(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の詰め替え容器では、中栓の注出口を開封した後、中栓に本容器の口部を螺着し、その後、詰め替え容器と本容器とを上下反転させる必要があるので、詰め替え作業が煩雑である。
また、中栓の注出口を開封した後に本容器の口部を詰め替え容器の中栓に螺着するため、その螺合作業中に誤って詰め替え容器を倒すと、詰め替え容器内の内容物がこぼれ出るおそれがある。
また、中栓に本容器の口部を螺着する際に本容器を倒立姿勢にするため、本容器の内側に内容物が残留していると本容器内の内容物がこぼれ出る。したがって、本容器内の内容物を完全に使い切った後でないと詰め替え作業を行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、詰め替え作業を容易化することができ、かつ、詰め替え時に内容物をこぼしにくく、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替えを行うことができる詰め替え容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の詰め替え容器は、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、該容器本体の口部に装着されるとともに注出口が形成された装着筒、該装着筒に容器軸方向に沿う前記容器本体の外側に向けて延設され前記注出口を径方向の外側から囲む案内壁部、および外周縁が前記注出口の内周面若しくは前記案内壁部の内周面に破断可能な弱化部を介して連結され該注出口を閉塞する閉塞体を有する栓部材と、前記案内壁部の径方向の外側に配置され前記本容器の注入口部に連結される連結筒部、および前記案内壁部の径方向の内側に配置され容器軸方向に延びる押圧筒部を有し、前記案内壁部に前記容器本体の内側に向けてスライド移動可能に装着された操作部材と、を備え、前記栓部材および操作部材にはそれぞれ、該操作部材が前記容器本体の内側に向けてスライド移動したときに、互いが当接して該操作部材のスライド移動を規制するストッパ部が各別に形成され、前記押圧筒部の先端縁は、前記ストッパ部が互いに当接した状態で、前記押圧筒部の先端縁と前記弱化部との間に配設された刃部、または、前記押圧筒部の先端縁に形成された刃部を弱化部より容器軸方向に沿う前記容器本体の内側に位置させる破断部と、該破断部より容器軸方向に沿う前記容器本体の外側に位置し、前記ストッパ部が互いに当接した状態で、前記弱化部から容器軸方向に沿う前記容器本体の外側に離れて位置することにより、前記弱化部を介した前記閉塞体と装着筒若しくは前記案内壁部との連結を維持させる逃げ部と、を備え、前記逃げ部は、前記押圧筒部の先端部
における半周を超える部分が除かれるようにして形成され、前記逃げ部および前記破断部の各周端同士は、容器軸方向に沿って延びる接続縁により接続されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、本容器に内容物を詰め替える際に、まず、詰め替え容器の連結筒部と本容器の注入口部とを連結し、その後、詰め替え容器の容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させ、詰め替え容器における操作部材を、栓部材および操作部材の各ストッパ部同士が互いに当接するまで、容器本体の内側に向けてスライド移動させることで、押圧筒部により刃部を介して弱化部を押圧して破断させ注出口を開放する。
これにより、詰め替え容器の連結筒部と本容器の注入口部とが連結され、かつ前記各ストッパ部同士が互いに当接した状態で、詰め替え容器の注出口が開放されて、詰め替え容器の容器本体内と本容器内とが注出口および押圧筒部内を通して連通し、容器本体内の内容物が注入口部内に注出されて本容器内に詰め替えられる。
以上のように、詰め替え容器の連結筒部と本容器の注入口部とを連結した後に、容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な操作によって内容物を詰め替えることが可能になり、詰め替え作業を容易化することができる。
