(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、炭化纎維の前処理工程を経ることで、ウェブ形成及び積層を容易くした汎用機能性不織布及びその製造方法を提供することにある。また、炭化繊維綿を天然繊維綿上層に積層するか、炭化繊維綿と天然繊維綿とを混合打綿した後に積層するか、または炭化繊維綿の中問層に天然繊維綿を投入して積層した後にニードルパンチングすることで、優れた耐熱性及び伝導性を有する汎用機能性不織布及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
しかしながら、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上に言及した課題に制限せず、言及しないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、(1)炭化纎維をほぐした後に原綿と6:4ないし8:2の割合で混合して炭化繊維綿を製造する段階;(2)前記炭化繊維綿をカード機に通してウェブを形成する段階;(3)前記ウェブ化した炭化繊維綿を上層に、天然繊維綿を下層に位置するように積層してニードルパンチングする段階;及び(4)前記ニードルパンチングされたことは難燃及び防炎処理、脱水、及び乾燥する段階と、を含む汎用機能性不織布の製造方法を提供する。
【0011】
本発明の他の態様は、(1)炭化纎維をほぐした後に原綿と6:4ないし8:2の割合で混合して炭化繊維綿を製造する段階;(2)前記炭化繊維綿をカード機に通してウェブを形成する段階;(3)前記ウェブ化した炭化繊維綿の中問層に天然繊維綿を投入積層してニードルパンチングする段階;及び(4)前記ニードルパンチングされたことは難燃及び防炎処理、脱水、及び乾燥する段階を含む汎用機能性不織布の製造方法を提供する。
【0012】
本発明のさらに他の態様は、(1)炭化纎維をほぐした後に原綿と6:4ないし8:2の割合で混合して炭化繊維綿を製造する段階;(2)前記炭化繊維綿と天然繊維綿とを混合して打綿する段階;(3)前記混合打綿された綿をカード機に通してウェブを形成し、積層してニードルパンチングする段階;及び(4)前記ニードルパンチングされたことは難燃及び防炎処理、脱水、及び乾燥する段階と、を含む汎用機能性不織布の製造方法を提供する。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記ニードルパンチ条件は、分当たり回転数(r.p.m)は200〜800rpm、速度は2.0〜5.0m/min、ニードル(needle)は4,000〜4,500EA/m、打ち密度は40〜72回/cm
2とすることができる。また、前記ニードルパンチングは上から下、下から上にそれぞれ往復しながら実施することができる。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、上記方法で製造された汎用機能性不織布を提供する。前記汎用機能性不織布は、保温材、難燃材、断熱材、暖房材、防音材、衝撃吸収用中間材、緩衝材、防弾材、防刃布及び防火材からなる群から選択されたものに使用される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記汎用機能性不織布は、配管、バルブ、エルボ、タービン、回転機器、廃棄弁、ボイラーの壁体、及び大型エンジンからなる群から選択されたものに用いることができ、液化状態で運搬及び貯蔵するLNGガス、LPGガスの運搬及び保管体、船舶、車両、貯蔵タンク、配管、バルブ、冷凍倉庫、及び冷蔵庫からなる群から選択されたものに極低温の保温断熱材として使用することができ、放火カーテン、スクリンロ−ル、花火火災防止布、防火布、及び火災防止施設物からなる群から選択されたものに難燃材または断熱材として用いられる。
【0016】
