(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
蒸気圧縮回路が蒸発器と凝縮器とを有し、さらに、凝縮器の圧力と蒸発器の圧力との差が、蒸気圧縮回路中で熱伝達流体を1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンに代えたときに得られる、同じ運転条件下での、凝縮器の圧力と蒸発器の圧力との差以下である請求項1に記載の方法。
遠心圧縮機が回転速度順応手段を備え、さらに、遠心圧縮機の回転速度が、蒸気圧縮回路中で熱伝達流体を1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンに代えたときに得られる、同じ運転条件下で、遠心圧縮機が有する回転速度以下である請求項1または2に記載の方法。
遠心圧縮機が回転速度順応手段を備え、遠心圧縮機の回転速度が、蒸気圧縮回路中の熱伝達流体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンに代えた時の、同じ運転条件下で遠心圧縮機が有する回転速度以下である請求項8または9に記載の設備。
遠心圧縮機が回転速度順応手段を備え、さらに、同じ運転条件下で、最終蒸気圧縮回路中の遠心圧縮機の回転速度値が、初期蒸気圧縮回路中の遠心圧縮機の回転速度以下である請求項16または17に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明はさらに、上記プロセスを実行するための、熱伝達流体を収容し且つ遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路を用いて液体または物体を冷却または加熱するための設備であって、熱伝達流体が2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンおよび3,3,3−トリフルオロプロペン(およびこれらの混合物)の中から選択される少なくとも2つの化合物である設備において、下記の(1)と(2)を特徴とする設備にも関するものである:
(1)蒸気圧縮回路中で熱伝達流体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンに代えたときに同じ運転条件下で遠心圧縮機が有するマッハ数に対する遠心圧縮機のマッハ数の比が0.97以上かつ1.03以下であり、
(2)遠心圧縮機の圧縮比が、蒸気圧縮回路中で熱伝達流体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンに代えたときの同じ運転条件下での遠心圧縮機の圧縮比以下である。
【0017】
本発明はさらに、既存の熱伝達流体を上記熱伝達流体に代えることに本質がある、蒸気圧縮回路の変換プロセスにも関するものである。このプロセスは下記の(a)と(b):
(a)熱伝達流体としての1,1,1,2−テトラフルオロエタンを収容した、遠心圧縮機を有する初期蒸気圧縮回路を用意し、
(b)1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンを代替熱伝達流体と交換して最終の蒸気圧縮回路を提供する、
を含み、上記代替熱伝達流体は2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラ−フルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンおよび3,3,3−トリフルオロプロペン(およびこれらの混合物)の中から選択される少なくとも2つの化合物を含み、さらに下記の(1)と(2)を特徴とする:
(1)蒸気圧縮回路中で熱伝達流体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンに代えたときに同じ運転条件下で遠心圧縮機が有するマッハ数に対する遠心圧縮機のマッハ数の比が0.97以上かつ1.03以下であり、
(2)遠心圧縮機の圧縮比が、蒸気圧縮回路中で熱伝達流体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンに代えたときの同じ運転条件下での遠心圧縮機の圧縮比以下である。
【0018】
本発明の上記の冷却または加熱設備および上記の蒸気圧縮回路の変換プロセスの冷却または加熱プロセスの一つの実施例では、熱伝達流体(場合によっては代替熱伝達流体)は下記の混合物のいずれかから成るのが好ましい:
(1)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、
(2)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1−ジフルオロエタン、または、
(3)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(4)1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(5)1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(6)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1−ジフルオロエタン、
(7)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、1,1−ジフルオロエタン、または、
(8)2,3,3,3−テトラフルオロプロペと、1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(9)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1−ジフルオロエタンと、3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(10)1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、1,1−ジフルオロエタン、または、
(11)1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、1,1−ジフルオロエタンと、3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0019】
上記の冷却または加熱プロセスおよび冷却または加熱設備の他の実施例では、蒸気圧縮回路が蒸発器と凝縮器とを有し、さらに、凝縮器での圧力と蒸発器での圧力との間の差が、同じ運転条件下で蒸気圧縮回路中の熱伝達流体を1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンで置換したときに得られる凝縮器での圧力と蒸発器での圧力との間の差以下である。
上記の蒸気圧縮回路を変換するプロセスの一つの実施例では、(初期または最終の)蒸気圧縮回路が蒸発器と凝縮器とを有し、さらに、最終蒸気圧縮回路での凝縮器での圧力と蒸発器での圧力との間の差が、同じ運転条件下での初期の蒸気圧縮回路での凝縮器での圧力と蒸発器での圧力との間の差以下である。
【0020】
上記の冷却または加熱プロセスまたは冷却または加熱設備の第1変形例では、遠心圧縮機が回転速度順応手段を備え、さらに、遠心圧縮機の回転速度が、蒸気圧縮回路中の熱伝達流体を1,1,1,2−テトラフルオロエタンで置換したときの同じ運転条件下での遠心圧縮機の回転速度以下である。
【0021】
上記の蒸気圧縮回路の変換プロセスの第1の変形例では、遠心圧縮機が回転速度順応手段を備え、さらに、最終蒸気圧縮回路の遠心圧縮機の回転速度が、同じ運転条件下での初期蒸気圧縮回路の遠心圧縮機の回転速度以下の値である。
【0022】
上記プロセスおよび設備の第1変形例、(可変速度の変形例)では熱伝達流体が好ましくは下記のいずれかから成る:
(1)2%〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜98%の1,1,1,2−テトラ−フルオロエタン、好ましくは5%〜40%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜95%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、特に好ましくは5%〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、70%〜95%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、
