希釈剤または溶媒は、例示としておよびこれらに限定されずに、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(MeCN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム(CHCl
3)、四塩化炭素(CCl
4)、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、水などが挙げられる。
【0186】
適切なカルボン酸/アミンカップリング試薬として、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDCI)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などが挙げられる。カップリング反応は、DIPEAなどの塩基の存在下、不活性な希釈剤内で行われ、従来のアミド結合形成条件下で実施される。
【0187】
すべての反応は通常、約−78℃〜100℃の範囲内の温度、例えば室温で行われる。反応は、完了するまで薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および/またはLCMSの使用によりモニターすることができる。反応は数分で完了してもよいし、または数時間、通常1〜2時間から48時間までの時間をかけてもよい。完了時には、生じた混合物または反応生成物をさらに処理することによって、所望の生成物を得ることができる。例えば、生じた混合物または反応生成物は、以下の手順のうちの1つまたは複数にかけることができる:濃縮もしくは分配する(例えば、EtOAcと水の間、またはEtOAc中5%THFと1Mリン酸の間);抽出(例えば、EtOAc、CHCl
3、DCM、クロロホルムを用いて);洗浄する(例えば、飽和水性NaCl、飽和水性NaHCO
3、Na
2CO
3(5%)、CHCl
3または1M NaOHを用いて);乾燥させる(例えば、MgSO
4で、Na
2SO
4で、または真空中で);濾過する;結晶化する(例えば、EtOAcおよびヘキサンから);濃縮する(例えば、真空中で);および/または精製(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、分取HPLC、逆相HPLC、または結晶化)。
【0188】
例示として、式Iの化合物、ならびにこれらの塩は、スキームIで示されているように調製することができる。
【0189】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
本プロセスは、化合物1と化合物2とのカップリングのステップを含み、R
1〜R
6、X、aおよびbは、式Iに対して定義された通りであり、P
1はHまたは適切なアミノ保護基であり、このアミノ保護基の例として、t−ブトキシカルボニル、トリチル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、ホルミル、トリメチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルが挙げられる。P
1がアミノ保護基の場合、本プロセスは、カップリングステップ前に、またはインサイチュで、式1の化合物を脱保護するステップをさらに含む。
【0190】
R
1が−OCH
3または−OCH
2CH
3などの基の場合、カップリングステップの後に、脱保護ステップを行うことによって、R
1が−OHなどの基である式Iの化合物を得ることができる。したがって、本発明の化合物を調製する1つの方法は、化合物1と2をカップリングすることを、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を形成するための任意の脱保護ステップと共に含む。
【0191】
化合物1を調製する方法は、実施例に記載されている。化合物2は一般的に市販されているか、または当技術分野で公知の手順を使用して調製することができる。
【0192】
式Iの化合物、ならびにこれらの塩はまた、スキームIIで示されているように調製することができる。
【0193】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
第1ステップにおいて、化合物1を化合物3とカップリングし、化合物3を化合物4とカップリングする。ここで、YおよびZを、インサイチュで反応させて、R
3部分を形成する。例えば、R
3が−C(O)NR
22R
23の場合、Yは−COOHであり、ZはHNR
22R
23である。あるいは、化合物3を最初に化合物4とカップリングし、次いで、得られた化合物を化合物1とカップリングする。スキームIと同様に、R
1が−OCH
3または−OCH
2CH
3などの基の場合、カップリングステップの後に脱保護ステップを続けて、式Iの化合物(式中、R
1は−OHなどの基である)を得ることができる。したがって、本発明の化合物を調製する1つの方法は、化合物1、2および3をカップリングすることを、式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を形成するための任意の脱保護ステップと共に含む。
【0194】
化合物3および4は、一般的に市販されているか、または当技術分野で公知の手順を使用して調製することができる。
【0195】
式Iの化合物、ならびにこれらの塩はまた、スキームIIIに示されているように調製することができる。
【0196】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
この場合もスキームIおよびIIと同様に、これは、式Iの化合物(式中、R
1は−NR
8R
9である)を生成するための、式Iの化合物(式中、R
1は−OHである)と化合物5の間の標準的なカップリング反応である。
【0197】
本明細書中に記載されている特定の中間体は、新規であると考えられ、したがって、このような化合物は、例えば式1
【0198】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩を含む、本発明のさらなる態様として提供される(式中、P
1は、Hであるか、またはt−ブトキシカルボニル、トリチル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、ホルミル、トリメチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルから選択されるアミノ保護基であり、R
1、R
2、R
5、R
6、aおよびbは、式Iに対して定義された通りである)。本発明の別の中間体は、式6
【0199】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
を有するものまたはその塩である(式中、R
1Pは、−O−P
3、−NHP
2、および−NH(O−P
4)から選択され、P
2は、t−ブトキシカルボニル、トリチル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、ホルミル、トリメチルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルから選択されるアミノ保護基であり、P
3は、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびジフェニルメチルから選択されるカルボキシ保護基であり、P
4は、−C
1〜6アルキル、トリC
1〜6アルキルシリル、−C
1〜6アルカノイル、ベンゾイル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、およびジフェニルメチルから選択されるヒドロキシル保護基であり、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、a、b、およびXは、式Iに対して定義された通りである)。本発明の別の中間体は、式7
【0200】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
を有するものまたはその塩である(式中、R
3Pは、−C
0〜5アルキレン−O−P
4、−C
0〜1アルキレン−COO−P
3、および−O−P
4で置換されているフェニルから選択され、P
3は、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびジフェニルメチルから選択されるカルボキシ保護基であり、P
4は、−C
1〜6アルキル、トリC
1〜6アルキルシリル、−C
1〜6アルカノイル、ベンゾイル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、およびジフェニルメチルから選択されるヒドロキシル保護基であり、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、a、b、およびXは、式Iに対して定義された通りである)。本発明のさらなる別の中間体は、式8
【0201】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
を有するものまたはその塩である(式中、R
4Pは、−O−P
4;−C
1〜2アルキレン−COO−P
3;および−COO−P
3で置換されているフェニルまたはベンジルから選択され、P
3は、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびジフェニルメチルから選択されるカルボキシ保護基であり、P
4は、−C
1〜6アルキル、トリC
1〜6アルキルシリル、−C
1〜6アルカノイル、ベンゾイル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、およびジフェニルメチルから選択されるヒドロキシル保護基であり、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、a、b、およびXは、式Iに対して定義された通りである)。本発明のさらに別の中間体は、式9
【0202】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
を有するものまたはその塩である(式中、R
3Pは、−C
0〜5アルキレン−O−P
4、−C
0〜1アルキレン−COO−P
3、および−O−P
4で置換されているフェニルから選択され、R
4Pは、−O−P
4;−C
1〜2アルキレン−COO−P
3、および−COO−P
3で置換されているフェニルまたはベンジルから選択され、P
3は、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびジフェニルメチルから選択されるカルボキシ保護基であり、P
4は、−C
1〜6アルキル、トリC
1〜6アルキルシリル、−C
1〜6アルカノイル、ベンゾイル、ベンジル、p−メトキシベンジル、9−フルオレニルメチル、およびジフェニルメチルから選択されるヒドロキシル保護基であり、R
1、R
2、R
5、R
6、a、b、およびXは、式Iに対して定義された通りである)。したがって、本発明の化合物を調製する別の方法は、式1、6、7、8、9の化合物またはその塩を脱保護するステップを含む。
【0203】
代表的な本発明の化合物またはその中間体を調製するための特定の反応条件および他の手順に関するさらなる詳細は、以下に記述される実施例において記載されている。
【0204】
有用性
本発明の化合物は、ネプリライシン(NEP)阻害活性を保有する、すなわち、化合物は、酵素触媒活性を阻害することができる。別の実施形態では、化合物は、アンジオテンシン変換酵素の有意な抑制活性を示さない。式Iの化合物は活性な薬物およびプロドラッグであり得る。したがって、本発明の化合物の活性について議論する場合、任意のそのようなプロドラッグは、代謝されると、予期される活性を有することが理解される。
【0205】
化合物がNEP活性を阻害する能力の1つの尺度が、阻害定数(pK
i)である。このpK
i値は、解離定数(K
i)の底10に対する負の対数であり、これは通常モル単位で報告される。特に興味深い本発明の化合物は、NEPで6.0以上のpK
iを有するもの、特に7.0以上のpK
iを有するもの、さらにより具体的には8.0以上のpK
iを有するものである。一実施形態では、興味深い化合物は、6.0〜6.9の範囲のpK
iを有し、別の実施形態では、興味深い化合物は、7.0〜7.9の範囲のpK
iを有し、さらに別の実施形態では、興味深い化合物は、8.0〜8.9の範囲のpK
iを有し、さらに別の実施形態では、興味深い化合物は、9.0以上の範囲のpK
iを有する。このような値は、当技術分野で周知の技法により、ならびに本明細書中に記載されているアッセイにおいて決定することができる。
【0206】
化合物がNEP活性を阻害する能力の別の尺度は、みかけの阻害定数(IC
50)であり、これは、NEP酵素による基質変換の最大半量の阻害を生じる化合物のモル濃度である。pIC
50値は、IC
50の底10に対する負の対数である。特に興味深い本発明の化合物は、NEPに対して、約5.0以上のpIC
50を示すものを含む。興味深い化合物はまた、NEPに対して≧約6.0のpIC
50またはNEPに対して≧約7.0のpIC
50を有するものも含む。別の実施形態では、興味深い化合物は、NEPに対して約7.0〜11.0の範囲内のpIC
50を有し、別の実施形態では、約8.0〜11.0の範囲内、例えば約8.0〜10.0の範囲内のpIC
50を有する。
【0207】
ある場合には、本発明の化合物は、弱いNEP阻害活性を保有し得ることに注意されたい。そのような場合、当業者であれば、これらの化合物は、リサーチツールとしての有用性を依然として有することを認識している。
【0208】
本発明の化合物の特性、例えばNEP阻害活性などを決定するための典型的なアッセイは、実施例に記載されており、例示として、およびこれらに限定されずに、NEP阻害を測定するアッセイ(アッセイ1に記載されている)が挙げられる。有用な第2のアッセイとして、ACE阻害(これもまたアッセイ1に記載されている)およびアミノペプチダーゼP(APP)阻害(Sulpizioら、(2005年)JPET、315巻:1306〜1313頁に記載されている)を測定するアッセイが挙げられる。麻酔下のラットにおけるACEおよびNEPについてのインビボでの阻害効力を評価するための薬力学的アッセイがアッセイ2に記載されており(Seymourら、(1985年)Hypertension、7巻(補遺I):I−35〜I−42頁およびWigleら、(1992年)Can. J. Physiol. Pharmacol.70巻:1525〜1528頁も参照されたい)、ACE阻害は、アンジオテンシンIの昇圧反応の阻害(パーセント)として測定され、NEP阻害は、増加した尿の環状グアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)産出量として測定される。
【0209】
本発明の化合物のさらなる有用性を確かめるために使用することができる多くのインビボのアッセイが存在する。意識のある高血圧自然発症ラット(SHR)モデルは、レニン依存性高血圧モデルであり、アッセイ3に記載されている。Intenganら、(1999年)Circulation、100巻(22号):2267〜2275頁およびBadyalら、(2003年)Indian Journal of Pharmacology、35巻:349〜362頁も参照されたい。意識のあるデスオキシコルチコステロン酢酸塩(DOCA塩)ラットモデルは、NEP活性を測定するのに有用な容量依存性高血圧モデルであり、アッセイ4に記載されている。Trapaniら、(1989年)J. Cardiovasc. Pharmacol.14巻:419〜424頁、Intenganら、(1999年)Hypertension、34巻(4号):907〜913頁およびBadyalら(2003年)(上記を参考)も参照されたい。DOCA塩モデルは、特に、血圧を減少させる試験化合物の能力を評価し、ならびに血圧の上昇を予防するかまたは遅延させる試験化合物の能力を測定するのに有用である。ダール食塩感受性(DSS)高血圧ラットモデルは、食塩(NaCl)に感受性のある高血圧のモデルであり、アッセイ5で記載されている。Rapp、(1982年)Hypertension、4巻:753〜763頁も参照されたい。肺動脈高血圧のラットモノクロタリンモデルは、例えば、Katoら、(2008年)J. Cardiovasc. Pharmacol.51巻(1号):18〜23頁において記載されており、このモデルは、肺動脈高血圧の処置に対する臨床効果の信頼できる予測材料である。心不全動物モデルとして、心不全に対するDSSラットモデルおよび大動静脈瘻モデル(AVシャント)などが挙げられるが、後者は、例えば、Norlingら、(1996年)J. Amer. Soc. Nephrol.7巻:1038〜1044頁において記載されている。本発明の化合物の鎮痛特性を測定するために、他の動物モデル、例えばホットプレート、テイル−フリックおよびホルマリンテストなど、ならびに神経障害性疼痛の脊髄神経結紮(SNL)モデルを使用することができる。例えば、Malmbergら、(1999年)Current Protocols in Neuroscience 8.9.1〜8.9.15を参照されたい。
【0210】
本発明の化合物は、上記に列挙したアッセイのうちのいずれか、または同様の性質のアッセイにおいて、NEP酵素を阻害することが予期されている。したがって、上述のアッセイは、本発明の化合物の治療的有用性、例えば、血圧降下剤または下痢止剤などとしてのこれらの有用性を決定する上で有用である。本発明の化合物の他の特性および有用性は、当業者に周知の他のインビトロのおよびインビボのアッセイを使用して実証することができる。式Iの化合物は、活性のある薬物ならびにプロドラッグであってよい。したがって、本発明の化合物の活性を考察する場合、任意のこのようなプロドラッグは、アッセイにおいて予期される活性を示さないこともあるが、代謝されると、所望の活性を示すことが予期されることを理解されたい。
【0211】
本発明の化合物は、NEP阻害に応答して医学的状態の処置および/または予防に対して有用であることが予期されている。したがって、NEP酵素を阻害することによって、またはそのペプチド基質のレベルを増加させることによって処置される疾患または障害に罹患している患者は、本発明の化合物の治療有効量を投与することによって、処置され得ることが予期されている。例えば、NEPを阻害することによって、化合物は、NEPによって代謝される内因性ペプチド、例えば、ナトリウム利尿ペプチド、ボンベシン、ブラジキニン、カルシトニン、エンドセリン、エンケファリン、ニューロテンシン、物質Pおよび血管作用性腸ペプチドなどの生物学的作用を増強することが予期される。したがって、これらの化合物は、例えば、腎臓、中枢神経、生殖および消化器系などに対する他の生理学的作用を有すると予期されている。
【0212】
本発明の一実施形態では、NEP酵素を阻害することによって処置される疾患または障害に罹患している患者は、その活性形態の本発明の化合物、すなわち、式Iの化合物(式中、R
1は−OR
7および−NR
8R
9から選択され、R
7はHであり、R
8はHまたは−OHであり、R
9はHであり、R
2〜R
6、a、b、およびXは式Iに対して定義された通りである)を投与することによって処置される。
【0213】
別の実施形態では、患者は、インビトロで代謝されることによって、式Iの化合物(式中、R
1は−OR
7および−NR
8R
9から選択され、R
7はHであり、R
8はHまたは−OHであり、R
9はHであり、R
2〜R
6、a、b、およびXは式Iに対して定義された通りである)を形成する化合物を投与することによって処置される。
【0214】
別の実施形態では、患者は、R
1基においてそのプロドラッグ形態である本発明の化合物、すなわち式Iの化合物(式中、
R
1は、−OR
7であり、R
7は、−C
1〜8アルキル、−C
1〜3アルキレン−C
6〜10アリール、−C
1〜3アルキレン−C
1〜9ヘテロアリール、−C
3〜7シクロアルキル、−[(CH
2)
2O]
1〜3CH
3、−C
1〜6アルキレン−OC(O)R
10、−C
1〜6アルキレン−NR
12R
13、−C
1〜6アルキレン−C(O)R
31、−C
0〜6アルキレンモルホリニル、−C
1〜6アルキレン−SO
2−C
1〜6アルキル、
【0215】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
から選択されるか、または
R
1は、−NR
8R
9であり、R
8は、−OC(O)R
14、−CH
2COOH、−O−ベンジル、ピリジル、および−OC(S)NR
15R
16から選択され、R
9はHであるか、または
R
1は−NR
8R
9であり、R
8は、−OC(O)R
14、−CH
2COOH、−O−ベンジル、ピリジル、および−OC(S)NR
15R
16から選択され、R
9は、−C
1〜6アルキルもしくは−C(O)R
17であり、
R
1は、−NR
8R
9であり、R
8は、Hもしくは−OHから選択され、R
9は、−C
1〜6アルキルおよび−C(O)R
17から選択され、
R
1は−OR
7であり、R
2はR
7と一緒になって−CR
18R
19−を形成するか、または
R
1は−NR
8R
9であり、R
2はR
8と一緒になって、−C(O)−を形成し、
R
10、R
12〜R
17、R
31、R
32、R
3〜R
6、a、b、およびXは、式Iに対して定義された通りである)を投与することによって処置される。
【0216】
心血管疾患
ナトリウム利尿ペプチドおよびブラジキニンのような血管作用性ペプチドの作用を増強することによって、本発明の化合物に、心血管疾患などの医学的状態を処置および/または予防することにおいて有用性が見出されると予期されている。例えば、Roquesら、(1993年)Pharmacol. Rev.45巻:87〜146頁およびDempseyら、(2009年)Amer. J. of Pathology、174巻(3号):782〜796頁を参照されたい。特に興味深い心血管疾患として、高血圧および心不全が挙げられる。高血圧は、例示として、これらに限定されずに、以下が挙げられる:原発性高血圧(これはまた本態性高血圧または特発性高血圧とも呼ばれる);続発性高血圧;付随的腎疾患を伴う高血圧;付随的腎疾患を伴う、または伴わない重症の高血圧;肺高血圧(肺動脈高血圧を含む);および治療抵抗性高血圧。心不全は、例示として、これらに限定されずに、以下が挙げられる:うっ血性心不全;急性心不全;慢性心不全、例えば左室駆出率の減少を有するもの(収縮期心不全とも呼ばれる)または左室駆出率が保たれているもの(拡張期心不全ともと呼ばれる);ならびに急性および慢性の非代償性心不全(付随的腎疾患が伴うものと伴わないもの)。したがって、本発明の一実施形態は、患者に本発明の化合物の治療有効量を投与することを含む、高血圧、特に原発性高血圧または肺動脈高血圧を処置する方法に関する。
【0217】
原発性高血圧の処置に関して、治療有効量は通常、患者の血圧を低下させるのに十分な量である。これは、軽度から中等度の高血圧および重症の高血圧の両方を含む。高血圧を処置するために使用する場合、化合物は、他の治療剤、例えばアルドステロンアンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤および二重作用性アンジオテンシン変換酵素/ネプリライシン阻害剤、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)アクチベーターおよび刺激物質、アンジオテンシン−IIワクチン、抗糖尿病剤、抗脂質剤、抗血栓剤、AT
1受容体アンタゴニストおよび二重作用性AT
1受容体アンタゴニスト/ネプリライシン阻害剤、β
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、二重作用性β−アドレナリン受容体アンタゴニスト/α
1−受容体アンタゴニスト、利尿剤、カルシウムチャネル遮断剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、エンドセリン変換酵素阻害剤、ネプリライシン阻害剤、ナトリウム利尿ペプチドおよびこれらの類似体、ナトリウム利尿ペプチドクリアランス受容体アンタゴニスト、一酸化窒素ドナー、非ステロイド性抗炎症剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤(具体的にはPDE−V阻害剤)、プロスタグランジン受容体アゴニスト、レニン阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激物質およびアクチベーターならびにこれらの組合せなどと組み合わせて投与することができる。本発明の1つの特定の実施形態では、本発明の化合物は、AT
1受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断剤、利尿剤、またはこれらの組合せと組み合わせて、原発性高血圧を処置するために使用される。本発明の別の特定の実施形態では、本発明の化合物は、AT
1受容体アンタゴニストと組み合わせて、付随的腎疾患を伴う高血圧を処置するために使用される。
【0218】
肺動脈高血圧の処置に関して、治療有効量は通常、肺血管の抵抗性を低下させるのに十分な量である。療法の他の目的は、患者の運動能力を改善することである。例えば、臨床的な状況では、治療有効量は、6分間の間快適に歩行するように(約20〜40メートルの距離にわたり)患者の能力を改善する量とすることができる。肺動脈高血圧を処置するために使用する場合、化合物は、他の治療剤、例えばα−アドレナリンアンタゴニスト、β
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、β
2−アドレナリン受容体アゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗凝血剤、カルシウムチャネル遮断剤、利尿剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、PDE−V阻害剤、プロスタグランジン類似体、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、およびこれらの組合せと組み合わせて投与することができる。本発明の1つの特定の実施形態では、本発明の化合物は、PDE−V阻害剤または選択的セロトニン再取り込み阻害剤と組み合わせて、肺動脈高血圧を処置するために使用される。
【0219】
