特許第5945198号(P5945198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945198
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】建築用シャッター装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20160621BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   E06B9/68 Z
   E06B9/17 W
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-201579(P2012-201579)
(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公開番号】特開2014-55469(P2014-55469A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】長田 貴志
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−301679(JP,A)
【文献】 特開2005−127107(JP,A)
【文献】 特開2010−190018(JP,A)
【文献】 特開2005−16010(JP,A)
【文献】 特開2003−301678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00− 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンが巻装される巻取りドラムを、シャッターケースを構成する左右のブラケットに回転自在に軸支すると共に、前記シャッターケースに、巻取りドラムを回転駆動するための開閉機と、該開閉機の駆動制御をするための制御装置を内装してなる建築用シャッター装置において、前記制御装置内装用ケースの底板面に、少なくとも駆動制御が異常であることを表示するための表示ランプを設け、前記内装用ケース及びシャッターケースの各底面板には、表示ランプを下から視認するための窓が設けられると共に、前記制御装置には、異常の種類を自己診断する異常自己診断手段が設けられ、前記内装用ケース内には、前記異常の種類を表示するための異常種類表示ランプが設けられていることを特徴とする建築用シャッター装置。
【請求項2】
制御装置には、異常履歴を記憶する異常履歴記憶手段が設けられ、内装用ケース内には、異常表示ランプに異常履歴を順次表示する異常履歴表示モードに切換えるための切換えスイッチが設けられていることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッター装置。
【請求項3】
シャッターカーテンの左右両端部をガイドする左右ガイドレールの一方には、開閉機の開閉駆動操作をするための操作スイッチと、開閉機の自動駆動制御と手動駆動制御との切換えをする自動−手動切換えスイッチとが設けられ、表示ランプは、自動駆動制御と手動駆動制御とをそれぞれ表示する自動、手動駆動制御表示ランプであることを特徴とする請求項1または2記載の建築用シャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の開口部に設けられる建築用シャッター装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築用シャッター装置のなかには、可撓性のシート材からなるシャッターカーテンを開口部上方の躯体に設けたシャッターケースに内装される巻取りドラムに巻装する一方、該巻取りドラムをシャッターケースに内装される開閉機に連動連結して、開閉機を正逆駆動することによりシャッターカーテンの開閉作動がなされるように構成したものがあるが、このような建築用シャッター装置に何らかの異常、例えば開放異常や閉鎖異常、障害物検知装置の異常等の異常が発生した場合に、これらの異常を自己診断するようにしたものが知られている(特許文献1、2参照)。
そしてこのような異常が発生した場合、該異常をマグサ部に設けた報知ランプを点灯する等して外部に報知するようにしたものが知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−156921号公報
【特許文献2】特開2007−170132号公報
【特許文献3】特開平11−350856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記異常報知をマグサ部に設けた報知ランプで行うようにする場合、制御部からの配線が必要になるという問題がある。