また、前記汎用機能性不織布は警察服、軍服、防弾チョッキ、防火服、耐熱手袋、消防靴、特殊作業服、及び高温用産業安全靴からなる群から選択されたものに防弾材、防刃布または防火材として使用することができ、自動車用バンパー、人体保護帯、保安帽、及びヘルメットからなる群から選択されたものに衝撃吸収用の中間材または緩衝材として使用することができ、サンドイッチパネル、メタルパネル、アルミニウム複合パネル、冷凍パネルからなる群から選択される中間材または芯材として用いられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、炭化纎維の前処理工程を経ることで、カード機でのウェブ形成及び積層が容易に行うことができる。
【0018】
また、炭化繊維綿を天然繊維綿の上層に積層するか、炭化繊維綿と天然繊維綿とを混合打綿した後に積層するか、または炭化繊維綿の中問層に天然繊維綿を投入して積層した後、ニードルパンチングすることで、優れた耐熱性及び伝導性を有することができる。
【0019】
熱を受けると熱が表面積に早く分散、拡散して不織布の表面温度を低下させ、熱損失量を低減させて結束された天然繊維綿の保温断熱性を高め、天然繊維綿の炭化防止及び不燃化させる。
【0020】
それだけでなく、生産コストが安く、環境親和的な特徴を有し、今後、使用済みの廃資材はリサイクル素材として使用することが可能となる。
【0021】
したがって、本発明による汎用機能性不織布は、難燃保温断熱材、難燃耐寒性材、難燃吸音性材、難燃LNG及びLPGガス極低温保温断熱材、難燃高温用保温断熱材、難燃高温フィルタ材、難燃内装材、難燃原糸、加工織布、マット、ボード、サンドイッチパネル、メタルパネルなどと電力溝の火災防止用資材、溶接時の花火防止布、壁紙などインテリア用資材、放火カーテン、防火服、防弾服などの多くの産業分野で用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
不織布は、積層された纎維層の表面または裏面にニードル(needle)を用いて、繰り返しの上下運動によりパンチングすることで、機械的に互いに編まれて所定厚さと纎維密度を有する纎維層が形成される。
【0024】
本発明は、汎用機能性不織布に関し、炭化纎維及び天然纎維をその材料とし、炭化纎維の前処理過程を経て天然纎維を炭化纎維の下層または中問層に位置するか、または天然纎維と炭化纎維とを混合打綿した後にニードルパンチング過程を通すようにする。
【0025】
その後に難燃及び防炎処理、脱水、乾燥、及び復元工程を経て汎用機能性不織布を製造する。
【0026】
本発明で提案している製造方法により製造された汎用機能性不織布は、カード機でのウェブ形成及び積層を容易にし、耐熱性、伝導性が優れ、保温断熱性が向上する。次に、本発明の各段階を詳細に説明する。
【0027】
本発明は、(1)炭化纎維をほぐした後に原綿と6:4ないし8:2の割合で混合して炭化繊維綿を製造する段階;(2)前記炭化繊維綿をカード機に通してウェブを形成する段階;(3)前記ウェブ化した炭化繊維綿を上層に、天然繊維綿を下層に位置するように積層してニードルパンチングする段階;及び(4)前記ニードルパンチングされたことは、難燃及び防炎処理、脱水、及び乾燥する段階と、を含む汎用機能性不織布の製造方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、(1)炭化纎維をほぐした後に原綿と6:4ないし8:2の割合で混合して炭化繊維綿を製造する段階;(2)前記炭化繊維綿をカード機に通してウェブを形成する段階;(3)前記ウェブ化した炭化繊維綿の中問層に天然繊維綿を投入積層してニードルパンチングする段階;及び(4)前記ニードルパンチングされたことは、難燃及び防炎処理、脱水、及び乾燥する段階を含む汎用機能性不織布の製造方法を提供する。
【0029】
