特許第5945476号(P5945476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945476情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945476
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160621BHJP
【FI】
   G06Q30/02 312
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-191999(P2012-191999)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-48935(P2014-48935A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】足立 龍太郎
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/050176(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/116938(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/105516(WO,A1)
【文献】 宇治 則孝,クラウドが変える世界,日本経済新聞出版社,2011年 8月25日,初版,pp.135-139
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段と
を備え
前記出力手段は、前記測位関連情報の時間による変化と、前記ユーザ関連情報の時間による変化との間の相関についての情報を求めて出力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記測位関連情報は旅行情報であり、前記ユーザ関連情報は旅行予約情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記測位関連情報はショッピング情報であり、前記ユーザ関連情報は売上情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記測位関連情報は所定の時間帯に所定のエリアに滞在していたユーザの自宅位置の情報であり、前記ユーザ関連情報は前記自宅位置に対応するエリアにおける平均年収の情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段と
を備え、
前記測位関連情報は旅行情報であり、前記ユーザ関連情報は旅行予約情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段と
を備え、
前記測位関連情報はショッピング情報であり、前記ユーザ関連情報は売上情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段と
を備え、
前記測位関連情報は所定の時間帯に所定のエリアに滞在していたユーザの自宅位置の情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段と
を備え、
前記ユーザ関連情報は前記自宅位置に対応するエリアにおける平均年収の情報であることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段と
を備え、
前記ユーザ関連情報は少なくとも期間又は場所に紐付けられた平均年収の情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記測位関連情報は、前記第1のユーザグループのユーザ数についての情報を含み、
前記ユーザ関連情報は、前記第2のユーザグループのユーザ分布についての情報を含み、
前記出力手段は、前記第1のユーザグループのユーザ数についての情報と、前記第2のユーザグループのユーザ分布についての情報とから、前記第1のユーザグループのユーザ分布の推定値についての情報を求めて出力することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
制御手段と記憶手段とを備える情報処理装置において実施される方法であって、
前記制御手段が、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を前記記憶手段に記憶する第1の記憶ステップと、
前記制御手段が、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を前記記憶手段に記憶する第2の記憶ステップと、
前記制御手段が、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶ステップで記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶ステップで記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力ステップと
を備え、
前記出力ステップは、前記測位関連情報の時間による変化と、前記ユーザ関連情報の時間による変化との間の相関についての情報を求めて出力することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
制御手段と記憶手段とを備える情報処理装置において実施される方法であって、
前記制御手段が、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を前記記憶手段に記憶する第1の記憶ステップと、
前記制御手段が、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を前記記憶手段に記憶する第2の記憶ステップと、
前記制御手段が、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶ステップで記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶ステップで記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力ステップと
を備え、
