(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性部には、前記第1壁部に対向し且つ前記第1壁部と平行な第1仮想平面内において延在した第1部分と、前記第1仮想平面と前記第1壁部との間にあり且つ前記第2壁部と平行な第2仮想平面内において延在した第2部分とが交互に形成されており、
前記第1部分においては、前記第1仮想平面内において前記第1部分の延在方向と直交する方向への幅が、前記第1仮想平面と直交する方向への厚みよりも大きく、
前記第2部分においては、前記第2仮想平面内において前記第2部分の延在方向と直交する方向への幅が、前記第2仮想平面と直交する方向への厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0019】
図1,2に示すように、コネクタ100は、雌コネクタ1と、雌コネクタ1の下方に配置される基板2及びガイドコネクタ3と、雌コネクタ1に上方から嵌合するスライドコネクタ4とを備えている。ここで、
図2では、
図1に対応させて、(a)にスライドコネクタ4を図示し、(b)に雌コネクタ1を図示し、(c)に基板2及びガイドコネクタ3を図示している。
【0020】
(雌コネクタ1)
図1及び
図2(b)に示すように、雌コネクタ1は、絶縁性の樹脂で形成された雌ハウジング(ハウジング)10と、雌ハウジング10に装着された5つの雌コンタクト(コンタクト)20とを有する。
【0021】
<雌ハウジング>
図1に示すように、雌ハウジング10は、スライドコネクタ4の内部に配置される略直方体状の本体部11と、本体部11の右側に設けられた右壁12Rと、本体部の左側に設けられた左壁12Lとを有している。本体部11には下方向に凹んだ5個の収容室13が左右方向に並んで形成され、収容室13には雌コンタクト20が収容されている。そして、本体部11の後壁14には、各収容室13の中央付近に、上下方向に沿ったスリット14sが形成されている。また、後壁14の外面には、中央付近に突起14a,14bが形成されている。突起14a,14bはスライドコネクタ4の背壁44に係合する(
図1参照)。
【0022】
そして、
図2(b)に示すように、収容室13の下方には下壁(第2被覆部)15が設けられている。下壁15の底面(外面)には、
図2(c)のコンタクト31が挿入される開口(第1開口部)15Aと開口15Aを底面に有する凹部15Bが形成されている。凹部15Bは、開口15Aの周辺において開口15Aに近付くほど雌ハウジング10の内側に位置しているとともに、開口15Aに近付くほど幅が狭まったテーパー形状に形成されている。凹部15Bは、コンタクト31が適正な方向から開口15Aに挿入されるようにガイドする。
【0023】
また、下壁15には開口15Aから雌ハウジング10の内側に向かって貫通孔16が形成されている。貫通孔16の断面はコンタクト31の断面と略同じ円形状となっている。貫通孔16の入口の開口は収容室13の底面に位置し、貫通孔16の出口は開口15Aとなっている。上記構成から、収容室13は、開口15A及び貫通孔16を通じて外部空間と連通している。また、開口15A及び貫通孔16は、雌コンタクト20の第1対向部111pと曲折部126(共に
図3(b)参照)との間の下方に位置している。
【0024】
そして、下壁15において、貫通孔16の隣には挿入孔17が形成されている。挿入孔17は固定壁18により包囲され、挿入孔17には雌コンタクト20の固定部24が挿入されている。
【0025】
[雌コンタクト]
図3(a),(b)に示すように、雌コンタクト20は、略直方体状の角筒部21と、角筒部21の内部に配置された折れ曲がり部22と、角筒部21の外部に配置された弾性部23、固定部24及び実装部25とを有している。固定部24は弾性部23の下方に配置され、実装部25は固定部24の途中から斜め下方向に延在している。雌コンタクト20は、導電性の部材からなり、1枚の金属板を所定の形状に打ち抜いたものを折り曲げて形成されている。なお、金属板を所定の形状に打ち抜いた後、必要に応じてめっき処理等が施される。
【0026】
図2(b)に示すように、雌コンタクト20を雌ハウジング10に装着したとき、角筒部21、折れ曲がり部22及び弾性部23は雌ハウジング10の収容室13の内部に配置され、固定部24は下壁15の挿入孔17に挿入される。また、実装部25は、後壁14のスリット14sを通って収容室13の外部に配置される(
図1参照)。
【0027】
<角筒部>
図3(a)に示すように、角筒部21は、互いに対向する上面及び底面が開口した筒状の部材であり、第1壁部111、第2壁部112、第3壁部113及び第4壁部114の4つの壁部によって略四角筒状に形成されている。第1壁部111は折れ曲がり部22と弾性部23との間に配置され、第1壁部111に対向するように第4壁部114が配置されている。また、第2壁部112及び第3壁部113は、第1壁部111及び第4壁部114に連接し且つ第1壁部111の面方向(
図3(a)に示す左右方向)に互いに対向するように配置されている。
【0028】
図3(a)及び
図4(a)に示すように、互いに対向する第2壁部112及び第3壁部113には、それぞれ、角筒部21の内部に向かって凸となるように屈曲した屈曲部115,116が形成されている。