また、詰め替えに際し、詰め替え容器の連結筒部と本容器の注入口部とが連結された状態で詰め替え容器の注出口が開放されるので、詰め替え容器の開封と同時に、注出口および押圧筒部内を通して内容物が本容器内に詰め替えられることとなり、内容物がこぼれるのを抑制することができるとともに、本容器を倒立姿勢にすることなく詰め替え作業を行うことが可能になり、本容器内の内容物が残留している場合であっても内容物の詰め替えを行うことができる。
また、前述のように詰め替える過程で、前記各ストッパ部同士を互いに当接させておくことにより、本容器および詰め替え容器それぞれの位置や姿勢が不安定になるのを抑制することが可能になり、詰め替え作業を容易化すること、並びに詰め替え時に内容物をこぼし難くすることをより一層確実に実現することができる。
さらに、押圧筒部の先端縁に、前記各ストッパ部同士が互いに当接した状態で、刃部を弱化部より容器軸方向に沿う容器本体の内側に位置させて弱化部を破断させる破断部のみならず、該破断部より容器軸方向に沿う容器本体の外側に位置する逃げ部を備えているので、前記各ストッパ部同士が互いに当接して弱化部が破断部により破断され注出口が開放されたときにも、弱化部のうち、逃げ部と容器軸方向で対向する部分の少なくとも一部は破断させずに、閉塞体と装着筒若しくは案内壁部とを連結したままに維持することが可能になり、閉塞体が装着筒若しくは案内壁部から分離されるのを抑制することができる。
【0008】
ここで、前記刃部は、前記押圧筒部の破断部に沿って連設された複数の刃を備え、これらの刃の前記弱化部に向けた突出量は、前記破断部の中央に位置する中央刃が最も大きく、かつ該中央刃から外側に離れて位置する刃ほど低くなってもよい。
【0009】
この場合、前記刃部が備える複数の刃の弱化部に向けた突出量が、前記破断部の中央に位置する中央刃が最も大きく、かつ該中央刃から外側に離れて位置する刃ほど低くなっているので、詰め替え容器における操作部材を前述のように容器本体の内側に向けてスライド移動させる過程で、複数の刃のうち、まず、中央刃が弱化部に当接し、その後、この中央刃より外側に位置する刃が、中央刃に近くかつ突出量が高い刃から順に弱化部に当接することとなる。
したがって、刃部が弱化部に当接した当初に、複数の刃のうち中央刃のみを弱化部に当接させることにより、弱化部に破断の起点が確実に生成されることとなり、その後、この中央刃より外側に位置する刃を、中央刃に近くかつ突出量が高い刃から順に弱化部に当接させて順次破断することにより、弱化部の破断を前述の起点からスムーズに進行させることができる。
以上より、詰め替えに際し、注出口を抵抗少なく容易に開放することができる。
【0010】
また、前記栓部材に形成された前記ストッパ部は、前記案内壁部から径方向の外側に向けて突出するとともに、前記操作部材に形成された前記ストッパ部は、前記連結筒部から径方向の外側に向けて突出して前記本容器の注入口部の開口端縁上に載置可能とされ、これらの両ストッパ部同士の間には、前記案内壁部に離脱可能に装着され、前記操作部材の前記容器本体の内側に向けたスライド移動を規制する規制部材が配設されてもよい。
【0011】
この場合、栓部材の案内壁部に規制部材が装着されているので、例えば、流通段階で詰め替え容器に不意に加えられた外力、あるいは、詰め替え容器を倒立姿勢にしたときに作用する容器本体内の内容物の自重等によって、予期せず、操作部材が容器本体の内側に向けてスライド移動して弱化部が破断されてしまうのを防ぐことができる。
また、操作部材に形成されたストッパ部が、本容器の注入口部の開口端縁上に載置可能となっているので、詰め替え容器の連結筒部を本容器の注入口部に連結して内容物を詰め替えるときに、本容器および詰め替え容器それぞれの位置を安定させることができる。
さらに、操作部材に形成されたストッパ部が、連結筒部から径方向の外側に向けて突出し、かつ栓部材に形成されたストッパ部が、案内壁部から径方向の外側に突出するとともに、連結筒部が案内壁部の径方向の外側に配置されているので、操作部材を容器本体の内側に向けてスライド移動させたときに、案内壁部が、連結筒部内(連結筒部と押圧筒部との間)に差し込まれることとなり、本容器および詰め替え容器それぞれの位置をより一層安定させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、詰め替え作業を容易化することができ、かつ、詰め替え時に内容物をこぼしにくく、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替えを行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る詰め替え容器の一実施形態を、