それだけでなく、本発明は、(1)炭化纎維をほぐした後に原綿と6:4ないし8:2の割合で混合して炭化繊維綿を製造する段階;(2)前記炭化繊維綿と天然繊維綿とを混合して打綿する段階;(3)前記混合打綿された綿をカード機に通してウェブを形成して積層してニードルパンチングする段階;及び(4)前記ニードルパンチングされたことは、難燃及び防炎処理、脱水、及び乾燥する段階と、を含む汎用機能性不織布の製造方法を提供する。
【0030】
本発明の製造方法のうちの前記(1)段階は、炭化纎維でウェブ(web)を形成する前に、炭化纎維を前処理する段階である。
具体的に、炭化纎維は、比重が1.47であるものとして、滑らかな質感であるため、カード機に供給して薄い綿(web)を製造する場合、ウェブ(web)化がよく形成されず、カード機の下部底にすべり落ち、積層ローラに炭化繊維綿のウェブ(web)が乗って上がらなくなって、積層が不可能であった。
【0031】
本発明では、上記のような問題を解決するために、まずは、オープナ機に炭化纎維(1000g)と原綿5〜30%(50〜300g)程度を混合させるが、ステープルファイバ(stable fiber:羊毛状の縮れ毛状または段ボール形状)形状である炭化纎維をほぐした後に原綿と混合させる。
【0032】
このような方法で製造された混合物は、カード機に通す場合にウェブ(web)形成がよくて積層が円滑に進行される。
【0033】
また、上記ように、先に炭化纎維の綿をほぐした後に、カード機に供給して炭化纎維ウェブ(web)を梳綿加工して厚さ30〜100mmの纎維ウェブ(web)で形成するということに、その特徴がある。
【0034】
前記炭化繊維綿を製造した後には、炭化繊維綿と天然繊維綿のウェブを形成して積層した後、ニードルパンチングする段階((2)及び(3)段階)を経る。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、前記前処理工程を経た炭化繊維綿をカード機に通してウェブを形成して積層した後に、前記炭化繊維綿(厚さ30〜100mm)を上層(外郭層)に、天然繊維綿(厚さ60〜240mm)を下層に位置するように積層する。
【0036】
これを同時にフィーディングローラに供給し、2回にわたって、上から下に1回、下から上に1回の往復でニードルパンチングする。
【0037】
前記ニードルパンチングの条件は、分当たり回転数(r.p.m)が200〜800rpm、速度が2.0〜5.0m/min、ニードル(needle)が4、000〜4,500EA/m、打ち密度が40〜72回/cm
2とすることができる。
【0038】
前記ニードルパンチング工程後には、上層部に結束された炭化纎維の厚さが約30mmから2mm内外に縮小され、下層用の天然繊維綿のニードルパンチングされた不織布の厚さは約60mmから10mm内外に縮小される(
図1参照)。
【0039】
本発明の他の実施形態によれば、前記前処理された炭化繊維綿を天然繊維綿に混合して打綿する後に、カード機でウェブ形成して60mm厚さに積層した後、前記積層された混合綿をニードルパンチング(r.p.m:200〜800rpm、speed:2.0〜5.0m/min、needle:4、000〜4,500EA/m、打ち密度40〜72回/cm
2)する(
図2参照)。
【0040】
本発明のさらに他の実施形態によれば、前記前処理された炭化繊維綿の上下の中問層に天然繊維綿を投入して積層した後、前記炭化繊維綿及び天然繊維綿が結束されるようにニードルパンチング(r.p.m:200〜800rpm、speed:2.0〜5.0m/min、needle:4、000〜4,500EA/m、打ち密度40〜72回/cm
2)する(
図3参照)。
【0041】
上記の方法でニードルパンチングされたものを難燃(防炎)処理、脱水、乾燥、及び復元の工程を経て不織布を製造する(
図4参照)。実施形態によって、前記難燃(防炎)処理は、アンモニウム水溶液、第1燐酸アンモニウム、ホウ素、陰イオン界面活性剤、フッ素系撥水剤、及び燐酸アクリル系カップリング剤を含む組成物に浸漬させて処理することができる。
【0042】
