(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記障害物センサが、前記台車の前方にある障害物を検知し得る前方障害物センサ及び、前記台車の後方にある障害物を検知し得る後方障害物センサである請求項2記載の搬送据付装置。
前記自動誘導装置が、前記台車が所定速度で走行する通常走行時に前記障害物センサが当該障害物センサから一定寸法離間した第一の領域にある障害物を検知したときは前記所定速度から前記台車を減速させるとともに、前記第一の領域と当該障害物センサとの間に位置する第二の領域にある障害物を検知したときは前記台車を停止させる請求項2又は3記載の搬送据付装置。
前記搬送装置が前輪及び後輪の少なくとも一方を回転駆動する自走手段を備えたものであり、この自走手段が、前記後輪を回転駆動するためのモータと、前記前輪及び後輪の向き変更するためのステアリング機構とを備えたものである請求項1、2、3、4又は5記載の搬送据付装置。
【背景技術】
【0002】
従来、下水道、水路及び地下道等を構築するコンクリート製品の施工方法において、橋梁下、高架下で交通量が多い等開削工法を行うことができない場合、高圧線など上空に制約がある場合、道路幅員が狭く重機設置場所が限定されている場合、両側の矢板との間隔が狭い場合及び老朽化した下水道を更生するため管路内に施工する場合など、移動式クレーン(重機)により直接吊り降ろして据付けることができない場合に、ボックスカルバートなどのコンクリート製品を所定の位置まで搬送し、据付ける搬送据付装置を利用することが知られている。
【0003】
上記のような施工条件の場合、次の3つの態様をなす搬送据付装置を利用した施工方法がこれまで知られている。
【0004】
まず挙げられるのは搬送据付装置として圧縮空気を噴射する台、すなわちエアーキャスターを用いる施工方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
次に挙げられるのは搬送据付装置としてコンクリート製品を油圧ジャッキで昇降させる昇降機構並びに水平方向へのスライド機構を有するモータ付き台車を用いる施工方法である(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに挙げられるのは、搬送据付装置としてコンクリート製品を吊り上げ可能なシャーシに後輪、前輪及び前輪を補助する補助輪を設けた搬送台車を用いる施工方法である(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、上述した施工方法を行う場合には実際にコンクリート製品を順次施工していく作業のみならず、コンクリート製品を施工すべく基礎コンクリート上を往復走行する作業時での作業者の負担が大きいのが現状である。特に先のコンクリート製品を施工した後に次のコンクリート製品を施工するとき、また施工作業終了後に帰還したりするときに作業者は後進による移動を強いられる。斯かる後進による移動は作業者にとって特に負担が大きいのが現状である。特に基礎コンクリートにより築かれた行程が直進のみならずカーブを多く含む行程である場合には作業者の前記負担はさらに増長される。
【0008】
また上記各特許文献記載の技術では何れも、平坦な路面、基礎面の搬送が基本と考えられ、想定されていると考えられる基礎コンクリート上の起伏は進行方向に沿った勾配のみである。そして実際の基礎コンクリート上の作業現場では、円形トンネル内や円形管渠内、或いはインバート型の底版上である等、底面が巾方向に例えば湾曲して起伏したり、巾方向に傾斜したりしている現場上を作業する頻度が高いのが現状である。そうなると上記特許文献に係る装置が巾方向の勾配に適応できず、所望の方向への正確な移動ができなかったり、場合によっては巾方向へ転倒してしまったりする可能性も招来してしまう。すなわち、路面の左右に高低差があっても、装置が傾かないように走行時の安全性を確保しなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について
図1〜
図11を参照して説明する。
【0029】
本実施形態に係る搬送据付装置は、現場において移動式クレーン(重機)により直接降ろして据付けることができない場合等に用いられ、例えばコンクリート製品である図示しないボックスカルバートを基礎コンクリートKの路面L(
