特許第5945279号(P5945279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945279可逆の起爆火工品破壊部品(detonatingpyrotechnicrupturepiece)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945279
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】可逆の起爆火工品破壊部品(detonatingpyrotechnicrupturepiece)
(51)【国際特許分類】
   F42B 15/38 20060101AFI20160621BHJP
   B64G 1/64 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   F42B15/38
   B64G1/64 B
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-545462(P2013-545462)
(86)(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公表番号】特表2014-503785(P2014-503785A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】FR2011052941
(87)【国際公開番号】WO2012085389
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年11月26日
(31)【優先権主張番号】10/05043
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507142074
【氏名又は名称】エアバス ディフェンス アンド スペース エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】ジャン イヴ クシン
(72)【発明者】
【氏名】トマ キステール
(72)【発明者】
【氏名】パスカル レサウルニエ
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/010119(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第3833698(DE,A1)
【文献】 特開昭56−002300(JP,A)
【文献】 特開平02−115699(JP,A)
【文献】 特開2003−315000(JP,A)
【文献】 特表2002−508502(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/136494(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/64
F42B 15/36−15/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起爆火工品分離部品であって、
前記部品のベースを形成し、突出長手方向リブ(15)及び凹面に長手方向溝路(7)を画定した鉤状の長手方向突出ヒール(4)を設け、該ヒール(4)は、その自由端(6)の内面に、前記ヒール(4)が形成する鉤の外部へ向かって末広がりに傾斜した第1面長手方向ファセット(5)を有する、第1セクション(1)と、
前記溝路(7)内に配置した長手方向火工信管(3)と、
前記第1セクション(1)に加えた第2セクションであり、前記第1セクション及び第2セクションの長手方向に沿って分配した第1固定手段(9)を介して前記第1セクションと一体化され、長手方向縁部の一方によって、前記突出長手方向リブ(15)にブロック(16)を介して当接し、他方の長手方向縁部の外面に、第1所定隙間(12)だけ前記第1面長手方向ファセット(5)から離れて該第1面長手方向ファセットに対向配置した先細状に傾斜した第2面長手方向ファセット(11)を設けて、前記部品の破壊時に前記第2面長手方向ファセットが前記第1面長手方向ファセットと協働できるようにすることで、前記第2セクションが、前記火工信管(3)を前記第1セクション及び第2セクションの深さ(E)と平行な第2所定隙間(14)を空けて収容する前記溝路(7)を閉じ、且つ前記火工信管(3)に対するアンビルとして働くことができる、第2セクション(1)と
を備えた起爆火工品分離部品において、
前記第2セクションは、前記第1固定手段(9)を介して前記第1セクション(1)に順次固定される複数の連続セクション部分(2)からなり、