また、マングル(mangle)脱水機を用いて脱水させ、高周波乾燥機または熱風乾燥機を用いて乾燥することができる。
【0043】
図4に記載のように、本発明の不織布製造工程は、炭化纎維でウェブ(Web)を形成するためにオープナ機に原綿を混合させてステープルファイバ(stable fiber:羊毛状の縮れ毛状または段ボール形状)である炭化纎維をほぐした後、カード機に通してウェブ(Web)を形成させて積層ローラに積層し、フィーディングロ−ルを介して上部層に供給すると共に、下層フィーディングロ−ルでは、天然纎維が供給積層されてニードルパンチング機で上から下にそれぞれ往復でニードルパンチングする工程からなる。
【0044】
また、パンチングされた不織布は、巻取ローラによりロールに巻かれて不織布は難燃(防炎)液の貯蔵槽に投入されて難燃(防炎)液が不織布によく染みこむようにした後、マングル圧搾脱水機で脱水工程を経て高周波乾燥機または熱風乾燥機で乾燥を通すようになって、汎用機能性不織布の端部分が少し固まったところを復元機に流入させて元の状態に修復させ、巻取ローラにより生産した。
【0045】
本発明で提示した方法で製造された汎用機能性不織布は、難燃保温断熱材、難燃耐寒性材、難燃吸音性材、難燃LNG及びLPGガス極低温保温断熱材、難燃高温用保温断熱材、難燃高温フィルタ材、難燃内装材などの各種産業に用いられる。
【0046】
上記説明のように、本発明で提案したニードルパンチングする前に実施する炭化繊維綿と天然繊維綿の積層方法によれば、保温断熱性をさらに高め、天然繊維綿の表面に炭化性を防止し、不燃化させる効果がある。
【0047】
したがって、本発明によれば、製品の品質と機能を大幅に向上させて汎用として用いる不織布を提供することができる。
【0048】
具体的に、天然繊維綿の上層(外郭層)に炭化繊維綿層をニードルパンチングで結束させると、熱伝導拡散が高く、熱分散が早いため、引き続き一定温度を維持させながら、表面温度を持続的に低く維持させるので、天然繊維綿に熱被害をあたえたり、表面に炭化を起こしたりしない(
図5及び
図6参照)。
【0049】
図5は、一側に炭化繊維綿(厚さ2mm)を天然繊維綿(厚さ8mm)表面にニードルパンチングを用いて結束させた汎用機能性不織布を示すものであって、前記不織布で炭化纎維綿が結束された面にトーチランプで2分間火をつけた後、赤外線温度計を用いて温度を測定した。
【0050】
その結果、本発明による炭化繊維綿と天然繊維綿で構成された汎用機能性不織布に1450℃のトーチランプで2分間火をつけた場合、天然繊維綿の後面に伝導された伝熱温度は28℃の常温であって断熱性は非常に良好であった。
【0051】
図6は、炭化繊維綿(厚さ2mm)を天然繊維綿(厚さ6mm)表面にニードルパンチングして結束させた不織布に火をつけて難燃及び防炎実験を行うことを示す写真である。
【0052】
図6に示すように、1450℃のトーチランプで2分間持続的に加熱したにもかかわらず、赤く盛り上がったが、手で握って暖かい程度の感じであって保温断熱性は非常に良好であった。1450℃の強い熱に耐えられるので、不燃性があるものと見てよい。
【0053】
図7は、天然繊維綿及び炭化繊維綿(PAN)を7:3の割合で混合打綿してニードルパンチングで結束させた汎用機能性不織布を示すものであって、ガスレンジで2分間火をつけて加熱した銅熱板(熱板)(厚さ1.5mm、横500mm×縦400mm)に前記不織布面をおいて、熱画像カメラを用いて温度を測定する写真である。
【0054】
図7に示すように、銅熱板の温度が370℃である場合、不織布表面に伝導された温度は73℃であって、高い保温断熱性を示すものと確認された。
【0055】
図8は、炭化繊維綿の上下の中問層に天然繊維綿を投入積層したものとして、厚さが24mmである汎用機能性不織布を示すものであって、トーチランプで火をつけて1450℃の温度で2分間加熱した後、赤外線カメラを用いて温度を測定する写真である。
