【文献】
LONG LI,PRECLINICAL ANTITUMOR EFFICACY OF FP-1039, A SOLUBLE FGF RECEPTOR 1:FC CONJUGATE, 以下備考,AMERICAN ASSOCIATION FOR CANCER RESEARCH 100th ANNUAL MEETING,2009年 4月,AS A SINGLE AGENT OR IN COMBINATION WITH ANTICANCER DRUGS, ONLINE[2015/9/3検索],URL,http://www.fiveprime.com/file.cfm/4/docs/FP-1039_AACR_2009_poster.pdf
【文献】
LONG LI,CANCER RESEARCH, 2009, VOL.69, ABSTRACT#2789,2009年 4月17日,ONLINE[2015/9/3検索],URL,http://cancerres.aacrjournals.org/content/69/9_Supplement/2789.abstract?sid=d5389277-4c9a-48bc-91c8-d6fe35ccbe0b
【文献】
HUMPHREY P RANG,CANCER CHEMOTHERAPY,RANG AND DALE'S PHARMACOLOGY,CHURCHILL LIVINGSTONE ELSEVIER,2008年,SIXTH EDITION,P718-735
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
本明細書で使われるセクション見出しは構成上の目的のみのためのものであり、記載内容を限定するものと解釈されるべきでない。
【0023】
定義
別段の定めが無ければ、本発明に関連して使用される科学的、技術的用語は、当業者により、通常理解されている意味を有するものとする。さらに、文脈から別義が要求されない限り、単数用語は、複数を含み、複数用語は、単数を含むものとする。
【0024】
組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織培養および形質転換(例えば、電気穿孔、リポフェクション)、酵素反応、ならびに精製技術に関連して使用される特定の技術は、当技術分野で既知である。多くのこのような技術および方法が、他にも記載され、例えば、特に、Sambrook et al.分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)(2nd ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989))に記載されている。さらに、化学合成、化学分析、製剤、処方、および送達、ならびに患者の治療に関する特定の技術も、また、当技術分野で既知である。
【0025】
この出願では、別段の定めがなければ、「または(or)」の使用は、「および/または(and/or)」を意味する。複数の請求項に従属する従属請求項の文脈中で、「または」の使用は、選択肢においてのみ、2つ以上の前出の独立または従属請求項の参照を意味する。また、「要素」または「成分」等の用語は、特に別段の規定がなければ、1つのユニットおよび要素、ならびに2つ以上のサブユニットを含む成分を含む要素および成分の両方を包含する。
【0026】
本明細書で使われる全ての数字は、近似値であり、測定誤差および有効数字の丸めを考慮に入れて変化してもよい。特定の測定量の前に置かれた「約」の使用は、試料の不純物、測定誤差、人的ミス、および統計的変動、ならびに有効数字の丸めによる変動を含む。
【0027】
本開示において使用される下記の用語は、別段の定めがなければ、下記の意味を有すると解釈されるものとする:
【0028】
用語「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」は、同義に使用でき、ヌクレオチドのポリマーを指す。このようなヌクレオチドのポリマーには、天然および/または非天然ヌクレオチドを含んでもよく、また、限定されないが、DNA、RNA、およびPNAが含まれる。「核酸配列」は、核酸分子またはポリヌクレオチドを含むヌクレオチドの直鎖配列を指す。
【0029】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、同義に使用され、アミノ酸残基のポリマーを意味し、また、最小長さに限定されない。このようなアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然アミノ酸残基を含んでもよく、また、限定されないが、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸残基のダイマー、トリマー、およびマルチマーを含む。完全長タンパク質およびその断片の両方は、この定義に含まれる。この用語は、また、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化、等を含む。さらに、本発明の目的のためには、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持している限りにおいて、ネイティブ配列に対し改変、例えば、欠失、付加、および置換(通常、本来保存的である)を含むタンパク質を指す。これらの改変は、部位特異的変異誘発の場合のように計画的であっても、またはタンパク質を産生する宿主の変異またはPCR増幅によるエラーの場合のように偶発的であってもよい。ポリペプチドが、特定のアミノ酸配列「から構成される(consists of)」場合は、それは、なおも、翻訳後修飾、例えば、グリコシル化およびシアリル化を含んでもよい。
【0030】
用語「FGFR1細胞外ドメイン」(「FGFR1 ECD」)は、完全長FGFR1 ECD、FGFR1 ECD断片、およびFGFR1 ECD変異体を含む。本明細書で使われる用語「FGFR1 ECD」は、細胞内および膜貫通ドメインを欠く、シグナルペプチドを有するまたは有しないFGFR1ポリペプチドを意味する。一部の実施形態では、FGFR1 ECDは、配列番号1および2から選択されるアミノ酸配列を有するヒト完全長FGFR1 ECDである。本明細書で使われる用語「完全長FGFR1 ECD」は、細胞外ドメインの最後のアミノ酸までのFGFR1 ECDを意味し、N末端シグナルペプチドを含んでも含まなくてもよい。本明細書で定められるように、完全長FGFR1 ECDの最後のアミノ酸は、位置353にある。従って、ヒト完全長FGFR1 ECDは、配列番号2(成熟型)まで、または配列番号1(シグナルペプチドあり)まで対応するアミノ酸配列から構成できる。本明細書で使われる用語「FGFR1 ECD断片」は、完全長ECDのNおよび/またはC末端から1つまたは複数の残基が欠失しているが、FGF−2に結合する能力を保持しているFGFR1 ECDを意味する。FGFR1 ECD断片は、N末端シグナルペプチドを含んでも、または含まなくてもよい。一部の実施形態では、FGFR1 ECD断片は、配列番号4(成熟型)または配列番号3(シグナルペプチドあり)に対応するアミノ酸配列を有するヒトFGFR1 ECD断片である。
【0031】
本明細書で使われる用語「FGFR1 ECD変異体」は、アミノ酸付加、欠失、および置換を含み、FGF−2に対する結合能力を保持しているFGFR1 ECDを意味する。このような変異体は、親FGFR1 ECDに対し、少なくとも90%、92%、95%、97%、98%、または99%同一であってもよい。2つのポリペプチドの%同一性は、類似性測定用デフォルト設定のBestfitプログラムを使って、2つのポリペプチドのアミノ酸配列を比較することにより決定される類似度スコアにより測定可能である。Bestfitは、Smith and Waterman、Advances in Applied Mathematics 2:482−489(1981)の局地的相同性アルゴリズムを使って、2つの配列間の類似性の最良セグメントを見つけ出す。一部の実施形態では、FGFR1 ECD変異体は、配列番号4の配列に対し少なくとも95%同一である。
【0032】
FGFR1 ECDポリペプチドの参照アミノ酸配列に対し少なくとも、例えば、95%同一性のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ポリペプチド配列が、参照ポリペプチドの各100アミノ酸当たり5つまでのアミノ酸変化を含むことができることを除いて、ポリペプチドのアミノ酸配列が参照配列に対し同一であるものである。換言すれば、参照アミノ酸配列に対し、少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るには、参照配列中のアミノ酸残基の5%までが、欠失しても、もしくは別のアミノ酸により置換されてもよく、または参照配列中の合計アミノ酸残基の5%までのアミノ酸が、参照配列中に挿入されてもよい。これらの参照配列の変化は、参照アミノ酸配列のN−またはC−末端位置で発生しても、または参照配列中のこれらの末端位置の間のどこかの、参照配列中の残基の間に個別に、または1つまたは複数の近接集団で、散らばって発生してもよい。
【0033】
実際に、どの特定のポリペプチドが、配列表に記載された核酸配列によってコードされた例えば、アミノ酸配列またはポリペプチド配列に対し、少なくとも70%、80%、90%、または95%同一であるのかを、Bestfitプログラム、等の既知のコンピュータプログラム、を使って、従来の方式で決定できる。本発明に従って、参照配列に対し、特定の配列が、例えば、95%同一であるかどうかを決定するためにBestfitまたは他の配列整列プログラムを使う場合、当然ながら、同一性のパーセンテージが参照アミノ酸配列の全長にわたり計算され、参照配列中のアミノ酸残基の合計数の5%までの相同性のギャップが許容されるパラメータが設定される。
【0034】
本明細書で使われる用語「hFGFR1−ECD.353」および「hFGFR1.353」は、同義に使用され、配列番号1(シグナルペプチドあり)または配列番号2(シグナルペプチドなし;成熟型)に対応する完全長ヒトFGFR1 ECDを意味する。
【0035】
本明細書で使われる用語「hFGFR1−ECD.339」および「hFGFR1.339」は、同義に使用され、配列番号3(シグナルペプチドあり)または配列番号4(シグナルペプチドなし;成熟型)に対応するヒトFGFR1 ECDを意味する。
【0036】
追加のhFGFR1 ECDは、例えば、米国特許第7,678,890号に記載されている。この特許は、目的に応じて、参照によって本明細書にその全体が組み込まれる。
【0037】
用語「FGFR1 ECD融合分子」は、FGFR1 ECD、および1つまたは複数の「融合パートナー」を含む分子を意味する。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび融合パートナーは、共有結合される(「融合」)。融合パートナーも同様にポリペプチド(「融合パートナーポリペプチド」)の場合は、FGFR1 ECDおよび融合パートナーポリペプチドは、連続したアミノ酸配列の一部であってもよく、融合パートナーポリペプチドは、FGFR1 ECDのN末端またはC末端のいずれに結合してもよい。このような場合には、FGFR1 ECDおよび融合パートナーポリペプチドは、FGFR1 ECDおよび融合パートナーポリペプチドの両方をコードするコード配列から単一ポリペプチドとして翻訳できる(「FGFR1 ECD融合タンパク質」)。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび融合パートナーは、例えば、ペプチド結合以外の化学結合、等の他の手段により共有結合される。ポリペプチドを他の分子に共有結合させる多くの既知の方法(例えば、融合パートナー)が使用できる。他の実施形態では、FGFR1 ECDおよび融合パートナーは、「リンカー」を介して融合でき、リンカーは、少なくとも1つのアミノ酸または化学成分から構成される。
【0038】
一部の実施形態では、FGFR1 ECDポリペプチドおよび融合パートナーは、非共有結合される。いくつかのこのような実施形態では、それらは、例えば、結合対を使って結合できる。代表的結合対には、限定されないが、ビオチンとアビジンまたはストレプトアビジン、抗体とその抗原、等が含まれる。
【0039】
代表的融合パートナーには、限定されないが、免疫グロブリンFcドメイン、アルブミン、およびポリエチレングリコールが含まれる。いくつかの代表的Fcドメインのアミノ酸配列を配列番号8〜10に示す。一部の実施形態では、Fcに融合されたFGFR1 ECDは、「hFGFR1 ECD−Fc」と呼ばれる。一部の実施形態では、Fcドメインは、IgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG3 Fc、およびIgG4 Fcから選択される。
【0040】
本明細書で使われる用語「hFGFR1−ECD.339−Fc」および「hFGFR1.339−Fc」は、同義に使用され、配列番号6(シグナルペプチドなし、成熟型)および配列番号5(シグナルペプチドあり)から選択されるアミノ酸配列を意味する。hFGFR1−ECD.339−Fcで治療できる非制限的代表的癌には、限定されないが、次記が含まれる:非小細胞肺癌、結腸癌、乳癌、胃癌、頭頸部癌、前立腺癌、子宮内膜癌、肉腫、小細胞肺癌、卵巣癌、カポジ肉腫、ホジキン病、白血病、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫(脳癌)、横紋筋肉腫、ウイルムス腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、膀胱癌、精巣癌、リンパ腫、胚細胞性腫瘍、結腸と直腸の癌、消化管癌、甲状腺癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、中皮腫、悪性胸膜中皮腫、血液/リンパ腺癌、悪性腹膜中皮腫、食道癌、腎細胞癌、多形神経膠芽腫、および肝癌。
【0041】
用語「シグナルペプチド」は、ポリペプチドのN末端に配置され、哺乳動物細胞からポリペプチドの分泌を促進するアミノ酸残基配列を意味する。シグナルペプチドは、哺乳動物細胞からポリペプチドを搬出する際に切断され、成熟タンパク質を形成することができる。シグナルペプチドは、天然であっても、合成であってもよく、また、付加する相手タンパク質に対し異種であっても、相同であってもよい。代表的シグナルペプチドには、限定されないが、FGFR1シグナルペプチド、例えば、配列番号7のアミノ酸配列が含まれる。代表的シグナルペプチドには、また、異種のタンパク質由来のシグナルペプチドが含まれる。「シグナル配列」は、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を意味する。一部の実施形態では、FGFR1 ECDは、シグナルペプチドを欠く。一部の実施形態では、FGFR1 ECDは、少なくとも1つのシグナルペプチドを含み、これは、ネイティブFGFR1シグナルペプチドでも、または異種のシグナルペプチドであってもよい。
【0042】
用語「ベクター」は、宿主細胞中で増殖可能なクローン化ポリヌクレオチドまたは複数ポリヌクレオチドを含むように操作されうるポリヌクレオチドを記載するのに使用される。ベクターは、1つまたは複数の次記の配列を含んでもよい:複製起点、目的のポリペプチドの発現を調節する1つまたは複数の調節配列(例えば、プロモータおよび/またはエンハンサー、等)、および/または1つまたは複数の選択可能マーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性遺伝子および比色分析法で使うことができる遺伝子、例えば、β−ガラクトシダーゼ)。用語「発現ベクター」は、宿主細胞中の目的のポリペプチドを発現させるのに使用されるベクターを意味する。
【0043】
「宿主細胞」は、ベクターまたは単離ポリヌクレオチドのレシピエントになる可能性のある、またはそれになっている細胞を意味する。宿主細胞は、原核細胞であっても、または真核細胞であってもよい。代表的真核細胞には、哺乳動物細胞、例えば、霊長類または非霊長類動物細胞;真菌細胞;植物細胞;および昆虫細胞が含まれる。代表的哺乳動物細胞には、限定されないが、293およびCHO細胞、ならびにそれらの誘導体、例えば、それぞれ、293−6EおよびDG44細胞が含まれる。
【0044】
本明細書で使われる用語「単離される」は、通常、一緒に天然で見出される少なくとも一部の成分から分離されている分子を指す。例えば、それが産生された細胞の少なくとも一部の成分から分離されている場合、ポリペプチドは、「単離されている」と呼ばれる。ポリペプチドが、発現後細胞から分泌される場合は、それが産生された細胞からポリペプチド含有上清を物理的に分離することは、ポリペプチドの「単離」と見なされる。同様に、その中で、通常、天然に見出されるより大きなポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合では、ゲノムDNAまたはミトコンドリアのDNA)の一部ではない場合か、または少なくともそれが産生された細胞の成分の一部ではない、例えば、RNAポリヌクレオチドの場合、ポリヌクレオチドは、「単離されている」と呼ばれる。従って、宿主細胞中のベクターに含まれるDNAポリヌクレオチドは、そのポリヌクレオチドが、その天然のベクター中に見つからない限り、「単離されている」と呼ぶことができる。
【0045】
用語「抗腫瘍性組成物」は、少なくとも1つの活性治療薬、例えば、「抗癌剤」を含む癌の治療に有用な組成物を意味する。治療薬(抗癌剤)の例には、限定されないが、例えば、化学療法剤、増殖抑制剤、細胞傷害性薬剤、放射線療法に使われる薬剤、抗血管新生薬、アポトーシス性薬剤、抗チュブリン剤、および他の癌治療薬、例えば、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ、アバスチン(登録商標))、抗HER−2抗体(例えば、トラスツズマブ、ハーセプチン(登録商標))、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ、リツキサン(登録商標))、上皮増殖因子受容体(EGFR)アンタゴニスト(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)、HER1/EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ(タルセバ(登録商標))、血小板由来増殖因子阻害剤(例えば、グリベック(登録商標)(イマチニブメシレート))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン;1つまたは複数の次記の標的ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR−ベータ、BlyS、APRIL、BCMAまたはVEGF受容体、TRAIL/Apo2に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体);ならびに他の生理活性および有機の化学薬剤、等が含まれる。これらの組み合わせもまた、本発明に含まれる。
【0046】
