特許第5945474号(P5945474)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945474
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】太陽熱集熱装置
(51)【国際特許分類】
   F24J 2/00 20140101AFI20160621BHJP
   H01L 51/44 20060101ALI20160621BHJP
   E04D 13/18 20140101ALI20160621BHJP
   E04D 3/40 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   F24J2/00 A
   H01L31/04 110
   E04D13/18
   E04D3/40 V
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-180880(P2012-180880)
(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公開番号】特開2014-37925(P2014-37925A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】二上 朗
(72)【発明者】
【氏名】矢部 文彦
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−130859(JP,A)
【文献】 特開2003−074154(JP,A)
【文献】 特開2012−007396(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/000358(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24J 2/00
E04D 3/40
E04D 13/18
H01L 51/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集熱器と、太陽電池パネルと、ラックと、間カバーと、間カバー固定具とを備え、ラックは、集熱器取付部と太陽電池パネル取付部を有すると共に取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面が略面一になるように集熱器取付部と太陽電池パネル取付部に段差を設けてあり、間カバーは集熱器と太陽電池パネルとの間を覆っており且つ集熱器の端部を挟持する挟持部を有し、間カバー固定具で挟持部を締め付けて間カバーを集熱器に固定してあることを特徴とする太陽熱集熱装置。
【請求項2】
集熱器と、ラックと、間カバーと、間カバー固定具と、棟側カバーとを備え、ラックは、集熱器取付部と太陽電池パネル取付部を有すると共に取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面が略面一になるように集熱器取付部と太陽電池パネル取付部に段差を設けてあり、間カバーは集熱器の棟側端部外側を覆っており且つ集熱器の棟側端部を挟持する挟持部を有し、間カバー固定具で挟持部を締め付けて間カバーを集熱器に固定してあり、棟側カバーは、間カバーに取付けてラックの太陽電池パネル取付部を覆っていることを特徴とする太陽熱集熱装置。
【請求項3】
集熱器と、ラックと、間カバーと、間カバー固定具と、棟側カバー又は太陽電池パネルとを備え、棟側カバーと太陽電池パネルとは選択自在であり、ラックは、集熱器取付部と太陽電池パネル取付部を有すると共に取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面が略面一になるように集熱器取付部と太陽電池パネル取付部に段差を設けてあり、間カバーは集熱器の棟側端部を挟持する挟持部を有し、間カバー固定具で挟持部を締め付けて間カバーを集熱器に固定してあり、ラックの太陽電池パネル取付部に太陽電池パネルを取り付ける場合には、間カバーが集熱器と太陽電池パネルとの間を覆い、ラックの太陽電池パネル取付部に太陽電池パネルを取り付けない場合には、間カバーに棟側カバーを取付けてラックの太陽電池パネル取付部を覆うことを特徴とする太陽熱集熱装置。
【請求項4】
