(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザに関連する情報を記録したユーザ向けデータを、ユーザが所持する媒体毎にユニークな媒体識別情報と対応付けてサーバ装置上に保存し、前記サーバ装置がクライアント装置から前記媒体識別情報を取得して、該媒体識別情報に対応するユーザ向けデータを特定し、特定したユーザ向けデータに基づいて当該クライアント装置のユーザに所定のサービスを提供可能なサービスシステムを利用して、所定の調査対象領域に配置された複数の選択要素に対するユーザの選択行動を調査する選択行動調査方法であって、所定のコンピュータに、
前記複数の選択要素毎に設置された前記媒体識別情報の取得手段のそれぞれが前記ユーザの媒体から取得した前記媒体識別情報を、前記選択要素毎にユニークな選択要素識別情報と対応付けて記録した調査データを作成する手順と、
前記調査データに記録された媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが前記サーバ装置上に保存されているか否かを判別する手順と、
前記ユーザ向けデータが存在するユーザ群の少なくとも一部に対して、当該ユーザ向けデータを利用して所定の特典を付与する手順と、を実行させ、
前記取得手段が前記ユーザの媒体から前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザに対応するユーザ向けデータが前記媒体識別情報と対応付けて前記サーバ装置上に保存された場合でも当該ユーザの所持する媒体の媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが存在すると判別されるように、前記調査データを作成する手順の実行時期と、前記判別する手順の実行時期との間に時間的間隔が設けられているユーザの選択行動調査方法。
前記サーバ装置上には、ユーザの個人情報が前記ユーザ向けデータの少なくとも一部として前記媒体識別情報と関連付けて保存可能であり、前記判別する手順では前記個人情報が存在するか否かを判別し、前記時間的間隔は、前記ユーザの媒体から前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザの個人情報が前記媒体識別情報と関連付けて保存された場合でも当該ユーザの個人情報が存在すると判別されるように設定されている請求項1に記載の選択行動調査方法。
前記特典を付与する手順では、前記個人情報を参照して前記特典を付与すべき宛先を特定し、特定した宛先に対して前記特典を付与する処理を実行する請求項2又は3に記載の選択行動調査方法。
前記サーバ装置上には、前記ユーザによる前記サービス提供装置の利用状況を記録した利用状況判別情報が前記ユーザ向けデータの少なくとも一部として前記媒体識別情報と関連付けて保存可能であり、
前記判別する手順では、前記媒体識別情報と関連付けられた前記利用状況判別情報が存在するか否かを判別し、
前記時間的間隔は、前記ユーザの媒体から前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザの媒体識別情報と関連付けられた利用状況判別情報が保存された場合でも前記利用状況判別情報が存在すると判別されるように設定されている請求項5に記載の選択行動調査方法。
前記利用状況判別情報には、ユーザに前記サービス提供装置を前回の続きから利用させるために必要な情報が含まれており、前記サーバ装置は前記サービス提供装置から取得された媒体識別情報に対応する利用状況判別情報を前記サービス提供装置に提供し、かつ前記サービス提供装置の利用状況を反映して利用状況判別情報を更新するサービスをユーザに対して提供する請求項6又は7に記載の選択行動調査方法。
前記特典を付与する手順では、前記ユーザが前記サービス提供装置を利用する際に前記特典を享受できるように前記利用状況判別情報を操作する請求項8に記載の選択行動調査方法。
前記サービス提供装置がゲーム機であり、前記利用状況判別情報は前記ゲーム機におけるユーザのプレイ結果を保存したプレイデータである請求項6〜9のいずれか一項に記載の選択行動調査方法。
ユーザに関連する情報を記録したユーザ向けデータを、ユーザが所持する媒体毎にユニークな媒体識別情報と対応付けてサーバ装置上に保存し、前記サーバ装置がクライアント装置から前記媒体識別情報を取得して、該媒体識別情報に対応するユーザ向けデータを特定し、特定したユーザ向けデータに基づいて当該クライアント装置のユーザに所定のサービスを提供可能なサービスシステムを利用して、所定の調査対象領域に配置された複数の選択要素に対するユーザの選択行動を調査する選択行動調査システムであって、
前記複数の選択要素毎に設置され、前記媒体識別情報を前記媒体から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した媒体識別情報を、前記選択要素毎にユニークな選択要素識別情報と対応付けて記録した調査データを作成する調査データ作成手段と、
前記調査データに記録された媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが前記サーバ装置上に保存されているか否かを判別する判別手段と、
前記ユーザ向けデータが存在するユーザ群の少なくとも一部に対して、当該ユーザ向けデータを利用して所定の特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記取得手段が前記ユーザの媒体から前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザに対応するユーザ向けデータが前記媒体識別情報と対応付けて前記サーバ装置上に保存された場合でも当該ユーザの所持する媒体の媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが存在すると判別されるように、前記判別手段は、前記調査データ作成手段による前記調査データの作成時期から時間的間隔を空けて前記ユーザ向けデータが前記サーバ装置上に保存されているか否かを判別するユーザの選択行動調査システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の行動調査方法は、いずれも調査対象の領域内におけるユーザの行動を追跡して記録するものであり、展示物や商品等に対するユーザの人気や関心の程度等を調査することはできても、調査対象領域外でのユーザの行動等と関連付けてユーザの行動をより多面的に分析することは想定されていない。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザが所持する媒体の識別情報を利用して、ユーザの選択行動を従来よりも多面的に分析して有益な調査結果を得ることが可能な選択行動調査方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の選択行動調査方法は、ユーザに関連する情報を記録したユーザ向けデータ(26、27)を、ユーザが所持する媒体(9)毎にユニークな媒体識別情報(一例としてカードID)と対応付けてサーバ装置(3)上に保存し、前記サーバ装置がクライアント装置(4)から前記媒体識別情報を取得して、該媒体識別情報に対応するユーザ向けデータを特定し、特定したユーザ向けデータに基づいて当該クライアント装置のユーザに所定のサービスを提供可能なサービスシステム(2A)を利用して、所定の調査対象領域(ST)に配置された複数の選択要素(4)に対するユーザの選択行動を調査する選択行動調査方法であって、
所定のコンピュータ(51、3)に、前記複数の選択要素毎
に設置された前記媒体識別情報の取得手段(50)のそれぞれが前記ユーザの媒体から取得した前記媒体識別情報を、前記選択要素毎にユニークな選択要素識別情報と対応付けて記録した調査データ(64)
を作成する手順(S3)と、前記調査データに記録された媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが前記サーバ装置上に保存されているか否かを判別する手順(S5、S11〜S18)と、前記ユーザ向けデータが存在するユーザ群の少なくとも一部に対して、当該ユーザ向けデータを利用して所定の特典(AW)を付与する手順(S6、S7)とを
実行させ、前記取得手段が前記ユーザの媒体から前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザに対応するユーザ向けデータが前記媒体識別情報と対応付けて前記サーバ装置上に保存された場合でも当該ユーザの所持する媒体の媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが存在すると判別されるように、前記調査データを作成する手順の実行時期と、前記判別する手順の実行時期との間に時間的間隔が設けられているものである。
【0007】