図10、
図11)上における所定の位置まで搬送し、据付けるためのものである。
【0030】
<全体構成説明>
ここで、本実施形態に係る搬送据付装置は、台車1と、この台車1に設置され所定箇所に据付けるべきコンクリート製品のひとつである暗きょ製品としてのボックスカルバートを主に荷役するための荷役装置70と、この荷役装置70により担持されたボックスカルバートを据付けるべき箇所にまで搬送すべく前記台車1を自走させる搬送装置たるモータ50と、前記台車1の周囲の環境から前記台車1を自走させるべき所定方向を特定し前記台車1が前記所定方向へ自走するよう前記搬送装置たるモータ50を制御する自動誘導装置100とを具備してなる。
【0031】
以下、斯かる搬送据付装置の構成について、
図1〜
図11を用いて説明する。この搬送据付装置は、上述の台車1、この台車1に搭載した荷役装置70、モータ50、バッテリ8の他、後述する前輪昇降機構30及び補助輪昇降機構40、自動水平装置9、及び自動誘導装置100を搭載したものである。
【0032】
台車1は、
図1及び
図2に示すように、前後方向に連結されたシャーシ前半部1a及びシャーシ後半部1bを主に有しているものである。
【0033】
シャーシ前半部1aは、その先端のコーナーを切り落とすことにより前端部を平面視凸状に形成した尖端部1cを形成するとともに、この尖端部1cに位置付けた先端補助輪2から後方に順に、図示しないボックスカルバートを検出するための底版センサS、前輪3、荷役装置70を搭載するための前側荷役部7a、補助輪4、後側荷役部7b、及びバッテリ8を載置するためのバッテリ載置部8aを配している。先端補助輪2は、ボックスカルバートの底版の上面に略等しい高さ位置に設定されて配されている。底版センサSは、ボックスカルバートの底版が近接した際にこれを検出するとともに、シャーシ後半部1b側に配された電磁ブレーキEB(
図3、
図4)を作動させて台車1を停止させることによりボックスカルバートと台車1との衝突を回避することで、後述の通りボックスカルバートの正確な搬送・据付に供するためのものである。
【0034】
またシャーシ前半部1aは上述の構成に加え、
図1、
図2、
図5及び
図9に示すように、自動誘導装置100を構成する誘導センサたる前方磁気センサ103及び前方障害物センサ107、前輪3を水平旋回可能とする前ステアリング機構FS、前輪3を進行方向に直行する方向に傾斜可能に構成する自動水平装置9の一要素である前側傾斜部前側傾斜部93を配している。前方磁気センサ103は、路面K上に設置された磁気テープMT(
図11)からの磁気の有無及び磁気の強さを検知するものである。また当該前方磁気センサ103については
図1に示すように使用の際にのみ路面K上の磁気テープMTに近接させた動作下端位置に位置付けられるよう昇降可能に構成されているが、斯かる構成は既存のものであるため説明は省略する。前方障害物センサ107は
図2に示すように、走行中、停車中に拘わらず、当該前方障害物センサ107から平面視所定距離離間した第一の領域α及び第二の領域β内に障害物を検知し得るように設定されている。具体的に説明すると本実施形態では、当該前方障害物センサ107から前方に0.5〜2.5m離間した領域を第一の領域αに設定し、当該第一の領域αと前方障害物センサ107との間に介在する領域を第二の領域βに設定している。これは自動誘導装置100が、前記台車1が所定速度で走行する通常走行時に前方障害物センサ107が第一の領域α内にある障害物を検知したときは前記所定速度から台車1を減速させるとともに、第二の領域β内に障害物を検知したときは前記台車1を停止させるように設定されているためである。
【0035】
シャーシ後半部1bは、本発明の自走手段にあたるモータ50と、このモータ50により回転駆動される後輪5と、この後輪5に換向性を付与するための後ステアリング機構RSと、これらモータ50、後ステアリング機構RSのみならず、搬送据付装置全体を操作するための操作パネル6sを備えた運転台6と、前記底版センサSがボックスカルバートを検出した際に後輪5の駆動を停止させる停止手段である電磁ブレーキEB(
図3、
図4)とを具備するものである。
【0036】
またシャーシ後半部1bは上述の構成に加え、
図1、
図2、及び
