(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945352
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】透過表示機能を有する表示装置及びこの表示装置を備える電子装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20160621BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20160621BHJP
A63F 5/04 20060101ALN20160621BHJP
【FI】
G02F1/13357
G09F9/00 336G
G09F9/00 336J
!A63F5/04 511F
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-106945(P2015-106945)
(22)【出願日】2015年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-225345(P2015-225345A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2015年5月27日
(31)【優先権主張番号】103118771
(32)【優先日】2014年5月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501358079
【氏名又は名称】友達光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AU Optronics Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛 慈伶
【審査官】
磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−208372(JP,A)
【文献】
特開2009−070589(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2006−0038130(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏側部と透過領域とを有する光変調パネルと、
前記裏側部と間隔をおいて配置され、前記裏側部から前記光変調パネルに入射される第1バックライトを生成する第1バックライトモジュールと、
プリズムシートとコリメートバックライト光源とを備える第2バックライトモジュールと、を含み、
前記プリズムシートは、前記透過領域に対応して前記裏側部に平行して配置され、
前記コリメートバックライト光源は、前記光変調パネルと前記第1バックライトモジュールとの間に立設されるとともに、その両端がそれぞれ前記プリズムシート及び前記第1バックライトモジュールに向かって延伸され、
前記コリメートバックライト光源によって生成された光は、前記プリズムシートの光入射面に斜めに入射して前記プリズムシートの屈折により補正されて第2バックライトになり、前記透過領域に入射することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1バックライトモジュール及び前記第2バックライトモジュールのそれぞれに信号接続され、透過モード及び表示モードを切り替えることが可能な制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、前記透過モードにおいて、前記第1バックライトモジュールのみを点灯させるとともに、前記第2バックライトモジュールを消灯させる一方、前記表示モードにおいて、前記第1バックライトモジュール及び前記第2バックライトモジュールを同時に点灯させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記コリメートバックライト光源は、第1導光板と、第1光源と、を含み、
前記第1導光板は、前記プリズムシートの一側に対して立設され、第1光入射端と第1光出射面とを有し、
前記第1光出射面は、前記透過領域が前記第1バックライトモジュールに対応する投影範囲によって形成された柱状空間に面して配置され、
前記第1光入射端は、前記第1光出射面の前記プリズムシートから離れる一端であり、
前記第1光源は、前記第1光入射端に対応して配置され、
前記第1光源によって生成された光は、前記第1光入射端に入射し、前記第1導光板を通過して前記第1光出射面から前記プリズムシートに向かって斜めに出射することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記コリメートバックライト光源は、第2導光板と、第2光源と、をさらに含み、
前記第2導光板は、前記第1導光板に対向して前記プリズムシートの他側に立設され、第2光入射端と第2光出射面とを有し、