本発明の別の実施形態は、患者に本発明の化合物の治療有効量を投与することを含む、心不全、特にうっ血性心不全(心臓収縮期と心臓拡張期の両方のうっ血性心不全を含む)を処置するための方法に関する。通常、治療有効量は、血圧を低下させ、そして/または腎機能を改善するのに十分な量である。臨床的な状況において、治療有効量は、心臓の血流力学を改善する、例えば楔入圧、右心房圧、充満圧、および血管抵抗性における減少などに十分な量とすることができる。一実施形態では、化合物は静脈内投与形態として投与される。心不全を処置するために使用する場合、化合物は、他の治療剤、例えばアデノシン受容体アンタゴニスト、進行糖化終末産物ブレーカー、アルドステロンアンタゴニスト、AT
1受容体アンタゴニスト、β
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、二重作用性β−アドレナリン受容体アンタゴニスト/α
1−受容体アンタゴニスト、キマーゼ阻害剤、ジゴキシン、利尿剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ナトリウム利尿ペプチドおよびこれらの類似体、ナトリウム利尿ペプチドクリアランス受容体アンタゴニスト、一酸化窒素ドナー、プロスタグランジン類似体、PDE−V阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼアクチベーターおよび刺激物質、ならびにバソプレッシン受容体アンタゴニストなどと組み合わせて投与することができる。本発明の1つの特定の実施形態では、本発明の化合物は、アルドステロンアンタゴニスト、β
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、AT
1受容体アンタゴニスト、または利尿剤と併用し、うっ血性心不全を処置するために使用される。
【0220】
下痢
NEP阻害剤として、本発明の化合物は、内因性エンケファリンの分解を阻害することが予期され、したがってこのような化合物に、伝染性および分泌性/水様性の下痢を含めた下痢の処置に対しても有用性を見出すことができる。例えば、Baumerら、(1992年)Gut、33巻:753〜758頁;Farthing(2006年)Digestive Diseases、24巻:47〜58頁;およびMarcais−Collado(1987年)Eur. J. Pharmacol.144巻(2号):125〜132頁を参照されたい。下痢を処置するために使用する場合、本発明の化合物は、1つまたは複数の追加の下痢止処置と組み合わせることができる。
【0221】
腎疾患
ナトリウム利尿ペプチドおよびブラジキニンなどの血管作用性ペプチドの作用を増強させることによって、本発明の化合物に、腎機能を向上させ(Chenら、(1999年)Circulation、100巻:2443〜2448頁;Lipkinら、(1997年)Kidney Int.52巻:792〜801頁;およびDussauleら、(1993年)Clin. Sci.84巻:31〜39頁を参照されたい)、腎疾患の処置および/または予防における有用性を見出すことが予期されている。特に興味深い腎疾患として、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、タンパク質尿、および特に急性腎臓傷害または急性腎不全が挙げられる(Sharkovskaら、(2011年)Clin. Lab.57巻:507〜515頁およびNewazら、(2010年)Renal Failure、32巻:384〜390頁を参照されたい)。腎疾患を処置するために使用する場合、化合物は、他の治療剤、例えばアンジオテンシン変換酵素阻害剤、AT
1受容体アンタゴニスト、および利尿剤などと組み合わせて投与することができる。
【0222】
予防療法
ナトリウム利尿ペプチドの作用を増強させることによって、本発明の化合物はまた、予防療法において、ナトリウム利尿ペプチドの抗肥大性および抗線維性作用により(Potterら、(2009年)Handbook of Experimental Pharmacology、191巻:341〜366頁を参照されたい)、例えば心筋梗塞後の心機能不全の進行を予防すること、血管形成後の動脈再狭窄を予防すること、血管手術後の血管壁の増粘を予防すること、アテローム性動脈硬化症を予防すること、および糖尿病の脈管症を予防することにおいて有用であることも予期されている。
【0223】
緑内障
ナトリウム利尿ペプチドの作用を増強させることによって、本発明の化合物は、緑内障を処置するのに有用であると予期されている。例えば、Diestelhorstら、(1989年)International Ophthalmology、12巻:99〜101頁を参照されたい。緑内障を処置するために使用する場合、本発明の化合物は、1つまたは複数の追加の抗緑内障剤と併用することができる。
【0224】
疼痛緩和
NEP阻害剤として、本発明の化合物は、内因性エンケファリンの分解を阻害すると予期されており、したがってこのような化合物に、鎮痛剤としての有用性を見出すこともできる。例えば、Roquesら、(1980年)Nature、288巻:286〜288頁およびThanawalaら、(2008年)Current Drug Targets、9巻:887〜894頁を参照されたい。疼痛を処置するために使用する場合、本発明の化合物は、1つまたは複数の追加の抗侵害受容性薬物、例えばアミノペプチダーゼNまたはジペプチジルペプチダーゼIII阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、モノアミン再取り込み阻害剤、筋弛緩剤、NMDA受容体アンタゴニスト、オピオイド受容体アゴニスト、5−HT
1Dセロトニン受容体アゴニストおよび三環式抗うつ剤などと併用することができる。
【0225】
他の有用性
これらのNEP阻害特性に起因して、本発明の化合物はまた、鎮咳剤として有用であることも予期され、ならびに肝硬変に伴う門脈圧亢進症(Sansoeら、(2005年)J. Hepatol.43巻:791〜798頁を参照されたい)、がん(Vesely、(2005年)J. Investigative Med.53巻:360〜365頁を参照されたい)、うつ病(Nobleら、(2007年)Exp. Opin. Ther. Targets、11巻:145〜159頁を参照されたい)、月経障害、早期陣痛、子癇前症、子宮内膜症、繁殖障害(例えば、男性および女性の不妊、多嚢胞性卵巣症候群、着床不全)、ならびに男性の勃起不全および女性の性的興奮障害を含めた男性および女性の性機能不全の処置における有用性が見出されている。さらに具体的には、本発明の化合物は、女性の性機能不全を処置するのに有用であると予期されており(Prydeら、(2006年)J. Med. Chem.49巻:4409〜4424頁を参照されたい)、この性機能不全とは、多くの場合、女性患者が、性的表現に満足を見出すことが困難であること、またはできないことと定義される。性機能不全は、様々な多様な女性の性的疾患をカバーし、例示として、これらに限定されずに、性的欲求低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害および性的疼痛障害が挙げられる。このような疾患、特に女性の性機能不全を処置するために使用する場合、本発明の化合物は、以下の第2の剤のうちの1つまたは複数と併用してもよい:PDE−V阻害剤、ドーパミンアゴニスト、エストロゲン受容体アゴニストおよび/またはアンタゴニスト、アンドロゲン、ならびにエストロゲン。これらのNEP阻害特性に起因して、本発明の化合物はまた、抗炎症特性を有することが予期され、よって、特にスタチンと組み合わせて使用する場合、有用性を有することが予期される。
【0226】
最近の研究は、NEPがインスリン分泌低下型糖尿病および食生活誘発性肥満において神経機能を調整する役割を果たしていることを示唆している。Coppeyら、(2011年)Neuropharmacology、60巻:259〜266頁。したがって、これらのNEP阻害特性に起因して、本発明の化合物はまた、糖尿病または食生活誘発性肥満により引き起こされる神経機能障害に対する保護を提供するのに有用であると予期されている。
【0227】
本発明の化合物の1回あたり投与される量または一日あたり投与される総量は、既定であってもよいし、または患者の状態の性質および重症度、処置を受けている状態、患者の年齢、体重、および全般的健康状態、活性剤に対する患者の耐性、投与経路、薬理学的考慮、例えば投与される化合物および任意の第2の剤の活性、効力、薬動学および毒性学プロファイルなどを含めた多くの要素を考慮に入れることによって、個々の患者ベースで決定してもよい。疾患または医学的状態(例えば高血圧など)に罹患している患者の処置は、既定の用量または処置する医師によって決定された用量を用いて開始することができ、疾患または医学的状態の症状を予防、改善、抑制、または軽減するのに必要な一時期の間継続することになる。このような処置を受ける患者は通常、日常的にモニターすることによって、療法の有効性を決定する。例えば、高血圧の処置において、血圧測定を使用することによって、処置の有効性を決定することができる。本明細書中に記載されている他の疾患および状態に対する同様の指標は、周知であり、処置する医師にとっては容易に入手可能である。医師による連続的なモニタリングによって、本発明の化合物の最適な量が任意の所定の時間に投与されること、ならびに処置期間の決定が促進されることが保証される。第2の剤も投与される場合には、これらの選択、用量、および療法の期間の調整が必要とされることもあるので、これが特に重要となる。こうして、処置レジメンおよび投薬計画は、所望の有効性を示す最低量の活性剤が投与され、さらに、疾患または医学的状態の処置を成功させるのに必要な期間だけ投与が継続するように、療法コースにわたって調整することができる。
【0228】
リサーチツール
本発明の化合物はNEP酵素阻害活性を保有するので、このような化合物はまた、NEP酵素を有する生物学的系または試料を調査または研究する、例えばNEP酵素またはそのペプチド基質がある役割を果たしている疾患を研究するためのリサーチツールとしても有用である。NEP酵素を有する任意の適切な生物学的系または試料を、インビトロまたはインビボのいずれかで行うことができるような研究において利用することができる。このような研究に対して適切な代表的な生物学的系または試料として、これらに限定されないが、細胞、細胞抽出物、原形質膜、組織試料、単離した器官、哺乳動物(例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヒトなど)などが挙げられ、哺乳動物が特に興味深い。本発明の1つの特定の実施形態では、哺乳動物におけるNEP酵素活性は、本発明の化合物のNEP阻害量を投与することによって阻害される。本発明の化合物は、このような化合物を使用する生物学的アッセイを行うことによって、リサーチツールとして使用することもできる。
【0229】
リサーチツールとして使用する場合、通常、NEP酵素を含む生物学的系または試料を、本発明の化合物のNEP酵素阻害量と接触させる。生物学的系または試料を化合物に曝露した後、従来の手順および機器を使用して、例えば結合アッセイで受容体結合を測定することにより、または機能アッセイでリガンドが媒介する変化を測定することにより、NEP酵素を阻害する作用を判定する。曝露は、細胞または組織を化合物に接触させること、例えばi.p.、p.o、i.v.、s.c.、または吸入による投与などにより化合物を哺乳動物に投与することを包含する。この判定ステップは、応答(定量分析)を測定するステップを含むことができるか、または観察(定性分析)を行うステップを含むことができる。応答を測定するステップは、例えば、従来の手順および機器、例えば酵素活性アッセイなどを使用して生物学的系または試料に対する化合物の作用を判定すること、ならびに機能アッセイで酵素基質または生成物が媒介する変化を測定することなどを含む。アッセイの結果を使用して、活性レベルならびに所望の結果を達成するのに必要な化合物の量、すなわち、NEP酵素阻害量を判定することができる。通常、この判定ステップは、NEP酵素を阻害する作用を判定することを含むことになる。
【0230】
さらに、本発明の化合物は、他の化学物質を評価するためのリサーチツールとして使用することができ、したがって、例えば、NEP阻害活性を有する新規化合物を発見するためのスクリーニングアッセイにおいても有用である。このように、本発明の化合物はアッセイにおいて標準として使用することで、試験化合物を用いて得た結果と、本発明の化合物を用いて得た結果の比較が可能となり、ほぼ等しいか、またはもしあるとすれば、より優れた活性を有する試験化合物を特定する。例えば、試験化合物または試験化合物の群に対するpK
iデータを、本発明の化合物に対するpK
iデータと比較することによって、所望の特性を有するような試験化合物、例えば、本発明の化合物とほぼ等しいか、またはもしあるとすれば、より優れたpK
i値を有する試験化合物を特定する。本発明のこの態様は、興味深い試験化合物を特定するための、比較データの生成(適当なアッセイを使用して)と、試験データの分析との両方を別々の実施形態として含む。したがって、試験化合物は、生物学的アッセイにおいて、(a)試験化合物を用いて生物学的アッセイを行って、第1のアッセイ値を得るステップと、(b)本発明の化合物を用いて生物学的アッセイを行って、第2のアッセイ値を得るステップと、(c)ステップ(a)で得た第1のアッセイ値を、ステップ(b)で得た第2のアッセイ値と比較するステップとを含み、ステップ(a)が、ステップ(b)の前、後または同時に行われる方法により評価することができる。典型的な生物学的アッセイは、NEP酵素阻害アッセイを含む。
【0231】
薬学的組成物および製剤
本発明の化合物は通常、薬学的組成物または製剤の形態で患者に投与される。このような薬学的組成物は、これらに限定されないが、経口、直腸、経膣、鼻、吸入、局所用(経皮的を含む)、眼、および非経口モードの投与を含めた、任意の許容される投与経路で患者に投与され得る。さらに、本発明の化合物は、例えば経口的に、一日あたり複数回投与(例えば、毎日、2、3、または4回)するか、一日量を単回で投与するか、または週間用量を単回で投与することができる。特定のモードの投与に対して適切な本発明の化合物の任意の形態(すなわち、遊離塩基、遊離酸、薬学的に許容される塩、溶媒和物など)が、本明細書中で考察された薬学的組成物で使用することができることを理解されたい。
【0232】
したがって、一実施形態では、本発明は、薬学的に許容される担体および本発明の化合物を含む薬学的組成物に関する。組成物は、所望する場合、他の治療剤および/または配合剤を含有してもよい。組成物を考察する場合、「本発明の化合物」はまた、本明細書中で「活性剤」として言及されてもよく、製剤の他の成分、例えば担体などからこれを区別することもできる。したがって、「活性剤」という用語は、式Iの化合物ならびにその化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグを含むことを理解されたい。
【0233】
本発明の薬学的組成物は通常、本発明の化合物の治療有効量を含有する。しかし、当業者であれば、薬学的組成物は、例えばバルク組成物などは、治療有効量よりも多い量を含有してもよく、または治療有効量よりも少ない量、すなわち、複数の投与により治療有効量を達成するように計画されている個々の単位用量を含有してもよいことを認識されよう。通常、組成物は、約0.01〜95重量%(約0.01〜30重量%、例えば約0.01〜10重量%を含めて)の活性剤を含有することになり、実際の量は、製剤それ自体、投与経路、投薬頻度などに依存する。一実施形態では、経口投与剤形に対して適切な組成物は、例えば、約5〜70重量%、または約10〜60重量%の活性剤を含有してもよい。
【0234】
任意の従来の担体または賦形剤を、本発明の薬学的組成物に使用することができる。ある特定の担体もしくは賦形剤、または担体もしくは賦形剤の組合せの選択は、ある特定の患者または種類の医学的状態もしくは疾患状態を処置するために使用されている投与の形式に依存することになる。この点について、ある特定の形式の投与に対して適切な組成物の調製は、十分に薬学的技術分野の当業者の範囲内にある。さらに、このような組成物において使用される担体または賦形剤は市販されている。さらなる例示として、従来の製剤技法は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(2000年);およびH. C. Anselら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版、Lippincott Williams & White、Baltimore、Maryland(1999年)に記載されている。
【0235】
薬学的に許容される担体として機能できる物質の代表的な例として、これらに限定されないが、以下が挙げられる:糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロースなど;デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプンなど;セルロース、例えば微結晶性セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび坐剤ワックスなど;油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油など;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなど;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなど;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸塩緩衝液;圧縮された噴霧剤気体、例えばクロロフルオロ炭素およびヒドロフルオロカーボンなど;ならびに薬学的組成物に利用される他の無毒性の相容性物質。
【0236】
薬学的組成物は通常、活性剤と、薬学的に許容される担体および1つまたは複数の任意の成分とを、十分におよび密に混合またはブレンドすることによって調製する。次いで、生成された、均一にブレンドされた混合物は、従来の手順および機器を使用して、錠剤、カプセル剤、丸剤、キャニスター、カートリッジ、ディスペンサーなどへと成形または充填することができる。
【0237】
一実施形態では、薬学的組成物は、経口投与に対して適切である。経口投与に対して適切な組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、糖衣錠、散剤、粒剤;水性または非水性の液体中の溶液または懸濁液;水中油型または油中水型の液体エマルジョン;エリキシル剤またはシロップ剤などの形態であってよく、それぞれが既定の量の活性剤を含有する。
【0238】
固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤など)での経口投与を目的とする場合、組成物は通常、活性剤と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムなどを含むことになる。固形剤形はまた、以下を含んでもよい:充填剤または増量剤、例えばデンプン、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸など;バインダー、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど;保湿剤、例えばグリセロールなど;崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および/または炭酸ナトリウムなど;溶解遅延剤、例えばパラフィンなど;吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物など;湿潤剤、例えばセチルアルコールおよび/またはモノステアリン酸グリセロールなど;吸収剤、例えばカオリンおよび/またはベントナイト粘土など;滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、および/またはこれらの混合物など;着色剤;ならびに緩衝剤。
【0239】
剥離剤、湿潤剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤ならびに抗酸化剤もまた薬学的組成物中に存在し得る。錠剤、カプセル剤、丸剤などに対する典型的コーティング剤として、腸溶コーティングに対して使用されるもの、例えば酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、トリメリト酸酢酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートなどが挙げられる。薬学的に許容される抗酸化剤の例として、以下が挙げられる:水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;油溶性抗酸化剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピル、αトコフェロールなど;および金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
【0240】
組成物はまた、例として、様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/もしくはミクロスフェアなどを使用して、活性剤の徐放性または制御性放出を提供するように製剤化され得る。さらに、本発明の薬学的組成物は、乳白剤を含有してもよく、また、本発明の薬学的組成物は、活性剤を、消化管の特定の部分のみでまたはそこで優先的に、必要に応じて遅延型の形式で放出するように製剤化されてもよい。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。活性剤はまた、必要に応じて1つまたは複数の上記賦形剤を用いてマイクロカプセル化した形態にすることもできる。
【0241】
経口投与に対して適切な液体剤形は、例示として、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。液体剤形は通常、活性剤と不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(例えば綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含む。懸濁液は、懸濁剤、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。
【0242】
経口投与を目的とする場合、本発明の薬学的組成物は、単位剤形で包装されていてもよい。「単位剤形」という用語は、患者への投薬に対して適切な物理的に別個の単位を指し、すなわち、各単位が、単独で、または1つもしくは複数の追加の単位と組み合わせて、所望の治療効果が生じるように計算された既定の量の活性剤を含有している。例えば、このような単位剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤などであってよい。
【0243】
別の実施形態では、本発明の組成物は、吸入による投与に対して適切であり、通常エアゾール剤または散剤の形態である。このような組成物は一般的に、周知のデリバリーデバイス、例えばネブライザー、ドライパウダー、または計量式吸入器などを使用して投与される。ネブライザーデバイスは、高速の空気の流れを生成し、これにより組成物がミストとして噴霧され、このミストが患者の呼吸器内へ運ばれる。典型的なネブライザー製剤は、担体に溶解して溶液を形成する活性剤、または微粉化され、担体と混合されて、呼吸に適したサイズの微粉化粒子の懸濁液を形成する活性剤を含む。ドライパウダー吸入器は、自由流動性粉末として活性剤を投与するが、この自由流動性粉末は吸息の間に患者の空気流の中に分散する。典型的なドライパウダー製剤は、ラクトース、デンプン、マンニトール、デキストロース、ポリ乳酸、ポリ乳酸−co−グリコリド、およびこれらの組合せなどの賦形剤とドライブレンドした活性剤を含む。計量式吸入器は、圧縮された噴霧剤気体を使用して測定した量の活性剤を放出する。典型的な定量製剤は、液化性噴霧剤、例えばクロロフルオロ炭素またはヒドロフルオロアルカンなどの中に活性剤の溶液または懸濁液を含む。このような製剤の任意の構成成分は、共溶媒、例えばエタノールまたはペンタンなど、ならびに界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、レシチン、グリセリン、およびラウリル硫酸ナトリウムなどを含む。このような組成物は通常、冷却または加圧したヒドロフルオロアルカンを、活性剤、エタノール(存在する場合)および界面活性剤(存在する場合)を含有する適切な容器に加えることによって調製する。懸濁液を調製するため、活性剤を、微粉化し、次いで噴霧剤と合わせる。あるいは、懸濁液製剤は、界面活性剤のコーティングを、活性剤の微粉化した粒子上にスプレー乾燥することによって調製することもできる。次いでこの製剤を、吸入器の一部を形成するエアゾールキャニスターに充填する。
【0244】
本発明の化合物はまた、非経口的(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、または腹腔内注射)に投与することができる。このような投与に関して、活性剤は、無菌溶液、懸濁液、またはエマルジョン中で提供される。このような製剤を調製するための典型的な溶媒として、水、生理食塩水、低分子量アルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、油、ゼラチン、脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルなどが挙げられる。非経口製剤はまた、1つまたは複数の抗酸化剤、可溶化剤、安定剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含有してもよい。界面活性剤、追加の安定化剤またはpH調整剤(酸、塩基または緩衝剤)および抗酸化剤は、製剤に安定性を提供する、例えば、化合物中に存在し得るチオールの二量体化またはエステルおよびアミド結合の加水分解を最小限に抑えるかまたは回避するのに、特に有用である。これらの製剤は、無菌注射用媒体、滅菌剤、濾過、照射、または熱の使用により無菌にすることができる。1つの特定の実施形態では、非経口製剤は、薬学的に許容される担体としてシクロデキストリン水溶液を含む。適切なシクロデキストリンとして、アミラーゼ、β−シクロデキストリンまたはシクロヘプタアミロースなどの場合のように、連結により1,4位で連結されている6つ以上のα−D−グルコピラノース単位を含有する環状分子が挙げられる。典型的なシクロデキストリンとして、シクロデキストリン誘導体、例えばヒドロキシプロピルシクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルシクロデキストリン、例えばヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンなどが挙げられる。このような製剤に対する典型的な緩衝剤として、カルボン酸ベースの緩衝剤、例えばクエン酸緩衝液、乳酸緩衝液およびマレイン酸緩衝液などが挙げられる。
