(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項18に記載の製薬学的製剤の調製方法であって、製薬学的に許容され得るキャリヤーと請求項1〜16のいずれかに記載の化合物の治療上効果的な量を緊密に混合することを含んでなる,前記方法。
【発明の概要】
【0009】
上記欲求の1つ以上を一層よりよく処理するために、一つの態様の本発明は、式Iで表される抗ウイルス性インドール化合物、またはそのプロドラッグ、N−オキシド、付加塩、第四級アミン、金属複合体もしくは立体化学異性体形態物が提供される。
【0011】
上式中、各Xは独立して、CまたはNであり;
R
1はH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、C
3−C
7シクロアルキル,C
1−C
6アルコキシ、N(R
6)
2、CO(R
7)、CH
2NH
2、CH
2OH、CN、C(=NOH)NH
2、C(=NOCH
3)NH
2、C(=NH)NH
2、CF
3、OCF
3、およびB(OH)
2;B(O−C
1−C
6アルキル)
2の群から選ばれ;
R
2はH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、C
3−C
7シクロアルキル、C
1−C
6アルコキシ、およびCO(R
7)からなる群より選ばれ;
R
3は−(CR
8R
9)
n−R
10であり;
R
4はH、C
1−C
10アルキル、C
3−C
7シクロアルキル、C
2−C
10アルケニル、SO
2−R
8、CH
2CF
3、SO
2CH
3または酸素原子1個を含有する4〜6員の飽和環からなる群より選ばれ;
R
5はXがCであるとき存在し、かつ、H、C
1−C
6アルキル、C
3−C
7シクロアルキル、C
1−C
6アルコキシ、CO(R
7)、CF
3およびハロゲンからなる群より選ばれ;
R
5はXがNであるときは存在せず;
R
6はH、C
1−C
6アルキル、COOCH
3、およびCONHSO
2CH
3からなる群より選ばれ;
R
7はOH、O(C
1−C
6アルキル)、NH
2、NHSO
2N(C
1−C
6アルキル)
2、NHSO
2NHCH
3、NHSO
2(C
1−C
6アルキル)、NHSO
2(C
3−C
7シクロアルキル)、およびN(C
1−C
6−アルキル)
2、NR
8R
9、NR
9R
10からなる群より選ばれ;
nは2〜6の整数であり;
R
8およびR
9は各々独立して、H、C
1−C
10アルキル、C
3−C
7シクロアルキルから選ばれるか、またはR
8とR
9は一緒になってN、S、Oから選ばれる1以上のヘテロ原子を場合により含んでいてもよい4〜6員の脂肪族環を形成し;
R
10はH、C
1−C
6アルキル、OH、CN、F、CF
2H、CF
3、C(=NOH)NH
2、CONR
8R
9、COOR
8、CONR
8SO
2R
9、CON(R
8)SO
2N(R
8R
9)、NR
8R
9、NR
8COOR
9、OCOR
8、NR
8SO
2R
9、SO
2NR
8R
9、SO
2R
8または酸素原子1個を含有する4〜6員の飽和環からなる群より選ばれる。
【0012】
好ましい態様では、R
7がOH、O(C
1−C
6アルキル)、NH
2、NHSO
2N(C
1−C
6アルキル)
2、NHSO
2NHCH
3、NHSO
2(C
1−C
6アルキル)、NHSO
2(C
3−C
7シクロアルキル)、およびN(C
1−C
6−アルキル)
2からなる群より選ばれ;
R
8およびR
9が各々独立して、H、C
1−C
10アルキル、C
3−C
7シクロアルキルから選ばれるか、またはR
8とR
9が一緒になってN、S、Oから選ばれる1個のヘテロ原子を場合により含んでいてもよい4〜6員の脂肪族環を形成し;
R
10がH、C
1−C
6アルキル、OH、CN、F、CF
2H、CF
3、CONR
8R
9、COOR
8、CONR
8SO
2R
9、CON(R
8)SO
2N(R
8R
9)、NR
8R
9、NR
8COOR
9、OCOR
8、NR
8SO
2R
9、SO
2NR
8R
9、SO
2R
8または酸素原子1個を含有する4〜6員の飽和環からなる群より選ばれる。
【0013】
好ましくは、R
4がH、C
1−C
10アルキル、C
3−C
7シクロアルキル、C
2−C
10アルケニル、SO
2−R
8または酸素原子1個を含有する4〜6員の飽和環からなる群より選ばれる。
【0014】
別の態様では、本発明は、温血動物、好ましくはヒトにおけるRSV感染症の治療において使用するための前記化合物に関する。さらなる別の態様では、本発明は、必要とする患者におけるウイルスRSV感染症の治療方法であって、前記患者に上記に定義した化合物の効果的な量を投与することを含む方法を提供する。さらなる別の態様では、本発明は、RSV感染症の治療における医薬の製造のための、上記化合物の使用にある。
【0015】
さらなる別の態様では、本発明は、上記に定義した化合物および製薬学的に許容され得る助剤を含んでなる製薬学的組成物に関する。
【0016】
まだその上のさらなる態様では、本発明は、上記に定義した化合物の製造方法を提供する。
【0017】
<発明の詳細な記述>
先行技術から逸脱する式Iの分子は、一つの側(描かれたところの式中の左側)に置換されたインドール部分を有する。本発明は、広範な意味において、これらの置換インドール化合物が一般的に興味深いRSV阻害活性を有するとの思慮深い認識に基づく。さらに、これらの化合物は、前記文献で利用可能な範囲のより高い領域(すなわち、より低い末端のEC
50値)における抗RSV活性物を利用可能にする。特に、これらの化合物に基づけば、分子構造が生物学的活性に関して参照化合物より一層優れていることを明らかできる。
【0018】
本発明は、特定の態様に関して、一定の例を参照しながらさらに記述されるが、本発明をこれらに限定するものでなく、請求項のみにより限定されるにすぎない。本明細書および請求項において「含んでなる」の語が使用される場合、それは他の態様またはステップを除外するものでない。単一の名詞、例えば、“a”もしくは“an”,“the”に言及する不定冠詞または定冠詞が使用される場合、これは特に別の何かが述べられていない限り、その名詞の複数を包含する。
【0019】
本明細書全体を通じて使用される語「プロドラッグ」は、薬理学的に許容され得る誘導体、例えば、該誘導体の生物変換の結果得られる生成物が式(I)の化合物において定義されるところの活性薬剤であるような、エステルまたはアミドを意味する。一般的にプロドラッグを記載するグッドマン(Goodman)およびギルマン(Gilman)の文献、the Pharmacological Basis of Therapeutics、8th ed.,McGraw−Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,P.13−15の内容を本明細書に組み入れる。プロドラッグは良好な水溶性および生物学的利用能に、かつ、インビボで容易に活性阻害剤までに代謝されることに特徴がある。
【0020】
本明細書で基または基の部分として使用されるC
1−C
6アルキルは、炭素原子1〜6個を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、等として定義する。
【0021】
基としてまたは基の部分としてのC
1−C
10アルキルは、炭素原子1〜10個を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基、例えば、C
1−C
6アルキルについて定義した基、ならびにヘプチル、オクチル、ノニル、2−メチルヘキシル、2−メチルペプチル、デシル、2−メチルノニル、等として定義する。
【0022】
本明細書で基または基の部分として使用される語「C
2−C
10アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合、好ましくは一つの二重結合、および2〜10個の炭素原子をもつ直鎖または分岐鎖の不飽和炭化水素基を含むものとの意味を有し、例えば、エテニル、プロペニル、ブテン−1−イル、ブテン−2−イル、ペンテン−1−イル、ペンテン−2−イル、ヘキセン−1−イル、ヘキセン−2−イル、ヘキセン−3−イル、2−メチルブテン−1−イル、ヘプテン−1−イル、ヘプテン−2−イル、ヘプテン−3−イル、ヘプテン−4−イル、2−メチルヘキセン−1−イル、オクテン−1−イル、オクテン−2−イル、オクテン−3−イル、オクテン−4−イル、2−メチルへプテン−1−イル、ノネン−1−イル、ノネン−2−イル、ノネン−3−イル、ノネン−4−イル、ノネン−5−イル、2−メチルオクテン−1−イル、デセン−1−イル、デセン−2−イル、デセン−3−イル、デセン−4−イル、デセン−5−イル、2−メチルノネン−1−イル、等である。
【0023】
C
2−C
10アルケニル基がヘテロ原子に結合する場合、好ましくは、飽和炭素原子を介して結合する。
【0024】
基または基の一部としてC
1−C
6アルコキシは、O−C
1−C
6アルキルであって、ここでC
1−C
6アルキルは独立して上記に提供した意味を有する。
【0025】
C
3−C
7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルについての総称である。
【0026】
本明細書で使用される語−(CR
8R
9)
nは、サブグループCR
8R
9のn回反復として定義され、これらのサブグループの各々は独立して定義される。
【0027】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードについての総称である。
【0028】
上記定義において使用される如何なる分子部分上の基の位置は、それが化学的に安定である限り、かような部分上のどこであってもよいものと認識されなければならない。
【0029】
可変的なものの上記定義において使用される基は、別に指定されていない限り全ての可能な異性体を包含する。例えば、ペンチルは1−ペンチル、2−ペンチルおよび3−ペンチルを包含する。
【0030】
いずれかの構成において一度以上いずれかの変化が起こる場合は、各定義は独立している。
【0031】
下文で使用するとき、用語「式(I)の化合物」もしくは「本発明化合物」または類似の用語は、一般式(I)の化合物、それらのプロドラッグ、N−オキシド、付加塩、第四級アミン、金属複合体および立体化学異性体形態物を包含することを意味する。
