(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
刈取装置の側面を覆うサイドカバーを備え、メンテナンス用の着脱カバーと、前記着脱カバーの上端側に延長状に配置する固定カバーとによって前記サイドカバーを形成するコンバインにおいて、
前記刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みやすい区域の側面に前記着脱カバーを設けると共に、前記刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みにくい区域の側面に前記固定カバーを設け、
前記刈取装置の側部のうち、操縦座席から離れた側の側部に引起し支持フレームを介してバックミラー支柱を立設させ、前記バックミラー支柱の上下幅中間と前記引起し支持フレーム間にカバーブラケット体を連結し、前記カバーブラケット体に前記固定カバーを締結している、
コンバイン。
前記刈取装置の側面のうち引起装置と穀稈搬送装置の側方に、フック機構を介して、前記着脱カバーをワンタッチ脱着可能に支持すると共に、前記引起装置上端側の引起し横フレーム側方に、締結体を介して、前記固定カバーを固着している、
請求項1に記載のコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の従来技術では、フック機構などにてワンタッチ脱着する着脱カバーが小形に形成されているから、着脱カバーの脱着作業性が向上するが、着脱カバーと固定カバーにて刈取側部を覆うには、締結ボルトを介して固着する固定カバーを大形に形成する必要がある。即ち、着脱カバーが覆う刈取側部の面積が小さくなり、固定カバーが覆う刈取側部の面積が大きくなるから、例えば、引起し搬送中に絡み付いた穀稈などを除去するメンテナンス作業などにおいて、着脱カバーを取外すだけでは、刈取側部の作業空間を充分に確保できない。したがって、脱着作業が面倒な固定カバーも取外して、刈取側部の作業空間を確保する必要がある等の取扱い上の問題がある。
【0005】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したコンバインを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、刈取装置の側面を覆うサイドカバーを備え、メンテナンス用の着脱カバーと、前記着脱カバーの上端側に延長状に配置する固定カバーとによって前記サイドカバーを形成するコンバインにおいて、前記刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みやすい区域の側面に前記着脱カバーを設けると共に、前記刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みにくい区域の側面に前記固定カバーを設け
、前記刈取装置の側部のうち、操縦座席から離れた側の側部に引起し支持フレームを介してバックミラー支柱を立設させ、前記バックミラー支柱の上下幅中間と前記引起し支持フレーム間にカバーブラケット体を連結し、前記カバーブラケット体に前記固定カバーを締結しているものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載したコンバインにおいて、前記刈取装置の側面のうち引起装置と穀稈搬送装置の側方に、フック機構を介して、前記着脱カバーをワンタッチ脱着可能に支持すると共に、前記引起装置上端側の引起し横フレーム側方に、締結体を介して、前記固定カバーを固着したものである。
【0008】
【0009】
請求項
3の発明は、請求項2に記載したコンバインにおいて、前記刈取装置の前方側を照射するライトを備える構造であって、前記引起し横フレームの側方にカバーブラケット体を配置し、前記ライトの取付けボルトを介して、前記カバーブラケット体に前記固定カ
バーを締結したものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、刈取装置の側面を覆うサイドカバーを備え、メンテナンス用の着脱カバーと、前記着脱カバーの上端側に延長状に配置する固定カバーとによって前記サイドカバーを形成するコンバインにおいて、前記刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みやすい区域の側面に前記着脱カバーを設けると共に、前記刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みにくい区域の側面に前記固定カバーを設け