【0245】
本発明の化合物はまた、公知の経皮的デリバリーシステムおよび賦形剤を使用して経皮的に投与され得る。例えば、化合物は、透過促進剤、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、アザシクロアルカン−2−オンなどと混和することができ、パッチまたは同様のデリバリーシステムに組み込むことができる。所望する場合、ゲル化剤、乳化剤および緩衝剤を含めた追加の賦形剤をこのような経皮的組成物に使用することができる。
【0246】
第2の剤
本発明の化合物は、疾患の単独処置として有用であってもよいし、または所望の治療効果を得るための1つもしくは複数の他の治療剤と併用してもよい。したがって、一実施形態では、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物と共投与される他の薬物を含有する。例えば、組成物は、1つまたは複数の薬物(また「第2の剤(複数可)」とも呼ばれる)をさらに含んでもよい。このような治療剤は、当技術分野で周知であり、アデノシン受容体アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、β
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト、β
2−アドレナリン受容体アゴニスト、二重作用性β−アドレナリン受容体アンタゴニスト/α
1−受容体アンタゴニスト、進行糖化終末産物ブレーカー、アルドステロンアンタゴニスト、アルドステロンシンターゼ阻害剤、アミノペプチダーゼN阻害剤、アンドロゲン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤および二重作用性アンジオテンシン変換酵素/ネプリライシン阻害剤、アンジオテンシン変換酵素2アクチベーターおよび刺激物質、アンジオテンシン−IIワクチン、抗凝血剤、抗糖尿病剤、下痢止剤、抗緑内障剤、抗脂質剤、抗侵害受容性剤、抗血栓剤、AT
1受容体アンタゴニストおよび二重作用性AT
1受容体アンタゴニスト/ネプリライシン阻害剤および多官能性アンジオテンシン受容体遮断剤、ブラジキニン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断剤、キマーゼ阻害剤、ジゴキシン、利尿剤、ドーパミンアゴニスト、エンドセリン変換酵素阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、HMG−CoA還元酵素阻害剤、エストロゲン、エストロゲン受容体アゴニストおよび/またはアンタゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤、筋弛緩剤、ナトリウム利尿ペプチドおよびこれらの類似体、ナトリウム利尿ペプチドクリアランス受容体アンタゴニスト、ネプリライシン阻害剤、一酸化窒素ドナー、非ステロイド性抗炎症剤、N−メチルd−アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、オピオイド受容体アゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン類似体、プロスタグランジン受容体アゴニスト、レニン阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、ナトリウムチャネル遮断剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激物質およびアクチベーター、三環式抗うつ剤、バソプレッシン受容体アンタゴニスト、ならびにこれらの組合せが挙げられる。これら剤の具体例は、本明細書中で詳述されている。
【0247】
したがって、本発明のさらに別の態様では、薬学的組成物は、本発明の化合物と、第2の活性剤と、薬学的に許容される担体とを含む。第3、第4などの活性剤も組成物中に含まれていてもよい。併用療法では、投与される本発明の化合物の量、ならびに第2の剤の量は、単剤療法(monotherapy)で通常投与される量より少なくてもよい。
【0248】
本発明の化合物は、第2の活性剤と物理的に混合することによって、両方の剤を含有する組成物を形成することもでき、または各剤が、患者に同時にもしくは別々の時間に投与される、別々の異なる組成物の中に存在してもよい。例えば、本発明の化合物は、従来の手順および機器を使用して、第2の活性剤と併用することによって、本発明の化合物と第2の活性剤とを含む、活性剤を組合せたものを形成することができる。さらに、活性剤を、薬学的に許容される担体と併用することによって、本発明の化合物と、第2の活性剤と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物を形成することができる。本実施形態では、組成物の構成成分は通常、混合またはブレンドして、物理的混合物を作り出す。次いで物理的混合物は、本明細書中に記載されている経路のいずれかを使用して治療有効量で投与する。
【0249】
あるいは、活性剤は、患者への投与前、別々に、およびはっきりと区別されたままであってもよい。本実施形態では、剤は、投与前に一つに物理的に混合されることはなく、同時にまたは別々の時間に別々の組成物として投与される。このような組成物は、別々に包装することもできるし、またはキット内で一緒に包装することもできる。別々の時間に投与する場合、第2の剤は、本発明の化合物の投与後24時間より短い時間で、つまり本発明の化合物の投与と同時刻から、投与後約24時間までの範囲のどこかの時点で、通常投与されることになる。これは連続投与とも呼ばれる。したがって、各活性剤を1つの錠剤にして、2つの錠剤を使用し、本発明の化合物を別の活性剤と共に、同時または逐次的に経口投与することができ、この場合逐次とは、本発明の化合物の投与の直後、またはいくらかの既定の時間後に(例えば、1時間後または3時間後)投与することを意味し得る。第2の剤が、本発明の化合物の投与から24時間超後に投与し得ることも想定される。あるいは、この組合せは、異なる投与経路により投与してもよい、すなわち、一方は経口的に、他方は吸入により投与してもよい。
【0250】
一実施形態では、キットは、本発明の化合物を含む第1の剤形と、本明細書中に記述された1つまたは複数の第2の剤を含む少なくとも1つの追加の剤形とを、本発明の方法を実行するのに十分な量で含む。第1の剤形および第2(または第3など)の剤形は一緒になって、患者における疾患または医学的状態の処置または予防のための治療有効量の活性剤を含む。
【0251】
第2の剤(複数可)は、含まれるとすれば、本発明の化合物と共投与された場合、治療上有利な作用を生じる量でこれらが通常投与されるように、治療有効量で存在する。第2の剤は、薬学的に許容される塩、溶媒和物、光学的に純粋な立体異性体などの形態とすることができる。第2の剤はまた、プロドラッグ、例えばエステル化したカルボン酸基を有する化合物の形態であってもよい。したがって、本明細書中に列挙した第2の剤は、すべてのこのような形態を含むことが意図され、市販されているか、または従来の手順および試薬を使用して調製することができる。
【0252】
一実施形態では、本発明の化合物は、アデノシン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。これらの代表的な例として、これらに限定されないが、ナキシフィリン、ロロフィリン、SLV−320、テオフィリン、およびトナポフィリンが挙げられる。
【0253】
一実施形態では、本発明の化合物は、α−アドレナリン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。これらの代表的な例として、これらに限定されないが、ドキサゾシン、プラゾシン、タムスロシン、およびテラゾシンが挙げられる。
【0254】
本発明の化合物はまたβ
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト(「β
1遮断剤」)と組み合わせて投与することができる。代表的なβ
1遮断剤として、これらに限定されないが、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブシンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブブリジン、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベトロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、例えばコハク酸メトプロロールおよび酒石酸メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビバロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ペルブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スフィナロール、タルインドール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、キシベノロール、ならびにこれらの組合せが挙げられる。1つの特定の実施形態では、β
1−アンタゴニストは、アテノロール、ビソプロロール、メトプロロール、プロプラノロール、ソタロール、およびこれらの組合せから選択される。通常、β
1遮断剤は、投与1回あたり約2〜900mgを提供するのに十分な量で投与される。
【0255】
一実施形態では、本発明の化合物は、β
2−アドレナリン受容体アゴニストと組み合わせて投与される。これらの代表的な例として、これらに限定されないが、アルブテロール、ビトルテロール、フェノテロール、ホルモテロール、インダカテロール、イソエタリン、レバルブテロール、メタプロテレノール、ピルブテロール、サルブタモール、サルメファモール、サルメテロール、テルブタリン、ビランテロールなどが挙げられる。通常、β
2−アドレナリン受容体アゴニストは、投与1回あたり約0.05〜500μgを提供するのに十分な量で投与される。
【0256】
一実施形態では、本発明の化合物は、進行糖化終末産物(AGE)ブレーカーと組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、アラゲブリウム(またはALT−711)、およびTRC4149が挙げられる。
【0257】
別の実施形態では、本発明の化合物は、アルドステロンアンタゴニストと組み合わせて投与される。これらの代表的な例として、これらに限定されないが、エプレレノン、スピロノラクトン、およびこれらの組合せが挙げられる。通常、アルドステロンアンタゴニストは、一日あたり約5〜300mgを提供するのに十分な量で投与される。
【0258】
一実施形態では、本発明の化合物は、アミノペプチダーゼNまたはジペプチジルペプチダーゼIII阻害剤と組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、ベスタチンおよびPC18(2−アミノ−4−メチルスルホニルブタンチオール、メチオニンチオール)が挙げられる。
【0259】
本発明の化合物はまた、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤と組み合わせて投与することができる。代表的なACE阻害剤として、これらに限定されないが、アキュプリル、アラセプリル、ベナゼプリル、ベナゼプリラト、カプトプリル、セラナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、ホシノプリル、ホシノプリラト、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、モノプリル、モベル
チプリル、ペントプリル、ペリンドプリル、キナプリル、キナプリラト、ラミプリル、ラミプリラト、酢酸サララシン、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、ゾフェノプリル、およびこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、ACE阻害剤は、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、およびこれらの組合せから選択される。通常、ACE阻害剤は、一日あたり約1〜150mgを提供するのに十分な量で投与される。
【0260】
一実施形態では、本発明の化合物は、二重作用性剤、例えば、アンジオテンシン変換酵素/ネプリライシン(ACE/NEP)阻害剤と組み合わせて投与される。このアンジオテンシン変換酵素/ネプリライシン(ACE/NEP)阻害剤の例として、これらに限定されないが、以下が挙げられる:AVE−0848((4S,7S,12bR)−7−[3−メチル−2(S)−スルファニルブチルアミド]−6−オキソ−1,2,3,4,6,7,8,12b−オクタヒドロピリド[2,1−a][2]−ベンゾアゼピン−4−カルボン酸);AVE−7688(イレパトリル)およびその親化合物;BMS−182657(2−[2−オキソ−3(S)−[3−フェニル−2(S)−スルファニルプロピオンアミド]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−イル]酢酸);CGS−26303([N−[2−(ビフェニル−4−イル)−1(S)−(1H−テトラゾール−5−イル)エチル]アミノ]メチルホスホン酸);CGS−35601(N−[1−[4−メチル−2(S)−スルファニルペンタンアミド]シクロペンチルカルボニル]−L−トリプトファン);ファシドトリル;ファシドトリレート;エナラプリラート;ER−32935((3R,6S,9aR)−6−[3(S)−メチル−2(S)−スルファニルペンタンアミド]−5−オキソパーヒドロチアゾロ[3,2−a]アゼピン−3−カルボン酸);ジェムパトリラト;MDL−101264((4S,7S,12bR)−7−[2(S)−(2−モルホリノアセチルチオ)−3−フェニルプロピオンアミド]−6−オキソ−1,2,3,4,6,7,8,12b−オクタヒドロピリド[2,1−a][2]ベンゾアゼピン−4−カルボン酸);MDL−101287([4S−[4α,7α(R
*),12bβ]]−7−[2−(カルボキシメチル)−3−フェニルプロピオンアミド]−6−オキソ−1,2,3,4,6,7,8,12b−オクタヒドロピリド[2,1−a][2]ベンゾアゼピン−4−カルボン酸);オマパトリラト;RB−105(N−[2(S)−(メルカプトメチル)−3(R)−フェニルブチル]−L−アラニン);サムパトリラト;SA−898((2R,4R)−N−[2−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(3−メルカプトプロピオニル)チアゾリジン−4−イルカルボニル]−L−フェニルアラニン);Sch−50690(N−[1(S)−カルボキシ−2−[N2−(メタンスルホニル)−L−リシルアミノ]エチル]−L−バリル−L−チロシン);およびこれらの組合せもまた含まれていてもよい。1つの特定の実施形態では、ACE/NEP阻害剤は、AVE−7688、エナラプリラート、ファシドトリル、ファシドトリレート、オマパトリラト、サムパトリラト、およびこれらの組合せから選択される。
【0261】
一実施形態では、本発明の化合物は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)アクチベーターまたは刺激物質と組み合わせて投与される。
【0262】
一実施形態では、本発明の化合物は、アンジオテンシン−IIワクチンと組み合わせて投与される。これらの例として、これらに限定されないが、ATR12181およびCYT006−AngQbが挙げられる。
【0263】
一実施形態では、本発明の化合物は、抗凝血剤と組み合わせて投与される。代表的な例として、これらに限定されないが、クマリン、例えばワルファリンなど;ヘパリン;ならびにダイレクトトロンビン阻害剤、例えばアルガトロバン、ビバリルジン、ダビガトラン、およびレピルジンなどが挙げられる。
【0264】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、抗糖尿病剤と組み合わせて投与される。代表的な抗糖尿病剤として、注射用薬物ならびに経口的に効果的な薬物、およびこれらの組合せが挙げられる。注射用薬物の例として、これらに限定されないが、インスリンおよびインスリン誘導体が挙げられる。経口的に効果的な薬物の例として、これらに限定されないが:ビグアナイド、例えばメトホルミンなど;グルカゴンアンタゴニスト;α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボースおよびミグリトールなど;ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(DPP−IV阻害剤)例えばアログリプチン、デナグリプチン、リナグリプチン、サキサグリプチン、シタグリプチン、およびビルダグリプチンなど;メグリチニド、例えばレパグリニドなど;オキサジアゾリジンジオン;スルホニル尿素、例えばクロルプロパミド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド、およびトラザミドなど;チアゾリジンジオン、例えばピオグリタゾンおよびロシグリタゾンなど;ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0265】
別の実施形態では、本発明の化合物は、抗下痢処置と組み合わせて投与される。代表的な処置の選択肢として、これらに限定されないが、経口の水分補給用飲料(ORS)、ロペラミド、ジフェノキシラート、および次サリチル酸ビスマ
スが挙げられる。
【0266】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、抗緑内障剤と組み合わせて投与される。代表的な抗緑内障剤として、これらに限定されないが:α−アドレナリンアゴニスト、例えばブリモニジンなど;β
1−アドレナリン受容体アンタゴニスト;局所用β
1遮断剤、例えばベタキソロール、レボブノロール、およびチモロールなど;カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、例えばアセタゾラミド、ブリンゾラミド、またはドルゾラミドなど;コリン作用性アゴニスト、例えばセビメリンおよびDMXB−アナバシンなど;エピネフリィン化合物;縮瞳剤、例えばピロカルピンなど;ならびにプロスタグランジン類似体などが挙げられる。
【0267】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、抗脂質剤と組み合わせて投与される。代表的な抗脂質剤として、これらに限定されないが、コレステリルエステル移動タンパク質阻害剤(CETP)、例えばアナセトラピブ、ダルセトラピブ、およびトルセトラピブ;スタチン、例えばアトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよびシンバスタチン;ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0268】
一実施形態では、本発明の化合物は、抗血栓剤と組み合わせて投与される。代表的な抗血栓剤として、これらに限定されないが、アスピリン;抗血小板剤、例えばクロピドグレル、プラスグレル、およびチクロピジン;ヘパリン、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0269】
一実施形態では、本発明の化合物は、アンジオテンシンII1型受容体遮断剤(ARB)としても公知のAT
1受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。代表的なARBとして、これらに限定されないが、アビテサルタン、アジルサルタン(例えば、アジルサルタンメドキソミル)、ベンジルロサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、エリサルタン、エムブサルタン、エノールタソサルタン、エプロサルタン、EXP3174、フォンサルタン、フォラサルタン、グリシルロサルタン、イルベサルタン、イソテオリン、ロサルタン、メドキソミル(medoximil)、ミファサルタン、オルメサルタン(例えば、オルメサルタンメドキソミル)、オポミサルタン、プラトサルタン、リピサルタン、サプリサルタン、サララシン、サルメシン、TAK−591、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、ゾラサルタン、およびこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、ARBは、アジルサルタンメドキソミル、カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタンメドキソミル
、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、およびこれらの組合せから選択される。典型的な塩および/またはプロドラッグとして、カンデサルタンシレキセチル、メシル酸エプロサルタン、ロサルタンカリウム塩、およびオルメサルタンメドキソミルが挙げられる。通常、ARBは、投与1回あたり約4〜600mgを提供するのに十分な量で投与され、典型的な毎日の用量は、一日あたり20〜320mgの範囲である。
【0270】
本発明の化合物はまた、二重作用性剤、例えばAT
1受容体アンタゴニスト/ネプリライシン阻害剤(ARB/NEP)阻害剤などと組み合わせて投与することもでき、これらの例として、これらに限定されないが、米国公開第2008/0269305号および第2009/0023228号(両方ともAllegrettiらにより2008年4月23日に出願)に記載されている化合物、例えば化合物、4’−{2−エトキシ−4−エチル−5−[((S)−2−メルカプト−4−メチルペンタノイルアミノ)−メチル]イミダゾール−1−イルメチル}−3’−フルオロビフェニル−2−カルボン酸などが挙げられる。
【0271】
本発明の化合物はまた、Kurtz & Klein(2009年)、Hypertension Research、32巻:826〜834頁に記載されているような多官能性アンジオテンシン受容体遮断剤と組み合わせて投与してもよい。
【0272】
一実施形態では、本発明の化合物は、ブラジキニン受容体アンタゴニスト、例えば、イカチバント(HOE−140)などと組み合わせて投与する。本併用療法は、血管性浮腫またはブラジキニンレベルの上昇の他の望ましくない結果を予防するという利点を提示することができると予期されている。
【0273】
一実施形態では、本発明の化合物は、カルシウムチャネル遮断剤と組み合わせて投与される。代表的なカルシウムチャネル遮断剤として、これらに限定されないが、アムロジピン、アニパミル、アラニピン、バルニジピン、ベンシクラン、ベニジピン、ベプリジル、クレンチアゼム、シルニジピン、シンナリジン、ジルチアゼム、エホニジピン、エルゴジピン、エタフェノン、フェロジピン、フェンジリン、フルナリジン、ガロパミル、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、リドフラジン、ロメリジン、マニジピン、ミベフラジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニバルジピン、ペルヘキシリン、プレニラミン、リオシジン、セモチアジル、テロジリン、チアパミル、ベラパミル、およびこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、カルシウムチャネル遮断剤は、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、リオシジン、ベラパミル、およびこれらの組合せから選択される。通常、カルシウムチャネル遮断剤は、投与1回あたり約2〜500mgを提供するのに十分な量で投与される。
【0274】
一実施形態では、本発明の化合物は、キマーゼ阻害剤、例えばTPC−806および2−(5−ホルミルアミノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−N−[{3,4−ジオキソ−1−フェニル−7−(2−ピリジルオキシ)}−2−ヘプチル]アセトアミド(NK3201)などと組み合わせて投与される。
【0275】
一実施形態では、本発明の化合物は、利尿剤と組み合わせて投与される。代表的な利尿剤として、これらに限定されないが:カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、例えばアセタゾラミドおよびジクロルフェナミドなど;ループ利尿剤、これには、スルホンアミド誘導体、例えばアセタゾラミド、アンブシド、アゾセ
ミド、ブメタニド、ブタゾラミド、クロラミノフェナミド、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、ジスルファミド、エト
キスゾラミ
ド、フロセミド、メフルシド、メタゾラミド、ピレタニド、トルセミド、トリパミド、およびキシパミドなどが挙げられる;ならびに非スルホンアミド利尿剤、例えばエタクリン酸および他のフェノキシ酢酸化合物、例えばチエニル酸、インダクリノンおよびキンカルバート;浸透圧利尿剤、例えばマンニトール;カリウム保持性利尿剤、これにはアルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン、およびNa