図9に示すように、自動誘導装置100を構成する誘導センサたる後方磁気センサ105及び後方障害物センサ109、そして傾斜シリンダSLの動作により後輪5を進行方向に直行する巾方向に傾斜可能に構成する自動水平装置9の一要素である後側傾斜部91を取り付けている。後方磁気センサ105は前方磁気センサ103同様、路面K上に設置された磁気テープMT(
図11)からの磁気の有無及び磁気の強さを検知するものである。また後方磁気センサ105については
図1に示すように使用の際にのみ路面K上の磁気テープMTに近接させた動作下端位置に位置付けられるよう昇降可能に構成されているが、斯かる構成は既存のものであるため説明は省略する。後方障害物センサ109は前方障害物センサ107同様、走行中、停車中に拘わらず、当該後方障害物センサ109から平面視所定距離離間した第一の領域α及び第二の領域β内に障害物を検知し得るように設定されている。具体的に説明すると本実施形態では、当該後方障害物センサ109から0.5〜2.5m後方に離間した領域を第一の領域αに設定し、当該第一の領域αと前方障害物センサ109との間に介在する領域を第二の領域βに設定している。これは自動誘導装置100が、前記台車1が所定速度で走行する通常走行時に後方障害物センサ109が第一の領域α内にある障害物を検知したときは前記所定速度から台車1を減速させるとともに、第二の領域β内に障害物を検知したときは前記台車1を停止させるように設定されているためである。
【0037】
<駆動系の構成説明>
そして
図3に示すようにこの搬送据付装置は、シャーシ前半部1aに備えたバッテリ8の電力により、シャーシ後半部1bのモータ50を作動させるためのモータ、そして上述の電磁ブレーキEBを作動させるための電力を供給している。また当該バッテリ8は、シャーシ前半部1aには、後述する荷役装置70、前輪昇降機構30及び補助輪昇降機構40を作動させるための、後述する前輪昇降用シリンダ31、補助輪昇降用シリンダ41、荷役装置70のスライドシリンダ73並びに昇降シリンダ76、そして前ステアリング機構FS、及びシャーシ後半部1b側の後ステアリング機構RS、傾斜シリンダSLを作動するための油圧ポンプを作動させるためのモータに電力を供給しているものである。
【0038】
<制御系の構成説明>
図4に示すようにこの搬送据付装置は、通常時の搭乗者による運転操作を受け付ける第一走行コントローラ201、第二走行コントローラ202に加え、制御装置たるECU(Electronic Control Unit)101を備えている。このECU101は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。制御用のプログラムは予め格納されており、その実行の際メモリに読み込まれ、プロセッサで解読される。本実施形態では、少なくとも前後のステアリング機構FS、RS及び電磁ブレーキEB及び傾斜シリンダは、ECU101によって制御される。そして当該ECU101は、本発明に係る自動誘導装置100並びに自動水平装置9を構成している。
【0039】
入力インタフェースには、誘導センサたる前方磁気センサ103、後方磁気センサ105から出力される誘導信号a、b、前方障害物センサ107及び後方障害物センサ109から出力される障害物信号c、d、傾斜検知センサ111から出力される傾斜信号e等が入力される。なお傾斜検知センサ111は台車1における適宜の位置に取り付けられるものであるため、
図4以外の図示を省略している。
【0040】
出力インタフェースからは、後輪5の向きを調整すべく後ステアリング機構RSを制御するための後輪制御信号j、前輪3の向きを制御すべく前ステアリング機構FSを制御するための前輪制御信号k、電磁ブレーキEBを制御するためのブレーキ信号l、傾斜シリンダSLを制御するための水平制御信号m等を出力する。また当該出力インタフェースからは、第一走行コントローラ201、第二走行コントローラ202を介してモータ50を所定速度及び回転方向で駆動させるモータ駆動信号h、iを出力する。
【0041】
