特許第5945450号(P5945450)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945450高屈折率硬化性液体発光ダイオード封止材配合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945450
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】高屈折率硬化性液体発光ダイオード封止材配合物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/58 20060101AFI20160621BHJP
   C08G 79/00 20060101ALI20160621BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20160621BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   C08G77/58
   C08G79/00
   C08L83/04
   C08K3/22
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-105584(P2012-105584)
(22)【出願日】2012年5月7日
(65)【公開番号】特開2012-241191(P2012-241191A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2015年4月23日
(31)【優先権主張番号】13/109,045
(32)【優先日】2011年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガロ・ハーナリアン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ジェイ.ポーパ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール.エル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイジュン・チョウ
【審査官】 安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−102297(JP,A)
【文献】 特開2008−138207(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0146324(US,A1)
【文献】 特表2009−513788(JP,A)
【文献】 特開2010−144137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/58
C08G 79/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード封止材として使用するための硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体であって;
5nm未満の平均ドメインサイズを有するTiOドメインを有するポリシロキサンプレポリマーを当該複合体が含み;
前記ポリシロキサンプレポリマーが平均組成式:
【化1】
を有し、
各RおよびRは独立してC6−10アリール基およびC7−20アルキルアリール基から選択され;
各Rはフェノキシフェニル基であり;
各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基から選択され;
各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基、C6−10アリール基およびフェノキシフェニル基から選択され;
各Zは独立してヒドロキシル基およびC1−10アルコキシ基から選択され;
0≦a≦0.005であり;
0.8495≦b≦0.9995であり;
0.0005≦c≦0.10であり;
0<d≦0.15であり;
前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が全固形分基準で20〜60モル%のTiOを含み;
各xは独立して0、1および2から選択され;
各yは独立して1、2および3から選択され;
a+b+c+d=1であり;
前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が1.61より大きく1.7以下の屈折率を示し;並びに、
前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が室温および大気圧で液体である;
硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体。
【請求項2】
a)非プロトン性溶媒中で
(i)式R(R)Si(ORを有するD単位、
(ii)式RSi(ORを有するT単位、
(iii)場合によって、式RSiORを有するM単位、および
(iv)場合によって、式Si(ORを有するQ単位
を一緒にし(式中、各R、R、RおよびRは独立して水素原子、C1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基から選択される);
(b)前記(a)の一緒にしたものに、水およびアルコールの混和性混合物中の酸を添加して反応混合物を形成し;
(c)前記反応混合物を反応させ;
(d)非プロトン性溶媒中の有機チタナートを前記(c)の反応させられた反応混合物に添加し;
(e)前記(d)の生成物に水を添加し;
(f)前記(e)の生成物を加熱して、それを反応させ;並びに
(g)前記(f)の生成物を精製して、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を提供する;
工程を含む、請求項1に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造方法
【請求項3】
前記提供される硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が95重量%以上の純度を有する、請求項2に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造方法
【請求項4】
前記D単位が式
【化2】
(式中、各Rは独立して水素およびC1−4アルキル基から選択される)
を有する請求項3に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造方法
【請求項5】
各Rがメチル基である、請求項4に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造方法
【請求項6】
前記T単位が式
【化3】
(式中、各Rは独立して水素およびC1−4アルキル基から選択される)
を有する請求項4に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造方法