【0032】
式(I)の化合物のいくつかは、1以上のキラル中心を含み、立体化学異性体として存在するものと認識され得る。
【0033】
上文で用いたところの用語「立体化学異性体形態物」は、同じ一続きの結合により結合される複数原子により構成されるが、相互変換できない異なる三次元構造を有し、式(I)の化合物が持つことのできる、可能なすべての化合物と定義する。
【0034】
別に記載しないか、または表示しないかぎり、化合物の化学名は、該化合物が持ち得る可能な立体化学異性体形態物すべての混合物を包含する。該混合物は、該化合物の基本分子構造の全てのジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーを含むことができる。本発明化合物のすべての立体化学異性体は、純粋な形態または相互に混合物の形態の両者が本発明の範囲内に包含されるものと意図されている。
【0035】
本明細書に記載される化合物および中間体の立体化学的に純粋な形態は、該化合物または中間体の同じ基本的な分子構造の他のエナンチオマーまたはジアステレオマーの形態を実質的に含まない異性体と定義する。特に、用語「立体異性体的に純粋」は、少なくとも80%の立体異性体過剰(すなわち、最小90%の一つの異性体と最大10%の他の可能な異性体)から100%の立体異性体過剰(すなわち、100%の一つの異性体と他の異性体無し)までを有する化合物または中間体、より特別には、90%から100%まで立体異性体過剰を有する、さらにより特別には94%から100%まで立体異性体過剰を有する、最も特別には、97%から100%まで立体異性体過剰を有する、化合物または中間体に関する。用語「純粋なエナンチオマー」および「純粋なジアステレオマー」は、同様な意味に理解しなければならないが、しかし一方では、問題の混合物の、それぞれ、エナンチオマー過剰、ジアステレオマー過剰を考慮している。
【0036】
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体形態物は、技術的に既知の方法により取得することができる。例えば、エナンチオマーはそれらのジアステレオマーと光学的に活性な酸または塩基との選択的な結晶化により相互に分離することができる。それらの例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸である。別法として、エナンチオマーはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー技法により分離できる。該純粋な立体化学的異性体形態物は、反応が立体特異的に起こることを前提条件に、適当な出発原料の対応する純粋な立体化学異性体形態物から誘導することもできる。好ましくは、特定の立体異性体が望まれる場合には、該化合物は立体特異的製造方法
により合成できる。これらの方法は、エナンチオマー的に純粋な出発原料を用いるのが有利である。
【0037】
式(I)のジアステレオマー性ラセミ化合物は常法により分離して取得できる。有利に用いることのできる適当な物理的分離方法は、例えば、選択的結晶化およびクロマトグラフィー(例、カラムクロマトグラフィー)である。
【0038】
式(I)の化合物、それらのプロドラッグ、N−オキシド、塩、溶媒和物、第四級アミン、または金属複合体、およびそれらの製造に用いる中間体のいくつかについては、絶対的な立体配置は実験的に決定されていない。当業者は、かような化合物の絶対的な立体配置を技術的に既知の方法、例えば、X線回折等、を用いて決定できる。
【0039】
本発明は、本化合物上に存在する全ての原子のアイソト−プを包含することも意図されている。アイソト−プは同じ原子数をもつが、異なる質量数をもつそれらの原子を包含する。限定するものでない一般的な例によると、水素のアイソトープにはトリチウムおよびジュ−テリウムが含まれる。炭素のアイソトープはC−13およびC−14を含む。
【0040】
治療用途について、式(I)の化合物の塩は、対イオンが製薬学的に許容され得るものである。しかし、製薬学的に許容され得るものでない酸および塩基の塩も、例えば、製薬学的に許容され得る化合物の製造または精製において使用できることも見出されている。製薬学的に許容され得るか、またはされ得ないに拘わらず、全ての塩が本発明の範囲内に包含される。
【0041】
上記の製薬学的に許容され得る酸および塩基付加塩は、式(I)の化合物が生成できる、治療上有効な、非毒性酸および塩基の付加塩形態を含むことを意味する。製薬学的に許容され得る酸付加塩は、塩基形態物をかような適当な酸で処理することにより都合よく得ることができる。適当な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸(例、塩化水素酸、臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸、等の無機酸、または例えば、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわち、ヒドロキシブタン二酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸、等、を包含する。
【0042】
前記塩と逆の形態物は、適当な塩基で処理することにより遊離塩基形態物に転換できる。
【0043】
酸性プロトン含有式(I)の化合物は、適当な有機および無機塩基で処理することによりそれらの非毒性金属またはアミン付加塩の形態物に転換することもできる。適当な塩基塩形態物は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩(例、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、等)ならびに有機塩基(例、ベンザチン塩、N−メチル−D−グルカミン塩、ヒドラバミン塩)、および例えば、アルギニン、リシン、等のアミノ酸との塩を包含する。
【0044】
上記で使用されるところの用語付加塩は、式(I)の化合物並びにそれらの塩が生成できる、溶媒和物も含む。かような溶媒和物は、例えば、水和物、アルコラート、等である。
【0045】
上記で使用されるところの用語第四級アミンは、式(I)の化合物が式(I)の化合物の塩基性窒素と適当な四級化剤(例えば、場合により置換されていてもよい、ハロゲン化
アルキル、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化アラルキル、具体的には、ヨウ化メチルまたはヨウ化ベンジル)の間の反応により生成できる第四級アンモニウム塩として定義する。良好な脱離基を有する他の反応体、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸アルキル、メタンスルホン酸アルキル、p−トルエンスルホン酸アルキル等も使用できる。第四級アミンは正荷電窒素を有する。製薬学的に許容され得る対イオンは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、トリフルオロ酢酸イオンおよび酢酸イオンを包含する。選択された対イオンはイオン交換樹脂を用いて導入できる。
【0046】
本発明化合物のN−オキシド形態物は、一つまたは数個の窒素原子が所謂、N−オキシドまで酸化されている式(I)の化合物を含むことを意味する。
【0047】
式(I)の化合物は金属バインディング、キレート化、複合体形成特性を有し得るので、金属複合体または金属キレート化物として存在できることが認識されている。このような式(I)の化合物の金属化誘導体は、本発明の範囲内に包含されるものと意図されている。
【0048】
また、式(I)の化合物のあるものは、互変異性体の形態物として存在することもできる。このような形態物は上記式中に具体的に示していないが、本発明の範囲内に包含されるものと意図されている。
【0049】
本発明の化合物は、式Iの上記左側および右側部分に関して、多種多様な修飾を提供することが認識されている。
【0050】
本発明の範囲全体を害するものでないが、一定の態様についてより詳細に下記に論ずる。
【0051】
好ましい態様では、R
1がH、ハロゲン、C
1−C
6アルコキシ、CF
3、およびOCF
3からなる群より選ばれる。さらに好ましい態様では、N−R
3に対してパラ位のR
1がH、ハロゲンから選ばれ、他のR
1のすべてがHである。別の好ましい態様では、ハロゲンがブロモまたはクロロである。
【0052】
別の好ましい態様では、R
3が−(CR
8R
9)
n鎖を含み、R
8およびR
9が、好ましくはHであり、そしてnが2〜4である。好ましくは、R
10がOH、F、CF
2H、CF
3、SO
2R
8およびCNからなる群より選ばれる。R
8が、好ましくはメチルである。
【0053】
好ましい態様では、R
4がC
3−C
7シクロアルキル、より好ましくはシクロプロピルである。
【0054】
好ましい態様では、かつ、より好ましくは、他の好ましい態様と共に、一つのXがNであり、他の複数のXがCである。最も好ましい態様では、その一つのXがNであり、N−R4に対してパラ位にそのXがある。
【0055】
好ましくは、多くて一つのR
5がC
1−C
6アルキル、C
1−C
6−アルコキシ、ハロゲンからなる群より選ばれる。最も好ましくは、R
5のすべてがHである。
【0056】
好ましい化合物は下記表1に列挙される化合物である。最も好ましくは、化合物番号1、2および3である。
【0057】
式Iの化合物は、有機化学技術分野で公知の合成方法または当業者に熟知されている修
飾および誘導化法を用いる後述の方法により製造できる。ここで使用される出発原料は、市販されているか、標準的な参考書に記載されている方法等の、当該技術分野で公知の慣用方法により製造できる。限定されるものでないが、好ましい方法には下記の方法が包含される。
【0058】
下記の合成手順のすべてを通して、関連する分子上の感受性または反応性基を保護することは、必要および/または望ましさがあるかも知れない。これは、常用の保護基、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,John Wiley & Sons,1999(引用することにおり、その内容は本明細書に組み入れられる)に記載されたものにより達成できる。
【0059】