また、本発明の選択行動調査システムは、ユーザに関連する情報を記録したユーザ向けデータ(26、27)を、ユーザが所持する媒体(9)毎にユニークな媒体識別情報(一例としてカードID)と対応付けてサーバ装置(3)上に保存し、前記サーバ装置がクライアント装置(4)から前記媒体識別情報を取得して、該媒体識別情報に対応するユーザ向けデータを特定し、特定したユーザ向けデータに基づいて当該クライアント装置のユーザに所定のサービスを提供可能なサービスシステム(2A)を利用して、所定の調査対象領域に配置された複数の選択要素に対するユーザの選択行動を調査する選択行動調査システム(1)であって、前記複数の選択要素毎に設置され、前記媒体識別情報を前記媒体から取得する取得手段(50)と、前記取得手段が取得した媒体識別情報を、前記選択要素毎にユニークな選択要素識別情報と対応付けて記録した調査データ(64)を作成する調査データ作成手段(51)と、前記調査データに記録された媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが前記サーバ装置上に保存されているか否かを判別する判別手段(3、S5、S1〜S18)と、前記ユーザ向けデータが存在するユーザ群の少なくとも一部に対して、当該ユーザ向けデータを利用して所定の特典(AW)を付与する特典付与手段(3、S6、S7)と、を備え、
前記取得手段が前記ユーザの媒体から前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザに対応するユーザ向けデータが前記媒体識別情報と対応付けて前記サーバ装置上に保存された場合でも当該ユーザの所持する媒体の媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが存在すると判別されるように、前記判別手段は、前記調査データ作成手段による前記調査データの作成時期から時間的間隔を空けて前記ユーザ向けデータが前記サーバ装置上に保存されているか否かを判別するものである。
【0008】
本発明によれば、ユーザが選択した要素に対応する取得手段から該ユーザの媒体の識別情報を取得し、得られた媒体識別情報を、選択要素の識別情報と対応付けて調査データに記録することにより、選択要素毎の媒体識別情報の取得状況に基づいて各選択要素がどのように選択されているかを分析することができる。しかも、媒体識別情報は、サービスシステムにてユーザ向けデータを特定する情報として利用されているので、調査データに記録されている媒体識別情報に対応したユーザ向けデータが存在していれば、そのユーザ向けデータを利用してユーザに関連した情報を取得し、得られた情報と調査データから得られる情報との相関関係を分析するといった処理が可能となる。それにより、ユーザの選択行動を多面的に分析してより有益な調査結果を得ることができる。しかも、ユーザの媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが存在しているユーザ群の少なくとも一部に対して特典を与えるので、その特典付与の可能性をユーザに告知すれば、媒体識別情報を取得手段に取得させる行為に対するモチベーションをユーザに付与することができる。それにより、調査のサンプル数の増加を図ることができる。特典の付与が、サービスシステムのサーバ装置に保持されているユーザ向けデータを利用して行われるので、調査対象の場で特典付与に必要な処理や作業、例えば、ユーザに対して特典付与に必要な情報の提供を求め、あるいは調査の場で特典を配布するといった処理又は作業が発生しない。それにより、調査に要する手間や調査に対するユーザの負担感の軽減を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記サーバ装置上には、ユーザの個人情報(27)が前記ユーザ向けデータの少なくとも一部として前記媒体識別情報と関連付けて保存可能であり、前記判別する手順では前記個人情報が存在するか否かを判別
し、前記時間的間隔は、前記ユーザの媒体から前記前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザの個人情報が前記媒体識別情報と関連付けて保存された場合でも当該ユーザの個人情報が存在すると判別されるように設定されてもよい。ユーザの個人情報と選択行動との相関関係を分析することは有益な調査結果を得ることに資するが、選択行動を調査する場においてユーザの個人情報を収集することは手間がかかり、あるいは、個人情報の提供に対してユーザに抵抗感を与えるといった課題が生じる。しかしながら、ユーザの個人情報が存在することをユーザに特典を付与する要件の少なくとも一部として設定すれば、個人情報を媒体識別情報と関連付けてサーバ装置上に保存することに対するモチベーションをユーザに付与し、それにより、ユーザの個人情報をより多く収集することが可能となる。また、ユーザの個人情報をサービスシステム上で取得すればよいので、調査の場で個人情報を収集する処理も作業も発生しない。それにより、調査に要する手間や調査に対するユーザの負担感の軽減を図ることができる。
【0010】
前記個人情報は、前記媒体識別情報とは別に、ユーザ毎にユニークに発行されるユーザ識別情報(一例としてユーザID)と対応付けて前記サーバ装置上に保存され、前記サーバ装置は、前記ユーザの指示に基づいて、前記媒体識別情報と前記ユーザ識別情報との間の関連付けを記録した関連付け情報を生成して保存し、前記判別する手順では、前記関連付け情報を参照して、前記媒体識別情報と関連付けられた前記ユーザ識別情報が存在するか否かを判別することにより、前記個人情報の存否を判別してもよい。これによれば、ユーザの媒体に記録されている媒体識別情報と、ユーザの個人情報を特定する手掛かりとなるユーザ識別情報とを関連付ける行為に対するモチベーションをユーザに付与し、媒体識別情報に関連付けられた個人情報をより多く集めて調査の有益性をさらに高めることができる。
【0011】
前記特典を付与する手順では、前記個人情報を参照して前記特典を付与すべき宛先(一例としてメールアドレス、住所等)を特定し、特定した宛先に対して前記特典を付与する処理を実行してもよい。これによれば、サービスシステムのサーバ装置上に保持されている個人情報を参照して特典を付与する宛先を特定することができる。よって、調査の場における手間をさらに軽減することが可能である。
【0012】
前記サービスシステムには、前記クライアント装置として、ユーザが選択的に利用可能な複数のサービス提供装置(4A、4B…)が設けられ、前記複数の選択要素は、前記複数のサービス提供装置と対応付けて前記調査対象領域に配置されてもよい。これによれば、サービスシステムに設けられた複数のサービス提供装置のそれぞれと対応付けられた選択要素に関するユーザの選択行動を調査することができる。サービス提供装置は、サービスシステムにてサーバ装置のクライアント装置として機能しかつユーザの選択的な利用に供される限り、種々の装置を含むことができる。サービス提供装置と、調査対象となるべき選択要素との対応関係も種々の形態を含む。例えば、サービス提供装置それ自体が選択要素として調査対象領域に配置されてもよいし、サービス提供装置に対して置き換えが予定されている装置又はこれに対応するモックアップ模型、展示パネル等が選択要素として調査対象領域に配置されてもよい。
【0013】
前記サーバ装置上には、前記ユーザによる前記サービス提供装置の利用状況を記録した利用状況判別情報(26)が前記ユーザ向けデータの少なくとも一部として前記媒体識別情報と関連付けて保存可能であり、前記判別する手順では、前記媒体識別情報と関連付けられた前記利用状況判別情報が存在するか否かを判別
し、前記時間的間隔は、前記ユーザの媒体から前記前記媒体識別情報を取得した後に当該ユーザの媒体識別情報と関連付けられた利用状況判別情報が保存された場合でも前記利用状況判別情報が存在すると判別されるように設定されてもよい。サービスシステムにおける各ユーザの利用状況と、調査対象領域におけるユーザの選択行動との相関関係を分析することは、有益な調査結果を得ることに資するが、そのためには、より多くのユーザに関するサービス提供装置の利用状況を収集することが望ましい。ユーザが所持する媒体識別情報と対応付けられた利用状況判別情報が存在することを、ユーザに特典を付与する要件の少なくとも一部として設定すれば、サービス提供装置を利用して利用状況判別情報をサーバ装置上に保存することに対するモチベーションをユーザに付与することができる。それにより、ユーザの利用状況判別情報をより多く収集することが可能となる。
【0014】
さらに、前記サーバ装置上には、前記ユーザが利用したサービス提供装置の種類毎に区別して前記利用状況判別情報を保存可能であり、前記判別する手順では、ユーザが前記調査対象領域にて選択した要素に対応するサービス提供装置に関する利用状況判別情報が前記サーバ装置上に存在するか否かを判別してもよい。これによれば、ユーザが調査対象領域にて選択した要素と、そのユーザがサービスシステムにて利用したサービス提供装置との間に対応関係が存在することを要件の少なくとも一部として、ユーザに特典を付与することができる。この場合には、調査対象の場でユーザが選択した要素に対応するサービス提供装置をユーザが利用している場合には、そのサービス提供装置に対してユーザが関心を持っていることが推認できる。したがって、当該サービス提供装置と関連付けられた特典をユーザに付与することにより、特典に対するユーザの関心を高め、特典付与の効果を十分に発揮させることができる。