しかも報知ランプによる報知は点灯という単純なものであるため、どのような異常であるかを即座に判別することが難しという問題があり、これらに本発明が解決せんとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、シャッターカーテンが巻装される巻取りドラムを、シャッターケースを構成する左右のブラケットに回転自在に軸支すると共に、前記シャッターケースに、巻取りドラムを回転駆動するための開閉機と、該開閉機の駆動制御をするための制御装置を内装してなる建築用シャッター装置において、前記制御装置内装用ケースの底板面に、少なくとも駆動制御が異常であることを表示するための表示ランプを設け、前記内装用ケース及びシャッターケースの各底面板には、表示ランプを下から視認するための窓が設けられると共に、前記制御装置には、異常の種類を自己診断する異常自己診断手段が設けられ、前記内装用ケース内には、前記異常の種類を表示するための異常種類表示ランプが設けられていることを特徴とする建築用シャッター装置である。
請求項2の発明は、制御装置には、異常履歴を記憶する異常履歴記憶手段が設けられ、内装用ケース内には、異常表示ランプに異常履歴を順次表示する異常履歴表示モードに切換えるための切換えスイッチが設けられていることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッター装置である。
請求項3の発明は、シャッターカーテンの左右両端部をガイドする左右ガイドレールの一方には、開閉機の開閉駆動操作をするための操作スイッチと、開閉機の自動駆動制御と手動駆動制御との切換えをする自動−手動切換えスイッチとが設けられ、表示ランプは、自動駆動制御と手動駆動制御とをそれぞれ表示する自動、手動駆動制御表示ランプであることを特徴とする請求項1または2記載の建築用シャッター装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、少なくとも駆動制御の異常を、シャッターケースの下からシャッターケース下面を見上げて表示ランプを視認するだけで確認することができるが、少なくとも異常を表示する表示ランプは内装用ケース内に配されるから、長い配線が不要になる。しかも内装用ケース内には、自己診断された異常の種類を表示するための異常種類表示ランプが設けられるため、ここにおいても長い配線が不要になるうえ、メンテナンスする際の利便性に優れ、異常の種類に対応させた迅速な処理をすることができる。
請求項2の発明とすることにより、個々の建築用シャッターの異常発生の傾向等を知ることができてメンテナンス作業の効率アップが図れることになる。
請求項3の発明とすることにより、建築用シャッター装置が自動制御中であるか手動制御中であるかが表示ランブをみることで容易に確認できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】シートシャッター装置の正面図である。
図2】シートシャッター装置の要部拡大正面図である。
図3】シートシャッター装置の要部拡大側面図である。
図4】ガイドレール部の水平断面図である。
図5】シャッターケース部のカバー板を外した状態の駆動ブラケット部側の側面図である。
図6】シャッターケース部の縦断面側面図である。
図7】(A)は制御盤ケースの平面図、(B)は制御盤ケースの正面図である。
図8】(A)は制御盤ケースの側面図、(B)は制御盤ケースの底面図である。
図9】(A)は制御盤ケースのカバー体を外した状態の概略正面図、(B)は制御盤ケースのカバー体を外した状態の縦断面側面図である。
図10】シャッターケースの要部底面図である。
図11】制御回路のブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
つぎに、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物(躯体B)に形成される開口部を開閉して建築物の内外を仕切る高速シートシャッター装置のシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、可撓性を有したシート材からなり、躯体Bに開設される開口部の上部内部側に向けて突出配設されたシャッターケース2に回転自在に内装された巻取りドラム3に巻装されている。そして、巻取りドラム3は、後述するように、シャッターケース2に内装される開閉機4に連動連結されており、巻取りドラム3に巻装されるシャッターカーテン1は、開閉機4の開閉駆動に基づいて巻取りドラム3から巻出されて開口部を閉鎖する全閉姿勢と、巻取りドラム3に巻取られて開口部を開放する全開姿勢とのあいだを姿勢変姿して開口部を開閉するが、このときシャッターカーテン1の左右両側縁部は、開口部の左右方向両側となる躯体Bにそれぞれ固定される左右一対のガイドレール5にそれぞれ移動案内されるように設定されており、これらの基本構成は何れも従来通りとなっている。
【0009】