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学化合物を指す。化学療法剤の例には、下記が含まれる:アルキル化剤、例えば、チオテパおよびシクロスホスファミド(シトキサン(登録商標));スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロメラミンを含むエチレンイミンおよびメチルアメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);Δ9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、マリノール(登録商標));βラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成類似体トポテカン(ハイカムチン(登録商標)を含む)、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン、および9−アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼルシンおよびビセレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラティスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロランブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミン酸化物塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンgamma1IおよびカリケアマイシンomegaI1(例えば、Nicolaou et al.、Angew.Chem Intl.Ed.Engl.、33:183−186(1994)を参照);CDP323、経口アルファ−4インテグリン阻害剤;ダイネマイシンAを含むダイネマイシン;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン 、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノドキソルビシン、2−ピロリノドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射剤(ドキシル(登録商標))、リポソームドキソルビシンTLC D−99(MYOCET(登録商標))、ペグ化リポソームドキソルビシン(CAELYX(登録商標))、およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンC等のマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝物、例えば、メトトレキサート、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、ペメトレキセド(アリムタ(登録商標));テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))、エポチロン、および5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎物質、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充液、例えば、フォリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルニチン;エリプチニウム酢酸塩;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;マイタンシノイド、例えば、マイタンシンおよびアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2、2'、2'−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン類(特にT−2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、フィルデシン(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシッド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(ABRAXANE(登録商標))、およびドセタキセル(タキソテール(登録商標));クロランブシル;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金薬剤、例えば、シスプラチン、オキサリプラチン(例えば、エロキサチン(登録商標))、およびカルボプラチン;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標))、ビンクリスチン(オンコビン(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、フィルデシン(登録商標))、およびビノレルビン(ナベルビン(登録商標))を含むvincas(チューブリン重合の微小管形成を防ぐ);エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ロイコボリン;ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標))を含むレチノイド、例えば、レチノイン酸;ビスホスホネート、例えば、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ゾメタ(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(アレディア(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))、またはリセドロネート(アクトネル(登録商標));トロキサシタビン(1、3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖性に関わるシグナル伝達経路の遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC−アルファ、Raf、H−Ras、および上皮増殖因子受容体(EGF−R);ワクチン剤、例えば、THERATOPE(登録商標)ワクチンおよび遺伝子治療ワクチン剤、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、ロイベクチン(登録商標)ワクチン、およびVAXID(登録商標)ワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));rmRH(例えば、アバレリックス(登録商標));BAY439006(ソラフェニブ、NEXAVAR(登録商標);Bayer);SU−11248(スニチニブ、スーテント(登録商標)、Pfizer);ペリホシン、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブまたはエトリコキシブ)、プロテオソーム阻害剤(例えば、PS341);ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標));CCI−779;ティピファニブ(R11577);ソラフェニブ、ABT510;Bcl−2阻害剤、例えば、オブリメルセンナトリウム(ゲナセンス(登録商標));ピクサントロン;EGFR阻害剤(下記定義参照);チロシンキナーゼ阻害剤(下記定義参照);セリン−トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、ラパマイシン(シロリムス、ラパミューン(登録商標));ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、ロナファーニブ(SCH6636、SARASAR(商標)));および上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸または誘導体;ならびにCHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾロンの併用療法略称)やFOLFOX(オキサリプラチン(エロキサチン(商標))と5−FUおよびロイコボリンとの組み合わせ療法の略称)のような上記の2つ以上の組み合わせ。
【0047】
本明細書で定義される化学療法剤には、「抗ホルモン薬」または「内分泌治療薬」が含まれ、これらは、癌の増殖を促進できるホルモンの効果を、調節する、減らす、遮断する、または抑制する作用をする。これらはそれら自体ホルモンであってもよく、限定されないが、次記を含む:タモキシフェン(ノルバデックス(登録商標))、4−ヒドロキシタモキシフェン、トレミフェン(フェアストン(登録商標))、イドキシフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン(エビスタ(登録商標))、トリオキシフェン、ケオキシフェン、および選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、例えば、SERM3を含む混合アゴニスト/アンタゴニストプロファイルを有する抗エストロゲン;アゴニスト特性のない純粋な抗エストロゲン、例えば、フルベストラント(ファスロデックス(登録商標))、およびEM800(このような薬剤は、エストロゲン受容体(ER)二量体化を遮断し、DNA結合を阻害し、ER代謝回転を増加させ、および/またはERレベルを抑制できる);ステロイド性アロマターゼ阻害剤、例えば、ホルメスタンおよびエキセメスタン(アロマシン(登録商標))、ならびに非ステロイド性アロマターゼ阻害剤、例えば、アナストロゾール(アリミデックス(登録商標))、レトロゾール(フェマーラ(登録商標))およびアミノグルテチミド、ならびにボロゾール(RIVISOR(登録商標))、メゲストロール酢酸塩(MEGASE(登録商標))、ファドロゾール、および4(5)−イミダゾール等の他のアロマターゼ阻害剤を含むアロマターゼ阻害剤;リュープロリド(リュープロン(登録商標)およびエリガード(登録商標))、ゴセレリン、ブセレリン、およびトリプトレリンを含む黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト;プロゲスチン、例えば、メゲストロール酢酸塩およびメドロキシプロゲステロン酢酸塩、エストロゲン、例えば、ジエチルスチルベストロールおよびプレマリン、およびアンドロゲン/レチノイド、例えば、フルオキシメステロン、全てのトランス型レチノイン酸およびフェンレチニドを含む性ステロイド;オナプリストン;抗プロゲステロン;エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD);抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミドおよびビカルタミド;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸または誘導体;ならびに上記の2つ以上の組み合わせ。
【0048】
「血管新生因子または薬剤」は、血管発生を刺激する増殖因子、例えば、血管新生、内皮細胞増殖、血管の安定性、および/または脈管形成、等、を促進する増殖因子を意味する。例えば、血管新生因子には、限定されないが、例えば、次記が含まれる:VEGFおよびVEGFファミリーのメンバー(VEGF−B、VEGF−CおよびVEGF−D)、PlGF、PDGFファミリー、線維芽細胞増殖因子ファミリー(FGF)、TIEリガンド(アンジオポエチン)、エフリン、デルタ様リガンド4(DLL4)、del−1、線維芽細胞増殖因子:酸性(aFGF)および塩基性(bFGF)、フォリスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、肝細胞増殖因子(HGF)/分散因子(SF)、インターロイキン−8(IL−8)、レプチン、ミッドカイン、ニューロピリン、胎盤増殖因子、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)、血小板由来増殖因子、特にPDGF−BBまたはPDGFR−ベータ、プレイオトロフィン(PTN)、プログラニュリン、プロリフェリン、形質転換増殖因子−アルファ(TGF−アルファ)、形質転換増殖因子−ベータ(TGF−ベータ)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−アルファ)、等。また、創傷治癒を加速する因子、例えば、成長ホルモン、インスリン様増殖因子−I(IGF−I)、VIGF、上皮増殖因子(EGF)、CTGFおよびそのファミリーメンバー、およびTGF−アルファおよびTGF−ベータ、も含まれる。例えば、Klagsbrun and D'Amore(1991)Annu.Rev.Physiol.53:217−39;Streit and Detmar(2003)Oncogene 22:3172−3179;Ferrara & Alitalo(1999)Nature Medicine 5(12):1359−1364;Tonini et al.(2003)Oncogene 22:6549−6556(例えば、表1の既知の血管新生因子のリスト);および、Sato(2003)Int.J.Clin.Oncol.8:200−206、を参照されたい。
【0049】
「抗血管新生薬」または「血管新生阻害剤」は、血管新生、脈管形成、または望ましくない血管透過性を直接、間接的に阻害する、低分子量物質、ポリヌクレオチド(例えば、阻害性RNA(RNAiまたはsiRNA)を含む)、ポリペプチド、単離タンパク質、組換えタンパク質、抗体、またはそれらのコンジュゲートもしくは融合タンパク質、を意味する。抗血管新生薬には、血管新生因子またはその受容体の血管新生活性に結合し、遮断する薬剤が含まれることは理解されよう。例えば、抗血管新生薬は、例えば、次記に示す上記で定義の血管新生薬剤に対する抗体または他のアンタゴニストである:VEGF−Aに結合する融合タンパク質、例えば、ZALTRAP(商標)(アフリベルセプト)、VEGF−Aに対する抗体、例えば、アバスチン(登録商標)(ベバシズマブ)またはVEGF−A受容体(例えば、KDR受容体またはFlt−1受容体)に対する抗体、抗PDGFR阻害剤、例えば、グリベック(登録商標)(イマチニブメシレート)、VEGF受容体シグナル伝達を遮断する小分子(例えば、PTK787/ZK2284、SU6668、スーテント(登録商標)/SU11248(スニチニブリンゴ酸塩)、AMG706、または例えば、国際公開第2004/113304号に記載のもの)。また、抗血管新生薬には、ネイティブ血管新生阻害剤、例えば、アンジオスタチン、エンドスタチン、等が含まれる。例えば、Klagsbrun and D'Amore(1991)Annu.Rev.Physiol.53:217−39;Streit and Detmar(2003)癌遺伝子22:3172−3179(例えば、表3の悪性黒色腫の抗血管新生療法剤のリスト);Ferrara & Alitalo(1999)Nature Medicine 5(12):1359−1364;Tonini et al.(2003)Oncogene 22:6549−6556(例えば、表2の既知の抗血管新生因子リスト);および、Sato(2003)Int.J.Clin.dOncol.8:200−206(例えば、表1の臨床試験で使われる抗血管新生薬のリスト)、を参照されたい。
【0050】
「ドセタキセル」は、1、7β、10β−トリヒドロキシ−9−オキソ−5β、20−エポキシタキサ−11−エン−2α、4、13α−トリイル 4−アセタート 2−ベンゾアート 13−{(2R、3S)−3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノアート}を意味し、これは、一部の実施形態では、タキソテール(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。一部の実施形態では、ドセタキセルは、乳癌および非小細胞肺癌から選択される少なくとも1つの癌の治療に有効である。ドセタキセルで治療可能な非制限的代表的癌には、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、肝癌、腎癌、胃癌、頭頸部癌、および黒色腫、が含まれる。
【0051】
「パクリタキセル」は、(2α、4α、5β、7β、10β、13α)−4、10−ビス(アセチルオキシ)−13−{[(2R、3S)−3−(ベンゾイルアミノ)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパノイル]オキシ}−1、7−ジヒドロキシ−9−オキソ−5、20−エポキシタキサ−11−エン−2−イルベンゾアートを意味し、これは、一部の実施形態では、タキソール(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。パクリタキセルで治療可能な非制限的代表的癌には、乳癌、肺癌、およびカポジ肉腫、が含まれる。
【0052】
「カルボプラチン」は、シス−ジアンミン(シクロブタン−1、1−ジカルボキシラート−O、O’)白金(II)を意味し、これは、一部の実施形態では、パラプラチン(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。パクリタキセルで治療可能な非制限的代表的癌には、卵巣癌、非小細胞肺癌、精巣癌、胃癌、および膀胱癌、が含まれる。
【0053】
「オキサリプラチン」は、[(1R、2R)−シクロヘキサン−1、2−ジアミン](エタンジオアト−O、O’)白金(II)を意味し、これは、一部の実施形態では、エロキサチン(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。オキサリプラチンで治療可能な非制限的代表的癌には、結腸直腸癌、胃癌、および卵巣癌、が含まれる。
【0054】
「シスプラチン」は、(SP−4−2)−ジアンミンジクロリド白金、を指す。シスプラチンで治療可能な非制限的代表的癌には、肉腫、小細胞肺癌、卵巣癌、膀胱癌、精巣癌、リンパ腫、および胚細胞性腫瘍、が含まれる。
【0055】
「ビンクリスチン」は、メチル(1R、9R、10S、11R、12R、19R)−11−(アセチルオキシ)−12−エチル−4−[(13S、15S、17S)−17−エチル−17−ヒドロキシ−13−(メトキシカルボニル)−1、11−ジアザテトラシクロ[13.3.1.0
4、12.0
5、1]ノナデカ−4(12)、5、7、9−テトラエン−13−イル]−8−ホルミル−10−ヒドロキシ−5−メトキシ−8、16−ジアザペンタシクロ[10.6.1.0
1、9.0
2、7.0
16、19]ノナデカ−2、4、6、13−テトラエン−10−カルボキシラート、を意味し、これは、一部の実施形態では、Vincasar(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。ビンクリスチンで治療可能な非制限的代表的癌には、ホジキン病、白血病、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、急性リンパ芽球性白血病、およびウイルムス腫瘍、が含まれる。
【0056】
「ペメトレキセド」は、(S)−2−[4−[2−(4−アミノ−2−オキソ−3、5、7−トリアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3、8、10−トリエン−9−イル)エチル]ベンゾイル]アミノペンタン二酸、を意味し、これは、一部の実施形態では、アリムタ(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。ペメトレキセドで治療可能な非制限的代表的癌には、非小細胞肺癌、中皮腫、および食道癌、が含まれる。
【0057】