【0015】
前記利用状況判別情報には、ユーザに前記サービス提供装置を前回の続きから利用させるために必要な情報が含まれており、前記サーバ装置は前記サービス提供装置から取得された媒体識別情報に対応する利用状況判別情報を前記サービス提供装置に提供し、かつ前記サービス提供装置の利用状況を反映して利用状況判別情報を更新するサービスをユーザに対して提供するものあってもよい。この場合には、サービス提供装置を継続的に利用させるための情報と関連付けてユーザの選択行動を調査することができる。利用状況判別情報はユーザの利用履歴を蓄積した情報であるため、その情報と調査対象領域におけるユーザの選択行動との相関関係を分析すれば、より有益な調査結果を得ることができる。
【0016】
前記特典を付与する手順では、前記ユーザが前記サービス提供装置を利用する際に前記特典を享受できるように前記利用状況判別情報を操作してもよい(S6)。これによれば、サービスシステムにてユーザが利用した経験を有するサービス提供装置を再び利用する際に、ユーザが特典を享受することができる。したがって特典の付与という手段を通じて、サービス提供装置の利用に対するモチベーションをユーザに付与し、サービス提供装置の利用度、あるいは稼働率の向上を図るとともに、ユーザの選択行動の調査に利用可能な利用状況判別情報をより多く収集して調査の有益性を高めることができる。
【0017】
前記サービス提供装置はゲーム機であり、前記利用状況判別情報は前記ゲーム機におけるユーザのプレイ結果を保存したプレイデータ(26)であってもよい。さらに、調査対象領域には、前記複数の選択要素として、前記ゲーム機又は当該ゲーム機と対応付けが可能な展示物が配置されてもよい。これによれば、サービスシステムに含まれているゲーム機の利用状況と、そのゲーム機と対応付けて調査対象領域に配置されている選択要素に関するユーザの選択行動との相関関係を分析し、ゲーム機の選択に関する有益な調査結果を得ることができる。サービスシステムにて予定されているゲーム機の更新、新規なゲーム機の投入等に対応する選択要素を調査対象領域に配置し、それらの選択要素に対するユーザの選択行動と、既存のサービスシステムにおけるゲーム機の利用状況との相関関係を分析して、サービスシステムにおけるゲーム機の更新や新規投入の効果を推定するといった調査結果の有効利用を図ることができる。
【0018】
本発明においては、
前記サービス提供装置が設置された店舗(6)が前記調査対象領域として設定され、調査の対象が、当該店舗内の前記サービス提供装置に関するユーザの選択行動であってもよい。これによれば、特典の付与を通じてユーザを
店舗に誘引し、その
店舗内のサービス提供装置に関するユーザの選択行動をサービスシステムに保存されているユーザ向けデータと関連付けて多面的に分析し、
店舗におけるユーザの選択行動に関する有益な調査結果を得ることができる。
【0019】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0020】
以上に説明したように、本発明によれば、サービスシステムにてユーザ向けデータを特定する情報として利用されている媒体識別情報を利用してユーザの選択行動に関する調査データを生成しているので、調査データと、その調査データに記録されている媒体識別情報に対応したユーザ向けデータとの相関関係を分析するといった多面的な分析が可能となり、有益な調査結果を得ることができる。しかも、ユーザの媒体識別情報に対応するユーザ向けデータが存在しているユーザ群の少なくとも一部に対して特典を与えるので、その特典付与の可能性をユーザに告知すれば、媒体識別情報を取得手段に取得させる行為に対するモチベーションをユーザに付与することができる。それにより、調査のサンプル数の増加を図ることができる。特典の付与が、サービスシステムのサーバ装置に保持されているユーザ向けデータを利用して行われるので、調査対象の場で特典付与に必要な処理や作業、例えば、ユーザに対して特典付与に必要な情報の提供を求め、あるいは調査の場で特典を配布するといった処理又は作業が発生しない。それにより、調査に要する手間や調査に対するユーザの負担感の軽減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一形態に係る選択行動調査システムを示す。その選択行動調査システム1は、ゲームシステム2Aと会場内システム2Bとを組み合わせることにより実現され、サービスシステムの一例としてのゲームシステム2Aを利用して、そのゲームシステム2Aと関連付けて、期間を限って開催されるイベントにおけるユーザの選択行動を調査するように構成されている。ゲームシステム2Aは、ユーザの利用に供されている既存のネットワーク型ゲームシステムであるが、まずはその概略構成を説明する。
【0023】
(ゲームシステムの説明)
ゲームシステム2Aは、サーバ装置としてのセンターサーバ3と、そのセンターサーバ3に対するクライアント装置として機能する複数のゲーム機4A、4B(以下、参照符号4で代表することがある、。)…と、センターサーバ3に対してゲーム機4とは異なるクライアント装置として機能するユーザ端末5とを含む。ユーザ端末5は、本発明におけるネットワーク端末装置に相当する。センターサーバ3は、複数のサーバユニット3A、3B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ3が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ3が構成されてもよい。
【0024】
ゲーム機4は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えにゲームのプレイを許可する商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機4は、商業施設の一種であるゲーム店舗6に設置される。
図1では単一のゲーム店舗6を示すが、複数のゲーム店舗6のそれぞれに一台又は複数台のゲーム機4が設置される。ゲーム店舗6は、ゲーム機4が提供するゲームをユーザに有償でプレイさせるサービスを提供する施設の一例である。ゲーム店舗6には、アミューズメント施設、ゲームアーケード、遊技場等といった各種の称呼で呼ばれる施設が含まれる。ゲーム機4は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用のアーケードゲーム機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームをプレイさせることが可能な汎用のアーケードゲーム機として構成されてもよい。
図1では、ゲーム機4をゲームの内容(タイトル、あるいは機種といった用語で表現されることがある。)毎に異なる添え字A、B…を付してゲーム機4A、4B…といったように区別して表記している。
【0025】
ユーザ端末5は、ユーザの個人用途に供されるネットワーク端末装置である。例えばPC5a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)5bのように、ネットワーク接続が可能でかつ個人用途に供される各種のコンピュータ装置をユーザ端末5として利用することができる。図示を省略したが、家庭用のゲーム機、携帯型タブレット端末、携帯型ゲーム機等の各種のコンピュータ装置も、ネットワーク端末装置として機能し、かつユーザの個人用途に供される限り、ユーザ端末5として利用することができる。
【0026】
センターサーバ3及びゲーム機4は、ネットワーク7を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク7は、WAN(ワイドエリアネットワーク)としてのインターネットと、そのインターネットと同様にTCP/IPプロトコルを利用するLAN(ローカルエリアネットワーク)としてのイントラネットとを適宜に組み合わせて構築される。ネットワーク7のWANとLANとはルータ8を介して接続される。ゲーム機4と店舗6のルータ8との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機4がセンターサーバ3と通信可能に接続されることもある。なお、本明細書において、ユーザとは、ゲーム機4においてゲームのプレイヤとなり得る者である。
【0027】
センターサーバ3及びゲーム機4のそれぞれには、ネットワーク7上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機4同士あるいはゲーム機4とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。各ルータ8にはインターネット7上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機4には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク7上でゲーム機4を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。また、ユーザ端末5もネットワーク7に接続されてセンターサーバ3と通信可能である。ユーザ端末5にも、ネットワーク7上でユーザ端末5を一意に識別するためのユニークなIPアドレスが付与される。そのIPアドレスは、ネットワーク7に接続される毎に変化するいわゆる動的アドレスでもよいし、不変の固定アドレスであってもよい。以下では、ネットワーク7上でセンターサーバ3、ゲーム機4及びユーザ端末5を識別するための情報をアドレス情報と呼ぶ。ネットワーク7を介した通信では、特に断りのない限り、そのアドレス情報に基づいて通信すべき相手が特定される。