(2)50%〜95%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは60%〜95%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜40%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは85%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(3)10%〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、30%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは20%〜60%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、40%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは40%〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(4)20%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、30%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは30%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、40%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは30%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(5)10%〜70%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、30%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは20%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、40%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは35%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、55%〜65%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(6)10%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンは、5%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンへと、5%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは20%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは30%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(7)10%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜80%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜50%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは13%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは25%〜92%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(8)5%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラ−フルオロエタンと、10%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは10%〜60%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、20%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペンへ、または、
(9)10%〜89%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、8%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは35%〜89%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、8%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは50%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、10%〜40%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(10)10%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20%〜87%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは10%〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、45%〜87%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは10%〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜85%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(11)25%〜82%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、15%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは35%〜82%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、15%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、20%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0023】
上記の冷却または加熱プロセス、および、冷却するかまたは加熱設備、および蒸気圧縮回路の変換プロセスの第2の変形例では遠心圧縮機が回転速度順応手段を有しない。
【0024】
上記のプロセスおよび設備の第2の変形例((定速度の変形例)では熱伝達流体が好ましくは下記のいずれかから成る:
(1)2%〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜98%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、好ましくは2%〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、70%〜98%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、特に好ましくは5%〜15%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、85%〜95%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、
(2)50%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜50%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは60%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜40%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは70%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(3)10%〜40%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、70%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは10%〜20%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、80%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(4)20%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、30%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは20%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