特許第5945150号(P5945150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945150二つの構成部品、特にヒンジ部材の組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945150
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】二つの構成部品、特にヒンジ部材の組立体
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/00 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
   B22D17/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-96403(P2012-96403)
(22)【出願日】2012年4月20日
(65)【公開番号】特開2012-223821(P2012-223821A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2015年1月27日
(31)【優先権主張番号】10 2011 002 216.3
(32)【優先日】2011年4月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502393822
【氏名又は名称】ジーモンスウエルク,ゲゼルシャフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ニコーラス・リールマン
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−15961(JP,A)
【文献】 特開2001−239961(JP,A)
【文献】 特開2008−138500(JP,A)
【文献】 特開2001−150457(JP,A)
【文献】 特開2004−282504(JP,A)
【文献】 特開2007−271016(JP,A)
【文献】 特開2005−329442(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0061262(US,A1)
【文献】 米国特許第04622716(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの構成部品(1,11)、特にヒンジ部材の組立体であって、少なくとも第一の構成部品(1)がダイキャストにより製造されており、かつ窪み(2)を備えており、この窪みにおいて、第二の構成部品(11)の少なくとも一つの部分(5)が調節可能に案内され、窪み(2)の少なくとも一つの側壁(3)が抜き勾配を備えている組立体において、
前記側壁(3)が抜き勾配に接続した、抜き勾配に比して平坦な面を備えた領域(6)を有しており、そして前記窪み(2)が、前記領域(6)に対向した平坦な反対面(4)を有しており、
第二の構成部品(11)の前記部分(5)が前記領域(6)と第一の構成部品(1)の平坦な反対面(4)の間で案内されていることを特徴とする組立体。
【請求項2】
両構成部品(1,11)の位置を互いに調節する際に、前記部分(5)と前記領域(6)の間の遊びが一定であることを特徴とする請求項1記載の組立体。
【請求項3】
前記領域(6)が側壁(3)の抜き勾配に対して窪み(2)内に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載の組立体。
【請求項4】
平坦領域が(6)が側壁(3)の全面において、少なくとも50%未満、特に少なくとも30%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の組立体。
【請求項5】
前記反対面(4)が側壁の部分であり、この側壁が平坦な前記反対面(4)に加えて抜き勾配を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の組立体。
【請求項6】
前記領域(6)と前記反対面(4)が互いに鏡対象に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
窪み(2)の底面(8)が孔(9)を備えており、この孔内に調節部材(15)がネジ込み可能であり、このようにして両構成部品(1,11)の位置が互いに調節可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の組立体。
【請求項8】
第二の構成部品(11)が第一の構成部品(1)に対して組立体の正面(19)に対して直交する方向に調節可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の組立体。
【請求項9】
第一の構成部品(1)がドアヒンジの固定部分の基体を形成し、第二の構成部品(11)がドアヒンジの固定部分のインサートを形成していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の組立体。
【請求項10】