【0028】
センターサーバ3は、ゲーム機4、及びユーザ端末5のユーザに対して、ネットワーク7を介して各種のサービスを提供する。例えば、センターサーバ3は、ゲーム機4にて実行されるゲームに関連した各種のゲームサービスをユーザに提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機4から所定の識別情報を受け取ってそのユーザを識別し、そのユーザがゲームをプレイした結果(進行状況、成績、スコア、獲得アイテム等)に対応したプレイデータをゲーム機4から受け取って保存し、あるいはゲーム機4等のユーザに提供するサービス、ネットワーク7を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングさせるサービス、ネットワーク7を介してゲーム機4のプログラムあるいはデータを更新するサービス等がある。
【0029】
また、センターサーバ3は、ユーザ端末5からネットワーク7を介してアクセスするユーザに対して各種のWebサービスを提供する。Webサービスとしては、例えば、Webサイトを通じてゲームに関する各種の情報をユーザに提供するゲーム情報サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスといったサービスがある。その他にも、センターサーバ3には、ユーザに対して、有償サービスを提供する対価としての料金を課金し、その料金に相当する仮想通貨をユーザに消費させる課金サービス機能も設けられているが、その詳細は省略する。
【0030】
次に、
図2を参照して、ゲームシステム2Aのセンターサーバ3、ゲーム機4、及びユーザ端末5に関する制御系の主要部の構成を説明する。まず、センターサーバ3から説明する。センターサーバ3には、制御ユニット20と、記憶装置21とが設けられている。制御ユニット20は、一又は複数のマイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットである。記憶装置21は、制御ユニット20の外部記憶装置として設けられ、センターサーバ3が提供するサービスで参照されるべき各種のデータを記憶する。
図2では、記憶装置21に記録されるデータとして、ID管理データ25、プレイデータ26の群、及びユーザデータ27の群が示されている。ID管理データ25は、後述する各種の識別情報の関連付けを判別するためのデータである。プレイデータ26は、ユーザがゲーム機4でゲームをプレイした結果を保存したデータである。ユーザデータ27は、ユーザがユーザ端末5を利用して登録した個人情報のデータである。データ25〜27の詳細は後述する。記憶装置21には、さらに、ゲームのプログラムやデータ、ユーザの仮想通貨の残高を記録した口座データ等も記録されるが、それらの図示は省略した。
【0031】
制御ユニット20の内部には、ゲームサービス管理部22、Webサービス管理部23、ID登録データ処理部24が設けられる。各部22〜24は、いずれもハードウエア資源としての制御ユニット20と所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲームサービス管理部22は上述したゲームサービスを提供し、Webサービス管理部23は上述したWebサービスを提供する。ID登録データ処理部24は、会場内システム2Bにて収集されたID登録データを処理するために設けられた論理的装置である。ID登録データ処理部24の処理は後述する。
【0032】
次に、ゲーム機4について説明する。ゲーム機4には制御ユニット30と、その制御ユニット30に対する外部記憶装置としての記憶装置31とが設けられている。制御ユニット30は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットである。記憶装置31には、制御ユニット30にて実行されるべきゲーム機プログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータが記録される。それらのゲーム機プログラム及びデータは、センターサーバ3からゲームサービスの一種としてゲーム機4に適宜に配信される。記憶装置31に記録されたプログラムを制御ユニット30が読み取ることにより、制御ユニット30には論理的装置としてのゲームサービス処理部32が設けられる。ゲームサービス処理部32は、センターサーバ3のゲームサービス管理部22と協働して、ユーザに各種のゲームサービスを提供する。ユーザがゲーム機4にてゲームをプレイする場合には、ゲーム機4とセンターサーバ3とが協働してユーザが識別され、そのユーザの識別情報に対応付けてセンターサーバ3の記憶装置21に記録されているプレイデータ26がセンターサーバ3からゲーム機4に提供され、そのプレイデータがゲーム機4の記憶装置31に記録される。
【0033】
その他にも、制御ユニット30には、公知のゲーム機と同様に入力操作装置、表示装置、音声再生装置、カードリーダ、コイン認証装置といった各種の入出力装置が設けられるが、それらの図示は省略した。なお、ゲーム機4のカードリーダは、プレイヤが所持する媒体としてのカード9の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット30に出力するために設けられる。カード9には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられており、その記憶媒体には、カード9毎にユニークな媒体識別情報としてのカードIDが記録されている。カードIDは、ゲーム機4からセンターサーバ3にアクセスする際に、そのゲーム機4のユーザを識別するための情報として利用される。なお、カードIDは、カード9にバーコード等の形態で記録されていてもよい。あるいは、カード9に代えて、携帯電話等に実装されたICチップ等の記憶媒体にカードIDが記録されてもよい。ただし、カードIDは、電磁的に読み取り可能なデジタルデータとして媒体に記録されるとともに、ユーザが識別可能な文字、数字、記号等としてもカード9等に記録される。携帯電話等の端末装置のICチップにカードIDが記録されている場合には、そのカードIDを端末装置の画面上にユーザが識別可能な文字、数字、記号等の態様で表示させてもよい。
【0034】
さらに、ユーザ端末5にもコンピュータユニットとしての制御ユニット40が設けられている。その制御ユニット40には、コンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、Webサービス処理部41が設けられている。Webサービス処理部41は、センターサーバ3のWebサービス管理部23と協働してユーザにWebサービスを利用させるために必要な処理を実行する。なお、ユーザ端末5からセンターサーバ3にアクセスするユーザに対しては、ユーザ毎にユニークなユーザIDがユーザの識別情報として設定される。ユーザIDは、一般的なWebサービスを受ける際にクライアント装置上で入力されてサーバ装置に提供される英数字の組み合わせ等によって構成される。
【0035】
次に、
図3及び
図4を参照してセンターサーバ3の記憶装置21に記録されているデータ25〜27を説明する。
図3に示したように、ID管理データ25には、カードIDテーブル251、データIDテーブル252、及びユーザIDテーブル253が含まれている。カードIDテーブル251は、カードIDと内部IDとを対応付けたレコードの集合である。内部IDは、センターサーバ3にて各種のIDを関連付ける媒介的IDとして設けられている。
【0036】
データIDテーブル252は、内部ID、コンテンツコード及びデータIDを対応付けたレコードの集合である。コンテンツコードは、ゲーム機4にて提供されるゲームの内容毎にユニークに割り当てられるゲームの識別情報である。データIDは、プレイデータ26毎にユニークに割り当てられる識別情報である。言い換えれば、プレイデータ26はデータIDと1対1に対応付けて記録される。プレイデータ26には、ユーザがゲームをプレイした結果に関連する各種の情報がカードIDと対応付けて記録される。一例として、
図3のプレイデータ26には、ユーザのプレイ履歴、ゲームの進度(進行状況)、ユーザが到達しているランク、ユーザがゲームで獲得したアイテムといった情報がデータIDと対応付けて記録される。プレイデータ26に記録されるべき情報は、ゲームの内容に応じて異なる。
【0037】
ユーザIDテーブル253は、ユーザIDと内部IDとを対応付けたレコードの集合である。ユーザIDは、上述したように、ユーザ毎にユニークに設定されるユーザ識別情報である。ユーザデータ27はユーザIDと1対1に対応付けて記録される。ユーザデータ27には、上述したようにユーザがユーザ端末5上で入力した個人情報がユーザIDと対応付けて記録される。一例として、