式Iの化合物またはそれらの製薬学的に許容され得る塩は、本明細書の下記の反応スキームに従って製造できる。別に表示しない限り、反応スキーム中の置換基は上記に定義したとおりである。生成物の分離および精製は、通常の技能を有する化学者にとって公知の標準的な方法により達成できる。
【0060】
スキーム1は、R
1〜R
5およびXが上記のとおりに定義されている式Iの化合物の製造方法を具体的に説明する。
【0061】
スキーム1を参照すれば、式Iの化合物は2−ヒドロキシメチレンインドールII−aをN
3−置換2−オキソ−イミダゾピリジンまたはN
3−置換2−オキソ−イミダゾベンゼンIIIと当該技術分野で既知の方法、例えば、DMFまたはTHFのような適当な溶媒中でアザジイソプロピルジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンを使用するミツノブ(Mitsunobu)反応によりカップリングさせることにより合成できる。別法として、式Iの化合物は、DMFまたはTHFなどの適当な溶媒中で水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下でのY(ハロゲン、好ましくは塩素である:II−bまたはスルホネート、例えばメシラート:II−c)の置換により製造できる。
【0063】
化合物II−aの調製
本発明で使用され出発原料IVは市販されていか、または限定されるものでないが、ライサート(Reissert)合成またフィッシャ−合成のような当該技術分野で公知の方法により合成でき、かようなインドールのR
3−LG(式中、LGは脱離基、例えば、ハロゲン、好ましくは、臭素またはスルホネートである。)との、DMFまたはTHFのような適当な溶媒中で、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムのような塩
基の存在下での反応は、化合物Vを提供する(スキーム2)。化合物VのアルキルエステルのアルコールII−aへの転化は、THF、メタノールまたはエタノールのような適当な溶媒中水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウムのような水素化金属を用いて実施できる。
【0065】
アルコールII−aの塩化チオニルによる処理は2−クロロメチルインドールII−bを提供する。別法では、アルコールII−aをジクロロメタンのような適当な溶媒中でトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下でメタンスルホニルクロライドを用いる反応により中間体II−cに転換できる(スキーム3)。
【0067】
化合物IIIはスキーム4に記載される手順を使用して合成できる。ニトロピリジンまたはニトロアリールVIのZ(ハロゲン、好ましくはフッ素、またはアルコキシ基、好ましくはメトキシである。)のアミンよる、THFまたはDMFのような適当な溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンのような有機塩基の存在下での置換は化合物VIIを提供する。ニトロ基アミンVIIIへの還元は、メタノールのような適当な溶媒中、パラジウムまたは白金のような触媒の存在下で水素を用いる触媒方法または濃塩酸の存在下の塩化アンモニアまたは塩化スズの存在下での鉄を用いる化学量論的方法により行うことができる.得られるジアミンのCDI、ホスゲンまたはトリホスゲンを用いる溶媒、例えばアセトニトリルまたはTHFの存在下での環化は、N
3−置換ベンゾイミダゾロンIIIを提供する。別法として、III型の化合物は、CDI、ホスゲンまたはトリホスゲンを用いる閉環により環化してX型の中間体を得ることのできる市販のジアミンIXから出発して調製できる。Xの尿素窒素のアルキル化またはスルホニル化は、市販のアルコールを用いるミツノブ反応、または式IIIの化合物を提供するようにXI型の化合物における塩素を置換することにより達成できる。
【0069】
式(I)の化合物は、三価の窒素をそのN−オキシド形態物に転化するための当該技術分野で公知の方法に従い、対応するN−オキシド形態物に転化することができる。該N−オキシド化反応は、一般的に、式(I)の出発原料を適当な有機または無機の過酸化物と反応させることにより実施できる。適当な無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の過酸化物(例、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム)を包含し、適当な有機過酸化物は、過安息香酸またはハロ置換過安息香酸(例、3−クロロ過安息香酸)、ペルオキソアルカン酸(例、ペルオキソ酢酸)、アルキルヒドロペルオキシド(例、t−ブチルヒドロペルオキシド)を包含する。適当な溶媒は、例えば、水、低級アルコール(例、エタノール等)、炭化水素(例、トルエン)、ケトン(例、2−ブタノン)、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン)およびかような溶媒の混合物である。
【0070】
式(I)の化合物の純粋な立体化学異性体形態物は、当該技術分野で既知の方法を適用することにより得ることができる。ジアステレオマーは、選択的な結晶化およびクロマトグラフィー技法(例、向流分配、液体クロマトグラフィー、等)のような物理的方法により分離できる。
【0071】
上記の方法で製造される式(I)の化合物は、一般的に、エナンチオマーのラセミ混合物であり、該混合物は当該技術分野で既知の分離方法に従い相互に分離できる。十分に塩基または酸である式(I)のラセミ化合物は、それぞれ、適当なキラル酸またはキラル塩基により対応するジアステレオマー塩に変換できる。前記ジアステレオマー塩形態物は、続いて、例えば、選択的または分別結晶化により分離され、該エナンチオマーはアルカリまたは酸によりそれらから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態物を分離する別法は、液体クロマトグラフィー、特に、キラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーを包含する。前記の純粋な立体化学的異性体形態物をまた、対応する純粋は立体化学的異性体形態物の適当な出発原料から誘導できるが、ただし、この反応は立体化学的に起こることが前提条件である。仮に特定の立体異性体が望まれる場合には、好ましくは、該化合物は立体特異的製造方法により合成される。これらの方法は、有利には、エナチオマー的に純粋な出発原料を用いることができる。
【0072】
さらなる態様では、本発明は本明細書で特定されるところの式(I)の化合物または本明細書で特定されるところの式(I)の化合物のいずれかのサブグループの化合物の治療上効果的な量および製薬学的に許容され得るキャリヤーを含んでなる製薬学的組成物に関する。この文脈上、治療上効果的な量は、感染した患者または感染するリスクのある患者
において、ウイルス感染、特にRSVウイルス感染に対して予防的に作用するために、または該感染を安定させ若しくは低減させるために十分な量である。またさらなる態様では、本発明は本明細書で特定したところの製薬学的組成物の調製方法に関し、該方法は本明細書に特定したところの式(I)の化合物または本明細書で特定されるところの式(I)の化合物のいずれかのサブグループの化合物の治療上効果的な量と製薬学的に許容され得るキャリヤーを密接に混合することを含んでなる。
【0073】
したがって、本発明の化合物またはそのいずれかの態様は、投与目的のための種々の製薬学的剤形に配合できる。適当な組成物としては、全身的に投与する薬剤に通常用いられるすべての組成物を挙げることができる。本発明の製薬学的組成物を調製するには、有効成分としての特定の化合物、任意の酸付加塩形態物または金属複合体の有効量を、投与に望まれる調製物の形態に依存して多種多様な形態をとることができる、製薬学的に許容され得るキャリヤーと密接に混合した状態で配合される。これらの製薬学的組成物は、特に、経口、直腸、経皮、または非経口注入により投与するのに適する単一投与剤形にあることが望ましい。例えば、経口投与製剤における組成物の調製に際しては、常用の製薬学的媒質のすべて、懸濁剤、シロップ、エリキシル、乳剤および溶液のような経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、オイル、アルコール、等など、または粉剤、ピル、カプセル剤および錠剤の場合には、澱粉、糖、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤、等などの固体キャリヤーを使用することができる。これらの投与の容易性のため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口投与単位製剤を表し、この場合には固体の製薬学的キャリヤー使用されることが明らかである。非経口組成物について、キャリヤーは通常、少なくとも大部分を滅菌水が占めるが、例えば、溶解性を促進するための他の成分を含めてもよい。注入可能な溶液は、例えば、生理食塩水溶液、グルコース溶液または食塩とグルコースの混合溶液中で調製できる。注入可能な懸濁剤は、適当な液体キャリヤー、懸濁剤、等を使用して調製できる。また、使用直前に液体形態の製剤に変換することを意図する固体製剤も包含される。経皮投与に適する組成物では、キャリヤーは、浸透促進剤および/または適当な湿潤剤を含んでいてもよく、より小さな割合では、どのような性質の適当な添加剤が配合されていてもよく、添加剤は皮膚に著しい悪影響を及ぼすものであってはならない。
【0074】
本発明の化合物は、経口吸入または経口ガス注入により投与でき、この様式を介して投与するために当該技術分野で使用されている方法および製剤により投与される。したがって、一般的に本発明の化合物は、液体、懸濁剤または乾燥粉末の状態で肺に投与できるが、液体が好ましいものである。経口吸入または経口ガス注入による液体、懸濁剤または乾燥粉末のデリバリー用に開発される系は、本発明化合物の投与に適する。
【0075】
従って、本発明はまた、口を介する吸入またはガス注入による投与に適合された、式(I)の化合物および製薬学的に許容され得るキャリヤーを含んでなる製薬学的組成物も提供する。好ましくは、本発明の化合物は噴霧型またはエアゾール型剤形の溶液の吸入を介して投与される。
【0076】