窪み(2)を備えた構成部品(1)を製造するための方法であって、液状の金属溶融物がダイキャスト金型内に圧入され、前記窪み(2)の少なくとも一つの側壁が、抜き勾配を備える方法において、前記側壁(3)に窪みの方向に平坦面を備えた領域(6)が形成されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの構成部品、特にヒンジ部材の組立体であって、少なくとも第一の構成部品がダイキャストにより製造されており、かつ窪みを備えており、この窪みにおいて、第二の構成部品(11)の少なくとも一つの部分が調節可能に案内され、窪みの少なくとも一つの側壁が抜き勾配を備えている組立体に関する。さらに本発明は、第一の構成部品を製造するための方法に関する。構成部品とは相対して調節可能なドアヒンジの部品である。
【背景技術】
【0002】
ダイキャストは、構成部品のバッチ生産あるいは大量生産のための工業的鋳造方法である。ドアヒンジの製造の分野においても個別の部品は金属ダイキャストにより製造される
。比較的複雑な形状もそれだけの成形工程において形成できることが長所であることが明らかである。
【0003】
特許文献1には一つの基体から成る固定部材を備えたドアヒンジが記載されている。基体の窪み内にはインサートが挿入される。インサートにはドアヒンジの関節部材が位置決めされている。
【0004】
ドアヒンジの基体はダイキャストにより製造できる構成部品である。この目的で、金属溶融物が高圧と高速の下で金型に圧入される。窪みの少なくとも一つの側壁が、抜き勾配があることを特徴とする軽い斜面を有するように金型は構成されている。抜き勾配はモデル形成および金型形成における垂線からのズレである。抜き勾配により、完成したモデルを損傷なく金型から外すことが可能になる。それにより材料のカジリ(Klemmen)あるいはスレ(Fressen)は回避される。その際に、パーティングラインに対して直角になっているモデルの側面すべてが抜き勾配を備えていてもよいかあるいは一つの側面だけが抜き勾配を備えていてもよい。小さい部品の場合、抜き勾配は2%である。
【0005】
本発明に類するような組立体において、第一の構成部品の窪みの少なくとも一つの壁は平坦ではなく傾斜を付されている。これによりその横断面が挿入方向に小さくなる窪みは漏斗状になる。第二の構成部品を窪み内に挿入する際に、傾斜に基づいた側壁に対する挿入される部品の間隔は常に短い。両構成部品の互いの位置を調節する際に、不安定な遊びが生じ、確実な座り具合は保証されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2186979号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、不安定な遊びのない円滑な案内が保証されていて、かつダイキャストで製造された構成部品が問題なく離型可能である状態にあるように、その位置が調節できる二つの構成部品の組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明によれば、抜き勾配を備えた側壁が、平坦面を有する領域を備えており、第二の部品の部分が前記領域と平坦な反対面の間で案内される。この領域はさらに傾斜した側壁に形成されている平坦な案内帯状部分を形成している。抜き勾配を備えた面とは異なり、平坦な面を備えた領域は案内方向に対して平行に延びている。両構成部品の位置を互いに調節する際に、平坦な面を備えた領域に対する第二構成部品の部分の間隔は一定であるので、調節の際に不安定な遊びは全く生じず、従って正確な案内が調節領域全体にわたって保証される。
【0009】
第一の構成部品を製造するために、液状の溶湯物がダイキャスト金型内に圧入される。窪みの少なくとも一つの側壁が抜き勾配を備えるようにダイキャスト金型は形成されている。本発明によれば、この側壁には平坦面を備えた領域が形成される。この領域を別々の加工工程で鋳造サイクル後に形成することは基本的に可能である。しかしながら、この領域がダイキャスト金型内でメス型として形成される。
【0010】
側壁の抜き勾配があるので、第一構成部品はダイキャスト金型から問題なく離型できる。従って側壁は平坦な面を備えた領域も、傾斜した面を備えた領域も有する。平坦な領域により正確な案内がもたらされ、傾斜した領域により問題のない離型が保証される。抜き勾配があるので、材料のカジリあるいはスレは発生せず、抜き勾配があまり大きすぎずに設定されると、以外にも平坦な面を備えた領域にも発生しない。好ましくは案内方向で、平坦な領域は側壁の抜き勾配のほかにも配置されている。第二の構成部品の部分が両構成部品の調節領域全体にわたって平坦な領域により案内されるように平坦領域の高さは選定される。
【0011】
それと共に、平坦な領域が側壁の領域全体の50%未満、特に30%未満であると、問題のない離型も可能になる。平坦な領域は縦長な案内帯状部分として側壁に形成されているのが好ましい。側壁の残りは斜めに形成されている。
【0012】
窪み内に挿入される第二の構成部品の部分は、この部分の側で案内方向に対して平行になっている滑らかで平坦な面を有する。したがって、案内方向に対して平行な第二の構成部品の平坦な滑動部(Eingleiten)が保証される。第一の構成部品の側壁の平坦領域と第二の構成部品の平坦な面は、調節の際に両構成部品の各位置において常に互いに平行になっている。
【0013】
側壁の平坦領域が残りの側壁に対して突出していると特に有利であることがわかる。この場合はずれた部分(Versatz)を備えた突出部である。平坦領域は窪みの内側に突出している材料盛付け部(Materialanhaufung)により形成されている。
【0014】