図3のユーザデータ27には、ユーザの氏名、住所、属性(性別や年齢層等)、連絡先(メールアドレスや電話番号)といった情報がユーザIDと対応付けて記録される。
【0038】
図4はカードID、内部ID、コンテンツコード、データID及びユーザIDの関係を示している。まず、カードIDと内部IDとは1対1に対応付けられ、ユーザIDも内部IDに対して1対1に対応付けられる。また、一つの内部IDに対しては複数のコンテンツコードを対応付けることが可能とされている。言い換えれば、一つの内部IDに対しては、ゲーム毎に1つずつコンテンツコードを対応付けることができる。コンテンツコードとデータIDとは1対1で対応付けられている。したがって、カードIDを指定することにより、カードIDテーブル251を利用してカードIDに対応する内部IDを特定し、その内部IDとコンテンツコードとを指定してデータIDテーブル252を検索することにより、そのカードIDに対応付けて記録されている各ゲームのデータIDを特定し、そのデータIDに対応付けられたプレイデータ26を特定することができる。一方、ユーザIDを指定することにより、そのユーザIDに対応するユーザデータ27を特定することができる。また、ユーザIDに対応する内部IDをユーザIDテーブル253から取得し、その内部IDを手掛かりとして、ユーザIDに対応するプレイデータ26を特定し、あるいはカードIDを特定することができる。あるいは、内部IDを手掛かりとして、カードIDに対応するユーザIDを特定することもできる。
【0039】
次に、センターサーバ3が提供する各種のサービスのうち、特に上述したデータ25〜27に関連付けてセンターサーバ3がゲーム機4又はユーザ端末5に提供するサービスの概要を説明する。
【0040】
(カードIDの登録)
ユーザが自己のカード9のカードIDをゲーム機4に読み取らせた場合、そのカードIDがセンターサーバ3に提供される。センターサーバ3のゲームサービス管理部22は、提供されたカードIDがカードIDテーブル251に登録されているか否かを判別し、登録されていない場合にはそのカードIDに対応付けられるべき内部IDを新規に発行し、それらのカードIDと内部IDとを相互に対応付けたレコードをカードIDテーブル251に登録する。これにより、新規なカードIDがゲームシステム2Aにて登録され、以降そのカードIDを利用した各種のサービスをユーザが享受することが可能となる。
【0041】
(プレイデータのゲーム機への提供)
ゲーム機4から提供されたカードIDがカードIDテーブル251に登録されていた場合、又はカードIDが新規に登録された場合、センターサーバ3のゲームサービス管理部22は、そのカードIDに対応する内部IDをカードIDテーブル251から取得し、その内部IDとゲーム機4のゲーム(つまり、ユーザがプレイするゲーム)のコンテンツコードとに対応するレコードがデータIDテーブル252に存在するか否かを判別する。該当するレコードが存在していれば、ゲームサービス管理部22は、そのレコードのデータIDに対応するプレイデータ26を特定し、当該プレイデータ26をゲーム機4に提供する。これにより、ユーザは、前回保存したプレイデータ26を利用してゲームを続きからプレイすることができる。一方、該当するレコードが存在していない場合、つまり、カードIDは登録されたが、ユーザがプレイを希望するゲームに対応したプレイデータ26がまだ存在しない場合、ゲームサービス管理部22は新規なデータIDを発行し、ユーザのカードIDに対応する内部ID、ゲームのコンテンツコード及び新規なデータIDとを相互に対応付けたレコードをデータIDテーブル252に登録する。さらに、ゲームサービス管理部22は、新規に発行したデータIDに対応するプレイデータ26を生成して記憶装置21上に保存し、かつそのプレイデータ26をゲーム機4に提供する。なお、新規に生成されたプレイデータ26には、各種の情報の初期値が記録される。コンテンツコードは、ゲーム機4からセンターサーバ3に提供される。あるいは、ゲーム機4を識別する情報(一例としてゲーム機4の筐体毎にユニークなID)とコンテンツコードとの対応関係を記述したテーブルがセンターサーバ3上に予め用意され、そのテーブルを参照してコンテンツコードが特定される。
【0042】
(プレイデータの保存)
ゲーム機4からプレイデータ26が送信されてその保存が要求された場合、センターサーバ3のゲームサービス管理部22は、そのプレイデータ26に含まれているデータIDを判別し、同一のデータIDに対応付けて記憶装置21に保存されているプレイデータ26をゲーム機4から取得したプレイデータ26にて上書きする。これにより、記憶装置21上のプレイデータ26はゲームの最新のプレイ結果を反映したデータへと更新される。
【0043】
(ユーザIDの登録及びカードIDとの関連付け)
ユーザIDを有しないユーザがユーザ端末5からセンターサーバ3にアクセスしてユーザ登録を要求した場合、センターサーバ3のWebサービス管理部23は新規なユーザIDを発行する。この段階で、ユーザがカードIDの登録を済ませていれば、Webサービス管理部23は、ユーザ端末5を介してカードID(ただし、ユーザが識別可能な文字、数字等で表現されたIDである。)を入力するようにユーザに要求し、入力されたカードIDをユーザ端末5から取得する。そして、Webサービス管理部23は、ユーザ端末5から取得したカードIDに対応する内部IDをカードIDテーブル251から取得し、その内部IDを新規のユーザIDと対応付けたレコードを生成してユーザIDテーブル253に記録する。これにより、ユーザIDとカードIDとが共通の内部IDを介して相互に関連付けられる。
【0044】
なお、カードIDが未登録であれば、ユーザIDのみが格納されたレコードがユーザIDテーブル253に記録される。つまり、ユーザIDは、カードIDが存在しなくとも登録することが可能である。ユーザが後日カードIDを登録した場合、そのカードIDと登録済のユーザIDとをユーザ端末5からセンターサーバ3に通知してそれらのIDを関連付けることもできる。この場合、センターサーバ3のWebサービス管理部23は、ユーザ端末5から通知されたカードIDに対応する内部IDをカードIDテーブル251から取得するとともに、ユーザ端末5から通知されたユーザIDに対応するレコードをユーザIDテーブル253から取得し、その取得したレコードにカードIDと対応する内部IDを記録する。なお、ユーザIDの登録時に、Webサービス管理部23はユーザ端末5を介してユーザに個人情報の入力を要求し、入力された個人情報をユーザ端末5から取得し、新規に発行したユーザIDと対応付けたユーザデータ27を生成して記憶装置21に保存する。
【0045】
以上のように、ゲームシステム2Aにおいて、カードIDを登録したユーザは、プレイデータ26の保存及び呼び出しのサービスをゲーム機4上で利用することができる。一方、ユーザIDを登録したユーザは、ユーザデータ27を利用した各種のサービスをユーザ端末5上で利用することができる。さらに、ユーザIDとカードIDとの間に関連付けが設定されていれば、ユーザ端末5からユーザIDを取得することにより、そのユーザのプレイデータ26を特定し、特定されたプレイデータ26に記述された情報をユーザ端末5上で閲覧するといったサービスをユーザが利用することもできる。なお、ユーザデータ27には個人情報が記録されているので、ユーザへのメールの送信による情報提供サービス、ユーザへの郵便物の送付といったサービスをユーザが利用することも可能である。
【0046】
(会場内システムの説明)
図1に戻って、会場内システム2Bについて説明する。会場内システム2Bは、選択行動調査システム1における選択行動の調査領域としての会場ST内に設置される。会場STは、ゲームシステム2Aにおけるユーザの選択要素としてのゲーム機4と関連性を有する。一例として、選択行動の調査対象となる複数の選択要素として、複数種類のゲーム機4A、4B…が設置された展示会の展示場が会場STとして設定される。会場STのゲーム機4は、現に店舗6に設置されたゲーム機4と同一でもよいし、店舗6に設置されているゲーム機4に対して、今後の置き換え又はゲーム内容の更新(つまり、ゲーム用のソフトウエアの更新)が予定されているゲーム機4であってもよい。さらに、店舗6には対応するゲーム機が未だ存在せず、今後の投入が予定されている新規なゲーム機が会場ST内のゲーム機4に含まれていてもよい。
図1では、ゲーム機4Dが今後設置予定の新規なゲーム機として例示されている。ただし、会場ST内における選択要素は、店舗6内にて現にユーザの利用に供され、あるいは今後ユーザの利用に供することが予定されているゲーム機4と対応付けが可能な要素であれば足り、必ずしもゲーム機として稼動可能な物理的装置であることを要しない。ゲーム機の単なるモックアップ模型、ゲーム機の内容を予告した展示パネルといった展示物が、店舗6に設置され、又は設置が予定されているゲーム機4に対応付けられるべき選択要素として用意されてもよい。また、ゲームをプレイ可能なゲーム機4が会場ST内に設置される場合でも、そのゲーム機4は、ネットワーク7を介してセンターサーバ3と接続されることを要しない。言い換えれば、会場STに設置されるゲーム機4は、ゲームシステム2Aと切り離されたスタンドアローン型のゲーム機として会場STに設置されたものでもよい。