【請求項7】
各Rがメチル基である、請求項6に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造方法
【請求項8】
複数の個々の半導体発光ダイオードダイを有する支持構造と、
前記複数の個々の半導体発光ダイオードダイに対応する複数の空洞を有する型と
を含む発光ダイオード製造アセンブリであって;
前記複数の空洞が請求項1に記載の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体で満たされており;並びに、前記複数の空洞内に収容された前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体中に、前記複数の個々の半導体発光ダイオードダイがそれぞれ少なくとも部分的に浸漬されているように、前記支持構造および前記型が配置されている;
発光ダイオード製造アセンブリ。
【請求項9】
空洞がレンズの形状である請求項8に記載の発光ダイオード製造アセンブリ。
【請求項10】
硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を複数の空洞に注入するのを容易にする複数のフィードチャンネルを前記型がさらに含んでいる、請求項8に記載の発光ダイオード製造アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5nm未満の平均ドメインサイズを有するTiOドメインを有するポリシロキサンプレポリマーを含む硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体であって、
前記ポリシロキサンプレポリマーが平均組成式:
【化1】
を有し;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が(全固形分基準で)20〜60モル%のTiOを含み;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が1.61より大きく1.7以下の屈折率を示し;並びに、前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が室温および大気圧で液体である;硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体に関する。本発明はさらに、発光ダイオード製造アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)デバイスは典型的には、光学的に透明でかつ熱的に安定な材料によって封止されるLEDダイを含む。この封止材料は概して以下の3つの機能の少なくとも1つに役立つ:すなわち、(1)それは発光ダイオードをデバイスへ組み込むのを容易にする;(2)それは発光ダイオードの脆い配線に対する保護を提供する;並びに(3)それは高屈折率のダイと低屈折率の空気との間の屈折率的中間物として挙動する。あるLEDデバイスにおいては、あらかじめ成形されたプラスチックレンズもしくはガラスレンズが、LEDダイが搭載されるパッケージに固定されるかまたは結合される。次いで、LEDダイとプラスチックレンズ(または、ガラスレンズ)との間の空洞に硬化性液体封止材料が注入され、その後硬化されて、LEDダイを完全に密封する。
【0003】
インライン成形プロセスを使用してLEDダイ上に硬化性液体封止材料を直接成形する傾向が増大している。これらインライン成形プロセスにおいては、硬化性液体封止材料は、LEDダイを収容する型の空洞(mold cavity)内に注入されもしくは入れられて(または、LEDダイがその中に浸漬されて)、次いで、この封止材料を硬化させ、この封止材料はLEDダイを封止しかつLEDダイから出る光を形作るためのレンズを形成する。このインライン成形プロセスはLEDデバイスへのレンズの予備製造および組立をなくする。その結果、このようなインライン成形プロセスは、LEDデバイスの、さらなるコスト効果的な大量生産を約束する。
【0004】
よって、高屈折率ポリマーは発光ダイオードデバイス用途における使用のためのレンズおよび封止材料として興味深い。例えば、LEDデバイスの製造においては、製造者は可視領域において高い透明度で、高屈折率(すなわち、約1.60以上の屈折率)で、および何万もの操作時間にわたって優れた熱安定性の光学ポリマーを望んでいる。高屈折率材料の使用は、同じ駆動電流でLEDダイからの光取り出し効率(light extraction efficiency)を著しく向上させることができ、よってLEDデバイスをよりエネルギー効率的にする。さらに、LEDデバイス産業は液体プレポリマーを使用し、次いで、これはそのデバイスの大部分がすでに組立てられた後で所定の場所で硬化される。よって、この硬化性ポリマーシステムは最小限の収縮を示さなければならず、かつこの組立てられたデバイスに害を与えない条件下で硬化可能でなければならない。
【0005】
LEDダイを封止するのに従来使用されてきた材料には、エポキシ樹脂およびシリコーンが挙げられる。従来のエポキシ樹脂は紫外光へのまたは高温条件への曝露後に時間の経過と共に劣った光安定性を示す傾向がある(すなわち、それらは時間の経過と共に黄変する傾向がある)。この黄変は時間の経過によるLEDデバイスからの光出力の低下をもたらす。一方、従来のシリコーンはかなり良好な熱および光安定性を示す。その結果、シリコーンはLEDデバイスにおける使用のために優勢な封止材となってきている。しかし、従来のシリコーン封止材は1.41〜1.57(550nmで測定)の範囲の屈折率を示す。さらに、未硬化状態での流動性のような他の鍵となる性能特性を悪化させることなく、約1.6より高い屈折率(550nmで測定)を達成するのは困難であることが証明された。
【0006】
封止材の屈折率は、どのくらいの量の光がLEDデバイスから取り出されるかを決定するのに重要な役割を果たす。これは、光が固体状態の高屈折率LEDダイから低屈折率ポリマー媒体へ進んでいく場合における光の全部のもしくは非常に高い内部反射のせいである。典型的なLEDダイは約2.5の屈折率を有する。よって、未硬化状態での流動性を維持しつつ、より高い屈折率を有するシリコーン封止材を得ることに大きな興味が存在している。
【0007】
ポリマーの屈折率はその構成基のモル屈折によって決定される。市販のシリコーンモノマーは主に脂肪族基とフェニル基との組み合わせである。これは従来の硬化性液体シリコーンにおける屈折率を上限1.57〜1.58に効果的に限定する。ポリ(ジフェニルシロキサン)の屈折率は1.61であるが、それは固体ポリマーである。多くの用途が液体プレポリマーを必要とするので、液体を得て、ブレンドされた材料の屈折率の低減をもたらすために、より低いガラス転移温度(T)のモノマーをジフェニルシロキサンモノマーとブレンドすることが必要である。このことは、示されたように、屈折率1.57〜1.58の上限を導く。
【0008】