+チャネル阻害剤、例えばアミロリドおよびトリアムテレンなどが挙げられる;チアジドおよびチアジド様利尿剤、例えばアルチアジド、ベンドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ベンゾチアジド、ブチアジド、クロルタリドン、クロロチアジド、シクロペンチアジド、シクロチアジド、エピチアジド、エチアジド、フェンキゾン、フルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド、メチルクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、パラフルチジド、ポリチアジド、キネサゾン、テクロチアジド、およびトリクロロメチアジド;ならびにこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、利尿剤は、アミロリド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルタリドン、ジクロルフェナミド、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、インダパミド、メチルクロチアジド、メトラゾン、トルセミド、トリアムテレン、およびこれらの組合せから選択される。利尿剤は、一日あたり約5〜50mg、さらに通常一日あたり6〜25mgを提供するのに十分な量で投与され、一般的な用量は、一日あたり6.25mg、12.5mgまたは25mgである。
【0276】
本発明の化合物はまた、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤と組み合わせて投与することができ、これらの例として、これらに限定されないが、ホスホラミドン、CGS26303、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0277】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、エンドセリン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。代表的なエンドセリン受容体アンタゴニストとして、これらに限定されないが:エンドセリンA受容体に影響を及ぼす選択的エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えばアボセンタン、アンブリセンタン、アトラセンタン、BQ−123、クラゾセンタン、ダルセンタン、シタキセンタン、およびジボテンタン;ならびにエンドセリンA受容体とB受容体の両方に影響を及ぼす二重エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えばボセンタン、マシテンタン、テゾセンタンなどが挙げられる。
【0278】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、スタチンとしても公知の、1つまたは複数のHMG−CoA還元酵素阻害剤と組み合わせて投与される。代表的なスタチンとして、これらに限定されないが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンおよびシンバスタチンが挙げられる。
【0279】
一実施形態では、本発明の化合物は、モノアミン再取り込み阻害剤と組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、例えばアトモキセチン、ブプロプリオンおよびブプロプリオンメタボライトヒドロキシブプロプリオン、マプロチリン、レボキセチン、ならびにビロキサジン;選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、例えばシタロプラムおよびシタロプラムメタボライトデスメチルシタロプラム、ダポキセチン、エスシタロプラム(例えば、シュウ酸エスシタロプラム)、フルオキセチンおよびフルオキセチンデスメチルメタボライトノルフルオキセチン、フルボキサミン(例えば、マレイン酸フルボキサミン)、パロキセチン、セルトラリンならびにセルトラリンメタボライトデメチルセルトラリン;二重セロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、例えばビシファジン、デュロキセチン、ミルナシプラン、ネファゾドン、およびベンラファキシン;ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0280】
別の実施形態では、本発明の化合物は、筋弛緩剤と組み合わせて投与される。これらの例として、これらに限定されないが:カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、ジフルニサル、メタキサロン、メトカルバモール、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0281】
一実施形態では、本発明の化合物は、ナトリウム利尿ペプチドまたは類似体と組み合わせて投与される。これらの例として、これらに限定されないが:カルペリチド、CD−NP(Nile療法)、CU−NP、ネシリチド、PL−3994(Palatin Technologies,Inc.)、ウラリチド、センデリチド、およびOgawaら、(2004年)J. Biol. Chem.279巻:28625〜31頁に記載されている化合物が挙げられる。これらの化合物はまた、ナトリウム利尿ペプチド受容体−A(NPR−A)アゴニストとも呼ばれる。別の実施形態では、本発明の化合物は、ナトリウム利尿ペプチドクリアランス受容体(NPR−C)アンタゴニスト、例えばSC−46542、cANF(4−23)、およびAP−811(Veale(2000年)Bioorg Med Chem Lett、10巻:1949〜52頁)と組み合わせて投与される。例えば、AP−811は、NEP阻害剤、チオルファン(Wegner(1995年)Clin. Exper. Hypert.17巻:861〜876頁)と併用した場合、相乗効果を示す。
【0282】
別の実施形態では、本発明の化合物は、ネプリライシン(NEP)阻害剤と組み合わせて投与される。代表的なNEP阻害剤として、これらに限定されないが:AHU−377;カンドキサトリル;カンドキサトリラト;デキセカドトリル((+)−N−[2(R)−(アセチルチオメチル)−3−フェニルプロピオニル]グリシンベンジルエステル);CGS−24128(3−[3−(ビフェニル−4−イル)−2−(ホスホノメチルアミノ)プロピオンアミド]プロピオン酸);CGS−24592((S)−3−[3−(ビフェニル−4−イル)−2−(ホスホノメチルアミノ)プロピオンアミド]プロピオン酸);CGS−25155(N−[9(R)−(アセチルチオメチル)−10−オキソ−1−アザシクロデカン−2(S)−イルカルボニル]−4(R)−ヒドロキシ−L−プロリンベンジルエステル);3−(1−カルバモイルシクロヘキシル)プロピオン酸誘導体(Pfizer Inc.)(HepworthらのWO2006/027680に記載);JMV−390−1(2(R)−ベンジル−3−(N−ヒドロキシカルバモイル)プロピオニル−L−イソロイシル−L−ロイシン);エカドトリル;ホスホラミドン;レトロチオルファン;RU−42827(2−(メルカプトメチル)−N−(4−ピリジニル)ベンゼンプロピオンアミド);RU−44004(N−(4−モルホリニル)−3−フェニル−2−(スルファニルメチル)プロピオンアミド);SCH−32615((S)−N−[N−(1−カルボキシ−2−フェニルエチル)−L−フェニルアラニル]−β−アラニン)およびそのプロドラッグSCH−34826((S)−N−[N−[1−[[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ]カルボニル]−2−フェニルエチル]−L−フェニルアラニル]−β−アラニン);シアロルフィン;SCH−42495(N−[2(S)−(アセチルスルファニルメチル)−3−(2−メチルフェニル)プロピオニル]−L−メチオニンエチルエステル);スピノルフィン;SQ−28132(N−[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル]ロイシン);SQ−28603(N−[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル]−β−アラニン);SQ−29072(7−[[2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]ヘプタン酸);チオルファンおよびそのプロドラッグ、ラセカドトリル;UK−69578(cis−4−[[[1−[2−カルボキシ−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル]シクロペンチル]カルボニル]アミノ]シクロヘキサンカルボン酸);UK−447,841(2−{1−[3−(4−クロロフェニル)プロピルカルバモイル]−シクロペンチルメチル}−4−メトキシ酪酸);UK−505,749((R)−2−メチル−3−{1−[3−(2−メチルベンゾチアゾール−6−イル)プロピルカルバモイル]シクロペンチル}プロピオン酸);5−ビフェニル−4−イル−4−(3−カルボキシプロピオニルアミノ)−2−メチルペンタン酸および5−ビフェニル−4−イル−4−(3−カルボキシプロピオニルアミノ)−2−メチルペンタン酸エチルエステル(WO2007/056546);ダグルトリル[(3S,2’R)−3−{1−[2’−(エトキシカルボニル)−4’−フェニルブチル]−シクロペンタン−1−カルボニルアミノ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−酢酸](Novartis AG)(KhderらのWO2007/106708に記載);ならびにこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、NEP阻害剤は、AHU−377、カンドキサトリル、カンドキサトリラト、CGS−24128、ホスホラミドン、SCH−32615、SCH−34826、SQ−28603、チオルファン、およびこれらの組合せから選択される。ある特定の実施形態では、NEP阻害剤は、ダグルトリルなどの化合物であり、これらはまた、エンドセリン変換酵素(ECE)とNEPの両方の阻害剤としての活性を有する。他の二重作用性ECE/NEP化合物もまた使用することができる。NEP阻害剤は、一日あたり約20〜800mgを提供するのに十分な量で投与され、通常の毎日の用量は一日あたり50〜700mgの範囲であり、さらに一般的には一日あたり100〜600または100〜300mgの範囲である。
【0283】
一実施形態では、本発明の化合物は、一酸化窒素ドナーと組み合わせて投与される。これらの例として、これらに限定されないが、ニコランジル;有機ナイトレート(nitrate)、例えば四硝酸ペンタエリスリトールなど;ならびにシドノンイミン、例えばリンシドミンおよびモルシドミンなどが挙げられる。
【0284】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)と組み合わせて投与される。代表的なNSAIDとして、これらに限定されないが:アセメタシン、アセチルサリチル酸、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アンフェナク、アミプリロース、ア
ロキシプリン、アニロラク、アパゾン、アザプロパゾン、ベノリレート、ベノキサプロフェン、ベズピペリロン、ブロペラモール、ブクロキシン酸、カルプロフェン、クリダナク、ジクロフェナク、ジフルニサル、ジフタロン、エノリカム、エトドラク、エトリコキシブ、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェノプロフェン、フェンチアザク、フェプラゾン、フルフェナム酸、フルフェニサル、フルプロフェン、フルルビプロフェン、フロフェナク、イブフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、イソキセパク、イソキシカム、ケトプロフェン、ケトロラック、ロフェミゾール、ロルノキシカム、メクロフェナメート、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、メサラミン、ミロプロフェン、モフェブタゾン、ナブメトン、ナプロキセン、ニフルム酸、オキサプロジン、オキシピナク、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、サルサレート、スドキシカム、スルファサラジン、スリンダク、スプロフェン、テノキシカム、チオピナク、チアプロフェン酸、チオキサプロフェン、トルフェナム酸、トルメチン、トリフルミデート、ジドメタシン、ゾメピラック、およびこれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、NSAIDは、エトドラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メロキシカム、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、およびこれらの組合せから選択される。
【0285】
一実施形態では、本発明の化合物は、N−メチルd−アスパラギン酸塩(NMDA)受容体アンタゴニストと組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、アマンタジン、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、ケタミン、ケトベミドン、メマンチン、メタドンなどを含めたものが挙げられる。
【0286】
さらなる別の実施形態では、本発明の化合物は、オピオイド受容体アゴニスト(オピオイド鎮痛剤とも呼ばれる)と組み合わせて投与される。代表的なオピオイド受容体アゴニストとして、これらに限定されないが:ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ハイドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナロルフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、トラマドール、およびこれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態では、オピオイド受容体アゴニストは、コデイン、ジヒドロコデイン、ハイドロコドン、ヒドロモルホン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、トラマドール、およびこれらの組合せから選択される。
【0287】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、特にPDE−V阻害剤と組み合わせて投与される。代表的なPDE−V阻害剤として、これらに限定されないが、アバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィル(Revatio(登録商標))、タダラフィル(Adcirca(登録商標))、バルデナフィル(Levitra(登録商標))、およびウデナフィルが挙げられる。
【0288】
別の実施形態では、本発明の化合物は、プロスタグランジン類似体(プロスタノイドまたはプロスタサイクリン類似体とも呼ばれる)と組み合わせて投与される。代表的なプロスタグランジン類似体として、これらに限定されないが、ベラプロストナトリウム、ビマトプロスト、エポプロステノール、イロプロスト、ラタノプロスト、タフルプロスト、トラボプロスト、およびトレプロスチニルが挙げられ、特に興味深いのはビマトプロスト、ラタノプロスト、およびタフルプロストである。
【0289】
さらに別の実施形態では、本発明の化合物は、プロスタグランジン受容体アゴニストと組み合わせて投与される。これらの例として、これらに限定されないが、ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロストなどが挙げられる。
【0290】
本発明の化合物はまた、レニン阻害剤と組み合わせて投与されてもよい。これらの例として、これらに限定されないが、アリスキレン、エナルキレン、レミキレン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0291】
別の実施形態では、本発明の化合物は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と組み合わせて投与される。代表的なSSRIとして、これらに限定されないが:シタロプラムおよびシタロプラムメタボライトデスメチルシタロプラム、ダポキセチン、エスシタロプラム(例えば、シュウ酸エスシタロプラム)、フルオキセチンおよびフルオキセチンデスメチルメタボライトノルフルオキセチン、フルボキサミン(例えば、マレイン酸フルボキサミン)、パロキセチン、セルトラリンおよびセルトラリンメタボライトデメチルセルトラリン、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0292】
一実施形態では、本発明の化合物は、5−HT
1Dセロトニン受容体アゴニストと組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、トリプタン、例えばアルモトリプタン、アビトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタンリザトリプタン、スマトリプタン、およびゾルミトリプタンが挙げられる。
【0293】
一実施形態では、本発明の化合物は、ナトリウムチャネル遮断剤と組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、カルバマゼピン、ホスフェニトイン、ラモトリ
ギン、リドカイン、メキシレチン、オキシカルバゼピン、フェニトイン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0294】
一実施形態では、本発明の化合物は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激物質またはアクチベーターと組み合わせて投与される。これらの例として、これらに限定されないが、アタシグアト、リオシグアト、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0295】
一実施形態では、本発明の化合物は、三環式抗うつ剤(TCA)と組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドスレピン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミノキシド、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ニトロザゼピン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、ピポフェジン、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0296】
一実施形態では、本発明の化合物は、バソプレッシン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与され、これらの例には、例示として、これらに限定されずに、コニバプタンおよびトルバプタンが挙げられる。
【0297】
併用される第2の治療剤は、本発明の化合物とのさらなる併用療法においても役立つことができる。例えば、本発明の化合物は、利尿剤とARB、またはカルシウムチャネル遮断剤とARB、または利尿剤とACE阻害剤、またはカルシウムチャネル遮断剤とスタチンを併用することができる。具体例として、ACE阻害剤エナラプリル(マレイン酸塩形態)と利尿剤ヒドロクロロチアジド(Vaseretic(登録商標)というマークの下で販売されている)の組合せ、またはカルシウムチャネル遮断剤アムロジピン(ベシル酸塩形態)とARBオルメサルタン(メドキソミルプロドラッグ形態)の組合せ、またはカルシウムチャネル遮断剤とスタチンの組合せが挙げられ、これらはすべて本発明の化合物と共に使用することができる。他の治療剤、例えばα
2−アドレナリン受容体アゴニストおよびバソプレッシン受容体アンタゴニストなどもまた、併用療法に役立ち得る。典型的なα
2−アドレナリン受容体アゴニストとして、クロニジン、デクスメデトミジン、およびグアンファシンが挙げられる。
【0298】
以下の製剤は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示している。
【0299】
典型的な経口投与用硬質ゼラチンカプセル
本発明の化合物(50g)、スプレー乾燥したラクトース440gおよびステアリン酸マグネシウム10gを十分にブレンドする。次いで得られた組成物を硬質ゼラチンカプセルに充填する(カプセル剤1個あたり組成物500mg)。あるいは、本発明の化合物(20mg)をデンプン(89mg)、微結晶性セルロース(89mg)およびステアリン酸マグネシウム(2mg)と十分にブレンドする。次いでこの混合物を米国製の45番メッシュの篩に通し、硬質ゼラチンカプセルに充填する(カプセル剤1個あたり組成物200mg)。
【0300】
あるいは、本発明の化合物(30g)、第2の剤(20g)、スプレー乾燥したラクトース440gおよびステアリン酸マグネシウム10gを十分にブレンドし、上記のように処理する。
【0301】
典型的な経口投与用ゼラチンカプセル製剤
本発明の化合物(100mg)を、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(50mg)およびデンプン粉末(250mg)と十分にブレンドする。次いでこの混合物をゼラチンカプセル剤に充填する(カプセル剤1個あたり組成物400mg)。あるいは、本発明の化合物(70mg)および第2の剤(30mg)をポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(50mg)およびデンプン粉末(250mg)と十分にブレンドし、得られた混合物をゼラチンカプセル剤に充填する(カプセル剤1個あたり組成物400mg)。
【0302】
あるいは、本発明の化合物(40mg)を、微結晶性セルロース(アビセルPH103;259.2mg)およびステアリン酸マグネシウム(0.8mg)と十分にブレンドする。次いでこの混合物をゼラチンカプセル剤(サイズ#1、白色、不透明)に充填する(カプセル剤1個あたり組成物300mg)。
【0303】
典型的な経口投与用錠剤製剤
本発明の化合物(10mg)、デンプン(45mg)および微結晶性セルロース(35mg)を米国製20番メッシュの篩に通し、十分混合する。こうして生成された粒剤を50〜60℃で乾燥させ、米国製16番メッシュの篩に通す。ポリビニルピロリドン溶液(4mgを滅菌水中の10%溶液として)を、カルボキシメチルデンプンナトリウム(4.5mg)、ステアリン酸マグネシウム(0.5mg)、およびタルク(1mg)と混合し、次いでこの混合物を、米国製16番メッシュの篩に通す。次いでカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクをこの粒剤に加える。混合後、この混合物を錠剤機上で圧縮して、重さ100mgの錠剤を生成する。
【0304】
あるいは、本発明の化合物(250mg)を、微結晶性セルロース(400mg)、ヒュームド二酸化ケイ素(10mg)、およびステアリン酸(5mg)と十分にブレンドする。次いでこの混合物を圧縮して、錠剤を形成する(錠剤一錠あたり組成物665mg)。
【0305】
あるいは、本発明の化合物(400mg)を、コーンスターチ(50mg)、クロスカルメロースナトリウム(25mg)、ラクトース(120mg)、およびステアリン酸マグネシウム(5mg)と十分にブレンドする。次いでこの混合物を圧縮して、単一の分割錠を形成する(錠剤一錠あたり組成物600mg)。
【0306】
あるいは、本発明の化合物(100mg)を、コーンスターチ(100mg)と、ゼラチン(20mg)水溶液と共に十分にブレンドする。この混合物を乾燥させ、粉砕して微細な粉末にする。次いで微結晶性セルロース(50mg)およびステアリン酸マグネシウム(5mg)をゼラチン製剤と混和し、顆粒化し、得られた混合物を圧縮して、錠剤を形成する(錠剤一錠あたり本発明の化合物100mg)。
【0307】
典型的な経口投与用懸濁製剤
以下の成分を混合して、懸濁液10mLあたり、本発明の化合物100mgを含有する懸濁液を形成する。
【0308】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
典型的な経口投与用液体製剤
適切な液体製剤は、カルボン酸ベースの緩衝剤、例えばクエン酸緩衝液、乳酸緩衝液およびマレイン酸緩衝液などを用いたものである。例えば、本発明の化合物(DMSOと予備混合しておいてもよい)を、100mMクエン酸アンモニウム緩衝剤とブレンドし、pHをpH5に調整するか、または100mMクエン酸溶液とブレンドし、pHをpH2に調整する。このような溶液はまた、シクロデキストリンなどの可溶化賦形剤を含んでもよく、例えば溶液は、10重量%のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含んでもよい。
【0309】
他の適切な製剤としては、シクロデキストリンを伴うかまたは伴わない5%NaHCO
3溶液が挙げられる。
【0310】
注射による投与のための典型的な注射用製剤
本発明の化合物(0.2g)を、0.4M酢酸ナトリウム緩衝液(2.0mL)とブレンドする。必要に応じて、0.5N水性の塩酸または0.5N水性の水酸化ナトリウムを使用して、得られた溶液のpHをpH4に調整し、次いで注射のための十分な水を加えて、総容量を20mLとする。次いでこの混合物を、無菌フィルター(0.22ミクロン)を通す濾過をして、注射による投与に対して適切な無菌溶液を得る。
【0311】
吸入による投与のための典型的な組成物
本発明の化合物(0.2mg)を微粉化し、次いでラクトース(25mg)とブレンドする。次いでこのブレンドした混合物をゼラチン吸入カートリッジに充填する。カートリッジの内容物を、例えばドライパウダー吸入器を使用して投与する。
【0312】
あるいは、脱塩水(200mL)中にレシチン(0.2g)を溶解することによって調製した溶液中に、本発明の微粉化した化合物(10g)を分散させる。得られた懸濁液をスプレー乾燥し、次いで微粉化して、平均直径が約1.5μm未満の粒子を含む微粉化組成物を形成する。次いで微粉化組成物を、吸入器で投与した場合に投与1回あたり本発明の化合物約10μg〜約500μgを提供するのに十分な量で、加圧した1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含有する計量式吸入器カートリッジに充填する。
【0313】
あるいは、本発明の化合物(25mg)を、クエン酸緩衝化(pH5)等張生理食塩水(125mL)に溶解させる。この混合物を撹拌し、化合物が溶解するまで超音波処理する。溶液のpHをチェックし、必要に応じて、水性の1N NaOHをゆっくりと加えることによってpH5に調整する。溶液はネブライザーデバイスを使用して投与し、このネブライザーデバイスは、投与1回あたり、本発明の化合物約10μg〜約500μgを提供する。