前記測位関連情報は旅行情報であり、前記ユーザ関連情報は旅行予約情報であることを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
制御手段と記憶手段とを備える情報処理装置において実施される方法であって、
前記制御手段が、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を前記記憶手段に記憶する第1の記憶ステップと、
前記制御手段が、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を前記記憶手段に記憶する第2の記憶ステップと、
前記制御手段が、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶ステップで記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶ステップで記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力ステップと
を備え、
前記測位関連情報はショッピング情報であり、前記ユーザ関連情報は売上情報であることを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
制御手段と記憶手段とを備える情報処理装置において実施される方法であって、
前記制御手段が、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を前記記憶手段に記憶する第1の記憶ステップと、
前記制御手段が、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を前記記憶手段に記憶する第2の記憶ステップと、
前記制御手段が、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶ステップで記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶ステップで記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力ステップと
を備え、
前記測位関連情報は所定の時間帯に所定のエリアに滞在していたユーザの自宅位置の情報であることを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
制御手段と記憶手段とを備える情報処理装置において実施される方法であって、
前記制御手段が、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を前記記憶手段に記憶する第1の記憶ステップと、
前記制御手段が、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を前記記憶手段に記憶する第2の記憶ステップと、
前記制御手段が、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶ステップで記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶ステップで記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力ステップと
を備え、
前記ユーザ関連情報は少なくとも期間又は場所に紐付けられた平均年収の情報であることを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータを、
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段
を備え、
前記出力手段は、前記測位関連情報の時間による変化と、前記ユーザ関連情報の時間による変化との間の相関についての情報を求めて出力することを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段
を備え、
前記測位関連情報は旅行情報であり、前記ユーザ関連情報は旅行予約情報であることを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段
を備え、
前記測位関連情報はショッピング情報であり、前記ユーザ関連情報は売上情報であることを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段
を備え、
前記測位関連情報は所定の時間帯に所定のエリアに滞在していたユーザの自宅位置の情報であることを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータを、
測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段、
前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段、
期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段
を備え、
前記ユーザ関連情報は少なくとも期間又は場所に紐付けられた平均年収の情報であることを特徴とする情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS(Global Positioning System: 全地球測位システム)等を利用する情報処理技術に関し、特に、GPSを利用して測位した携帯端末の測位情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