シリコーンポリマーの屈折率を増大させるために2つのアプローチが示唆されてきた。1つのアプローチは有機ポリシロキサンをTiOのような屈折率エンハンサーとブレンドすることである。もう一方のアプローチはシリコーン前駆体をチタンアルコキシドと反応させることである。これらにもかかわらず、製造される生成物の不均質さのせいでこのような材料によって示される屈折率は期待されるよりも低く、かつこれら複合体は処理するのが困難である(すなわち、それらは不均質かつ非流動性である)。
【0009】
液体プレポリマーの1つのグループがコーナー(Conner)らによって米国特許出願公開第2009/0039313号に開示されている。コーナーらは、式I
【化2】
を有する(チオ)フェノキシフェニルフェニルシランを含む(チオ)フェノキシフェニルフェニルシラン組成物を開示する:式中、Phは置換基としてPh−Q−、−Si(Ph)(OR)および4つの水素原子を有するフェニル環であり;Ph−Qは、PhがフェニルでありかつQが酸素原子、硫黄原子およびこの組み合わせから選択される(チオ)フェノキシ基であり;Ph−QはPhフェニル環上でSi原子に対してオルト−、メタ−もしくはパラ−の位置にあり;Phはフェニルであり;並びにRは独立して水素原子、C1−10炭化水素基およびこの組み合わせから選択され;C1−10炭化水素基は独立して、線状、分岐もしくは環式C1−10アルキル、フェニル、置換フェニル、アリールアルキルおよびこの組み合わせから選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0039313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それにもかかわらず、発光ダイオードの製造に使用するための透明な高屈折率の材料についての必要性が依然としてある。特に、高い屈折率、良好な熱安定性および透明性を有し、液体であるか、または一部分が硬化している間、もしくはその双方で液体である硬化性組成物を形成する発光ダイオード封止材配合物についての必要性が依然としてある。多くの場合には、硬化されてエラストマーになり得るシリコーン組成物が必要とされる。この場合には、架橋されて硬化した組成物を形成できる液体シリコーン複合体ベースの前駆体を有するのが便利である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、(好ましくは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定して)5nm未満の平均ドメインサイズを有するTiOドメインを有するポリシロキサンプレポリマーを含む(から本質的になる)、発光ダイオード封止材として使用するための硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体であって、
前記ポリシロキサンプレポリマーが平均組成式:
【化3】
を有し、各RおよびRは独立してC6−10アリール基およびC7−20アルキルアリール基から選択され;各Rはフェノキシフェニル基であり;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基から選択され;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基、C6−10アリール基およびフェノキシフェニル基から選択され;各Zは独立してヒドロキシル基およびC1−10アルコキシ基から選択され;0≦a≦0.005であり;0.8495≦b≦0.9995であり;0.001≦c≦0.10であり;0<d≦0.15であり;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が(全固形分基準で)20〜60モル%のTiOを含み;xは0、1および2から選択され;yは1、2および3から選択され;a+b+c+d=1であり;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が1.61より大きく1.7以下の屈折率を示し;並びに、前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が室温および大気圧で液体である;硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を提供する。
【0013】
本発明はまた、(好ましくは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定して)5nm未満の平均ドメインサイズを有するTiOドメインを有するポリシロキサンプレポリマーを含む硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体であって、
前記ポリシロキサンプレポリマーが平均組成式:
【化4】
を有し、各RおよびRは独立してC6−10アリール基およびC7−20アルキルアリール基から選択され;各Rはフェノキシフェニル基であり;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基から選択され;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基、C6−10アリール基およびフェノキシフェニル基から選択され;各Zは独立してヒドロキシル基およびC1−10アルコキシ基から選択され;0≦a≦0.005であり;0.8495≦b≦0.9995であり;0.001≦c≦0.10であり;0<d≦0.15であり;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が(全固形分基準で)20〜60モル%のTiOを含み;xは0、1および2から選択され;yは1、2および3から選択され;a+b+c+d=1であり;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が1.61より大きく1.7以下の屈折率を示し;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が室温および大気圧で液体であり;前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が(a)非プロトン性溶媒中で(i)式R(R)Si(ORを有するD単位、(ii)式RSi(ORを有するT単位、(iii)場合によって、式RSiORを有するM単位、および(iv)場合によって、式Si(ORを有するQ単位を一緒にし(式中、各R、R、RおよびRは独立して水素原子、C1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基から選択される);(b)前記(a)の一緒にしたものに、水およびアルコールの混和性混合物中の酸を添加して反応混合物を形成し;(c)前記反応混合物を反応させ;(d)非プロトン溶媒中の有機チタナートを前記(c)の反応させられた反応混合物に添加し;(e)前記(d)の生成物に水を添加し;(f)前記(e)の生成物を加熱して、それを反応させ;並びに(g)前記(f)の生成物を精製して、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を提供することによって製造される;硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を提供する。