【0047】
会場内システム2Bは、選択要素としてのゲーム機4A、4B…の種類毎に設置されたカードリーダ50と、それらのカードリーダ50と接続された管理用のパーソナルコンピュータ(以下、管理PCと呼ぶ。)51とを含む。同一種類のゲーム機4(
図1では、ゲーム機4Cの群が該当する。)に対しては、それらのゲーム機4に対して共通にカードリーダ50が設置される。ただし、カードリーダ50は、会場ST内の選択要素毎に少なくとも一つ設置されていればよい。あるいは、一つの選択要素に対して複数のカードリーダ50が設置されてもよい。なお、カードリーダ50は、ゲーム機4に組み込まれるべきカードリーダとは別の存在として、ゲーム機4(又はそれと対応付け可能な展示物)の近傍に設置される。ただし、ゲーム機4に組み込まれたカードリーダからカードIDを取得することが可能な場合には、そのゲーム機4のカードリーダを、会場内システム2Bにおけるカードリーダ50として利用してもよい。
【0048】
管理PC51は汎用のPCであり、ノートブック型でもよいし、据置型でもよい。
図1では、後に管理PC51とセンターサーバ3とをネットワーク7を介して接続する便宜を考慮してノートブック型のPCが管理PC51として利用されている。カードリーダ50と管理PC51とは、スイッチングハブ52を含む会場内LAN53により相互に通信可能に接続されている。カードリーダ50は、ユーザが所持するカード9のカードIDを読み取るために設けられ、管理PC51はカードリーダ50が読み取ったカードIDを記録するために設けられている。なお、LAN53は、ゲームシステム2Aのネットワーク7に接続されることを要しない。ただし、LAN53とネットワーク7とがルータを介して接続されてもよい。
【0049】
図2に示すように、カードリーダ50は、読取部55、制御部56及び記憶部57を有している。なお、
図2では単一のカードリーダ50のみを示すが、他のカードリーダ50の構成も同様である。読取部55は、カード9にアクセスしてカードIDを読み取り、制御部56は読取部55が読み取ったカードIDを記憶部57に記録する。制御部56もCPUとその内部記憶装置等とを含んだコンピュータユニットの一種である。また、制御部56は、管理PC51からの要求に応じて、記憶部57に記録されているカードIDを管理PC51に提供する。カードリーダ50には、カードリーダ50毎にユニークなリーダIDが設定されている。管理PC51はリーダIDを利用してカードリーダ50を特定する。
【0050】
管理PC51
には、CPU及びその内部記憶装置等を含んだコンピュータユニットとしての制御ユニット60と、外部記憶装置としてのハードディスク記憶装置等を含む記憶装置61とが設けられている。制御ユニット60には、その制御ユニット60のハードウエアと、記憶装置61に記録されたソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置としてデータ処理部62が設けられる。データ処理部62は、記憶装置61に記録されているID変換テーブル63を利用して、カードリーダ50から取得したカードIDをコンテンツ区分コードと対応付けて記録したID登録データ64を生成し、そのID登録データ64を記憶装置61に保存する。ID変換テーブル63は、
図5に示したように、リーダIDとコンテンツ区分コードとを対応付けたレコードの集合である。データ処理部62は、カードリーダ50からリーダIDとカードIDとを取得し、そのリーダIDをID変換テーブル63に従ってコンテンツ区分コードに変換し、得られたコンテンツ区分コードとカードIDとを対応付けたレコードを作成してこれをID登録データ64に蓄積する(
図6参照)。
【0051】
なお、コンテンツ区分コードは、会場ST内におけるゲーム機4で提供されるゲー
ムと、ゲームシステム2Aにてプレイデータ26の区分に利用されているコンテンツコード(
図3及び4参照)との対応関係を判別するために設定されるコードである。コンテンツ区分コードとしてコンテンツコードそれ自体を利用してもよいが、店舗6に設置されるゲーム機4と、会場STに設置されるゲーム機4とは必ずしも一致しないため、コンテンツコードそれ自体を利用することに差し支えが生じる場合がある。例えば、ゲームシステム2Aにおいては、ゲームのタイトル、あるいはゲーム機4の機種名といった表現を介して観念的には同一のゲームとして把握することができても、ソフトウエアのバージョン等の相違を区別するため、観念的に同一のゲームに対して複数のコンテンツコードが設定されることがある。一例として、観念的に同一の範囲のゲームに対して共通コードを設定し、その共通コードとソフトウエアのバージョン等に応じて異なる固有コードとを組み合わせてコンテンツコードを設定するような場合である。そのような場合、コンテンツ区分コードを共通コードと一致させることにより、会場ST内のゲーム機4とゲームシステム2Aで現に運用されているゲーム機4とがいわゆるバージョン違いのように厳密には異なる関係にあっても、共通コードを利用してそれらの間の対応関係を判別することができる。ただし、ID変換テーブル63を作成する段階で、予めゲームシステム2Aに存在するゲーム機4と、会場STに設置するカードリーダ50との対応関係を人為的に取り決め、その取り決めに従ってID変換テーブル63にカードリーダ50のリーダIDとコンテンツコードとの対応関係を記述することにより、コンテンツコードをコンテンツ区分コードとして利用してもよいことは勿論である。
【0052】
次に、選択行動調査システム1を利用して、会場ST内におけるユーザ(来場者である。)のゲーム機4に関する選択行動を調査する手順を説明する。
図7は、その調査手順を例示した図である。なお、
図7では、一例として、ユーザ100が所持するカード9のカードIDを「c9586」、会場STに設置されたゲーム機4Bのコンテンツコード(コンテンツ区分コードとしてそのまま利用されるものとする。)を「ABC1234」、カードリーダ50のリーダIDを「R001」、ユーザ100のカードIDに対応する内部IDを「in2354」、それらの内部ID及びコンテンツコードに対応するデータIDを「d1234」、ユーザ100が登録したユーザIDを「u8723」として例示することにより、それらの対応関係を示している。
【0053】
まず調査の概要を述べると、選択行動調査は、会場ST内でユーザ100がいずれのゲーム機4(又はその展示物。以下、会場STのゲーム機4というときは、ゲーム機4に代わる展示物も含むものとする。)に関心を示したかを、そのユーザ100に対応してゲームシステム2Aが保持しているプレイデータ26やユーザデータ27と関連付けて分析することを目的の一つして行われる。会場STにおけるゲーム機4の人気度等のみを調査する目的ならば、ゲーム機4のプレイ回数やゲーム機4の設置場所毎の来場者数を調査すれば足りる。しかし、ゲームシステム2Aのプレイデータ26からは、ユーザのゲームに関する趣向、スキルその他のゲーム関連の行動を分析する情報を取得することができ、ユーザデータ27からはユーザの性別、年齢層や居住地といった情報を取得することができる。
【0054】
したがって、会場STにおけるユーザの選択行動と、プレイデータ26やユーザデータ27に記録されている情報との相関関係を調査すれば、会場ST内のゲーム機4の単純な人気調査と比較して、ユーザの選択行動をより多面的に、あるいは高度に分析することができる。そのため、会場STのゲーム機4の種類毎にカードリーダ50を設置し、ゲーム機4毎に区別してカードIDを記録している。これにより、カードIDの取得数等から各ゲーム機4の人気度、関心度を判別することが可能となり、かつ、カードIDに対応するプレイデータ26を特定して選択行動調査に利用することが可能となる。また、来場者には、カードリーダ50にカードIDを読み取らせること、及びそのカードIDとユーザIDと
の関連付けが所定
の時期までに完了していることを要件として、何らかの特典AWが付与され得ることを告知する。それにより、会場STにてカードIDを読み取らせる行為と、ゲームシステム2AにてユーザIDを登録し、カードIDと関連付ける行為とに対するモチベーションをユーザに与える。これにより、来場者の個人情報であるユーザデータ27を取得して選択行動調査に利用することが可能となる。あるいは、来場者のユーザデータ27をゲームシステム2Aから取得することができれば、そのメールアドレスや住所を宛先として特典AWを配信又は発送することも可能である。なお、選択行動調査の時点でユーザIDを登録済のユーザに対しては、ゲームシステム2AのWebサービス機能を利用して、会場STにおけるカードIDの読み取りとそれに伴う特典の付与とを事前告知してもよい。カード9を有しない来場者に対しては新規なカード9を会場で配布し、一定期間内にゲームシステム2AにてカードID及びユーザIDを登録し(これはプレイデータ26及びユーザデータ27が生成されることを意味する。)、かつそれらのIDを相互に対応付ければ特典AWが付与され得るように告知してもよい。