、40%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは30%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(5)10%〜70%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、30%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペンまで、好ましくは20%から60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、40%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは35%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、50%〜65%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(6)15%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは20%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは35%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15%〜25%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(7)18%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、80%〜5%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜50%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは20%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは30%〜88%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、7%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(8)10%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、15%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、20%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは10%〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、30%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(9)10%〜78%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、20%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは15%〜67%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、30%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは21%〜57%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜9%の1,1−ジフルオロエタンと、40%。〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(10)15%〜60%のl,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20%〜82%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは15%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、35%〜82%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、特に好ましくは20%〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜75%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(11)35%〜77%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、20%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは35%〜72%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、25%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、特に好ましくは40%〜66%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、4%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、30%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0025】
本発明の一つの対象は、熱伝達流体(変換プロセスでは代替熱伝達流体)が好ましくは下記のいずれかから成る、
(a)熱伝達流体を収容し且つ遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路によって流体または物体を冷却または加熱するプロセス、
(b)熱伝達流体を収容し且つ遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路によって流体または物体を冷却または加熱する設備、
(c)熱伝達流体として1,1,1,2−テトラフルオロエタンを収容し且つ遠心圧縮機を有する初期蒸気圧縮回路を用意し、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを代替熱伝達流体で置換して最終蒸気圧縮回路へ変換するプロセス、
にある:
(1)2%〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜98%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、
(2)50%〜95%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(3)10%〜70%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、30%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(4)20%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、30%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(5)10%〜70%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、30%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(6)10%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(7)10%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜80%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜50%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(8)5%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(9)10%〜89%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、8%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(10)10%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20%〜87%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(11)25%〜82%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、15%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0026】