前記第1導光板及び前記第2導光板は、それぞれ前記柱状空間の両側に設けられ、
前記第1光出射面は、前記柱状空間に面して配置され、
前記第2光入射端は、前記第2光出射面の前記プリズムシートから離れる一端であり、
前記第2光源は、前記第2光入射端に対応して配置され、
前記第2光源によって生成された光は、前記第2光入射端に入射し、前記第2導光板を通過し、前記第2光出射面から前記プリズムシートに向けて斜めに出射することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1バックライトの平均指向角は、前記第2バックライトの平均指向角よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記プリズムシートの前記光入射面は、前記光変調パネルとは反対側の面であって複数のプリズムが突設されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
表示機能を有する電子装置であって、
裏側部と透過領域とを有する光変調パネルと、
前記裏側部と間隔をおいて配置され、前記裏側部から前記光変調パネルに入射される第1バックライトを生成する第1バックライトモジュールと、
前記透過領域と前記第1バックライトモジュールとの間に配置される表示物と、
プリズムシートとコリメートバックライト光源とを備える第2バックライトモジュールと、を含み、
前記プリズムシートは、前記裏側部に平行に配置され、前記透過領域に対応して前記透過領域と前記表示物との間に介在して設けられ、
前記コリメートバックライト光源は、前記表示物の一側に立設されるとともに、その両端がそれぞれ前記プリズムシート及び前記第1バックライトモジュールに向かって延伸され、
前記コリメートバックライト光源によって生成された光は、前記プリズムシートの光入射面に斜めに入射して前記プリズムシートの屈折により補正されて第2バックライトになり、前記透過領域に入射することを特徴とする電子装置。
【請求項8】
前記第1バックライトモジュール及び前記第2バックライトモジュールのそれぞれに信号接続され、透過モード及び表示モードを切り替えることが可能な制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、前記透過モードにおいて、前記表示物に光を補うために前記第1バックライトモジュールのみを点灯させるとともに、前記第2バックライトモジュールを消灯させる一方、前記表示モードにおいて、前記第1バックライトモジュール及び前記第2バックライトモジュールを同時に点灯させることを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記コリメートバックライト光源は、第1導光板と、第1光源と、を含み、
前記第1導光板は、前記プリズムシート及び前記表示物の一側に対して立設され、第1光入射端と第1光出射面とを有し、
前記第1光出射面は、前記表示物に面して配置され、
前記第1光入射端は、前記第1光出射面の前記プリズムシートから離れる一端であり、
前記第1光源は、前記第1光入射端に対応して配置され、
前記第1光源によって生成された光は、前記第1光入射端に入射し、前記第1導光板を通過して前記第1光出射面から前記プリズムシートに向かって斜めに出射することを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項10】
前記コリメートバックライト光源は、第2導光板と、第2光源と、をさらに含み、
前記第2導光板は、前記第1導光板に対向して前記プリズムシートの他側に立設され、第2光入射端と第2光出射面とを有し、
前記第1導光板及び前記第2導光板は、それぞれ前記表示物の両側に設けられ、
前記第1光出射面は、前記表示物に面して配置され、
前記第2光入射端は、前記第2光出射面の前記プリズムシートから離れる一端であり、
前記第2光源は、前記第2光入射端に対応して配置され、
前記第2光源によって生成された光は、前記第2光入射端に入射して前記第2導光板を通過し、前記第2光出射面から前記プリズムシートに向かって斜めに出射することを特徴とする請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記第1バックライトの平均指向角は、前記第2バックライトの平均指向角よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項12】
前記プリズムシートは、前記光変調パネルとは反対側の光入射面に突設される複数のプリズムを含むことを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項13】
前記表示物は、円筒状に形成され、
複数の前記プリズムのプリズム線の延伸方向は、前記表示物の軸線に平行であり、
前記コリメートバックライト光源は、前記軸線の一側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