図4(a)に示すように、屈曲部115と屈曲部116とは互いに近付くように凸状となり、屈曲部115の頂点部115tと屈曲部116の頂点部116tとの間の距離l
tが第2壁部112及び第3壁部113の間の距離L
tより短くなっている(l
t<L
t)。
【0029】
<折れ曲がり部>
図3(b)に示すように、折れ曲がり部22は、第4壁部114の下端から延在し、角筒部21の内部を1周するように屈曲している。折れ曲がり部22では、第4壁部114の下端から下方に向かって凸となるように半円弧状に湾曲した湾曲部120と、湾曲部120から第1壁部111に向かって斜め上方に直進した斜め直線部121と、その後、上方向に直進した垂直部122と、垂直部122から上方に向かって凸となるように半円弧状に湾曲した湾曲部123と、その後、第4壁部114に向かって斜め下方に直進した斜め直線部124と、斜め直線部124から第4壁部114に向かって凸となるように屈曲した屈曲部125とが接続されている。また、斜め直線部121と垂直部122との間には第1壁部111に向かってやや突出するように折れ曲がった曲折部126が形成されている。そして、第1壁部111には、曲折部126に対向する位置に、曲折部126に向かって凸となるように緩やかに突出した第1対向部(第1接触部)111pが形成されている。また、第4壁部114には、屈曲部125に対向する位置に、屈曲部125に向かって凸となるように緩やかに突出した第2対向部(第2接触部)114pが形成されている。屈曲部125及び第2対向部114pは、屈曲部115,116よりも下方に位置している。
【0030】
上記構成から、折れ曲がり部22は前後方向に弾性変位する。したがって、屈曲部125が曲折部126に向かって変位すると(
図3(b)に示す矢印参照)、曲折部126が屈曲部125の変位方向と同じ方向に向かって変位するので(
図3(b)に示す矢印参照)、曲折部126が第1対向部111pに近付く。
【0031】
そして、
図6に示すように、雌コネクタ1にガイドコネクタ3を取り付けるとともに雌コネクタ1にスライドコネクタ4を嵌合すると、角筒部21内の互いに対向する曲折部126と第1対向部111pとの間に下方からガイドコネクタ3のコンタクト31が挿入され(
図6(b)参照)、第2対向部114pと屈曲部125との間に上方からスライドコネクタ4の挿入部材50が挿入される(
図6(c)参照)。
【0032】
ここで、本実施形態では、
図3(b)に示す第1対向部111pと曲折部126との距離l
1がコンタクト31の太さと略同一であり、第2対向部114pと屈曲部125との距離l
2が挿入部材50の太さよりやや小さい。
【0033】
<弾性部>
図3に示すように、弾性部23は、角筒部21と固定部24とを連結する位置に設けられており、第1壁部111に接続されている。弾性部23は、1本の長尺状の金属板を屈曲して形成され、第1壁部111と平行な第1仮想平面P
v1内に配置された第1部分23A
1,23A
2と、第2壁部112と平行な第2仮想平面P
v2内に配置された第2部分23B
1,23B
2とを有している。弾性部23では、第1部分23A
1と第2部分23B
1と第1部分23A
2と第2部分23B
2とが上方から順に配置され、これらの順に接続されている。また、弾性部23の一端は、第2仮想平面P
v2内を水平方向に延びた水平部151により第1壁部111に接続され、他端は第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた水平部152により固定部24に接続されている。
【0034】
ここで、第1仮想平面P
v1とは収容室13の外部において第1壁部111に対向する面であり、第2仮想平面P
v2は収容室13の外部において第2壁部112に対向する面である。
【0035】
第1部分23A
1は、左方向に凸状に突出するような略U字状に形成され、第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた2つの直線部131,132と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部133とを有している。2つの直線部131,132は上下方向に並んで配置され、左端同士が半円弧部133で接続されることにより、全体で略U字状に形成されている。また、第1部分23A
2は、第1部分23A
1と略同様な構成であり、第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた2つの直線部134,135とそれらの間に配置された略半円弧状の円弧部136が接続されることにより全体で略U字状に形成されている。
【0036】
そして、
図4(a),(b)に示すように、第1仮想平面P
v1内において、第1部分23A
1,23A
2の幅w
1(
図4(b)の幅w
1)は厚みt
1(
図4(a)の厚みt
1)よりも大きくなっている(w
1>t
1)。ここで、第1部分23A
1,23A
2の幅w
1とは、第1部分23A
1,23A
2の延在方向と直交する方向への長さであり、厚みt
1とは、第1仮想平面P
v1(第1壁部111)と直交する方向への厚みである。
【0037】
上記構成により、第1部分23A
1,23A