、前記刈取装置の側部のうち、操縦座席から離れた側の側部に引起し支持フレームを介してバックミラー支柱を立設させ、前記バックミラー支柱の上下幅中間と前記引起し支持フレーム間にカバーブラケット体を連結し、前記カバーブラケット体に前記固定カバーを締結しているものであるから、取外し容易な係止手段を介して装着した前記着脱カバーによって、引起し搬送穀稈が絡みやすい区域を覆い、引起し搬送中に絡み付いた穀稈を簡単に除去でき、絡み付いた穀稈の除去作業性などを向上できるものでありながら、ボルトなどの締結手段を介して装着した前記固定カバーによって、引起し搬送穀稈が絡みにくい区域を覆い、前記固定カバー側の剛性を向上できる。従来のサイドカバー構造に比べ、前記着脱カバーまたは前記固定カバーの振動または変形などを低減して、刈取装置の側面を区分けして、機能的に覆うことができる。
また、前記刈取装置の側部のうち、操縦座席から離れた側の側部に引起し支持フレームを介してバックミラー支柱を立設させ、前記バックミラー支柱の上下幅中間と前記引起し支持フレーム間にカバーブラケット体を連結し、前記カバーブラケット体に前記固定カバーを締結したものであるから、前記固定カバーの締結に必要な部品数を低減して低コストに構成できるものでありながら、前記バックミラー支柱の支持によって前記固定カバーの支持強度を容易に確保できると共に、前記固定カバーなどの組立・分解作業性を向上できる。
【0011】
請求項2の発明によると、請求項1に記載したコンバインにおいて、前記刈取装置の側面のうち引起装置と穀稈搬送装置の側方に、フック機構を介して、前記着脱カバーをワンタッチ脱着可能に支持すると共に、前記引起装置上端側の引起し横フレーム側方に、締結体を介して、前記固定カバーを固着したものであるから、穀稈の除去作業などが実行しやすい形状に前記着脱カバーを形成できる。また、前記引起し横フレーム側部の支持フレームなどを利用して、前記固定カバーの締結構造を簡略化できると共に、前記固定カバーまたは前記引起し横フレームなどの支持剛性を向上できる。
【0012】
【0013】
請求項
3の発明によると、請求項2に記載したコンバインにおいて、前記刈取装置の前方側を照射するライトを備える構造であって、前記引起し横フレームの側方にカバーブラケット体を配置し、前記ライトの取付けボルトを介して、前記カバーブラケット体に前記固定カバーを締結したものであるから、前記カバーブラケット体を共用して、前記固定カバーまたはライトの取付け部品数を削減でき、低コストに構成できるものでありながら、前記固定カバーまたはライトの支持剛性を向上できると共に、前記固定カバーを締結するボルト本数の削減により、前記固定カバーなどの組立・分解作業性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願発明に係るコンバインを具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0016】
まず、
図1及び
図2を参照して、コンバインの全体構造について説明する。
図1及び
図2に示す如く、実施形態の4条刈り用コンバインは、左右一対の走行クローラ2(走行部)にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈取る4条刈り用の刈取装置3が単動式の昇降用油圧シリンダ4によって昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7とが横並び状に搭載されている。なお、脱穀装置5が走行機体1の前進方向に向かって左側に配置され、グレンタンク7が走行機体1の前進方向に向かって右側に配置されている。
【0017】