集熱器と、ラックと、軒側カバーと、軒側カバー固定具とを備え、ラックは、集熱器取付部を有し、軒側カバーは集熱器の軒側端部外側でラックを覆っており且つ集熱器の軒側端部を挟持する挟持部を有し、軒側カバー固定具で挟持部を締め付けて軒側カバーを集熱器に固定してあることを特徴とする太陽熱集熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根に取付けて太陽熱を集熱器で受ける太陽熱集熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、屋根に取り付ける集熱器が開示されている。非特許文献1には、かかる集熱器を屋根に取り付けた状態が詳細に示されていないが、集熱器はラック(構造材)で屋根に取り付けると共に、集熱器の端部の外側に配管を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】第24頁「太陽エネルギー総合カタログ2012.II」株式会社ノーリツ 2012年5月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、太陽熱集熱装置は集熱器の配管や集熱器を屋根に取り付けるためのラック(構造材)が剥き出しになっていたので、外観を損なうと共にラックとの取付部や配管があるところでは取付部や配管が風雨に晒されて劣化し易いという問題があった。
また、太陽熱集熱装置は高所での設置作業になるので、簡単に作業できることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、設置作業が簡単で、外観が良く且つラックとの取付部や配管があるところでは配管の劣化を防止できる太陽熱集熱装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、集熱器と、太陽電池パネルと、ラックと、間カバーと、間カバー固定具とを備え、ラックは、集熱器取付部と太陽電池パネル取付部を有すると共に取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面が略面一になるように集熱器取付部と太陽電池パネル取付部に段差を設けてあり、間カバーは集熱器と太陽電池パネルとの間を覆っており且つ集熱器の端部を挟持する挟持部を有し、間カバー固定具で挟持部を締め付けて間カバーを集熱器に固定してあることを特徴とする太陽熱集熱装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、集熱器と、ラックと、間カバーと、間カバー固定具と、棟側カバーとを備え、ラックは、集熱器取付部と太陽電池パネル取付部を有すると共に取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面が略面一になるように集熱器取付部と太陽電池パネル取付部に段差を設けてあり、間カバーは集熱器の棟側端部外側を覆っており且つ集熱器の棟側端部を挟持する挟持部を有し、間カバー固定具で挟持部を締め付けて間カバーを集熱器に固定してあり、棟側カバーは、間カバーに取付けてラックの太陽電池パネル取付部を覆っていることを特徴とする太陽熱集熱装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、集熱器と、ラックと、間カバーと、間カバー固定具と、棟側カバー又は太陽電池パネルとを備え、棟側カバーと太陽電池パネルとは選択自在であり、ラックは、集熱器取付部と太陽電池パネル取付部を有すると共に取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面が略面一になるように集熱器取付部と太陽電池パネル取付部に段差を設けてあり、間カバーは集熱器の棟側端部を挟持する挟持部を有し、間カバー固定具で挟持部を締め付けて間カバーを集熱器に固定してあり、ラックの太陽電池パネル取付部に太陽電池パネルを取り付ける場合には、間カバーが集熱器と太陽電池パネルとの間を覆い、ラックの太陽電池パネル取付部に太陽電池パネルを取り付けない場合には、間カバーに棟側カバーを取付けてラックの太陽電池パネル取付部を覆うことを特徴とする太陽熱集熱装置である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、集熱器と、ラックと、軒側カバーと、軒側カバー固定具とを備え、ラックは、集熱器取付部を有し、軒側カバーは集熱器の軒側端部外側でラックを覆っており且つ集熱器の軒側端部を挟持する挟持部を有し、軒側カバー固定具で挟持部を締め付けて軒側カバーを集熱器に固定してあることを特徴とする太陽熱集熱装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、間カバーが集熱器と太陽電池パネルとの間にあるラックとの取付部や配管がある場合には配管を覆うので、外観が良く且つこれらの劣化を防止できる。
間カバーは、挟持部を間カバー固定具で締め付けて集熱器に固定しているので、取り付け作業が簡単にできる。