容易な投与および均一な投薬のためには、前記の製薬学的組成物を単位投薬製剤に配合することが特に有利である。本明細書で使用するところの単位投薬製剤は、一元の投薬として適する物理的に個別の単位を意味し、各単位は、必要な製薬学的キャリヤーと共に所望の治療に効果を奏するものと計算された有効成分の予め決定された量を含有する。このような単位投薬製剤の例は、錠剤(切り込み線入りまたはコートされた錠剤を包含する)、カプセル剤、ピル、坐剤、粉末小包、カシェ剤、注入可能な溶液剤もしくは懸濁剤、等、およびそれらの隔離された多重剤である。
【0077】
式(I)の化合物は抗ウイルス特性を示す。本発明の化合物および方法を用いて処置で
きるウイルス感染症は、オルト−およびパラミクソウイルス、特に、ヒトおよびウシ呼吸合胞体ウイルス(RSV)によりもたらされる感染症を包含する。本発明の大多数の化合物は、さらに、RSVの変異株に対して活性である。加えて、本発明の多くの化合物は、有利な薬物動態プロファイルを示し、許容され得る半減期、AUCおよびピーク値を含み、不十分に早い発病および組織滞留のような好ましくない現象を欠く、生物学的利用能による魅力ある特性を有する。
【0078】
本発明化合物のRSVに対するインビトロ抗ウイルス活性は、本明細書の実験部に記載されるように試験され、また、ウイルス収量低減アッセイ(virus yield reduction assay)において例証される。本発明化合物のRSVに対するインビボ抗ウルス活性は、Wyde等(Antiviral Research (1998),38,31−42)に記載されるようなコトン ラット(cotton rats)を用いる試験モデルにより例証できる。
【0079】
それらの抗ウイルス特性、特に、抗RSV特性のため、式(I)の化合物またはそれらのいずれかの態様、それらのプロドラッグ、N−オキシド、付加塩、第四吸アミン、金属複合体および立体化学異性体形態物は、ウイルス感染、特にRSV感染の体験者の治療、またはこれらの感染症の予防に有用である。一般的には、本発明の化合物はウイルス、特に呼吸合胞体ウイルスに感染した温血動物において有用であり得る。
【0080】
したがって、本発明の化合物またはそれらのいずれかの態様は医薬として使用される。医薬または治療方法での上記使用は、ウイルスの感染した患者またはウイルス感染のおそれがある患者への、ウイルス感染、特にRSV感染に伴う状態を防除するのに効果的な量の全身投与を含んでなる。
【0081】
本発明はまた、ウイルス感染症、特にRSV感染症の治療または予防用医薬の製造における本発明化合物またはそれらのいずれかの態様の使用にも関する。
【0082】
さらに本発明は、ウイルス、特にRSVの感染した、またはウイルス、特にRSVによる感染のリスクのある温血動物の治療方法に関し、該方法は、本明細書に特定されている式(I)の化合物、または本明細書に特定されている式(I)の化合物のいずれかサブグループの化合物の抗ウイルス上効果的な量を投与することを含む。
【0083】
一般的には、抗ウイルス上効果的な一日量は、体重1kg当り、0.01mg〜500mg、より好ましくは、0.1mg〜50mgである。一日中、適当な間隔で2、3、4またはそれより多くのサブ用量として必要な用量を投与するように供することできる。該サブ用量は、単位投薬製剤当り、有効成分を例えば、1〜1000mg、特に、5〜200mg含有する単位投薬製剤として処方できる。
【0084】
正確な投薬量と投与頻度は、使用される式(I)の特定の化合物、治療される特定の状態、治療される状態の重篤度、年齢、体重、性別、特定の患者の疾患および物理的状態の程度、ならびに患者が摂取している当業者に周知である他の薬剤により左右される。さらに、前記効果的な一日量は、処置される患者の応答に応じおよび/または本発明の化合物を処方する医師の判断に応じ低減または増加できることが明らかである。したがって、上記の効果的な一日量の範囲は、単なる指標にすぎない。
【0085】
また、他の抗ウイルス剤と式(I)の化合物の組み合わせ物を医薬として使用することもできる。こうして、本発明はまた、抗ウイルス処置における、同時、別々または連続使用のための組み合わせ製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)他の抗ウイルス剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容され得るキャリヤーと共に
単一の製剤中で配合できる。例えば、本発明の化合物は、RSV感染症を治療または予防するためにインターフェロンβまたは腫瘍壊死因子αと組み合わせることができる。
【0086】
本発明は、次の非限定性例を参照しながら下記に具体的に説明される。
【実施例】
【0087】
本発明は、次の何ら限定するものでない例を参照しながら下文で具体的に説明する。
【0088】
例1
中間体の合成
式Iの目的とする化合物の合成に必要な中間体のすべては下記のスキーム5〜スキーム9に記載されるように合成された。
【0089】
【化6】
【0090】
ステップ1:3−(メチルスルホニル)プロパン−1オール5−bの合成
アルコール5−a(200g,1900mmol)をCH
2C1
2(2000mL)中に溶解した。この混合物を0℃に冷却した。0〜5℃の間に温度を保持しながら少しずつ水中m−CPBA(970g,5700mmol)を添加した。添加後、混合物を25℃に加温し、15時間撹拌した。混合物を、セライトパッドを通してろ過した。ろ液をフラッシュカラム(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=3:1,次いで酢酸エチル:メタノール=10:1)により精製し,中間体5−b(75g,29%)を得た。
【0091】
ステップ2:1−ブロモ−3−(メチルスルホニル)プロパン5−cの合成
中間体5−c(75g,543mmol)をCH
2Cl
2(750ml)に溶解した。混合物を0℃に冷やした。三臭化リン(53.6ml,570mmol)を0〜5℃の間に温度を保持しながら滴下した。加えた後、混合物を25℃に加温し,15時間撹拌した。混合物を氷−水に注ぎ込んだ。分離した有機層をブライン(2x1500mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、真空下でエバポレートして標題の化合物5−c(77g,71%)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ ppm 2.25−2.40(m,2H)2.91(s,3H)3.1−3.2(m,2H)3.5−3.6(m,2H)。
【0092】
【化7】
【0093】
アルコール6−a(100g,920mmol)を室温でCH
2Cl
2(1000mL
)に溶解した。混合物を0℃に冷やし、次いでイミダゾール(81.5g,1200mmol)およびTBDMS−Cl(152g,1010mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間攪拌し、次いでろ別した。ろ液を10%HClおよびブラインで続けて洗浄した。得られた溶液をMgSO
4上で乾燥し、ろ過した後、濃縮して標題の化合物6−b(100g,50%)を無色のオイルとして得た。
【0094】
【化8】
【0095】
ステップ1:N−シクロプロピル−3−ニトロピリジン−4−アミン 7−bの合成
乾燥メタノール(800mL)中で4−メトキシ−3−ニトロピリジン7−a(CAS
31872−62−5)(200g,3250mmol)、シクロプロピルアミン(185.5g,3250mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(336g,2600mmol)を3時間還流させた。混合物を0℃に冷却した。固体をろ過することにより集めた。このろ過ケーキを冷エタノール(150mL)で洗浄した。固体を乾燥し、標題の化合物7−b(167g,72%)を白色粉末として得た。
【0096】
ステップ2:N
4−シクロプロピルピリジン−3,4−ジアミン 7−cの合成
エタノール(1400mL)中で間体7−b(167g,932mmol)を触媒として湿10%Pd/C(34g)を用い20℃にて一晩中水素化(50Psi)した。H
2(3eq.)消費後、触媒をろ別し、ろ液をエバポレートした。残渣をメチル−terブチルエーテルで洗浄して標題の化合物7−c(133g,95%)を黄色粉末として得た。
【0097】
ステップ3:1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 7−dの合成
カルボニルジイイミダゾール(151.8g,936mmol)を0℃でCH
3CN(1800mL)中の中間体7−c(133g,891.4mmol)の溶液に加えた。反応混合物を10℃に加温し、1時間撹拌した。ろ過により固体を集め、CH
3CN(200mL)で洗浄して標題の化合物7−d(101g,65%)を白色粉末として得た。
【0098】
【化9】
【0099】
化合物8−dは、出発原料として3−アミノオキセタンを使用して化合物7−dと同様に調製した。
【0100】
【化10】
【0101】
ステップ1:N−シクロプロピル−4−フルオロ−2−ニトロアニリン 9−bの合成
1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン9−a(CAS 364−74−9)(15g,94.3mmol)をDMF(500mL)に溶解した。シクロプロピルアミン(7mL,100mmol)、次いでトリエチルアミン(30mL、217mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を水に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出し、MgSO
4上で乾燥し、濃縮した。このオレンジ色の固体をジクロロメタンおよびメタノールを使用するカラムクロマトグラフィーで精製して中間体9−b(16g,86%)をオレンジ色の固体として得た。
m/z=197(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ
ppm 0.63−0.68(m,2H),0.88−0.95(m,2H,2.54−2.55(m,1H),7.27−7.34(m,2H),7.84−7.90(m,1H),7.93−8.02(m,1H).