グレンタンク7の後方から上方にかけて、グレンタンク7内の穀粒を機体外部に排出する排出オーガ8が配設されている。排出オーガ8の縦オーガ8aを中心として、グレンタンク8の前部を機体側方へ回動できるように構成されている。グレンタンク7の前方で走行機体1の右側前部には、操縦部10が設けられている。操縦部10には、オペレータが搭乗するステップ11、操縦座席12、操縦レバー13、各種の操作レバーやスイッチ等を備えた操作装置を配置している。操縦座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのエンジン20が配置されている。また、エンジン20の動力を伝えるミッションケース19が走行機体1前部に配置されている。
【0018】
図1に示す如く、走行機体1の下面側には、左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にミッションケース19の走行動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持する。
【0019】
図1及び
図2に示す如く、刈取装置3には、圃場の未刈り穀稈を引起す4条分の穀稈引起装置31と、圃場の未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置32と、穀稈引起装置31からフィードチェン6の前端部(送り始端側)に刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置33とを備えている。穀稈引起装置31によって圃場の未刈り穀稈が引起され、刈刃装置32によって未刈り穀稈の株元が切断され、穀稈搬送装置33によってフィードチェン6の前端部に刈取り穀稈が搬送される。
【0020】
脱穀装置5には、扱室(図示省略)に内設する扱胴51と、扱胴51の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別機構としての揺動選別盤52と、揺動選別盤52に選別風を供給する唐箕ファン53と、扱胴51の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴54と、揺動選別盤52の後部の排塵を機外に排出する排塵ファン61とを備えている。
【0021】
図1及び
図2に示す如く、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン62が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン62に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、または脱穀装置5の後方側に設けた排藁カッタ63にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出される。
【0022】
揺動選別盤52の下方側には、揺動選別盤52にて選別された穀粒(一番選別物)を取出す一番コンベヤ55と、穀粒や藁屑や枝梗付き穀粒等が混合した二番選別物を取出す二番コンベヤ56とが設けられている。なお、走行機体1の進行方向前側から一番コンベヤ55、二番コンベヤ56の順で、走行機体1の上面側に横設されている。
【0023】
揺動選別盤52は、受網60を介して扱胴51の下方に落下した脱穀物を、揺動選別(比重選別)するように構成している。揺動選別盤52から落下した穀粒(一番選別物)は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン53からの選別風によって除去され、一番コンベヤ55に落下する。一番コンベヤ55の終端部には、上方向に延びる一番揚穀筒57が連通接続されている。一番コンベヤ55から取出された穀粒は、一番揚穀筒57内の一番揚穀コンベヤ(図示省略)によってグレンタンク7に搬入され、グレンタンク7の内部に収集される。
【0024】
また、揺動選別(比重選別)と風選別によって、枝梗付き穀粒等の二番選別物(穀粒と藁屑等が混在した再選別用の処理物)を、揺動選別盤52から二番コンベヤ56に落下させるように構成されている。二番コンベヤ56によって取出された二番選別物は、二番還元筒58を介して揺動選別盤52の上面側に戻されて再選別される。また、扱胴51からの脱粒物中の藁屑及び粉塵等は、唐箕ファン53からの選別風と排塵ファン61の吸排塵作用とによって、走行機体1の後部から圃場に向けて排出される。
【0025】
次に、
図4〜
図13を参照しながら、刈取装置3の構造を説明する。
図4〜