【実施例】
【0314】
以下の調製および実施例は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供されている。しかしこれらの特定の実施形態は、具体的に指摘されていない限り、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。
【0315】
以下の略語は、他に指摘されない限り、以下の意味を有し、本明細書中で使用され、定義されていない任意の他の略語は、これらの標準的で、一般的に受け入れられた意味を有する。
【0316】
AcOH 酢酸
DCM ジクロロメタンまたは塩化メチレン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
Et
3N トリエチルアミン
Et
2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MeTHF 2−メチルテトラヒドロフラン
SilicaCat(登録商標)DPP−Pd シリカベースのジフェニルホスフィンパラジウム(II)触媒
SilicaCat(登録商標)Pd(0) シリカベースのパラジウム(0)触媒
THF テトラヒドロフラン。
【0317】
特に示されていない限り、すべての材料、例えば試薬、出発物質および溶媒などは、民間の供給者(例えばSigma−Aldrich、Fluka Riedel−de Haenなど)から購入し、さらなる精製なしで使用した。
【0318】
特に示されていない限り、反応は、窒素雰囲気下で行った。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、分析用高速液体クロマトグラフィー(分析HPLC)、および質量分析法でモニターし、これらの詳細は具体例において示されている。分析用HPLCで使用した溶媒は、以下の通りであった。
溶媒Aは、98%H
2O/2%MeCN/1.0mL/LのTFA;溶媒Bは、90%MeCN/10%H
2O/1.0mL/LのTFAであった。
【0319】
各調製において具体的に記載されているように反応の後処理を行った。例えば、一般的には、抽出および他の精製方法、例えば温度依存性、および溶媒依存性の結晶化、および沈殿などによって、反応混合物を精製した。さらに、反応混合物は、通常Microsorb C18およびMicrosorb BDSカラム充填材料ならびに従来の溶離液を使用して、分取HPLCにより規定通りに精製した。反応の進行は、通常液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)で測定した。異性体の特徴付けは、核オーバーハウザー効果スペクトロスコピー(NOE)で行った。反応生成物の特徴付けを質量分析法および
1H−NMR分光分析で規定通りに行った。NMR測定のため、試料を重水素化溶媒(CD
3OD、CDCl
3、またはDMSO−d
6)に溶解させ、標準的な観察条件下、Varian Gemini2000装置(400MHz)を用いて、
1H−NMRスペクトルを取得した。質量分析による化合物の同定は通常、エレクトロスプレーイオン化方法(ESMS)を使用して、Applied Biosystems(Foster City、CA)モデルAPI150EX装置またはAgilent(Palo Alto、CA)モデル1200LC/MSD装置を用いて行った。
【0320】
調製1
(R)−3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル(2A)および(S)−3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル(2B)
【0321】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
4−(ブロモメチル)ビフェニル(2.0g、8.1mmol、1.0当量)およびDIPEA(1.4mL、1.0当量)をDMF(40.0mL)に溶解させた。カルバジン酸t−ブチル(2.1g、16.2mmol、2.0当量)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を部分的に濃縮し、残渣を、EtOAcとNaHCO
3飽和水溶液との間で分配した。次いでEtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(0.5%DIPEAを加えた、0〜60%EtOAc/ヘキサン)で精製することによって、化合物1、N’−ビフェニル−4−イルメチル−ヒドラジンカルボン酸t−ブチルエステルを得た(1.7g)。
【0322】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1(830mg、2.8mmol、1.0当量)をイソプロピルアルコール(20.0mL)に溶解させた。メチル(2R)−グリシデート(365μL、4.2mmol、1.5当量)を加え、この混合物を85℃で加熱した。この混合物を一晩撹拌させ、次いでEtOAcとNaHCO
3飽和水溶液との間で分配した。EtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮することによって、化合物2A(803mg)を得た。これをさらなる精製なしで使用した。(2S)−グリシド酸メチル(365μL、4.2mmol、1.5当量)を使用してこの手順を繰り返すことによって、化合物2Bを得た(717mg)。これをさらなる精製なしで使用した。
【0323】
調製2
(R)−3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−ヒドラジノ)−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル
【0324】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル(300mg、749μmol、1.0当量)をDCM(3.0mL)に溶解させた。TFA(3.0mL)を加え、反応が完了するまで(約1時間)、この混合物を室温で撹拌した。この混合物を濃縮することによって、表題化合物を得た。これをさらなる精製なしで使用した。
【0325】
(実施例1)
5−[N’−ビフェニル−4−イルメチル−N’−((R)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル)ヒドラジノカルボニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
【0326】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
1H−ピラゾール−3,5−ジカルボン酸(58.4mg、374μmol、1.2当量)をDMF(2mL)に溶解させた。DIPEA(163μL、3.0当量)を加え、続いてHATU(142mg、374μmol、1.2当量)を加え、生成した溶液を30分間撹拌した。次いで、DMF(2mL)中の(R)−3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−ヒドラジノ)−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(93.7mg、312μmol、1.0当量)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、粗製の中間体を次のステップでさらなる精製なしで使用した。
【0327】
粗製の中間体をTHF(2.0mL)に溶解させ、水(2.0mL)中の水酸化リチウム一水和物(131mg、3.1mmol)を加えた。この混合物を室温で約2.5時間撹拌した。AcOH(10当量)の添加により反応をクエンチし、この混合物を濃縮した。粗生成物を分取HPLC(10〜70%MeCN/H
2O)で精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(31.2mg;純度100%)。C
21H
20N
4O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:425.14;測定値:425.2。
【0328】
(実施例2)
本明細書中の実施例において記載された手順に従い、適当な出発物質および試薬を代わりに用いて、以下の式を有する化合物をTFA塩として調製した。
【0329】
【化109-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0330】
【化109-2】
[この文献は図面を表示できません]
1. 5−[N’−ビフェニル−4−イルメチル−N’−((S)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル)−ヒドラジノカルボニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
2. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
3. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(2−スルファモイルエチルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
4. (R)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(5−シクロプロピルカルバモイル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
5. (R)−3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−{5−[(2−メトキシエチル)メチルカルバモイル]−2H−ピラゾール−3−カルボニル}ヒドラジノ)−2−ヒドロキシプロピオン酸
6. (R)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(5−ジメチルカルバモイル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
7. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(イソブチルメチルカルバモイル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
8. (R)−3−{N’−[5−(アゼチジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−N−ビフェニル−4−イルメチルヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
9. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(ピロリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
10. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
11. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
12. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−((S)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
13. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
14. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(ピペリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
15. (R)−3−{N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−[5−(モルホリン−4−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]ヒドラジノ}−2−ヒドロキシプロピオン酸
16. (R)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(5−フェニル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0331】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
17. 5−[N’−ビフェニル−4−イルメチル−N’−((R)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル)−ヒドラジノカルボニル]−2−(4−クロロ−2,6−ジフルオロベンジル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸
18. 5−[N’−ビフェニル−4−イルメチル−N’−((R)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル)−ヒドラジノカルボニル]−2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸
【0332】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
19. (R)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0333】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
20. (S)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル)ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0334】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
21. (R)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(3H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0335】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
22. (S)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−6−カルボニル)ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0336】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
23. (R)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(7−フルオロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
24. (S)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(7−フルオロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
25. (S)−3−[N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−(7−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸。
【0337】
調製3
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−N’−t−ブトキシカルボニル−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(化合物2)および(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル(化合物3)
【0338】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモベンジルブロミド(5.0g、20mmol)およびDIPEA(3.48mL、20.0mmol)をDMF(20mL)に溶解させた。カルバジン酸t−ブチル(7.9g、60.0mmol)を加え、反応が完了するまで、この混合物を室温で撹拌した。この混合物を部分的に濃縮し、次いで残渣をEtOAcとNaHCO
3飽和水溶液との間で分配した。次いでEtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって、化合物1を得た(3.8g)。
【0339】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1(1.9g、6.3mmol)をイソプロピルアルコール(26.4mL)に溶解させた。メチル(2R)−グリシデート(1.1mL、12.6mmol)を加え、反応が完了するまで(約4日間)、この混合物を90℃で加熱した。この混合物を室温に冷却し、濃縮することによって、白色の固体として、化合物2を得た(2.5g)。
【0340】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
化合物2(600mg、1mmol)、3−クロロフェニルボロン酸(419mg、2.7mmol)、およびK
2CO
3(617mg、4.5mmol)をEtOH(5mL)および水(1mL)中で混合し、続いてSilicaCat(登録商標)Pd(0)(0.09mmol/gで充填、1160mg、104μmol)を加えた。反応が完了するまで(約30分間)、この混合物を120℃で加熱した。この混合物を濾過し、濃縮した。残渣をMeN/AcOHに溶解させ、逆相クロマトグラフィー(55gカラム;0.1%TFAを加えた、水中の勾配30〜95%MeCN)で精製した。きれいな画分を収集し、濃縮し、次いでジオキサン(6mL)およびEtOH(6mL)中の4MのHClに溶解させた。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮して化合物3を得た(250mg)。これをさらなる精製なしで使用した。
【0341】
調製4
(R)−3−[N’−t−ブトキシカルボニル−N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0342】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−N’−t−ブトキシカルボニル−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(1.0g、2.5mmol)、3−クロロフェニルボロン酸(776mg、5.0mmol)、およびK
2CO
3(857mg、6.2mmol)をTHF(18mL)と水(18mL)の混合物に溶解させた。次いで、反応フラスコを窒素でパージし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(286mg、248μmol)を加えた。この混合物を90℃で一晩(約18時間)撹拌した。この混合物を飽和水性塩化アンモニウムで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を収集し、乾燥させ、濃縮した。生成物を精製する(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム、水中10〜80%MeCN)ことによって、表題化合物を得た。
【0343】
調製5
(S)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル
【0344】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
4−ホルミルフェニルボロン酸(18g、120mmol)を、MeTHF(300mL)、3−クロロブロモベンゼン(14.1mL、120mmol)および1Mの水性Na
2CO
3(120mL)と混合した。この混合物を窒素で3回フラッシュし、1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(540mg、840μmol)を加えた。この混合物を再び窒素で3回フラッシュし、次いで温度を30℃に増加させながら、30分間撹拌した。次いで、反応が完了するまで(約2時間)、この混合物を50℃に加熱した。この混合物を室温に冷却し、1Mの水性Na
2CO
3(120mL)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。層を分離し、有機層(暗褐色)を収集し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過した。これを部分的に濃縮した(150mLの容量まで)。この溶液に、Si−SH(メルカプタン変性シリカゲル、約2g)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌し、Celite(登録商標)を介して濾過した。ケーキをMeTHF(100mL)で洗浄することによって、化合物1を得た(25g)。これをさらなる精製なしで使用した。
【0345】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1(25.0g、115.4mmol)を、MeTHF(150mL)およびカルバジン酸t−ブチル(15.6g、118.0mmol)と混合し、室温で1時間撹拌した。AcOH(5mL)を加え、生成した混合物を1時間撹拌し、化合物2を得た。これを一晩静置させた。
【0346】
化合物2のMeTHF(250mL)およびAcOH(20.0mL)中混合物を窒素でフラッシュし、氷浴で0℃に冷却した。30分間撹拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(8.7g、138mmol)を5分間にわたり加えた。生成した混合物を0℃で1時間撹拌し、ゆっくりと室温に温め、完了まで(約20時間)撹拌した。この混合物を氷浴で冷却し、1Mの水性NaOH(346.2mL、346.2mmol)を加えた。次いで、MeTHF(100mL、1.0モル)を加え、この混合物を室温に温めた。層を分離し、有機層を1Mの水性NaOH(150mL、150mmol)で洗浄した。層を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、油を得た。これをエーテル(250mL、2.4モル)に溶解させ、一晩撹拌した。この混合物を濃縮することによって、化合物3を得た(35g)。これをさらなる精製なしで使用した。
【0347】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
化合物3(20.0g、60.1mmol)および(2S)−グリシド酸メチル(5.8mL、66.1mmol)をイソプロピルアルコール(170mL)中で混合し、この混合物を90℃で加熱し、反応が完了するまで(数日間)、モニターし、反応の進行と共に、さらなるアリコートの(2S)−グリシド酸メチル(1.8mLおよび2mL)を加えた。この混合物を室温に冷却し、一晩静置させた。固体を濾別し、イソプロピルアルコールですすぎ、乾燥させた(合計16g;化合物4:20%および化合物5:80%)。
【0348】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
イソプロピルアルコール(200mL、2モル)を15分間氷浴内で冷却した。塩化アセチル(10mL、200mmol)を加え、続いて化合物5(12.6g、27.2mmol)を加えた。生成した混合物を室温で約48時間撹拌した。粗製の反応混合物からの沈殿物を濾過し、真空下で乾燥させ、次いでMeCN(40mL)ですすぎ、真空下で乾燥させることによって、表題化合物を得た(6.8g;98%純度)。
【0349】
(実施例3)
A.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル
B.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0350】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(888mg、6.9mmol)、HATU(2.6g、6.9mmol)およびDMFを混合し、生成した混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(2.3mL、13.2mmol)および(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(2.0g、5.7mmol)を加え、反応が完了するまで(20分間)、生成した混合物を撹拌した。反応を水でクエンチし、この混合物をEtOAcで希釈し、次いで水および飽和水性NaClで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0.1%Et
3Nを加えた、ヘキサン中50〜90%EtOAc)で精製した。きれいな画分を収集し、濃縮した。有機層をDCMに溶解させ、沈殿物を濾過し、DCMですすぐことによって、TFA塩としてエステル化合物Aを得た(1.3g;純度96%)。C
22H
22ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:460.12、測定値:460.4。
【0351】
エステル化合物A(350mg)の一部を1M LiOH(4mL)およびEtOH(10mL)に溶解させた。反応が完了するまで(1時間)、生成した混合物を室温で撹拌した。この混合物を濃縮し、AcOHに溶解させ、精製した(C18逆相カラム)。きれいな画分を収集し、凍結乾燥することによって、TFA塩として酸化合物Bを得た(280mg;純度99%)。C
20H
18ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:432.09;測定値:432.4。
【0352】
C.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソプロピルエステル
【0353】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(1.4g、3.0mmol)をイソプロピルアルコール(20mL、0.2モル)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(9mL、40mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した(18時間)。この混合物を1時間、60℃に温め、次いで冷却して室温に戻し、2時間撹拌した。この混合物を濃縮し、精製した(Interchim C18逆相クロマトグラフィーカラム、水中30〜90%MeCN、22分間にわたって)。きれいな画分を合わせ、凍結乾燥することによって、表題化合物を得た(110mg;純度98%)。C
23H
24ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:474.14;測定値:474.2。
【0354】
D.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸ブチルエステル
【0355】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(60mg、0.1mmol)を1−プロパノール(4mL、50mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(700mL、3mmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、この混合物を室温で撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム、5%TFAを加えた、水中30〜95%MeCN)。きれいな画分を合わせ、凍結乾燥し、次いで分取HPLCで精製することによって、表題化合物を得た(43mg、純度95%)。C
24H
26ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:488.15;測定値:488.4。
【0356】
E.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソブチルエステル
【0357】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(1.5g、3.3mmol)をイソブチルアルコール(20mL、200mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(10mL、40mmol)を加えた。この混合物を室温で6時間撹拌した。この混合物を濃縮し、水/MeC
N/MeOHに溶解させ、精製した(Interchim C18逆相クロマトグラフィーカラム、水中25〜75%MeCN、22分間にわたって)。きれいな画分を合わせ、凍結乾燥することによって、表題化合物を得た(948mg;純度99%)。C
24H
26ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:488.15;測定値:488.4。
【0358】
F.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸ベンジルエステル
【0359】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(1.5g、3.3mmol)をベンジルアルコール(20mL、100mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(10mL、40mmol)を加えた。この混合物を室温で6時間撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim C18逆相クロマトグラフィーカラム、0.05%TFAを加えた、水中30〜95%MeCN)。きれいな画分を合わせ、凍結乾燥し、精製することによって、表題化合物を得た(688mg;純度98%)。C
27H
24ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:522.14;測定値:522.2。
【0360】
G.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメチルエステル
【0361】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N’−t−ブトキシカルボニル−N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(150mg、356μmol)、HOBt(140mg、1.1mmol)、EDC(0.19mL、1.1mmol)をDCMに溶解させた。この混合物を10分間撹拌し、次いで4−ヒドロキシメチル−5−メチル−[1,3]ジオキソール−2−オン(370mg、2.8mmol)および4−メチルモルホリン(160μL、1.4mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を濃縮し、精製した(コンビフラッシュ。0.01%Et
3Nを加えた、ヘキサン中10〜95%EtOAc)。きれいな画分を合わせ、濃縮した。MeCN(10mL、200mmol)およびジオキサン中4MのHCl(3mL、10mmol)を加え、この混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を除去することによって、中間体のHCl塩を得た。3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(55mg、430μmol)およびHATU(160mg、430μmol)をDMF(5mL、60mmol)中で混合した。生成した混合物を5分間撹拌し、続いてDIPEA(120μL、710μmol)および中間体のHCl塩を加えた。この混合物を30分間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(37mg;純度95%)。C
25H
22ClN
3O
9に対するMS m/z[M+H]
+計算値:544.10;測定値:544.4。
【0362】
H.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸ヘキシルエステル
【0363】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(50mg、0.1mmol)を1−ヘキサノール(4mL、30mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(500μL、2mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(21mg;純度95%)。C
26H
30ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:516.18;測定値:516.6。
【0364】
I.(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸ヘプチルエステル
【0365】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(50mg、0.1mmol)を1−ヘプタノール(4mL、30mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(500μL、2mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(39mg;純度95%)。C
27H
32ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:530.20;測定値:530.2。
【0366】
J.(S)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソプロピルエステル
K.(S)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸(hydrox−propionic Acid)
【0367】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(1.6g、12.1mmol)、HATU(4.6g、12.1mmol)およびDMF(31.2mL)を混合し、生成した混合物を室温で5分間撹拌した。DIPEA(4.0mL、23.1mmol)および(S)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル(3.7g、10.0mmol)を加え、反応が完了するまで(20分間)、生成した混合物を撹拌した。反応を水でクエンチし、この混合物をEtOAcで希釈し、次いで水で洗浄し、飽和水性NaClで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50〜90%EtOAc)で精製した。きれいな画分を収集し、濃縮した。蒸発後、黄色の固体のTFA塩として、エステル化合物Jを収集した。(3.5
g)。C
23H
24ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:474.14;測定値:474.1。
【0368】
数グラムのエステル化合物J(350mg)をEtOH(17.6mL、302mmol)に溶解させ、10.0Mの水性NaOH(20.1mL、201mmol)を加えた。固体を濾過し、濾液をpH=2に酸性化し、DCMで2回抽出した。この溶液をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、黄色のガムを得た。この粗製物を精製した(C18逆相カラム)。画分を収集し(1.4g)、さらに精製することによって、TFA塩として、酸化合物Kを得た(純度100%)。C
20H
18ClN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:432.09;測定値:432.1。
【0369】
L.(R)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸2−フルオロ−1−フルオロメチル−エチルエステル
【0370】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(8mg、20μmol)を1,3−ジフルオロ−2−プロパノール(144μL、1.9mmol)に溶解させ、超音波処理した。ジオキサン中4MのHClの溶液(232μL、0.9mmol)を加え、生成した混合物を室温で2時間撹拌し、50℃で1時間撹拌し、完了しているかどうかモニターした。次いで、反応が完了するまで、この混合物を一晩撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(6.3mg;純度95%)。C
23H
22ClF
2N
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:510.12;測定値:510.1。
【0371】
M.(R)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエステル
【0372】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(8mg、20μmol)を2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(0.2mL、1.9mmol)に溶解させ、超音波処理した。ジオキサン中4MのHClの溶液(232μL、0.9mmol)を加え、反応が完了するまで(約48時間)、生成した混合物を撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(1.9mg)。C
23H
19ClF
5N
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:564.09;測定値:564.2。
【0373】
(実施例4)
本明細書中の実施例において記載された手順に従い、適当な出発物質および試薬を代わりに使用して、以下の式を有する化合物をTFA塩として調製した。
【0374】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
1. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−クロロ−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
2. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ヒドロキシ−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0375】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
3. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0376】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
4. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0377】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
5. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
6. (R)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソブチルエステル
7. (R)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル
8. (R)−3−[N−(3’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
【0378】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
9. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(二TFA塩)
10. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0379】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
11. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(ピロリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
12. (R)−3−[N’−[5−(アゼチジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
13. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ジメチルカルバモイル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
14. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
15. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2−クロロフェニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
16. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(イソブチル−メチル−カルバモイル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
17. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(シクロプロピルメチル−メチル−カルバモイル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
18. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(3−フルオロアゼチジン−1−カルボニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
19. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2−ヒドロキシ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
20. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2−メトキシ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
21. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(二TFA塩)
22. (R)−3−[N’−(5−ブチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
23. 5−[N’−((R)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシ−エチル)−N’−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノカルボニル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
24. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピラジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(二TFA塩)
25. (R)−3−[N’−(5−アセチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
26. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−メトキシメチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
27. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0380】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
28. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−フェニル−オキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0381】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
29. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−クロロフェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
30. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−メトキシ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
31. (R)−3−{N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−フルオロフェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
32. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−メトキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
33. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−メトキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
【0382】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
34. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−ヒドロキシ−ピリミジン−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0383】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
35. 6−[N’−((R)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシ−エチル)−N’−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノカルボニル]−ピリミジン−4−カルボン酸
36. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2,6−ジヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
37. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
38. 6−[N’−((R)−2−カルボキシ−2−ヒドロキシ−エチル)−N’−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノカルボニル]−2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボン酸
【0384】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
39. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−オキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0385】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
40. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−ヒドロキシ−チアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0386】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
41. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
42. (R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(4−フルオロ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸。
【0387】
(実施例5)
本明細書中の実施例において記載された手順に従い、適当な出発物質および試薬を代わりに使用して、以下の式を有する化合物をTFA塩として調製した。
【0388】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
1. (R)−3−[N−(3’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
2. (R)−2−ヒドロキシ−3−[N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−N−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−プロピオン酸
3. (S)−2−ヒドロキシ−3−[N−(3’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−プロピオン酸
4. (S)−2−ヒドロキシ−3−[N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−N−(3’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−プロピオン酸
5. (R)−2−ヒドロキシ−3−[N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−N−(2’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−プロピオン酸
6. (R)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−プロピオン酸
7. (R)−3−[N−(2’−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
8. (R)−3−[N−(2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0389】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
9. (S)−3−[N’−(5−アセチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(2’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0390】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
10. (R)−2−ヒドロキシ−3−[N−(2’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−プロピオン酸。
【0391】
調製6
二カリウム1H−テトラゾール−5−カルボキシレート
【0392】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