ECU101のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、パラメータを演算して搬送据付装置の自走を制御する。ECU101は、搬送据付装置の自走に必要な各種情報a、b、c、d、eを入力インタフェースを介して取得し、磁気テープMT及び障害物の位置及び台車1の傾きを知得するとともに搬送据付装置が自走すべき方向及び速度、そして台車1の傾きに対する修正度合いを試算する。そして、それら情報に基づき、要求されるモータ50の回転数、前後のステアリング機構FS、RSの調整量、傾斜シリンダSLによる台車1の傾き調整を行うか否か或いは調整量といった各種自走パラメータを決定する。自走パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU101は、自走パラメータに対応した各種制御信号h、i、j、k、l及びmを、出力インタフェースを介して印加する。
【0042】
すなわち上述したような制御により、本実施形態に係る搬送据付装置は、前記台車1の周囲の環境から前記台車1を自走させるべき所定方向を特定し前記台車1が前記所定方向へ自走するよう前記搬送装置たるモータ50、前後のステアリング機構FS、RS及び電磁ブレーキEBを制御する自動誘導装置100と、台車1の姿勢を前記路面Lが水平であるときの水平姿勢に維持すべく前記台車1を動作させる傾斜是正手段たる傾斜シリンダSLを有する自動水平装置9とを具備することを実現している。斯かる自動誘導装置100及び自動水平装置9の動作については後に説明する。
【0043】
<各部の構成説明>
また、この本実施形態に係る搬送据付装置は、先端補助輪2と、前輪3、補助輪4とを作業者が選択使用することでボックスカルバートの底版を好適に乗り越えさせる乗り越え手段を構成する。これにより、上述の荷役装置70とともに、正確且つ迅速なボックスカルバートの搬送を実現しているものである。特に本実施形態ではその乗り越え手段として、前輪3を昇降させるための前輪昇降機構30と、前記補助輪4を昇降させるための補助輪昇降機構40とを備えている。
【0044】
以下
図5〜
図8を用いて、この乗り越え手段と荷役装置70について、換言すれば、台車1の前方に位置する前輪昇降機構30、荷役装置70そして補助輪昇降機構40の順に説明する。
【0045】
前輪昇降機構30は、
図5に示すように、対をなす前輪3と、前輪3を昇降させるためにシャーシ前半部1aに確実に取り付けられた前輪昇降用シリンダ31と、前輪3をシャーシ前半部1aに対して支持するとともに、シャーシ前半部1aに対してスライダ33を介して前輪3を昇降可能に支持するための前輪保持部材32と、シャーシ前半部1aに取り付けられて前輪保持部材32を摺動可能に支持するための前輪保持レール34とを有している。そして前輪昇降用シリンダ31は、シャーシ前半部1aに固定されたシリンダ本体31aと、このシリンダ本体31aから下方に突没するとともに車軸3aに接続部31cを介して接続するシャフト31bとを有している。
【0046】
そして、斯かる前輪昇降機構30は前輪昇降用シリンダ31が操作されると、シャフト31bの昇降に応じて接続部31c、車軸3aを介して前輪3及び前輪保持部材32が昇降する。その際、前輪保持部材32に設けたスライダ33が前輪保持レール34内を正確に上下に摺動することにより、正確な前輪3の昇降が実現される。なお同図では自動水平装置9に係る構成も図示されているが、当該自動水平装置9の構成については後に説明する。
【0047】
荷役装置70は、
図1及び
図2に示すように、シャーシ前半部1aにおける前側荷役部7aと後側荷役部7bとの2箇所に前後対象にそれぞれ配置されているものである。そしてこの荷役装置70は、
図6及び
図7に示すように、当接体たる荷役台7をボックスカルバートの頂版の下面に接しさせてボックスカルバートを持ち上げるための荷役用昇降機構70bと、当接体を左右方向に移動させるための荷役用スライド機構70aとを主に備えている。そして本実施形態では、前方の荷役装置70の荷役用スライド機構70aと後方の荷役装置70の荷役用スライド機構70aとを相互に独立して作動させ得るように構成している。
【0048】
荷役用スライド機構70aは、荷役台7と、荷役台7を直接下方から支持する基台部71と、基台部71に設けられたスライドレール72と、基台部71の下方に取り付けられたスライドシリンダ73とを主に有している。そしてスライドシリンダ73は、基台部71の下側に取り付けられたシリンダ本体73aと、このシリンダ本体73aから左右に延びるとともに左右に動作するシャフト73bと、このシャフト73bの先端に位置付けられ、基台部71の開口を介して荷役台7に取り付けられる取付部73cとを有している。そしてこのスライドシリンダ73が操作されると、シャフト73bの動作とともに取付部73cが荷役台7を左右に動作させ得るものとなっている。