裏側部と透過領域とを有する光変調パネルと、
前記裏側部と間隔をおいて配置され、前記裏側部から前記光変調パネルに入射する第1バックライトを生成する第1バックライトモジュールと、
プリズムシートとコリメートバックライト光源とを備える第2バックライトモジュールと、を含み、
前記プリズムシートは、前記透過領域に対応して前記裏側部に平行して配置され、
前記コリメートバックライト光源は、前記プリズムシートと前記第1バックライトモジュールとの間に配置され、
前記第1バックライトは、平面光を形成することができ、
前記コリメートバックライト光源は、平面光を形成することができ、
前記第1バックライトモジュールの光出射面は、前記コリメートバックライト光源の第1光出射面に対して直交することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びこの表示装置を備える電子装置に関し、特に、透過表示機能を有する表示装置及びこの表示装置を備える電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、フラットパネル表示装置は、様々な分野で広く使用され、ディスプレイとして単独で使用されてもよく、又は、情報を表示する電子機器に搭載されてもよい。フラットパネル表示装置は、例えば、有機発光ダイオードディスプレイ、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイなど様々な種類がある。そのうち、液晶表示装置は、現在最も一般的なフラットパネル表示装置である。
【0003】
従来の液晶表示装置は、単に画像を表示し、この液晶表示装置を透過して後方の画像や物を透視することができない。しかし、近年、特定のニーズを満たすために、透視可能な表示装置が誕生した。
図1は、従来の透過範囲を有する表示装置を示す上面図である。同図に示すように、従来の透視可能な液晶表示装置1は、表示領域10において透視範囲11を同時に含んでもよい。言い換えれば、透視範囲11において、通常の画像を表示することに加え、透明に切り替えられると、ユーザが透視範囲11を透過して後方の物体8を見ることができる。
【0004】
表示領域10において画像や情報を表示するために、表示領域10の後方からバックライト光源3を提供し、液晶層によってバックライトの透過程度を制御する必要がある。しかし、バックライト光源3は、物体8を遮らないように、物体8を避けて配置されなければならない。例えば、バックライト光源3の導光板31において、透視範囲11及び物体8に対応する位置に穴を開けるようになる。しかしながら、表示領域10及びそれに含まれる透視範囲11全域が画像を表示しようとする場合、透視範囲11は、バックライト光源3の回避によりバックライトの光量が比較的に低いため、その周囲の画像と輝度の差を有し、画質不良の問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−261575号公報
【特許文献2】特開2009−142383号公報
【特許文献3】米国特許公報第8,203,659号
【特許文献4】米国特許公開公報第2012/0206321号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、表示装置を透過して後方の表示物を見ることが可能な表示装置及びこの表示装置を備える電子装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、透過領域が画像を表示する際に輝度を向上可能な表示装置及びこの表示装置を備える電子装置を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、透視時に後方の表示物の輝度を向上可能な表示装置及びこの表示装置を備える電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様において、表示装置は、裏側部と透過領域とを有する光変調パネルと、裏側部と間隔をおいて配置され、裏側部から光変調パネルに入射される第1バックライトを生成する第1バックライトモジュールと、プリズムシートとコリメートバックライト光源とを備える第2バックライトモジュールと、を含み、プリズムシートは、透過領域に対応して裏側部に平行して配置され、コリメートバックライト光源は、光変調パネルと第1バックライトモジュールとの間に立設されるとともに、その両端がそれぞれプリズムシート及び第1バックライトモジュールに向かって延伸され、コリメートバックライト光源によって生成された光は、プリズムシートの光入射面に斜めに入射してプリズムシートの屈折により補正されて第2バックライトになり、透過領域に入射する。
【0010】