図1から
図4を参照しながら説明する。
本実施形態に係る詰め替え容器1は、本容器3に詰め替える内容物が収容される容器本体11を備えている。容器本体11は有底筒状に形成されている。以下、この容器本体11の横断面の中央を通る直線を容器軸Oといい、この容器軸O方向に沿って容器本体11の口部11a側を上側、容器本体11の底部側を下側という。
詰め替え容器1はさらに、容器本体11の口部11aに装着された栓部材12と、栓部材12に下方(容器軸O方向に沿う容器本体11の内側)に向けてスライド移動可能に装着された操作部材13と、を備えている。
【0015】
栓部材12は、容器本体11の口部11aに装着されるとともに注出口14が形成された装着筒15と、外周縁が注出口14の内周面に破断可能な弱化部16を介して連結され該注出口14を閉塞する閉塞体17と、装着筒15に上方(容器軸O方向に沿う容器本体の外側)に向けて延設され注出口14を径方向の外側から囲む案内壁部18と、を備えている。
【0016】
装着筒15は、容器本体11の口部11aに螺着された雌ねじ筒部21と、雌ねじ筒部21の径方向の内側に配設され容器本体11の口部11a内に嵌合されたシール筒部22と、これらの雌ねじ筒部21およびシール筒部22の各上端同士を連結する環状の頂壁(以下、第1ストッパ部という)23と、を備え、これら21〜23は容器軸Oと同軸に位置している。シール筒部22の径方向の内側が注出口14となっている。
閉塞体17は円板状に形成されている。
案内壁部18は、第1ストッパ部23の内周縁から上方に向けて延設され、容器軸Oと同軸に配設された筒状体となっている。案内壁部18の内径は、注出口14の内径と同等になっている。
ここで、第1ストッパ部23は、案内壁部18から径方向の外側に突出している。また、案内壁部18の上端部には、径方向の外側に向けて第1係合突部18aが全周にわたって突設されている。さらに、案内壁部18の上端部において第1係合突部18aより下方に位置する部分には、径方向の外側に向けて第3係合突部18bが全周にわたって突設されている。なお図示の例では、第1係合突部18aの突出量は、第3係合突部18bの突出量より大きくなっている。
【0017】
操作部材13は、案内壁部18の径方向の外側に配置され本容器3の注入口部3aに連結される連結筒部19と、案内壁部18の径方向の内側に配置され容器軸O方向に延びる押圧筒部20と、を備え、案内壁部18に下方に向けてスライド移動可能に装着されている。
【0018】
連結筒部19は、案内壁部18に下方に向けてスライド移動可能に外挿された本体筒25と、本体筒25の下端部に径方向の外側に向けて突設された環状の第2ストッパ部27と、を備え、容器軸Oと同軸に配設されている。なお、第2ストッパ部27としては、環状に代えて例えば、周方向に間隔をあけて複数配設された板体を採用してもよい。この場合、周方向で隣り合う板体同士の間隔を空気置換孔として用いてもよい。
本体筒25の下端部には、径方向の内側に向けて第2係合突部25aが全周にわたって突設されている。
【0019】
この第2係合突部25aが、案内壁部18の第1係合突部18aに下方から係合することで、操作部材13の栓部材12に対する上方に向けたスライド移動が抑えられている。
また、第2係合突部25aが、案内壁部18の第3係合突部18bに上方から係合することで、操作部材13の栓部材12に対する下方に向けたスライド移動が規制されていて、後述する規制部材37が案内壁部18から離脱された後においても、操作部材13の容器本体11側に向けたスライド移動が抑えられる。なお、案内壁部18に第3係合突部18bを配設するのに代えて、操作部材13が摺動可能な程度に第2係合突部25aが案内壁部18に単に外嵌するだけでもよい。
【0020】
第2ストッパ部27は、本容器3の注入口部3aの開口端縁上に載置可能に形成されるとともに、栓部材12の第1ストッパ部23に上方から対向している。これにより、操作部材13が、栓部材12に対して下方にスライド移動したときに、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接することで、この操作部材13の下方に向けたこれ以上のスライド移動が規制される。