「ドキソルビシン」は、(8S、10S)−10−(4−アミノ−5−ヒドロキシ−6−メチル−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−6、8、11−トリヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシアセチル)−1−メトキシ−7、8、9、10−テトラヒドロテトラセン−5、12−ジオン、を意味し、これは、一部の実施形態では、アドリアマイシン(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。ドキソルビシンで治療可能な非制限的代表的癌には、膀胱癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、甲状腺癌、軟部肉腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、白血病、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、肉腫、およびウイルムス腫瘍、が含まれる。
【0058】
「5−FU」および「5−フルオロウラシル」は、5−フルオロ−1H−ピリミジン−2、4−ジオン、を意味し、これは、一部の実施形態では、Adrucil(登録商標)のブランド名で販売されているケースもある。5−FUで治療可能な非制限的代表的癌には、結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞腫、および卵巣癌、が含まれる。
【0059】
「ロイコボリン」は、また、フォリン酸としても知られ、(S)−2−[4−[(2−アミノ−5−ホルミル−4−オキソ−5、6、7、8−テトラヒドロ−1H−プテリジン−6−イル)メチルアミノ]ベンゾイル]アミノペンタン二酸、を意味する。一部の実施形態では、ロイコボリンは、5−フルオロウラシルと一緒に投与される。
【0060】
本明細書で使われる用語「VEGF」または「VEGF−A」は、165−アミノ酸ヒト血管内皮細胞増殖因子ならびに関連する121−、189−、および206−アミノ酸ヒト血管内皮細胞増殖因子を意味し、これらは、Leung et al.(1989)Science 246:1306、およびHouck et al.(1991)Mol.Endocrin、5:1806、中で、天然対立遺伝子およびそのプロセッシング型と一緒に記載されている。用語「VEGF」は、また、非ヒト種、例えば、マウス、ラットまたは霊長類由来のVEGFを意味する。特定の種由来のVEGFは、ヒトVEGFをhVEGF、マウスVEGFをmVEGF、等の用語で示される場合もある。また、用語「VEGF」は、165アミノ酸ヒト血管内皮細胞増殖因子のアミノ酸8〜109または1〜109を含む切断型のポリペプチドの意味で使用される。いずれかのこのようなVEGFの型への参照は、本出願では、例えば、「VEGF(8−109)」、「VEGF(1−109)」、「VEGF−A
109」または「VEGF165」等の表現により特定できる。「切断型」ネイティブVEGFのアミノ酸の位置は、ネイティブVEGF配列で示されるようにナンバリングされる。例えば、切断型ネイティブVEGF中のアミノ酸位置17(メチオニン)は、また、ネイティブVEGF中の位置17(メチオニン)である。切断型ネイティブVEGFは、ネイティブVEGFに相当する、KDRおよびFlt−1受容体に対する結合親和性を有する。
【0061】
「VEGFアンタゴニスト」は、限定されないが、1つまたは複数のVEGF受容体に対する結合を含む、VEGFの作用を中和、遮断、阻害、抑止、低減または妨害することができる分子を意味する。VEGFアンタゴニストには、限定されないが、抗VEGF抗体およびその抗原結合断片、特異的にVEGFに結合して1つまたは複数の受容体に対する結合を封鎖する受容体分子および誘導体、抗VEGF受容体抗体、VEGF受容体アンタゴニスト、例えば、VEGFRチロシンキナーゼの小分子阻害剤、およびVEGFに結合するイムノアドヘシン、例えば、VEGFトラップ(例えば、アフリベルセプト)、が含まれる。本明細書で使われる用語「VEGFアンタゴニスト」には、特に、VEGFに結合し、VEGF作用を中和、遮断、阻害、抑止、低減または妨害できる抗体、抗体断片、他の結合ポリペプチド、ペプチド、および非ペプチド小分子、等の分子が含まれる。従って、用語「VEGF作用」は、特に、VEGF媒介VEGF生物活性を含む。
【0062】
本明細書で使われる用語「VEGFトラップ」は、タンパク質、例えば、VEGFに結合し、VEGF作用を中和、遮断、阻害、抑止、低減または妨害できる融合分子を意味する。VEGFトラップの例は、アフリベルセプトである。
【0063】
用語「抗VEGF抗体」または「VEGFに結合する抗体」は、充分な親和性と特異性を持ち、ターゲティングVEGFにおける診断薬および/または治療薬として有用な、VEGFに結合できる抗体を意味する。抗VEGF抗体は、ヌードマウス中の種々のヒト腫瘍細胞株の増殖を抑制し(Kim et al.、Nature 362:841−844(1993);Warren et al.、J.Clin.Invest.95:1789−1797(1995);Borgstrom et al.、Cancer Res.56:4032−4039(1996);Melnyk et al.、Cancer Res.56:921−924(1996))、また、虚血性網膜障害モデルの眼内血管新生を抑制する。Adamis et al.、Arch.Ophthalmol.114:66−71(1996)。例えば、抗VEGF抗体は、VEGF活性が関与する疾患または状態のターゲティングおよび干渉における治療薬として使用できる。例えば、米国特許第6,582,959号、同6,703,020号;国際公開第98/45332号;同96/30046号;同94/10202号、同2005/044853号;欧州特許第0666868B1号;米国特許公開第20030206899号、同20030190317号、同20030203409号、同20050112126号、同20050186208号、および同20050112126号;Popkov et al.、Journal of Immunological Methods 288:149−164(2004);および国際公開第2005012359号、を参照されたい。選択された抗体は、通常、VEGFに対する充分強力な結合親和性を有するであろう。例えば、抗体は、100nM〜1pMのK
d値でhVEGFと結合できる。抗体親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴法ベースアッセイ(例えば、国際出願第2005/012359号に記載のBIAcoreアッセイ);酵素免疫測定法(ELISA);および競合アッセイ(例えば、RIAの)、により測定できる。抗体は、例えば、治療薬としての有効性を評価するために、他の生物活性アッセイに供してもよい。このようなアッセイは、当技術分野で既知であり、標的抗原および目的の抗体の用途に依存する。例には、HUVEC抑制アッセイ;腫瘍細胞増殖抑制アッセイ(例えば、国際公開第89/06692号に記載のような);抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体媒介細胞傷害(CDC)アッセイ(米国特許第5、500、362号);およびアゴニスト活性または造血アッセイ(国際公開第95/27062号、参照)、が含まれる。抗VEGF抗体は、通常、他のVEGF相同体、例えば、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−DまたはVEGF−Eにも、他の増殖因子、例えば、PlGF、PDGFまたはbFGF、にも結合しない。
【0064】
一実施形態では、抗VEGF抗体は、ハイブリドーマATCCHB10709により産生されたモノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープ;限定されないが、「ベバシズマブ」(「rhuMAb VEGF」または「アバスチン(登録商標)」としても知られる)として知られる抗体を含む、組換え型ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体と結合するモノクローナル抗体を含む(Presta et al.(1997)Cancer Res.57:4593−4599、参照)。アバスチン(登録商標)は、現在市販されている。ベバシズマブで治療できる非制限的代表的癌には、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、乳癌、腎癌、卵巣癌、多形神経膠芽腫、小児科の骨肉腫、胃癌および膵臓癌、が含まれる。ベバシズマブは、その受容体に対するヒトVEGFの結合を遮断するマウス抗体A.4.6.1由来の変異ヒトIgG
1フレームワーク領域および抗原結合相補性決定領域を含む。ベバシズマブおよび他のヒト化抗VEGF抗体は、米国特許第6,884,879号、および同7,169,901号、にさらに記載されている。さらなる抗VEGF抗体は、国際公開第2005/012359号および同2009/073160号;米国特許第7,060,269号、同6,582,959号、同6,703,020号;同6,054,297号;WO98/45332号;同96/30046号;同94/10202;EP0666868B1号;米国特許公開第2006009360号、同20050186208号、同20030206899号、同20030190317号、同20030203409号、および同20050112126号;ならびにPopkov et al.、Journal of Immunological Methods 288:149−164(2004)、に記載されている。
【0065】
用語「対象」および「患者」は、本明細書では、同義に使用され、哺乳動物を指す。一部の実施形態では、対象または患者はヒトである。他の実施形態では、限定されないが、げっ歯類、サル、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳類実験動物、哺乳類家畜、哺乳類スポーツアニマル、および哺乳類ペット、等の他の哺乳動物の治療の方法も提供される。
【0066】
本明細書で使われる「癌」および「腫瘍」は、同義の用語で、動物の細胞またはいずれかの組織の異常成長または異常増殖を意味する。本明細書で使われる用語「癌」と「腫瘍」は、固形および血液/リンパ腺癌を包含し、また、悪性、前癌性、および良性の増殖、例えば、異形成症、を含む。癌の例には、限定されないが、細胞腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が含まれる。さらに詳細なこのような癌の非制限的例には、扁平上皮癌、小細胞肺癌、下垂体癌、食道癌、星状細胞腫、軟部肉腫、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌、消化管癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、腎癌、肝癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、脳癌、子宮内膜癌、精巣癌、胆管細胞癌、胆嚢癌、胃癌、黒色腫、および種々の型の頭頸部癌、が含まれる。
【0067】
本明細書で使われる「治療」は、ヒトを含む哺乳動物の状態のための治療薬の何らかの投与または適用を含み、また、例えば、退縮を起こさせること、または損失、不足、もしくは不完全機能の回復もしくは修復;または非効率的プロセスの刺激による、状態または状態の進行の抑制、状態またはその進行の抑制または遅延化、その成長の停止、部分的または完全な状態の軽減、または状態の治癒、を含む。一部の実施形態では、「治療」は、治療される個体または細胞の自然経過を変えるための臨床的介入を意味し、予防のために、または臨床的病理学経過の間に行うことができる。望ましい治療効果には、疾患の発生または再発の防止、症状の軽減、いずれかの直接的、または疾患の間接的病理学的結果の縮減、転移の防止、疾患進行速度の減速化、疾患状態の改善もしくは緩和、および寛解または改善予後が含まれる。
【0068】
分子または分子の組み合わせの「有効量」または「治療有効量」は、単独または他の治療薬と組み合わせて投与される場合、状態を治療するのに十分な量、および/または、少なくとも対象の一部分で、腫瘍細胞の増殖を抑制する量を意味する。特定の実施形態では、治療有効量は、投与時、および必要な時間の間、所望の治療または予防の結果を得るために有効な量を意味する。治療有効量の本発明のFGFR1融合タンパク質は、例えば、それぞれの疾患状態、年齢、性別、および体重ならびに個体中でFGFR1融合タンパク質の所望の応答を誘発する能力、等の因子に従って変化してもよい。治療有効量は、また、FGFR1融合タンパク質のいずれかの有毒なまたは有害な効果より、治療薬効が勝るような量である。癌の場合には、薬剤の有効量は、癌細胞の数を減らす;腫瘍の大きさを減らす;癌細胞の末梢器官への湿潤を抑制する(すなわち、ある程度遅らせ、典型的には停止させる);腫瘍転移を抑制する(すなわち、ある程度遅らせ、典型的には停止させる);ある程度、腫瘍増殖を抑制する;腫瘍の治療を可能とする、および/またはある程度1つまたは複数の障害関連症状を軽減することができる。増殖を防ぐ、および/または現存癌細胞を死滅させることができる範囲で、薬剤は、細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性であってもよい。
【0069】
「予防的有効量」は、投与時および必要な時間の間、所望の予防の結果を実現するのに有効な量を意味する。必ずではないが、典型的には、予防の用量は、疾患の早期段階の前に、またはその段階で対象に使用されるので、予防的有効量は、治療有効量よりも少なくなる。
【0070】
用語「抑制(inhibition)」または「抑制(inhibit)」は、いずれかの表現型特性の減少もしくは停止、またはその特性の発生率、程度、もしくは可能性の減少もしくは停止を意味する。非制限的代表的抑制には、腫瘍増殖の抑制が含まれる。
【0071】
本明細書における「同時(concurrent)」投薬は、2つの治療用分子の8時間以内の投与を意味する。一部の実施形態では、2つの治療用分子は、同じ時間に投与される。各治療用分子の少なくとも一部の用量が、1時間以内に投与される場合、2つの治療用分子は、同じ時間(すなわち、同時に)投与されると見なされる。少なくとも1つの用量が同時に投与される場合で、たとえ、1つまたは複数の他の用量が同時に投与されない場合でも、2つの治療用分子は、同時に投与されることになる。一部の実施形態では、同時投与には、1つまたは複数の他の治療用分子の投与の中断後に、1つまたは複数の治療用分子の投与が継続される場合の投与計画を含む。
【0072】
1つまたは複数の追加の治療薬と「組み合わせた」投与は、同時(一斉投与を含む)および任意の順番の連続(すなわち、逐次)投与を含む。
【0073】
「薬学的に許容可能なキャリア」は、対象に投与するための「医薬組成物」を一緒に構成する治療薬と共に使用される当技術分野で従来からある無毒な固体、半固体、または液体充填剤、希釈剤、封入材料、製剤補助剤、またはキャリアを意味する。薬学的に許容可能なキャリアは、採用された投薬量および濃度でレシピエントに対し非毒性であり、製剤の他の成分と共生できる。薬学的に許容可能なキャリアは、採用された製剤に対し適する。例えば、治療薬が経口で投与されることになる場合は、キャリアは、ゲルカプセルであってもよい。治療薬が、皮下に投与されることになる場合は、キャリアは、理想的には、皮膚に刺激性ではなく、注射部位反応を起こさない。
【0074】
治療組成物および方法
FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子を他の治療薬と組み合わせて使用する癌の治療方法
本発明は、線維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)細胞外ドメイン(ECD)またはFGFR1 ECD融合分子の1つまたは複数の追加の抗癌治療との組み合わせ、およびこのような組み合わせの癌治療での使用を特徴とする。追加の抗癌治療の例には、限定されないが、手術、放射線療法(radiation therapy)(放射線療法(radio therapy))、生物学的療法、免疫療法、および化学療法またはこれらの治療の組み合わせ、が含まれる。さらに、細胞傷害性薬剤、抗血管新生および抗増殖性薬剤がFGFR1 ECDまたはFGFR1 ECD融合分子を組み合わせて使用できる。いずれかの方法と使用の特定の態様では、本発明は、治療有効量のFGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、および1つまたは複数の化学療法剤を、癌と診断された、または未治療の癌に苦しんでいる対象に投与することによる癌の治療を提供する。種々の化学療法剤が、本発明の治療方法および使用法と組み合わせて使用可能である。意図されている化学療法剤の非制限的な代表的リストは、本明細書の「定義」、および「発明の概要」のところで提供されている。別の態様では、本発明は、治療有効量のFGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、および1つまたは複数の抗血管新生薬を、未治療の癌と診断された対象に投与することによる、癌の治療を提供する。別の態様では、本発明は、治療有効量のFGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、および1つまたは複数のVEGFアンタゴニストを、未治療の癌と診断された対象に投与することによる、癌の治療を提供する。さらに別の態様では、本発明は、本発明は、治療有効量のFGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、および1つまたは複数のVEGFアンタゴニストを1つまたは複数の化学療法剤と組み合わせて、未治療の癌と診断された対象に投与することによる、癌の治療を提供する。一部の実施形態では、1つまたは複数のVEGFアンタゴニストは、抗VEGF抗体および/またはVEGFトラップである。
【0075】