ラックの集熱器取付部と太陽電池パネル取付部とには段差を設けて、取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面を略面一にしているので、集熱器と太陽電池パネルを併設しても統一感を得ることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、集熱器の棟側端部に取り付けた間カバーと棟側カバーとで集熱器の棟側端部や、ラックの太陽電池パネル取付部や、配管がある場合には配管を覆うので、外観が良く且つこれらの劣化を防止できる。
間カバーは、挟持部を間カバー固定具で締め付けて集熱器に固定しているので、間カバーの取り付け作業が簡単にできる。
ラックの集熱器取付部と太陽電池パネル取付部とには段差を設けて、取り付けた集熱器と太陽電池パネルの上面を略面一にしているので、棟側カバーを外して集熱器と太陽電池パネルを併設したときに統一感を得ることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、太陽電池パネルを併設する場合には、間カバーが集熱器と太陽電池パネルとの間にあるラックとの取付部や配管がある場合には配管を覆うので、外観が良く且つこれらの劣化を防止できる。
太陽電池パネルを併設しない場合には、集熱器の棟側端部に取り付けた間カバーと棟側カバーとで、集熱器の棟側端部や、ラックの太陽電池パネル取付部や、配管がある場合には配管を覆うので、外観が良いと共にこれらの劣化を防止できる。
間カバーは、挟持部を間カバー固定具で締め付けて集熱器に固定しているので、取り付け作業が簡単にできる。
ラックの集熱器取付部と太陽電池パネル取付部とには段差を設けて取り付けて、集熱器と太陽電池パネルの上面を略面一にしているので、集熱器と太陽電池パネルを併設した場合に統一感を得ることができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、集熱器の軒側端部に取り付けた軒側カバーが集熱器とラックとの取付部や、配管がある場合には配管を覆うので、外観が良いと共にこれらの劣化を防止できる。
軒側カバーは、挟持部を軒側カバー固定具で締め付けて集熱器に固定しているので、軒側カバーの取り付け作業が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置の図であり、図6に示すA−A断面図である。
図2】本発明の第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置の図であり、図6に示すB−B縦断面図である。
図3】本発明の第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置の図であり、図6に示すC−C縦断面図である。
図4】本発明の第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置の図であり、図6に示すE−E縦断面図である。
図5】本発明の第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置の図であり、図6に示すF−F縦断面図である。
図6】本発明の第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置を屋根に設置した状態を示す平面図である。
図7】本発明の第2実施の形態にかかる太陽熱集熱装置の図であり、図8に示すG−G縦断面図である。
図8】本発明の第2実施の形態にかかる太陽熱集熱装置を屋根に設置した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、添付図面の図1図6を参照して本発明の第1実施の形態を詳細に説明する。図6に示すように、第1実施の形態に係る太陽熱集熱装置1は、屋根3の棟3aと軒3bとの間に設置してあり、集熱器5と、太陽電池パネル7とを備えている。
この第1実施の形態では、2つの集熱器5を左右に並べて配置すると共に、2つの集熱器5、5の棟3a側と正面から見て左側とに複数の太陽電池パネル7を並べて、集熱器5と太陽電池パネル7との集合体を構成している。
左右に並べた2つの集熱器5の周囲には間カバー9と、軒側カバー11と、サイドカバー13と、隙間カバー15とが設けてあり、2つの集熱器5、5間にはセンターカバー17が設けてある。
図1に示すように、屋根3には下地材19が設けてあり、下地材19にラック(横ラック)21が固定されており、ラック21に集熱器5と集熱器5の棟側に配置した太陽電池パネル7が取り付けられている。
【0016】