【0102】
ステップ2:N
4−シクロプロピル−4−フルオロベンゼン−1,2−ジアミン 9−cの合成
エタノール(200mL)中で中間体9−b(16g,82mmol)を、触媒として湿10%Pd/Cを用い室温にて一晩水素化した。H
2(3eq.)消費後、触媒をろ別し、ろ液をエバポレートした。残渣をエタノールで洗浄して標題の化合物9−c(12.8g,94%)を白色固体として得た。m/z=167(M+H)
+。
【0103】
ステップ3:1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン 9−dの合成
カルボニルジイミダゾール(13.15g,81mmol)を0℃でCH
3CN(150mL)中の中間体9−c(12.8g,77.3mmol)の溶液に加えた。室温に加温し、4時間撹拌して反応を行った。溶媒を除去し、次いで残渣をCH
2Cl
2/メタノールを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して淡褐色の固体を得、この固体をジエチルエーテル中ですり潰して白色固体として化合物9−d(7.4g,50%)を得た。m/z=193(M+H)
+。
1H NMR (400MHz、クロロホルム−d) δ ppm 0.99−1.08(m,2H)1.08−1.20(m,2H)2.89(m,1H)6.75−6.84(m,1H)6.87(dd,J=8.53、2.51Hz,1H)7.10(dd,J=8.53,4.27Hz,1H)10.33(br.s.,1H)
【0104】
例2
3−((5−ブロモ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2
(3H)−オン 2の合成
【0105】
【化11】
【0106】
ステップ1:エチル 5−ブロモ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−カルボキシレート 2−1の合成
【0107】
【化12】
【0108】
エチル 5−ブロモ−1H−インドール−2−カルボキシレート(CAS 16732−70−0)(2.3g,8.6mmol)をDMF(50mL)に溶解した。混合物を室温で攪拌し、次いで鉱油中の水素化ナトリウム60%懸濁物(0.52g,12.8mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、1−ブロモ−3−(メチルスルホニル)プロパン5−c(2.6g,12.8mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した.混合物を氷/水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濃縮して褐色の粗生成物オイルを得た。この粗生成物をジクロロメタン/メタノールを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体として標題の化合物2−1(3.2g,96%)を得た。m/z=389(M+H)
+。
【0109】
ステップ2:(5−ブロモ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メタノール 2−2の合成
【0110】
【化13】
【0111】
THF(100mL)中の中間体2−1(3.2g,8.24mmol)の溶液に室温で水素化アルミニウムリチウム(THF中2M溶液,5.2mL,10.4mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよびエタノールを加えることにより急冷した。得られた混合物を氷/水溶液中に注ぎ込み、次いでセライト上でろ過した。水層を酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。併せた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を溶離液としてジクロロメタン/メタノールを使用するカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物2−2(2.5g,88%)白色固体として集めた。m/z=347(M+H)
+。
【0112】
ステップ3:3−((5−ブロモ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 2の合成
【0113】
【化14】
【0114】
乾燥THF(30mL)中の中間体2−2(0.5g,1.3mmol)、トリフェニルホスフィン(0.37g,1.4mmol)およびピリドベンゾイミダゾロン7−d(0.34g,2mmol)の撹拌溶液に、室温でDIAD(94%,0.71mL,1.36mmol)を滴下した。反応混合物を一晩撹拌した。反応終了後、混合物を乾燥するまで濃縮し,残渣を酢酸エチル/CH
2Cl
2,次いでCH
2Cl
2/メタノールで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体として標題の化合物2(458mg,70%)を得た。
m/z=504(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ
ppm 0.99−1.07(m,2H),1.13−1.21(m,2H),2.11(m,2H),2.86(s,3H),2.93−2.99(m,1H),3.00−3.07(m,2H),4.37−4.48(m,2H),5.22(s,2H),6.61(s,1H),7.12−7.21(m,2H),7.30(dd,J=8.8,1.8Hz,1H),7.71(d,J=1.8Hz,1H),8.32(d,J=5.3
Hz,1H),8.40(s,1H)
【0115】
例3
化合物1、5、6および8を、化合物2と同様に調製した。
【0116】
3−((5−クロロ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 1
【0117】
【化15】
【0118】
m/z=460(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.90−0.97(m,2H),1.02−1.10(m,2H),1.86−1.99(m,2H),2.97(s,3H),2.98−3.03(m,1H),3.10−3.18(m,2H),4.38(t,J=7.5Hz,2H),5.75(s,2H),6.53(s,1H),7.16(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.27(d,J=5.3Hz,1H),7.54(d,J=8.8Hz,1H),7.57(d,J=2.0Hz,1H),8.25(d,J=5.3Hz,1H),8.40(s,1H)
【0119】
3−((5−ブロモ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−(オキセタン−3−イル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 5
【0120】
【化16】
【0121】
m/z=520(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 1.92(ddd,J
=15.2,7.8,7.7Hz,2H),2.96(s,3H),3.13(m,2H),4.38(t,J=7.7Hz,2H),4.97(d,J=7.8Hz,2H),5.07(t,J=6.7Hz,2H),5.36(s,2H),5.56(tdd,J=7.8,7.8,6.3,6.1Hz,1H),6.56(s,1H),7.28(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.50(d,J=8.8Hz,1H),7.54(d,J=5.3Hz,1H),7.71(d,J=1.8Hz,1H),8.30(d,J=5.5Hz,1H),8.41−8.57(m,1H)
【0122】
3−((5−ブロモ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾ(d)イミダゾール−2(3H)−オン 6
【0123】
【化17】
【0124】
m/z=521(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 0.99−1.06(m,2H),1.09−1.17(m,2H),2.11(m,2H),2.85(s,3H),2.92(m,1H),2.97−3.05(m,2H),4.38−4.47(m,2H),5.16(s,2H),6.57(s,1H),6.76−6.84(m,1H),6.87(dd,J=8.4,2.0Hz,H),7.12(dd,J=8.4,4.5Hz,1H),7.19(d,J=8.8Hz,1H),7.30(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.72(d,J=1.8Hz,1H)
【0125】
3−((5−クロロ−1−(3−(メチルスルホニル)プロピル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾ(d)イミダゾール−2(3H)−オン 8
【0126】
【化18】
【0127】
m/z=477(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 0.99−1.05(m,2H),1.10−1.17(m,2H),2.11−2.17(m,2H),2.85(s,3H),2.89−2.96(m,1H),2.97−3.05(m,2H),4.39−4.46(m,2H),5.16(s,2H),6.57(s,1H),6.77−6.84(m,1H),6.88(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),7.12(dd,J=8.7,4.4Hz,1H),7.17(m,J=2.0Hz,1H),7.21−7.25(m,1H),7.56(d,J=1.5Hz,1H)
【0128】
例4
3−((5−ブロモ−1−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−1H−インドール−2−イル)−メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 11の合成
【0129】
【化19】
【0130】
ステップ1:エチル 5−ブロモ−1−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−1H−インドール−2−カルボオキシレート 11−1の合成
【0131】
【化20】
【0132】
市販されているエチル 5−ブロモ−1H−インドール−2−カルボキシレート(CAS 16732−70−0)(3g,11mmol)をDMF(50mL)に溶解し,次いでこの混合物を室温で攪拌した後、鉱油中の水素化ナトリウム60%懸濁物(0.49g,12.3mmol)を添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。tert−ブチル(4−クロロブトキシ)ジメチルシラン6−b(2.5g,11.2mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で5日間撹拌した。混合物を室温まで冷まし,次いで氷を含む水溶液に注ぎ込んだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し,濃縮してオレンジ色のオイルを得た。この粗生成物をジクロロメタン/ヘプタンを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して無色のオイルとして標題の化合物11−1(3.93g,77%)を得た。m/z=455(M+H)
+。
【0133】
ステップ2:(5−ブロモ−1−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−1H−インドール−2−イル)−メタノール 11−2の合成
【0134】
【化21】