一例では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子を、ドセタキセル、パクリタキセル、ビンクリスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、ペメトレキセド、ソラフェニブ、エトポシド、トポテカン、VEGFアンタゴニスト、抗VEGF抗体、VEGFトラップ、およびベバシズマブから選択される少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて、対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびドセタキセルを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびペメトレキセドを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびパクリタキセルを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびシスプラチンを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびビンクリスチンを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、および5−FUを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびエトポシドを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびトポテカンを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびVEGFアンタゴニストを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、および抗VEGF抗体を対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびVEGFトラップを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、およびベバシズマブを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の少なくとも1つの用量ならびに少なくとも1つの追加の治療薬の少なくとも1つの用量が同時に投与される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の少なくとも1つの用量ならびに少なくとも1つの追加の治療薬の少なくとも1つの用量がおなじ時間(すなわち、一斉に)に投与される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の少なくとも1つの用量ならびに少なくとも2つの追加の治療薬の少なくとも1つの用量が、同時に、または一斉に投与される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の少なくとも1つの用量ならびに少なくとも3つの追加の治療薬の少なくとも1つの用量が、同時に、または一斉に投与される。別の例では、FGFR1−ECD.339−Fcを、ドセタキセル、パクリタキセル、ビンクリスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、ペメトレキセド、およびエトポシド、トポテカン、VEGFアンタゴニスト、抗VEGF抗体、VEGFトラップ、ソラフェニブ、ならびにベバシズマブから選択される少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて、対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1−ECD.339−Fcおよびドセタキセルを対象に投与する工程を含む、癌の治療方法が提供される。一部の実施形態では、FGFR1−ECD.339−Fcの少なくとも1つの用量および少なくとも1つの追加の治療薬の少なくとも1つの用量が同時に投与される。一部の実施形態では、FGFR1−ECD.339−Fcの少なくとも1つの用量および少なくとも1つの追加の治療薬の少なくとも1つの用量が同じ時間に投与される。
【0076】
FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)を含む医薬組成物は、特異的適応症に対し治療有効量で投与される。治療有効量は、通常、治療される対象の体重、対象の身体的または健康状態、治療される状態の広がりの大きさ、および/または治療される対象の年齢に依存する。一般的に、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)は、単回用量当たり約50μg/kg体重〜約100mg/kg体重の範囲で投与されるべきである。任意選択で、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)は、単回用量当たり約100μg/kg体重〜約30mg/kg体重の範囲の量で投与できる。さらなる任意選択では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)は、単回用量当たり約0.5mg/kg体重〜約20mg/kg体重の量で投与できる。特定の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)は、約8mg/kg体重〜約20mg/kg体重の用量で投与される。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)は、約8mg/kg体重、約10mg/kg体重、約11mg/kg体重、約12mg/kg体重、約13mg/kg体重、約14mg/kg体重、約15mg/kg体重、約16mg/kg体重、約17mg/kg体重、約18mg/kg体重、約19mg/kg体重、または約20mg/kg体重の用量で投与される。FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子は、また、上記用量の1つからもう一つの用量までの範囲で投与できる。一部の実施形態では、投与量は、週2回で、毎週で、隔週で、毎週〜隔週の間の頻度で、3週毎に、4週毎に、または毎月、投与できる。
【0077】
特定の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の投与量は、使用される消衰係数(EC)に応じて、2つの方法で計算できる。消衰係数は、タンパク質のグリコシル化を考慮するかどうかに応じて異なる。一実施形態では、FGFR1−ECD.339−Fcのアミノ酸組成物に基づく消衰係数は、例えば、1.42mL/mg*cmである。別の実施形態では、FGFR1−ECD.339−Fcの炭水化物成分ならびにアミノ酸成分を考慮すると、消衰係数は、1.11mL/mg*cmである。1.11mL/mg*cmのECを使ったFGFR1−ECD.339−Fc用量の計算は、表1に示すように、計算結果の用量を28%増加させる。2つの消衰係数を使って計算した用量は異なるが、モル濃度、または実際の投与される薬剤量は、同じである。特に断りのない限り、本明細書で考察する用量は、それぞれ、グリコシル化を考慮しない消衰係数を使って計算される。FGFR1−ECD.339−Fcに関し、これらの投与量を、グリコシル化を考慮した消衰係数を使ったものとの比較を表1に示す。表1から解るように、1.42mL/mg*cmのECを使った約8mg/kg(例えば、7.8と8.0mg/kg)の投与量は、1.11mL/mg*cmのECで計算した場合の約10mg/kg(例えば、10.0と10.2mg/kg)の投与量に相当する。1.42mL/mg*cmのECを使った約16mg/kg(例えば、15.6と16.0mg/kg)の投与量は、1.11mL/mg*cmのECで計算した場合の約20mg/kg(例えば、20.0と20.5mg/kg)の投与量に相当する。上記「定義」セクションで述べたように、本明細書で提供される測定された数字は、近似値であり、追加の丸められた有効数字を有する値を含む。例えば、8mg/kgは、2つの有効桁数を有する値、例えば、7.6、7.8、8.0、8.2、8.4、および8.45を包含する。これらの数値は、それぞれ、8に丸められる。同様に、16mg/kg、等の数値は、16に丸められる3桁の有効数字を持つ値、例えば、15.6および16.0を包含する。
【0078】
(表1)FGFR1−ECD.339−FC用量の変換
a 用量:mg/kgで示す。
【0079】
FGFR1 ECD、FGFR1 ECD融合分子、および/または少なくとも1つの追加の治療薬を含む医薬組成物が、必要に応じ、対象に投与できる。 特定の実施形態では、有効量の治療用分子が、1回または複数回、対象に投与される。種々の実施形態では、有効量の治療用分子が、少なくとも2ヶ月に1回、少なくとも月1回、少なくとも月2回、週1回、週2回、または週3回、対象に投与される。種々の実施形態では、有効量の治療用分子が、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、対象に投与される。
【0080】
特定の実施形態では、FGFR1 ECD、FGFR1 ECD融合分子および少なくとも1つの追加の治療薬の組み合わせ投与は、同時投与を含み、別々の製剤または単一の医薬製剤を使った一斉投与、ならびに任意の順番の連続投与が含まれる。任意選択で、両方の(または全ての)活性薬剤が一斉にそれらの生物活性を発揮する時間帯がある。FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)と組み合わせて投与される治療薬の治療有効量は、医師の、または獣医師の自由裁量であろう。投与量の投与と調整は、治療される状態の最大の治療成果を達成するように行われる。用量は、さらに、使われる治療薬のタイプ、治療される患者の特異性、疾患の経過、および治療計画の所望の攻撃性といった因子に依存するであろう。
【0081】
特定の実施形態では、患者は、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)およびVEGFアンタゴニストの組み合わせで治療される。一部の実施形態では、VEGFアンタゴニストは、VEGFトラップ(例えば、アフリベルセプト)である。一部の実施形態では、VEGFアンタゴニストは、抗VEGF抗体である。一部の実施形態では、VEGF抗体は、ベバシズマブである。ベバシズマブの1つの代表的投与量は、約0.05mg/kg〜約20mg/kgの範囲である。従って、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kgまたは15mg/kg(またはそれらのずれかの組み合わせ)の内の1つまたは複数の用量が患者に投与できる。このような用量は、断続的に、例えば、毎週、2週毎に、または3週毎に投与できる。
【0082】
一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子(例えば、FGFR1−ECD.339−Fc)は、別の治療薬、例えば、化学療法剤または抗血管新生薬と組み合わせて、推奨された、または処方された投与量および/または頻度で、治療薬を投与される。
【0083】
投与経路およびキャリア
一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子は、静脈内、および/または皮下に投与できる。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子は、別の経路、例えば、動脈内、非経口、鼻腔内、筋肉内、心臓内、心室内、気管内、頬側、直腸、腹腔内、皮内、局所的、経皮、もしくは鞘内経路により、または移植もしくは吸入による他の方法で投与できる。種々の実施形態では、少なくとも1つの追加の治療薬が、種々の経路によりインビボで投与できる。この経路には、静脈内、動脈内、皮下、非経口、鼻腔内、筋肉内、心臓内、心室内、気管内、頬側、直腸の、腹腔内の、皮内、局所的、経皮、もしくは鞘内、または移植もしくは吸入による他の方法が含まれる。 各対象組成物は、単独または組み合わせて固体、半固形、液体、またはガス状形態の製剤に処方できる。これら製剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、軟膏、溶液、坐剤、浣腸剤、注射剤、吸入剤、およびエアロゾル、である。
【0084】
種々の実施形態では、FGFR1 ECD、FGFR1 ECD融合分子、および/または少なくとも1つの追加の治療薬を含む組成物は、当技術分野で既知の各種の薬学的に許容可能なキャリアを有する製剤として提供される(例えば、Gennaro、Remington:実際と比較を伴った薬学の科学と実践:ドラッグファクトプラス(The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus)、20th ed.(2003);Ansel et al.、医薬品剤形および薬剤デリバリーシステム(Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems)、7
thed.、 Lippencott Williams and Wilkins(2004);Kibbe et al.、医薬品賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)、3
rded.、 Pharmaceutical Press(2000)を参照)。 ビークル、アジュバント、キャリア、および希釈剤等の、種々の薬学的に許容可能なキャリアが、通常、利用可能である。さらに、種々の薬学的に許容可能な補助物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、浸透圧調整剤、安定剤、湿潤剤、等が、一般的に利用可能である。特定の非制限的代表的キャリアには、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセリン、エタノール、およびこれらの組み合わせが含まれる。一部の実施形態では、治療薬が、上記定義セクションで示したブランド名薬剤、またはジェネリック等価物として処方される。一部の実施形態では、ドセタキセルが、タキソテール(登録商標)(Sanofi Aventis)またはジェネリック等価物として処方される。
【0085】
種々の実施形態では、FGFR1 ECDs、FGFR1 ECD融合分子、および/または少なくとも1つの追加の治療薬を含む組成物が、水性または非水性溶媒、例えば、植物または他の油、合成脂肪族酸グリセリド、より高級脂肪酸のエステル、またはプロピレングリコール中での溶解、分散、または乳化により;および、所望に応じ、通常の添加物、例えば、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定化剤および防腐剤、と一緒に、注射剤用に処方できる。種々の実施形態では、組成物は、例えば、受容可能な加圧噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素、等、を使って、吸入用に処方できる。 種々の実施形態では、組成物は、また、例えば、生分解性または非生分解性高分子と一緒に、徐放マイクロカプセルとして処方できる。 非制限的代表的生分解性製剤には、ポリ乳酸グリコール酸ポリマーが含まれる。非制限的代表的非生分解性製剤には、ポリグリセリン脂肪酸エステルが含まれる。このような製剤を作製する特定の方法は、例えば、欧州特許第EP1125584A1号に記載されている。
【0086】
1つまたは複数の用量のFGFR1 ECD、FGFR1 ECD融合分子、および/または少なくとも1つの追加の治療薬をそれぞれ含み、1つまたは複数の容器を含む医薬品ドーズパックが提供される。一部の実施形態では、ドーズパックは、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子を含むが、次記のいずれの追加の治療薬も含まない:ドセタキセル、パクリタキセル、ビンクリスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、ペメトレキセド、エトポシド、トポテカン、ソラフェニブ、VEGFアンタゴニスト、抗VEGF抗体、VEGFトラップ、またはベバシズマブ。他の実施形態では、ドーズパックは、少なくとも1つの追加の治療薬を含むが、FGFR1 ECDまたはFGFR1 ECD融合分子を含まない。他の実施形態では、ドーズパックは、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子および少なくとも1つの追加の治療薬を含み、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子が、少なくとも1つの追加の治療薬とは別々の容器に入れられている。他の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子は、少なくとも1つの追加の治療薬と同じ容器中にある。特定の実施形態では、2つ以上の追加の治療薬が提供され、2つ以上の治療薬は、別々の、または同じ容器内に入れられてもよい。特定の実施形態では、ユニット投与量が提供され、ユニット投与量は、FGFR1 ECD、FGFR1 ECD融合分子を含む所定量の組成物、および/または1つまたは複数の追加の薬剤を有するか、または有しない少なくとも1つの追加の治療薬を含む。特定の実施形態では、このようなユニット投与量は、注射用単回使用薬剤充填済み注射器で提供される。種々の実施形態では、ユニット投与量中に含まれる組成物は、生理食塩水、ショ糖、等;緩衝液、例えば、リン酸塩、等を含んでもよく;および/または安定な、また、有効なpH領域内で処方してもよい。 あるいは、特定の実施形態では、組成物は、適切な液体、例えば、無菌の水の添加により再構成できる凍結乾燥粉末として提供できる。 特定の実施形態では、組成物は、限定されないが、ショ糖およびアルギニンを含む、1つまたは複数のタンパク質凝集を抑制する物質を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は、ヘパリンおよび/またはプロテオグリカンを含む。一部の実施形態では、ドーズパックは、FGFR1 ECDならびに/またはFGFR1 ECD融合分子ならびに/またはドセタキセル、パクリタキセル、ビンクリスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、ペメトレキセド、エトポシド、トポテカン、ソラフェニブ、VEGFアンタゴニスト、抗VEGF抗体、VEGFトラップ、およびベバシズマブ、から選択される少なくとも1つの追加の治療薬を含む。
【0087】
一部の実施形態では、ドーズパックは、少なくとも1つの追加の治療薬と一緒に、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子を、患者に投与するための使用説明書をさらに含む。一部の実施形態では、使用説明書は、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の内の少なくとも1つの用量が、少なくとも1つの追加の治療薬と同時に投与されなければならないことを示している。一部の実施形態では、使用説明書は、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の内の少なくとも1つの用量が、少なくとも1つの追加の治療薬と同じ時間に投与しなければならないことを示している。
【0088】
本明細書で使われる用語「使用説明書」には、限定されないが、ラベル、パッケージインサート、電子形式、例えば、コンピュータで判読可能な媒体(例えば、ディスケット、コンパクトディスク、またはDVD)で利用可能な使用説明書、遠方から、例えば、インターネット経由で、利用可能な使用説明書、等が含まれる。ドーズパックが使用説明書へのアクセス、使用説明書へのリンク(例えば、ユニフォームリソースロケータ、すなわち、url)、または使用説明書のコピーを得るための他の手順(例えば、返信用はがきの返信、使用説明書を入手できる物理的住所、使用説明書を入手できるe−mailアドレス、使用説明書を入手するために連絡する電話番号、等)を提供する場合は、ドーズパックは、使用説明書を含むと考えられる。
【0089】
FGFR1 ECDおよびFGFR1 ECD融合分子
非制限的代表的FGFR1 ECDには、完全長FGFR1 ECD、FGFR1 ECD断片、およびFGFR1 ECD変異体が含まれる。FGFR1 ECDは、シグナルペプチドを含んでも、または含まなくてもよい。代表的FGFR1 ECDには、限定されないが、配列番号1、2、3、および4から選択されるアミノ酸配列を有するFGFR1 ECDが含まれる。
【0090】