本発明の他の実施態様において、表示機能を有する電子装置は、裏側部と透過領域とを有する光変調パネルと、裏側部と間隔をおいて配置され、裏側部から光変調パネルに入射される第1バックライトを生成する第1バックライトモジュールと、透過領域と第1バックライトモジュールとの間に配置される表示物と、プリズムシートとコリメートバックライト光源とを備える第2バックライトモジュールと、を含み、プリズムシートは、裏側部に平行に配置され、透過領域に対応して透過領域と表示物との間に介在して設けられ、コリメートバックライト光源は、表示物の一側に立設されるとともに、その両端がそれぞれプリズムシート及び第1バックライトモジュールに向かって延伸され、コリメートバックライト光源によって生成された光は、光入射面に斜めに入射してプリズムシートの屈折により補正されて第2バックライトになり、透過領域に入射する。
【0011】
本発明の別の実施態様において、表示装置は、裏側部と透過領域とを有する光変調パネルと、裏側部と間隔をおいて配置され、裏側部から光変調パネルに入射する第1バックライトを生成する第1バックライトモジュールと、プリズムシートとコリメートバックライト光源とを備える第2バックライトモジュールと、を含み、プリズムシートは、透過領域に対応して裏側部に平行して配置され、コリメートバックライト光源は、プリズムシートと第1バックライトモジュールとの間に配置され、第1バックライトは、平面光を形成することができ、コリメートバックライト光源は、平面光を形成することができ、バックライトモジュールの光出射面は、コリメートバックライト光源の第1光出射面に対して直交する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、透過モードにおいて、第1バックライトモジュールは、表示物に光を補うための光を提供することにより、外部から見たときに表示物の鮮明度を向上させることができる。一方、表示モードにおいて、第2バックライトモジュールは、透過領域に補足的なバックライトを提供することにより、第1バックライトの遮断による光量不足を補償し、表示画像全体の光量の均一性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の透視範囲を有する表示装置を示す概略図である。
【
図2A】本発明の電子装置及び表示装置の一実施例を示す分解図である。
【
図2B】電子装置及び表示装置の一実施例を示す断面図である。
【
図3】電子装置及び表示装置の他の実施例を示す分解図である。
【
図5】コリメートバックライト光源の他の実施例を示す概略図である。
【
図6A】プリズムシートの一実施例を示す断面図である。
【
図6B】プリズムシートの他の実施例を示す断面図である。
【
図6C】プリズムシートの別の実施例を示す断面図である。
【
図7】コリメートバックライト光源の別の実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、電子装置及びそれに用いられる表示装置を提供する。好ましい実施例において、電子装置は、ゲーム機、自動販売機、又は透明ディスプレイ等、一部が選択的に透明になるような機能を有する表示装置を含む大型電子装置であってもよい。ただし、他の異なる実施形態において、電子装置は、一部が選択的に透明になるような機能を有する表示装置を含めばよく、携帯型又は車載型電子装置であってもよい。
【0015】
図2Aに示すように、電子装置は、光変調パネル300、第1バックライトモジュール100、第2バックライトモジュール200、及び表示物800を含む。光変調パネル300、第1バックライトモジュール100、及び第2バックライトモジュール200によって、本発明の表示装置が構成される。本実施例において、電子装置は、例えばスロットマシン等の遊技機である。表示物800は、当選番号を表示するための円筒状のローラーである。ただし、他の異なる実施形態において、電子装置は、自動販売機であり、表示物800は、販売商品であってもよい。光変調パネル300は、表示画像を生成するように、通過するバックライトの光量を調整するための液晶表示パネルであることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。また、光変調パネル300は、電気泳動表示パネル、又は可撓性表示パネル等であってもよい。
図2A及び
図2Bに示すように、光変調パネル300は、表示側部301及び裏側部303を含む。表示側部301は、ユーザに画像を表示する側であり、裏側部303は、表示側部301とは反対側である。光変調パネル300は、表示物800に対応する透過領域310をさらに含む。表示装置は、透過モード又は表示モードに切り替えられることができる。表示装置は、透過モードに設定される場合、ユーザは表示側部301から透過領域310を介して表示物800を見ることができる。表示モードに設定される場合、透過領域310は画像を表示することができる。本実施例において、透過領域310は、光変調パネル300全体の可視領域の一部のみを占める。他の部分は、非透過性であり、単に画像を表示するために用いられてもよい。
【0016】