図8に示す如く、刈取装置3の刈取フレーム30として、刈取回動支点軸である刈取入力フレーム35と、縦伝動フレーム36と、横伝動フレーム37とを備えている。走行機体1の前部に立設された刈取支持体(図示省略)に刈取入力フレーム35が回動可能に支持される。走行機体1の左右方向に向けて刈取入力フレーム35を延設する。刈取入力フレーム35から前方に向けて縦伝動フレーム36を延設する。縦伝動フレーム36の前端側に横伝動フレーム37を連結する。走行機体1の左右方向に向けて横伝動フレーム37を延設する。
【0026】
縦伝動フレーム36と走行機体1との間に、昇降用油圧シリンダ4が配置される。昇降操作レバー等(図示省略)によって昇降用油圧シリンダ4を作動させることにより、刈取刈取入力フレーム35回りに刈取装置3(縦伝動フレーム36)を回動させ、刈取装置3(刈刃装置32)を任意の高さに昇降するように構成している。
【0027】
図4〜
図8に示す如く、横伝動フレーム37から前方に向けて4条分(刈取り条数分)の分草フレーム38を延長させている。各分草フレーム38の前端側に分草体26がそれぞれ締結されている。横伝動フレーム37の左端側に、引起縦パイプとしての1本の引起入力縦ケース39を前方斜め上向きに延びるように立設している。
【0028】
図7〜
図9に示す如く、引起入力縦ケース39の上端側に、左右方向に延長した引起入力横ケース40の左端部を連結している。また、引起し横フレームとしての引起入力横ケース40の右端部には、引起縦パイプの一例である丸パイプ状の引起縦フレーム50を立設する。引起縦フレーム50の上端側が引起入力横ケース40の右端部に連結されている。引起入力横ケース40は、引起入力縦ケース39と引起縦フレーム50とによって、後述する引起ケース42の上端より上方側で、刈取装置3の左右方向に向けて略水平に横架されている。
【0029】
図7〜
図9に示す如く、引起入力縦ケース39の上端側の高位置(引起入力横ケース40の近傍)に引起変速ケース27が設けられている。引起入力横ケース40には、刈取り条数に合わせた数(本実施形態では4条分の4本)の引起駆動ケース41が、引起入力横ケース40の長手方向(走行機体2の幅方向)に沿って適宜間隔で下向きに並べて設けられている。すなわち、刈取フレーム30としての引起入力縦ケース39と、刈取フレーム30としての引起入力横ケース40と、4条分の引起駆動ケース41とを介して、引起ケース42に引起駆動力が入力されるように構成している。
【0030】
図6に示すように、穀稈引起装置31には、引起機構としての4条分の引起ケース42を備えている。各引起ケース42には、分草体26によって分草された未刈り穀稈を起立させる複数の引起タイン28をそれぞれ備えている。1条分の複数の引起タイン28は、1本のエンドレス状の引起タインチェン(図示省略)に略等間隔に配置されている。引起ケース42は分草体26の後方に配置されている。引起ケース42は上下方向に長く後傾姿勢に設けられている。引起ケース42の上端側は、引起駆動ケース41の下端側に連結されている。分草フレーム38に立設した引起支持フレーム29に引起ケース42の下端側が連結されている。
【0031】
図4〜
図9に示す如く、穀稈搬送装置33は、引起ケース42の後方に配置されている。穀稈搬送装置33は、4条分の引起ケース42から導入された未刈り穀稈の株元側を掻込む4条分のスターホイル43と掻込ベルト44と、刈取り穀稈の株元側を後方に搬送する左右の株元搬送チェン45と、株元搬送チェン45から4条分の刈取り穀稈の株元側を受継ぐ縦搬送チェン46と、縦搬送チェン46の搬送終端部からフィードチェン6の搬送始端部に4条分の刈取り穀稈の株元側を搬送する補助株元搬送チェン48と、株元受継ぎ搬送チェン49を備えている。
【0032】
更に、
図6に示す如く、穀稈搬送装置33は、株元搬送チェン45によって搬送される刈取り穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送タイン機構47を備えている。刈取装置3で刈取った4条分の刈取穀稈の穂先側が、後穂先搬送タイン(図示省略)の送り終端側から、扱胴51を内蔵した脱穀装置5の扱室内に搬送される。
【0033】
図9に示す如く、刈刃装置32を構成する左右二組のバリカン式の刈刃は、分草フレーム38の下方には、刈取装置3の左右幅方向に、横伝動フレーム37に沿わせて設けている。前記刈刃装置32は、4条分のスターホイル43と掻込ベルト44とによって掻込まれた未刈り穀稈の株元を切断する。