非制限的代表的FGFR1 ECD断片には、アミノ酸339(成熟型の最初のアミノ酸から数えて;シグナルペプチド無しの場合)で末端となるヒトFGFR1 ECDが含まれる。一部の実施形態では、FGFR1 ECD断片は、アミノ酸339〜アミノ酸360(成熟型の最初のアミノ酸から数えて;シグナルペプチド無しの場合)の間のアミノ酸で末端となる。代表的FGFR1 ECD断片には、限定されないが、配列番号3および4から選択されるアミノ酸配列を有するFGFR1 ECD断片が含まれる。
【0091】
一部の実施形態では、FGFR1 ECDは、配列番号1〜4から選択される配列を含む。一部の実施形態では、FGFR1 ECDは、配列番号1〜4から選択される配列から構成される。FGFR1 ECDが、配列番号1〜4から選択される配列から「構成される」場合、FGFR1 ECDは、種々の翻訳後修飾、例えば、グリコシル化およびシアリル化を含んでも、含まなくてもよい。換言すれば、FGFR1 ECDが特定のアミノ酸配列から構成される場合、近接のアミノ酸配列中に追加のアミノ酸を含まないが、アミノ酸側鎖、N末端アミノ基、および/またはC末端カルボキシ基に対する修飾を含んでもよい。
【0092】
一部の実施形態では、FGFR1 ECD融合分子は、シグナルペプチドを含む。一部の実施形態では、FGFR1 ECD融合分子は、シグナルペプチドを欠く。一部の実施形態では、FGFR1 ECD融合分子のFGFR1 ECD部分は、配列番号1〜4から選択される配列を含む。一部の実施形態では、FGFR1 ECD融合分子のFGFR1 ECD部分は、配列番号1〜4から選択される配列から構成される。FGFR1 ECD融合分子のFGFR1 ECD部分が配列番号1〜4から選択される配列から「構成される」場合、FGFR1 ECD融合分子のFGFR1 ECD部分は、種々の翻訳後修飾、例えば、グリコシル化およびシアリル化を含んでも、含まなくてもよい。換言すれば、FGFR1 ECD融合分子のFGFR1 ECD部分が特定のアミノ酸配列から構成される場合、FGFR1の近接のアミノ酸配列中に追加のアミノ酸を含まないが、アミノ酸側鎖、N末端アミノ基、および/またはC末端カルボキシ基に対し修飾を含んでもよい。さらに、FGFR1 ECDは、融合分子に結合しているために、FGFR1 ECDのNおよび/またはC末端に追加のアミノ酸があってもよいが、これらのアミノ酸は、FGFR1配列由来であってはいけないが、例えば、リンカー配列、または融合パートナー配列由来であってもよい。
【0093】
一部の実施形態では、FGFR1 ECD融合分子の融合パートナー部分は、Fc、アルブミン、およびポリエチレングリコールから選択される。非制限的代表的融合パートナーは、本明細書で考察される。
【0094】
本発明者等は、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子、ならびに、ドセタキセル、パクリタキセル、ビンクリスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、ペメトレキセド、ソラフェニブ、エトポシド、トポテカン、血管上皮増殖因子(VEGF)アゴニスト、VEGFトラップ、抗VEGF抗体、およびベバシズマブから選択される少なくとも1つの追加の治療薬の投与が、癌の治療に有用であることを見出した。一部の実施形態では、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子がドセタキセルと一緒に投与される。
【0095】
融合パートナーおよびコンジュゲート
本明細書で考察されるように、FGFR1 ECDは、少なくとも1つの融合パートナーと組み合わせることができ、その結果、FGFR1 ECD融合分子を生成する。これらの融合パートナーは、精製を促進でき、また、FGFR1 ECD融合分子は、延長されたインビボ半減期を示すことができる。FGFR1 ECDの適切な融合パートナーには、例えば、次記が含まれる:水溶性ポリマー等のポリマー、免疫グロブリンの定常ドメイン;ヒト血清アルブミン(HSA)の一部または全部;フェチュインA;フェチュインB;ロイシンジッパードメイン;テトラネクチン三量体形成ドメイン;マンノース結合タンパク質(マンノース結合レクチンとしても知られる)、例えば、マンノース結合タンパク質1;および本明細書記載のFc領域(米国特許第6,686,179号でさらに記載されている)。非制限的代表的FGFR1 ECD融合分子は、例えば、米国特許第7,678,890号に記載されている。
【0096】
FGFR1 ECD融合分子は、ポリアミノ酸または分岐点アミノ酸をFGFR1 ECDに結合させて調製できる。例えば、ポリアミノ酸は、FGFR1 ECDの循環半減期を延長する役割をするキャリアタンパク質であってもよい(融合分子により達成される利点に加えて)。本発明の治療の目的のために、このようなポリアミノ酸は、理想的には、中和抗原応答または他の有害応答を生成させないか、または生成しないものであるべきである。このようなポリアミノ酸は、血清アルブミン(例えば、HSA)、追加の抗体またはその一部、例えば、Fc領域、フェチュインA、フェチュインB、ロイシンジッパー核内転写因子赤血球誘導体−2(NFE2)、神経網膜ロイシンジッパー、テトラネクチン、または他のポリアミノ酸、例えば、リシンから選択してもよい。本明細書記載のように、ポリアミノ酸の結合位置は、N末端もしくはC末端、またはその間の他の位置でもよく、また、化学リンカー成分を介して選択分子に結合されてもよい。
【0097】
ポリマー
ポリマー、例えば、水溶性ポリマーは、生理的な環境で典型的に認められるような水性の環境中で、FGFR1 ECD融合分子の沈殿を減らす融合パートナーとして有用となりうる。本発明で採用されるポリマーは、治療用産物または組成物の調製に対し薬学的に許容可能である。
【0098】
適切で臨床的に受容可能な水溶性ポリマーには、限定されないが、以下が含まれる:ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、モノメトキシポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ポリ−1、3−ジオキソラン、ポリ−1、3、6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリ(β−アミノ酸)(ホモポリマーまたはランダム共重合体)、ポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールホモポリマー(PPG)および他のポリアルキレンオキシド、ポリ酸化プロピレン/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(POG)(例えば、グリセリン)および他のポリオキシエチル化ポリオール、ポリオキシエチル化ソルビトール、またはポリオキシエチル化ブドウ糖、コラン酸または他の炭水化物ポリマー、フィコール、またはデキストランならびにこれらの混合物。
【0099】
本明細書で使われるポリエチレングリコール(PEG)は、他のタンパク質の誘導体化に使用されている全ての形、例えば、モノ−(C
1〜C
10)アルコキシ−またはアリールオキシポリエチレングリコールを包含することが意図されている。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中での安定性の故に、製造における利点がある可能性がある。
【0100】
本明細書で使われるポリマー、例えば、水溶性ポリマーは、どのような分子量であっても、また、分岐でも、非分岐でもよい。一部の実施形態では、ポリマーは、約2kDa〜約100kDaの平均分子量を有する(用語「約」は、ポリマーの調製中に、一部の分子が規定分子量よりも多く秤量され、一部が少なく秤量されうることを示す)。各ポリマーの平均分子量は、約5kDa〜約50kDaでも、または約12kDa〜約25kDaであってもよい。一般的に、分子量が高いほど、または分岐部が多いほど、ポリマー:タンパク質比率が大きくなる。所望の治療のプロファイル;例えば、徐放持続期間;もしあれば、生物活性にあたえる効果;取扱の容易さ;抗原性の程度または欠如;および他の既知のポリマーのFGFR1 ECDに与える効果に応じて、他の大きさの分子量も、使用可能である。
【0101】
本発明で採用されるポリマーは、典型的には、ポリペプチドの機能性または抗原性ドメインに与える効果を考慮して、FGFR1 ECDに結合される。一般的に、タンパク質を活性化ポリマー分子と反応させるために使われるいずれかの適切な条件下で化学的誘導体化を行うことができる。ポリマーを活性成分に連結するのに使われる活性化基には、スルホン、マレイミド、スルフヒドリル、チオール、トリフラート、トレシラート、アジリジン、オキシラン、および5−ピリジルが含まれる。
【0102】
本発明のポリマーは、典型的には、アミノ酸または反応性チオール基のアルファ(α)またはイプシロン(ε)アミノ基の位置の異種のポリペプチドに結合するが、ポリマー基は、適切な反応条件下でポリマー基に結合するのに充分な反応性のタンパク質のいずれかの反応基に結合できることが意図されている。従って、ポリマーは、反応基、例えば、遊離アミノまたはカルボキシル基を介してFGFR1 ECDに共有結合できる。遊離アミノ基を有するアミノ酸残基は、リジン残基およびN末端アミノ酸残基を含んでもよい。遊離カルボキシル基を有する残基には、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、およびC末端アミノ酸残基を含んでもよい。反応性チオール基を有する残基には、システイン残基が含まれる。
【0103】
ポリマー、例えば、水溶性ポリマーとコンジュゲートされる融合分子の調製方法は、一般的には、(a)FGFR1 ECDを、そのポリペプチドが1つまたは複数のポリマーに結合される条件下でポリマーと反応させ、(b)反応産物を得ることを含む。各コンジュゲーション用の反応条件は、当技術分野で既知の、または後で開発されたいずれかの条件から選択してもよいが、被修飾タンパク質を不活化させる可能性がある反応条件、例えば、温度、溶剤、およびpHレベルへの暴露を避けるか、制限するように選択されるべきである。一般的に、反応の最適反応条件は、既知のパラメータおよび所望の結果に基づいて、ケースバイケースで決定されるであろう。例えば、ポリマー:ポリペプチドコンジュゲートの比率が大きければ大きいほど、コンジュゲートされた産物の割合が大きくなる。最適比率(過剰の未反応ポリペプチドまたはポリマーが存在しない反応効率の観点からの)は、例えば、所望の誘導体化の程度(例えば、モノ−、ジ−、トリ−、等)、選択ポリマーの分子量、ポリマーが分岐か非分岐かどうか、および使用反応条件、等の因子により決定できる。ポリマー(例えば、PEG)のポリペプチドに対する比率は、通常、1:1〜100:1の範囲であろう。1つまたは複数の精製コンジュゲートは、特に、透析、塩析、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、および電気泳動、等の、標準的精製技術を使って、各混合物から調製できる。
【0104】
N末端化学修飾されたFGFR1 ECDが、特に要求される場合がある。ポリマーは、分子量、分岐、等、反応混合物中のポリマーのFGFR1 ECD分子に対する比率、行われる反応タイプ、および選択したN末端化学修飾FGFR1 ECDを取得する方法、により選択することができる。N末端化学修飾FGFR1 ECD調製物の取得方法(必要に応じ、この成分を他のモノ誘導体化成分からの分離)は、N末端化学修飾FGFR1 ECD材料の集団の化学修飾タンパク質分子集団からの精製によるものであってもよい。
【0105】
選択的N末端化学修飾は、特定のタンパク質中で誘導体化に利用可能な異なるタイプの1級アミノ基の異なる反応性(N末端に対するリシン)を利用する還元的アルキル化により実現できる。適切な反応条件下で、カルボニル基含有ポリマーを使った実質的なタンパク質のN末端での選択的誘導体化が実現される。例えば、タンパク質のN末端残基のリジン残基のε−アミノ基およびα−アミノ基の間のpKa差異を利用することを可能とするpHで反応を行うことにより、ポリマーをタンパク質のN末端に選択的に結合させることができる。このような選択的誘導体化により、ポリマーのタンパク質への結合が制御され、ポリマーとのコンジュゲーションが、タンパク質のN末端で支配的に起こり、リシン側鎖アミノ基、等の他の反応基の顕著な修飾が起こらない。還元的アルキル化を使う場合、ポリマーは、上述のタイプでよく、また、タンパク質へのカップリングのために、単一の反応性アルデヒドを持たねばならない。単一の反応性アルデヒドを含むポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドも、使用可能である。
【0106】
一実施形態では、本発明は、化学的に誘導体化したFGFR1 ECDは、モノ−またはポリ−(例えば、2〜4)PEG成分を含むように考慮している。ペグ化は、利用可能ないずれかのペグ化反応により行うことができる。ペグ化タンパク質産物を調製する方法は、一般的に、(a)ポリペプチド(例えば、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体)を、タンパク質が1つまたは複数のPEG基に結合する条件下でポリエチレングリコールと反応させ;さらに(b)反応産物を取得すること、を含む。一般的に、最適反応条件は、既知のパラメータおよび所望の結果に基づいて、ケースバイケースで決定される。
【0107】
当技術分野で既知の多くのPEG付加方法がある。例えば、欧州特許第0401384号;Malik et al.、Exp.Hematol.、20:1028−1035(1992);Francis、Focuson Growth Factors、3(2):4−10(1992);欧州特許第0154316号;欧州特許第0401384号;国際出願第92/16221号;国際出願第95/34326号;およびペグ化に関連する本明細書で引用された他の出版物、を参照されたい。
【0108】
ペグ化は、例えば、反応性ポリエチレングリコール分子とのアシル化反応またはアルキル化反応を介して、行うことができる。従って、本発明によるタンパク質産物は、PEG基がアシルまたはアルキル基を介して結合されているペグ化タンパク質を含む。このような産物は、モノペグ化またはポリペグ化(例えば、2〜6または2〜5PEG基を含むもの)であってもよい。PEG基は、通常、アミノ酸のα−またはε−アミノ基の位置でタンパク質に結合するが、また、PEG基は、適切な反応条件下でPEG基に結合するのに充分に反応性であるタンパク質に結合しているいずれのアミノ基にも結合できることが意図されている。
【0109】
アシル化によるペグ化は、一般的に、ポリエチレングリコール(PEG)の活性エステル誘導体を、FGFR1 ECDと反応させることを含む。アシル化反応に対しては、選択ポリマーは、通常、単一の反応性エステル基を有する。いずれの既知のまたはその後に発見された反応性ペグ分子も、ペグ化反応を実行するのに使用できる。適切な活性化PEGエステルの一例は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)にエステル化したPEGである。本明細書で使われるアシル化は、限定されないが、治療用タンパク質およびポリマー、例えば、PEG:アミド、カルバマート、ウレタン、等の間の結合を含むことが意図されている。例えば、Chamow、Bioconjugate Chem.、5:133−140(1994)、を参照されたい。反応条件は、近年既知の、またはその後開発された条件のいずれかから選択してもよいが、被修飾ポリペプチドを不活性化する可能性のある温度、溶媒、およびpH等の条件は避けるべきである。
【0110】
アシル化によるペグ化は、通常、ポリペグ化タンパク質を生じる。接続結合は、アミドであってもよい。得られた産物は、実質的に(例えば、>95%)モノ−、ジ−、またはトリペグ化のみであってもよい。しかし、より高度のペグ化の一部の種が、使用された特定の反応条件に応じた量で形成される可能性がある。所望なら、特に、透析、塩析、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、および電気泳動を含む標準的精製技術を使って、より高度に精製されたペグ化種を混合物(特に未反応種)から分離することができる。
【0111】
アルキル化によるペグ化は、通常、PEGの末端アルデヒド誘導体を、還元剤の存在下でポリペプチドと反応させることを含む。還元的アルキル化反応に対しては、選択ポリマーは、単一の反応性アルデヒド基を持たなくてはならない。代表的反応性PEGアルデヒドは、水に安定性のポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、またはモノC
1〜C
10アルコキシまたはそのアリールオキシ誘導体である。例えば、米国特許第5,252,714号を参照されたい。
【0112】
マーカー
さらに、本発明のFGFR1 ECDは、マーカー配列、例えば、融合ポリペプチドの精製を促進するペプチド、に融合されてもよい。マーカーアミノ酸配列は、ヘキサヒスチジンペプチド、例えば、特に、pQEベクター(Qiagen、Mississauga、Ontario、Canada)で与えられるタグであってもよい。これらの多くは、市販されている。Gentz et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.86:821−824(1989)で記載のように、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製法を提供する。精製に有用な別のペプチドタグの赤血球凝集素(HA)タグは、インフルエンザHAタンパク質由来のエピトープに対応する。(Wilson et al.、Cell 37:767(1984))。これらの上記の融合体のいずれも、本明細書記載のFGFR1 ECDを使って操作できる。
【0113】
オリゴマー化ドメイン融合パートナー
種々の実施形態では、限定されないが、オリゴマー化は、多価性、増加した結合強度、および異なるドメインの組み合わせ機能、等のいくつかの機能的利点を融合タンパク質に与える。従って、一部の実施形態では、融合パートナーは、オリゴマー化ドメイン、例えば、二量体化ドメインを含む。代表的オリゴマー化ドメインには、限定されないが、アルファヘリックスコイルドコイルドメインを含むコイルドコイルドメイン;コラーゲンドメイン;コラーゲン様ドメイン;および特定の免疫グロブリンドメイン、が含まれる。代表的コイルドコイルポリペプチド融合パートナーには、限定されないが、テトラネクチンコイルドコイルドメイン;軟骨オリゴマーのマトリックスタンパク質のコイルドコイルドメイン;アンジオポエチンコイルドコイルドメイン;およびロイシンジッパードメイン、が含まれる。代表的コラーゲンまたはコラーゲン様オリゴマー化ドメインには、限定されないが、コラーゲン中に見つかったもの、マンノース結合レクチン、肺界面活性剤タンパク質AおよびD、アディポネクチン、フィコリン、コングルチニン、マクロファージスカベンジャー受容体、およびエミリン(emilin)が含まれる。
【0114】
抗体Fc免疫グロブリンドメイン融合パートナー
融合パートナーとして使用可能な多くのFcドメインが当技術分野で知られている。一部の実施形態では、融合パートナーは、Fc免疫グロブリンドメインである。Fc融合パートナーは、天然抗体に見出される野性型Fc、その変異体、またはその断片であってもよい。非制限的代表的Fc融合パートナーには、ヒトIgG、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のヒンジおよびCH2およびCH3定常ドメインを含むFcが含まれる。さらなる代表的Fc融合パートナーには、限定されないが、ヒトIgAおよびIgMが含まれる。一部の実施形態では、Fc融合パートナーは、例えば、IgG1中にC237S変異を含む(例えば、配列番号8を参照)。一部の実施形態では、Fc融合パートナーは、米国特許第6,900,292号に記載のように、P331S変異を含むヒトIgG2のヒンジ、CH2、およびCH3ドメインを含む。特定の代表的Fcドメイン融合パートナーを、配列番号8〜10に示す。