【0056】
図8に示すように、本発明によって製造された不織布の炭化繊維綿層の後面の表面温度は25℃に測定されており、中問層に位置した天然繊維綿が積層された部分には炭化の痕跡がなかった。これで、本発明による汎用機能性不織布は高い保温断熱性を有するものとして確認された。
【0057】
図9は、本発明による汎用機能性不織布の浮力性を比較する実験を示す写真である。
図9に示すように、ガラス綿、岩綿、セラミックス纎維などで構成される従来の断熱材は、水を急速に吸収して水槽の下部に沈んで浮力性が全くないものであるが、本発明による汎用機能性不織布は水の上に浮かんでいることから浮力性が優れることとして確認された。
【0058】
本発明による汎用機能性不織布は中空と独立気泡層が多く形成されているので、優れた浮力性を有する。
【0059】
本発明の提案方法により製造すると、炭化纎維綿が熱を早く伝達させ、それに結束された天然繊維綿では温度が持続的に維持されるので、保温断熱性を高めることができる。
【0060】
また、本発明により製造される汎用機能性不織布は、加工織布、不織布、マット、ボード、パイプ、エルボ、バルブなどの形態でニードルパンチング機または金型などに成形して生産することができる。
【0061】
また、電力溝、共同溝、駆動装置、電力線、ケーブル線、通信線などにおいて内部のスパークによる火災及び外部からの火災、火炎からよく耐え(防炎性)、また有毒な煙を発生させないと共に(難燃性)、内部の熱から断熱させることで(断熱性)、電力溝等の内部温度を維持させる役割をする加工織布、テープ、不織布、スリーブなどの形態に製作して使用することができる。
【0062】
すなわち、前記汎用機能性不織布は、保温材、難燃材、断熱材、暖房材、防音材、衝撃吸収用の中間材、緩衝材、防弾材、防刃布及び防火材からなる群から選択されたものに用いることができる。
【0063】
配管、バルブ、エルボ、タービン、回転機器、廃棄弁、ボイラーの壁体、大型エンジンなど多くの産業分野に用いられ、保温材、断熱材、防音材に使用することで、軽くて薄い厚さであっても保温性、断熱性の高い効果を示すことができる。
【0064】
液化状態で運搬及び貯蔵するLNGガス、LPGガスの貯蔵、保管、及び運搬体、船舶、車両、貯蔵タンク、タンクの隔壁、配管、バルブ、冷凍倉庫、冷蔵庫、氷菓類生産工場などに使用することを特徴とする極低温保温断熱材として用いられる。
【0065】
建築物などの底層、室内壁体などに暖房の目的として使用することができる汎用機能性の先端の不織布として使用することができる。本発明の汎用機能性不織布は軽いながらも薄い厚さだけで保温性、断熱性、防音性、防虫性、難燃性を有するので、施工費、暖房費を節減することができ、実坪数も広く使用することができる。
【0066】
それだけでなく、建築物などのガラス窓に、日光遮断、紫外線及び赤外線遮断、保温、断熱、防音のために使用することができ、火災時に火拡散を防止する放火カーテン及びスクリンロ−ルにも使用することができる。
【0067】
保温材、断熱材、難燃材としての効果と共に、防音材、結露防止材、及びサンドイッチパネル、メタルパネル、アルミニウム複合パネル、冷凍パネルなどのパネルの中間材または芯材としても使用することができ、軽くて薄い厚さにより設計荷重が減少され、資材費、施工費、空間確保などの製作コストの節減、エネルギー節減などが可能である。
【0068】
溶接時に飛び火花が飛散されるところの機器、設備、施設物などの保護が可能な飛び火花火災防止布、火災発生時の初期鎮圧用布、火災待避時の人体保護用防火布、火災防止施設物などに難燃材または断熱材として使用することができる。
【0069】
高品格壁紙、インテリア用資材としても使用可能であるが、難燃性、防炎性、保温性、断熱性、防音性、湿気調節機能の効果外にも、軽くて親環境的な長所もある。また火災時の火の拡散を防止し、人体に有害な煙やガスを発生させない。
【0070】