2は上下方向及び前後方向に弾性変位可能となっている(
図3(a)参照)。なお、上下方向とは角筒部21の上端の開口と下端の開口とが対向する方向を示し、前後方向とは第1壁部111及び第4壁部114が対向する方向を示す。
【0038】
また、
図3に示すように、第2部分23B
1は、前方向に凸状に突出するような略U字状に形成され、第2仮想平面P
v2内を水平方向に延びた2つの直線部141,142と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部143とを有している。2つの直線部141,142は上下方向に並んで配置され、前端同士が半円弧部143で接続されることにより、全体で略U字状に形成されている。また、第2部分23B
2は、第2部分23B
1と略同様な構成であり、第2仮想平面P
v2内を水平方向に延びた2つの直線部144,145とそれらの間に配置された略半円弧状の円弧部146が接続されることにより全体で略U字状に形成されている。
【0039】
ここで、
図3(b)及び
図4(a)に示すように、第2仮想平面P
v2内において、第2部分23B
1,23B
2の幅w
2(
図3(b)の幅w
2)は厚みt
2(
図4(a)の厚みt
2)よりも大きい(w
2>t
2)。ここで、第2部分23B
1,23B
2の幅w
2とは、第2部分23B
1,23B
2の延在方向と直交する方向への長さであり、厚みt
2とは、第2仮想平面P
v2と直交する方向への厚みである。
【0040】
上記構成により、
図3に示すように、第2部分23B
1,23B
2は上下方向及び左右方向に弾性変位可能となっている。なお、左右方向とは第2壁部112及び第3壁部113が対向する方向を示す。
【0041】
以上から、弾性部23は上下方向、前後方向及び左右方向の少なくとも3方向に弾性変位する。よって、弾性部23により上記3方向の振動を吸収できる。
【0042】
<固定部>
図3に示すように、固定部24は、水平部152から弾性部23とは反対の下方に向かって延在した略直線状の部材であり、弾性部23の下方に配置されている。固定部24の側部には突起24a,24b,24cが設けられており、突起24a,24b,24cは雌コンタクト20を雌ハウジング10に装着した際に雌ハウジング10に係合する。具体的には、
図2(b)に示すように、固定部24が雌ハウジング10の挿入孔17に挿入されると、突起24a,24b,24cが固定壁18に形成された穴に嵌まる。これにより、固定部24が固定壁18に固定される。
【0043】
<実装部>
図3に示すように、実装部25は、固定部24の途中から後方に向かって斜め下方に延在した延在部26と、その後、後方に向かって水平方向に延びた水平部27とが接続されて構成されている。水平部27は基板2にハンダ接合される(
図1参照)。また、水平部27の底面27Bは、固定部24の底面24Bよりも下方に位置している(
図3(b)参照)。
【0044】
図4(b)は、雌コンタクト20を
図4(a)に示すd方向からみた側面図を示している。
図4に示すように、d方向から雌コンタクト20をみると、角筒部21と弾性部23と固定部24と実装部25とが重なって配置される。また、弾性部23の左右方向長さL
wは第1壁部の左右方向長さLと同一であり(L
w=L)、P方向からみて弾性部23と固定部24と実装部25とは第1壁部の幅Lと同一の範囲内に配置されている。
【0045】
(ガイドコネクタ)
図1及び
図2(c)に示すように、ガイドコネクタ3は、絶縁性の樹脂で形成されたハウジング30と、ハウジング30に装着されたコンタクト31とを有している。コンタクト31は、ピン状の導電性の部材からなり、金属材料で形成されている。コンタクト31は、ハウジング30に形成された貫通孔30aを挿通し、雌コネクタ1に向かって突出している。
【0046】
ハウジング30の上方には、電気回路が実装された基板2が配置されている。基板2には、コンタクト31が挿通する貫通孔2aが形成されている。
【0047】
(スライドコネクタ)
図1および
図2(a)に示すように、スライドコネクタ4は絶縁性の樹脂で形成された略箱状のハウジング40を備えている。また、
図2(a)に示すように、ハウジング40には挿入部材50が装着されている。
【0048】
[ハウジング]
図1に示すように、ハウジング40は、上壁(第1被覆部)41と右壁42と左壁43とを有しており、右壁42と左壁43との間にはハウジング40の背部において背壁44が配置されている。
【0049】
背壁44は、左右方向の略中央に配置された中央壁45と、中央壁45の両側に配置された右背部46及び左背部47とを有しており、中央壁45の上端部と右背部46の上端部及び左背部47の上端部とが接続されることにより一体となっている。また、背壁44は、右背部46が右壁42に接続されるとともに左背部47が左壁43に接続されることにより右壁42及び左壁43に固定されている。上記構成から、背壁44の上端部をハウジング40の内側に向かって押圧すると、背壁44が上下方向に対して傾斜することにより、背壁44の下端部がハウジング40の外側に向かって変位する。
【0050】
ここで、