第1バックライトモジュール100は、光変調パネル300の裏側部303と間隔をおいて配置され、この間隔内には、第1バックライトモジュール100及び光変調パネル300の投影範囲によって柱状空間Dが形成される。表示物800は、第1バックライトモジュール100及び光変調パネル300によって形成された柱状空間D内に配置される。本実施例において、第1バックライトモジュール100は、面光源であり、裏側部303から光変調パネル300に入射する第1バックライトBL1を生成する。第1バックライトモジュール100は、エッジ型光源により面光源が形成されてもよいが、本発明は、これに限定されず、例えば、第1バックライトモジュール100は、直下型光源により面光源が形成されてもよい。
【0017】
図2Bは、
図2Aに示す実施例の断面図である。
図2Bに示すように、第1バックライトモジュール100は、導光板110及び側光源130から構成される。導光板110は、光変調パネル300に平行であることが好ましく、側光源130は、導光板110の側辺に配置される。好ましい実施例において、側光源130は、複数の発光ダイオードから構成され、導光板110の側辺に沿って分布している。側光源130によって生成された光は、導光板110に進入した後、導光板110から光変調パネル300の光出射面111から出射して第1バックライトBL1になる。第1バックライトBL1は、柱状空間Dを通過し、光変調パネル300の裏側部303に到達する。本実施例において、側光源130の光は、導光板110に進入した後、70度〜80度の出射角度で導光板110の表面から出射する。そして、光は、拡散板及び直交したプリズムシート(図示せず)により補正されて正面から出射する。
図2Bに示すように、第1バックライトBL1の一部は、反射、屈折又は散乱により表示物800を照明する。そのため、第1バックライトモジュール100は、表示物800を照明する効果を有する。第1バックライトモジュール100の他の一部は、表示するために、ローラー領域以外の領域を通過し、光変調パネル300を貫通する。
【0018】
第2バックライトモジュール200は、プリズムシート210及びコリメートバックライト光源230を含む。
図3に示すように、プリズムシート210は、裏側部303に平行に配置され、透過領域310に対応している。本実施例において、プリズムシート210は、裏側部303の透過領域310に貼り付けられ、透過領域310と表示物800との間に介在する。具体的に、プリズムシート210は、光変調パネル300とは反対側の光入射面213に突設される複数のプリズム211を含む。つまり、プリズム211の頂点は、第1バックライトモジュール100に対向している。プリズム211の構造は、対称又は非対称に設計されている。光入射面213がプリズム211に完全に覆われっている場合、光入射面213は、各プリズム211の底端部を接続することによって形成された仮想平坦面とみなされることができる。また、異なる実施形態において、プリズム211は、プリズムシート210の光変調パネル300に面する一面上に配置されてもよい。
【0019】
コリメートバックライト光源230は、光変調パネル300と第1バックライトモジュール100との間に立設される。導光板110及び側光源130からなる第1バックライトモジュール100は、光出射面が受光面に平行であるように配置されることに対し、コリメートバックライト光源は、バックライト光源が特定の角度範囲内に集中して放出する。本実施例において、コリメートバックライト光源230の指向角が±20度以下である。コリメートバックライト光源230は、この範囲内で使用される場合、光効率が高い。ただし、本発明はこれに限定されない。第2バックライト光源は、例えば、±45度の指向角を有する非コリメートバックライト光源であってもよい。この光効率が比較的に低いが、補助的な照明効果が依然として達成することができる。コリメートバックライト光源230の両端は、それぞれ、プリズムシート210及び第1バックライトモジュール100に向かって延伸している。
図3に示すように、コリメートバックライト光源230は、第1導光板510及び第1光源501を含む。第1導光板510は、光変調パネル300と第1バックライトモジュール100との間に立設され、第1光入射端511及び第1光出射面513を備える。第1光出射面513は、第1導光板510の柱状空間D及びそれに収容された表示物800に面する一面であり、第1光入射端511は、第1光出射面513のプリズムシート210から離れる一端である。第1光出射面513は、第1バックライトモジュール100の光出射面111に直交している。第1光源501は、第1光入射端511に対応して配置される。第1光源501によって生成された光は、第1光入射端511から第1導光板510に入射し、第1光出射面513から平面光源として斜めに出射し(面光源であることが好ましい)、プリズムシート210の光入射面213に到達する。光は、プリズムシート210により屈折して補正されて第2バックライトBL2になり、透過領域310に入射する。透過領域310が入力画像を表示する場合、第2バックライトBL2は、表示物800により遮断されて損失した第1バックライトBL1の光量を補償することによって、表示画像の光量をより均一にすることができる。また、表示画像の光量をより均一にするように、第1バックライトモジュール100及び第2バックライトモジュール200の光量をそれぞれ調整してもよい。例えば、発光ダイオードは、第1バックライトモジュール100及び第2バックライトモジュール200に用いられる場合、各発光ダイオードの電流を調整することで異なる光量が生成されることにより、異なる領域の光量及び補助光量を制御することができ、表示画像の光量の均一性を維持することができる。
