(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株の新規な用途を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物を有効成分として含有する中性脂肪低減剤を提供する。
【0006】
中性脂肪は、体温を維持し一定に保つ役割、内臓を保護する役割、非常用のエネルギー源としての役割等、重要な役割を果たしている。一方で、中性脂肪が増えすぎると様々な生活習慣病を発生することがある。本発明の中性脂肪低減剤は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物を有効成分として含むため、中性脂肪を減少させる作用又は中性脂肪の増加を抑制する作用を通じて、増えすぎた中性脂肪を低減することができる。
【0007】
ラクトバチラス・ブレビスには、ブレビス(brevis)、グレブセンシス(gravesensis)、オタキエンシス(otakiensis)及びコアギュランス(coagulans)という4つの亜種(subspecies)が存在する。本発明の中性脂肪低減剤における菌株としては、亜種ブレビスに属する菌株が好適であり、亜種ブレビスに属する菌株の中では、例えば、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株が特に好適である。
【0008】
なお、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株は、2006年6月28日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に寄託された、受託番号がFERM BP−10632の菌株である。
【0009】
ラクトバチラス・ブレビスは、古くから発酵食品に利用されている乳酸菌の一種であり、生体への安全性が確立されている。したがって、本発明の中性脂肪低減剤は、生体への安全性が高く、長期間継続的に摂取可能である。そのため、医薬品成分、飲食品成分、飲食品添加物等として使用することができる。
【0010】
また、上記飲食品としては発酵乳が好ましい。発酵乳は本来乳酸菌を含むものであるため、本発明の中性脂肪低減剤を添加しても細菌数等の衛生規格を外れることがなく、また風味等への悪影響が少ないことから、本発明の中性脂肪低減剤を添加する飲食品として好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生体への安全性が高く、飲食品の成分としても使用可能な新規の中性脂肪低減剤が提供される。また、そのような中性脂肪低減剤を含有する医薬品、飲食品、飲食品添加物等が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の中性脂肪低減剤は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物を有効成分として含有する。本発明の中性脂肪低減剤は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物の有する中性脂肪低減作用に基づいて、中性脂肪を低減することができる。
【0014】
なお、本明細書において、「中性脂肪低減作用」とは、中性脂肪を減少させる作用又は中性脂肪の増加を抑制する作用をいうものとする。
【0015】
「中性脂肪」とは、脂肪酸のグリセリンエステルを意味する。一方、血液中においては、中性脂肪のほとんどはトリグリセリド(トリアシルグリセロール)として存在していることから、本明細書においては「中性脂肪」と同義のものとして「トリグリセリド(又はTG)」を用いることがある。
【0016】
生体内における中性脂肪の役割としては、例えば、エネルギー源としての役割、皮下脂肪として体から熱が奪われるのを防ぎ体温を一定に保つ役割、内臓脂肪として臓器を一定の位置に固定したり、臓器を外部の衝撃から守ったりする役割等、生存に必須な重要な役割がある。一方で、適性値を超えて中性脂肪が増えすぎると様々な病気の原因となり得る。例えば、血中の中性脂肪濃度が増えすぎると、動脈硬化の原因となり得、内臓脂肪や皮下脂肪が増えすぎると、肥満やメタボリックシンドロームの一因となり得る。また、中性脂肪が肝臓に蓄積されると脂肪肝となり得る。中性脂肪は、食事の食べ過ぎ等で過剰になった糖質を材料に肝臓で合成され、アルコール摂取によっても合成が促進される。なお、例えば、血中の中性脂肪については、その適正値は150mg/dl未満(空腹時)であるとされており(日本動脈硬化学会高脂血症診療ガイドライン検討委員会:動脈硬化25:1−34,1997年)、この値を超えた場合には「中性脂肪が増えすぎた」ものとする。
【0017】