【0021】
本体筒25の外周面、および第2ストッパ部27の上面には、これらの各面に沿って一体に延びるガイド板26が形成されている。ガイド板26は、連結筒部19に周方向に間隔をあけて複数、好ましくは周方向に等間隔をあけて複数形成されている。ガイド板26は、本体筒25の外周面に形成され、径方向の外側に向けて突出し容器軸O方向の全長にわたって延びる縦ガイド部26aと、第2ストッパ部27の上面に形成され、縦ガイド部26aの下端に連なり径方向の外側に向けて延びる横ガイド部26bと、を備えている。縦ガイド部26aの上端部は、下方から上方に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けた突出量が小さくなっている。
【0022】
押圧筒部20は、連結筒部19の径方向の内側に配設され、案内壁部18内に下方に向けてスライド移動自在に挿入されている。押圧筒部20の先端縁は連結筒部19の下端より下方に突出している。押圧筒部20の上端部は、連結筒部19の上端部に容器軸Oと同軸に配設された環状の連結板29を介して連結されている。押圧筒部20の下方を向く先端縁は、全周にわたって弱化部16に上方から対向している。
【0023】
そして本実施形態では、押圧筒部20の先端縁が、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接した状態で、後述する刃部32を弱化部16より下方に位置させる破断部30と、破断部30より上方に位置し、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接した状態で、弱化部16を介した閉塞体17と装着筒15との連結を維持させる逃げ部28と、を備えている。
図示の例では、逃げ部28は、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接した状態で、弱化部16よりも上方に位置する。また、逃げ部28は、押圧筒部20の下部における半周を越える部分が除かれるようにして形成されている。逃げ部28は破断部30よりも周長が長くなっている。なお、逃げ部28および破断部30の各周端同士は、容器軸O方向に沿って延びる接続縁31により接続されている。
【0024】
ここで本実施形態では、押圧筒部20の先端縁と弱化部16との間に刃部32が配設されている。図示の例では、刃部32は押圧筒部20と一体に形成されている。また、刃部32は、押圧筒部20の破断部30に一体に形成されている。
さらに本実施形態では、刃部32は、押圧筒部20の破断部30に沿って連設された複数の刃33、34、35を備えている。これらの刃33〜35の下方に向けた突出量A、B、Cは、
図2に示されるように、破断部30の中央に位置する中央刃33が最も大きく、かつ該中央刃33から外側に離れて位置する刃ほど低くなっている。すなわち、複数の刃33〜35のうち、破断部30における周方向の外側の端部に位置する刃35の前記突出高さCが最も小さく、破断部30における周方向の中央部に位置する中央刃33の前記突出高さAが最も大きく、これらの刃33、35同士の間に位置する刃34の前記突出高さBが、前記突出高さAより小さくかつ前記突出高さCより大きくなっている。なお、刃33〜35は、上方から下方に向かうに従い漸次、周方向および径方向の各大きさが双方ともに小さくなっていて下方に向けて尖っている。なお、刃33〜35は、その縦断面視において、径方向の内側を向く内面が、上方から下方に向かうに従い漸次、径方向の内側から外側に向けて延在し、径方向の外側を向く外面は、容器軸O方向に沿って延在している。
【0025】
ここで本実施形態では、
図1に示されるように、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27との間に、栓部材12の案内壁部18に離脱可能に装着され、操作部材13の下方に向けたスライド移動を規制する規制部材37が配設されている。
図示の例では、規制部材37は、上面視C字状とされ内部に案内壁部18が嵌合される弾性変形可能なCリング部37aと、Cリング部37aにおいて、容器軸O方向に延びる開口部に対して容器軸Oを挟んだ反対側に、径方向の外側に向けて突設されたつまみ板部37bと、を備えている。なお、Cリング部37aの上端は、案内壁部18の第3係合突部18bに下方から近接若しくは当接している。