【0135】
THF(100mL)中の中間体11−1(3.93g,6.72mmol)溶液に、−78℃でTHF中の水素化アルミニウムリチウム1M溶液(8mL,8mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルおよびエタノールで急冷した。この混合物を氷を含む水溶液中に注ぎ込み,得られた混合物をセライト上でろ過した。水層を酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。併せ有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し,ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を溶離液としてジクロロメタン/メタノールを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して無色オイルとして中間体11−2(2.68g,96%)を集めた。m/z=413(M+H)
+。
【0136】
ステップ3:3−((5−ブロモ−1−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−1H−インドール−2−イル)−メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 11の合成
【0137】
【化22】
【0138】
乾燥THF(30mL)中の中間体11−2(0.77g,1.86mmol)、トリフェニルホスフィン(0.54g,2.05mmol)およびピリドベンゾイミダゾロン7−d(0.34g,2mmol)の撹拌溶液に、室温でDIAD(94%,0.38mL,1.96mmol)を滴下した。反応混合物を一夜撹拌した。反応終了後、混合物を濃縮して乾燥し、残渣を酢酸エチル/CH
2Cl
2、次いでCH
2Cl
2/メタノールを用いて溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色オイルとして標題の化合物11(1.06g,61%)を得た。
m/z=570(M+H)
+。
1H NMR (400MHz、DMSO−d
6) δ ppm−0.02(s,6H),0.79−0.83(m,9H),0.88−0.96(m,2H),1.03−1.12(m,2H),1.36−1.58(m,4H),2
.93−3.03(m,1H),3.51(t,J=6.1Hz,2H),4.24(t,J=7.3Hz,2H),5.28(s,2H),6.56(s,1H),7.22(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),7.27(d,J=5.3Hz,1H),7.41(d,J=8.8Hz,1H),7.70(d,J=2.0Hz,1H),8.23(d,J=5.3Hz,1H),8.34(s,1H)
【0139】
例5
3−((5−クロロ−1−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブチル)−1H−インドール−2−イル)−エチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 13の合成
【0140】
【化23】
【0141】
化合物13は市販のインドールから出発して化合物11と同様に調製した。m/z=526(M+H)
+。
【0142】
例6
3−((5−ブロモ−1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 4の合成
【0143】
【化24】
【0144】
メタノール(30mL)中に中間体11(1.06g,1.14mmol)を溶解し,次いでフッ素化アンモニウム(0.172g,4.6mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷まし、次いで溶媒を除去した。残渣をジクロロメタン/エタノールを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体として生成物(323mg,62%)を得た。m/z=456(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.88−0.97(m,2H),1.03−1.13(m,2H),1.32−1.53(m,4H),2.99(dt,J=7.0,3.4Hz,1H),3.34−3.40(m,2H),4.23(t,J=7.4Hz,2H),4.40(t,J=5.0Hz,1H),5.28(s,2H),6.55(s,1H),7.23(dd,J=8.7,1.9Hz,1H),7.27(d,J=5.3Hz,1H),7.42(d,J=8.8Hz,1H),7.70(d,J=1.8Hz,1H),8.23(d,J=5.3Hz,1H),8.34(s,1H)
【0145】
例7
化合物7、9、10、15および16は対応する市販のインドールから出発して化合物4と同様に調製した。
【0146】
3−((5−クロロ−1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 7
【0147】
【化25】
【0148】
m/z=456(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.87−0.97(m,2H),1.03−1.14(m,2H),1.31−1.57(m,4H),2.99(m,1H),3.26−3.43(m,2H),4.23(t,J=7.3Hz,2H),4.40(t,J=5.1Hz,1H),5.28(s,2H),6.55(s,1H),7.12(dd,J=8.7,2.1Hz,1H),7.27(d,J=5.3Hz,1H),7.46(d,J=8.8Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),8.23(d,J=5.0Hz,1H),8.35(s,1H)
【0149】
1−シクロプロピル−3−((5−フルオロ−1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 9
【0150】
【化26】
【0151】
m/z=456(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 0.97−1.06(m,2H),1.12−1.20(m,2H),1.54−1.74(m,4H),2.26(br.s,1H),2.89−3.00(m,1H),3.64(t,J=5.9Hz,2H),4.17−4.29(m,2H),5.22(s,2H),6.60(s,1H),6.93(td,J=9.2,2.5Hz,1H),7.10−7.24(m,3H),8.29(d,J=5.3Hz,1H),8.39(s,1H)
【0152】
1−シクロプロピル−3−((1−(4−ヒドロキシブチル)−5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 10
【0153】
【化27】
【0154】
m/z=407(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.87−0.96(m,2H),1.02−1.12(m,2H),1.30−1.50(m,4H),2.98(dt,J=7.0,3.5Hz,1H),3.27−3.29(m,2H),3.73(s,3H),4.17(t,J=6.9Hz,2H),4.39(t,J=5.0Hz,1H),5.24(s,2H),6.51(s,1H),6.76(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),7.01(d,J=2.5Hz,1H),7.26(d,J=5.3Hz,1H),7.30(d,J=8.8Hz,1H),8.22(d,J=5.0Hz,1H),8.35(s,1H)
【0155】
3−((6−クロロ−1−(4−ヒドロキシブチル)−3−ヨード−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2
(3H)−オン 15
【0156】
【化28】
【0157】
m/z=538(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.88−0.97(m,2H),1.05−1.13(m,2H),1.16−1.27(m,2H),1.27−1.39(m,2H),2.99(tt,J=7.0,3.7Hz,1H),3.19−3.28(m,2H),4.14−4.28(m,2H),4.37(t,J=4.9Hz,1H),5.30(s,2H),7.17(dd,J=8.4,1.9Hz,1H),7.27(dd,J=5.1,0.6Hz,1H),7.35(d,J=8.5Hz,1H),7.64(d,J=1.8Hz,1H),8.09(s,1H),8.22(d,J=5.3Hz,1H)
【0158】
3−((6−クロロ−1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−インドール−2−イル)メチル)−1−シクロプロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 16
【0159】
【化29】
【0160】
m/z=412(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.80−0.97(m,2H),1.00−1.19(m,2H),1.31−1.56(m,4H),2.87−3.10(m,1H),3.34−3.45(m,2H),4.22(t,J=7.2Hz,2H),4.41(t,J=5.0Hz,1H),5.27(s,2H),6.60(s,1H),7.01(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.27(dd,J=5.1,0.6Hz,1H),7.51(d,J=8.5Hz,1H),7.53−7.60(m,1H),8.23(d,J=5.3Hz,1H),8.35(s,1
H)
【0161】
例8
5−((5−ブロモ−2−(1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1H−インドール−1−イル)ペンタンニトリル 3の合成
【0162】
【化30】
【0163】
ステップ1:4−(5−ブロモ−2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1H−インドール−1−イル)ブチル 4−メチルベンゼンスルホネート 3−1の合成
【0164】
【化31】
【0165】
窒素下の乾燥ジクロロメタン(30mL)中の化合物4(0.88g,1.95mmol)の溶液に、室温でトリエチルアミン(0.81mL,5.83mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.07g,0.58mmol)および4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロライド(0.445g,2.33mmol)を加えた。得られた混合物を窒素下で一晩撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、濃縮した。残渣をジクロロメタンおよびTメタノールを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製した。中間体3−1(760mg,65%)が白色の泡として単離された。
m/z=610(M+H)
+。
【0166】
ステップ2:5−((5−ブロモ−2−(1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1H−インドール−1−イル)ペンタンニトリル 3の合成
【0167】
【化32】
【0168】
DMSO(30mL)中の中間体3−1(0.76g,1.25mmol)にシアン化ナトリウム(75mg,1.5mmol)を加えた。得られた混合物を窒素下、90℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次いで水/ジクロロメタン中に流し込んだ。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、MgSO