【0020】
図2A及び
図2Bに示すように、本実施例における表示物800は、軸線Cを有する円筒形状である。プリズムシート210上のプリズム211は、軸線Cに平行である。つまり、プリズム211のプリズム線(各プリズム211の頂点を接続した延長線)の延伸方向が軸線Cに平行である。コリメートバックライト光源230は、軸線Cの両側ではなく、軸線Cの一側に配置されることが好ましいが、これに限定されない。より明確に言えば、プリズム211のプリズム線の延伸方向は、第2バックライトモジュール200の光出射面に実質的に平行である。そのため、第2バックライトモジュール200の光は、プリズム211の傾斜面を通過し、光変調パネル300に向かって進むことにより、補正されることができる。本実施例において、第1バックライトモジュール100の光出射面は、光変調パネル300に向かい、コリメートバックライト光源230の光出射面は、表示物800の円弧面に向かっている。そのため、第1バックライトモジュール100の光出射面は、コリメートバックライト光源230と直交している。これにより、コリメートバックライト光源230に面する表示物800が円弧面であるため、コリメートバックライト光源230によって生成された光は、表示物800によって容易に遮断されず、プリズムシート210に到達しやすくなる。また、表示物800の光量を制御するように、コリメートバックライト光源230と表示物800との間の距離を調整することにより、ユーザのニーズに応じて表示物800の鮮明度及び光量を制御することができる。なお、コリメートバックライト光源230の発光輝度を制御することにより、表示物800の視認性を調整することができる。
【0021】
図3は、電子装置及び表示装置の他の実施例を示す図である。本実施例において、コリメートバックライト光源230は、それぞれ独立した表示物800に対応するいくつかの独立した部分に分離されることができる。同図に示すように、表示物800は、3つの独立したローラーである。そのため、コリメートバックライト光源230は、3つの部分に分離されてもよい。各部分は、独立した第1導光板510及び第1光源501を含む。これにより、表示物800に対する異なる輝度のニーズに応じて、対応する第1光源501の輝度を独立に調整することができる。このように、局部的な調光効果を得ることができる。
【0022】
図4A〜
図4Dに示すように、表示装置は、第1バックライトモジュール100と第2バックライトモジュール200に信号接続される制御モジュール400を含む。制御モジュール400は、表示装置を透過モード及び表示モードの間で切り替えることができる。実施例における遊技機を例として、透過モードでは、遊技の進行に応じて、ローラーに示された当選番号を表示するために、光変調パネル300の透過領域310を透視できるように設定する。ゲームが終わると、ゲームの結果及び他の関連する画像を表示するために、光変調パネル300の可視領域の全域を画像表示するように、表示モードに切り替える。
図4A及び
図4Bに示すように、表示装置が透過モードに設定された場合、制御モジュール400は、第1バックライトモジュール100のみを点灯させ、第2バックライトモジュール200をオフにする。第1バックライトモジュール100から出射された第1バックライトBL1は、光変調パネル300に到達することにより、透過領域310以外の領域で画像を表示することができる。この時、光変調パネル300の透過領域310に対応する画素の一部は、表示物800を表示するために、光が通過できるように(すなわち、透視できる)制御される。また、第1バックライトBL1の一部は、出射角度が比較的に大きく、又は屈折や反射により表示物800を照明することによって、表示物800をライトアップする効果が生じるため、透過領域310の外部から見たとき、表示物800がより明るく鮮明に見えることができる。