【0115】
アルブミン融合パートナーおよびアルブミン結合分子融合パートナー
一部の実施形態では、融合パートナーは、アルブミンである。代表的アルブミンには、限定されないが、血清半減期を延長できる、または融合相手のポリペプチドのバイオアベイラビリティを高めることができるヒト血清アルブミン(HSA)およびHSAの断片が含まれる。一部の実施形態では、融合パートナーは、アルブミン結合分子、例えば、脂質またはアルブミンに結合する他の分子とコンジュゲートするアルブミンまたは分子に結合するペプチドである。一部の実施形態では、HSA含有融合分子は、例えば、米国特許第6,686,179号に記載のように調製される。
【0116】
融合パートナーの典型的結合
融合パートナーは、共有結合でまたは非共有結合で、FGFR1 ECDのN末端またはC末端に付加できる。また、結合は、例えば、アミノ酸側鎖(例えば、システイン、リシン、セリン、またはトレオニンの側鎖)を介して、N末端またはC末端以外のFGFR1 ECD内の位置でも起こりうる。
【0117】
共有結合、または非共有結合の実施形態では、リンカーは、融合パートナーとFGFR1 ECDの間に挿入してもよい。このようなリンカーは、少なくとも1つのアミノ酸または化学成分から構成できる。融合パートナーをFGFR1 ECDに共有結合させる代表的方法には、限定されないが、融合パートナーおよびFGFR1 ECDを単一のアミノ酸配列として翻訳、および融合パートナーのFGFR1 ECDへの化学付加が含まれる。融合パートナーおよびFGFR1 ECDが単一のアミノ酸配列として翻訳される場合は、追加のアミノ酸は、融合パートナーおよびFGFR1 ECDの間にリンカーとして含むことができる。一部の実施形態では、リンカーは、融合パートナーおよび/またはFGFR1 ECDの単一発現構築物へのクローニングを促進するために、それをコードするポリヌクレオチド配列に基づいて選択される(例えば、特定の制限酵素部位を含むポリヌクレオチドを、融合パートナーをコードするポリヌクレオチドおよびFGFR1 ECDをコードするポリヌクレオチドの間に配置することができ、この場合、制限酵素部位を含むポリヌクレオチドが短いアミノ酸リンカー配列をコードする)。融合パートナーおよびFGFR1 ECDが、化学的手段により、共有結合する場合、通常、カップリング反応の間に、種々の大きさのリンカーを含むことができる。
【0118】
融合パートナーをFGFR1 ECDに非共有結合させる代表的方法には、限定されないが、結合対を介した付加が含まれる。代表的結合対には、限定されないが、ビオチンとアビジンまたはストレプトアビジン、抗体とその抗原、等が含まれる。
【0119】
同時翻訳と翻訳後修飾
本発明は、翻訳の間、または翻訳の後で、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/遮断基による誘導体化、タンパク質切断、または抗体分子もしくは他の細胞リガンドへの結合によって、異なった状態に修飾されているFGFR1 ECDおよびFGFR1 ECD融合分子の投与を包含する。多くの化学的修飾のいずれかは、既知の技術により行うことができる。これらの技術には、限定されないが、臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼによる特異的化学切断;NABH
4;アセチル化;ホルミル化;酸化;還元;および/またはチュニカマイシンの存在下の代謝合成が含まれる。
【0120】
本発明に包含される追加の翻訳後修飾は、例えば、N結合型またはO結合型炭水化物鎖、N末端またはC末端終端の処理、化学成分のアミノ酸骨格への結合、N結合型またはO結合型炭水化物鎖の化学的修飾、および原核生物宿主細胞の発現の結果としてのN末端メチオニン残基の付加または欠失、を含む。FGFR1 ECDおよびFGFR1 ECD融合分子の種々の翻訳後修飾の非制限的考察については、例えば、米国特許第7,678,890号で見つけることができる。
【0121】
FGFR1 ECDおよびFGFR1 ECD融合分子の発現と産生
ベクター
FGFR1 ECDをコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。FGFR1 ECD融合分子をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。このようなベクターには、限定されないが、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、等が含まれる。
【0122】
一部の実施形態では、CHOまたはCHO由来細胞中でのポリペプチドの発現に対し最適化されているベクターが選択される。代表的なこのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.、Biotechnol.Prog.20:880−889(2004)、に記載されている。
【0123】
一部の実施形態では、ベクターは、FGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子の、ヒトを含む動物中のインビボ発現により選択される。一部のこのような実施形態では、ポリペプチドの発現は、組織特異的方式で機能するプロモータの制御下にある。例えば、肝臓特異的プロモータは、例えば、国際公開第2006/076288号に記載されている。種々の発現ベクターの非制限的考察は、例えば、米国特許第7,678,890号中に見つけることができる。
【0124】
宿主細胞
種々の実施形態では、FGFR1 ECDまたはFGFR1 ECD融合分子は、原核細胞、例えば、細菌細胞中で;または真核細胞、例えば、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞中で、発現できる。このような発現は、例えば、当技術分野で既知の方法に従って行ってもよい。ポリペプチドの発現に使うことができる代表的真核細胞には、限定されないが、COS7細胞を含むCOS細胞;293−6E細胞を含む293細胞;CHO−SおよびDG44細胞を含むCHO細胞;ならびにNSO細胞、が含まれる。一部の実施形態では、特定の真核生物宿主細胞は、FGFR1 ECDまたはFGFR1 ECD融合分子に対し特定の所望の翻訳後修飾を行う能力に基づいて選択される。例えば、一部の実施形態では、CHO細胞は、293細胞中で産生される同じポリペプチドよりもより高いレベルのシアリル化を有するFGFR1 ECDおよび/またはFGFR1 ECD融合分子を産生する。
【0125】
核酸の所望の宿主細胞への導入は、いずれかの当技術分野で既知の方法により実現できる。これらの方法には、限定されないが、リン酸カルシウム形質移入、DEAE−デキストラン媒介形質移入、カチオン性脂質媒介形質移入、電気穿孔、形質導入、感染、等、が含まれる。非制限的代表的方法は、例えば、Sambrook et al.、 分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning、A Laboratory Manual)、3
rd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)、に記載されている。核酸は、当技術分野で既知の方法を使って、一時的にまたは長期的に所望の宿主細胞中へ形質移入できる。宿主細胞に関する非制限的考察および宿主細胞中へのポリペプチド導入の方法は、例えば、米国特許第7,678,890号で見つけることができる。
【0126】
一部の実施形態では、当技術分野で既知の方法により、ポリペプチドは、操作された、またはポリペプチドをコードする核酸分子を形質移入された動物中でインビボで産生出来る。
【0127】
FGFR1 ECDポリペプチドの精製
FGFR1 ECDまたはFGFR1 ECD融合分子は、当技術分野で既知の種々の方法で精製できる。このような方法には、限定されないが、アフィニティマトリックスまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用が含まれる。適切な親和性リガンドには、FGFR1 ECDまたは融合パートナーのいずれかのリガンドが含まれる。FGFR1に結合する抗体の場合の適切な親和性リガンドには、限定されないが、FGFR1それ自身およびその断片が含まれる。さらに、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、または抗体アフィニティーカラムを使用して、Fc融合パートナーに結合させ、FGFR1 ECD融合分子を精製することができる。また、FGFR1 ECDに対する抗体を使って、FGFR1 ECDまたはFGFR1 ECD融合分子を精製することができる。疎水性インタラクティブクロマトグラフィー、例えば、ブチルまたはフェニルカラムは、また、一部のポリペプチドを精製するのに適する。多くのポリペプチド精製方法が当技術分野で既知である。種々のポリペプチド精製の方法に関する非制限的考察は、例えば、米国特許第7,678,890号で見つけることができる。
【実施例】
【0128】
以下で考察の実施例は、単に本発明の例示を意図し、何ら本発明を制限するものと考えるべきではない。実施例は、下記の実験が全てである、またはこれだけの実験しか行っていないことを示す意図はない。使用した数字(例えば、量、温度、等)に関しては、正確を期したが、いくらかの実験誤差およびバラツキは考慮されるべきである。別段の指示がなければ、部は、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、℃であり、また圧力は、大気またはそれに近い圧力である。
【0129】
実施例1:H1703非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fcおよびドセタキセルの投与
6週齢の雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)細胞株H1703を腫瘍モデルとして使用し、ATCC(Manassas、VA;Cat.No.CRL−5889)から購入した。細胞を、RPMI+10%FBS+1%L−グルタミン中、5%CO
2含有加湿雰囲気下、37℃で3世代の継代培養を行った。培養細胞が85〜90%集密に達すると、細胞を採取し、50%マトリゲルを含むCa
2+とMg
2+不含の冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に2.5x10
7細胞/mLで再懸濁した。2.5x10
6細胞/100μl/マウスの量の細胞をマウスの右脇腹の上の皮下に移植した。腫瘍移植の1日後、マウスを体重に従って10マウス/群で無作為化した。
【0130】
FGFR1−ECD.339−FcをPBSで3mg/mlの濃度に処方し、腹腔内(i.p.)に15mg/kg(300μg/100μl/マウス)を週2回、4週間投与した。ドセタキセルをToronto Research Chemicals(North York、Ontario、Canada;cat.No.D494420)から購入し、5%Tween80および5%ブドウ糖を含むH
2Oで処方した。ドセタキセルを25mg/kg(ヒトの約75mg/m
2に等価)で、2回分用量を3週毎に1回、i.p.投与した。組み合わせ群では、FGFR1−ECD.339−Fcおよびドセタキセルを、同時に、またはドセタキセルの1日前にFGFR1−ECD.339−Fcの順番で、(または逆順も同様に)投与した。ヒトアルブミンをGrifols USA(Los Angeles、CA;Cat.No.NDC61953−0002−1)から購入し、PBSで、3mg/mLに処方し、300μg/100μL/マウス(15mg/kg)の量で陰性対照として使用した。各セットのマウスに対する投薬計画を表2に示す。
【0131】
(表2)投薬計画
【0132】
調査の全期間を通し、週2回、マウスの腫瘍体積および体重をモニターした。腫瘍体積は、外側ノギスを使って測定して、最大縦径(長さ)と最大横径(幅)を求めた。次に、腫瘍体積を、下式を使って計算した:
腫瘍体積(mm
3)=(長さ×幅
2)/2
【0133】
38日目に、アルブミン群の平均腫瘍体積が850mm
3に到達すると、イソフルラン吸入および頚部脱臼によりマウスを安楽死させた。
【0134】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図1に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcおよびドセタキセルの逐次投与が、どちらかの薬剤単独よりも大きく腫瘍増殖を抑制した。さらに、この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの同時投与が、腫瘍増殖抑制に関し、逐次投与よりも効果的であった。全調査期間にわたり、重量損失が観察されなかった(データは示さず)。
【0135】
38日目の各群のマウスの腫瘍体積を一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定により分析した。その分析の結果を表3に示す。
【0136】
(表3)38日目の腫瘍体積分析
【0137】
FGFR1−ECD.339−Fcの単独投与は、33%(p<0.01)の腫瘍増殖抑制を生じ、また、ドセタキセルの単独投与は、74%(p<0.001)の腫瘍増殖抑制を生じた。最初にFGFR1−ECD.339−Fcの投与を行う逐次投与は、88%(p<0.001)の腫瘍増殖抑制を生じ、最初にドセタキセルの投与を行う逐次投与は、91%(p<0.001)の腫瘍増殖抑制を生じた。最終的に、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの同時投薬は、96%(p<0.001)の腫瘍増殖抑制を生じた。
【0138】
腫瘍体積分率分析を使って、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの逐次および同時投与の組み合わせによる腫瘍増殖抑制の強化(加算的または相乗的)または低減(拮抗的)の程度を確認した。その分析の結果を表4に示す。
【0139】
(表4)38日目の腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0140】
これらの結果は、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの同時投与は、腫瘍増殖の相乗的抑制をもたらし、一方、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの逐次投与は、加算的抑制をもたらしたことを示す。
【0141】
実施例2:H520非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fcとペメトレキセドの投与
6〜8週齢雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。りん状細胞肺癌細胞株NCI−H520を腫瘍モデルとして使い、ATCC(Manassas、VA;Cat.No.HTB−182)から購入した。細胞を、RPMI+10%FBS+1%L−グルタミン中、5%CO
2含有加湿雰囲気下、37℃で3〜4世代の継代培養を行った。培養細胞が85〜90%集密に達すると、細胞を採取し、50%マトリゲルを含むCa
2+とMg
2+不含の冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に3.5x10
7細胞/mLで再懸濁した。細胞を3.5x10
6細胞/100μl/マウスでマウスの右脇腹の上の皮下に移植した。腫瘍移植の1日後、マウスを体重に従って10マウス/群で無作為化した。全群に対する投薬を腫瘍移植1日後に開始した。
【0142】
FGFR1−ECD.339−FcをPBS中で3mg/mlの濃度で処方し、腹腔内(i.p.)に15mg/kg(300μg/100μl/マウス)を週2回、6週間投与した。ペメトレキセド二ナトリウムをFisher Scientific(Pittsburgh、PA;Cat.No.NC9564691)から購入し、USP生理食塩水中で、12.5mg/mL、25mg/mL、および50mg/mLの濃度に処方した。ペメトレキセドの3つの異なる投与量レベル:62.6mg/kg(1.25mg/100μl/マウス);125mg/kg(2.5mg/100μl/マウス);および250mg/kg(5mg/100μl/マウス)を、第1週の5日間、毎日、および第2週の5日間、毎日、の計画で、i.p.投与した。組み合わせ群では、FGFR1−ECD.339−Fcとペメトレキセドを、単一の薬剤の投与の場合と同じ計画で投与し、1、4、8、および11日目に同時投与を行った。ヒトアルブミンをGrifols USA(Los Angeles、CA;Cat.No.NDC61953−0002−1)から購入、PBS中で3mg/mLの濃度で処方し、300μg/100μL/マウス(15mg/kg)の量で陰性対照として使用した。マウス各群に対する投薬計画を表5に示す。
【0143】
(表5)投薬計画
【0144】
調査の全期間を通し、週2回、マウスの腫瘍体積および体重をモニターした。腫瘍体積は、実施例1で記載の方法と式を使って測定および計算をした。
【0145】
調査の終了前に下記の徴候のいずれかが認められた場合に、動物を安楽死させた:体重損失≧初期体重の15%;腫瘍表面積の腫瘍潰瘍化≧腫瘍表面積の30%;マウスが瀕死;または個別腫瘍体積≧2000mm
3。マウスの安楽死はイソフルラン吸入および頚部脱臼により行った。
【0146】
ペメトレキセド低投与量群、ペメトレキセド中投与量群、およびペメトレキセド高投与量群に対する全調査期間中の平均腫瘍体積を、それぞれ
図2A、3A、および4Aに示す。
図2B、3B、および4Bは、全調査期間中の各群のマウスの体重を示す。250mg/kgペメトレキセドは、その用量の投与後の体重損失から考えると、マウスの最大耐容量に接近しているように思われる。
図4Bを参照。
【0147】
FGFR1−ECD.339−Fcまたはペメトレキセドの単独の低または中用量での投与は、全調査期間中の腫瘍抑制をもたらした。ペメトレキセド単独の最高用量は、腫瘍増殖を抑制するようには見えなかった。FGFR1−ECD.339−Fcとペメトレキセドの同時投薬は、腫瘍増殖のより大きな抑制を生じたが、FGFR1−ECD.339−Fcと最高用量のペメトレキセドの組みあわせで認められた腫瘍抑制は、統計的に有意ではなかった。
【0148】
体重グラフは、ペメトレキセドの低および中用量に対しマウスの耐容性が良好であることを示す。ペメトレキセドの高用量では、マウスは初期に著しく体重を減らす。従って、最初の5日間の投薬後、投薬を中止した。このように、高用量群では、動物は、最初の5回用量のみを受け、第2の5回の用量は受けなかった。
【0149】
49日目の各群のマウスの腫瘍体積を、一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定により解析した。その分析の結果を表6に示す。
【0150】
(表6)49日目の腫瘍体積の分析
【0151】