【0014】
本発明は、また、複数の個々の半導体発光ダイオードダイを有する支持構造と、前記複数の個々の半導体発光ダイオードダイに対応する複数の空洞を有する型とを含む発光ダイオード製造アセンブリであって;前記複数の空洞が本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体で満たされており;並びに、前記複数の空洞内に収容された前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体中に、前記複数の個々の半導体発光ダイオードダイがそれぞれ少なくとも部分的に浸漬されているように、前記支持構造および前記型が配置されている;発光ダイオード製造アセンブリを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
シロキサンポリマーはエレクトロニクス産業において多くの用途を確立してきた。例えば、シロキサンポリマーはアンダーフィル配合物、保護コーティング、ポッティング剤、ダイ結合剤、封止材としての、並びに発光ダイオードのためのレンズとしての用途を有する。しかし、エレクトロニクス産業での多くの用途においては、使用されるポリマーが液体硬化性形態であることを余儀なくすることに伴う制約を考えると、特別な要件が提示される。すなわち、多くのこのような用途(例えば、アンダーフィルおよびレンズ成形)においては部分的にもしくは完全に閉じた空間が液体硬化性材料で満たされ、この液体硬化性材料はその後硬化される。例えば、発光ダイオードのためのレンズの製造においては、レンズを形成するために、閉じた型が一般的に使用される。この液体硬化性材料はこの型の空洞内に分配されまたは注入されて、次いで硬化される。このような成形プロセスにおいては、この系からの溶媒の除去またはガス排気を助ける必要性を回避するために、使用される液体硬化性材料中の揮発性物質の含有量を最小限にすることが望まれる。
【0016】
本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は、半導体発光ダイオードダイ(好ましくは、複数の半導体発光ダイオードダイ)を有する発光ダイオードを製造するのを助けるように設計され、この半導体発光ダイオードダイ(単数または複数)は硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体内に少なくとも部分的に封止される(好ましくは、完全に封止される)。具体的には、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は、高いTiO含有量で、最小限しか(4重量%未満、好ましくは2.5重量%未満)または全く(すなわち、ニート)溶媒を含まないにもかかわらず、驚くべきことに液体である。本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は高い屈折率(>1.61)も示す。本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体のこれら特性は、それを半導体発光ダイオードの製造における使用に理想的に適するようにする。
【0017】
本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は周知の方法を用いて硬化可能である。好ましくは硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は(好ましくは、100〜200℃で10〜120分間の加熱によって)熱硬化可能である。
【0018】
本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定して5nm未満(好ましくは≦3nm)の平均ドメインサイズを有するTiOドメインを有するポリシロキサンプレポリマーを含み(好ましくは、このプレポリマーから本質的になり);前記ポリシロキサンプレポリマーが平均組成式:
【化5】
を有し、各RおよびRは独立してC6−10アリール基およびC7−20アルキルアリール基から選択され(好ましくは、RおよびRは両方ともフェニル基である);各Rはフェノキシフェニル基であり、このフェノキシフェニル基はケイ素に結合されて、3種の異なる異性体、すなわち、オルト−フェノキシフェニルシラン基、メタ−フェノキシフェニルシラン基またはパラ−フェノキシフェニルシラン基のうちの少なくとも1種を形成しており;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基(好ましくは、C1−5アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびフェニル基;より好ましくはC1−5アルキル基およびフェニル基;最も好ましくはメチル基およびフェニル基)から選択され;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基、C6−10アリール基およびフェノキシフェニル基(好ましくは、C1−5アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基、フェニル基およびフェノキシフェニル基;より好ましくはC1−5アルキル基、フェニル基およびフェノキシフェニル基;最も好ましくは、メチル基、フェニル基およびフェノキシフェニル基)から選択され;各Zは独立してヒドロキシル基およびC1−10アルコキシ基(好ましくは、ヒドロキシル基およびC1−4アルコキシ基;より好ましくは、ヒドロキシル基およびC1−2アルコキシ基)から選択され;0≦a≦0.005であり;0.8495≦b≦0.9995であり(好ましくは、0.9≦b≦0.9995であり;より好ましくは、0.9≦b≦0.9992であり;最も好ましくは、0.95≦b≦0.9992である);0.0005≦c≦0.10であり(好ましくは、0.0008≦c≦0.10であり;より好ましくは、0.001≦c≦0.06であり;最も好ましくは、0.001≦c≦0.02である);0<d≦0.15であり(好ましくは、0<d≦0.099であり;より好ましくは、0<d≦0.04であり;最も好ましくは、0.0005≦d≦0.02である);前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が(全固形分基準で)20〜60モル%(好ましくは20〜58モル%;より好ましくは30〜58モル%;最も好ましくは50〜58モル%)のTiOを含み;各xは独立して0、1および2から選択され(すなわち、プレポリマーに含まれる各RSiO(4−x−y)/2基について、xは同じであって良く、または異なっていてよい);各yは独立して1、2および3から選択され(すなわち、プレポリマーに含まれる各RSiO(4−x−y)/2基について、yは同じであって良く、または異なっていてよい);a+b+c+d=1であり;並びに、前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が室温および大気圧で液体である。好ましくは、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は1.61より大きく1.7以下、より好ましくは1.63〜1.66、最も好ましくは1.64〜1.66の屈折率を示す。好ましくは、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は、実施例において説明される条件下で測定して、600,000Pas未満、より好ましくは4〜100,000Pas、最も好ましくは4〜20,000Pasの粘度を示す。好ましくは、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は熱硬化可能であり、場合によっては触媒の添加を伴う。