4上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン/メタノールで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して白色粉末として標題の化合物3(500mg、86%)を得た。m/z=465(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 0.99−1.06(m,2H),1.15−1.21(m,2H),1.64−1.72(m,2H),1.72−1.82(m,2H),2.33(t,J=6.8Hz,2H),2.95(m,1H),4.28(t,J=7.2Hz,2H),5.21(s,2H),6.63(s,1H),7.10−7.16(m,2H),7.28(dd,J=8.8,1.8Hz,1H),7.71(d,J=1.8Hz,1H),8.32(d,J=5.3Hz,1H),8.39(s,1H)
【0169】
例9
1−シクロプロピル−3−((1−イソペンチル−1H−インドール−2−イル)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 12の合成
【0170】
【化33】
【0171】
ステップ1:(1−イソペンチル−1H−インドール−2−イル)メタノール 12−1の合成
【0172】
【化34】
【0173】
(1H−インドール−2−イル)メタノール(CAS 24621−70−3)(0.5g,3mmol)をDMF(20mL)に溶解し、この混合物を室温で撹拌した。次いで、鉱油中の水素化ナトリウム60%懸濁物(0.13g,3.43mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで1−ブロモ−3−メチルブタン(CAS 107−82−4)(0.45mL,3.7mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を氷/水溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濃縮して黒色オイルを得た。この粗生成物をジクロロメタン/酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーにより製精してピンクの固体として標題の化合物12−1(177mg,26%)を得た。m/z=218(M+H)
+。
【0174】
ステップ2:1−シクロプロピル−3−((1−イソペンチル−1H−インドール−2−イル)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2(3H)−オン 12の合成
【0175】
【化35】
【0176】
乾燥THF(20mL)中の中間体12−1(0.17g,0.79mmol)、トリフェニルホスフィン(0.23g,0.87mmol)およびピリドベンゾイミダゾール7−d(0.14g,0.83mmol)の撹拌溶液に、室温でDIAD(94%,0.17mL,0.83mmol)を滴下した。反応混合物を窒素下で一晩撹拌した。反応終了後、混合物を乾燥するまで濃縮した。残渣を酢酸エチル/CH
2Cl
2、次いでCH
2Cl
2/メタノールで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色粉末として標題の化合物12(68mg,22%)を得た。m/z=375(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.89(d,J=6.6Hz,6H),0.90−0.95(m,2H),1.04−1.12(m,2H),1.20−1.30(m,2H),1.54−1.67(m,1H),2.98(s,1H),4.16−4.25(m、2H),5.28(s,2H),6.61(s,1H),7.01(td,J=7.5,0.9Hz,1H),7.13(ddd,J=8.3,7.1,1.2Hz,1H),7.27(dd,J=5.3,0.8Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,0H),7.51(d,J=7.8Hz,1H),8.22(d,J=5.1Hz,1H),8.35(s,1H)
【0177】
例10
エチル 2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)−エチル)−1−イソペンチル−1H−インドール−3−カルボキシレート 18の合成
【0178】
【化36】
【0179】
ステップ1:エチル 3−(2−フェニルヒドラゾノ)ブタノエート 18−1の合成
【0180】
【化37】
【0181】
ターブチル ジメチルエーテル(terbutyl dimethyl ether)(1000mL)中のフェニルヒドラジン(125g,1150mmol)およびエチル
3−オキソブタノエート(100g,770mmol)の溶液に酢酸(2mL)を加えた。得られた混合物を1時間0℃で撹拌した。溶媒を真空下でエバポレートした。残渣(220g)を次のステップにそのまま使用した。
【0182】
ステップ2:エチル 2−メチル−1H−インドール−3−カルボキシレート 18−2の合成
【0183】
【化38】
【0184】
−10℃において激しい撹拌下の濃H
2SO
4(800ml)に中間体18−1(160g)を少しずつ添加した。この溶液を1時間−10℃で、次いで2時間15℃で撹拌し
た。溶液を氷−水中に注ぎ込み、次いでtert−ブチルメチルエーテルで抽出した。溶媒を除去した後、固体を石油エーテルで洗浄した。中間体18−2が得られた(80g,70%)。
【0185】
ステップ3:エチル 1−イソペンチル−2−メチル−1H−インドール−3−カルボキシレート 18−3の合成
【0186】
【化39】
【0187】
CH
3CN(1000mL)中の中間体18−2(38g,187mmol)溶液に1−ブロモ−3−メチルブタン(94mL,747mmol)およびCs
2CO
3(121g,374mmol)を加えた。得られた混合物を2時間還流した。固体をろ過し、ろ液を真空下でエバポレートした。残渣を高性能液体クロマトグラフィー(C18,溶離液:緩衝剤として0.1% TFAを含むCH
3OH/H
2O:15/85〜45/55)により精製した。純粋なフラクションを集め、真空下で蒸発成分を除去し、水溶液にNaHCO
3を加えてpH=8に調節した。残りの液をCH
2Cl
2(2x100mL)で抽出した有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。真空下で溶媒を除去して目的の中間体18−3(20g,40%)を得た。
【0188】
ステップ4:エチル 2−ホルミル−1−イソペンチル−1H−インドール−3−カルボキシレート 18−4の合成
【0189】
【化40】
【0190】
酢酸(150mL)中の中間体18−3(9.8g,35.8mmol)溶液にSeO
2(14g,71.6mmol)を加えた。反応混合物を12時間還流した後、室温に冷却した。次いで、水(200mL)およびCH
2Cl
2(200mL)を加えた。有機層をブライン(150mL)で洗浄した後、Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空下で除去した。残渣をさらなる精製無しに次のステップで使用した。生成物の混合物(10g,18−5の70%および18−4の10%)を得た。
【0191】
ステップ5:エチル 2−(ヒドロキシメチル)−1−イソプロピル−1H−インドール−3−カルボキシレート 18−6の合成
【0192】
【化41】
【0193】
中間体18−4および18−5(10g)をメタノール(100mL)に溶解し、−15℃に冷却した。NaBH
4(0.4g,10.4mmol)を少しずつ加えた。混合物を−15℃で10分間撹拌し、0.5時間15℃に加温した。飽和NaHCO
3を加えた。溶媒を真空下で除去した。CH
2Cl
2(100mL)およびH
2O(100mL)を加えた。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。得られた残渣をメタノール(150mL)に溶解した。K
2CO
3(9.8g,71.6mmol)を加えた。混合物を15℃で2時間撹拌した。1N HClの添加によりpHを4に調節した。混合物をCH
2Cl
2(200mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空下で除去した。残渣をカラム(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル==1:3)で精製して中間体18−6(3.63g,18−3から35%)を白色粉末として得た。
【0194】
ステップ6:エチル 2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1−イソペンチル−1H−インドール−3−カルボキシレート 18の合成
【0195】
【化42】
【0196】
化合物12の調製と同じ手順を使用して化合物18を合成した。m/z=447(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 0.89(d,J=6.6Hz,6H),1.00−1.09(m、2H),1.10−1.24(m,4H),1.51(t,J=7.1Hz,3H),1.57−1.73(m,1H),2.85−2.97(m,1H),4.16−4.29(m,2H),4.51(q,J=7.3Hz,2H),5.88(s,2H),7.12(d,J=5.1Hz,1H),7.21−7.32(m,3H),8.16−8.23(m,1H),8.27(d,J=5.1Hz,1H),8.32(s,1H)
【0197】
例11
2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3
(2H)−イル)メチル)−1−イソペンチル−1H−インドール−3−カルボン酸 17の合成
【0198】
【化43】
【0199】
THF(25mL)に化合物18(0.5g、1mmol)を溶解し、水(5mL)に溶解した水酸化リチウム(48mg,2mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷まし水中に注ぎ込んだ。1Mの塩化水素酸溶液を加えることにより得られた混合物のpHをpH=4に調節した。次いで混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し,濃縮した。残渣をジクロロメタンおよびメタノールを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製した。標題の化合物17(400mg,94%)が白色粉末として単離された。m/z=419(M+H)
+。
1H NMR (360MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.82(d,J=6.6Hz,6H),0.88−0.95(m,2H),0.97−1.14(m,4H),1.49−1.64(m,1H),2.96(m,1H),4.21(m,2H),5.77(s,2H),7.19−7.31(m,3H),7.45(d,J=7.7Hz,1H),8.08−8.14(m,1H),8.16(s,1H),8.21(d,J=5.1Hz,1H),12.39−12.47(m,1H)
【0200】
例12
2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1−イソペンチル−1H−インドール−3−カルボキサミド
14の合成
【0201】
【化44】
【0202】