【0055】
次に、
図7を参照して、調査とそれに伴う特典付与の手順とをより具体的に説明する。まず、会場STに来場したユーザ100に、プレイを希望するゲーム機4、あるいは関心を持っているゲーム機4に対応付けられたカードリーダ50にカードIDを読み取らせる操作を実行させる(ステップS1)。次に、カードリーダ50が読み取ったカードIDをリーダIDとともに所定のタイミングで管理PC51に取得する(ステップS2)。管理PC51によるカードID等の取得は、展示会(イベント)の開催時間帯外に自動的に行われてもよいし、管理PC51のオペレータからの指示に従って行われてもよい。あるいは、イベントの開催時間帯に繰り返し周期的に又はリアルタイムに行われてもよい。カードリーダ50がカードIDを取得する期間(調査対象期間)は、会場STにおけるイベントの開催期間の全期間に設定されてもよいし、開催期間内の特定の期間に限定して設定されてもよい。開催期間に定めのない展示会等にて選択行動を調査する場合には、調査対象期間を適宜の期間に定めればよい。
【0056】
次に、収集データ65に記録されたレコードを、管理PC51のデータ処理部62の処理により、ID変換テーブル63を参照してリーダIDがコンテンツ区分コードに変換した上でID登録データ64に適宜に記録する(ステップS3)。
図7の例では、リーダID「R001」がコンテンツ区分コード「ABC1234」に変換され、そのコンテンツ区分コードとカードID「c9586」とを対応付けたレコードがID登録データ64に記録される。
【0057】
以上のようにして生成されたID登録データ64によれば、会場ST内に設置された複数の選択要素としてのゲーム機4に対するユーザの選択行動を分析することができる。調査対象期間に取得された全てのカードIDがID登録データ64に記録されると、その後の適当な時期に、ID登録データ64をセンターサーバ3に登録されたカードID等と照合する処理が行われる。照合処理は、センターサーバ3の記憶装置21に記録されたID管理データ25を参照して行われ、その実行主体はセンターサーバ3又はそのクライアント装置として接続された管理PC51、あるいはさらに異なるクライアント装置のいずれとしてもよいが、以下では、センターサーバ3のID登録データ処理部24がデータ照合を行うものとして説明を続ける。
【0058】
データ照合に先立って、センターサーバ3は管理PC51に記録されたID登録データ64を取得する(ステップS4)。一例として、
図1に示すように、管理PC51をネットワーク7に接続し、管理PC51からセンターサーバ3にID登録データ64を送信すればよい。ネットワーク7に既に接続されている他のPCが存在する場合には、管理PC51のID登録データ64を適当な記録媒体(例えば、ポータブル型のハードディスク記憶装置)に記録し、その記録媒体を他のPCに接続してセンターサーバ3に提供してもよい。
【0059】
次に、センターサーバ3のID登録データ処理部24は、ID登録データ64に記録されているカードID及びコンテンツ区分コードに対応するデータIDがID管理データ25に存在するか否か、及びカードIDに関連付けられたユーザIDが存在するか否かをデータ照合処理として実行する(ステップS5)。一例として、
図7に例示したカードID「c9586」とコンテンツ区分コード「ABC1234」とに対応するデータ照合では、カードID「c9586」に対応する内部IDがカードIDテーブル251に存在するか否かをまずは検索し、対応する内部ID「in2354」が存在する場合には、その内部ID「in2354」に対応するユーザIDがユーザIDテーブル253に存在するか否か、及び内部ID「in2354」とコンテンツ区分コード「ABC1234」とに対応するデータIDがデータIDテーブル252に存在するか否かがID登録データ処理部24によって判別される。
図7の例ではデータID「d1234」及びユーザID「u8723」がそれぞれ存在するので、データ照合の結果はいずれも肯定的である。データ照合の結果は記憶装置21に適宜に記録される。一例として、ID登録データ64の各レコードに、データ照合の結果が肯定的か否定的かを判別する情報を記録すればよい。
【0060】
データID及びユーザIDのいずれもが存在していた場合、ID登録データ処理部24は特典付与に必要な処理を行う。例えば、判別したデータIDに対応するプレイデータ26を特定し、そのプレイデータ26に対してゲームで利用可能な電子データとしての特典AWを記録する(ステップS6)。この場合、特典AWとしては、プレイデータ26にユーザの獲得アイテムとして記録されていないアイテム、プレイデータ26に記録されているランクの昇格といったように、後にユーザがプレイデータ26を利用してゲームをプレイする際に利用可能な各種のゲーム要素が特典として設定されてよい。上述したデータ照合では、会場STでユーザが選択した要素に対応するコンテンツコードが特定されて、そのコンテンツコードに対応するプレイデータ26に特典AWが記録される。そのプレイデータ26は、ユーザがゲームシステム2Aにおいてプレイした経験を有し、かつ会場STでユーザが選択した要素にも対応する。したがって、コンテンツコードに対応するゲームに対するユーザの関心は比較的高いものと推認され、そのゲームにて利用可能な特典AWが付与されることにより、ユーザの特典AWへの関心、あるいは特典AWの付与に対する満足感を高めることができる。
【0061】
なお、プレイデータ26に対する特典AWの記録に代え、又は加えて、ID登録データ処理部24はユーザIDに対応するユーザデータ27を取得し(ステップS7)、そのユーザデータ27に記録されているメールアドレスに対して電子データとしての特典AWを送信してもよい(ステップS8)。この場合の特典AWとしては、例えばゲームに関連付けられた壁紙の画像データ、ゲーム機4にて読み取ることによりゲーム画面上に出現可能なキャラクタ等を記述したバーコード又は二次元バーコード等を用意することができる。あるいは、特典AWが物理的な景品(キャラクタグッズ等)である場合には、ユーザデータ27に記録されている住所を宛先として景品AWを発送するようにセンターサーバ3が指示を発するものとしてもよい。いずれの場合でも特典AWは、データ照合で特定されたコンテンツコードに対応するゲームに関連付けられたものであることが望ましい。
【0062】
以上のように、会場STに設置されたカードリーダ50を利用して、ゲーム機4毎に区別してカードIDを取得し、得られたカードIDをコンテンツ区分コードと対応付けたID登録データ64を生成し、さらに、ID登録データ64に記録されているカードID及びコンテンツ区分コードに対応付けられたデータIDが存在するか否か、及びカードIDに関連付けられたユーザIDが存在するか否かを照合して記録に残すことにより、ID登録データ64から把握されるユーザの選択行動を、ユーザのプレイデータ26やユーザデータ27と関連付けて多面的に分析し、有益な調査結果を得ることができる。
【0063】
一方、ユーザに対しては特典AWを獲得する機会を提供し、それにより、カードIDをカードリーダ50に読み取らせる行為に対するモチベーションをユーザに与えて選択行動調査のサンプル数の増加、及び調査に利用し得るプレイデータ26の増加を図ることができるとともに、ユーザIDを登録してカードIDと関連付ける行為に対するモチベーションをもユーザに与え、それによりゲームシステム2Aにおけるユーザ数の増加、及び、調査に利用し得るユーザデータ27の増加を図ることができる。
【0064】
図8は、センターサーバ3のID登録データ処理部24がデータ照合を実施する手順の一例を示したフローチャートである。ID登録データ処理部24は、
図8のデータ照合処理を開始すると、まずID登録データ64から一のレコードを処理対象として選んでそのカードIDを取得し(ステップS11)、そのカードIDに対応付けてID登録データ64に記録されているコンテンツ区分コードを取得する(ステップS12)。続いて、ID登録データ処理部24は、カードIDに対応する内部IDをカードIDテーブル251内で検索し(ステップS13)、内部IDが存在しているか否かを判別する(ステップS14)。内部IDが存在していれば、ID登録データ処理部24は、その内部IDに対応するユーザIDをユーザIDテーブル253内で検索し(ステップS15)、ユーザIDが存在しているか否かを判別する(ステップS16)。ユーザIDが存在していれば、ID登録データ処理部24は、ステップS13で抽出した内部IDと、ステップS12で取得したコンテンツ区分コードとに対応するデータIDをデータIDテーブル252内で検索し(ステップS17)、データIDが存在しているか否かを判別する(ステップS18)。データIDが存在していれば、ID登録データ処理部24は、ステップS11で取得したカードIDが特典付与の該当者のカードIDであることを示す情報を当該カードIDのレコードに記録する(ステップS19)。一方、ステップS14、S16又はS18のいずれかが否定判断された場合、ID登録データ処理部24は、ステップS11で取得したカードIDが特典付与の非該当者のカードIDであることを示す情報を当該カードIDのレコードに記録する(ステップS20)。ステップS19又はS20の処理後、ID登録データ処理部24はID登録データ24に記録された全てのレコードを処理したか否かを判別し(ステップS21)、未処理のレコードが存在している場合にはステップS11に戻る。ステップS21にて全てのレコードが処理されたと判断された場合、ID登録データ処理部24は