本発明の中性脂肪低減剤は、中性脂肪を減少させる作用によって増えすぎた中性脂肪を低減させることができ、又は中性脂肪の増加を抑制する作用によって中性脂肪が増えすぎることを抑制することもできる。
【0018】
本発明の中性脂肪低減剤における菌株は、ラクトバチラス・ブレビスに属するものであればよく、例えば、自然界から分離可能なもの、又はATCC等の細胞バンクから入手可能なものであってもよい。
【0019】
上記菌株の菌体又はその処理物としては、1種の菌株の菌体又はその処理物のみが含有されても、また、2種以上の菌株の菌体又はその処理物が併せて含有されてもよい。菌体は、生菌を培養することにより大量に生産することができる。
【0020】
上記菌株の培養は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の培養に常用されている培養方法に従って行なうことができる。例えば、培養方法としては、pH約4〜約6のMRS培地、LB培地等に生菌を播種して、インキュベーター中、約30〜約38℃(特に約37℃)で約12〜約48時間(特に、約12時間、約24時間、約36時間又は約48時間)培養する方法が挙げられる。
【0021】
本発明の中性脂肪低減剤は、菌体に加熱殺菌処理、物理的殺菌処理等を施した菌体の処理物を有効成分として含有するものであってもよい。菌体の処理物としては、例えば、菌体を100℃以上で数分以上加熱して得られる処理物(例えば、菌体に、110〜125℃の温度で10分以上、オートクレーブ処理を施して得られる処理物)、菌体に対して凍結乾燥、噴霧乾燥等を行って得られる処理物、又は菌体を超音波、フレンチプレス等で物理的に破壊して得られる処理物が挙げられる。本発明の中性脂肪低減剤は、このような菌体の処理物(死菌)を有効成分として用いた場合でも、菌体(生菌)を用いた場合と同様の効果を奏する。
【0022】
ラクトバチラス・ブレビス(Lactobacillus brevis)には、4つの亜種(subspecies)が存在し、それぞれ、ブレビス(brevis)、グレブセンシス(gravesensis)、オタキエンシス(otakiensis)、コアギュランス(coagulans)である。これらの亜種の中でも、上記菌株としては、亜種ブレビスに属するものであることが好ましい。亜種ブレビスに属する菌株は、16SリボゾームDNAの塩基配列及び糖からの酸生成の違い等を指標に分離でき、亜種グレブセンシス、亜種オタキエンシス及び亜種コアギュランスに属さない菌株として分類できる。
【0023】
また、ラクトバチラス・ブレビス亜種ブレビスに属する菌株として、ラクトバチルス・ブレビスSBC8803菌株とすることが好ましい。ラクトバチルス・ブレビスSBC8803菌株は、受託番号FERM BP−10632として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されており、入手可能である。
【0024】
本発明の中性脂肪低減剤は、以下に述べるような各種製剤の形状を取ることができる。すなわち、本発明の中性脂肪低減剤は、固体(例えば、凍結乾燥させて得られる粉末)、液体(水溶性又は脂溶性の溶液又は懸濁液)、ペースト等のいずれの形状でもよく、また、散剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、シロップ剤、トローチ剤、カプセル剤等のいずれの剤形を取ってもよい。
【0025】
上述の各種製剤は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物のみからなるものであってよく、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物を上記剤形に成形することによって調製することができる。上述の各種製剤はまた、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株の菌体又はその処理物と、薬学的に許容される添加剤(賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤等)とを混和し、成形することによって調製することもできる。この場合の上記有効成分の含有量は、製剤全量を基準として、2〜50質量%である。
【0026】
例えば、賦形剤としては、ラクトース、スクロース、デンプン、デキストリン等が挙げられる。結合剤としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。崩壊剤としては、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。基剤としては、セトステアリルアルコール、ラノリン、ポリエチレングリコール、米糠油、魚油(DHA、EPA等)、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、Tween80等が挙げられる。懸濁化剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0027】