前記シャッターカーテン1は、左右両側縁部の全長にわたってシート材1aがそれぞれ一体化されており、各シート材1aの左右方向外端縁部には、複数の係止片1bが上下方向に所定間隙を存する状態で設けられている。これら係止片1bは、後述するように、ガイドレール5に抜止め状に嵌合して、上下方向の移動案内を受けるように構成されている。また、シャッターカーテン1下端縁部の左右端部を除く部位には、シート材を折返すことで袋状部1cが形成されており、該袋状部1cにはボトムウエイト1dが内装されている。これによって、シャッターカーテン1の閉鎖作動の過程において、ボトムウエイト1dが錘として作用して閉鎖作動を円滑にするとともに、障害物との当接時にはボトムウエイト1dが緩衝部材として作用して衝撃吸収するように設定されている。
【0010】
また、開口部両側部に設けられる左右一対の長尺状のガイドレール5は、それぞれ開口部の左右両側に位置して上下方向に点在していて躯体Bに固定されるL字形をしたレールブラケット6aと、該レールブラケット6aに対向して角筒形の空間を形成する上下方向に長いレールカバー6bとで形成される第一レール6、該第一レール6の左右方向内方に積層状に設けられる第二レール7と、シャッターカーテン1の両側部に設けられた係止片1bを上下方向移動自在で、かつ、左右方向への抜止めがなされた状態で内嵌する第三レール8とを備えて構成されている。
【0011】
また、第二レール7は床面からシャッターケース2の下端部に至る長さを有した長尺体に形成されており、左右方向内方が開口する断面コ字状に形成されている。これら第一、第二レール6、7は螺着することにより一体化されている。
【0012】
さらに第二レール7の凹溝7a内に、弾性変形可能な樹脂材で構成された第三レール8が設けられているが、前記第三レール8は床面からシャッターケース2の下端部に至る長さを有した長尺体に形成されており、左右方向内方にシャッターカーテン1の係止片1bを嵌合ガイドするガイド片8aが上下方向全長にわたって形成される一方、左右方向外方にボルト9の頭部9aを左右方向抜止め状に嵌合支持するボルト支持片8bが上下方向全長にわたって形成されている。このように構成された第三レール8は、ボルト支持片8bに複数のボルト9の頭部9aを嵌合し、これらボルト9の左右方向外方に向けて突出する各螺子部9bを、第二レール7の溝底片7bに上下方向所定間隙を存して開設された複数の貫通孔7c、および、第一レール6にそれぞれ左右方向移動自在に遊嵌状に貫通し、該第一レール6の溝内に突出する螺子部9bの貫通端部にナット9cを螺合することにより、第二レール7から抜止めされた状態で組込まれている。さらに、第一レール6の蟻溝内に位置するボルト9の螺子部9bであって、第二レール7の溝底片7bとナット9cとのあいだに位置する螺子部9bの外周にはコイル弾機9dが介装されており、該コイル弾機9dの付勢力によりボルト頭部9aが左右方向外方に向けて付勢されるように構成されている。
これによって、第三レール8は、ボルト支持片8bが第二レール7の溝底片7bに弾圧する状態で支持されており、シャッターカーテン1に風圧などによる負荷が作用した場合に、前記負荷が所定の大きさの範囲内であれば、第三レール8がボルト9とともに前後方向に揺動すること、さらには、コイル弾機9dの付勢力に抗して第三レール8がボルト9とともに左右方向内方に変位することに基づいて、係止片1bが第三レール8のガイド片8aから抜出すことなくシャッターカーテン1の変形が許容され、また、シャッターカーテン1に作用する負荷が所定の大きさよりも大きい場合では、ガイド片8aの弾性変形に基づいて係止片1bが第三レール8から抜出して、シャッターカーテン1、第三レール8の保護が図れるように構成されている。
【0013】
さて、本実施の形態のシャッターケース2は、左右のブラケット(側板)10、前面板11、底面板12、天井板13、背面板14、左右カバー板15を用いて構成されているが、前面板11は、上半部が前低後高状に傾斜した傾斜板11aと下半部の垂直板11bとにより構成されている。
【0014】
左右ブラケット10には、巻取りドラム3と一体化された巻取りシャフト3aが軸受3bを介して回転自在に貫通取付け支持されている。
さらに左右ブラケット10には、シャッターカーテン1がシャッターケース2から繰出されるマグサ直上であって、開閉機4の駆動により閉作動しているシャッターカーテンが障害物に当ることに伴いシャッターカーテン1がシャッターケース2内のマグサ直上部位で撓むことによる光軸の遮断で障害物検知をする障害物検知センサ(本実施の形態では投受光器から構成されている)16が設けられている。
そして該設けられた障害物検知センサ16の光軸は、巻取りドラム3に最大限巻装されたシャッターカーテン1の外周よりも外側(外径側)位置を通る設定となっており、開閉機4の駆動により閉作動している際に、ボトムウエイト1dが障害物に当ることに伴いシャッターカーテンがシャッターケース2内のマグサ直上部位で撓むことによる光軸の遮断で障害物検知をするようになっている。
【0015】
駆動側ブラケットとなる一方のブラケット(本実施の形態では右側ブラケット)10には前記開閉機4が取付けられ、該開閉機4から突出する駆動軸4aに取付けられた駆動ギア4bと前記巻取りシャフト3aに取付け固定した従動ギア3cとが無端チエン17を介して連動連結されており、そして開閉機4が正逆駆動することに伴う巻取りドラム3の回動でシャッターカーテン1の開閉作動をするようになっている。