前記連続セクション部分(2)間に、前記第1セクション(1)の長手方向に沿って配置され、前記第1固定手段(9)とは独立した第2固定手段(18)を設けて、前記火工信管(3)を前記第1セクション(1)に対して固定及び位置決めすることを可能にした
ことを特徴とする起爆火工品分離部品。
【請求項2】
請求項1に記載の起爆火工品分離部品において、2つの前記連続セクション部分(2)の対面横端縁部(2D、2G)が、少なくともほぼ当接し、該対面横端縁部(2D、2G)の少なくとも一方は、対応の前記第2固定手段(18)を収容する窪み(19D、19G)を有することを特徴とする起爆火工品分離部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の起爆火工品分離部品において、前記第2固定手段(18)のそれぞれは、前記火工信管(3)を密に囲むループを形成して端部(20E)を前記第1セクション(1)に固定した剛性又は半剛性タイ(20)を有することを特徴とする起爆火工品分離部品。
【請求項4】
請求項3に記載の起爆火工品分離部品において、前記剛性又は半剛性タイ(20)は、金属ストリップであることを特徴とする起爆火工品分離部品。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の起爆火工品分離部品において、スペーサ板(22)を前記剛性又は半剛性タイ(20)の前記端部(20E)間に配置し、該端部(20E)を少なくとも1つのボルトによって前記第1セクション(1)に固定し、前記ボルトのねじ(21V)が、前記端部(20E)、前記スペーサ板(22)、及び前記第1セクション(1)を貫通し、前記ボルトのナット(21E)が、前記端部(20E)を前記スペーサ板(22)及び前記第1セクション(1)に対して保持することを特徴とする起爆火工品分離分品。
【請求項6】
請求項5に記載の起爆火工品分離部品において、位置決めスタッド(24)を前記スペーサ板(22)と前記火工信管(3)との間に配置したことを特徴とする起爆火工品分離部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定はしないが特に宇宙発射体での使用に適した、起爆火工品分離部品に関する。これを本願でより詳細に後述する。
【背景技術】
【0002】
隣接ステージ等の宇宙発射体のいくつかの要素を、当該要素間の機械力の伝達を必要とされる限り確保することを意図すると共に起爆火工品分離手段を設けた構造部品によって機械的に相互接続し、起爆火工品分離手段は、上記構造部品に組み込まれ、上記要素を相互に分離しなければならない場合に分離直線又は分離曲線に沿って破断可能であることが知られている。同様の部品は、発射体に搭載された衛星キャリア構造の切断も可能にする。
【0003】
特許文献1から、この種の起爆火工品分離部品であって、
上記部品のベースを形成し、鉤状の突出長手方向ヒール及び当該ヒールの凹面に配置した長手方向溝路を設けた第1セクションと、
上記溝路内に配置した長手方向火工信管(pyrotechnic fuse)と、
上記溝路を閉じるために上記ヒールと協働し、上記火工信管に対するアンビルとして働く、上記第1セクションに取り付けた第2セクションと
を備えた起爆火工品分離部品がすでに知られている。
【0004】
したがって、理論上、上記火工信管に点火すると、火工信管は、溝路において上記第1セクションを破断する爆発を生じる。
【0005】
しかしながら、本出願人の名義で2005年7月22日付けで出願された特許文献2で説明されているように、かかる火工品起爆分離部品の動作を確実にするためには、
上記溝路が形成するチャンバが爆発の瞬間に開くのを防止するために、上記第1セクションが、ブロックを介して上記第2セクションを当接させる突出長手方向リブを有すること、
上記ヒールが、その自由端の内面に、ヒールが形成する鉤の外部へ向かって末広がりに傾斜した第1面長手方向ファセットを有し、上記リブに対向する上記第2セクションの長手方向縁部の外面に、先細状に傾斜した第2面長手方向ファセットを設け、第2面長手方向ファセットを、第1所定隙間だけ上記第1ファセットから離れて第1ファセットに対向配置して、上記部品の破壊時に上記第2ファセットを上記第1ファセットと協働させることで、破壊で生じた上記部品の2つの部分が容易に離れるようにすること、及び
上記溝路内に、上記火工信管を上記第1セクション及び第2セクションの深さと平行な第2所定隙間を空けて収容すること
が必要である。
【0006】
この種の火工品部品は、名目上は所定の方向に、例えば、ヒールを設けたセクションが上側位置にあり、アンビルとして働くセクションが下側位置にある方向に動作するよう設計する。そのためには、このタイプの部品は、