【0019】
好ましくは、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は、(a)非プロトン性溶媒中で(i)式R(R)Si(ORを有するD単位(好ましくは84.95〜99.95モル%、より好ましくは90〜99.95モル%、さらにより好ましくは90〜99.92モル%、最も好ましくは95〜99.92モル%のD単位)、(ii)式RSi(ORを有するT単位(好ましくは0.05〜10モル%、より好ましくは0.08〜10モル%、さらにより好ましくは0.1〜6モル%、最も好ましくは0.1〜2モル%のT単位)、(iii)場合によって、式RSiORを有するM単位(好ましくは、0〜0.5モル%のM単位)、および(iv)場合によって、式Si(ORを有するQ単位(好ましくは0〜15モル%、より好ましくは0〜9.9モル%、さらにより好ましくは0〜4モル%、最も好ましくは0.05〜2モル%のQ単位)を一緒にし;ここで、各RおよびRは独立してC6−10アリール基およびC7−20アルキルアリール基から選択され、好ましくはRおよびRは両方ともフェニル基であり;各Rはフェノキシフェニル基であり、このフェノキシフェニル基はケイ素に結合されて、3種の異なる異性体、すなわち、オルト−フェノキシフェニルシラン基、メタ−フェノキシフェニルシラン基またはパラ−フェノキシフェニルシラン基のうちの少なくとも1種を形成しており;各Rは独立してC1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基(好ましくは、C1−5アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびフェニル基;より好ましくはC1−5アルキル基およびフェニル基;最も好ましくはメチル基およびフェニル基)から選択され;各R、R、RおよびRは独立して水素原子、C1−10アルキル基、C7−10アリールアルキル基、C7−10アルキルアリール基およびC6−10アリール基(好ましくは水素およびC1−5アルキル基;より好ましくは水素およびメチル基;最も好ましくはメチル基)から選択される;(b)前記(a)の一緒にしたものに、水およびアルコール(好ましくは、C1−8アルキルヒドロキシド、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)の混和性混合物中の酸(好ましくは、鉱酸;より好ましくは、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸および臭化水素酸から選択される鉱酸;さらにより好ましくは、塩酸、硝酸および硫酸から選択される鉱酸;最も好ましくは塩酸)を(好ましくは、滴下添加によって;より好ましくは、温度を0〜80℃に維持しながらの滴下添加によって;最も好ましくは、温度を15〜70℃に維持しながらの滴下添加によって)添加して反応混合物を形成し;(c)前記反応混合物を(好ましくは、0〜80℃の温度で前記反応混合物を維持しつつ;より好ましくは、15〜70℃の温度で前記反応混合物を維持しつつ)反応させ;(d)非プロトン溶媒中の有機チタナートを前記(c)の反応させられた反応混合物に(好ましくは、滴下添加によって;より好ましくは、温度を30〜100℃に維持しながらの滴下添加によって;最も好ましくは、温度を70℃に維持しながらの滴下添加によって)添加し;(e)前記(d)の生成物に水を(好ましくは、滴下添加によって;より好ましくは、温度を30〜100℃に維持しながらの滴下添加によって;最も好ましくは、温度を70℃に維持しながらの滴下添加によって)添加し;(f)前記(e)の生成物を加熱して(好ましくは、前記(e)の生成物は60℃以上の温度に、より好ましくは60〜150℃に加熱されて)、それを反応させて、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を形成し;並びに(g)前記(f)の生成物を精製して、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体(好ましくは、当該硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は全固形分基準で20〜60モル%のTiOを含む)を提供することによって製造される。
【0020】
(f)における硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の形成は、エタノール、メタノール、イソプロパノールおよび水のような副生成物の形成ももたらす。これら副生成物は、(g)において硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体から有利に除去される。好ましくは、これら副生成物は(g)において、蒸留および回転エバポレーション(roto−evaporation)の少なくとも一方によって、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体から除去される。場合によっては、これら副生成物の除去を助けるために抽出溶媒が使用されうる。抽出溶媒の例には、C5−12線状、分岐および環式アルカン(例えば、ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサン);エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエーテルエーテルおよびエチレングリコールジメチルエーテル);ケトン(例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン);エステル(例えば、酢酸ブチル、乳酸エチルおよびプロピレングリコールメチルエーテルアセタート);ハロゲン化溶媒(例えば、トリクロロエタン、ブロモベンゼンおよびクロロベンゼン);シリコーン溶媒(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン);並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造に使用されるD単位は下記式を有する:
【化6】
式中、各Rは独立して水素およびC1−4アルキル基から選択される(より好ましくは、各Rはメチル基である)。
【0022】
好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造に使用されるT単位は下記式を有する:
【化7】
式中、各Rは独立して水素およびC1−4アルキル基から選択される(より好ましくは、各Rはメチル基である)。
【0023】
好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造に使用される酸はブレンステッド酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、クエン酸、塩酸、硫酸およびリン酸)から選択される。より好ましくは、使用されるこの酸は酢酸および塩酸から選択される。最も好ましくは、使用されるこの酸は塩酸である。
【0024】
好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造に使用される有機チタナートは、式(R10O)Ti(f−1)、(式中、各R10は独立してC1−20アルキル基、C6−10アリール基、C7−20アルキルアリール基およびC7−20アリールアルキル基から選択され;fは1、2、3、4および5から選択され;並びに、e=2(f+1)である)に従う有機チタナートから選択される。より好ましくは、有機チタナートはテトラエチルチタナート、テトライソプロピルチタナート、テトラ−n−プロピルチタナート、テトラ−n−ブチルチタナート、テトライソオクチルチタナート、テトライソステアロイルチタナート、テトラオクチレングリコールチタナート、エトキシビス(ペンタン−2,4−ジオナト−0,0’)プロパン−2−オラト)チタニウム、およびチタンテトラブタノラートポリマーから選択される。最も好ましくは、有機チタナートはチタンテトラブタノラートポリマー(例えば、デュポンから入手可能なタイザー(Tyzor(登録商標))BTP)である。
【0025】
好ましくは、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は95重量%以上(より好ましくは98重量%以上)の純度を有する。好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体生成物の純度を上げるために、本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造に使用される原料は精製される。使用される原料は、例えば、蒸留、クロマトグラフィ、溶媒抽出、膜分離および他の周知の精製プロセスによって精製されうる。
【0026】
場合によっては、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は、不活性希釈剤、反応性希釈剤、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)、潤滑添加剤、殺菌剤、難燃剤、コントラスト向上剤(contrast enhancer)、UV安定化剤、光安定化剤、界面活性剤、接着調節剤、レオロジー調節剤、リン光物質、吸収染料、蛍光染料、電気もしくは熱伝導性添加剤、キレート化もしくは金属イオン封鎖剤、酸スカベンジャー、塩基スカベンジャー、金属不動態化剤および金属強化剤(metal fortifier)からなる群から選択される添加剤をさらに含む。
【0027】
本発明の発光ダイオード製造アセンブリは、複数の個々の半導体発光ダイオードダイを有する支持構造と、前記複数の個々の半導体発光ダイオードダイに対応する複数の空洞を有する型とを含み;前記複数の空洞が本発明の硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体で満たされており;並びに、前記複数の空洞内に収容された前記硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体中に、前記複数の個々の半導体発光ダイオードダイがそれぞれ少なくとも部分的に浸漬されるように、前記支持構造および前記型が配置される。好ましくは複数の空洞における空洞のそれぞれはレンズの形状である。好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は熱硬化性である(より好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は100〜200℃で10〜120分間の加熱によって硬化される)。好ましくは、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体は硬化されると、個々の半導体発光ダイオードダイを封止しかつレンズとして機能する。場合によっては、型は、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体を複数の空洞に注入するのを容易にする複数のフィードチャンネルをさらに含む。
【0028】
本発明の発光ダイオード製造アセンブリは、例えば、自動車ヘッドライトアセンブリにおいて使用するように設計された複数の個々の半導体発光ダイオードダイを収容するマニホルドの製造を容易にする。あるいは、本発明の発光ダイオード製造アセンブリは個々の半導体発光ダイオードの製造を容易にする。すなわち、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の硬化の後で、次いで型はこのアセンブリから取り外されることができ、そして基体上の硬化した硬化性ポリシロキサン/TiO複合体によって封止された複数の個々の半導体発光ダイオードダイは複数の個々の半導体発光ダイオードにダイス切り出しされうる。
【0029】
ここで、本発明のいくつかの実施形態が以下の実施例において詳細に説明される。
【実施例】
【0030】
下記構造式
【化8】
を有するシロキサンモノマーは以下の実施例においては「POP」と称される。以下の実施例において使用されるこのPOPモノマーは実施例1に記載される基本的な手順に従って製造された。
【0031】
下記構造式
【化9】
を有するシロキサンモノマーは以下の実施例においてPTMSと称され、これはゲレスト(Gelest)インコーポレーティドから市販されている。
【0032】
実施例1:POPモノマー製造
500mLシュレンクフラスコにジエチルエーテル(400mL)、マグネシウム金属粉体(3.3g、135mmol)およびヨウ化メチル(0.1mL)を入れた。次いで、このフラスコにさらに4−ブロモジフェニルエーテル(32.161g、129mmol)を入れて、この反応混合物を4時間攪拌した。次いで、このフラスコにフェニルトリメトキシシラン(25.601g、129mmol)を添加して、次いで内容物をさらに1時間攪拌した。次いで、このフラスコの内容物を1L分離漏斗に移し、この物質を400mLの蒸留水で2回洗浄した。エーテル層を集め、減圧下で揮発性物質を除去した。ショートパス蒸留によって、粗生成物の純度が、97%以上の純度を有する生成物POPモノマーにさらに精製された。この生成物POPモノマーは500ppm以下しかフェノキシフェニルハライドを含んでいなかった。