水酸化カリウム(1.3g、23.2mmol)の水(4.2mL、230mmol)溶液を、エチルテトラゾール−5−カルボキシレート(1.1g、7.7mmol)のEtOH(24mL、410mmol)溶液に加えた。固体の生成物が直ちに形成されたので、これを収集し、冷たいEtOHで洗浄することによって、表題化合物を得た(1.5g)。
【0393】
調製7
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル
【0394】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−N’−t−ブトキシカルボニル−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(1.1g、2.8mmol)をMeCN(10mL)およびジオキサン中4NのHCl(6mL、20mmol)に溶解させた。脱保護が完了するまで(1時間)、この混合物を室温で撹拌した。沈殿物を濾過し、乾燥させることによって、HCl塩として、表題化合物を得た(840mg)。
【0395】
調製8
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル
【0396】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
MeCN(2mL、40mmol)中のDMF(711μL、9.2mmol)の撹拌溶液に、0℃で、塩化オキサリル(249μL、2.94mmol)のMeCN(500μL、9mmol)溶液をゆっくりと加えた。10分後、二カリウム1H−テトラゾール−5−カルボキシレート(241mg、1.3mmol)を加え、さらに15分間撹拌後、これを化合物1(240mg、0.8mmol)のピリジン(9.6mL、120mmol)溶液に加えた。撹拌した反応混合物を室温にゆっくりと温め、20分間撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させることによって、表題化合物を得た。
【0397】
調製9
(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
【0398】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−N’−t−ブトキシカルボニル−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(1.0g、2.5mmol)、5−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(865mg、4.96mmol)、およびK
2CO
3(857mg、6.2mmol)をEtOH(30mL、500mmol)および水(8mL、400mmol)中で混合し、続いてSilicaCat(登録商標)DPP−Pd(0.28mmol/gで充填;886mg、248μmol)を加えた。反応が完了するまで(2時間)、この混合物を90℃で加熱した。沈殿物を濾別し、濾液を濃縮し、精製した(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;0.5%TFAを加えた、水中30〜95%MeCN)。きれいな画分を収集し、凍結乾燥し、EtOH(10mL、200mmol)およびジオキサン中4MのHCl(8mL、30mmol)と混合した。反応が完了するまで(7時間)、生成した混合物を室温で撹拌した。この混合物を濃縮することによって、油を得た。これを、EtOHを数滴加えたエーテル中で一晩撹拌した。沈殿物を濾別し、エーテルですすぐことによって、表題化合物を得た(140mg)。
【0399】
(実施例6)
A.(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0400】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(60mg、0.2mmol)、5−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(52.4mg、301μmol)、およびK
2CO
3(62.3mg、451μmol)をEtOH(0.8mL)および水(0.2mL)中で混合し、続いてSilicaCat(登録商標)DPP−Pd(0.28mmol/gで充填;53.7mg、15μmol)を加えた。反応が完了するまで(30分間)、この混合物を120℃で加熱した。沈殿物を濾別し、1Mの水性LiOH(1.2mL、1.2mmol)を濾液に加え、1時間撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(20mg;純度95%)。C
18H
16ClFN
6O
4に対するMS m/z[M+H]
+計算値:435.09;測定値:435.4。
【0401】
B.(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル
【0402】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
二カリウム1H−テトラゾール−5−カルボキシレートを以下の通り調製した。
水酸化カリウム(1.3g、23.2mmol)の水(4.2mL、230mmol)溶液を、エチルテトラゾール−5−カルボキシレート(1.1g、7.7mmol)のEtOH(24mL、410mmol)溶液に加えた。直ちに形成された固体の生成物を収集し、冷たいEtOHで洗浄することによって、二カリウム1H−テトラゾール−5−カルボキシレートを得た(1.5g)。
【0403】
MeCN(2mL、50mmol)中のDMF(734μL、9.5mmol)の撹拌溶液に、0℃で、塩化オキサリル(257μL、3.0mmol)のMeCN(500μL、9mmol)溶液をゆっくりと加えた。10分後、二カリウム1H−テトラゾール−5−カルボキシレート(249mg、1.3mmol)を加え、さらに15分間撹拌後、これを(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(300mg、0.8mmol)のMeCN(2mL、40mmol)およびピリジン(661μL、8.2mmol)溶液に加えた。この混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、精製する(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;55〜75%を溶出、両ピークとも一緒に共溶出)ことによって、表題化合物を得た(280mg)。一部(80mg)を分取HPLCでさらに精製することによって、TFA塩として表題化合物を得た(33mg;純度98%)。C
20H
20ClFN
6O
4に対するMS m/z[M+H]
+計算値:463.12;測定値:463.4。
【0404】
C.(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソプロピルエステル
【0405】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(50mg、0.1mmol)をイソプロピルアルコール(2mL、30mmol)に溶解させ、次いでジオキサン中4MのHCl(0.8mL、3mmol)を加えた。反応が完了するまで(約17時間)、生成した混合物を室温で撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim C18逆相カラム;0.05%TFAを加えた、水中30〜95%MeCN)。きれいな画分を合わせ、凍結乾燥することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(43mg;純度98%)。C
21H
22ClFN
6O
4に対するMS m/z[M+H]
+計算値:477.14;測定値:477.2。
【0406】
D.(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソブチルエステル
【0407】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(50mg、0.1mmol)をイソブチルアルコール(2mL、30mmol)に溶解させ、次いでジオキサン中4MのHCl(0.8mL、3mmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、生成した混合物を室温で撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim C18逆相カラム;0.05%TFAを加えた、水中30〜95%MeCN)。きれいな画分を合わせ、凍結乾燥することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(34mg;純度98%)。C
22H
24ClFN
6O
4に対するMS m/z[M+H]
+計算値:491.15;測定値:491.4。
【0408】
代替の手順
【0409】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
MeCN(10mL、200mmol)中のDMF(2.8mL、36.6mmol)の撹拌溶液に、0℃で、塩化オキサリル(267μL、3.2mmol)のMeCN(1.7mL、31.5mmol)溶液をゆっくりと加えた。10分後、二カリウム1H−テトラゾール−5−カルボキシレート(600mg、3mmol)を加え、さらに15分間撹拌後、(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(1000mg、3mmol)のピリジン(5.1mL、63.1mmol)溶液に加えた。この混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。次いでこの乾燥させた物質をEtOH(7.4mL、126mmol)に溶解させた。次いで、1MのLiOH水溶液(15.8mL、15.8mmol)を加え、生成した混合物を室温で30分間撹拌した。次いで溶液を減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim逆相カラム;水中10〜90%MeCN)。精製した生成物をイソブチルアルコール(29.1mL、315mmol)に溶解させた。1,4−ジオキサン中4.0MのHClの溶液(7.9mL、31.5mmol)を加え、生成した混合物を室温で1時間撹拌し、次いで30℃で1時間撹拌した。溶液を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として表題化合物を得た(186.6mg)。
【0410】
(実施例7)
A.(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0411】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
1−ヒドロキシ−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(42.6mg、330μmol)およびHATU(125mg、330μmol)をDMF(2mL)中で混合し、室温で5分間撹拌した。DIPEA(86μL、495μmol)および(R)−3−[N−(4−ブロモベンジル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(50mg、0.2mmol)を加え、生成した混合物を30分間撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、生成物をEtOH(0.8mL、10mmol)および水(0.2mL、10mmol)に溶解させた。2,5−ジクロロフェニルボロン酸(57mg、297μmol)、K
2CO
3(68mg、495μmol)、およびSilicaCat(登録商標)DPP−Pd(0.28mmol/gで充填;58.9mg、16.5μmol)を加え、生成した混合物を120℃で10分間加熱した。この混合物を濾過し、1Mの水性LiOH(1.2mL、1.2mmol)を濾過したものに加えた。反応が完了するまで(1時間)、この混合物を撹拌し、次いで真空乾燥させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(14mg;純度95%)。C
19H
17Cl
2N
5O
5に対するMS m/z[M+H]
+計算値:466.06;測定値:466.2。
【0412】
B.(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸ヘプチルエステル
【0413】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(150mg、320μmol)を1−ヘプタノール(9.1mL、64.3mmol)に溶解させた。ジオキサン中4MのHCl(3.2mL、12.9mmol)を加え、生成した混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(12mg;純度100%)。C
26H
31Cl
2N
5O
5に対するMS m/z[M+H]
+計算値:564.17;測定値:564.2。
【0414】
C.(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソブチルエステル
【0415】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(150mg、320μmol)をイソブチルアルコール(8.9mL、96.5mmol)に溶解させた。ジオキサン中4MのHCl(3.2mL、12.9mmol)を加え、生成した混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(28.5mg;純度100%)。C
23H
25Cl
2N
5O
5に対するMS m/z[M+H]
+計算値:522.12;測定値:522.2。
【0416】
D.(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソプロピルエステル
【0417】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(150mg、320μmol)をイソプロピルアルコール(4.9mL、64.3mmol)に溶解させた。ジオキサン中4MのHCl(3.2mL、12.9mmol)を加え、生成した混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(4.7mg;純度100%)。C
22H
23Cl
2N
5O
5に対するMS m/z[M+H]
+計算値:508.11;測定値:508.2。
【0418】
(実施例8)
本明細書中の実施例において記載された手順に従い、適当な出発物質および試薬を代わりに使用して、以下の式を有する化合物をTFA塩として調製した。
【0419】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
【化165-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0421】
【化165-2】
[この文献は図面を表示できません]
1. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
2. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
3. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
4. (R)−3−[N−(5’−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
5. (S)−3−[N−(5’−フルオロ−2’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
6. (S)−3−[N−(5’−クロロ−2’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
7. (R)−3−[N−(3’−クロロ−2’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
8. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
9. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−メトキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
10. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−メトキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
11. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−メトキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル
12. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−メトキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソブチルエステル
13. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(3−フルオロ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
14. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−エチル−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
15. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−メトキシ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
16. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(3−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
17. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−クロロ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
18. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−フルオロ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
19. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−フルオロ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
20. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[3−(2−フルオロ−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸2−モルホリン−4−イル−エチルエステル
21. (R)−3−[N−(3’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
22. (S)−3−[N−(2’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
23. (S)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−3’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
24. (S)−3−[N−(5’−クロロ−3’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
25. (R)−3−[N−(3’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
26. (S)−3−[N−(3’,5’−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
27. (S)−3−[N−(5’−クロロ−3’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
28. (S)−3−[N−(3’,5’−ジクロロ−2’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
29. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−クロロ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
30. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−イソブチル−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
31. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−プロピル−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
32. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−イソプロピル−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
33. (R)−3−[N’−(3−tert−ブチル−イソオキサゾール−5−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0422】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
34. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピリジン−3−イル−イソオキサゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0423】
【化167-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
【化167-2】
[この文献は図面を表示できません]
35. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ジメチルカルバモイル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
36. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
37. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
38. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2−ヒドロキシ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
39. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2−メトキシ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
40. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
41. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2,5−ジクロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
42. (R)−3−[N’−(5−ブチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
43. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−シクロプロピル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
44. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
45. (S)−3−[N’−(5−アセチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
46. (S)−3−[N’−(5−アセチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
47. (S)−3−[N’−(5−アセチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
48. (S)−3−[N’−(5−アセチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(2’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
49. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[5−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−2H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0425】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
50. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ピラジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
51. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−ヒドロキシ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
52. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[1−(2−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
53. (R)−3−[N’−(1−カルボキシメチル−5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
54. (R)−3−[N’−(1−カルボキシメチル−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
55. (R)−3−[N’−(5−ブチル−1−カルボキシメチル−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
56. (R)−3−[N’−[1−カルボキシメチル−5−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
57. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−エトキシ−1H−ピラゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0426】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
58. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリダジン−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0427】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
59. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
60. (R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
61. (R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソブチルエステル
62. (R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル
63. (R)−3−[N−(2’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
【0428】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
64. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
65. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[1−(4−フルオロ−フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
66. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[1−(2−クロロ−フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
67. (R)−3−{N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−[1−(3−クロロ−フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0429】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
68. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(7−メチル−3H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
69. (R)−3−[N’−(7−クロロ−3H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
70. (R)−3−[N’−(7−クロロ−3H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
71. (R)−3−[N’−(7−クロロ−3H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル
72. (R)−3−[N’−(7−クロロ−3H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソブチルエステル
73. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(7−フルオロ−3H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0430】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
74. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−オキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0431】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
75. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0432】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
76. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
77. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
78. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソプロピルエステル
79. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソブチルエステル
80. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−メチル−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
81. (R)−3−[N−(3’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0433】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
82. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(5−クロロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0434】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
83. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−ヒドロキシ−チアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
84. (R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−ヒドロキシ−チアゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸イソブチルエステル。
【0435】
調製10
(R)−3−[N−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル
【0436】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
4−ブロモ−2−フルオロベンジルブロミド(5.0g、19mmol)およびDIPEA(3.3mL、18.7mmol)をDMF(20mL)に溶解させた。カルバジン酸t−ブチル(7.4g、56.0mmol)を加え、反応が完了するまで、この混合物を室温で撹拌した。この混合物を部分的に濃縮し、次いで残渣を、EtOAcとNaHCO
3飽和水溶液との間で分配した。次いでEtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することによって、化合物1を得た(4.7g)。
【0437】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1(1.9g、6.3mmol)をイソプロピルアルコール(30mL)に溶解させた。メチル(2R)−グリシデート(3.3mL、37.3mmol)を加え、反応が完了するまで(約2日間)、この混合物を90℃で還流させた。この混合物を濃縮することによって、化合物2を得た(4.7g)。
【0438】
化合物2を、EtOHおよびジオキサン中4NのHCl(1:1)に溶解させ、一晩撹拌した。次いでこの混合物を濃縮することによって、表題化合物を得た(330mg)。
【0439】
(実施例9)
A.(R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0440】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(24.1mg、186μmol)をDMF(2mL)中のHATU(70.9mg、186μmol)と混合し、室温で5分間撹拌した。DIPEA(54μL、311μmol)および(R)−3−[N−(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステル(50mg、0.2mmol)を加え、生成した混合物を10分間撹拌した。この混合物を減圧下で蒸発させ、残渣をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、飽和水性NaClで洗浄した。有機層を分離し、濃縮した。3−クロロフェニルボロン酸(43.8mg,280μmol)、K
2CO
3(65mg、467μmol)、EtOH(0.8mL)、および水(0.2mL)を加え、続いてSilicaCat(登録商標)Pd(0)(0.09mmol/gで充填;121mg、11μmol)を加えた。反応が完了するまで(10分間)、この混合物を120℃で加熱した。この混合物を濾過し、濃縮し、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(9.7mg;純度95%)。C
20H
17ClFN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:450.08;測定値:450.2。
【0441】
B.(R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソブチルエステル
【0442】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(75mg、0.2mmol)をイソブチルアルコール(3mL、30mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(1mL、4mmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、この混合物を室温で撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(26mg;純度95%)。C
24H
25ClFN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:506.14;測定値:506。
【0443】
C.(R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸イソプロピルエステル
【0444】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
(R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(75mg、0.2mmol)をイソプロピルアルコール(2mL、20mmol)に溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(1mL、4mmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、この混合物を室温で撹拌し、次いで減圧下で蒸発させ、分取HPLCで精製することによって、TFA塩として、表題化合物を得た(20mg;純度95%)。C
23H
23ClFN
3O
6に対するMS m/z[M+H]
+計算値:492.13;測定値:492.2。
【0445】
(実施例10)
本明細書中の実施例において記載された手順に従い、適当な出発物質および試薬を代わりに使用して、以下の式を有する化合物を、親化合物またはTFA塩のいずれかとして調製した。
【0446】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
1. (R)−3−[N−(3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
2. (R)−3−[N−(3’−クロロ−3−シアノ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
3. (R)−3−[N−(2,3’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
4. (R)−3−[N−(5’−クロロ−3,2’−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
5. (R)−3−[N−(5’−クロロ−3,2’−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
6. (R)−3−[N−(3’−クロロ−2−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
7. (R)−3−[N−(3,5’−ジクロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(3−ヒドロキシ−イソオキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0447】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
8. (R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−テトラゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0448】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
9. (R)−3−[N−(3’−クロロ−3−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1−ヒドロキシ−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
10. (R)−3−[N−(3,5’−ジクロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
11. (R)−3−[N−(3,3’−ジクロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
【0449】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
12. (R)−3−[N−(3,5’−ジクロロ−2’−フルオロ−ビフェニル−4−イルメチル)−N’−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−オキサゾール−5−カルボニル)−ヒドラジノ]−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(親)。
【0450】
アッセイ1
ヒトおよびラットNEP、ならびにヒトACEにおける阻害剤効力の定量化(IC
50)のためのインビトロアッセイ
ヒトおよびラットネプリライシン(EC3.4.24.11;NEP)ならびにヒトアンジオテンシン変換酵素(ACE)での化合物の阻害活性を、以下に記載されているインビトロアッセイを使用して決定した。
【0451】
ラット腎臓からのNEP活性の抽出
Sprague Dawleyラット成体の腎臓からラットNEPを調製した。全腎臓を冷たいリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の中で洗浄し、氷冷した溶解緩衝剤(1%Triton X−114、150mM NaCl、50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)pH7.5;Bordier(1981年)J. Biol. Chem.256巻:1604〜1607頁)の中に、腎臓1グラムあたり5mLの緩衝剤の比率で入れた。ポリトロン手持ち組織粉砕機を使用して氷上で試料をホモジナイズした。スイングバケットローターで、3℃で5分間、1000×gでホモジネートを遠心分離した。ペレットを20mLの氷冷した溶解緩衝剤中に再懸濁させ、氷上で30分間インキュベートした。次いで試料(15〜20mL)を、25mLの氷冷したクッション緩衝剤(6%w/vスクロース、50mM pH7.5トリス、150mM NaCl、0.06%、Triton X−114)の上に重ね、3〜5分間37℃に加熱し、スイングバケットローターで、室温で3分間、1000×gで遠心分離した。2つの上部の層を吸引して、膜画分を豊富に含有する粘性の油性の沈殿物を残した。グリセロールを濃度50%まで加え、試料を−20℃で保存した。標準としてウシ血清アルブミン(BSA)を用いて、BCA検出システムで、タンパク質濃度を定量した。
【0452】
酵素阻害アッセイ
組換え型ヒトNEPおよび組換え型ヒトACEを購入して得た(R&D Systems、Minneapolis、MN、カタログ番号はそれぞれ1182−ZNおよび929−ZN)。蛍光発生ペプチド基質Mca−D−Arg−Arg−Leu−Dap−(Dnp)−OH(Medeirosら、(1997年)Braz. J. Med. Biol. Res.30巻:1157〜62頁;Anaspec、San Jose、CA)およびAbz−Phe−Arg−Lys(Dnp)−Pro−OH(Araujoら、(2000年)Biochemistry、39巻:8519〜8525頁;Bachem、Torrance、CA)をNEPおよびACEアッセイにそれぞれ使用した。
【0453】
このアッセイは、アッセイ緩衝剤(NEP:50mM HEPES、pH7.5、100mM NaCl、0.01%ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート(Tween−20)、10μM ZnSO
4;ACE:50mM HEPES、pH7.5、100mM NaCl、0.01%Tween−20、1μM ZnSO
4)中で、蛍光発生ペプチド基質を濃度10μMで使用して、384ウェル白色不透明プレート内で、37℃で実施した。それぞれの酵素は、37℃で20分後に1μMの基質を定量的にタンパク質分解するような濃度で使用した。
【0454】
10μM〜20pMの濃度範囲にわたり試験化合物を評価した。試験化合物を酵素に加え、37℃で30分間インキュベートしてから、基質の添加により反応を開始した。反応は、37℃でのインキュベーションから20分後に、氷酢酸を最終濃度3.6%(v/v)まで加えることによって停止した。
【0455】
プレートは、励起波長および発光波長をそれぞれ320nmおよび405nmに設定した蛍光光度計で読み取った。式(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA):
ν=ν
0/[1+(I/K’)]
(式中、νは反応速度であり、ν
0は無阻害の反応速度であり、Iは阻害剤の濃度であり、K’はみかけの阻害定数である)を使用して、データの非線形回帰により阻害定数を得た。
【0456】
本発明の化合物をこのアッセイで試験し、ヒトNEPでのpK
i値を以下の通り有することが判明した。概して、プロドラッグ化合物は、このインビトロアッセイにおいて酵素を阻害しなかったか、または活性が予期されなかったので、プロドラッグを試験しなかったか(n.d.)のいずれかであった。
【0457】
【表1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
アッセイ2
麻酔下のラットにおけるACE活性およびNEP活性についての薬力学的(PD)アッセイ
正常血圧を有するオスのSprague Dawleyラットに120mg/kg(i.p.)のイナクチンを用いて麻酔する。麻酔下においたら、頸静脈、頸動脈(PE50管)および膀胱(フレアPE50管)のカテーテルをカニューレ処置し、気管切開術を実施して(テフロン(登録商標)針、サイズ14ゲージ)、自発的な呼吸を促す。次いで動物に60分間の安定化期間をもうけ、この期間中、5mL/kg/hの生理食塩水(0.9%)を持続的に注入し続けることによって、動物の水分補給を保ち、確実に尿を生成するようにする。加熱パッドを使用することにより、実験全体を通して体温を維持する。60分間の安定化期間の終わりに、動物に、15分間隔で、AngI(1.0μg/kg、ACE阻害剤活性)を静脈内に(i.v.)2回投与で投与する。AngIの第2回目の投与から15分後、動物をビヒクルまたは試験化合物で処置する。5分後に、動物の心房にナトリウム利尿ペプチド(ANP;30μg/kg)のボーラスi.v.注射でさらに処置する。ANP処置直後から尿収集(予め秤量したエッペンドルフ管へ)を開始し、60分間継続する。尿収集から30分の時点および60分の時点で、動物をAngIで再度チャレンジする。Notocordシステム(Kalamazoo、MI)を使用して、血圧測定をする。尿試料は、cGMPアッセイで使用するまで−20℃で凍結する。市販のキット(Assay Designs、Ann Arbor、Michigan、Cat.No.901−013)を使用して、酵素免疫アッセイで尿cGMP濃度を決定する。尿容量は、重量測定法で決定する。尿のcGMP産出量を、尿産出量と尿cGMP濃度の積として計算する。AngIへの昇圧反応の阻害(%)を定量化することによって、ACE阻害を評価する。NEP阻害は、尿のcGMP産出量におけるANP誘発性上昇の増強を定量化することによって評価する。
【0460】
アッセイ3
意識のある高血圧SHRモデルの抗高血圧作用のインビボでの評価
自然発症の高血圧ラット(SHR、14〜20週齢)を、試験場所に到着してから最低でも48時間、そこに順応させ、飼料および水を自由摂取させる。血圧記録のため、これらの動物には、小型のげっ歯類用の無線送信機(テレメトリーユニット;DSIモデルTA11PA−C40またはC50−PXT、Data Science Inc.、USA)を手術で移植する。送信機に接続されているカテーテルの先端を、腸骨の二分枝の上側の下行大動脈に挿入し、組織接着剤で適当な場所に固定する。非吸収性縫合で、腹腔の切開を閉じながら、送信機を腹腔内に保ち、腹腔の壁に固定する。外皮を縫合して閉じ、ステープルでとめる。動物は、適当な術後のケアを行いながら回復させる。実験の当日、これらのケージ内の動物をテレメトリーレシーバユニットの最上部に置いて、試験環境およびベースライン記録に順応させる。少なくとも2時間のベースライン測定を取った後、次いで動物にビヒクルまたは試験化合物を投与し、これに続いて、投与後24時間の血圧測定を行う。研究期間中、Notocordソフトウエア(Kalamazoo、MI)を使用して、データを持続的に記録し、電子デジタル信号として保存する。測定したパラメータは、血圧(心臓収縮期、心臓拡張期および平均の動脈圧力)および心拍である。
【0461】
アッセイ4
意識のある高血圧DOCA塩ラットモデルの抗高血圧作用のインビボでの評価
CDラット(オス、成体、200〜300グラム、Charles River Laboratory、USA)は、試験場所に到着してから最低でも48時間そこに順応させ、それから高塩分の食餌を与える。高塩分の食餌(食物中8%または飲料水中1%のNaCl)の開始から一週間後、デオキシコルチコステロン酢酸塩(DOCA)のペレット(100mg、90日間の放出時間、Innovative Research of America、Sarasota、FL)を皮下移植し、片側腎摘出術を実施する。ここで、動物にはまた、小型のげっ歯類用無線送信機を血圧測定のために手術で移植する(詳細についてはアッセイ3を参照されたい)。動物は、適当な術後のケアを行いながら回復させる。研究の設計、データ記録、および測定するパラメータは、アッセイ3に対して記載されたものと同様である。
【0462】
アッセイ5
意識のある高血圧Dahl/SSラットモデルにおける抗高血圧作用のインビボでの評価
オスの、Dahl塩感受性ラット(Dahl/SS、6〜7週齢、Charles River Laboratory、USA)を、試験場所に到着してから少なくとも48時間そこに順応させ、それから8%NaCl高塩分の食餌を与え(TD.92012、Harlan、USA)、次いで血圧測定のために小型のげっ歯類用無線送信機を手術で移植する(詳細についてはアッセイ3を参照されたい)。動物は、適当な術後のケアを行いながら回復させる。高塩分の食餌の開始から約4〜5週目に、これらの動物は高血圧になると予想される。高血圧レベルが確認されたら、高塩分の食餌を継続してこれらの高血圧レベルを維持しながら、これらの動物を研究に使用する。研究の設計、データ記録、および測定するパラメータは、アッセイ3に記載されたものと同様である。
【0463】
本発明は、その特定の態様または実施形態を参照して記載してきたが、当業者であれば、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、または等価物に置き換えることができることを理解されよう。さらに、適用可能な特許法および規則で許される程度まで、本明細書中に引用されたすべての刊行物、特許および特許出願は、まるで各文書が個々に参考として本明細書中に援用されているのと同程度まで、これら全体が参考として本明細書に援用されている。