ラック21は、集熱器取付部23と太陽電池パネル取付部25を有しており、太陽電池パネル取付部25を集熱器取付部23より厚み方向の高さを高くした段差T1を形成してあり、取り付けた集熱器5の上面5aと太陽電池パネル7の上面7aが略面一になる高さとしている。換言すると、段差T1は、集熱器5の厚みM1と太陽電池パネル7の厚みM2との略差分としてある。ラック21の太陽電池パネル取付部25側には、上方に突設する間カバー係合部22が設けてある。間カバー係合部22は太陽電池パネル7に当接して位置決めする位置決め部も兼ねている。
集熱器5の棟側端5bの下部には被係止部5cが形成してあり、棟側端5bの上部には棟側に突設する端部5dが形成してある。ラック21の集熱器取付部23には、ボルト27で固定した係止具29が取り付けてあり、係止具29の係止部29aが集熱器5の被係止部5cに係止して、集熱器取付部23に集熱器5を固定している。
【0017】
太陽電池パネル7の軒側端7bの下部には、被係止部7cが形成してあり、ラック21の太陽電池パネル取付部25には、棟側を開口した係止溝31が形成してあり、係止溝31に太陽電池パネル7の被係止部7cを嵌合して太陽電池パネル取付部25に太陽電池パネル7を取付けている。
【0018】
間カバー9は、集熱器5と太陽電池パネル7との間を覆っており且つ集熱器5の端部5dを挟持する挟持部33を有している。挟持部33は、集熱器5の端部5dの上側を覆う一方側挟持部33aと、端部5dの下側に設けた他方側挟持部33bとを有し、他方側挟持部33bは間カバー9と別体の断面L字形状の金具である。他方側挟持部33bは、間カバー9に取り付けた間カバー固定具35aの締め付けにより、一方側挟持部33aと他方側挟持部33bとの間に集熱器5の端部5dを挟んで固定している。
間カバー固定具35aはボルトであり、他方側挟持部33bは間カバー固定具35aの軸部に螺合しており、間カバー固定具35aを回すことにより、他方側挟持部33bが一方側挟持部33a側に移動して、端部5dを挟持すると共に断面L字の起立部34を間カバー9に形成した溝9aに嵌合させている。
間カバー固定具35aの軸部の下端部には、外径が他方側挟持部33bの螺合孔36よりも大きい径を有する落下防止材38が設けてあり、他方側挟持部33bが間カバー固定具35aから落下するのを防止している。
また、間カバー9は太陽電池パネル7側に下方に延出する脚部9bを有しており、脚部9bの下端はラック21の間カバー係合部22に対向して配置してあり、間カバー9が集熱器5の端部5dの回りを回ろうとしたときに、脚部9dが間カバー係合部22に係合して間カバー9が回って外れるのを防止している。
【0019】
図2に示すように、集熱器5の軒側端部には上部に端部5dが設けてあると共に下部に当接部5eが設けてあり、下地材19に固定した軒側ラック(ラック)37の被当接部39に当接して取り付けてある。
軒側ラック37の軒側には上方に起立する軒側カバー係合部41が設けてある。
軒側カバー11は、集熱器5の軒側ラック37を覆っており且つ集熱器5の端部5dを挟持する挟持部33及び軒側カバー固定具35bを有している。軒側カバー11の挟持部33は、間カバーの挟持部33と同様の構成であるから、以下の説明では、同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付してその部分の詳細な説明を省略する。また、軒側カバー固定具35bは、間カバー固定具35aと同種のボルトである。
軒側カバー11には、軒側ラック37の軒側カバー係合部41に対向する被係合部11aを有し、軒側カバー11が端部5dの回りを回ろうとしたときに、係合して外れるのを防止している。
【0020】
図3に示すように、サイドカバー13は、断面略コ字形状を成しており、図6を正面から見て右側の集熱器5の右側端部を覆っていると共にパイプスペース43を有している。サイドカバー13の下側の集熱器側端には被係止部13aが形成してあり、集熱器5の係止部5cに係止して取り付けている。
サイドカバー13の上部の集熱器側には、挟持部33及びサイドカバー固定具35cが設けてあり、集熱器5の端部5dに挟持して固定している。サイドカバー固定具35cは、間カバー固定具35aと同種のボルトである。
【0021】
図4に示すように、隙間カバー15は、集熱器5とその左右方向の隣りに位置する太陽電池パネル7との間に架設して集熱器5と太陽電池パネル7との間を覆っている。隙間カバー15は集熱器固定部45と、太陽電池パネル固定部47とを備えている。集熱器固定部45は、間カバー9の挟持部33と略同じ構成としてあり、挟持部33を隙間カバー固定具35dで締め付けて、集熱器5の端部5dを挟持して固定してある。隙間カバー固定具35dは、間カバー固定具35aと同種のボルトである。
太陽電池パネル固定部47は、カバー支持金具49の一端部49aをボルト51で太陽電池パネル5の支持枠53に固定し、カバー支持金具49の他端部49bをボルト53で隙間カバー15に固定している。