【0026】
次に、以上のように構成された詰め替え容器1の作用について説明する。
【0027】
まず、
図3に示されるように、操作部材13における連結筒部19の本体筒25を、縦ガイド部26aとともに本容器3の注入口部3a内に挿入し、かつ連結筒部19の第2ストッパ部27を、横ガイド部26bを介して本容器3の注入口部3aの開口端縁上に載置し、連結筒部19と本容器3の注入口部3aとを連結する。また、詰め替え容器1を注出口14が下方を向く倒立姿勢にし、かつ本容器3を注入口部3aが上方を向く正立姿勢にする。
以上より、倒立姿勢の詰め替え容器1が、正立姿勢の本容器3の上方に該本容器3と同軸に位置し、また栓部材12の閉塞体17が、操作部材13の押圧筒部20内を通して本容器3の内部に向けて対向する。
【0028】
この際、詰め替え容器1の注出口14が閉塞体17で閉塞されていることから、詰め替え容器1を倒立姿勢としても、容器本体11内の内容物が注出口14を通して外部に流出することはない。
また、装着筒15の第1ストッパ部23と、操作部材13の第2ストッパ部27と、の間に規制部材37が配設されているので、操作部材13が容器本体11側に向けてスライド移動することが規制されていて、弱化部16が破断されることもない。
さらに、ガイド板26が連結筒部19に周方向に間隔をあけて複数形成されているため、連結筒部19を本容器3の注入口部3aに安定させて連結することができる。
【0029】
次に、規制部材37のつまみ板部37bを摘んで、栓部材12の案内壁部18に対して径方向の外側に引っ張ることで、
図3に示されるように、規制部材37を案内壁部18から離脱させる。この際、案内壁部18の第3係合突部18bが、連結筒部19の第2係合突部25aに容器本体11側から係合するので、規制部材37の離脱後直ちに、操作部材13が容器本体11側に向けてスライド移動することが抑制されている。
なお、案内壁部18から規制部材37を離脱した後に、操作部材13の連結筒部19を本容器3の注入口部3aに連結してもよい。
【0030】
そして、
図4に示すように、詰め替え容器1の容器本体11と本容器3とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させ、操作部材13を、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接するまで、容器本体11の内側に向けてスライド移動させる。
この過程において、案内壁部18が、押圧筒部20と連結筒部19の本体筒25との間に進入し、かつ押圧筒部20の先端部分が容器本体11の口部11a内に進入しながら、押圧筒部20の破断部30が、刃部32を介して弱化部16を押圧して破断させ、注出口14が開放される。
このとき、押圧筒部20は、案内壁部18に液密に摺接しながら容器本体11の内側に向けてスライド移動する。
【0031】
以上より、詰め替え容器1の連結筒部19と本容器3の注入口部3aとが連結され、かつ第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接した状態で、詰め替え容器1の注出口14が開放されて、詰め替え容器1の容器本体11内と本容器3内とが注出口14および押圧筒部20内を通して連通し、容器本体11内の内容物が注入口部3a内に注出されて本容器3内に詰め替えられる。
ここで、連結筒部19にガイド板26が形成されていて、連結筒部19と、本容器3の注入口部3aと、の間に、注入口部3a内と外部とを連通する隙間が設けられているので、容器本体11内の内容物を、本容器3の注入口部3a内に注入しながら、前記隙間を通して、本容器3内の空気が排出されることとなる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態による詰め替え容器1によれば、連結筒部19と本容器3の注入口部3aとを連結した後に、容器本体11と本容器3とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な操作によって内容物を詰め替えることが可能になり、詰め替え作業を容易化することができる。