【0016】
前記前面板11の垂直板11bには、開閉機4よりも左右方向中央側(左側ブラケット10側)に位置する状態で左右に長い開閉窓11cが形成されるが、該開閉窓11cは蓋体18によって開閉自在に閉鎖されている。18aは蓋体18を垂直板11bに固定するためのビスである。
【0017】
底面板12の上面には、前記開閉窓11c位置に対応する状態で制御盤ケース19が底面板12の下面側から螺入するビス19aを介して固定されているが、該制御盤ケース19は開閉窓11cと対向する前面と上面とが開口した箱状に形成され、制御盤ケース19の背面板19bには、ブレーカ20と制御装置21とが左右に隣接する状態で配され、開閉窓11c側から螺入するビス20a、21aを介してブレーカ20と制御装置21の基板21gが固定されている。そして制御盤ケース19は、前記開口する前面と上面とがカバー体19eによって覆蓋されるが、該カバー体19eは、前側から螺入するビス19fを介して制御盤ケース19に固定されるようになっており、これによってメンテナンス作業をする際に、制御装置21を開放している開閉窓11cから着脱作業ができるようになっている。
【0018】
制御装置21は、ブレーカ20側半部が高電圧部品が配された高電圧部品配設部21bとなり、開閉機4側半部が低電圧部品が配された低電圧部品配設部21cとなっているが、高電圧部品配設部21bには、基板21gから開閉窓11cに向けて支柱21dが立設され、該支柱21dの前端に高電圧部品配設部21bを覆うための覆い板21eがビス21fを介して固定されており、これによって蓋体18及びカバー体19eを外して開閉窓11c側から低電圧部品配設部21cのメンテナンスや後述する制御切換えあるいは異常確認をするような場合に、作業者が高電圧部品配設部21bに配した高電圧部品に触れることを回避できるように配慮されている。
【0019】
前記低電圧部品配設部21cには、各種の電気、電子部品22の他に、複数個(本実施の形態では3個)のロータリスイッチ23、複数個(本実施の形態では3個)のディップスイッチ24、全点灯したときに数字の「8」を表示できる7セグメントのLED表示器25、端子台26が配設されている。そしてロータリスイッチ23でのスイッチ切換え、ディップスイッチ24のスイッチ切換え、端子台26での配線切換え等によって開閉機4の駆動モードの選択、障害物検知があった場合の障害物回避モードの選択等の各種のモード切換えができるようになっている。
【0020】
前記制御盤ケース19の背面板19bの裏面、つまり巻取りドラム3から繰り出されるシャッターカーテン1と前後方向に対向する背面板19bの面には回生抵抗器27がシャッターケース2内において露出する状態で設けられている。さらに回生抵抗器27は、巻取りドラム3に巻装されているシャッターカーテン1が上方位置に配されており、シャッターカーテン1が開閉作動する際に、巻取りドラム3に巻装されたシャッターカーテン1の上方での回転移動及び巻取りドラム3から繰出されたシャッターカーテン1の後方での上下移動により起風される風に直接晒されることになって積極的な冷却を受けるようになっている。
【0021】
前記制御盤ケース19の底面板19cには、前記ロータリスイッチ23、ディップスイッチ24に隣接する状態で高電圧部品配設部21b側に位置して窓孔19dが穿設されているが、該窓孔19dには三個の異色のLEDランプ28、28a、28bが設けられているが、そのうちの第一のLEDランプ28は後述する異常検知があったときに点灯(点滅点灯あるいは常時点灯、以下同じ)をし、第二のLEDランプ28aは後述する自動制御を選択したときに点灯し、第三のLEDランプ28bは後述する手動制御を選択したときに点灯するように設定されている。そしてこれらLEDランプ28、28a、28bは、シャッターケース底面板12に穿設した覗き窓12aを通してシャッターケース2の下位置から視認できるようになっている。
【0022】
29は左右一方のガイドレール5に設けた開、閉、停の操作スイッチ、30はシャッターカーテンの開閉回数を示す表示器、31はシャッターカーテンの手動−自動切換えスイッチであって、該切換えスイッチ31を自動に切換えると自動制御モードとなり、そして、図示しない近接物検知センサが人や車両等の移動物がシャッター装置に近接したことを検知することに伴い自動的にシャッターカーテン1の開放をし、近接物がシャッター装置を通り過ぎたかいなくなったことの検知に伴いシャッターカーテン1の閉鎖をするがこれらの開閉作動は高速で行われることが通常設定になっている。また切換えスイッチ31を手動に切換えた場合、前記第三のLEDランプ28bが点灯して手動制御モードであることを知らしめ、そして操作スイッチ29の操作に基づいてシャッターカーテン1の開閉制御が実行されるようになっているが、このときのシャッターカーテン1の開閉速度は低速で行われることが通常設定になっている。そしてこれら開閉速度の通常設定は、前述したスイッチ切換えや配線切換えにより自由に設定できるようになっている。