【0049】
荷役用昇降機構70bは、上述した荷役用スライド機構70aごと上下に昇降させるものである。そしてこの荷役用昇降機構70bは、基台部71を支持するとともにシャーシ前半部1aに対してスライダ75を介して図示しないレールに対して昇降可能に動作し得る保持部材74と、この保持部材74を昇降させるための昇降シリンダ76と、この昇降シリンダ76によって直接昇降動作される昇降部材77と、この昇降部材77の両側に取り付けられた対をなす昇降プーリ78と、基端側をシャーシ前半部1aに固定されるとともに昇降プーリ78に架け渡され、先端が保持部材74の吊り下げ部74aに固定されたチェーン79とを有している。そして昇降シリンダ76は、シャーシ前半部1aに固定されたシリンダ本体76aと、昇降部材77を持ち上げるためのシャフト76bとを有している。
【0050】
そして昇降シリンダ76が操作されることにより昇降部材77が昇降プーリとともに一定寸法上昇すると、昇降プーリ78から掛け回されたチェーン79に吊り下げ部74aで吊り下げられた保持部材74は前記一定寸法の2倍の寸法上昇だけ、チェーン79に引っ張られて上昇することになる。すなわち本実施形態では、荷役用昇降機構70bにおいて昇降プーリ78及びチェーン79による動滑車の原理を適用することにより、昇降シリンダ76の2倍のストロークで荷役台7を昇降させることで、シャーシ前半部1aのスペースの有効利用を成し得たものとなっている。
【0051】
補助輪昇降機構40は、
図8に示すように、車軸4aにより接続された対をなす補助輪4と、シャーシ前半部1aに強固に保持されながら補助輪4を昇降させるための補助輪昇降用シリンダ41と、シャーシ前半部1aに対して補助輪4をスライダ43を介して昇降可能に支持するとともに、補助輪昇降用シリンダ41に接続支持されている被支持板45を有する補助輪保持部材42と、シャーシ前半部1aに取り付けられて補助輪保持部材42を摺動可能に支持するための補助輪保持レール44とを有している。そして補助輪昇降用シリンダ41は、シャーシ前半部1aに強固に保持されたシリンダ本体41aと、このシリンダ本体から下方に突没して被支持板45に例えば剛結されるシャフト41bとを有している。
【0052】
そして、斯かる補助輪昇降機構40は補助輪昇降用シリンダ41が操作されると、シャフト41bの昇降に応じて被支持板45を介して補助輪4及び補助輪保持部材42が昇降する。その際、補助輪保持部材42に設けたスライダ43が補助輪保持レール44内を正確に上下に摺動することにより、正確な補助輪4の昇降が実現される。
【0053】
自動水平装置9は、
図5及び
図9に示すように、前傾斜軸93aを中心として前輪3を傾斜させる車輪傾斜装置である前側傾斜部93と、後傾斜軸91aを中心として後輪5を傾斜させる車輪傾斜装置である後側傾斜部91と、この後側傾斜部に動力を伝達する傾斜シリンダSLと、この傾斜シリンダSLを直接又は間接的に制御するための傾斜検知センサ111(
図4)とを有している。傾斜検知センサ111は、台車1が走行する路面における進行方向に直交する方向の傾斜を検知するものである。本実施形態では上述の通り、傾斜検知センサ111はECU101を介して間接的に傾斜シリンダSLを制御している。
図5に示すように前輪3は前輪昇降機構30により昇降を実現されつつ、前ステアリング機構による水平旋回動作、前傾斜軸93aによる台車に対する傾斜動作が可能となっている。一方
図9に示すように、後輪5は後側傾斜部91により傾斜動作、換言すれば正面視シーソー動作可能に支持されている。そして後傾斜軸91aを中心とした後輪5の傾斜動作は、接続部91bを介して接続された傾斜シリンダSLの伸縮動作によって適宜制御される。なお
図9については後ろ側傾斜部91の図示の便宜上、後ステアリング機構RSやモータ50等の図示を省略している。
【0054】
<動作説明>
続いて、上述した構成をなす搬送据付装置によって実際の施工現場である基礎コンクリートKの路面L上でボックスカルバートを据付ける手順について説明する。すなわち本実施形態では斯かる搬送据付装置を用いることにより、台車1に搭載されたバッテリ8から電力が供給された搬送装置すなわちモータ50により台車1をボックスカルバートが載置された位置まで自走させ、バッテリ8から電力が供給された荷役装置70によりボックスカルバートを荷役し、荷役装置70により担持されたボックスカルバートを据え付けるべき箇所まで搬送すべく台車1をモータ50により自走させ、荷役装置70によりボックスカルバートを据え付けるべき箇所に据え付けることによって、コンクリート製品たるボックスカルバートを効率よく且つ正確に据え付け得る。