尚、図6に示すように、隙間カバー15の棟側端は間カバー9の上に重ねてねじ54で固定してあり、軒側端は軒側カバー11の上に重ねてねじ54で固定してある。
【0022】
図5及び図6に示すように、センターカバー17は、左右の集熱器5、5間に架設して、左右の集熱器5、5間を覆っている。図5に示すように、センターカバー17の左右端は、各々集熱器5の端部5dに上から被せて係止してあり、図6に示すように、センターカバー17の棟側端は間カバー9の下に重ねてねじ55で固定してあり、同様にセンターカバー17の軒側端は軒側カバー11の下に重ねてねじ55で固定してある。
【0023】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第2実施の形態について説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述の第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符合を付することにより、その部分の説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図8に示すように、この第2実施の形態では、太陽電池パネル7を併設せずに、集熱器5のみを屋根に設置する場合を示している。即ち、2つの集熱器5、5は第1実施の形態と同様に隣り合わせに設けてあり、2つの集熱器5、5の周囲において、左右の両側にそれぞれサイドカバー13を設けていると共に棟側には棟カバー18を取り付けていることが、第1実施の形態と異なっている。
図7に示すように、棟側カバー18は、ラック21の棟側を覆うものであり、間カバー9に固定する固定部18aと、ラック21の係止溝31に係止する係止部18bとを備えている。間カバー9及びラック21は、第1実施の形態と同種のものを用いている。固定部18aは、間カバー9に棟カバー固定具57で固定し、係止部18bを太陽電池パネル取付部23に載置し且つ係止溝31に係止して取り付けてある。棟カバー固定具57はねじである。
【0024】
次に、第1及び第2実施の形態にかかる太陽熱集熱装置1の施工、作用及び効果について説明する。
第1実施の形態にかかる太陽熱集熱装置1を施工する場合には、図1及び図2に示すように、屋根3に下地材19を設置した後、下地材19に各ラック21、37を取り付け、ラック21、37に2つの集熱器5、5を各々取り付ける。集熱器5、5の取り付けは、図2に示すように、軒側ラック37の被当接部39に集熱器5の軒側端の当接部5eを当てた後、図1に示すように、ラック(横ラック)21の集熱器取付部23に集熱器5の棟側端5bを載置して、係止具29の係止部29aを周熱器5の係止部5cに係止した後、ボルト27を締め付けて集熱器5をラック21に固定する。
このようにして左右の集熱器5、5をラック21に固定した後、センターカバー17を集熱器5、5間に配置する。センターカバー17は、屋根の勾配が急な場合等必要に応じてテープで止めておく。
一方、図6に示すように、集熱器5、5の棟側及び正面から見て左側に各太陽電池パネル7を設置する。
【0025】
次に、図2に示すように、軒側カバー11を取り付ける。軒側カバー11の取り付けは、一方側挟持部33aを集熱器5の端部5dに上から被せて、軒側カバー固定具35bを締めて、二点鎖線で示す位置に他方側挟持部33bを移動して仮止めする。
次に、図1に示すように、間カバー9を集熱器5の棟側端に取り付ける。間カバー9の取り付けは、集熱器5の端部5dに一方側挟持部33aを被せて、間カバー固定具35aを締め、他方側挟持部33bを二点鎖線で示す位置に仮止めする。
尚、間カバー固定具35a、軒側カバー固定具35b、サイドカバー固定具35c及び隙間カバー固定具35dには設置作業前に各々軸部に他方側挟持部33bを螺合してあると共に落下防止部材38により他方側挟持部33bが外れるのを防止している。
【0026】
次に、右側集熱器5の右側端にサイドカバー13を取り付ける。図3に示すように、サイドカバー13の取り付けは、被係止部13aを集熱器5の係止部5cに係止し、集熱器5の端部5dに一方側挟持部33aを被せた後、サイドカバー固定具35cを締めて図3に二点鎖線で示す位置に仮止めする。
【0027】
隙間カバー15の取り付けは、図4に示すように、太陽電池パネル7の支持枠53にカバー支持金具49の一端部49aをボルト51で固定し、カバー支持金具49の他端部49bと集熱器5の端部5dの上に隙間カバー15を被せ、隙間カバー固定具35dを締めてカバー支持金具49に固定する。
更に、図6に示すように、サイドカバー13と隙間カバー15の棟側端部及び軒側端部をねじ54、55で固定する。