【0034】
次に、
図4乃至
図17を参照しながら、刈取装置3の左右側方を覆う左右のサイドカバー81R,81Lの構造について説明する。左右のサイドカバー81R,81Lは、メンテナンス用の左右の着脱カバー82R,82Lと、各着脱カバー82R,82Lの上端側に延長状に配置する左右の固定カバー83R,83Lとによって形成する。刈取装置3の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みやすい下部区域の側面に着脱カバー82R,82Lを設けると共に、刈取装置3の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みにくい上部区域の側面に固定カバー83R,83Lを設けている。
【0035】
図9、
図14に示す如く、刈取装置3の側面のうち引起装置31と穀稈搬送装置33の側方に配置された左右のカバー上部支持フレーム84R,84Lと左右のカバー下部支持フレーム85R,85Lに、フック機構としての上下の可動フック86,87を介して、着脱カバー82R,82Lをワンタッチ脱着可能に支持すると共に、引起装置31上端側の引起入力横ケース40側方に、締結ボルト88を介して、固定カバー83R,83Lを固着している。上下の可動フック86,87は、図示しないバネの弾圧によって、上部支持フレーム84L,84Rと下部支持フレーム85L,85Rに係止維持され、刈取フレーム30に左右の着脱カバー82L,82Rを固着させている。左右の着脱カバー82L,82Rは、その外面の可動フック86,87操作部を操作して、支持フレーム84L,84R,85L,85Rから可動フック86,87を離脱させ、刈取装置3から取り外すように構成している。
【0036】
即ち、刈取装置3の左右側方は、左右の着脱カバー82R,82Lと、左右の固定カバー83R,83Lによって覆われている。左右の着脱カバー82R,82Lの上方に、左右の固定カバー83R,83Lがそれぞれ配置されている。着脱カバー82R,82Lにて刈取装置3における左右側部の下方側が覆われた状態では、着脱カバー82R,82Lの上端縁は、引起入力横ケース40よりも低位置におかれている。刈取装置3における左右側部の上方側(引起入力横ケース40の側方)が、固定カバー83R,83Lにて覆われる。
【0037】
さらに、
図4、
図7、
図9〜
図13を参照して、左の着脱カバー82Lと、左の固定カバー83Lの取付け構造を説明する。
図7、
図10、
図12、
図13に示す如く、操縦座席12から機体左側後方を目視確認するためのバックミラー90と、バックミラー90上端側に支持するバックミラー支柱91を備える。バックミラー支柱91の下端部に下部支柱ブラケット92を一体的に溶接固定する。引起入力縦ケース39の上下幅中間に下部支柱ブラケット92を着脱可能にボルト93締結する。なお、下部支柱ブラケット92に左のカバー上部支持フレーム84Lを溶接固定している。
【0038】
図9、
図11〜
図13に示す如く、引起入力横ケース40の左側端部にベースフレーム94を着脱可能にボルト95締結する。ベースフレーム94に上部支柱ブラケット96をボルト97締結する。バックミラー支柱91の上下幅中間に上部支柱ブラケット96を一体的に溶接固定する。下部支柱ブラケット92と上部支柱ブラケット96を介して、引起入力横ケース40上部の左側方にバックミラー支柱91を立設させ、バックミラー90を所定姿勢に支持するように構成している。
【0039】
また、上部支柱ブラケット96に下側カバーブラケット体98を一体的に溶接固定する。バックミラー支柱91の上下幅中間と、左引起し支持フレームとしての引起入力縦ケース39(引起入力横ケース40)間に、上部支柱ブラケット96を介して、下側カバーブラケット体98を連結する。一方、バックミラー支柱91の上下幅中間のうち、上部支柱ブラケット96よりも上端側に、上側カバーブラケット体99を一体的に溶接固定する。引起入力横ケース40の左側方に、下側カバーブラケット体98と上側カバーブラケット体99を配置する。
【0040】
図7、
図9、
図11〜