【0023】
前記制御装置21には、マイクロコンピュータを用いて構成される制御部CPUが設けられているが、該制御部CPUには、前述した障害物検知センサ16、ロータリスイッチ23、ディップスイッチ24、端子台26、開閉操作スイッチ29、自動−手動切換えスイッチ31等の各種のスイッチ、センサ類からの入力を受けることに伴い必要な判断をして、開閉機4、LED表示器25、第一〜第三LEDランプ、回数表示器30等に前述したような必要指令を出力するようになっているが、制御部CPUには、前記各種のスイッチ、センサ類等からの信号入力に基づいて異常があるか否かの判断をしその異常が何であるかの自己診断(判断)をする異常判断手段と、その異常履歴を記憶する異常履歴記憶手段が設けられている。
【0024】
そして制御部CPUは、何らかの異常があると判断された場合にその異常の種類を判別し、第一のLEDランプ28に点灯指令を出力すると共に、前記LED表示器25に異常の種類に応じて予め設定される数字を表示するようになっている。このため点灯している第一LEDランプ28を認識したものは、メンテナンス業者に異常が発生していることを知らせ、該知らせを受けたメンテナンス業者は、シャッター装置の設置現場に行き、前面板11に設けた蓋体18およびカバー体19eを取外して開閉窓11cからLED表示器25が表示している数字を確認することでどのような異常であるかの認識ができ、異常に対応したメンテナンスができるようになっている。
【0025】
さらに制御部CPUは、例えばディップスイッチ24の選択切換えにより異常履歴表示モードになるが、該異常履歴表示モードになると、前記LED表示器25に異常履歴を順次表示するよう指令することになるが、履歴表示については、古いものから順の表示と新しいものから順の表示切換えができるようになっている。
【0026】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、開閉機の駆動制御に基づくシャッターカーテン1の作動によって出入り口の開閉がなされるが、この場合において、制御盤ケース19の底面板19cに第一〜第三のLEDランプ28、28a、28bが設けられているが、これらLEDランプ28、28a、28bは、シャッターケース2の下から見上げることで点灯状態を視認することができる。そしてそのうちの第一LEDランプ28は、制御装置21での異常診断により駆動制御に何らかの異常があると診断された場合に、点灯表示をすることになって異常認識が容易となるが、これらLEDランプ28、28a、28bは制御盤ケース19に設けられるため長い配線が不要となる。しかも制御盤ケース19内には、前記自己診断された異常の種類を表示するためのLED表示器25が設けられているため、前記第一LEDランプ28で異常を認識した場合に、メンテナンスのため蓋体18を外して窓11cを開け、さらに制御盤ケース19のカバー体19eを開けると制御装置21が見えることになり、前記異常に対応するメンテナンス作業をすることになるが、制御装置21には異常の種類が制御装置21の低電圧部品配設部21cに配したLED表示器25に数字として表示される。この結果、メンテナンスを行う作業者は、この表示された数字を見て必要な処置を行うことができ、作業性が向上する。
【0027】
しかもこのものでは制御装置21の低電圧部品配設部21cに設けたディップスイッチ24を予め設定されたある状態に切換えることでLED表示器25には異常履歴が順次表示されることになる。この結果、このシャッター装置に固有の異常傾向や次に起きるであろう異常を予想することができ、今後のメンテナンスに役立つことになる。
【0028】
またこのものでは左右ガイドレール5の一方に、開閉機4の自動駆動制御と手動駆動制御とを切換えるための自動−手動切換えスイッチ31が開閉操作スイッチ29が設けられる部位の近傍に設けられているため、これらの切換え操作が簡単に行うことができるうえ、現在の開閉機の駆動制御が自動駆動制御状態か手動駆動制御状態であるかの判別を第二LEDランプ28a、第三LEDランプ28bのどちらかの点灯によって認識することができることになる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、建物の開口部に設けられる建築用シャッター装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 シャッターカーテン
2 シャッターケース
3 巻取りドラム
4 開閉機
5 ガイドレール
11 シャッターケース前面板
12 シャッターケース底面板
12a 窓
19 制御盤ケース
19c 底面板
21 制御装置
24 ディップスイッチ
25 LED表示器
28 第一LEDランプ
28a 第二LEDランプ
28b 第三LEDランプ
29 開閉操作スイッチ
31 自動−手動切換えスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11