図2(a)に示すように、背壁44の中央壁45の下端部には、ハウジング40の内側に向かって突出した突出部45aが設けられている。スライドコネクタ4を雌コネクタ1に嵌合したとき、突出部45aが雌ハウジング10の突起14a,14b(
図1及び
図2(b)参照)の下方に配置されることによりスライドコネクタ4が雌コネクタ1にロックされる。そして、嵌合解除するときは、背壁44の上端部をハウジング40の内側に向かって押圧することにより、背壁44の下端部がハウジング40の外側に向かって変位するのでロックを解除できる。
【0051】
図1及び
図5(a)に示すように、上壁41には5つの開口41A,41B,41C,41D,41Eが左右方向に並んで形成されている。開口41A,41B,41C,41D,41Eは、雌コンタクト20の角筒部21の上端の開口(
図3(a)参照)と略同じ大きさに形成され、スライドコネクタ4を雌コネクタ1に嵌合したときに角筒部21の上端の開口の上方に位置する。したがって、コネクタ100を上方からみたとき(コネクタ100の平面視において)、開口41A,41B,41C,41D,41Eから角筒部21の内部におけるコンタクト31と雌コネクタ1(第1対向部111p及び曲折部126)との接触状態を視認できる(
図7(b)参照)。なお、コネクタ100の平面視において、雌コネクタ1の角筒部21、固定部24及び実装部25(
図3参照)は、上壁41の開口41A,41B,41C,41D,41Eが形成されていない部分の下方に配置される。
【0052】
また、
図1及び
図5(a)に示すように、開口41A,41B,41C,41D,41Eの後端部には、それぞれ、開口の後端を塞ぐように左右方向に延びた被覆片45A,45B,45C,45D,45Eが設けられている。被覆片45A,45B,45C,45D,45Eは、上壁41の上面より下方に形成されている(
図1参照)。スライドコネクタ4を雌コネクタ1に嵌合したとき、コネクタ100の平面視において、被覆片45A,45B,45C,45D,45Eは雌コンタクト20の弾性部23の上方に配置される。
【0053】
よって、コネクタ100の平面視において、雌コネクタ1の角筒部21、弾性部23、固定部24及び実装部25は、上壁41によって覆われる。
【0054】
また、
図1及び
図5(c)に示すように、右壁42には上下方向に沿ったスリット42sが形成されている。右壁42がハウジング40の内側に押圧されると、スリット42sにより右壁42には復元力が生じる。また、スリット42sの隣には突起42a,42bが形成されている。突起42a,42bは、雌ハウジング10の右壁12Rの突起に係合する(
図8(c)の突起12r参照)。そして、左壁43にも、右壁42と同様に、スリット及び突起が形成されている(
図5(b)の突起43b参照)。
【0055】
[挿入部材]
図5(b)に示すように、挿入部材50は、ピン状の導電性の部材からなり、金属材料で形成されている。挿入部材50は雌コネクタ1に向かって突出し、下端部には左右方向に膨らんだ膨張部51が形成されている。スライドコネクタ4を雌コネクタ1に嵌合したとき、膨張部51は雌コンタクト20の頂点部115t,116t間に上方から挿入される(
図4(a)参照)。膨張部51の左右方向の長さl
s(
図5(b)の長さl
s)は、
図4(a)に示す頂点部115t,116t間の距離l
tと略同じ長さ又は距離l
tよりもやや小さいので(l
s≦l
t)、膨張部51を頂点部115t,116t間に挿入すると、膨張部51と頂点部115t,116tとが接触する。
【0056】
次に、コネクタ100を組み立てる方法を、
図6〜8を参照しつつ説明する。なお、
図8では、基板2及びガイドコネクタ3を省略している。
【0057】
〈半嵌合〉
まず、
図6(a)及び
図7(a)に示すように、スライドコネクタ4の挿入部材50を雌コネクタ1の開口13Aから収容室13内の半嵌合位置まで挿入する。半嵌合位置は、雌コンタクト20の第2対向部114p及び屈曲部125より上方である。このため、挿入部材50は第2対向部114pと屈曲部125との間に挿入されないが(
図6(a)参照)、挿入部材50の膨張部51が雌コンタクト20の頂点部115tと頂点部116tとの間に挿入されるので(
図7(a)参照)、膨張部51と頂点部115t,116tが接触する。これにより、雌コンタクト20にたまった静電気が挿入部材50へ流れ、ハウジング40へ静電気を逃すことができる。なお、挿入部材50がアース等に接続されていてもよい。また、頂点部115t及び頂点部116tの一方が膨張部51と接触しても雌コンタクト20にたまった静電気を挿入部材50へ流すことができる。
【0058】
ここで、スライドコネクタ4が不適正な方向から雌コネクタ1に嵌められた場合について説明する。
図8(a)に示すように、スライドコネクタ4の左壁43の外面が雌ハウジング10の左壁12Lの上端に接触するようにスライドコネクタ4が雌ハウジング10に嵌合しようとした場合、ハウジング40の左壁43が雌ハウジング10の左壁12Lに接触することにより左壁43がハウジング40の内側に向かって押圧されるとともに左壁43に復元力Fが生じる。その結果、スライドコネクタ4は適正な方向に配置される(
図8(b)参照)。このように、スライドコネクタ4が不適正な方向から雌コネクタ1に嵌められると、右壁42や左壁43が変位することによりスライドコネクタ4が適正な方向に配置されるので、挿入部材50が不適正な方向から雌コネクタ1に接触することを抑止できる。よって、挿入部材50が破損等することを抑止できる。