【0033】
比較例Aおよび実施例2〜4
硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造
以下の一般的な手順を用いて、表1に示される具体的な量を用いて、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が製造された。具体的には、表1に示された量のPOPおよびPTMSが、100mL3ッ口丸底フラスコ内の13.2gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に添加された。次いで、このフラスコに、5.0gのメタノール、1.0gの水および0.16gの濃塩酸(水中37%、フィッシャーサイエンティフィックより)の溶液が滴下添加された。次いで、フラスコの内容物が70℃に加熱され、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた定温加熱マントルを用いてその温度で1.5時間維持された。8.8gのPGMEAおよび1mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中に溶かされた表1に示される量のチタンテトラブタノラートポリマー(デュポンからタイザー(Tyzor(登録商標))BTPとして入手可能)が、次いで、フラスコ内容物の温度を70℃に維持しつつ、1時間にわたって添加漏斗を介してこのフラスコに滴下添加された。次いで、水(0.1mL)およびPGMEA(4.4g)がこのフラスコに添加された。次いで、このフラスコの内容物が100℃に加熱され1時間にわたって反応させられた。次いで、揮発性物質はショートパス蒸留カラムでフラスコから蒸留除去された。次いで、回転エバポレーションによって、その後、60℃で高真空(25mTorr)の吸引によってこのフラスコ内容物から揮発性物質がさらに除去された。次いで、この生成物である、実施例2〜4の光学的に透明な硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体がこのフラスコから回収された。なお、比較例Aに記載される反応は、乳白色2層混合物を生じさせ、これはコロイドTiO粒子の形成および凝集を示す。
【0034】
【表1】
ζシロキサンモノマー(POP+PTMS)の合計モル数を基準にする。
дタイザーBPT組み込みによって導入されたTiO相当モル量(すなわち、タイザーBPTの1モルあたり3モルのTiO)および両方のシロキサンモノマー(POP+PTMS)の全合計モル数を基準にする。
【0035】
比較例Bおよび実施例5〜8
硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造
以下の一般的な手順を用いて、表2に示される具体的な量を用いて、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が製造された。具体的には、表2に示された量のPOPおよびPTMSが、100mL3ッ口丸底フラスコ内の6.6gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に添加された。次いで、このフラスコに、2.5gのメタノール、0.5gの水および0.08gの濃塩酸(水中37%、フィッシャーサイエンティフィックより)の溶液が滴下添加された。次いで、フラスコの内容物が70℃に加熱され、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた定温加熱マントルを用いてその温度で1.5時間維持された。4.4gのPGMEAおよび0.5mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中に溶かされた表2に示される量のチタンテトラブタノラートポリマー(デュポンからタイザー(Tyzor(登録商標))BTPとして入手可能)が、次いで、このフラスコに、フラスコ内容物の温度を70℃に維持しつつ、1時間にわたって添加漏斗を介して滴下添加された。次いで、水(0.05mL)およびPGMEA(2.2g)がこのフラスコに添加された。次いで、このフラスコの内容物が100℃に加熱され1時間にわたって反応させられた。次いで、揮発性物質はショートパス蒸留カラムを用いてフラスコから蒸留除去された。次いで、回転エバポレーションによって、その後60℃で高真空(25mTorr)の吸引によってこのフラスコ内容物から揮発性物質がさらに除去された。次いで、この生成物である光学的に透明な硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体がこのフラスコから回収された。
【0036】
【表2】
ζシロキサンモノマー(POP+PTMS)の合計モル数を基準にする。
дタイザーBPT組み込みによって導入されたTiO相当モル量(すなわち、タイザーBPTの1モルあたり3モルのTiO)および両方のシロキサンモノマー(POP+PTMS)の全合計モル数を基準にする。
【0037】
実施例9〜12:硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体の製造
以下の一般的な手順を用いて、表3に示される具体的な量を用いて、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体が製造された。具体的には、表3に示された量のPOPおよびPTMSが、100mL3ッ口丸底フラスコ内の15mLのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に添加された。次いで、このフラスコに、5gのメタノール、1gの水および0.16gの濃塩酸(水中37%、フィッシャーサイエンティフィックより)の溶液が滴下添加された。次いで、フラスコの内容物が70℃に加熱され、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた定温加熱マントルを用いてその温度で1.5時間維持された。10mLのPGMEAおよび1mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中に溶かされた表3に示される量のチタンテトラブタノラートポリマー(デュポンからタイザー(Tyzor(登録商標))BTPとして入手可能)が、次いで、このフラスコに、フラスコ内容物の温度を70℃に維持しつつ、1時間にわたって添加漏斗を介して滴下添加された。次いで、水(0.1mL)およびPGMEA(5mL)がこのフラスコに添加された。次いで、このフラスコの内容物が100℃に加熱され1時間にわたって反応させられた。次いで、60℃で高真空下で、回転エバポレーションによって、このフラスコ内容物から揮発性物質がさらに除去された。次いで、生成物である光学的に透明な硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体がこのフラスコから回収された。