分離が生じるまでコンポーネントの完全性を維持し且つ切断性能に寄与するために、下側セクションと上側セクションの長手方向リブとの間のブロックを介した軸方向接触を確保しなければならず、
火工信管の公称半径方向膨張を可能にし且つ上記切断性能に同じく寄与するために、所定の半径方向隙間を有しなければならず、且つ
切断及び分離に関して所望の性能を得る目的で、上記信管の軸方向膨張を可能にし、その完全性を確保し、且つ溝路の底に対して正確な高さに上記信管を位置決めするために、(2つのセクションのファセット間に)所定の軸方向隙間も有しなければならない。
【0007】
これら3つの条件は、加工品部品が上記で指定した方向にのみ動作する場合に容易に満たすことができる。複数の位置決めスタッドを設けてもよく、又は部品の構造にボスを付けてもよく、信管は、重力の作用下でその上に載ることができる。
【0008】
しかしながら、飛行状態でのその使用方向に関係なくこのタイプの部品の性能を確保する必要がある場合、部品は逆方向にも(ヒールを有するセクションを下側位置でアンビルとして働くセクションを上側位置にして)動作可能であることが重要である。しかしながら、所与の方向に、信管にとって好ましい位置があり、その位置では信管が構造のボシング上又はアンビル上に載る。逆方向では、信管の軸方向位置(又は高さ)はこの好ましい位置とは異なり、これは、上記信管(切断が開始される溝路の底に対してレバーアームのように作用する)の高さが切断性能に影響する限り、当該性能に悪影響を及ぼし得る。
【0009】
こうした理由で、可逆の(換言すれば、ヒールが上にある方向及びヒールが下にある方向で破断可能な)火工品分離部品の製造には、2つのセクションの相対的な位置決めとは無関係の信管の軸方向位置決め、したがって溝路内の上記信管の位置決め及び軸方向維持の両方が伴う。
【0010】
そのために、想定される1つの解決手段は、信管をアンビルとして働くセクションによって直接係止することにあり、このセクションにはその目的でスタッドを設け、このセクションを上記信管と接触させた後に、2つのセクションを確実に接続するためのねじを締める。しかしながら、アンビルとして働くセクションがブロックを介して当接する突出長手方向リブの使用は、アンビルとリブとの間(上記アンビルとヒールとの間の隙間を定める)だけでなく、位置決めスタッドを介した上記アンビルと信管との間の接触を確実にすることを不可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,230,885号明細書
【特許文献2】仏国特許出願第05 07800号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、これらの欠点を克服することであり、本発明は、起爆火工品分離部品を可逆にすると共にいかなる飛行状態でも動作可能にする目的で、火工信管をアンビルとは無関係に、2つのセクションの相対的な位置決めとは無関係な同一位置に維持することができる起爆火工品分離部品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
その目的で、本発明によれば、起爆火工品分離部品であって、
上記部品のベースを形成し、突出長手方向リブ及び凹面に長手方向溝路を画定した鉤状の長手方向突出ヒールを設け、当該ヒールは、その自由端の内面に、上記ヒールが形成する鉤の外部へ向かって末広がりに傾斜した第1面長手方向ファセットを有する、第1セクションと、
上記溝路内に配置した長手方向火工信管と、
上記第1セクションに加えた第2セクションであり、上記第1セクション及び第2セクションの長手方向に沿って分配した第1固定手段を介して第1セクションと一体化され、長手方向縁部の一方によって、上記突出長手方向リブにブロックを介して当接し、他方の長手方向縁部の外面に、第1所定隙間だけ上記第1面長手方向ファセットから離れて当該第1面長手方向ファセットに対向配置した先細状に傾斜した第2面長手方向ファセットを設けて、上記部品の破壊時に上記第2面長手方向ファセットが上記第1面長手方向ファセットと協働できるようにすることで、上記第2セクションが、上記火工信管を上記第1セクション及び第2セクションの深さと平行な第2所定隙間を空けて収容する上記溝路を閉じ、且つ上記火工信管に対するアンビルとして働くことができる、第2セクションと
を備えた起爆火工品分離部品は、
上記第2セクションが、上記第1固定手段を介して上記第1セクションに順次固定される複数の連続セクション部分(section portions)からなり、
上記連続セクション部分間に、上記第1セクションの長手方向に沿って配置され、上記第1固定手段とは独立した第2固定手段を設けて、上記火工信管を上記第1セクションに対して固定及び位置決めすることを可能にした