FGFR1−ECD.339−Fc単独投与は、31%(p>0.05)の腫瘍増殖抑制、およびペメトレキセドの62.5、125または250mg/kgの単独投与は、それぞれ、40、24または1%(p>0.05)の腫瘍増殖抑制をもたらした。FGFR1−ECD.339−Fc(15mg/kg)とペメトレキセドの62.5、125、または250mg/kgの同時投薬は、それぞれ、68%(p<0.01)、57%(p<0.05)または46%(p>0.05)の腫瘍増殖抑制をもたらした。
【0152】
腫瘍体積分率の分析を行って、FGFR1−ECD.339−Fcとペメトレキセドの投与後の、腫瘍増殖抑制の強化(加算的または相乗的)または低減(拮抗的)の程度を評価した。その分析結果を表7に示す。
【0153】
(表7)49日目の腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0154】
これらの結果は、FGFR1−ECD.339−Fcとペメトレキセドの投与が、腫瘍増殖の加算的抑制をもたらすことを示している。
【0155】
実施例3:A549非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fcと種々の化学療法剤との組み合わせ投与
6週齢雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。ATCC(Manassas、VA;Cat.No.CCL−185)から購入したA549細胞を、RPMI+10%FBS+1%L−グルタミン中、5%CO
2含有加湿雰囲気下、37℃で3世代の継代培養を行った。培養細胞が85〜90%集密に達すると、細胞を採取し、50%マトリゲルを含むCa
2+とMg
2+不含の冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に5x10
7細胞/mLで再懸濁した。細胞を5x10
6細胞/100μl/マウスの量でマウスの右脇腹の上の皮下に移植した。腫瘍移植の1日後、マウスを体重に従って10マウス/群に無作為化した。
【0156】
調査の全期間を通し、週2回、マウスの腫瘍体積および体重をモニターした。腫瘍体積は、実施例1で記載の方法と式を使って測定および計算をした。
【0157】
各調査の終了時点での各群のマウスの腫瘍体積を、一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定により分析した。その後、腫瘍体積分率の分析を行って、腫瘍体積分率の分析を行って、FGFR1−ECD.339−Fcおよび1つまたは複数の追加の化学療法分子の投与後に達成された、腫瘍増殖抑制の強化(加算的または相乗的)または低減(拮抗的)の程度を評価した。
【0158】
特定の調査の詳細、および各組み合わせに対する結果は、以下で考察する。
【0159】
A.FGFR1−ECD.339−Fcおよびシスプラチン
FGFR1−ECD.339−FcをUSP0.9%塩化ナトリウム注射剤(Henry Schein、Inc.、Melville、NY;Cat.No.1533826)中で4mg/mlで処方し、20mg/kg(400μg/100μl/マウス)を週2回、6週間腹腔内(i.p.)投与した。シスプラチンをSigma−Aldrich(St.Louis、MO;Cat.No.P4394)から購入し、0.9%生理食塩水中で処方し、3.5mg/kg(17μg/100μl/マウス)を週1回、6週間、i.p.投与した。生理食塩水を陰性対照として使い、100μl/マウスを週2回、6週間、i.p.投与した。
【0160】
42日目に、ビークル群の平均腫瘍体積が1300mm
3に到達すると、マウスをイソフルラン吸入と頚部の脱臼により安楽死させた。
【0161】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図5に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcとシスプラチンの投与が、どちらかの薬剤単独よりも多く腫瘍増殖を抑制した。さらに、マウスは、全調査期間中体重減少を示さなかった(データは示さず)。
【0162】
42日目の各群のマウスの腫瘍体積を、一元配置分散分析と、それに続くテューキー検定により分析した。分析の結果を表8に示す。
【0163】
(表8)42日目の腫瘍体積分析
【0164】
FGFR1−ECD.339−Fcおよびシスプラチンの組み合わせが、抗腫瘍活性の強化(加算的または相乗的)または低減(拮抗的)をもたらすか否かを判定するために、実施例1に記載のように腫瘍体積分率の分析を行った。分析結果を表9に示す。
【0165】
(表9)42日目の腫瘍体積分率
aの対照に比較した分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0166】
これらの結果は、この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcとシスプラチンの組みあわせが、腫瘍増殖の加算的抑制をもたらしたことを示している。
【0167】
B.FGFR1−ECD.339−Fcおよびパクリタキセル
FGFR1−ECD.339−Fcとパクリタキセルの組みあわせが、上述のA549ヒト非小細胞肺癌異種移植モデルで試験された。FGFR1−ECD.339−FcをUSP注射剤用0.9%生理食塩水中で3mg/mlに処方した。パクリタキセルをBedford Laboratories(Bedford、OH;Cat.No.1075029)から購入し、18mg/kg用量用に、注射剤用5%デキストロース含有0.9%生理食塩水を使って3.6mg/mlに処方した。FGFR1−ECD.339−Fcを、15mg/kgで、週2回、5週間、腹腔内(i.p.)投与した。パクリタキセルを、18mg/kgで、8、12、および15日目にi.p.投与した。
【0168】
ビークル対照群の平均腫瘍体積が〜500mm
3に達すると、マウスを、イソフルラン吸入と頚部の脱臼により安楽死させた。
【0169】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図6に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcとパクリタキセルの組み合わせが、いずれかの薬剤単独よりも多く腫瘍増殖を抑制した。さらに、マウスは、全調査期間中、体重が減少しなかった(データは示さず)。
【0170】
FGFR1−ECD.339−Fcおよびパクリタキセルの組み合わせが、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、実施例1に記載のように、31日目と38日目の腫瘍体積分率の分析を行った。分析結果を表10に示す。
【0171】
(表10)31日目と38日目の腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0172】
これらの結果は、FGFR1−ECD.339−Fcとパクリタキセルの投与が加算的腫瘍増殖抑制をもたらすことを示している。
【0173】
C.FGFR1−ECD.339−Fcおよび5−FU
FGFR1−ECD.339−Fcと5−フルオロウラシル(5−FU)の組みあわせが、上述のA549ヒト非小細胞肺癌異種移植モデルで試験された。FGFR1−ECD.339−FcをUSP注射剤用0.9%生理食塩水中で3mg/mlに処方した。5−FUをSigma−Aldrich(St.Louis、MO;Cat.No.F6627)から購入し、最初に、ストック溶液として、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO;Cat.No.D8418−50)中で50mg/mlの濃度に溶解した。このストック溶液を、USP0.9%塩化ナトリウム注射剤で6.6mg/ml(33mg/kg投薬用)にさらに希釈した。FGFR1−ECD.339−Fcの15mg/kgを、週2回、4週間、腹腔内(i.p.)に投与した。5−FUの33mg/kgを、週2回、3週間、i.p.投与した。
【0174】
31日目に、マウスをイソフルラン吸入と頚部の脱臼により安楽死させた。
【0175】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図7に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcと5−FUの組み合わせが、いずれかの薬剤単独よりも多く腫瘍増殖を抑制した。さらに、マウスは、全調査期間中、体重が減少しなかった(データは示さず)。
【0176】
FGFR1−ECD.339−Fcおよび5−FUの組み合わせが、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、実施例1に記載のように、31日目の腫瘍体積分率の分析を行った。分析結果を表11に示す。
【0177】
(表11)31日目の腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0178】
これらの結果は、この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcと5−FUの投与が相乗的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示している。本発明者等は、20mg/kgまたは50mg/kgの5−FUを使った類似の実験が、相乗効果をもたらさなかったことに言及している(データは示さず)。
【0179】
D.FGFR1−ECD.339−Fcおよびドセタキセル
FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの組みあわせが、上述のA549ヒト非小細胞肺癌異種移植モデルで試験された。FGFR1−ECD.339−FcをPBSで3mg/mlに処方し、15mg/kg(300μg/100μl/マウス)を、週2回、4週間、腹腔内(i.p.)に投与した。ドセタキセルの3mg/kgまたは10mg/kgを、週2回、4週間、i.p.投与した。
【0180】
アルブミン対照群の平均腫瘍体積が1000mm
3に到達すると、その群のマウスを32日目に、イソフルラン吸入および頚部の脱臼により安楽死させた。
【0181】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図8A(3mg/kgドセタキセル)および8B(10mg/kgドセタキセル)に示す。この実験では、いずれのドセタキセルの投与量でも、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの組み合わせが、いずれかの薬剤単独よりも多く腫瘍増殖を抑制した。さらに、いずれのドセタキセルの投与量でも、マウスは、全調査期間中、体重が減少しなかった(データは示さず)。
【0182】
FGFR1−ECD.339−Fcおよびドセタキセルの組み合わせが、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、実施例1に記載のように、32日目の腫瘍体積分率の分析を行った。分析結果を表12に示す。
【0183】
(表12)32日目の腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0184】
これらの結果は、この実験では、FGFR1−ECD.339−Fcとドセタキセルの投与が加算的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示す。
【0185】
E.FGFR1−ECD.339−Fcおよびビンクリスチン
FGFR1−ECD.339−Fcとビンクリスチンの組みあわせが、上述のA549ヒト非小細胞肺癌異種移植モデルで試験された。FGFR1−ECD.339−Fcを、USP注射剤用0.9%生理食塩水で、15mg/kg(300μg/200μl/マウス)での投与用に1.5mg/mlに処方し、または20mg/kg(400μg/200μl/マウス)での投与用に2mg/mlに処方した。ビンクリスチンをFluka−Sigma(St.Louis、MO63103、Catalog#V8879)から入手し、それぞれ、1mg/kg(0.02μg/100μl/マウス)または1.5mg/kg(0.03μg/200μl/マウス)での投与用に、USP注射剤用0.9%生理食塩水で0.1mg/mlまたは0.15mg/mLに処方した。
【0186】
最初の実験では、FGFR1−ECD.339−Fcの15mg/kgを腹腔内(i.p.)に、1日目から開始して週2回、6週間、投与し、ビンクリスチンを、1mg/kgで、8、15、および22日目に、i.p.投与した。第2の実験では、FGFR1−ECD.339−Fcを、20mg/kgで、19日目から開始して週2回、7週間、腹腔内(i.p.)投与し、ビンクリスチンを、1.5mg/kgで、27、34、および41日目に、i.p.投与した。
【0187】
最初の実験からのマウスを、腫瘍移植後46日目に安楽死させた。第2の調査では、アルブミン対照群およびFGFR1−ECD.339−Fc群のマウスを腫瘍移植後70日目に安楽死させ、一方、ビンクリスチン治療群のマウスは、腫瘍移植後77日目に安楽死させた。全マウスは、イソフルラン吸入および頚部の脱臼により安楽死させた。
【0188】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図9A(1mg/kgビンクリスチン;投薬を1日目に開始)および9B(1.5mg/kgビンクリスチン;投薬を19日目に開始)に示す。この実験では、どのビンクリスチン投与量でも、またどの投薬計画でも、FGFR1−ECD.339−Fcとビンクリスチンの組み合わせが、いずれの薬剤単独よりも多く腫瘍増殖を抑制した。さらに、低用量のビンクリスチンでは、マウスは、体重が減少しなかった(データを示さず)。高用量のビンクリスチンでは、マウスは、体重減少し、この高用量が、最大耐容用量に近いことを示している。
図9C参照。
【0189】
FGFR1−ECD.339−Fcおよびビンクリスチンの組み合わせが、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、最初の実験に対しては39日目と46日目の、第2の実験に対しては70日目の腫瘍体積分率の分析を実施例1に記載のように行った。分析結果を表13に示す。
【0190】
(表13)腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0191】
これらの結果は、FGFR1−ECD.339−Fcとビンクリスチンの投与が、低用量のビンクリスチンでは加算的腫瘍増殖抑制を、および高用量のビンクリスチンでは相乗的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示している。
【0192】
F.FGFR1−ECD.339−Fc、カルボプラチン、およびパクリタキセル
FGFR1−ECD.339−Fc、カルボプラチン、およびパクリタキセルの組みあわせを上述のA549ヒト非小細胞肺癌異種移植モデルで試験した。FGFR1−ECD.339−FcをUSP注射剤用0.9%生理食塩水で3mg/ml(15mg/kgでの投与用)に処方した。カルボプラチンを、Sigma−Aldrich(St.Luis、MO63103、Catalog#C2538)から入手し、25mg/kg(500μg/200μL/マウス)投与用として、USP注射剤用0.9%生理食塩水で2.5mg/mLに処方した。パクリタキセルを、LC Laboratories(Woburn、MA01801;Catalog#P−9600)から入手し、50.3%クレモホール(登録商標)と49.7%脱水アルコールの溶液で、20mg/mLのストック溶液として処方した。ストック溶液を、30mg/kg(600μg/200μL/マウス)での投与用として、USP注射剤用0.9%生理食塩水中の5%デキストロースで3mg/mLにさらに希釈した。
【0193】
FGFR1−ECD.339−Fcの15mg/kgを、7日目に開始して週2回、3週間、腹腔内(i.p.)に投与した。カルボプラチンの25mg/kgを、7日目に開始して週2回、3週間、i.p.投与した。パクリタキセルの30mg/kgを、8日目に開始して週2回、3週間、i.p.投与した。
【0194】
単一薬剤群のマウスを34日目に、組み合わせ群のマウスを41日目に安楽死させた。マウスの安楽死は、イソフルラン吸入および頚部の脱臼により行った。
【0195】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図10に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fc、カルボプラチン、およびパクリタキセルの組み合わせが、いずれかの薬剤単独よりも多く腫瘍増殖を抑制し、また、カルボプラチンおよびパクリタキセルの組み合わせよりも多くの腫瘍増殖を抑制した。全調査期間中、体重減少は認められなかった(データは示さず)。
【0196】
FGFR1−ECD.339−Fc、カルボプラチン、およびパクリタキセルの組み合わせが、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、実施例1に記載のように、28日目の腫瘍体積分率の分析を行った。分析結果を表14に示す。
【0197】
(表14)腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0198】
これらの結果は、この実験では、FGFR1−ECD.339−Fc、カルボプラチン、およびパクリタキセルの投与が、加算的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示している。
【0199】
実施例4:Colo205結腸癌異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fcと、種々の化学療法剤との組み合わせ投与
Colo205細胞をATCC(Manassas、VA;Cat.No.CCL−222)から購入し、RPMI1640培地、10%FBS、および1%L−グルタミン中、37℃、5%CO
2含有加湿雰囲気下で3世代の継代培養を行った。細胞を50%/vPBSおよび50%/vマトリゲルの溶液中に、2500万細胞/mlの濃度で再懸濁した。再懸濁細胞を移植まで氷上で保持した。6週齢の雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。0日目に、250万細胞/100μlを27G1/2針を使って各マウスの右脇腹上に移植した。腫瘍移植の一日後、体重に従って、マウスを無作為化した。
【0200】
調査の全期間を通し、週2回、マウスの腫瘍体積および体重をモニターした。腫瘍体積は、実施例1で記載の方法と式を使って測定および計算をした。
【0201】
各調査の終了時点での各群のマウスの腫瘍体積を、一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定により分析した。その後、腫瘍体積分率の分析を行って、FGFR1−ECD.339−Fcおよび1つまたは複数の追加の化学療法分子の投与後に達成された、腫瘍増殖抑制の強化(加算的または相乗的)または低減(拮抗的)の程度を評価した。
【0202】
特定の調査の詳細、および各組み合わせに対する結果は、以下で考察する。
【0203】
A.FGFR1−ECD.339−Fc、5−FU、ロイコボリン、およびベバシズマブ