【0059】
<ガイドコネクタ3の取り付け>
次に、
図6(b)に示すように、ガイドコネクタ3のコンタクト31を雌コネクタ1の開口15Aから収容室13内に挿入する。このとき、コンタクト31を下壁15の凹部15Bの内壁に沿って開口15Aに挿入することにより、コンタクト31を適正な方向に貫通孔16へ挿入することができる。そして、コンタクト31を第1対向部111pと曲折部126との間に挿入し、半嵌合状態の雌コネクタ1及びスライドコネクタ4を基板2上に配置する。コンタクト31と第1対向部111pと曲折部126とが接触することにより、雌コンタクト20とコンタクト31との電気的接続が達成される。なお、第1対向部111pと曲折部126の一方とコンタクト31とが接触しても雌コンタクト20とコンタクト31との電気的接続が達成される。
【0060】
ここで、
図7(b)に示すように、スライドコネクタ4の上端の開口(開口41D等)からコネクタ100の内部をみると、コンタクト31が第1対向部111pと曲折部126に接触しているかを視認できる。コンタクト31が第1対向部111pと曲折部126に接触していない場合は、雌コンタクト20とコンタクト31とが電気的に接続されないため再度コンタクト31を雌コネクタ1内部へ挿入し直す。
【0061】
<完全嵌合>
最後に、スライドコネクタ4の挿入部材50を収容室13内の完全嵌合位置まで挿入し、スライドコネクタ4と雌コネクタ1とを完全嵌合させる。
図6(c)に示すように、挿入部材50を第2対向部114p及び屈曲部125との間に挿入すると、屈曲部125が曲折部126に向かって変位する。これにともなって、折れ曲がり部22が弾性変位することにより、曲折部126がコンタクト31に向かって押圧される。なお、
図7(c)に示すように、挿入部材50の膨張部51と頂点部115t,116tとは非接触状態となる。
【0062】
また、完全嵌合時には、
図6(c)に示すように、スライドコネクタ4の背部の突出部45aが雌ハウジング10の突起14bの下方に配置される。また、
図8(c)に示すように、スライドコネクタ4の右壁42の突起42bが雌ハウジング10の右壁12Rの突起12rの下方に配置され、左壁43の突起43bが左壁12の突起12lの下方に配置される。これにより、スライドコネクタ4が雌コネクタ1にロックされる。
【0063】
以上に述べたように、本実施形態のコネクタ100によると以下の効果を奏する。雌コンタクト20の弾性部23が少なくとも3方向(上下方向、前後方向、左右方向)に弾性変位するので、従来の1方向又は2方向にだけ弾性変位するコネクタよりも様々な方向への振動を吸収することができる。よって、従来のコネクタよりも耐振動性に優れたコネクタ100が得られる。
【0064】
また、弾性部23において第1仮想平面P
V1内に配置された第1部分23A
1,23A
2と第2仮想平面P
V2内に配置された第2部分23B
1,23B
2とを交互に配置するとともに角筒部21と第1仮想平面P
V1との間に第2部分23B
1,23B
2を配置することにより、角筒部21と第1部分23A
1,23A
2との間の空間を有効に利用しつつ弾性部23の全長を長くできるので、コネクタ100の小型化を図りつつ振動吸収力の向上を図ることができる。
【0065】
さらに、帯電した雌コンタクト20とコンタクト31とが接触すると、雌コンタクト20にたまった静電気がコンタクト31を通じて基板に実装された回路に流れるおそれがあるが、本実施形態では、雌コンタクト20とコンタクト31とが接触する前の半嵌合位置において、挿入部材50の膨張部51が雌コンタクト20の頂点部115t,116tに接触するので、雌コンタクト20にたまった静電気を挿入部材50に流し、ハウジング40に逃がすことができる。これにより、その後、雌コンタクト20とコンタクト31とが接触しても静電気が回路へ流れるのを抑止できる。
【0066】
加えて、挿入部材50を第2対向部114p及び屈曲部125との間に挿入し、挿入部材50を第2対向部114p及び屈曲部125との間に挿入すると、屈曲部125が曲折部126に向かって変位す
ることにより、曲折部126がコンタクト31に向かって押圧されるため、曲折部126とコンタクト31との接触性を向上させることができる。よって、雌コネクタ1とガイドコネクタ3との電気的な接続不良を防止できる。
【0067】
また、ハウジング40の上壁41に形成した開口41A,41B,41C,41D,41Eが雌コンタクト20の角筒部21の開口の上方に配置されるので、コネクタ100の平面視において、開口41A,41B,41C,41D,41Eから角筒部21内部におけるコンタクト31と雌コンタクト20(第1対向部111p及び曲折部126)との接触状態を視認できる。これにより、雌コンタクト20とコンタクト31との接続不良を抑止できる。
【0068】
さらに、コネクタ100の平面視において雌コネクタ1の弾性部23が被覆片45A,45B,45C,45D,45Eにより覆われるため、弾性部23の周囲へ異物が侵入することを抑止できる。これにより、弾性部23が変位可能なスペースを維持できるので、振動吸収力の低下を抑止できる。