ことを特徴とする。
【0014】
したがって、上記火工信管を上記溝路内に位置決め及び維持するシステムは、第2セクションの各部分を第1セクションに固定するシステムから完全に独立している。これらの第2固定手段は、火工品破壊時に2つのセクションの一方と(又は分離すべき2つの部品の一方と)信管を一体化するよう信管を捕捉する機能を、第1固定手段が与える上記信管を維持する機能に加えて果たす。
【0015】
上記溝路を横方向に閉じるために、2つの連続セクション部分の対向する対面横端縁部が少なくともほぼ当接することが有利である。したがって、上記対面横端縁部の少なくとも一方は、対応の第2固定手段を収容する窪みを有する必要がある。
【0016】
有利な実施形態では、上記第2固定手段のそれぞれが、上記火工信管を密に囲むループを形成して端部を上記第1セクションに固定した剛性又は半剛性タイを有する。この種の剛性タイは、信管を捕捉可能な金属ストリップとして作製することができる。
【0017】
好ましくは、スペーサ板を上記剛性又は半剛性タイの端部間に配置し、上記タイの両端部を少なくとも1つのボルトによって第1セクションに固定し、ボルトのねじが、上記端部、スペーサ板、及び上記第1セクションを貫通し、ボルトのナットが、上記端部を上記スペーサ板及び上記第1セクションに対して保持する。さらに、位置決めスタッドを上記スペーサ板と上記火工信管との間に配置することができる。
【0018】
好ましくは、上記タイにおいてある程度の隙間を確保し且つ第2固定手段を位置決めするために、スペーサ板に仕組みを設ける。これは、例えば、信管を保持するためにブロックに作製した溝を含むことができ、これはタイの装着時のタイの回転及び詰まりを防止する。
【0019】
添付図面から、本発明を具現できる方法が明確に理解されるであろう。これらの図面において、同一の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による起爆火工品分離部品の長手方向部分の正面図である。
図2図1の線II−IIに沿った図1に示す部品の横断面図である。
図3図1の線III−IIIに沿った図1に示す部品の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図3に示す本発明による火工品分離部品は、ベースセクション1と、2つしか図1に示さないが複数のアンビルセクション部分2と、起爆火工信管3とを備える。セクション1及びセクション部分2は、例えばアルミニウム製であり、上記部品は、ベースセクション1の長手方向縁部1L1及び1L2に既知の方法で確実に接続した2つの要素(図示せず)間の切断線の所要形状に応じて、直線状、曲線状、又は円筒状等であり得る。このベースセクション1は、上記要素が形成する構造の一部であり、上記要素間で機械力を伝達する。
【0022】
ベースセクション1は、鉤状の形状をした突出長手方向ヒール4を有し、ヒール4の自由端6の内面に面長手方向ファセット5が設けられる。長手方向ファセット5は、上記ヒール4が形成する鉤の外側へ向かって末広がりに傾斜する。さらに、ベースセクション1には、当該ベースセクション1と共に曲率半径の小さな長手方向ベース溝7Aを定める傾斜底を有する長手方向溝路7を設け、当該長手方向溝路7を上記ヒール4の凹面の側に配置し、破壊終了溝(end-of-rupture groove)8を、上記溝路7と反対側で上記ベースセクション1に形成する。
【0023】
アンビルセクション部分2をベースセクション1に順次加え、2つの連続部分2の対面横端縁部2D及び2Gを少なくともほぼ当接させる。これらのセクション部分2は、ベースセクション1及び上記セクション部分2を貫通してそれらの長手方向に沿って分配したボルト9によって、ベースセクション1に確実に接続する。これらのアンビルセクション部分2は、その端部の外面に、ヒール4が形成する鉤の内側に向かって先細状に傾斜した面長手方向ファセット11を有する。
【0024】
アンビルセクション部分2の長手方向自由端10は、上記溝路7を閉じるように、ヒール4が形成した鉤に入り込み、傾斜ファセット5及び11は相互に対向するが、10分の数ミリメートルの所定の隙間だけ離間する。
【0025】
ベースセクション1は、突出長手方向リブ15も有し、上記ボルト9に対応してセクション1の長さに沿って分配した複数の不連続なブロック16を介して、上記アンビルセクション部分2がその長手方向自由端10とは反対の面を突出長手方向リブ15に当接させる。ブロック16を例えばボルト9を介して固定させるために、ラグ17を設ける。
【0026】