FGFR1−ECD.339−Fcを0.9%塩化ナトリウムUSP注射剤(HenrySchein、Inc、Melville、NY;Cat.No.1533826)で2mg/mlに処方し、スクリューキャップ微小遠心管に入れて−80℃で貯蔵した。陰性対照試薬、ヒトアルブミンを、Grifols USA(Los Angeles、CA;Cat.No.NDC61953−0002−1)から購入し、PBS中で、3mg/mlに処方した。5−FUをSigma−Aldrich(St.Louis、MO;Cat.No.F6627)から購入し、最初にジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO;Cat.No.D8418−50)に50mg/mlの濃度でストック溶液として溶解した。このストック溶液を、0.9%塩化ナトリウムUSP注射剤を使って、2mg/ml(10mg/kg投薬用)、4mg/ml(20mg/kg投薬用)、および6mg/ml(30mg/kg投薬用)にさらに希釈した。また、ロイコボリン(LV)をSigma−Aldrich(Cat.No.F8259)から購入し、0.9%塩化ナトリウムUSP注射剤を使って、2mg/ml(10mg/kg投薬用)、4mg/ml(20mg/kg投薬用)、および6mg/ml(30mg/kg投薬用)に処方した。ベバシズマブをGenentech、Inc(South San Francisco、CA;Cat.No.15734)から購入し、0.9%塩化ナトリウムUSP注射剤で0.2mg/ml(1mg/kg投薬用)に希釈した。
【0204】
第1の実験では、FGFR1−ECD.339−Fcを3種の異なる濃度の5−FU/ロイコボリンと組み合わせた。第2の実験では、FGFR1−ECD.339−Fcをベバシズマブもしくは5−FU/ロイコボリンのいずれか、または両方と組み合わせた。実験用の群分けおよび投薬計画を表15に示す。二重線は、2つの実験由来の群を分けている。
【0205】
(表15)投薬計画(腫瘍移植後1日目に投薬を開始)
【0206】
群中の平均腫瘍体積が600mm
3近くの場合は、その群のマウスを、イソフルラン吸入および頚部の脱臼により安楽死させた。全調査期間中の各セットのマウスに対する平均腫瘍体積を
図11に示す。20mg/kgの5−FU/ロイコボリンおよび30mg/kgの5−FU/ロイコボリン投与で、マウスは、それぞれ、約3グラムおよび約4グラムの体重の減少を生じた(それぞれ、約14%および19%)(データは示さず)。残りの群では、どのようなマウスの体重減少も観察されなかった(データは示さず)。
【0207】
種々の治療の有効性の順を2つの方法で評価した:1)各群の単一の時点(日目)での平均腫瘍体積;および2)各群の平均腫瘍体積が500mm
3に到達する時間(
図11Eの点線を参照)。
【0208】
両方の方法によるこの実験の結果は、種々の治療群の抗腫瘍効果は、次の順であることを示した:FGFR1−ECD.339−Fc、ベバシズマブ、および5−Fu/ロイコボリン>FGFR1−ECD.339−Fcおよびベバシズマブ>ベバシズマブおよび5−Fu/ロイコボリン=ベバシズマブ>FGFR1−ECD.339−Fc>ビークル。
【0209】
第2の実験のマウス各群の24日目の平均腫瘍体積を一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定により分析した。分析結果を表16に示す。
【0210】
(表16)24日目の腫瘍体積分析
【0211】
FGFR1−ECD.339−Fcおよび種々濃度の5−FU/ロイコボリン;FGFR1−ECD.339−Fcおよびベバシズマブ;またはFGFR1−ECD.339−Fc、ベバシズマブ、および5−Fu/ロイコボリンの投与が、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、実施例1に記載のように、腫瘍体積分率の分析を行った。分析結果を表17に示す。
【0212】
(表17)腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0213】
これらの結果は、FGFR1−ECD.339−Fcおよび種々濃度の5−FU/ロイコボリン;FGFR1−ECD.339−Fcおよびベバシズマブ;またはFGFR1−ECD.339−Fc、ベバシズマブ、および5−Fu/ロイコボリンの投与が加算的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示している。
【0214】
B.FGFR1−ECD.339−Fc、5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチン
FGFR1−ECD.339−Fc、5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチンの組みあわせを、上述のColo205ヒト結腸癌異種移植モデルで試験した。FGFR1−ECD.339−FcをPBSで3mg/ml(15mg/kg投与用)に処方した。5−FUをSigma−Aldrich(St.Louis、MO;Cat.No.F6627)から購入し、最初にジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO;Cat.No.D8418−50)に50mg/mlの濃度でストック溶液として溶解した。さらに、このストック溶液を、0.9%塩化ナトリウムUSP注射剤を使って、2mg/ml(10mg/kg投薬用)に希釈した。また、ロイコボリンをSigma−Aldrich(Cat.No.F8259)から購入し、0.9%塩化ナトリウムUSP注射剤で2mg/ml(10mg/kg投薬用)に処方した。オキサリプラチンをLC laboratories(Woburn、MA01801;Catalog#O−7111)から入手し、5%デキストロース注射剤(Baxter、Deerfield、IL 60015;Catalog#2B0082)で、1mg/mL、2mg/mL、および3mg/mlに処方した(5mg/kg(100μg/100μL/マウス)投与用、10mg/kg(200μg/100μL/マウス)投与用、および15mg/kg(300μg/100μl/マウス)投与用)。
【0215】
FGFR1−ECD.339−Fcの15mg/kgを、1日目から開始して週2回、4週間、腹腔内(i.p.)投与した。5−FUおよびロイコボリンの10mg/kgを毎日、5日間、それぞれ、i.p.投与した。オキサリプラチンの5mg/kg、10mg/kg、または15mg/kgを、1回用量として1日目にi.p.投与した。
【0216】
マウスを、28日目に、イソフルラン吸入および頚部の脱臼により安楽死させた。
【0217】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図12に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fc、5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチンの組み合わせが、FGFR1−ECD.339−Fc単独または5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチンの組み合わせよりも多く腫瘍増殖を抑制した。最小限のマウスの体重減少が5mg/kgオキサリプラチン(0.78グラム、または体重の4%)で観察され;中等度の重量減少が10mg/kg(2.6グラム、または体重の13%)の用量で観察され;さらにより激しい重量減少(3.7グラム、または体重の19%)が15mg/kgオキサリプラチンの週2回投与で観察された(データは示さず)。
【0218】
FGFR1−ECD.339−Fc、5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチンの組み合わせが、加算的、相乗的または拮抗的活性をもたらすか否かを判定するために、17日目の腫瘍体積分率の分析を実施例1に記載のように行った。分析結果を表18に示す。
【0219】
(表18)17日目の腫瘍体積分率
aの分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0220】
これらの結果は、この実験で試験された、オキサリプラチンの各投与量で、FGFR1−ECD.339−Fc、5−FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチンの投与が、加算的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示す。
【0221】
実施例5:JIMT−1乳癌異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fc、ドキソルビシン、およびパクリタキセルの投与
6週齢雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。ヒト乳癌細胞株JIMT−1を腫瘍モデルとして使用し、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DMSZ、Braunschweig、Germany;Cat.No.ACC589)から購入した。細胞をDMEM+10%FBS、1%L−グルタミン、および1%ペニシリン/ストレプトマイシン中、37℃、5%CO
2含有加湿雰囲気下で10世代の継代培養を行った。培養細胞が85〜90%集密に到達すると、細胞を採取し、50%マトリゲルを含むCa
2+およびMg
2+不含の冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に5x10
7細胞/mLで再懸濁した。マウス右脇腹上の皮下に5x10
6細胞/100μl/マウスの量でその細胞を移植した。腫瘍移植1日後、マウスを体重に従って10マウス/群に無作為化した。
【0222】
FGFR1−ECD.339−FcをUSP注射剤用0.9%生理食塩水を使って3mg/mlに処方し、15mg/kg(300μg/100μl/マウス)を、7日目に開始して週2回、5週間、腹腔内(i.p.)に投与した。ドキソルビシンをSigma−Aldrich(St.Luis、MO;Catalog#44583)から入手し、0.5mg/kg(10μg/200μL/マウス)への7日目に開始して週1回、5週間投与用として、USP注射剤用0.9%生理食塩水で0.05mg/mLに処方した。パクリタキセルをBedford Laboratories(Bedford、OH;Cat.No.1075029)から入手し、50.3%クレモホール(登録商標)および49.7%脱水アルコールの溶液を使って処方した。ストック溶液を5%デキストロース/USP注射剤用0.9%生理食塩水を使って、16.8%クレモホール(登録商標)、16.6%脱水アルコール、3.3%デキストロース、0.6%USP注射剤用生理食塩水中の3mg/mLパクリタキセルの最終濃度に希釈した。パクリタキセルの30mg/kg(60μg/200μL/マウス)を、7日目に開始して週2回、5週間、投与した。
【0223】
調査の全期間を通し、週2回、マウスの腫瘍体積および体重をモニターした。腫瘍体積は、実施例1で記載の方法と式を使って測定および計算をした。
【0224】
42日目にイソフルラン吸入および頚部の脱臼によりマウスを安楽死させた。
【0225】
各セットのマウスに対する全調査期間中の平均腫瘍体積を
図13に示す。この実験では、FGFR1−ECD.339−Fc、ドキソルビシン、およびパクリタキセルの組み合わせがFGFR1−ECD.339−Fc単独またはFGFR1−ECD.339−Fcを含まないドキソルビシンおよびパクリタキセルの組み合わせよりも腫瘍増殖を多く抑制した。全調査期間中、重量減少は観察されなかった(データは示さず)。
【0226】
腫瘍体積分率の分析を行って、FGFR1−ECD.339−Fc、ドキソルビシン、およびパクリタキセルの組みあわせによる腫瘍増殖抑制の強化(加算的または相乗的)または低減(拮抗的)の程度を評価した。分析結果を表19に示す。
【0227】
(表19)21日目の腫瘍体積分析
a腫瘍体積分率(FTV)=(平均腫瘍体積(TV)(治療))/(平均TV(対照))
b予測=(FTV薬剤1)x(FTV薬剤2)
c予測/実測の比率、>2=相乗的;〜1=加算的;<0.5=拮抗的。
【0228】
これらの結果は、この実験では、FGFR1−ECD.339−Fc、ドキソルビシン、およびパクリタキセルの組み合わせが加算的腫瘍増殖抑制をもたらしたことを示している。
【0229】
実施例6:H520肺異種移植腫瘍細胞を有するマウスのFGFR1−ECD.339−FcおよびKDRECD−Fcによる治療は腫瘍抑制を示した。
8週齢のSCIDCB17マウスに、ビークル、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)cDNA(Five Prime Therapeutics、South San Francisco、CA)(これは、VEGFアンタゴニストおよびVEGFトラップとして機能するタンパク質を発現する)、FGFR1 cDNA(Five Prime Therapeutics、South San Francisco、CA)のいずれか、またはKDRおよびFGFR1の組み合わせを、水力学的尾静脈形質移入(hydrodynamic tail vein transfection)(TVT)により、Chen et al.、Human Gene Therapy 16(1):126−131(2005)の記載に実質的に従って投与し、次に、4日後、5x10
6H520肺異種移植腫瘍細胞を、100μl全容積中のマトリゲルの1:1混合物中の細胞を使って、側腹部s.c.に接種した。KDRおよびFGFR1 cDNA構築物は、それぞれ、IgG1 Fcドメインに融合したそれぞれの細胞外ドメインを含む。腫瘍体積測定は、約10日間の間隔で行った。29日目に、単一薬剤治療群の腫瘍体積は、ビークルに比べて減少した(マンホイットニー検定P<0.05)。29日目に、組み合わせ群の腫瘍体積は、単一薬剤治療群に比べて減少した(マンホイットニー検定P<0.001)。
【0230】
実施例7:DMS53小細胞肺癌(SCLC)異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fcおよびシスプラチン/エトポシドの投与
6週齢雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。ヒト小細胞肺癌(SCLC)細胞株DMS53を腫瘍モデルとして用い、ATCC(Manassas、VA;Cat.No.CRL−2062)から購入した。細胞を、WaymouthのMB752/1培地+10%FBS+2mM L−グルタミン中、37℃、5%CO
2含有加湿雰囲気下で3世代の継代培養を行った。培養細胞が85〜90%集密に達すると、細胞を採取し、50%マトリゲルを含むCa
2+とMg
2+不含の冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に5x10
7細胞/mLで再懸濁した。細胞を5x10
6細胞/100μl/マウスの量でマウスの右脇腹の上の皮下に移植した。腫瘍が100〜125mm
3の大きさに到達後、マウスを分類し、各群(n=10)が凡そ同じ平均腫瘍体積を持つように無作為化し、下表20に従って治療を開始した。
【0231】
FGFR1−ECD.339−FcをPBSで3mg/mlに処方し、15mg/kg(300μg/100μl/マウス)を週2回、4週間、腹腔内(i.p.)に投与した。1mg/mlの濃度で予備処方されたシスプラチンを、Amatheon、Inc.、Miami、FL(CatNo.5539−0112−50)から購入した。0.45mlのシスプラチンストック溶液(1mg/ml)を1.05mlの5%デキストロース溶液に加え、0.3mg/mlの濃度の1.5mlの希釈標準溶液とした。各マウスは、100μlの希釈標準溶液(0.3mg/ml)を受け、群に応じて7日または21日毎に3mg/kgの用量を与えられた。20mg/mlの濃度で予備処方されたエトポシドをAmatheon、Inc(Cat.No.5539−0291−01)から購入した。0.140mlのストック溶液(20mg/ml)を、3.36mlの5%デキストロース溶液に加え、0.8mg/mlの濃度の3.5ml希釈標準溶液とした。各マウスは、50μlの希釈標準溶液(0.8mg/ml)を受け、連続して3日間4mg/kgの用量を与えられた。エトポシド投薬を、群に応じて、7または21日毎に繰り返した。組み合わせ群では、FGFR1−ECD.339−Fcおよびシスプラチン/エトポシドを同時に投与した。ヒトアルブミンをGrifols USA(Los Angeles、CA;Cat.No.NDC61953−0002−1)から購入し、希釈して0.9%塩化ナトリウムを含む作業保存溶液(3mg/ml)とし、300μg/100μl/マウス(15mg/kg)用量の陰性対照として使用した。各セットのマウスに対する投薬計画を表20に示す。
【0232】
(表20)
【0233】
実施例8:DMS53小細胞肺癌(SCLC)異種移植モデルへのFGFR1−ECD.339−Fcおよびトポテカンの投与
6週齢雌SCIDマウスをCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から購入し、1週間順化させた後、調査を開始した。ヒト小細胞肺癌(SCLC)細胞株DMS53を腫瘍モデルとして使用し、ATCC(Manassas、VA;Cat.No.CRL−2062)から購入した。細胞を、WaymouthのMB752/1培地+10%FBS+2mM L−グルタミン中、37℃、5%CO
2含有加湿雰囲気下で3世代の継代培養を行った。培養細胞が85〜90%集密に達すると、細胞を採取し、50%マトリゲルを含むCa
2+とMg
2+不含の冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に5x10
7細胞/mLで再懸濁した。細胞を5x10
6細胞/100μl/マウスの量でマウスの右脇腹の上の皮下に移植した。腫瘍が100〜125mm
3の大きさに到達後、マウスを分類し、各群(n=10)が凡そ同じ平均腫瘍体積を持つように無作為化し、下表21に従って治療を開始した。
【0234】
FGFR1−ECD.339−FcをPBSで3mg/mlに処方し、15mg/kg(300μg/100μl/マウス)を週2回、4週間、腹腔内(i.p.)に投与した。トポテカン粉末をSigma−Aldrich、Inc.(CatNo.T2705−50MG)から購入し、5%デキストロース溶液を使って5mg/mlのストック溶液を作った。5%デキストロース溶液を使って希釈も行った。0.6mlのストック溶液(5mg/ml)を5.4mlの5%デキストロース溶液に加え、0.5mg/mlの濃度の6ml希釈標準溶液とした。各マウスは、100μlの希釈標準溶液(0.5mg/ml)を受け、2.5mg/kgの用量を与えられた。トポテカン投薬を、群に応じて、7日または21日毎に繰り返した。組み合わせ群では、FGFR1−ECD.339−Fcおよびトポテカンを同時投与した。ヒトアルブミンをGrifols USA(Los Angeles、CA;Cat.No.NDC61953−0002−1)から購入し、希釈して、0.9%塩化ナトリウムを含む作業保存溶液(3mg/ml)とし、300μg/100μl/マウス(15mg/kg)用量の陰性対照として使用した。各セットのマウスに対する投薬計画を表21に示す。
【0235】
(表21)
【0236】
配列の表
表22は、本明細書を考察した特定の配列を列挙している。別段の記載がなければ、FGFR1配列は、シグナルペプチドを含めないで示されている。
【0237】
(表22)配列および説明