本発明の中性脂肪低減剤は、ヒトに投与しても、非ヒト哺乳動物に投与してもよい。投与量及び投与方法は、投与される個体の状態、年齢等に応じて適宜決定することができる。好適な投与方法としては、例えば、経口投与が挙げられる。投与量及び投与方法の一例として、本発明の中性脂肪低減剤を有効成分量が5mgとなる量を1日1回経口で投与することを挙げることができる。
【0028】
本発明の中性脂肪低減剤は、医薬品成分、飲食品成分、飲食品添加物、飼料成分、飼料添加物等として使用することができる。
【0029】
例えば、本発明の中性脂肪低減剤は、水、清涼飲料水、果汁飲料、乳飲料、アルコール飲料、パン類、麺類、米類、豆腐、乳製品、醗酵食品、発酵乳、醤油、味噌、菓子類等の飲食品への添加物として使用することができる。これらの飲食品は、当分野で通常使用される他の添加物を更に含有してもよく、そのような添加物としては、例えば、苦味料、香料、リンゴファイバー、大豆ファイバー、肉エキス、黒酢エキス、ゼラチン、コーンスターチ、蜂蜜、動植物油脂;グルコース、フルクトース等の単糖類;スクロース等の二糖類;デキストロース、デンプン等の多糖類;エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類;ビタミンC等のビタミン類、が挙げられる。本発明の中性脂肪低減剤はまた、特定保健用食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康食品、機能性食品、病者用食品等の成分として使用することもできる。本発明の中性脂肪低減剤を含有する飲食品は、ラクトバチラス・ブレビスに属する菌株で牛乳、脱脂乳、豆乳等を発酵させて得られる発酵物であってもよい。
【0030】
また、本発明の中性脂肪低減剤は、発酵乳への添加物として使用することが好ましい。この場合の本発明の中性脂肪低減剤の添加量は、発酵乳全量を基準として、上記有効成分の含有量が0.001〜0.5質量%となるように決定することができる。発酵乳は、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で醗酵させ、糊状又は液状にしたもの、又はこれらを凍結したもの」で定義され、具体例としては、ヨーグルト、チーズ、バター、飲むヨーグルト、乳酸菌飲料、酸乳飲料等がある。中でもヨーグルトは、もともと乳酸菌(生菌)を含むものであるため、本発明の中性脂肪低減剤を添加したとしても、有効成分として含まれるラクトバチラス・ブレビスに属する菌株によって、味や風味への悪影響が出るおそれがほとんどなく、特に好ましい。さらに、ヨーグルトの成分規格は、無脂乳固形分8.0%以上で乳酸菌数(又は酵母数)が1,000万/ml以上とされていることから、本発明の中性脂肪低減剤の添加により、乳酸菌数についての衛生規格等の基準を超えるおそれがほとんどないため好ましい。
【実施例】
【0031】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0032】
〔実施例1〕
(中性脂肪低減剤の調製)
ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株を酵母エキスと液糖を主成分とする培地中、30℃で24時間培養し、遠心分離によって菌体を回収した。回収した菌体の一部を蒸留水に懸濁して100mg/mlの菌体懸濁液を得た。これを「生菌」の中性脂肪低減剤とした。一方、回収した菌体の一部をオートクレーブ処理(121℃、20分)で殺菌した後、凍結乾燥し、これを蒸留水に懸濁して100mg/mLの菌体の処理物の懸濁液を得た。これを「死菌」の中性脂肪低減剤とした。
【0033】
〔実施例2〕
(マウスへの中性脂肪低減剤の投与試験)
C57BL/6Jマウス(雄性、日本チャールス・リバー)32匹を、試験開始時の体重の平均値及び分散が群間でバラつかないように各群8匹の4群に分けた。なお、マウスは、1週間の馴化飼育を経た後、5週齢の時点で試験に使用した。
【0034】
(試験飼料の調製)
試験飼料(食餌)は、表1の組成となるように調製した。表1中、各成分量の単位はgである。また、馴化飼育期間中は、飼料としてAIN93Mを用いた。なお、表1中、中性脂肪低減剤(生菌)の成分量及び中性脂肪低減剤(死菌)の成分量は、菌体の乾燥重量及び菌体の処理物の乾燥重量である。
【表1】
【0035】
(飼育条件)