そこでこうして閉じた上記溝路7の内側に上記長手方向火工信管3を配置し、その外部ケーシング13を軸方向に、上記セクション1及び2の幅に対応する方向Lと平行に、下側位置決めスタッド25(概してヒールの溝路の底に接着することによって配置する)と、上記ベースセクション1の長さに沿って分配して連続セクション部分2間に配置した固定手段18とを介して位置決めする。その目的で、2つの連続部分2の対面横方向縁部2D及び2Gは、固定手段9とは無関係な、上記固定手段18を収容する窪み19D及び19Gを有する。
【0027】
各固定手段18は、この実施形態では金属ストリップ20の形態をとって火工信管3を密に囲むループを形成する剛性又は半剛性タイを有する。金属ストリップ20の端部20Eは、ボルト21によって上記ベースセクション1に固定され、ボルト21のねじ21Vが上記端部20E及びベースセクション1を貫通し、ボルト21のナット21Eが上記端部21Eを上記ベースセクション1に対して保持し、上記端部20Eの固定点で隙間を維持することにより、金属ストリップ20を鉛直方向に並進させて火工信管3の作動時の金属ストリップ20の破損を防止するようにする。スペーサ板22を金属ストリップ20の上記端部20E間に配置し、ねじ受板23をナット20Eと端部20Eとの間に配置する。
【0028】
さらに、位置決めスタッド24をスペーサ板22と火工信管3との間に配置する。
【0029】
この種の位置決めスタッド24は、火工信管3の動作時にこれを絶縁することによってその完全性を確保する。
【0030】
したがって、溝路7における上記火工信管3の保持及び位置決めは、ベースセクション1(ヒール)への上記セクション部分2(アンビル)の固定から独立したものであり、セクション1及び2の深さに対応する方向Eと平行な、火工信管3の外部ケーシング13と溝路7の壁との間の隙間14の値を、ゼロ(接触)又はほぼゼロにするために、隙間12に加える調整を考慮に入れてアンビル2を装着することが容易である。この種の隙間14は、例えば、約10分の数ミリメートルであり得る。
【0031】
点火時に、起爆信管3は自らに直交する衝撃波を引き起こし、これらの波は、そのケーシング13を動かしてその断面の膨張をもたらす。
【0032】
起爆の作用下で、ケーシング13は衝撃波によって動かされ、方向Eと平行な隙間14は、このケーシング13が、セクション1及び2への衝突時に当該セクションの対応の壁を動かすことができる衝撃波を引き起こすのに十分な均一速度を得ることを可能にする。
【0033】
セクション1を動かすと、溝路7の小さな曲率半径の上記ベース溝7Aから始まって破壊終了溝8へ至る分離線に沿ったセクション1の破壊が始まる。
【0034】
傾斜ファセット5及び11間の隙間12は、アンビルセクション部分2がヒール4との衝突時に当該ヒールを動かすことができる衝撃波を引き起こすのに十分な均一速度を得ることを可能にする。セクション1のヒール4の移動により、上記分離線に沿った切断を強化することができる。
【0035】
したがって、ヒール4とケーシング13に面したセクション1の壁との反対移動がセクション1を切断させる。
【0036】
傾斜ファセット5及び11が相互に接触すると、火工信管の横方向膨出によって方向Eと平行に及ぶ力は、ヒール4の面5と平行にセクション2に加わる成分を有し、これは、上記分離線の両側に配置したセクション1の2つの部分の、方向Lと平行な分離を促す。
【0037】
当然ながら、面5と平行なこの成分は、ボルト9を剪断し、セクション部分2の傾きに起因した屈曲によってボルト9を変形させる傾向がある。しかしながら、セクション部分2がリブ15に当接するので、上記ボルト9の剪断が防止され、セクション1に対向したセクション部分2の傾きが限られた振幅でしか生じない。
【0038】
したがって、2つの部分へのセクション1の容易な分離が得られる。
【0039】
したがって、本発明による起爆火工品分離部品は、それぞれが所定の機能専用である2つの独立したサブシステム、すなわち
第1に、固定デバイス1、スペーサ板22、及び位置決めスタッド24で構成された、信管保持用のサブシステムであり、信管が下側スタッド25(ヒールの溝路7の底に位置する)に載るよう信管を保持することができることで、部品を可逆にし、したがって飛行方向が通常方向(ヒールが上向き)にも逆方向(ヒールが下向き)にも対応できる宇宙発射体での実施に適したものにする、サブシステムと、
第2に、固定デバイス21(又は固定デバイス21とは無関係な別の固定デバイス)、ねじ受板23(タイ20を把持せずに保持することを可能にする)、及びタイ20からなる、信管捕捉用のサブシステムであり、把持用サブシステムが固定される切断部分で信管を捕捉することを可能にすることで、切断後に全てのコンポーネントが切断部分のいずれかに取り付けられたままとなって干渉を防止することを確実にする、サブシステムと
からなる。
図1
図2
図3