【0069】
加えて、雌ハウジング10の下壁15の底面に、収容室13に連通する開口15Aとそれに近付くほど雌ハウジング10の内側に位置したテーパー状の凹部15Bが形成されているため、コンタクト31を凹部15Bに沿って開口15Aに挿入することにより、コンタクト31を適正な方向に貫通孔16へ挿入することができる。
【0070】
また、雌コンタクト20において、弾性部23の下方に固定部24を配置することにより、弾性部23で吸収した振動が固定部24へ直接伝わった後、固定壁18へ伝達されるので、実装部25に振動が伝わるのを抑止できる。これにより、実装部25の損傷やハンダの損傷(ハンダクラック)を防ぐことができる。
【0071】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、
図9を参照しつつ説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、雌コンタクト220の弾性部223の構成及び固定部224の突出方向である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0072】
雌コンタクト220の弾性部223は、第1壁部111と平行な第1仮想平面P
v1内に配置された第1部分323A
1,323A
2と、第2壁部112と平行な第2仮想平面P
v2内に配置された第2部分323B
1とを有している。弾性部223では、第1部分323A
1と第2部分323B
1と第1部分323A
2とが上方から順に配置され、これらの順に接続されている。なお、第1部分323A
1と第2部分323B
1とは、第1仮想平面P
v1内で水平方向に延在した水平部353により接続されている。また、弾性部223の一端は、第1仮想平面P
v1内及び第2仮想平面P
v2内に延在し、略90度折れ曲がった折れ曲がり部351により第1壁部111に接続され、他端は第1仮想平面P
v1に垂直な方向(前後方向)に延びた水平部352により固定部224に接続されている。
【0073】
第1部分323A
1,323A
2の幅及び厚みは、第1実施形態の第1部分23A
1,23A
2の幅w
1及び厚みt
1と同じである。また、第2部分323B
1の幅及び厚みも、第1実施形態の第2部分323B
1の幅w
2及び厚みt
2と同じである。
【0074】
第1部分323A
1は、上方向に凸状に突出するような略逆U字状に形成され、第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた2つの直線部331,332と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部333とを有している。2つの直線部331,332は左右方向に並んで配置され、上端同士が半円弧部333で接続されることにより、全体で略逆U字状に形成されている。上記構成から、第1部分323A
1は、左右方向及び前後方向に弾性変位する。
【0075】
また、第1部分323A
2は、左方向に凸状に突出するような略U字状に形成され、第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた2つの直線部334,335と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部336とを有している。2つの直線部334,335は上下方向に並んで配置され、左端同士が半円弧部336で接続されることにより、全体で略U字状に形成されている。上記構成から、第1部分323A
2は、前後方向及び上下方向に弾性変位する。
【0076】
さらに、第2部分323B
1は、前方向に凸状に突出するような略U字状に形成され、第2仮想平面P
v2内を水平方向に延びた2つの直線部341,342と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部343とを有している。2つの直線部341,342は上下方向に並んで配置され、前端同士が半円弧部343で接続されることにより、全体で略U字状に形成されている。上記構成から、第2部分323B
1は、左右方向及び上下方向に弾性変位する。
【0077】
以上から、弾性部223は上下方向、前後方向及び左右方向の少なくとも3方向に弾性変位する。よって、弾性部223により上記3方向の振動を吸収できる。
【0078】
また、固定部224は、弾性部223の下端部から下方に延在し、途中で後方に向かって折れ曲がった後、水平方向に延びた延在部228を備えている。延在部228の上面には雌ハウジングに係合する突起228a,228bが設けられている。
【0079】
また、実装部225は、固定部224の折れ曲がり部から下方に延在した後、後方に向かって折れ曲がり、その後、水平方向に延びた水平部227を備えている。水平部227は基板にハンダ接合される。
【0080】
なお、雌ハウジングの下壁部において固定部224が挿入される挿入孔は、固定部224の突出方向にあわせて水平方向に延在した部分を有している。
【0081】
以上に述べたように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、雌コンタクト220の弾性部223が少なくとも3方向に弾性変位するので、従来の1方向又は2方向にだけ弾性変位するコネクタよりも振動吸収力を向上させることができる。よって、従来のコネクタよりも耐振動性に優れたコネクタが得られる。