また、詰め替えに際し、詰め替え容器1の連結筒部19と本容器3の注入口部3aとが連結された状態で詰め替え容器1の注出口14が開放されるので、詰め替え容器1の開封と同時に、注出口14および押圧筒部20内を通して内容物が本容器3内に詰め替えられることとなり、内容物がこぼれるのを抑制することができるとともに、本容器3を倒立姿勢にすることなく詰め替え作業を行うことが可能になり、本容器3内の内容物が残留している場合であっても内容物の詰め替えを行うことができる。
【0033】
また、前述のように詰め替える過程で、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とを互いに当接させておくことにより、本容器3および詰め替え容器1それぞれの位置や姿勢が不安定になるのを抑制することが可能になり、詰め替え作業を容易化すること、並びに詰め替え時に内容物をこぼし難くすることをより一層確実に実現することができる。
さらに、押圧筒部20の先端縁に、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接した状態で、刃部32を弱化部16より容器本体11の内側に位置させて弱化部16を破断させる破断部30のみならず、破断部30より容器軸O方向に沿う容器本体11の外側に位置する逃げ部28を備えているので、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接して弱化部16が破断部30により破断され注出口14が開放されたときにも、弱化部16のうち、逃げ部28と容器軸O方向で対向する部分の少なくとも一部は破断させずに、閉塞体17と装着筒15とを連結したままに維持することが可能になり、閉塞体17が装着筒15から分離されるのを抑制することができる。
なお図示の例では、弱化部16のうち、破断部30と容器軸O方向で対向する部分に対して容器軸Oを径方向に挟む反対側に位置する部分、言い換えると、逃げ部28における周方向の中央部に容器軸O方向で対向する部分が破断されず、閉塞体17と装着筒15とが連結されたままに維持される。
また、押圧筒部20の破断部30における周方向の外端部によって、
図4に示されるように、閉塞体17を、破断部30と対応する第1周方向部分が上方に位置し、かつ逃げ部28と対応する第2周方向部分が下方に位置する傾斜姿勢となるように、該閉塞体17の第1周方向部分を突き上げた状態に維持することが可能になり、開放された注出口14が閉塞体17により閉じられてしまうのを抑制することができる。
【0034】
また、刃部32が備える複数の刃33〜35の弱化部16に向けた突出量が、破断部30の中央に位置する中央刃33が最も大きく、かつ中央刃33から外側に離れて位置する刃ほど低くなっているので、詰め替え容器1における操作部材13を前述のように容器本体11の内側に向けてスライド移動させる過程で、複数の刃33〜35のうち、まず、中央刃33が弱化部16に当接し、その後、この中央刃33より外側に位置する刃34、35が、中央刃33に近くかつ突出量が高い刃から順に弱化部16に当接することとなる。
したがって、刃部32が弱化部16に当接した当初に、複数の刃33〜35のうち中央刃33のみを弱化部16に当接させることにより、弱化部16に破断の起点が確実に生成されることとなり、その後、この中央刃33より外側に位置する刃34、35を、中央刃33に近くかつ突出量が高い刃から順に弱化部16に当接させて順次破断することにより、弱化部16の破断を前述の起点からスムーズに進行させることができる。
以上より、詰め替えに際し、注出口14を抵抗少なく容易に開放することができる。
【0035】
さらに、栓部材12の案内壁部18に規制部材37が装着されているので、例えば、流通段階で詰め替え容器1に不意に加えられた外力、あるいは、詰め替え容器1を倒立姿勢にしたときに作用する容器本体11内の内容物の自重等によって、予期せず、操作部材13が容器本体11の内側に向けてスライド移動して弱化部16が破断されてしまうのを防ぐことができる。
また、操作部材13に形成された第2ストッパ部27が、本容器3の注入口部3aの開口端縁上に載置可能となっているので、詰め替え容器1の連結筒部19を本容器3の注入口部3aに連結して内容物を詰め替えるときに、本容器3および詰め替え容器1それぞれの位置を安定させることができる。