この本発明の特定実施例での熱伝達流体は下記を含む:
(1)2%〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、70%〜98%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、好ましくは5%〜15%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、85%〜95%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、
(2)5%〜40%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜95%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、好ましくは5%〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、70%〜95%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン、または、
(3)60%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜40%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは70%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、20%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、または
(4)60%〜95%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜40%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは85%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(5)10%〜30%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、70%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜20%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、80%〜90%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(6)20%〜60%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、40%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは40%〜50%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(7)30%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、40%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは30%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、50%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(8)20%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、40%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは35%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、50%〜65%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(9)20%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは35%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15%〜25%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(10)20%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは30%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(11)20%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは30%〜88%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、7%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(12)13%〜93%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、2%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは25%〜92%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(13)10%〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、20%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、30%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(14)10%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜60%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、20%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(15)15%〜67%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、30%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは21%〜57%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜9%の1,1−ジフルオロエタンと、40%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(16)35%〜89%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、8%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは50%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、10%〜40%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(17)15%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、35%〜82%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは20%〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜75%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(18)10%〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、45%〜87%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは10%〜30%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、60%〜85%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(19)35%〜72%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、25%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは40%〜66%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、4%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、30%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(20)35%〜82%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、15%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは40%〜75%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、20%〜50%の3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0027】