また、防刃、防弾性も有するので、警察服、軍服、防弾チョッキ、防火服、耐熱手袋、消防靴、特殊作業服、高温用産業安全靴の材料として使用することができる。
【0071】
断熱性、防音性、防弾性、ひどい振動にも耐振動性を有する特性の上、装甲車両、タンク、自走砲、対戦車自走砲 、軍艦、警備艇、潜水艦、ヘリコプタ、戦闘機などのエンジンに使用することができ、エンジンルーム内壁、調整席内壁、室内壁、燃料タンク外壁に設けて衝撃緩和をさせることができる。
【0072】
スポーツ用品の膝、胸、腕、足首、足元、ヒジなどの保護帯、保安帽、ヘルメット、自動車用バンパーなどの衝撃吸収用の中間材、緩衝材としても使用することが可能である。
【0073】
汎用機能性綿を用いて製造した糸を撚糸して生産した原糸と炭化繊維綿と天然繊維綿を混合して製品化した原糸で従来の石綿糸、ガラス繊維糸、アラミド糸を凌ぐ不燃性及び引張強度、破裂強度を有する軽くて多様な機能を有する原糸としても使用することが可能である。
【0074】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は、本発明をより理解するために提供されるものであって、下記の実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0076】
1.1.前処理された炭化繊維綿の製造
オープナ機に、炭化纎維(1000g)及び原綿5〜30%(50〜300g)程度を混合させたが、ステープルファイバ(stable fiber:羊毛状の縮れ毛状または段ボール形状)形態である炭化纎維をほぐした後に原綿と混合して炭化繊維綿を製造した。
【0077】
1.2.炭化繊維綿及び天然繊維綿を用いた汎用機能性不織布の製造
図1の汎用機能性不織布を製造するために、前記前処理工程を経た炭化繊維綿をカード機に通してウェブを形成して層とした後、前記炭化繊維綿(厚さ30〜100mm)を上層(外郭層)に、天然繊維綿(厚さ60〜240mm)を下層に位置するように積層した。
【0078】
前記積層された綿をr.p.m:200〜800rpm、speed:2.0〜5.0m/min、needle:4、000〜4,500EA/m、打ち密度40〜72回/cm
2の条件で2回にわたって往復ニードルパンチングした(
図1参照)。
【0079】
図1の汎用機能性不織布の場合にニードルパンチング後には上層(外部層)に結束された炭化繊維綿の厚さは30mmから2mmに縮小され、下層の天然繊維綿の厚さは60mmから10〜20mmに縮小された。
【0080】
また、
図2の汎用機能性不織布を製造するために、前記前処理された炭化繊維綿を天然繊維綿に混合して打綿した後、カード機でウェブ形成して60mm厚さに積層した。前記積層された綿をr.p.m:200〜800rpm、speed:2.0〜5.0m/min、needle:4、000〜4,500EA/m、打ち密度40〜72回/cm
2の条件で2回にわたって往復ニードルパンチングした(
図2参照)。
【0081】
また、
図3の汎用機能性不織布を製造するために、前記前処理された炭化繊維綿の上下の中問層に天然繊維綿を投入積層した後、前記積層された綿をr.p.m:200〜800rpm、speed:2.0〜5.0m/min、needle:4、000〜4,500EA/m、打ち密度40〜72回/cm
2の条件で2回にわたって往復ニードルパンチングした(
図3参照)。
【0082】
上記の
図1、
図2、
図3の汎用機能性不織布に難燃(防炎)処理工程、脱水及び乾燥工程、復元工程をそれぞれ実施した。
【0083】
実施例2.汎用機能性不織布の断熱性試験
【0084】
上記
図1、
図2、
図3の汎用機能性不織布を用いて製造された汎用機能性不織布の断熱性を試すために、トーチランプ及び熱板を用いて実験を行った。
【0085】
図1の汎用機能性不織布を、トーチランプを用いて1450℃の直火で2分間加熱した後、天然繊維綿の方の断熱温度を赤外線温度計で測定した(