【0038】
【表3】
T4.7μLのPTMS材料がこの溶液に添加され、その量は約0.0035gのそのモノマーを含んでいた。
ζシロキサンモノマー(POP+PTMS)の合計モル数を基準にする。
дタイザーBPT組み込みによって導入されたTiO相当モル量(すなわち、タイザーBPTの1モルあたり3モルのTiO)および両方のシロキサンモノマー(POP+PTMS)全合計モル数を基準にする。
【0039】
比較例C〜D
以下の一般的な手順を用いて、表4に示される具体的な量を用いて、組成物が製造された。具体的には、表4に示された量のPOPモノマーが、100mL3ッ口丸底フラスコ内の6.6gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に添加された。次いで、このフラスコに、2.5gのメタノール、0.5gの水および0.08gの濃塩酸(水中37%、フィッシャーサイエンティフィックより)の溶液が滴下添加された。次いで、フラスコの内容物が70℃に加熱され、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた定温加熱マントルを用いてその温度で1.5時間維持された。4.4gのPGMEAおよび0.5mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中に溶かされた表4に示される量のチタンテトラブタノラートポリマー(デュポンからタイザー(Tyzor(登録商標))BTPとして入手可能)が、次いで、フラスコ内容物の温度を70℃に維持しつつ、1時間にわたって添加漏斗を介してこのフラスコに滴下添加された。次いで、水(0.05mL)およびPGMEA(2.2g)がこのフラスコに添加された。次いで、このフラスコの内容物が100℃に加熱され1時間にわたって反応させられた。比較例CおよびDのそれぞれにおいて得られた生成物は乳白色で完全に不透明であり、これはコロイドTiO粒子の形成および凝集を示す。
【0040】
【表4】
дPOPのモル数およびタイザーBPT組み込みによって導入されたTiO相当モル量(すなわち、タイザーBPTの1モルあたり3モルのTiO)を基準にする。
【0041】
比較例E:一工程製造
6.6グラムのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に溶解されたPOP(2.9g)およびPTMS(0.09g)、並びに4.4gのPGMEAおよび0.5mLの乾燥テトラヒドロフラン(THF)に溶解されたタイザーBTP(0.72g)が100mLの丸底フラスコに入れられた。次いで、このフラスコに、2.5gのメタノール、0.5gの水および0.08gの濃塩酸(水中37%、フィッシャーサイエンティフィックより)の溶液が滴下添加された。次いで、フラスコの内容物が70℃に加熱され、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた定温加熱マントルを用いてその温度で1.5時間維持された。得られた生成物は乳白色で完全に不透明であり、これはコロイドTiO粒子の形成および凝集を示す。
【0042】
比較例VAおよびVC〜VE、並びに実施例V2〜V11
以下の一般的手順を使用し、レオメトリックサイエンティフィックインコーポレーティド(デラウェア州、ニューカッスルの現TAインスツルメンツ)により製造されたレオメトリクスメカニカルスペクトロメーター(RMS−800)を用いて、比較例AおよびC〜E、並びに実施例2〜11からの生成物のそれぞれの粘度が比較例VAおよびVC〜VE、並びに実施例V2〜V11においてそれぞれ評価された。具体的には、各例において、8mm直径の2枚のアルミニウム平行プレートの間に試験されるべき材料のサンプルがロードされ挟まれた。このレオメータ固定具およびプレートは60℃に予備加熱され、この温度で15分間平衡化され、その後プレート間の隙間をゼロに設定した。次いで、100Pa・sより大きい粘度を有する液体サンプルについては、サンプルロードを容易にするために平行プレートの温度が90℃に上げられた。サンプル材料を下部プレート上にロードした後で、そのオーブンが60℃に冷却されるまでこの装置はホールド(HOLD)の状態で置いておかれた。次いで、このサンプル隙間は0.5mmに調節された。隙間設定中に平行プレートの端から出てきた下部プレート上にロードされた余分なサンプルはへらを用いて除去された。温度が平衡に到達したら(約15分後)、次いで、このサンプル隙間は装置マイクロメーターから記録された。次いで、動的周波数掃引が100rad/sから0.1rad/sまで、線形粘弾性範囲内の歪みレベルで開始された。この複素剪断粘度は周波数の関数として記録された。60℃および10rad/sでの粘度データは、各サンプル材料が流動する相対的容易さを示すために表5に報告される。
【0043】
【表5】
【0044】
比較例RBおよび実施例R2〜R12:屈折率
比較例Bおよび実施例2〜12からの生成物の屈折率が、ナトリウムD線で、アタゴデジタル屈折計(モデル:RX−7000α)を用いて、それぞれ比較例RBおよび実施例R2〜R12における目視観察によって決定された。結果は表6に報告される。
【0045】
【表6】
【0046】
実施例S3
実施例3に従って製造された硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体における平均TiOドメインサイズは、ブルカー(Bruker)XFlash(登録商標)5030SDDシリコンドリフトエネルギー分散型x線検出器を備えた、200keVで操作するJEOL2010F電界放射型走査型電子顕微鏡を用いて、透過型電子顕微鏡(TEM)によって約3nmであると決定された。
【0047】
実施例S9
実施例9に従って製造された硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体における平均TiOドメインサイズは、100kV加速電圧で操作するJEOL JEM1230透過型電子顕微鏡を用いて、−70℃で明るいフィールド像を撮るためにガタン(Gatan)791およびガタン794デジタルカメラを使用し、そしてその像をアドビフォトショップ7.0を用いて後加工して、5nm未満であると決定された。
【0048】
実施例C9〜C12
実施例C9〜C12においては、実施例9〜12のそれぞれに従って製造された硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体のサンプルは、それぞれ、熱で硬化させられた。実施例C9〜C12のそれぞれにおいては、硬化性液体ポリシロキサン/TiO複合体材料のサンプルは120℃で設定された対流オーブン内に1時間にわたって置いておかれた。実施例C9〜C12のそれぞれにおいては、対流オーブン内での熱処理の後で、当初液体複合体材料は完全に硬化して剛性固体となった。