【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、抗ヒトPD−1抗体の治療効果前に変動する血中判定マーカーを提供する。
【0010】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0011】
[1] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む、抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を最適化する方法。
【0012】
[2] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[1]記載の方法。
【0013】
[3] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[1]記載の方法。
【0014】
[4] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[1]記載の方法。
【0015】
[5] IgGがIgG
4である[4]記載の方法。
【0016】
[6] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[1]記載の方法。
【0017】
[7] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5D4または2D3で特定される抗体である[6]記載の方法。
【0018】
[8] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[1]記載の方法。
【0019】
[9] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[8]記載の方法。
【0020】
[10] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することからなる抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果最適化のための一以上の判定マーカーの使用。
【0021】
[11] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[10]記載の使用。
【0022】
[12] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[10]記載の使用。
【0023】
[13] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[10]記載の使用。
【0024】
[14] IgGがIgG
4である[13]記載の使用。
【0025】
[15] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[10]記載の使用。
【0026】
[16] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[15]記載の使用。
【0027】
[17] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[10]記載の使用。
【0028】
[18] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[17]記載の使用。
【0029】
[19] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む癌治療方法。
【0030】
[20] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[19]記載の方法。
【0031】
[21] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[19]記載の方法。
【0032】
[22] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[19]記載の方法。
【0033】
[23] IgGがIgG
4である[22]記載の方法。
【0034】
[24] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[19]記載の方法。
【0035】
[25] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[24]記載の方法。
【0036】
[26] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[19]記載の方法。
【0037】
[27] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[26]記載の方法。
【0038】
[28] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者を治療するための、抗ヒトPD−1抗体を含む癌治療剤。
【0039】
[29] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[28]記載の癌治療剤。
【0040】
[30] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[28]記載の癌治療剤。
【0041】
[31] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[28]記載の癌治療剤。
【0042】
[32] IgGがIgG
4である[31]記載の癌治療剤。
【0043】
[33] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[28]記載の癌治療剤。
【0044】
[34] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[33]記載の癌治療剤。
【0045】
[35] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[28]記載の癌治療剤。
【0046】
[36] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[35]記載の癌治療剤。
【0047】
[37] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度と投与開始前の濃度を比較して、投与開始前に比べ投与開始後の一以上の判定マーカーの血中濃度が優位に増加することに基づいて、抗ヒトPD−1抗体が癌治療に効果的であることを予測することからなる、抗ヒトPD−1抗体による癌治療効果を予測する方法。
【0048】
[38] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[37]記載の方法。
【0049】
[39] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[37]記載の方法。
【0050】
[40] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[37]記載の方法。
【0051】
[41] IgGがIgG
4である[40]記載の方法。
【0052】
[42] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[37]記載の方法。
【0053】
[43] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[42]記載の方法。
【0054】
[44] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[37]記載の方法。
【0055】
[45] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[44]記載の方法。
【0056】
[46] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する患者を選択することを含む、抗ヒトPD−1抗体によって癌を治療するのに適切な患者を選択する方法。