乾燥アセトニトリル(20mL)中の化合物17(150mg,0.36mmol)にカルボニルジイミダゾール(CDI)(145mg,0.9mmol)を加えた。得られた混合物を窒素下、50℃にて一晩撹拌した。前記酸とCDIの間で生成された中間体の形成後、反応混合物を室温まで冷却した。次いで、水中アンモニア(448mg,3.5mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。沈殿をろ別し、水およびアセトニトリルで続けて洗浄した。得られた固体をオーブン中で乾燥して白色固体
として化合物14(150mg,94%)を得た。m/z=418(M+H)
+。
1H NMR (360MHz,クロロホルム−d) δ ppm 0.88(d,J=6.6Hz,6H),0.99−1.07(m,2H),1.11−1.22(m,3H),1.55−1.71(m,4H),2.86−2.94(m,1H),4.16−4.25(m,2H),5.82(s,2H),7.12(d,J=5.1Hz,1H),7.24−7.27(m,1H),7.28−7.34(m,2H),7.80−7.86(m,1H),8.28(d,J=5.1Hz,1H),8.45(s,1H)
【0203】
例13
2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1−イソペンチル−N−(メチルスルホニル)−1H−インドール−3−カルボキサミド 19の合成
【0204】
【化45】
【0205】
乾燥アセトニトリル(20mL)中の化合物17(200mg,0.47mmol)にカルボニルジイミダゾール(CDI)(170mg,1.05mmol)を加えた。得られた混合物を窒素下、50℃にて一晩撹拌した。前記酸とCDIの間で生成された中間体の形成後、反応混合物を室温まで冷却した。得られた混合物にメタンスルホンアミド(113.6mg,1.2mmol)とDBU(0.18mg,1.2mmol)を加えた。得られた混合物を室温で5時間、次いで50℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した。次いで、酢酸(3mmol)を加えた。得られた混合物を濃縮し,次いで残渣を酢酸エチルに溶解して水で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体として化合物19(120mg、50%)を得た。m/z=496(M+H)
+。
1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.80(d,J=6.8Hz,6H),0.87−0.95(m,2H),1.00−1.17(m,4H)、1.42−1.57(m,1H),2.93−3.01(m,1H),3.36(s,3H),4.14−4.26(m,2H),5.59(s,2H),7.22−7.30(m,2H),7.33(d,J=5.5Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.89(d,J=7.5Hz,1H),8.26(d,J=5.3Hz,1H),8.30(s,1H)
【0206】
例14
5−クロロ−2−((1−シクロプロピル−2−オキソ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3(2H)−イル)メチル)−1−(4−フルオロブチル)−1H−インドール−3−カロボキサミド P54の合成
【0207】
【化46】
【0208】
ステップ1:メチル 5−クロロ−1−(4−フルオロブチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1H−インドール−3−カルボキシレート 54−1の合成
【0209】
【化47】
【0210】
メチル 5−クロロ−1−(4−フルオロブチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1H−インドール−3−カルボキシレート54−1を、18−2の代わりにメチル 5−クロロ−2−メチル−1H−インドール−3−カルボキシレート(Angew.Chem.2008,47,7230−7233に記載されたように調製した)および1−ブロモ−3−メチルブタンの代わりに1−ブロモ−4−フルオロブタンから出発して、18−6(すなわち、ステップ3−5)の合成について使用した手順にしたがって合成した。
【0211】
ステップ2:
【0212】
【化48】
【0213】
所望の生成物P54は、18−6の代わりに54−1から出発してP14の合成について報告したステップにしたがって合成した。
m/z=456(M+H)
+;1H NMR (400MHz,DMSO−d
6) δ ppm 0.82−0.94(m,2H)1.01−1.11(m,2H)1.20−1.33(m,2H)1.48−1.64(m,2H)2.92−3.01(m,1H)4.26(s,3H)4.39(t,J=6.00Hz,1H)5.63(s,2H)7.2−7.28(m,2H)7.57(d,J=8.78Hz,1H)7.86(d,J=2.01Hz,1H)8.21(d,J=5.27Hz,1H)8.39(s,1H)
【0214】
例15
化合物1−19およびP20−P81の特性決定、ならびにRSV阻害活性についての試験を表1−3に示す。
【0215】
例16
誘導体P82−P105は上記の方法および当該技術分野で公知の方法との組み合わせにしたがって調製した(表4)。
【0216】
一般的な実験の詳細
HPLC−MS分析は、以下のいずれか一つの方法を使用して行った。
【0217】
方法1:
HPLC測定は、ポンプ、ダイオード−アレー検出器(DAD)(使用波長220nm)、カラムヒーターおよび下記に特定するカラムを備えたアジレント(Agilent)1100モジュールを使用して行った。カラムからの流れをアジレントMSDシリーズG1946CとG1956Aに分割した。MS検出器はAPI−ES(大気圧エレクトロスプレーイオン化)で構成されている。マススペクトルは、100から1000までを走査することにより獲得された。キャピラリー指針の電圧は、陽性イオン化モードについて2500Vで、陰性イオン化モードについて3000Vであった。フラグメンテーション電圧は50Vであった。乾燥ガス温度は10L/分の流れにおいて350℃に維持した。逆相HPLCはYMC−Pack ODS−AQ、流速0.8mL/分の50x2.0mm
5mmカラムにより実施した。2種の移動層(移動層A:0.1% TFAを含む水、
移動層B:0.05% TFAを含むアセトニトリル)を使用した。最初は100%Aを1分間保持した。次いで、4分中に勾配を40%Aおよび60%Bまでかけた。典型的な注入用量2mLを使用した。オーブン温度は50℃であった(MSの極性:正)。
【0218】
方法2:
HPLC測定は、ポンプ、ダイオード−アレー検出器(DAD)(使用波長220nm)、カラムヒーターおよび下記に特定するカラムを備えたアジレント(Agilent)1100モジュールを使用して行った。カラムからの流れをアジレントMSDシリーズG1946CとG1956Aに分割した。MS検出器はAPI−ES(大気圧エレクトロスプレーイオン化)で構成されている。マススペクトルは、100から1000までを走査することにより獲得された。キャピラリー指針の電圧は、陽性イオン化モードについて2500Vで、陰性イオン化モードについて3000Vであった。フラグメンテーション電圧は50Vであった。乾燥ガス温度は10L/分の流れにおいて350℃に維持した。逆相HPLCはYMC−Pack ODS−AQ、流速0.8mL/分の50x2.0mm
5mmカラムにより実施した。2種の移動層(移動層A:0.1% TFAを含む水、移動層B:0.05% TFAを含むアセトニトリル)を使用した。最初は90%Aおよび10%Bを0.8分間保持した。次いで、3.7分中に勾配を20%Aおよび80%Bまでかけ、3分間保持した。典型的な注入用量2mLを使用した。オーブン温度は50℃であった(MSの極性:正)。
【0219】
方法3:
カラム:XTerra MS C18 2.5μ、4.6x50mm、移動層A:10mM NH
4OOCH+H
2O中0.1% HCOOH、移動層B:MeOH 流速1.5mL/分を使用するカラム温度50℃において操作。勾配条件:t=0分:65%A、35%B;t=3.5分、5%A、95%B;t=5.5分:5%A、95%B;t=5.6分:65%A、35%B;t=7分、65%A、35%B。
【0220】
方法4:
カラム:SunFire C18 3.5μ、4.6x100mm、移動層A:水中、10mM NH
4OOCH+0.1%HCOOH、移動層B:MeOH 流速1.5mL/分を使用するカラム温度50℃において操作。勾配条件:t=0分:65%A、35%B;t=7分、5%A、95%B;t=9.6分:5%A、95%B;t=9.8分:65%A、35%B;t=12分、65%A、35%B。
【0221】
NMRスペクトルは、ブルカー エイヴァンス(Bruker Avance)400スペクトロメタ−により記録し、
1Hについては400MHzで操作する。ケミカルシフトは、ppmおよびHzにおけるJ値で提供される。多重度は、ダブレットについてd、トリプレットについてt、マルチプレットについてm、等の略号を使用して示す。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル 60F
254(Merck KGaA)でコートされた5x10cmのアルミニウムシート上で行った。
【0222】
抗ウイルス活性
黒色(Black)96−ウェル クリアー−ボトム マイクロタイター プレート(Corning,Amsterdam,the Netherlands)を、培地〔フェノールレッドを含まないRPMI培地、10%FBS、0.04%ゲンタマイシン(50mg/mL)および0.5%DMSO〕の最終容量50μlにおける化合物の一連の4倍希釈物を受注生産されたロボットシステムを使用して重複充填した。次に、培地中のHeLa細胞懸濁物(5x10
4細胞/mL)の100μlを各ウェルに加え、続いて、多滴ディスペンサー(Thermo Scientific、Erembodegem、Belgium)を使用して50μlの培地中rgRSV224(MOI=0.02)ウイルスを加えた。rgRSV224ウイルスは、追加のGFP遺伝子を含むように操作されたウイルスであり(Hallak et al,2000),NIH(Bethesda,MD,USA)からイン−ライセンスされた(in−licensed)ものである。培地、ウイルス−および模擬感染対照を各試験に含めた。細胞を5%CO
2雰囲気下の37℃にてインキュベートした。ウイルス暴露後3日のウイルスの複製を、MSMレーザー顕微鏡(Tibotec、Beerse、Belgium)により細胞中のGFP発現を測定することによって定量した。EC
50は、GFP発現についての50%阻害濃度と定義された。平行して一式の白色96−ウェル マイクロタイター プレート(Corning)において、化合物を3日間インキュベートし、HeLa細胞における化合物の毒性を、ATPliteキット(PerkinElmer,Zaventem,Belgium)を使用し、製造業者の説明書に従い細胞のATP含量を測定することによって決定した。CC
50は、細胞毒性についての50%濃度と定義された。
【0223】
文献
Hallak LK,Spillmann D,Collins PL,Peeples ME.呼吸合胞体ウイルスの感染にためのグルコサミノグリカン硫酸化の要件(Glycosaminoglycan sulfation requirements for respiratory syncytial virus infection.)J.Virol.740、10508−10513(2000).
【0224】
【表1-1】
【0225】
【表1-2】
【0226】
【表2】
【0227】
【表3-1】
【0228】
【表3-2】
【0229】
【表3-3】
【0230】
【表3-4】
【0231】
【表3-5】
【0232】
【表3-6】
【0233】
【表3-7】
【0234】
【表3-8】
【0235】
【表3-9】
【0236】
【表3-10】
【0237】
【表3-11】
【0238】
【表3-12】
【0239】
【表3-13】
【0240】
【表3-14】
【0241】
【表3-15】
【0242】
【表4-1】
【0243】
【表4-2】