上記設備の任意の一実施例では、設備が可動式または据付け式の空調設備であり、好ましくは据付け式の空調設備である。
【0028】
本発明のさらに別の対象は、下記(1)〜(3)のいずれかから成る上記プロセスの任意の一つを実行するのに適した、および、上記設備の任意の一つを製作するのに適した組成物にある:
(1)10%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜70%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(2)5%〜90%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、5%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(3)10%〜89%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜20%の1,1−ジフルオロエタンと、8%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0029】
本発明の一実施例の組成物は下記(1)〜(6)のいずれから成る:
(1)20%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜30%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは35%〜80%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜40%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、15%〜25%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(2)20%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜20%の1,1−ジフルオロエタン、好ましくは30%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、10%〜15%の1,1−ジフルオロエタン、または、
(3)10%〜75%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、20%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜65%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、30%〜80%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(4)10%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜60%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、10%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは10%〜60%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜50%の1,1,1,2−テトラフルオロエタンと、20%〜60%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(5)15%〜67%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、30%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは21%〜57%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜9%の1,1−ジフルオロエタンと、40%〜70%の3,3,3−トリフルオロプロペン、または、
(6)35%〜89%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、3%〜15%の1,1−ジフルオロエタンと、8%〜ら50%の3,3,3−トリフルオロプロペン、好ましくは50%〜85%の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンと、5%〜10%の1,1−ジフルオロエタンと、10%〜40%の3,3,3−トリフルオロプロペン。
【0030】
本発明の他の対象は上記組成物と、潤滑剤、安定剤、界面活性剤、トレーサ、蛍光剤、香料、可溶化剤およびこれらの混合物の名から選択される一つ以上の添加剤とから成る伝熱組成物にある。
【0031】
本発明は従来技術の上記欠点を克服することができる。本発明は特に遠心圧縮機を有する蒸気圧縮システム中のHFC−134aを代替するのに適した熱伝達流体を提供する。本発明の熱伝達流体は、遠心圧縮機の運転性能を維持したまま、あるいは、それを改善し、且つHFC−134aと比較して、HFC−134aより低いGWP値を有する。特に、本発明ではコンプレッサまたはコンプレッサ部品を変更する必要がない。
【0032】
これは下記の5つの化合物の中から選択される少なくとも2つの化合物の混合物によって達成できる:
(1)2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HF0−1234yf)、
(2)1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HF0−1234ze)、
(3)1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、
(4)1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、
(5)3,3,3−トリフルオロプロペン(HF0−1243zf)。
【0033】
これらの化合物の配合比率は下記のようになるように選択できる:
(1)遠心圧縮機のマッハ数が、純粋なHFC−134aを用いて運転した時の遠心圧縮機のマッハと同一であり、かつ
(2)遠心圧縮機の圧縮比が、純粋なHFC−134を用いて運転した時の遠心圧縮機の圧縮比以下である。
【0034】
各化合物の配比率をマッハ数および圧縮比の関数として調節することで、蒸気圧縮サイクルの運転性能を純粋なHFC−134aを用いて運転した時と同じに維持できる。
【0035】
本発明の特定実施例ではさらに、下記(1)〜(3)の一つ、好ましくは複数の利点を有することができる:
(1)熱伝達流体を形成する混合物の各化合物の配比率は、凝縮器での圧力と蒸発器での圧力との間の差が、熱伝達流体が純粋なHFC−134aで形成される場合と比較して、熱伝達流体が上記混合物であるときに下がる(または等しくなる)という追加の特徴を有するように調節される。これによって遠心圧縮機の運転性能がさらに改善できる。
(2)本発明組成物を用いることで、他の運転パラメターを同じにした場合、熱伝達流体として純粋なHFC−134aを用いた時と同じ速度で遠心圧縮機を運転できる。本発明組成物は遠心圧縮機が速度順応手段を有する場合に特に有効であり、遠心圧縮機またはその部品を交換する必要がない。
(3)本発明組成物は、他の運転パラメータを同じにして、熱伝達流体として純粋なHFC−134aを用いた時と比較して遠心圧縮機をより低速度で運転することができる。本発明組成物は遠心圧縮機が速度順応手段を有する場合に特に有効であり、遠心圧縮機の回転速度をさげることができ、その磨耗を減らすことができる。
【0036】
本発明の具体例の説明
以下、本発明および非限定的な具体例をさらに詳細する。
【0037】
一般的定義
本明細書に記載の各化合物の配合比率は、特に断らない限り、重量百分率で示される。
【0038】
本発明は先ず第一に、熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路を有する設備と、この設備で実行できる液体または物体を加熱または冷却するためプロセスとを提供する。