【0082】
また、固定部224が、弾性部223と実装部225との間において弾性部223の下方に配置されているため、弾性部223で吸収した振動が固定部224へ直接伝わった後、ハウジングの固定壁へ伝達されるので、実装部225に振動が伝わるのを抑止できる。これにより、実装部225の損傷やハンダの損傷(ハンダクラック)を防ぐことができる。
【0083】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、
図10を参照しつつ説明する。第3実施形態において第1実施形態と異なる点は、雌コンタクト420の弾性部423の構成及び固定部424の突出方向である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0084】
雌コンタクト420の弾性部423は、第1壁部111と平行な第1仮想平面P
v1内に配置された第1部分523A
1,523A
2と、第2壁部112と平行な第2仮想平面P
v2内に配置された第2部分523B
1とを有している。弾性部423では、第1部分523A
1と第2部分523B
1と第1部分523A
2とが上方から順に配置され、これらの順に接続されている。また、弾性部423の一端は湾曲部551により第3壁部113に接続されている。湾曲部551は、第1壁部411の後方に配置され、第3壁部113から後方に向かって凸となるように折れ曲がった後、第2仮想平面P
v2内を緩やかに湾曲している。また、弾性部423の他端は、第1仮想平面P
v1に垂直な方向(前後方向)に延びた水平部552により固定部424に接続されている。
【0085】
第1部分523A
1,523A
2の幅及び厚みは、第1実施形態の第1部分23A
1,23A
2の幅w
1及び厚みt
1と同じである。また、第2部分523B
1の幅及び厚みも、第1実施形態の第2部分23B
1の幅w
2及び厚みt
2と同じである。
【0086】
第1部分523A
1は、左方向に凸状に突出するような略U字状に形成され、第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた2つの直線部531,532と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部533とを有している。2つの直線部531,532は上下方向に並んで配置され、左端同士が半円弧部533で接続されることにより、全体で略U字状に形成されている。また、第1部分523A
2は、第1部分523A
1と略同様な構成であり、第1仮想平面P
v1内を水平方向に延びた2つの直線部534,535とそれらの間に配置された略半円弧状の円弧部536が接続されることにより全体で略U字状に形成されている。上記構成から、第1部分523A
1,523A
2は、前後方向及び上下方向に弾性変位する。
【0087】
さらに、第2部分523B
1は、前方向に凸状に突出するような略U字状に形成され、第2仮想平面P
v2内を水平方向に延びた2つの直線部541,542と、それらの間に配置された略半円弧状の半円弧部543とを有している。2つの直線部541,542は上下方向に並んで配置され、前端同士が半円弧部543で接続されることにより、全体で略U字状に形成されている。上記構成から、第2部分523B
1は、左右方向及び上下方向に弾性変位する。
【0088】
以上から、弾性部423は上下方向、前後方向及び左右方向の少なくとも3方向に弾性変位する。よって、弾性部423により上記3方向の振動を吸収できる。
【0089】
また、固定部424は、弾性部423の下端部から下方に延在し、途中で後方に向かって折れ曲がった後、水平方向に延びた延在部428を備えている。延在部428の上面には雌ハウジングに係合する突起428a,428bが設けられている。
【0090】
また、実装部425は、固定部424の折れ曲がり部から下方に延在した後、後方に向かって折れ曲がり、その後、水平方向に延びた水平部427を備えている。水平部427は基板にハンダ接合される。
【0091】
なお、雌ハウジングの下壁部において固定部424が挿入される挿入孔は、固定部424の突出方向にあわせて水平方向に延在した部分を有している。
【0092】
以上に述べたように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、雌コンタクト420の弾性部423が少なくとも3方向に弾性変位するので、従来の1方向又は2方向にだけ弾性変位するコネクタよりも振動吸収力を向上させることができる。よって、従来のコネクタよりも耐振動性に優れたコネクタが得られる。
【0093】
また、固定部424が、弾性部423と実装部425との間において弾性部423の下方に配置されているため、弾性部423で吸収した振動が固定部424へ直接伝わった後、ハウジングの固定壁へ伝達されるので、実装部425に振動が伝わるのを抑止できる。これにより、実装部425の損傷やハンダの損傷(ハンダクラック)を防ぐことができる。
【0094】