図4Bに示すように、表示装置が透過モードである場合、透過領域310においては、表示物800が見え、透過領域310以外の領域においては、表示しようとする表示画像(例えば同図に示すウサギの画像)が見えるようになる。好ましい実施例において、表示物800の表面には、コーティング、塗装、又は他の類似した方法で反射性材料を設けてもよく、或いは、大きな反射率特性を有する材料で表示物800を作製してもよい。本実施例におけるローラーを例として、表示物800とするローラーに光反射材料を塗布してもよい。ローラーの表示しようとする部分は円弧面であるため、その円弧面に光反射材料を塗布することが好ましい。このように、第1バックライトBL1の一部が表示物800の円弧面を照明すると、円弧面上の文字又は図柄がより明るく鮮明に見えることができる。
【0023】
図4C及び
図4Dに示すように、表示装置が表示モードである場合、制御モジュール400は、第1バックライトモジュール100及び第2バックライトモジュール200を同時に点灯させる。第1バックライトモジュール100から出射された第1バックライトBL1は、透過領域310以外の領域で画像を表示するように、光変調パネル300に到達する。第2バックライトモジュール200において、コリメートバックライト光源230によって生成された光は、プリズムシートにより屈折して補正されて第2バックライトBL2になり、透過領域310に入射することにより、透過領域310の輝度を補償することができる。この時、光変調パネル300の透過領域310に対応する画素は、受信した画像信号に応じて、透過領域310で画像を表示するように、第2バックライトBL2の透過程度を制御する。また、第1バックライトBL1のごく一部は、画像を表示するために透過領域310に到達することができる。
図4Dに示すように、表示装置が表示モードである場合、光変調パネル300全域は、画像を表示するようになり、画像の輝度が均一に分布し、透過領域310に形成された暗い領域の発生確率を低減させることができる。
【0024】
上述したように、透過モードにおいて、第1バックライトモジュール100は、表示物800に光を補うように光を提供することにより、外部から見たときの鮮明度を向上させることができる。一方、表示モードにおいて、第2バックライトモジュール200は、透過領域310にバックライトを補足するための第2バックライトBL2を提供することにより、第1バックライトBLが遮断されることに起因する光量不足を補償し、表示画像全体の光量の均一性を維持することができる。好ましい実施形態において、第1バックライトBL1の平均指向角は、第2バックライトBL2の平均指向角よりも大きい。平均指向角は、発光強度のスペクトル分布の半値全幅に対応する発光の角度範囲で表すことが好ましい。この指向角が異なることにより、第1バックライトBL1は、表示物800に対してよりよい光補足効果を有するとともに、第2バックライトBL2は、光量不足をより一層補償することができる。
【0025】
図5に示す他の実施例において、コリメートバックライト光源230は、第2導光板520及び第2光源502を含んでいる。第2導光板520及び第2光源502は、第1導光板510及び第1光源501に対称的に配置されている。光変調パネル300と第1バックライトモジュール100との間に立設されるとともに、第2光入射端521及び第2光出射面523を有する。第2光出射面523は、第2導光板520の柱状空間D及びそれに収容された表示物800に面する一面であり、第2光入射端521は、第2光出射面523のプリズムシート210から離れる一端である。第2光出射面523は、第1光出射面513に平行に対向するとともに、第1バックライトモジュール100の光出射面111に直交している。第2光源502は、第2光入射端521に対応して配置されている。第2光源502によって生成された光は、第2光入射端521から第2導光板520に入射し、第2光出射面523から平面光源として斜めに出射し、プリズムシート210の光入射面213に到達する。光は、プリズムシート210により屈折して補正されて第2バックライトBL2になり、透過領域310に入射する。第2導光板520及び第2光源502は、第1導光板510及び第1光源501と同じようにプリズムシート210を使用することにより、透過領域310により均一な光を提供することができる。
【0026】
また、本実施例において、第1光源501及び第2光源502を同時に点灯させることにより、より良い均一な光を提供することができる。ただし、他の異なる実施形態において、第1光源501及び第2光源502からの光がそれぞれ異なる時間にプリズムシート210に到達するように、第1光源501及び第2光源502を交互に点灯させてもよい。さらに、プリズムシート210上のプリズム211の光分散設計によって、3次元画像を表示することが可能である。
【0027】