マーケティングのための資料として携帯端末の測位情報を利用する場合、測位情報だけでは資料として不十分であるため、通常、ユーザへのアンケート結果の情報や登録されているユーザの個人情報等を測位情報に付加することが必要となる。例えば、特許文献1には、マーケティング分析に用いる情報として、携帯端末からの測位情報と予め登録されたユーザの属性情報とを収集することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2006−260331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザへのアンケート結果の情報や登録されているユーザの個人情報(属性情報)は、ユーザにより任意に提供される情報であるため測位情報と比較して収集効率が悪く、また、マーケティング分析に用いる情報として付加される情報としては不十分である場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、マーケティング分析に用いる情報をより効果的に集計する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段と、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段と、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る情報処理方法は、制御手段と記憶手段とを備える情報処理装置において実施される方法であって、前記制御手段が、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を前記記憶手段に記憶する第1の記憶ステップと、前記制御手段が、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を前記記憶手段に記憶する第2の記憶ステップと、前記制御手段が、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶ステップで記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶ステップで記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、測位情報を収集可能な第1のユーザグループのユーザについての測位情報を記憶する第1の記憶手段、前記第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報であるユーザ関連情報を記憶する第2の記憶手段、期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、前記第1の記憶手段に記憶された測位情報から求めた測位関連情報と、前記第2の記憶手段に記憶されたユーザ関連情報とを組み合わせて出力する出力手段、として機能させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0010】
また、本明細書等において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、2つ以上の構成の機能が1つの物理的構成により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マーケティング分析に用いる情報をより効果的に集計する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るシステムの構成を示す概念図である。
図2】一実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るサーバ装置に記憶された測位情報及び測位関連情報の構成を示す図である。
図4】一実施形態に係るサーバ装置に記憶された測位関連情報の構成を示す図である。
図5】一実施形態に係るサーバ装置に記憶されたユーザ関連情報の構成を示す図である。
図6】一実施形態において、測位関連情報とユーザ関連情報とを組み合わせた情報の例を示す図である。
図7】一実施形態において、測位関連情報とユーザ関連情報とを組み合わせた情報から求められた情報の例を示す図である。
図8】一実施形態に係るサーバ装置の処理の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、発明の範囲をこれらに限定するものではない。
【0014】
図1を参照して、一実施形態に係るシステムの構成を説明する。情報処理システム1は、サーバ装置10及び携帯端末20などの情報処理装置を主に備える。サーバ装置10と携帯端末20は、ネットワークNを介して相互に通信することができる。なお、図1では、1つの携帯端末20が記載されているが、サーバ装置10と通信可能な携帯端末20は、複数存在するものとする。
【0015】
ネットワークNは、サーバ装置10と携帯端末20との間で情報を送受信するための通信回線である。例えば、インターネット、LAN、専用線、パケット通信網、電話回線、企業内ネットワーク、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0016】
サーバ装置10は、ハードウェア構成として、制御部11、通信部14、及び記憶部15を主に備える。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)12及びメモリ13を主に備えて構成される。サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができ、例えば、CPU12がメモリ13等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能実現手段として機能する。なお、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0017】
制御部11では、CPU12は、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行することにより、サーバ装置10が備える各種構成の動作を制御し、また、各種処理の実行を制御する。制御部11において実行される処理の詳細は後述する。
【0018】
通信部14は、ネットワークNを介して携帯端末20等の各種情報処理装置と通信するための通信インタフェースである。通信部14は、例えば、携帯端末20からの測位情報を受信する。
【0019】
記憶部15は、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部15は、制御部11における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報を記憶する。記憶部15に記憶されている情報の具体例については後述する。
【0020】
携帯端末20は、例えば、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなどの現在位置を測位した測位情報を所定時間間隔でアップロードする機能を備えた情報端末を適用することができる。携帯端末20は、図示しないが、主制御部、通信部、表示部、操作部、記憶部、測位処理部などの各種機能実現手段を主に備える。