図5参照)。その結果、28℃の常温として測定されて断熱性がとても優れることが確認された。
【0086】
また、
図1の汎用機能性不織布を人の素手で直接握ってトーチランプを利用して1450℃の直火で2分間加熱して見た(
図6参照)。その結果、暖かい程度の暑さであって、高い温度による被害は全くなかった。
【0087】
図2の汎用機能性不織布をガスバーナーで2分間加熱して表面温度が370℃である銅熱板に載置した後、不織布表面に伝導された温度を、熱画像カメラを用いて測定した(
図7参照)。その結果、表面に伝導された温度は73℃であって、高い保温性を示すことを確認することができた。
【0088】
図3の汎用機能性不織布を、トーチランプを用いて1450℃の直火で2分間加熱した後、赤外線カメラを用いて温度を測定した(
図8参照)。
【0089】
その結果、不織布の炭化繊維綿層の後面の表面温度は25℃として、トーチランプの温度(1450℃)と1425℃の差があって、中問層に位置した天然繊維綿が積層された部分には炭化の痕跡が全くなかった。これで、高い保温断熱性を示すことを確認した。
【0090】
実施例3.汎用機能性不織布の浮力性比較試験
【0091】
本発明による汎用機能性不織布(
図1、
図2、
図3)の浮力性を比較するために、ガラス綿、岩綿、セラミックス纎維などで構成された従来の断熱材と共に、水が入った水槽に入れた(
図9参照)。
【0092】
その結果、
図9に示すように、従来の断熱材は水を吸収して水槽の下部に真直ぐ沈んで浮力性が全くないものとして確認されたが、本発明による汎用機能性不織布(
図1、
図2、
図3)は長期間水の上に浮かんでいて浮力性が非常に優れたものと確認された。
【0093】
実施例4.汎用機能性不織布の難燃及び防炎性判定試験
【0094】
本発明による汎用機能性不織布の難燃及び防炎性を実験するために、消防施設設置維持及び安全管理に関する法律施行令の試験基準に従ってメッケルバーナー法により実験した後にその結果を表1及び
図10(試験成績書)に示した。
【0096】
表1に示すように、本発明により製造された汎用機能性不織布は、残炎時間(0秒)及び残塵時間(0秒)が試験基準値である残炎時間10秒、残塵時間30秒にはるかに達せず、炭化面積も26.2cm
2で基準値50cm
2より非常に良好であり、炭化長さも6.9cmで基準値20cmより非常に良好であって、難燃(防炎)性試験に合格判定を受けた。
【0097】
実施例5.汎用機能性不織布の引張強度判定試験
【0098】
本発明による汎用機能性不織布の引張強度をC.R.Eストリップ法により実験し、その結果を表2及び
図10(試験成績書)に示した。
【0100】
表2に示すように、長手方向は406N/5cm(kgf/5cm)で、基準値41N/5cm(kgf/5cm)より9.902倍(約10倍)、幅方向も2,231N/5cm((kgf/5cm)で、基準値227N/5cm((kgf/5cm)より9.83倍と、引張強度がずば抜けて強いことを確認することができた。
【0101】
実施例6.汎用機能性不織布の破裂強度試験
【0102】
本発明による汎用機能性不織布の破裂強度を油圧法により実験し、その結果を表3及び
図10(試験成績書)に示した。
【0104】
表3に示すように、本発明による汎用機能性不織布の破裂強度が基準値よりはるかに高いことがわかった。
【0105】
実施例7.汎用機能性不織布の耐寒性試験
【0106】
本発明による汎用機能性不織布の耐寒性を−40℃から6時間試験した結果「異常なし」と判定された。
【0107】
上述の本発明の説明は例示のためのことであって、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者が本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることを理解することができる。よって上述した実施例はすべての面から例示的なもので限定的でないことで理解すべきである。