図13に示す如く、刈取部3の前方と側方を照らすライトとしての左の前照灯111Lと、機体周辺の人に左右移動方向(コンバイン機体の走行進路)を知らせる方向指示器112を備える。左の前照灯111Lの取付けボルト113を下側カバーブラケット体98に締結する。前照灯111Lの取付け部と下側カバーブラケット体98の間に左の固定カバー83Lを挟持固定する。また、方向指示器112の取付けボルト114にナット115を螺着させる。取付けボルト114とナット115を介して、上
側カバーブラケット体99に方向指示器112を締結する。方向指示器112の取付け部と上側カバーブラケット体99の間に左の固定カバー83Lを挟持固定する。
【0041】
即ち、締結ボルト88と、左の前照灯111Lの取付けボルト113と、方向指示器112の取付けボルト114を介して、下側カバーブラケット体98と上側カバーブラケット体99に、左の固定カバー83Lを締結する。締結ボルト88と、前照灯111Lと、方向指示器112を脱着して、左の固定カバー83Lを脱着するように構成している。換言すると、刈取装置3の側部のうち、操縦座席12から離れた側の側部に引起入力縦ケース39(左引起し支持フレーム)を介してバックミラー支柱91を立設させる。引起入力横ケース40側方の下側カバーブラケット体98と上側カバーブラケット体99を介して、バックミラー支柱91に左の固定カバー83Lを締結ボルト88にて固着している。
【0042】
上記の構成により、左の着脱カバー82Lの面積を縮小して、低コストに形成でき、かつ着脱カバー82Lの着脱操作等の取扱い性を向上できると共に、左の固定カバー83Lの外側面を利用して、左の前照灯111L及び方向指示器112をコンパクトに設置でき、刈取装置3の前側を充分に照明できる。また、刈取フレーム30の一部としてバックミラー支柱91を設けている。ベースフレーム94またはバックミラー支柱91を介して、引起入力縦ケース39または引起入力横ケース40に、左のサイドカバー81L(左の着脱カバー82L、左の固定カバー83L)と、左の前照灯111Lと、方向指示器112とを支持させている。したがって、引起変速ケース27が上端部に配置された引起入力縦ケース39の上端側と引起入力横ケース40の左端側との連結強度が、バックミラー支柱91の連結にて向上されるものでありながら、各カバーブラケット体98,99の支持構造を簡略化でき、かつカバーブラケット体98,99の支持剛性も向上できる。
【0043】
さらに、
図5、
図14〜
図17を参照して、右の着脱カバー82Rと、右の固定カバー83Rの取付け構造を説明する。
図14〜
図17に示す如く、分草フレーム38基端側の分草ブラケット120に引起縦フレーム50の下端側を締結固定する。引起入力横ケース40の右側端部に右側ケースブラケット122をボルト締結する。右側ケースブラケット122に引起縦フレーム50の上端側を溶接固定する。引起縦フレーム50を介して分草フレーム38に引起入力横ケース40の右側端部を支持させる。引起縦フレーム50上端側の上下の支柱側ブラケット125,126にサイドカバー支柱123の上下端部をボルト締結する。引起縦フレーム50に隣接させてサイドカバー支柱123を立設支持させる。
【0044】
また、サイドカバー支柱123の下端部に下部固定カバーブラケット127を溶接固定する。下部固定カバーブラケット127にカバー受けブラケット124を介して右のカバー上部支持フレーム84Rを配置する。カバー支柱123の上端部に上部固定カバーブラケット128を溶接固定する。なお、下の支柱側ブラケット126に下部固定カバーブラケット127をボルト締結している。
【0045】
図5、
図14〜
図17に示す如く、刈取部3の前方と側方を照らすライトとしての右の前照灯111Rを備える。右の固定カバー83Rを挟んで、右の前照灯111Rの取付けボルト131を上部固定カバーブラケット128に締結する。前照灯111Rの取付け部と上部固定カバーブラケット128の間に右の固定カバー83Rを挟持固定する。即ち、締結ボルト88と、右の前照灯111Rの取付けボルト131を介して、上部固定カバーブラケット128に、右の固定カバー83Rを締結する。締結ボルト88と、右の前照灯111Rを脱着して、右の固定カバー83Rを脱着するように構成している。
【0046】
なお、ベースフレーム94に左のゲートカバー軸132を設け、右側ケースブラケット122に軸固定ブラケット133を介して右のゲートカバー軸134を設け、引起入力横