【0021】
図2を参照して、一実施形態に係るサーバ装置10の機能構成を説明する。サーバ装置10は、機能構成として、測位関連情報設定部111、条件設定部112、情報出力部113及びデータベース151を主に備える。これらの機能は、制御部11において、CPU12が、記憶部15等に記憶されたプログラムをメモリ13に展開して実行すること等により、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。
【0022】
測位関連情報設定部111は、後述するデータベース151に記憶された測位情報を集計することによって測位関連情報を求めてデータベース151に記憶する。すなわち、測位関連情報とは、測位情報を収集可能なユーザについての測位情報から求めた情報である。以降、測位情報を収集可能なユーザのグループを第1のユーザグループという。測位関連情報としては、例えば、ユーザの自宅エリアや勤務地エリアなどの日常生活圏(以下、「日常圏」という。)の情報が考えられる。第1のユーザグループに属するあるユーザの測位関連情報としての日常圏の情報を求めるための具体的な処理として、測位関連情報設定部111は、まず、データベース151に記憶された測位情報に基づいて、対象ユーザの所定の期間における測位回数、滞在秒数及び滞在日数のうちの少なくとも2つ以上の組合せが、所定の閾値以上であるエリアを特定する。測位関連情報設定部111は、例えば、特定されたエリアの内、滞在秒数が最大であるエリアをそのユーザの自宅エリアとして設定する。測位関連情報設定部111が求める他の測位関連情報の例としては、旅行情報、ショッピング情報などがあり、これらの情報の詳細については後述する。なお、測位関連情報設定部111は、求めた測位関連情報をデータベース151に記憶することとしたがこれに限定されない。測位関連情報設定部111は、測位関連情報をデータベース151へ記憶せず、測位関連情報が必要となったときに測位情報から測位関連情報を求めて出力することとしても良い。
【0023】
条件設定部112は、ユーザからの指示に応じて、情報出力部113により出力される情報の条件を設定する。ユーザからの指示には、期間又は場所の少なくともいずれかの指示が含まれる。例えば、条件設定部112は、ユーザにより期間及び場所が指示された場合、当該期間及び場所に該当する情報を情報出力部113による出力の条件として設定する。
【0024】
情報出力部113は、条件設定部112により設定された少なくとも期間又は場所の条件に応じて、データベース151から情報を取得し、取得した情報を組み合わせて出力する。具体的には、情報出力部113は、条件設定部112により設定された条件に該当する測位関連情報と、当該条件に該当するユーザ関連情報とをデータベース151から取得し、取得した情報を組み合わせて出力する。情報出力部113により出力された情報は、例えば、データベース151に記憶されても良いし、通信部14を介して外部装置に送信され、当該外部装置の表示部に表示され手も良い。また、情報出力部113は、上記の組み合わせ情報から求められた情報(例えば、後述する推定情報や相関についての情報)を出力し、データベース151に記憶する。
【0025】
ここで、ユーザ関連情報とは、第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループのユーザについての情報であり、少なくとも時間又は場所に紐付けられた情報である。ユーザ関連情報の例については後述する。なお、第1のユーザグループと第2のユーザグループは異なることとしているが、これは、2つのユーザグループのグループ化の基準が異なることを意味するものであり、第1のユーザグループに属するユーザと第2のユーザグループに属するユーザとが完全に異なることを意味するものではない。例えば、第1のユーザグループは、測位情報が取得されたユーザについてのグループであるのに対し、第2のユーザグループは、宿泊施設の予約サイトに予約情報を登録したユーザについてのグループとすることができる。従って、第1のユーザグループに属するユーザと第2のユーザグループに属するユーザの少なくとも一部が重複しても良い。
【0026】
このように、本実施形態によれば、情報出力部113は、所定の期間又は場所に該当する測位情報から求めた測位関連情報と、当該期間又は場所に該当するユーザ関連情報とを組み合わせた情報を出力し、さらに、当該組み合わせ情報から求められた情報を出力する。その結果、測位情報の分析結果を集計することのみによっては得ることができない情報を出力することができ、マーケティング分析に用いる情報としてより有益な情報を得ることができる。
【0027】
データベース151は、サーバ装置10において実行される上記の処理に必要な情報、及び当該処理により生成された情報など、各種情報を記憶する。データベース151は、例えば、測位情報、測位関連情報、ユーザ関連情報、及び組み合わせ情報を主に記憶する。組み合わせ情報とは、前述の通り情報出力部113により測位関連情報とユーザ関連情報とを組み合わせて出力した情報である。
【0028】
次に、図3から図6を参照して、サーバ装置10のデータベース151に記憶された情報の構成の例を説明する。ここでは、測位情報、測位関連情報、ユーザ関連情報、及び組み合わせ情報について説明する。
【0029】
図3(A)は、サーバ装置10が携帯端末20から受信し、データベース151に記憶された測位情報の構成の例を示している。測位情報には、「測位時刻」、「ユーザID」、「緯度」、「経度」などの情報が含まれている。
【0030】
図3(B)は、データベース151に記憶された日常圏情報の構成の例を示している。この日常圏情報は、測位関連情報設定部111によって測位情報から測位関連情報として求められた情報である。日常圏情報には、「ユーザID」、「日常圏」、「メッシュ番号」、「メッシュグループ内メッシュ番号」などの情報が含まれている。
【0031】