【0039】
加熱または冷却される液体または物体は基本的に密閉空間中に収容された空気にすることができる。
【0040】
熱伝達流体を収容した蒸気圧縮回路は少なくとも一つの蒸発器と、遠心圧縮機と、凝縮器および膨張弁と、これらの要素間で熱伝達流体を輸送するラインとを有する。
【0041】
遠心圧縮機の特徴は熱伝達流体を放射状に加速する回転要素を使用する点にあり、少なくとも一つのローターとチャンパー中に収容されたディフューザとを有する。熱伝達流体はローターの中央に供給され、ローターの周辺部へ流れ、加速される。従って、ローター内で静圧が増加し、ディフューザで速度が静圧の増加に変換される。各ローター/ディフューザ組立体がコンプレッサの一段を構成する。遠心圧縮機は1〜12の段階から成り、段数は最終圧力と被処理流体の所望容積とに依存する。
【0042】
圧縮比は熱伝達流体の出口での絶対圧に対するこの流体の入口での絶対圧の比と定義される。
【0043】
大型遠心圧縮機の回転速度は3000〜7000回転数/分の範囲にある。小型遠心圧縮機(またはミニ遠心圧縮機)は一般に40,000〜70,000回転数/分の回転速度で運転され、小型のローター(一般に0.15m以下)を有する。
【0044】
コンプレッサの交換効率を改良し、エネルギーコストを下げる(単段ローターと比較して)ために多段ローターを使用できる。二段システムではローターの最初の段階の出口から第2のローターの入口へ送る。2つのローターは単一の軸に載置できる。各段階の流体の圧縮比は約4対1にすることができる。すなわち、絶対出口圧力は絶対吹込み圧力の約4倍にすることができる。自動車両用二段遠心圧縮機の例では米国特許第US5,065,990号明細書および米国特許第US5,363,674号明細書に記載されている。
【0045】
遠心圧縮機は電動機、ガスタービン(自動車用では例えば車両の排気ガスで駆動)または伝動装置で駆動できる。
【0046】
上記設備は膨張弁をタービンと組み合わせて電気を作ることもできる(ランキンサイクル)。上記設備はさらに、オプションとして熱伝達流体回路と加熱または冷却される流体または物体との間で熱(状態変化有りまたは無し)を伝達するための少なくとも一つの冷却剤回路を有することができる。
【0047】
上記設備は同一または異なる熱伝達流体を収容した2つ(または2つ以上)の蒸気圧縮回路を有することができる。例えば複数の蒸気圧縮回路を連結することができる。
【0048】
蒸気圧縮回路は従来の蒸気圧縮サイクルに従って運転される。このサイクルは比較的低い圧力での熱伝達流体の状態の液相(または液体/気相2相状態)から気相への変化と、比較的高い圧力での気相での流体の圧縮と、比較的高い圧力での熱伝達流体の状態の気相から液相への変化(凝縮)と、圧力の低下とを有し、その後、サイクルを再び始まる。
【0049】
冷却プロセスの場合には、液体または物体からの被冷却熱(直接または冷却剤介した間接的な熱)が、環境温度と比較して相対的に低い温度で、蒸発する時に熱伝達流体によって吸収される。
【0050】
加熱プロセスの場合には、熱伝達流体から熱がその凝縮時に加熱される液体または物体に(直接または冷却剤介して間接的に)環境温度と比較して相対的に高い温度で、与えられる。
【0051】
本発明の冷却または加熱設備は移動式でも据付け式の設備にすることができる。
【0052】
特に、ヒートポンプ設備にすることができる。この場合には加熱される液体または物体(一般に空気であり、必要に応じて一つ以上の製品、物品または機構)は室内にあるか、車両の客室室(移動式設備の場合)に位置している。本発明の一つの好ましい実施例は空気調和設備である。この場合、冷却される液体または物体(一般に空気であり、必要に応じて一つ以上の製品、物品または機構)は室内にあるか、車両の客室室(移動式設備の場合)に位置している。また、冷却設備または冷蔵設備(冷凍設備)でもよい。この場合には、冷却される液体または物体は一般に室内またはコンテナ内にある空気および一つ以上の製品、物品または機構である。
【0053】
「伝熱化合物」、「熱伝達流体」(または冷媒流体)という用語は、蒸発温度および蒸発圧力で蒸発して熱を吸収でき、蒸気圧縮回路中の蒸発温度および蒸発圧力より高い凝縮温度および凝縮圧力で縮合して熱を放出する化合物および流体を意味する。熱伝達流体は1種、2種、3種または3種以上の伝熱化合物から成ることができる。
【0054】
添加剤(これは各用途での伝熱化合物ではないもの)は一般に熱伝達流体に加えられ、蒸気圧縮回路中を循環する「伝熱組成物」となるものである。
【0055】
添加剤は特に潤滑剤、安定剤、界面活性剤、トレーサ、蛍光剤、香料および可溶化剤の中から選択できる。
【0056】
安定剤を使用する場合の好ましい安定剤は伝熱組成物の重量の多くとも5%である。安定剤としては特にニトロメタン、アスコルビン酸、テレフタル酸、アゾール、例えばトルトリアゾールまたはベンゾトリアゾール、フェノール化合物、例えばトコフェロール、ハイドロキノン、t−ブチル・ハイドロキノン、2,6−ジ−tert-ブチル−4−メチルフェノール、エポキシド(アルキル、必要に応じてフッ素化またはパーフッ素化された、または、アルケニルまたは芳香族エポキシド)、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルフェニル・グリシジルエーテル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル、チオールおよびラクトンを挙げることができる。
【0057】
潤滑剤としては特に鉱物起源のオイル、シリコーン油、天然起源のパラフィン系炭水素、ナフテン、合成パラフィン系炭水素、アルキルベンゼン、ポリ−α−オレフィン、ポリアルキレン・グリコール、ポリオール・エステルおよび/またはポリビニールエーテルを使用できる。
【0058】
トレーサ(検出可能物)としては重水素化または非重水素化ハイドロフルオロカーボン、重水素化炭化水素、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化物、沃素化物、アルコール、アルデヒド、ケトン、窒素酸化物およびこれらの組合せを挙げることができる。トレーサは熱伝達流体を形成する伝熱化合物とは異なるものである。
【0059】
可溶化剤としては炭化水素、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレン・エーテル、アミド、ケトン、ニトリル、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルそして、1,1,1−トリフルオロアルカンを挙げることができる。可溶化剤は熱伝達流体を形成する伝熱化合物とは異なる。
【0060】
蛍光剤としてはナフタルイミド、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、アントラセン誘導体、フェナンスレン、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、ナフタキサンテン、フルオレセインおよびこれらの誘導体および組合せを挙げることができる。
【0061】
香料としてはアクリル酸アルキル、アリル・アクリレート、アクリル酸誘導体、アクリル酸エステル、アルキル・エーテル、アルキルエステル、アルキン誘導体、アルデヒド、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、イソチオシアン酸アリル、アルカノン酸、アミン、ノルボルネン誘導体、ノルボルネン誘導体、シクロヘキセン、複素環芳香族化合物、アスカリドール、o−メトオキシ(メチル)フェノールおよびこれらの組合せを挙げることかできる。
【0062】
本発明では地球温暖化ポテンシャル(GWP)は“The scientific assessment of ozone depletion, 2002, a report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project”に器の方法にに従って、酸化炭素および100年の期間に対して定義される。
【0063】
本発明の実行
本発明は、遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路に適した熱伝達流体の製造を可能にする2つのクライテリア(判定基準)の選択をベースにしており、構造の変更無しに、熱伝達流体としての純粋なHFC−134aを使用した時の運転に対して、遠心圧縮機の運転性能を維持(または改善)することができる。
【0064】
本発明の最初の判定基準は「マッハ数」である。このマッハ数はコンプレッサのローターの入口での音速に対するローターの周速度の比に等しい。
【0065】
本発明による第2の判定基準はコンプレッサの「圧縮比」である。この圧縮比は遠心圧縮機の入口での絶対圧に対する出口での絶対圧の比である。
【0066】