その後、間カバー固定具35a、軒側カバー固定具35b、サイドカバー固定具35c及び隙間カバー固定具35dを本締めする。
【0028】
つぎに、第2実施の形態に係る太陽熱集熱装置1の施工について説明する。
左右の集熱器5、5間及び左右の集熱器5、5の外周側の上下及び左右に、上述した第1実施の形態と同様に間カバー9、軒側カバー11、サイドカバー13及びセンターカバー17を取り付ける。
次に、図7に示すように、ラック21の太陽電池パネル取付部25に棟カバー18を配置すると共に棟カバー18の係止部18bをラック21の係止溝31に係止し、固定部18aを棟カバー固定具57で間カバー9に固定する。
第2実施の形態においても、間カバー9、軒側カバー11、サイドカバー13を各カバー固定具35a〜35cで仮止めした後、最後に各カバー固定具35a〜35cを本締めする。
【0029】
上述の第1実施の形態によれば、図1に示すように、間カバー9が集熱器5と太陽電池パネル7との間にある集熱器取付部23、太陽電池パネル取付部25や、配管がある場合には配管を覆うので、外観が良く且つこれらの劣化を防止できる。
間カバー9は、挟持部33を間カバー固定具35aで締め付けて集熱器5の端部5dに固定しているので、取り付け作業が簡単にできる。
ラック21の集熱器取付部23と太陽電池パネル取付部25とには、段差T1を設けて集熱器5の上面5aと太陽電池パネル7の上面7aを略面一にしているので、集熱器5と太陽電池パネル7を併設した場合に統一感を得ることができる。
【0030】
第2実施の形態によれば、図7に示すように、集熱器5の棟側端部に取り付けた間カバー9と棟側カバー18とで、ラック21の太陽電池パネル取付部25や、配管がある場合には配管を覆うので、外観が良く且つこれらの劣化を防止できる。
【0031】
第2実施の形態においても、第1実施の形態と同様に、間カバー9は、挟持部33をカバー固定具35で締め付けて集熱器5の端部5dに固定しているので、間カバー9の取り付け作業が簡単にできる。
ラック21の集熱器取付部23と太陽電池パネル取付部25とには、段差T1を設けてあり、図1に示すように、集熱器5に太陽電池パネル7を併設する場合には、集熱器5の上面5aと太陽電池パネル7の上面7aを略面一にしているので、棟側カバー18を外して集熱器5と太陽電池パネル7を併設した場合に統一感を得ることができる。
【0032】
図1に示す第1実施の形態と、図8に示す第2実施の形態において、棟側カバー18と太陽電池パネル7とは選択自在であり、太陽電池パネル7を併設しない場合には、図7に示すように、間カバー9に棟カバー18を取付けているので、太陽電池パネル7を併設する場合でも併設しない場合でもいずれの場合にも、棟カバー18を取り付けるか否かの選択で対応することができ、設置の自由度が高い。
図6に示すように、太陽電池パネル7の棟側に取り付ける棟側カバー18には、図7に示す集熱器5の棟側に取り付ける棟側カバー18と同種のものを用いているので、太陽電池パネル7と集熱器5とで棟側カバー18に同種のものを用いることができ、部品種類を少なくできる。
【0033】
集熱器5の軒側端部に取り付けた軒側カバー11は、軒側ラック37や配管Sを覆うので、外観が良いと共にこれらの劣化を防止できる。
軒側カバー11は、挟持部33を軒側カバー固定具35bで締め付けて集熱器5の端部5dに固定しているので、軒側カバー11の取り付け作業が簡単にできる。
間カバー固定具35a、軒側カバー固定具35b、サイドカバー固定具35c及び隙間カバー固定具35dは同種のボルトを用いているので部品種類を少なくできる。
【0034】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、太陽熱集熱装置1における、集熱器5と太陽電池パネル7との配置は、図6に示す配置に限らず、例えば、左側に設けた3つの太陽電池パネル7は右側の集熱器5の右側に配置しても良いし、太陽電池パネル7は集熱器5の棟側にのみ配置しても良い。
また、太陽熱集熱装置1に配置する集熱器5は左右に3又は4つ設けても良く、太陽電池パネル7は棟側に2列や3列にしたり、左右側に2列や3列にして配置しても良く、集熱器5及び太陽電池パネル7の数は制限されない。
【符号の説明】
【0035】
1 太陽熱集熱装置
5 集熱器
5d 端部
7 太陽電池パネル
9 間カバー
11 軒側カバー
13 サイドカバー
15 隙間カバー
21 ラック(横ラック)
23 集熱器取付部
25 太陽電池パネル取付部
33 挟持部
35a 間カバー固定具
35b 軒側カバー固定具
37 ラック(軒側ラック)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8