本発明の一変形において、軽いしまり嵌めによって遊びのない案内が行われる。第二の構成部品は嵌め合い公差でもって第一の構成部品の窪み内に挿入される。このことは、第二の構成部品がそこで窪みよりも大きな幅あるいは大きな直径を有していることを意味する。しまり嵌めにおいて、特に有利な構成によれば、まず初めに調節手段がスピンドル、ネジまたはそのようなものの形態で係合する前に、第二の構成部品が第一に若干の遊びでもって窪み内に挿入されてもよい。調節手段を固定することにより、第二の構成部品はさらに窪み内へ引入れられうる。その際に、第二の構成部品が軽いしまり嵌めの状態で平坦領域と当接状態になると、調節の際に生じる増大する摩擦力は調節部材のおかげで抑えられる。同時に、簡単な固定により手ではできない摺動が可能になる。しかしながら、過度の押し込みは、平坦領域が相当する当接面あるいは側壁の一部にわたってだけ延在していることにより回避できる。記載された機能性を得るために、平坦領域は窪みの上側縁部のから特定の間隔でもって始まり、その際、第二の構成部品が第一の構成部品の側壁の平坦領域と当接状態になる前に、調節部材により第一の構成部品と第二の構成部品の間の接続が生じるように調節部材は選定されている。
【0015】
基本的に、実際的な理由から、あるいは製造公差があるために絶えず、上記のように、無理な押し込みのない移動が可能である軽いプラス公差あるいは軽いマイナス公差がありえる。その際、本発明の範囲においては、余分なミスが全くないこと、あるいは余分な遊びが全くないことが抜き勾配から結果として生じるという長所が明らかになる。
【0016】
窪みは様々な形状を有してもよい。例えば、ダイキャストにより製造された構成部品は円筒形の窪みを備えていてもよい。しかしながら、第一の構成部品が直方体形の窪みを備えていると特に有利であることがわかる。
【0017】
この場合は、直方体形の構成の場合に四つの側壁を有する閉鎖的な窪みである。代替えとしては、窪みがU字状に形成されていてもよいので、窪みは底部と二つの互いに対向している側壁だけから成る。
【0018】
一つの側が開口しており、従って窪みが一つの底部と第三の側壁を介して接続している二つの互いに対向している側壁を有する窪みを備えていることが特に有利であることがわかる。
【0019】
窪みの底部は平らに構成されているのが好ましく、従って平坦な面を備えた領域は底部に対して垂直な向きを有する。
【0020】
本発明によれば、窪みの少なくとも一つの側壁は平坦な面を備えた領域を備えている。平坦な反対面は対向した側壁により形成されるのが好ましい。その際に、対向した側壁全体が平坦な面として、従って抜き勾配なしで形成されていてもよい。本発明の他の変形において、対向した側壁は抜き勾配を備えていてもよい。この場合、対向した側壁も平坦な面を有する領域を備えている。対向した平坦領域により、不安定な遊びのない案内が保証される。その際に、平坦領域が互いに鏡対象に配置され、かつ同じ大きさであると、特に有利であることがわかる。
【0021】
本発明の特に有利な形態において、両構成部品は固定部材または調節部材を用いて互いに解除可能に接続している。この目的で、窪みの底部内には孔が形成されており、この孔内には固定部材あるいは調節部材がネジ込み可能である。調節部材として、ネジあるいは調節スピンドルが使用されるのが好ましい。調節部材を用いて、両構成部品の位置に可変
である。
【0022】
本発明の特に有利な構成において、組立体はドアヒンジにおいて使用される。その際に、組立体はドアヒンジの固定部材を形成することができる。この固定部材を用いて、ドアヒンジはドア扉あるいがドア枠に固定される。固定部材において、構成部品の一方は基体を形成し、他方はインサートを形成する。調節部材を用いて、インサートは挿入方向に沿って調節され、基体とインサートの位置は互いに調節される。
【0023】
本発明の他の特徴と長所は、図に基づいた実施例の詳細な説明ならびに図それ自体から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】組立体の第一の構成部品の斜視図である。
図2】組立体の第二の構成部品の斜視図である。
図3】両構成部品の組立状態の斜視図である。
図4】調節部材が割当てられた孔内にまだ嵌合していない位置における縦方向断面図である。
図5】調節部材が割当てられた孔内に嵌合している位置における縦方向断面図である。
図6】第二の構成部品が第一の構成部品の平坦領域に接触している位置における縦方向断面図である。
図7】第二の構成部品が第一の構成部品内に完全に挿入されている斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0025】
図1には第一の構成部品の斜視図が示してある。第一の構成部品1はダイキャストにより製造されており、かつ窪み2を備えている。鋳型からの離型(Ausformen)を問題なく行えるように、少なくとも一つの側壁3は抜き勾配を備えている。側壁3の傾斜部に、第二の構成部品11の部分5を窪み2内に挿入する際に平坦な案内は全くできない。第二の構成部品11は図2に示してある。部分5と傾斜部の間の遊びは、挿入深さ次第で変わる。したがって、本発明により側壁3は平坦な面を備えた領域6を備えている。部分5は平坦領域6と平坦な反対面4の間で案内される。平坦領域6は材料盛付け部として側壁3に形成されている。直立した反対面4は対向した側壁により形成されている。平坦領域6と反対面4の間隔は挿入深さ全体にわたり一定である。両構成部品1,11の位置を互いに変える際に、遊びは変わらない。従って、正確な案内が保証される。
【0026】