ケース40の前面側を覆うためのゲートカバー135の上端側を、左右のゲートカバー軸132,134に連結させ、左右方向に長い左右のゲートカバー軸132,134回りにゲートカバー135を回動可能に支持するように構成している。また、
図11に示す如く、ベースフレーム94には、引起変速ケース27の変速ギヤを切換えるための変速操作リンク機構136、または未刈り穀稈分草用の左サイドデバイダ137を出入するための分草操作リンク機構138を配置させる支点軸機構139を設けている。さらに、左の固定カバー83Lの外側面に、図示しない車幅灯(コンバイン機体の左側の最外側を知らせるライト)を設置してもよい。
【0047】
図4〜
図9に示す如く、刈取装置3の側面を覆うサイドカバー81L,81Rを備え、メンテナンス用の着脱カバー82L,82Rと、着脱カバー82L,82Rの上端側に延長状に配置する固定カバー83L,83Rとによって、サイドカバー81L,81Rを形成するコンバインにおいて、刈取装置3の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みやすい区域の側面に着脱カバー82L,82Rを設けると共に、刈取装置の側面のうち引起し搬送穀稈が絡みにくい区域の側面に前記固定カバー83L,83Rを設けている。したがって、取外し容易な係止手段を介して装着した着脱カバー82L,82Rによって、引起し搬送穀稈が絡みやすい区域を覆い、引起し搬送中に絡み付いた穀稈を簡単に除去でき、絡み付いた穀稈の除去作業性などを向上できるものでありながら、ボルトなどの締結手段を介して装着した固定カバー83L,83Rによって、引起し搬送穀稈が絡みにくい区域を覆い、固定カバー側の剛性を向上できる。従来のサイドカバー構造に比べ、着脱カバー82L,82Rまたは固定カバー83L,83Rの振動または変形などを低減して、刈取装置3の側面を区分けして、機能的に覆うことができる。
【0048】
図4〜
図9に示す如く、刈取装置3の側面のうち穀稈引起装置31と穀稈搬送装置33の側方に、フック機構としての上下の可動フック86,87を介して、着脱カバー82L,82Rをワンタッチ脱着可能に支持すると共に、穀稈引起装置31上端側の引起し横フレームとしての引起入力横ケース40側方に、締結体としての締結ボルト88を介して、固定カバー83L,83Rを固着している。したがって、穀稈の除去作業などが実行しやすい形状に着脱カバー82L,82Rを形成できる。また、引起入力横ケース40側部の支持フレーム(引起入力縦ケース39)などを利用して、固定カバー83L,83Rの締結構造を簡略化できると共に、固定カバー83L,83Rまたは引起入力横ケース40などの支持剛性を向上できる。
【0049】
図7、
図10〜
図13に示す如く、刈取装置3の側部のうち、操縦座席12から離れた側の側部に、引起し支持フレームとしての引起入力縦ケース39(引起入力横ケース40)を介してバックミラー支柱91を立設させ、バックミラー支柱91の上下幅中間と引起入力縦ケース39(引起入力横ケース40)間に下側カバーブラケット体98と上側カバーブラケット体99を連結し、カバーブラケット体98,99に固定カバー83L,83Rを締結している。したがって、固定カバー83L,83Rの締結に必要な部品数を低減して低コストに構成できるものでありながら、バックミラー支柱91の支持によって固定カバー83L,83Rの支持強度を容易に確保できると共に、固定カバー83L,83Rなどの組立・分解作業性を向上できる。
【0050】
図10〜
図17に示す如く、刈取装置3の前方側を照射するライトとしての左右の前照灯111L,111Rを備える構造であって、引起入力横ケース40(引起し横フレーム)の側方にカバーブラケット体98,99を配置し、前照灯111L,111Rの取付けボルト113,131を介して、カバーブラケット体98,99に固定カバー83L,83Rを締結している。したがって、カバーブラケット体98,99を共用して、固定カバー83L,83Rまたは左右の前照灯111L,111Rの取付け部品数を削減でき、低コストに構成できるものでありながら、固定カバー83L,83Rまたは左右の前照灯1
11L,111Rの支持剛性を向上できると共に、固定カバー83L,83Rを締結するボルト本数の削減により、固定カバー83L,83Rなどの組立・分解作業性を向上できる。