熱伝達流体HFC−134aに対して遠心圧縮機の運転性能を維持(または改良)するためには、使用する熱伝達流体を用いて運転した時の遠心圧縮機のマッハ数M2が、熱伝達流体として純粋なHFC−134aを用いて運転される遠心圧縮機の基準マッハ数M1と等しいことが望ましい。より好ましくはM2/M1比が0.97以上かつ1.03以下(好ましくは0.98以上かつ1.02以下、または、0.99以上かつ1.01以下、または、約1)であり、さらに、使用する熱伝達流体を用いて運転した時の遠心圧縮機の圧縮比T2が、熱伝達流体として純粋なHFC−134aを用いて運転した時の遠心圧縮機の基準圧縮比T1以下であることが望ましい。
【0067】
上記2の判定基準に加えて、オプションとしての本発明の第3の判定基準は凝縮器での圧力と蒸発器での圧力との間の差である。本発明の一つの特定実施例では使用する熱伝達流体を用いて運転した時の蒸気圧縮回路の圧力差DP2が、基準熱伝達流体(純粋なHFC−134a)を用いて運転した時の蒸気圧縮回路の圧力差DP1以下であるのが望ましい。
【0068】
同じ運転を保証し、設備の変換を可能にするためには、遠心圧縮機のマッハ数は純粋なHFC−134aで運転した時の遠心圧縮機のマッハ数と実質的に同一でなければならない。他方、一定回転速度で圧縮比を増加させると、同じ温度条件下ではコンプレッサのワーキングパワーが減少する結果となる。同様に、蒸発器と凝縮器との間の圧力差が減少で圧縮に必要なワーキングが減少する。これは凝縮器と蒸発器との間の圧力差および圧縮比の増加で同じ運転温度ではシステムの交換効率が低下することを意味する。
【0069】
上記の各クライテリアでは使用する熱伝達流体と純粋なHFC−134aとの比較を同じ運転条件下で行う。これは蒸気圧縮回路が正確に同じで、遠心圧縮機の構造が正確に同じもので、さらに、蒸発器での温度と凝縮器での温度が両方のケースで同一であるということを意味する。例えば、4℃の温度の蒸発器と37℃の温度の凝縮器で比較できる。
【0070】
本発明の第2の変形例(速度一定の変形例)では遠心圧縮機が変更できない所定速度で運転される。ローターを使用する熱伝達流体および基準流体(純粋なHFC−134a)で同じ速度で回転する。
【0071】
本発明の最初の変形例(速度可変の変形例)では、遠心圧縮機は一定範囲の速度で運転できる。これは電動機と変速装置とを備えた遠心圧縮機で運転する場合である。
【0072】
基準熱伝達流体(純粋なHFC−134a)と所望熱伝達流体との間で運転時のコンプレッサの速度を変えるこの最初の変形例では、0.97〜1.03のM2/M1比と1以下のT2/T1比を得ることが可能な他の熱伝達流体の組成物で以外の組成物で、同じロータ速度でM2/M1比が0.97〜1.03、T2/T1比が1以下にすることができる。換言すれば、この第2変形例では熱伝達流体の範囲を広げることができる。
【0073】
この最初の変形例はさらに、所望熱伝達流体でのローター速度を基準熱伝達流体(純粋なHFC−134a)でのローター速度以下にすることができる点で特に有利である。これによって遠心圧縮機の磨耗を減らすことができる。
【0074】
両方の変形例で、M2/M1およびT2/T1(必要に応じてさらにDP2/DP1)の比は実験または計算および/または数値シミュレーションで決定できる。
【0075】
マッハ数、圧縮比および圧力差は各混合物で同じ運転条件下で計算される。これらの計算は各化合物の対応熱力学モデルを使用して実行される。そのモデル化方法はRK−Soave式をベースにしたものである。モデルの開発は実施例1に記載の実験の測定データに基付いている。
【0076】
HFO−1234yf、HFO−1234ze、HFC−134a、HFC−152aおよびHFO−1243zfの中から選択される少なくとも2つの化合物から成る熱伝達流体は上記の2つ(または3つの)クライテリアを満たし、遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路で純粋なHFC−134aの非常に効果的な代替品を提供する。
【0077】
これら5つの化合物は全て同様な沸点の−30〜−18℃を有する。
【0078】
HFO−1234zeはシス形またはトランス形でよい。本発明で使われるHFO−1234zeは少なくとも80%トランス形であるのが好ましく、好ましくは少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも98%または少なくとも99%がトランス形である。
【0079】
これらの熱伝達流体は上記の化合物の中の2つまたは上記化合物の中の3つまたは上記化合物の中の4つまたは上記化合物の中の5つで構成できる。
【0080】
熱伝達流体はさらに、下記を満たすのが好ましい:
(1)不燃性(ASHRAE34−2007規格の意味、テスト温度は好ましくは100℃でなく60℃)であり、
(2)擬似共仏(quasi-azeotropic)であり、
(3)GWPが低い(特に、熱伝達流体は1250以下、好ましくは1000以下、750以下、500以下、250以下または150以下のGWPを有する)。
【0081】
純粋なHFC−134aを置換するに適した上記熱伝達流体は下記に示す一定速度の遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路に特に適している:
(A)二元熱伝達流体:
(1)HFO−1234y/HFC−134a:2〜50%のHFO−1234yfと、50〜98%のHFC−134a、特に2〜30%のHF0−1234yfと、70〜98%のHFC−134a、特に5〜15%のHFO−1234yfと、85〜95%のHFC−134a、
(2)HFO−1234yf/HFC−152a:50〜90%のHFO−1234yfと、10〜50%のHFC−152a、特に60〜90%のHFO−1234yfと、10〜40%のHFC−152a、特に70〜80%のHFO−1234yfと、20〜30%のHFC−152a、
(3)HFO−1243zf/HFC−134a:30〜90%のHFO−1243zfと、10〜70%のHFC−134a、特に40〜80%のHFO−1243zfと、20〜60%のHFC−134a、特に5〜65%のHF0−1243zfと、35〜50%のHFC−134a、
(4)HFO−1243zf/HFO−1234yf:60〜90%のHFO−1243zfと、10〜40%のHFO−1234yf、特に70〜90%のHFO−1243zfと、10〜30%のHFO−1234yf、特に80〜90%のHFO−1243zfと、10〜20%のHFO−1234yf、
(5)HFO−1243zf/HFO−1234ze:30〜80%のHFO−1243zfと、20〜70%のHF0−1234ze、特に40〜70%のHFO−1243zfと、20〜60%のHFO−1234ze、特に50〜70%のHFO−1243zfと、30〜50%のHFO−1234ze、
【0082】
(B)三元熱伝達流体:
(1)HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−152a:18〜93%のHFO−1234yfと、5〜80%のHFC−134aと、2〜50%のHFC−152a、特に20〜93%のHFO−1234yと、5〜60%のHFC−134aと、2〜30%のHFC−152a、特に30〜88%のHFO−1234yfと、5〜60%のHFC−134aと、7〜20%のHFC−152a、
(2)HFO−1234yf/HFC−134a/HFO−1243zf:10〜80%のHF0−1234yfと、5〜60%のHFC−134aと、15〜80%のHFO−1243zf、特に10〜75%のHFO−1234yfと、5〜60%のHFC−134aと、20〜80%のHFO−1243zf、特に10〜65%のHFO−1234yと、5〜50%のHFC−134aと、30〜80%のHFO−1243zf、
(3)HFO−1234yf/HFC−152a/HFO−1234ze:15〜85%のHFO−1234yfと、5〜30%のHFC−152aと、5〜60%のHFO−1234ze、特に20〜85%のHFO−1234yfと、10〜30%のHFC−152aと、5〜50%のHFO−1234ze、特に35〜80%のHFO−1234yfと、15〜25%のHFC−152aと、5〜40%のHFO−1234ze、
(4)HFO−1234yf/HFC−152a/HFO−1243zf:10〜78%のHF0−1234yfと、3〜15%のHFC−152aと、20〜70%のHFO−1243zf、特に15〜67%のHFO−1234yfと、3〜10%のHFC−152aと、30〜70%のHF0−1243zf、特に21〜57%のHFO−1234yfと、3〜9%のHFC−152aと、40〜70%のHF0−1243zf、
(5)HFC−134a/HFC−152a/HFO−1234ze:20〜82%のHFC−134aと、3〜20%のHFC−152aと、15〜60%のHFO−1234ze、特に35〜82%のHFC−134aと、3〜15%のHFC−152aと、15〜50%のHFO−1234ze、特に60〜75%のHFC−134aと、5〜10%のHFC−152aと、2〜30%のHFO−1234ze、