平坦領域6は側壁3に材料盛付け部として形成されている。平坦領域6は抜き勾配を備えた残りの側壁3に対して突出している。部分5を挿入する際に、この平坦領域6の内側には挿入される部分5の側壁3に対する間隔はわずかである。
【0027】
対向する側壁が同様に抜き勾配を有していると、この側壁は同様に直立面を備えた領域を備えている。この場合、さらにこの領域は直立した反対面4を形成している。その際、平坦領域は長手方向軸線10に対して互いに鏡対称に配置されているのが好ましい。さらに対向している領域が同じ大きさであると有利であることがわかる。
【0028】
窪み2の対向している両側壁は側壁7を介して接続している。側壁7の向かい側には窪み2の開口部がある。側壁3において、平坦領域6は案内方向において側壁3の傾斜した領域の隣にあるのが好ましい。平坦領域6は側方開口部の方向に配置されているのが好ましいが、傾斜した領域は側壁7の方向にある。
【0029】
側壁3の平坦領域6は正確な案内が保証されている程度に幅広くなければならない。平坦領域6が幅狭いほど、構成部品1は楽に離型することができる。
【0030】
平坦領域6の高さは調節範囲に左右され、調節範囲内で両方の構成部品1,11を互いに調節しなければならない。全調節範囲内で、第二の構成部品11の部分5を平坦領域6により案内しなければならない。
【0031】
側壁3,4,7は底部8と一緒に第一の構成部品1の窪み2を形成する。底部8は孔9を備えている。孔9は長手方向軸線10上で中心に配置されている。
【0032】
平坦領域6は側壁3の面全体の50%未満、特に30%未満の値であるのが好ましい。従って、材料のカジリあるいはスレのない、構成部品1の離型が保証される。
【0033】
図2は第二の構成部品11を示している。第二の構成部品11は第一の構成部品1に案内されている突出した部分5を備えている。部分5は直方体である。この直方体は三つの平坦な側面を備えており、これらの側面からは、二つの側面12,13が図2に見て取れる。側面13には切欠き部14が形成されており、この切欠き部には調節部材15が配置されている。実施例では、調節部材15として単純なネジが使用される(組込まれる)。部分15の上側16には開口部17が形成されており、この開口部を経由して、調節部材15は例えば六角穴用スパナを使用して回転可能である。
【0034】
図3では、両構成部品1,11を図示した矢印の方向で組立てる。第二の構成部品11の部分5は、第一の構成部品1の窪み2内に案内される。離型のための傾斜部を備えた側壁3にもかかわらず、遊びが変動することのない平坦でかつ正確な案内を保証するために、側壁3は平坦面を備えた領域6を有する。部分5の平坦な側壁13は、窪み2の反対面としての平坦な側壁4により案内される。側面13に対向している、側壁3の平坦な側面は、側壁3の平坦でかつ形成された領域により案内される。
【0035】
実施例において、両構成部品1,11はドアヒンジの固定部品を形成する。ドア扉の狭い側ではフライスによる加工部(Frasung)が形成され、このフライスによる加工部内には固定部品が嵌め込まれ、かつネジを用いて孔18を介して固定される。
【0036】
ダイキャストで製造された第一の構成部品1は、ドアヒンジの固定部品の本体を形成する。第二の構成部品11は本体に配置されるインサートである。第二の構成部品11にはドアヒンジの関節部材が支承されている。インサートは図示した矢印に沿って本体内で調節可能に配置されている。インサートの調節には、インサートを本体に接続する調節部材15が使用される。
【0037】
図4〜6は両構成部品1,11を組立てる際の異なる位置を示している。
【0038】
図4では調節部材15が、すでに孔9内に係合せずに、第一の構成部品1の窪み2内に突出している。第二の構成部品11の部分5の側面は、側壁3の平坦領域とはまだ接触していない。
【0039】
図5に図示した位置において、調節手段としてのネジ15は孔9内に係合している。この位置の場合でも、立方体の部分5の側面は側壁3の平坦領域とはまだ接触していない。
【0040】
図6は、部分5が側壁3の平坦領域6と、反対面4としての対向している側壁の間に案内されている位置を示している。
【0041】
図7は組立てられた姿勢での両構成部材1,11を示している。調節部材15を用いて両構成部材1,11の位置を互いに変えることができる。組立体の正面は、第一の構成部品1の正面20により、かつ第二の構成部品11の正面21により形成される。部分5は平坦領域6と平坦な反対面4の間で組立体の正面に対して直角に案内される。
【0042】
第二の構成部品11の突出した部分5が、第一の構成部品1の窪み2に対して、すなわち平坦面を備えた領域6に対して、一定のしまり代(Ubermas)を有していることが図4および5を相対的に考察したことから見て取れる。第二の構成部品11の部分5をまず確実な遊びでもって調節方向で窪み内に嵌め込むことができるように、窪み2は実用的に形成されている(図4)。その際、部分5が平坦領域6に当接する前に、調節部材15がネジを切った孔9内に係合するように調節部材は形成されている(図5)。さらに調節部材15が回転することにより、部分5は窪み2内へさらに引き入れられ、その際に平坦領域6と当接状態になる。調節部材15により大きな力を加えることができるので、ある程度のカジリはしまり嵌め公差に基づいて克服できる。同時に人手では可能でない高い力の作用の下での遊びのない調節が実施可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7