以上、本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0095】
例えば、上述の実施形態では雌コンタクトの弾性部23,223,423において第1部分(第1実施形態では、第1部分23A
1,23A
2)と第2部分(第1実施形態では、第2部分23B
1,23B
2)とを交互に配置したが、第1部分を連続して接続してもよく、また、第2部分を連続して接続してもよい。さらに、上述の第1実施形態では、第2部分を第1仮想平面P
v1と第1壁部との間に配置したが、第2部分を第1仮想平面P
v1に対して第1壁部と反対側に配置してもよい。このように、雌コンタクトの構成は、上述の実施形態に示した構成に限られず変更可能である。
【0096】
また、上述の実施形態では、第1仮想平面P
v1内に2つの第1部分が配置され、第2仮想平面P
v2内に1つ又は2つの第2部分が配置され配置されているが、仮想平面内に配置される第1部分や第2部分の数は変更可能である。例えば、第2実施形態の変形例として、第2仮想平面P
v2内に第2バネ部を配置しなくてもよい。この構成においても、第1仮想平面P
v1内に配置された第1部分523A
1,523A
2により全体で3方向に弾性変位するため、本発明の効果が得られる。
【0097】
さらに、第1部分や第2部分の位置や形状(突出方向、幅、厚み等)は上述の実施形態で示した位置や形状に限られず、変更可能である。例えば、第1実施形態では、雌コンタクト20を上下方向からみたときに第1部分23A
1,23A
2が重なって配置されるが、第1部分23A
1と第1部分23A
2とが重なって配置されなくてもよい。また、第1実施形態では、第1仮想平面P
v1内で延在した第1部分23A
1,23A
2の幅がw
1であり、厚みがt
1であるが、第1部分23A
1と第1部分23A
2とで幅と厚みが異なってもよい。
【0098】
加えて、上述の実施形態の雌コンタクト20,220,420には、挿入部材50と接触する部分として、屈曲部115,116と屈曲部125と第2対向部114pとが形成されているが、屈曲部115,116だけが形成されていてもよい。また、屈曲部125と第2対向部114pだけが形成されていてもよい。例えば、第1実施形態において、雌コンタクト20に、屈曲部115,116を形成せず、屈曲部125と第2対向部114pだけを形成してもよい。この場合、
図6(a)の半嵌合位置を、挿入部材50を屈曲部125と第2対向部114pに接触させる位置とし(これらの間には挿入させない)、完全嵌合時に挿入部材50を屈曲部125と第2対向部114pとの間に挿入するようにしてもよい。上記構成によっても、雌コンタクト20の静電気を挿入部材50へ流すことができる。
【0099】
また、上述の実施形態ではスライドコネクタ4のハウジング40の上壁41に開口41A,41B,41C,41D,41E及び被覆片45A,45B,45C,45D,45Eが形成されているが、開口だけが形成されていてもよく、開口及び被覆片のどちらも形成されていなくてもよい。
【0100】
さらに、上述の実施形態では、雌コンタクト20,220,420において、固定部24,224,424が弾性部23,223,423の下方に配置されているが、固定部が弾性部の横に配置されてもよい。この場合、雌ハウジング10において収容室13の下方に下壁15が設けられていなくてもよい。また、雌コンタクトが固定部を有していなくてもよい。
【0101】
加えて、上述の実施形態では、雌ハウジング10の下壁15の凹部15Bがテーパー状に形成されているが、凹部15Bはテーパー状に形成されていなくてもよい。
【0102】
また、上述の実施形態では、
図4に示すように、d方向から雌コンタクト20をみたとき、弾性部23、固定部24及び実装部25が第1壁部111の左右方向長さLの範囲内にあるが、これらは長さLの範囲外に配置されてもよく、弾性部23の左右方向長さL
wが第1壁部の左右方向長さLより大きくてもよい。また、上述の実施形態では、
図4のd方向から雌コンタクト20をみたとき、弾性部23、固定部24及び実装部25が重なって配置されるが、これらは重なって配置されなくてもよい。
【0103】
さらに、上述の実施形態では、ハウジング40の開口41A,41B,41C,41D,41Eが雌コンタクト20,220,420の角筒部21の上端の開口と略同じ大きさに形成されているが、ハウジング40の開口は角筒部21の開口より小さくてもよい。この場合、ハウジング40の開口が雌コンタクト20,220,420の第1対向部111pと曲折部126との間の上方に配置されるようにハウジングに開口を形成することによって、開口からコンタクト31と雌コンタクト20(第1対向部111p及び曲折部126)との接触状態を確認することができる。よって、本発明と同様な効果が得られる。
【0104】
加えて、上述の第1施形態では、固定部24が弾性部23の下方において下方向に直線状に延在し、上述の第2施形態及び第3実施形態では、固定部224,424が弾性部223,423の下方において水平方向に直線状に延在した水平部227,427を有するが、固定部24は弾性部23の下方において折れ曲がっていてもよく、湾曲していてもよい。上記構成によっても、弾性部で吸収した振動を固定部に直接伝えることができるため、実装部に振動が伝わるのを抑止できる。