【0055】
そして
図5、
図9及び
図10に示すように本実施形態に係る搬送据付装置は、上記のような据え付け作業の際、基礎コンクリートの路面に傾斜があったとしても、台車を常に水平姿勢に維持し得る。すなわち
図10に示すように路面に傾斜が有った場合傾斜検知センサ111が斯かる傾斜を検知すると、例えばECU101が傾斜シリンダSLをフィードバック制御することにより後輪5が後側傾斜部91を介して台車1に対し相対的に傾斜した姿勢とする。このとき前輪3も前側傾斜部93により後輪5の傾斜に伴ってシャーシ前半部1aに対して相対的に傾斜する。これにより、台車1は速やかに姿勢変更して水平姿勢に安定して維持され、前記フィードバック制御が継続することにより台車1は、当該水平姿勢が維持されながらコンクリート製品の据付作業や移動を行い得る。
【0056】
しかして本実施形態に係る搬送据付装置は、
図11に示すように、自動誘導装置100を作動させることにより、基礎コンクリートK上の路面Lが平面的に曲線形状をなしている場合であっても無人での自走を可能としているが、勿論作業者が運転台6に搭乗した場合であっても、作業者の操縦によらずに自走し得る。
【0057】
基礎コンクリートK側について説明すると、路面L上には例えば巾5cm、長さ1mの磁気テープMTが台車1の進行方向に、ほぼ連続するように並べられている。この磁気テープMTは路面L上に固定されているものではなく、載置されているのみであるため、使用後は回収し、再利用することができる。また磁気テープは帯状をなしているので、路面Lに多少の凹凸があったとしても正しく載置することができるので、前後の磁気センサ103、105に正しく検知され得る。
【0058】
自動誘導装置作動時では、前後の磁気センサ103、105がそれぞれ独立して作動しながら、磁気テープMTの位置を検知する。そしてこれら前後の磁気センサ103、105による情報により、モータ50及び前後のステアリング機構FS、RS及び電磁ブレーキEBが適宜制御され、前後のセンサ103、105が、より磁気テープMTに近接するよう制御されながら自走する。これにより、磁気テープMTさえ所要の方向に並べられていれば、台車1は磁気テープMTに沿って正しく自走し得る。また同図では図示していないが勿論、搬送据付装置は自動誘導装置100作動時には荷役装置70がボックスカルバートを搬送している場合でも同様に自走し得る。
【0059】
しかして本実施形態では、上記前後の磁気センサ103、105の作動と同時に前後の障害物センサ107、109も作動しているこれにより通常の走行中においては、2.5m先で障害物を検知するとすなわち障害物は第一の領域αの範囲内に入るため台車1は徐々に減速し、しかる後に障害物が0.5m先に位置付けられれば当該障害物は第二の領域β内に入るため、その時点で台車1は完全に停止する。そして本実施形態では、作業者が障害物を取り除く等により前後何れかの障害物センサ107、109による障害物の検知が解除されたときには、再び通常走行へ復帰するようにしている。これにより、搬送据付装置は作業者によらない安全な自走が可能となる。また勿論、前後の障害物センサ107、109は障害物として人間をも検知し得るため、自動誘導装置100は無人走行中の作業者等の作業スタッフに対する安全性も有効に担保している。そして上述したとおり、自動誘導装置100とともに自動水平装置9も作動させれば、路面Lの傾斜に拘わらず台車1は水平姿勢に維持されながら、台車1も、搬送されているボックスカルバートも水平に保たれ、より安全に自走し得る。
【0060】
<作用説明>
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る搬送据付装置は、作業者の作業によらずとも自動誘導装置100が台車1の周囲の環境、つまり路面L上の磁気テープMTから台車1を自走させるべき所望の方向へ自走させるようモータ50や前後のステアリング機構FS、RS、電磁ブレーキEBを制御誘導するので、作業者の搬送据付装置の操縦に掛かる負担を軽減することができる。その結果、作業者は台車1を自走させる負担が軽減される分、作業中の安全面の確保や荷役装置70によるボックスカルバートの荷役作業、さらには他の作業へ集中し易くなり、より安全且つ確実な作業を実現している。