(6)HFC−152a/HFO−1243zf/HF0−1234ze:3〜15%のHFO−152と、20〜50%のHFO−1243zfと、35〜77%のHFO−1234ze、特に3〜15%のHFO−152aと、25〜50%のHFO−1243zfと、35〜72%のHFO−1234ze、特に4〜10%のHFO−152aと、30〜50%のHFO−1243zfと、40〜66%のHFO−1234ze。
【0083】
速度が可変な遠心圧縮機を有する蒸気圧縮回路での純粋なHFC−134aの代替品として特に適した熱伝達流体、特に純粋なHFC−134aで運転される遠心圧縮機より低速度で運転することができる熱伝達流としては下記をあげることができる:
【0084】
(A)二者熱伝達流体:
(1)HFO−1234yf/HFC−134a:2〜50%のHFO−1234yfと、50〜98%のHFC−134a、特に5〜40%のHFO−1234yfと、60〜95%のHFC−134a、特に5〜30%のHFO−1234yfと、70〜95%のHFC−134a、
(2)HFO−1234yf/HFC−152a:50〜95%のHFO−1234yfと、5〜50%のHFC−152a、特に60〜95%のHFO−1234yfと、5〜40%のHFC−152a、特に85〜90%のHF0−1234yfと、10〜15%のHFC−152a、
(3)HFO−1243zf/HFC−134a:30〜90%のHFO−1243zfと、10〜70%のHFC−134a、特に40〜80%のHFO−1243zfと、20〜60%のHFC−134a、特に50〜65%のHFO−1243zfと、35〜50%のHFC−134a、
(4)HFO−1243zf/HFO−1234yf:30〜90%のHFO−1243zfと、10〜70%のHF0−1234yf、特に40〜80%のHFO−1243zfと、20〜60%のHFO−1234yf、特に50〜60%のHFO−1243zfと、40〜50%のHFO−1234yf、
(5)HFO−1243zf/HFO−1234ze:30〜80%のHFO−1243zfと、20〜70%のHFO−1234ze、特に40〜70%のHFO−1243zfと、30〜60%のHFO−1234ze、特に50〜70%のHFO−1243zfと、30〜50%のHFO−1234ze、
【0085】
(B)三元熱伝達流体:
(1)HFO−1234yf/HFC−134a/HFC−152a:10〜93%のHFO−1234yfと、5〜80%のHFC−134aと、2〜50%のHFC−152a、特に13〜93%のHFO−1234yfと、5〜60%のHFC−134aと、2〜30%のHFC−152a、特に25〜92%のHFO−1234yfと、5〜60%のHFC−134aと、3〜15%のHFC−152a、
(2)HFO−1234yf/HFC−134a/HFO−1243zf:5〜90%のHFO−1234yfと、5〜60%のHFC−134aと、5〜70%のHFO−1243zf、特に10〜85%のHFO−1234yfと、5〜60%のHFO−134aと、10〜70%のHFC−1243zf、特に10〜60%のHFO−1234yfと、5〜50%のHFC−134aと、20〜60%のHF0−1243zf、
(3)HFO−1234yf/HFC−152a/HFO−1234ze:10〜90%のHF0−1234yfと、5〜30%のHFC−152aと、5〜70%のHFO−1234ze、特に20〜85%のHFO−1234yfと、10〜20%のHFC−152aと、5〜60%のHFO−1234ze、特に30〜85%のHFO−1234yfと、10〜15%のHFC−152aと、5〜50%のHFO−1234ze、
(4)HFO−1234yf/HFC−152a/HFO−1243zf:10〜89%のHFO−1234yfと、3〜20%のHFC−152aと、8〜70%のHFO−1243zf、特に35〜89%のHFO−1234yfと、3〜15%のHFC−152aと、8〜50%のHFO−1243zf、特に50〜85%のHFO−1234yfと、5〜10%のHFC−152aと、10〜40%のHFO−1243zf、
(5)HFC−134a/HFC−152a/HFO−1234ze:20〜87%のHFC−134aと、3〜20%のHFC−152aと、10〜60%のHF0−1234ze、特に45〜87%のHFC−134aと、3〜15%のHFC−152aと、10〜40%のHFO−1234ze、特に60〜85%のHFC−134aと、5〜10%のHFC−152aと、10〜30%のHFO−1234ze、
(6)HFC−152a/HFO−1243zf/HFO−1234ze:3〜15%のHFO−152aと、15〜60%のHFO−1243zfと、25〜82%のHFO−1234ze、特に3〜15%のHFO−152aと、15〜50%のHFO−1243zfと、35〜82%のHFO−1234ze、特に5〜10%のHFO−152aと、20〜50%のHFO−1243zfと、40〜75%のHFO−1234ze。
【実施例】
【0086】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
定速で運転される遠心圧縮機
この実施例では蒸発器、凝縮器、一段遠心圧縮機および膨張弁を備えた蒸気圧縮回路を考える。このシステムは0℃の過熱、0℃の亜冷却、蒸発器での熱伝達流体の蒸発温度4℃および凝縮器での熱伝達流体の凝縮温度37℃で運転される。
【0087】
各種熱伝達流体を用いたシステムの運転性能を計算した。そのためにRK−Soave式を用いて比濃度、エンタルピー、エントロピー、音速、温度、圧力および熱を求めた。
【0088】
計算に必要な各純粋物質に関するデータは沸点、臨界温度および圧力、温度を関数とする沸点から臨界点までの圧力曲線、温度を関数とする飽和液体および飽和気体の密度、各純粋物質のために理想気体の比熱である。
【0089】
HFC−134aおよびHFC−152aのデータはASHRAE Handbook 2005の第20章に記載されており、NISTからRefpropソフトウェアで入手することもできる。
【0090】
HF0−1234ze、HF0−1234yfおよびHF0−1243zfの温度/圧力曲線は静式方法で測定した。臨界温および臨界圧はSetaramから市販のC80カロリメータで測定した。温度を関数とする飽和密度は振動管デンシメータ法で測定した(Ecole des Mines パリ研究室)。
【0091】
また、混合物としての生成物の挙動を表すために、二成分混合物の相互作用係数を計算のデータとして使用した。この係数は実験室での液体/蒸気平衡データの関数として計算される。
【0092】
液体/蒸気平衡の測定に使う技術は静止セル分析法である。平衡セルはサファイヤ・チューブから成り、2つの電磁式のROLSITMサンプラを備えている。これを凍結浴(Cryothermostat bath)(HUBER HS40)中に浸す。可変速度で回転するフィールドドライブを有する電磁攪拌器を用いて平衡へ到達するのを加速する。サンプル解析はカサロメータ(TCD)を使用してガスクロマトグラフィ(HP5890系列II)で実行した。
【0093】
HFC−134a/HFO−1234yf二成分混合物での液体/蒸気平衡の測定は20℃の等温度で実行した。HFO−1234yf/HFC−152a二成分混合物の液体/蒸気平衡の測定は10℃の等温度で実行した。HFO−1234ze/HFC−152a二成分混合物の液体/蒸気平衡の測定は15℃の等温度で実行した。HFC−134a/HFO−1234ze二成分混合物の液体/蒸気平衡測定は20℃の等温度で実行した。HFO−1234ze/HFO−1234yf二成分混合物の液体/蒸気平衡測定は18℃の等温度で実行した。HFO−1243zf/HFO−1234yf二成分混合物の液体/蒸気平衡測定は21℃の等温度で実行した。HFO−1243zf/HFC−152a二成分混合物の液体/蒸気平衡測定は10℃の等温度で実行した。HFO−1243zf/−HFC−134a二成分混合物の液体/蒸気平衡測定は10℃の等温度で実行した。
【0094】
HFC−134a/−HFC−152a二成分混合物の液体/蒸気平衡データはRefpropから入手できる。4つの等温式(−10、30、40、50℃)および2つの等圧曲線(1バールと30バール)を用いて二成分混合物の相互作用係数を計算した。
【0095】
この実施例では遠心圧縮機は定速度運転とみなされる。本発明のいつくかの熱伝達流体で得られた運転性能を純粋なHFC−134aと比較したものを下記の[表1a]、[表1b][表lc]に要約して示した。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
実施例2
可変速度で運転される遠心圧縮機
この実施例では実施例1に記載のものと同じ計算は繰り返したが、HFC−134aを用いた時の回転速度に対する遠心圧縮機の速度を考慮した。本発明のいくつかの熱伝達流体で得られた運転性能を純粋なHFC−134aと比較したものを[表2a][表2b]および[表2c]に要約した。
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】