1週間馴化飼育した後、各群のマウスに所定の試験飼料及び水道水を6週間自由に摂餌・摂水させた。馴化飼育期間及びその後の試験飼料投与期間を通じて、マウスは、飼育装置(温度23±5℃、相対湿度55±10%、EBAC、日本クレア)中で、常時換気、明暗時間12時間(明期:8時〜20時)の条件下で4匹/1ケージで集団飼育した。
【0036】
(体重の測定)
飼育開始時、及び飼育期間中1週間おきにマウスの体重を測定した。各群8匹の測定値の平均を各群の体重とした。
【0037】
図1はマウスの体重推移を示すグラフである。食餌中にラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株を含まないCtrl群(Ctrl)とサンプル群1(生菌)及びサンプル群2(死菌)との間で体重に有意な差はみられなかった。一方、通常食群(AIN93M)は他の3群と比べて危険率5%で有意に体重が低かった。
【0038】
(血漿中性脂肪濃度、内臓脂肪重量の測定)
試験飼料投与開始から6週間後、各群のマウスについて、エーテル麻酔下、心採血、解剖を行い、血漿中性脂肪濃度、副睾丸周辺脂肪重量、後腹壁脂肪重量、腸間膜脂肪重量を測定した。
【0039】
図2はマウスの血漿中性脂肪濃度を示すグラフである。通常食(AIN93M)を投与していた通常食群と比較して、高脂肪・高ショ糖・高タンパク質食を投与していたCtrl群は血漿中性脂肪濃度が有意に増加していた(
図2)。一方、高脂肪・高ショ糖・高タンパク質食にラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株を添加した食を投与していたサンプル群1(生菌)及び2(死菌)では血漿中性脂肪濃度の増加は認められなかった(
図2)。すなわち、生菌であるか死菌であるかを問わず、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株は、高脂肪・高ショ糖・高タンパク質食により惹起される血漿中性脂肪濃度の増加を抑制できることが判明した。
【0040】
図3はマウスの内臓脂肪重量を示すグラフである。体重あたりの腸間膜脂肪重量は4群の間に有意差はなかった(
図3)。体重あたりの後腹壁脂肪重量及び体重あたりの副睾丸周辺脂肪重量は、通常食群と比べてCtrl群、サンプル群1(生菌)及びサンプル群2(死菌)で有意に増加した(
図3)。また、体重あたりの後腹壁脂肪重量はCtrl群、サンプル群1(生菌)及びサンプル群2(死菌)の間に有意差はなかったものの、一方で体重あたりの副睾丸周辺脂肪重量はCtrl群に比べてサンプル群1(生菌)及びサンプル群2(死菌)で有意に低かった(
図3)。さらに、これらの結果を反映して、サンプル群1(生菌)及びサンプル群2(死菌)の総内臓脂肪重量は、通常食群と比べて有意に増加していたものの、Ctrl群に比べて有意に低かった(
図3)。これらの結果より、生菌であるか死菌であるかを問わず、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株は、高脂肪・高ショ糖・高タンパク質食により惹起される内臓脂肪の蓄積を抑制できることが判明した。上述した血漿中性脂肪濃度の増加を抑制する作用により血漿中性脂肪濃度が抑えられることが、内臓脂肪の蓄積を抑制できる一つの要因になっているものと考えられる。
【0041】
〔実施例3〕
(中性脂肪低減剤を添加したヨーグルトの調製)
常法に従って製造したヨーグルトに、実施例1の「生菌」の中性脂肪低減剤をヨーグルト100gあたり菌体量が5mgとなるように添加及び混合し、中性脂肪低減剤を含有するヨーグルトを調製した。
【0042】
〔実施例4〕
(ヒトへの中性脂肪低減剤の投与試験)
血漿GOT(AST)値が36IU/L以上、血漿GPT(ALT)値が36IU/L以上、又は血漿γGTP値が61IU/L以上のいずれかに該当する(重複して該当する場合も可)成人ヒト被験者に対し、実施例3で調製したヨーグルト100gを1日1回2週間に渡って食すこと以外は通常通りに生活してもらったうえで、試験開始時及び試験開始後2週間目の時点での血漿中性脂肪濃度を測定した。
【0043】
図4は血漿中性脂肪濃度の測定結果を示すグラフである。試験開始から2週間後の血漿中性脂肪濃度はいずれの被験者においても危険率5%で有意に低下した。なお、試験開始前の血漿中性脂肪濃度の全被験者の平均値に対して、2週間後の血漿中性脂肪濃度の全被験者の平均値は、58.7mg/dL低下した。
【0044】
この結果は、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株が、血漿中性脂肪を減少させる作用を有していることを示すと考えられる。一方、実施例3で調製したヨーグルトを1日1回食するという条件以外は通常通り生活したうえでの結果であることから、ラクトバチラス・ブレビスSBC8803菌株が、血漿中性脂肪の増加を抑制する作用を有していることを示すとも考えられる。