さらに、操作部材13に形成された第2ストッパ部27が、連結筒部19から径方向の外側に向けて突出し、かつ栓部材12に形成された第1ストッパ部23が、案内壁部18から径方向の外側に突出するとともに、連結筒部19が案内壁部18の径方向の外側に配置されているので、操作部材13を容器本体11の内側に向けてスライド移動させたときに、案内壁部18が、連結筒部19内に差し込まれることとなり、本容器3および詰め替え容器1それぞれの位置をより一層安定させることができる。
【0036】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
例えば、前記実施形態では、刃部32が有する複数の刃33〜35の前記突出量A〜Cを、中央刃33から外側に離れて位置する刃ほど低くしたが、これに限らず、全て互いに同等にしてもよいし、中央刃33の前記突出量Aを、中央刃33より外側に位置する他の刃34、35の前記各突出量B、C以下としたり、周方向の一端側から他端側に向かって順次低くなるようにしてもよく、その突出高さの関係は適宜変更してもよい。さらに、刃部が有する刃の数や形状等も前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
また、規制部材37、ガイド板26、第1係合突部18a、第3係合突部18bおよび第2係合突部25aは設けなくてもよい。
さらに前記実施形態では、閉塞体17の外周縁を注出口14の内周面に弱化部16を介して連結したが、これに代えて、閉塞体17の外周縁を案内壁部18の内周面に弱化部16を介して連結してもよい。
【0038】
また、刃部32が押圧筒部20と一体に形成された構成を示したが、
図5、
図6、
図7および
図8に示されるように、刃部38と押圧筒部41とが互いに別体とされた構成を採用してもよい。
図示の例では、刃部38は環状に形成され、その下端開口縁に下方に向けて尖る刃39が全周にわたって複数連設されている。
また、図示の例では、注出口14を閉塞する閉塞体40は円板状に形成されるとともに、その外周部に、容器軸Oと同軸に上方に向けて装着筒40aが突設されている。この装着筒40aと案内壁部18との間に刃部38が径方向に挟み込まれて配設されている。
案内壁部18の下端部には、第4係合突部18cが径方向の内側に向けて突設されており、この第4係合突部18cが刃部38に上方から係合することにより、該刃部38の上方に向けた移動を規制している。
押圧筒部41の破断部42は、周方向の中央から外側に向かうに従い漸次、上方に向い、かつ下方に向けて突の曲線状に形成されている。
【0039】
以上の構成において、まず
図7に示されるように、前記実施形態と同様にして、連結筒部19と本容器3の注入口部3aとを連結し、また、詰め替え容器2を注出口14が下方を向く倒立姿勢にし、かつ本容器3を注入口部3aが上方を向く正立姿勢にし、さらに、規制部材37を案内壁部18から離脱させる。
次に、
図8に示されるように、前記実施形態と同様にして、詰め替え容器2の容器本体11と本容器3とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させると、押圧筒部41の破断部42が、刃部38を介して弱化部16を押圧して破断させ、注出口14が開放されることにより、容器本体11内の内容物が注入口部3a内に注出されて本容器3内に詰め替えられる。
ここで、押圧筒部41の破断部42が、容器本体11側に向けてスライド移動し、弱化部16の破断が進行する過程で、閉塞体40および刃部38が一体に破断部42により突き上げられて容器軸Oに対して傾くことにより、刃部38のうち、破断部42と容器軸O方向で対向する部分に対して容器軸Oを径方向に挟む反対側に位置する部分の外周面、言い換えると、逃げ部43における周方向の中央部に容器軸O方向で対向する部分の外周面と、押圧筒部41の逃げ部43における周方向の中央部と、の間の隙間が拡げられることとなる。したがって、第1ストッパ部23と第2ストッパ部27とが互いに当接した状態で、
図8に示されるように、押圧筒部41の逃げ部43における周方向の中央部が前記隙間に進入することで、この逃げ部43が刃部38に当接することが抑えられる。
以上より、
図5、
図6、
図7および
図8に示される詰め替え容器2においても、前記実施形態と同様の作用効果が奏功されることとなる。
【0040】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。