図6Aに示すように、プリズムシート210上のプリズム211は、第1プリズム面710及び第2プリズム面720を含んでいる。第1プリズム面710は、コリメートバックライト光源によって生成された光とは反対側に面し、第2プリズム面720面は、コリメートバックライト光源によって生成された光に面している。第1プリズム面710及び第2プリズム面720は、非対称に配置されている。具体的に、第2プリズム面720と光入射面213の法線方向とのなす角度は、第1プリズム面710と光入射面213の法線方向とのなす角度よりも大きい。例えば、第2プリズム面720は、光入射面213に垂直であることが好ましい。これにより、第1プリズム面710は、より多い光を受光することができ、光効率を高めることができる。また、第1光出射面513からの光の平均指向角θは、50度から80度の範囲内にあることが好ましい。また、より良い補正効果を達成するために、第1プリズム面710と光入射面213とのなす角度は、50度よりも小さいことが好ましい。ここで、第1プリズム面710と光入射面213とのなす角度は、第1プリズム面710と光入射面213との間にプリズム211内の角度を指す。第1導光板510の底面に配置された光出射微細構造515の角度を適切に調整することにより、第1光出射面513からの傾斜な発光角度を制御することができる。また、光がプリズムシート210において異なる位置に到達するために、第1光入射端511に近い位置及び第1光入射端511から遠い位置からの光がそれぞれ異なる発光角度を持つように、第1光入射端511に近い光出射微細構造515及び第1光入射端511から遠い光出射微細構造515が異なる光出射角を有するように設計する。
【0028】
図6Bに示す実施例において、プリズムシート210の両側には、それぞれ、コリメートバックライト光源230の第1導光板510及び第2導光板520が配置されている。本実施例において、プリズム211は、第1導光板510及び第2導光板520から出射された光にそれぞれ対応して対称に配置されている。つまり、第1導光板510に近いプリズム211及び第2導光板520に近いプリズム211は、その第1プリズム面710及び第2プリズム面720は、互いに逆に配置されている。このように、第1導光板510及び第2導光板520から出射する光を効果的に補正することができる。
【0029】
他の異なる実施例において、プリズムシート210は、フレネルレンズ(Fresnel Lens)であってもよい。本実施例において、プリズム211は、プリズムシート210上に同心円状に分布している。
図6Cに示すように、大きな角度から入射した光に対応して補正するために、第1プリズム面710と第2プリズム面720とのなす角度は、プリズム211の中心に近いほど大きくなるようにしている。ただし、本発明はこれに限定されない。他の実施例において、プリズム211は、同心円状に配置されるほかに、ストリップ状に配置されてもよい。上述したように、第1プリズム面710及び第2プリズム面720が非対称に配置されるプリズム211により、1つのプリズム211で両側から光の受光量の差を大きくすることができる。また、このようなプリズム211は、透過モードで透過領域310を介して表示物800の画像を見たとき、ぼやけた輪郭を低減できるため、表示物800の輪郭がはっきりに見えるようになる。
【0030】
図7に示す別の実施例において、コリメートバックライト光源230は、第1導光板510の第1光入射端511とは異なる他端に配置される第1補助光源503をさらに含む。第1導光板510は、第1補助光源503に配置され、第1光入射端511に垂直して接続されることが好ましい。第1光入射端511は、第1補助光源503の一端に垂直して配置されるため、第1光源501によって生成された光の方向は、第1補助光源503によって生成された光の方向に対して垂直であることが好ましい。第1補助光源503によって生成された光は、第1導光板510に入射した後、導光されて第1光出射面513から柱状空間Dに向けて出射する。透過モードに切り替えた場合、表示物800に光を補うために、第1補助光源503が点灯するように制御される。表示モードに切り替えた場合、第1補助光源503が消灯するように制御されることが好ましい。これにより、透過モードで透過領域310を介して見た表示物800の鮮明度を向上させることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施例をあげ説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、多少の変動や潤色を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の記載を基準とする。
【符号の説明】
【0032】
100 第1バックライトモジュール
110 導光板
111 光出射面
130 側光源
200 第2バックライトモジュール
210 プリズムシート
211 プリズム
213 光入射面
230 コリメートバックライト光源
300 光変調パネル
301 表示側部
303 裏側部
310 透過領域
400 制御モジュール
501 第1光源
502 第2光源
503 第1補助光源
510 第1導光板
511 第1光入射端
513 第1光出射面
515 光出射微細構造
520 第2導光板
521 第2光入射端
523 第2光出射面
710 第1プリズム面
720 第2プリズム面
800 表示物
C 軸線
D 柱状空間