図8のデータ照合処理を終える。
【0065】
以上の実施形態においては、カードIDが媒体識別情報に相当し、ユーザIDがユーザ識別情報に相当し、ゲームシステム2Aがサービスシステムに相当し、そのゲームシステム2Aに含まれるゲーム機4がサービス提供装置に相当する。また、会場STは調査対象領域に相当し、その会場STに設置されるゲーム機4あるいは展示物が調査対象領域に配置されるべき複数の選択要素に相当する。さらに、プレイデータ26はユーザの利用状況判別情報に、ユーザデータ27はユーザの個人情報にそれぞれ相当し、プレイデータ26及びユーザデータ27の両者がユーザ向けデータに相当する。また、ID登録データ64が調査データに相当する。さらに、カードリーダ50は取得手段に相当し、管理PC51は調査データ作成手段に相当し、センターサーバ3は判別手段及び特典付与手段に相当する。
【0066】
本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。以下に変形の例を説明する。上記の形態では、カードリーダ50と管理PC51とをLAN53にて接続してカードリーダ50が取得したカードIDを管理PC51に適宜に収集しているが、そのようなLAN接続は必ずしも要しない。例えば、カードリーダ50にカードIDを蓄積し、適当なタイミングでカードリーダ50からカードIDを読み出して、オフライン作業により選択要素としてのゲーム機4毎にカードIDを記録した調査データを作成してもよい
。調査データは管理PC51の記憶装置61に限らず、適宜の記憶装置に保存されてよい。一例として、オフライン作業で作成された調査データを、センターサーバ3に送信してその記憶装置21に保存させてもよい。調査データに記録されているカードIDに対応してプレイデータ26やユーザデータ27が存在するか否かを判別する処理は、センターサーバ3に限らず、センターサーバ3にアクセス可能な適宜のクライアント装置にて実行されてもよい。例えば、管理PC51をネットワーク7に接続し、管理PC51にてID登録データ64に記録されているユーザIDを順次センターサーバ3に提供して対応するデータID及びユーザIDの存否をセンターサーバ3に問い合わせ、その問い合わせに対するセンターサーバ3からのレスポンスを管理PC51で取得してID登録データ64に問い合わせ結果を書き込むものとしてもよい。ユーザに対する特典の付与も、センターサーバ3を実行主体とする例に限らず、管理PC51にて特典付与の可否を判断し、その判断結果に従ってプレイデータ26への特典AWの記録、あるいはユーザデータ27に記録されている宛先(メールアドレスや住所)への特典AWの配信又は発送を管理PC51が指示してもよい。管理PC51に代えて、センターサーバ3と通信可能な他のPCにてデータ照合や特典付与を処理してもよい。
【0067】
上記の形態では、特典付与の要件として、ユーザのカードIDに関連付けられたユーザIDが存在すること、及びユーザが会場STで選択したゲーム機4に対応するコンテンツコード及びユーザのカードIDに対応するデータIDが存在すること、の両者が課されている。しかしながら、特典AWの付与に関しては、カードIDに対応するデータID又はユーザIDのいずれか一方が存在すること、言い換えればカードIDから特定することが可能なプレイデータ26又はユーザデータ27のいずれか一方が存在することのみを要件に課してもよい。前者の場合にはプレイデータ26を調査結果の分析に利用し、かつプレイデータ26の操作により特典を付与することができる。後者の場合には、ユーザデータ27を調査結果の分析に利用することができ、かつユーザデータ27にて特定される宛先を利用してユーザに特典を付与することができる。つまり、プレイデータ26又はユーザデータ27のいずれか一方のみをユーザ向けデータとして本発明が適用されてもよい。また、ユーザ向けデータの存在は特典付与に関する必要条件として設定されてもよい。すなわち、ユーザ向けデータが存在していると判断されたユーザ群の一部に限って特典が付与されてもよい。その限定方法としては先着順、抽選等の方法を採用することができる。
【0068】
上記の形態では、データ照合が行われる時点でユーザ向けデータが存在していなければ特典が付与されないが、ユーザ向けデータがいつまでに存在していればよいか、より具体的にはカードIDやユーザIDの登録、あるいはそれらのIDの関連付けが完了しているべき時期(以下、締切りの時期と呼ぶ。)は、適宜に設定してよい。イベントの終了時期に合わせて締切りの時期が設定されてもよいし、イベントの終了時期よりも早い時期又は遅い時期に締切り時期が設定されてもよい。また、ユーザがカードリーダ50にてカードIDを読み取らせる時期と締切り時期との関係も適宜設定できる。カードIDを読み取らせる時点と締切り時期とを一致させてもよいし、締切り時期をより早い時期に設定してもよい。あるいは、カードIDを読み取らせる時期にはユーザ向けデータが存在しない、あるいはカードIDやユーザIDが登録されていない、あるいはそれらのIDの関連付けが設定されていない場合でも、その後の一定期間内にユーザがカードIDやユーザIDをゲームシステム2Aで登録してプレイデータ26やユーザデータ27をサーバ装置上に保存させ、あるいは両IDの関連付けを完了させた場合には、それらのユーザを特典が付与され得るユーザ群に含めるようにしてもよい。なお、会場STに展示されても、ゲームシステム2Aにはまだ存在しないゲーム機4に関しては、ユーザが会場STでそのゲーム機4に対応するカードリーダ50にてカードIDを読み取らせても、その時点で当該ゲーム機4に対応するプレイデータ26がゲームシステム2Aに存在することは有り得ない。このような場合には、ゲーム機4が現にゲームシステム2Aに追加された後、一定期間内にプレイデータ26が生成されることを要件としてそのプレイデータ26に特典を付与してもよい。データ照合は一回に限らず、複数回に分けて実行されてもよい。その場合、過去のデータ照合で既に特典付与の該当者と判断されたユーザのカードIDは処理対象から除外してもよい。また、調査データに同一のカードIDが複数記録されていることが想定されるため、同一のカードIDに対する特典付与の回数に制限が設定されてもよい。
【0069】
上記の形態では、会場STをゲームシステム2Aとは切り離された存在としているが、本発明の調査対象領域や調査対象のイベント等は、ゲームシステム2Aの内部に設定されてもよい。例えば、特定の店舗6にて期間を限ってイベントが開催される場合、その店舗6を調査対象領域として設定し、当該店舗6に設置されたゲーム機4を選択要素として設定し、イベント期間内のユーザの選択行動を本発明に従って調査してもよい。カードリーダ50にカードIDを取得させたか否かに関わりなくゲーム機4をプレイ可能としているが、カードリーダ50にカードIDを読み取らせた場合に限ってそのカードリーダ50に対応するゲーム機4を利用可能としてもよい。あるいは、カードリーダ50にカードIDを読み取らせた場合、そのカードリーダ50に対応するゲーム機4にてユーザに有利な状況が生じるように会場ST内のカードリーダ50とゲーム機4の動作とを関連付けてもよい。取得手段には、媒体に対する媒体識別情報の記録態様に応じて適宜の構成の読み取り機を利用してよい。RFIDのような無線通信を利用した読み取り機、バーコードリーダのような光学式読み取り機、磁気ストライプに対する磁気的読み取り機等を取得手段として利用してよい。さらに、画像判別を利用して媒体識別情報を取得可能な読み取り機を取得手段として利用してもよい。媒体識別情報を読み取る方法は、ユーザによるカードのタッチ操作のような明示的な読み取り操作を必要とする方法でもよいし、一定範囲内に存在する媒体から媒体識別情報を自動的に読み取るようなユーザの読み取り操作を要しない方法でもよい。
【0070】
本発明にて利用されるべきサービスシステムはゲームシステム2Aに限らない。ユーザに関連する情報を記録したユーザ向けデータを、ユーザが所持する媒体毎にユニークな媒体識別情報と対応付けてサーバ装置上に保存し、そのサーバ装置がクライアント装置から媒体識別情報を取得して、該媒体識別情報に対応するユーザ向けデータを特定し、特定したユーザ向けデータに基づいて当該クライアント装置のユーザに所定のサービスを提供可能なサービスシステムであれば、本発明は適宜にこれを適用することができる。例えば、スポーツ施設に設置された各種のトレーニング装置やトレーニング機器をクラアント装置としてそれらの利用状況をユーザの媒体に記録された媒体識別情報と関連付けてサーバ装置で管理するサービスシステムを利用して、それらのトレーニング装置等の選択行動を調査する場合に本発明を適用することができる。その他にも各種の商業施設等に組み込まれたサービスシステムを利用して本発明を適用することが可能である。