【0061】
そしてより正確にモータ50や前後のステアリング機構FS、RS、電磁ブレーキEBを制御し得るようにするために本実施形態では、前記自動誘導装置100を、前記台車1の進行すべき方向に予め誘導目標物として設置された磁気テープMTを検知する前後の磁気センサ103、105を適用している。
【0062】
また、自動誘導装置100を利用する態様を、より汎用性が高いものとするために本実施形態では、前記磁気テープMTを、前記路面Lに対し着脱可能に設置できるようにしている。これにより、磁気テープMTを所望の箇所へ移動させたり、使用後に使い回したりすることができ、自動誘導装置100がより広汎に利用し易いものとなる。また磁気テープMTは帯状をなし、可撓性を有するので、路面Lに固定する必要が無く、多少の凹凸がある路面Lでも前後の磁気センサ103、105に好適に検知され得る。
【0063】
そして本実施形態では、台車1の進行方向の確定のみならず、台車1の正確な向きをも有効に制御し得るようにするために、前記誘導センサとして、前記台車1の走行方向に沿って前後にそれぞれ磁気センサ103、105を設けたものとしている。
【0064】
特に本実施形態では、走行中の台車1が障害物に衝突することを有効に回避すべく、前記台車1に近接する障害物を検知し得る前後の障害物センサ107、109を設けている。これにより、自動誘導装置100の利用による搬送据付装置の無人走行も実現でき、一連の作業に要する人数の省人化に寄与している。換言すれば、同じ人員による作業であっても、搬送据付装置の走行以外の作業へ集中できる労力を有効に確保し得る。また前後にそれぞれ障害物センサ107、109を設けているので、荷役装置70により荷役しているボックスカルバートの存在に干渉されることなく障害物を検知し易いものとし、搬送据付装置が障害物へ衝突するリスクを有効に低減せしめている。
【0065】
自動誘導装置100が障害物への衝突をより有効に回避し得るように本実施形態では、前記台車1が所定速度で走行する通常走行時に何れかの障害物センサ107、109が当該障害物センサ107、109から一定寸法離間した第一の領域αにある障害物を検知したときは前記所定速度から台車1を減速させるとともに、前記第一の領域αと当該前後何れかの障害物センサ107、109との間に位置する第二の領域βにある障害物を検知したときは前記台車1を停止させる態様を適用している。
【0066】
加えて、障害物への衝突の回避と速やかな台車1の走行による作業の進行を両立させて作業者の負担をより軽減するために本実施形態では、前記自動誘導装置100が、前記何れかの障害物センサ107、109による障害物の検知が解除されたときに通常走行へ復帰するようにモータ50、前後のステアリング機構FS、RSを制御するようにしている。
【0067】
そして、台車1が走行する路面Lの不陸や傾斜に拘わらず安定して台車1を走行させ得るようにするために本実施形態では、前記台車1が走行する路面Lにおける進行方向に直交する方向の傾斜を検知する傾斜検知センサ111と、この傾斜検知センサ111が前記傾斜を検知したときに前記台車1の姿勢を前記路面Lが水平であるときの水平姿勢に維持すべく前記台車1を動作させる傾斜是正手段たる傾斜シリンダSLとを具備する自動水平装置9を有している。これにより、台車1やボックスカルバートを安定して移動させ得る。
【0068】
前記自動水平装置9を簡素に構成しつつ確実な動作を担保するためには、前記自動水平装置9を、前記台車1が有している車輪である前輪3、後輪5を傾斜させる車輪傾斜装置たる前後の傾斜部91、93を有するものとしている。
【0069】
加えて本実施形態では、前輪3及び後輪5ともに向き変更するためのステアリング機構FS、RSを備えたことにより、台車1は後ステアリング機構RSのみを搭載した場合よりもより小さな半径で旋回し得る。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0072】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。