図4(A)は、測位情報及び日常圏情報を分析することによって設定されデータベース151に記憶されたユーザ毎の旅行情報の構成の例を示している。旅行情報は、ユーザがそのユーザにとっての日常圏ではないエリアに所定の時間(例えば、5時間以上)滞在した場合に、その滞在時間の前後の所定時間内の行動履歴を分析することによって設定される。図4(A)に示した旅行情報は、測位情報を分析することによって設定された情報であるため、測位関連情報となる。なお、図4(A)の例では、「滞在エリア」の値として、地域の名称(行政区画名)が記憶されているが、この例に限定されず、エリアの単位や範囲は任意の方法で設定することができる。例えば、慣用的に用いられている観光地名が示すエリア、ショッピングエリア、レストラン街、モール、宿泊施設を検索する際に用いられるエリア、駅の周辺のエリア、鉄道路線の沿線エリア、河川・海岸・湖の沿岸エリア、山地周辺のエリア、緯度経度又はメッシュ領域(緯度経度に基づいて地図を分割して得られる分割領域)など、任意の範囲や単位でエリアを設定することができる。後述する他のエリアの範囲や単位についても同様に任意に設定することができる。
【0032】
図4(B)は、ある月のあるエリアについて、図4(A)に示したような旅行情報を集計することによって得られた情報を示している。この例では、旅程、自宅エリア、宿泊前滞在エリア及び宿泊後滞在エリアのそれぞれの項目について、各項目のそれぞれの値に該当するユーザの割合の集計結果が示されている。図4(B)に示すような旅行情報の集計結果の情報も、測位情報を分析することによって得られた情報であるため測位関連情報であり、データベース151に記憶されている。
【0033】
図4(C)は、測位情報及び日常圏情報を分析することによって設定されデータベース151に記憶されたユーザ毎のショッピング情報の構成の例を示している。ショッピング情報は、店が存在するエリア(ショッピングエリア)にユーザが所定の時間以上(例えば、1時間以上)滞在した場合に、そのユーザについて測位情報及び日常圏情報から把握できる情報を設定したものである。図4(C)に示したショッピング情報は、測位情報を分析することによって設定された情報であるため、測位関連情報となる。
【0034】
図4(D)は、ある月のあるショッピングエリアについて、図4(C)に示したようなショッピング情報を集計することによって得られた情報を示している。この例では、時間帯及び自宅エリアのそれぞれの項目について、各項目のそれぞれの値に該当するユーザの人数及び割合の集計結果が示されている。図4(D)に示すようなショッピング情報の集計結果の情報も、測位情報を分析することによって得られた情報であるため測位関連情報であり、データベース151に記憶されている。
【0035】
図5(A)は、宿泊施設の予約サイトなどに登録された宿泊施設の予約情報から取得され、データベース151に記憶された旅行予約情報の構成の例を示している。この旅行予約情報は、携帯端末20のユーザにより任意に提供された情報ではなく、外部装置に登録(記憶)された情報であるため、より効率的に情報収集することができる。また、この旅行予約情報は、携帯端末20のユーザに関する情報としてではなく設定された情報(すなわち、第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループに属するユーザについての情報)であり、所定の場所及び時間に紐付けられた情報であるため、ユーザ関連情報となる。
【0036】
図5(B)は、ある月のあるエリアについて、図5(A)に示したような旅行予約情報を集計することによって得られた情報を示している。この例では、グループサイズ、グループ種別、男女比及び年齢層のそれぞれの項目について、各項目のそれぞれの値に該当するユーザの割合の集計結果が示されている。図5(B)に示すような旅行予約情報の集計結果の情報も第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループに属するユーザについての情報であるためユーザ関連情報であり、データベース151に記憶されている。
【0037】
図5(C)は、店で商品を販売するごとに記録され、データベース151に記憶された商品の売上情報の構成の例を示している。この売上情報は、POS(Point Of Sale)システムなどから取得される情報であり、携帯端末20のユーザにより任意に提供された情報ではないため、より効率的に情報収集することができる。また、この売上情報は、携帯端末20のユーザに関する情報としてではなく設定された情報(すなわち、第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループに属するユーザについての情報)であり、所定の場所及び時間に紐付けられた情報であるため、ユーザ関連情報となる。
【0038】
図5(D)は、ある月のあるエリアについて、図5(C)に示したような売上情報を集計することによって得られた情報を示している。この例では、ショップ名及び時間帯のそれぞれの項目について、売上の集計結果が示されている。図5(D)に示すような売上情報の集計結果の情報も第1のユーザグループとは異なる第2のユーザグループに属するユーザについての情報であるためユーザ関連情報であり、データベース151に記憶されている。
【0039】
図6(A)は、情報出力部113によって、図4(B)に示したような測位関連情報である旅行情報の集計結果と、図5(B)に示したようなユーザ関連情報である旅行予約情報の集計結果とを期間及びエリアが同一であるものについて組み合わせて出力し、かつ、データベース151に記憶した情報を示している。
【0040】
このように、本実施形態によれば、情報出力部113は、所定の期間又は場所に該当する測位情報から求めた測位関連情報と、当該期間又は場所に該当するユーザ関連情報とを組み合わせて、図6(A)に示すような情報を出力する。その結果、測位情報の分析結果を集計することのみによっては得ることができない情報を出力することができる。また、ユーザ関連情報は、携帯端末20のユーザの任意により収集された情報(例えば、携帯端末20のユーザへのアンケート結果の情報や登録されているユーザの個人情報など)ではないため、収集効率が良い。さらに、ユーザ関連情報は、携帯端末20のユーザに関する情報としてではなく設定された情報であるため、携帯端末20のユーザに関する情報よりも広い範囲の情報となる可能性がある。すなわち、図6(A)に示すような情報は、マーケティング分析に用いる情報として付加される情報として、収集の効率がよく、かつ、より十分な情報となる。
【0041】
なお、この例では、測位関連情報である旅行情報を所定の期間内のあるエリアについて集計し、ユーザ関連情報である旅行予約情報を所定の期間内のあるエリアについて集計し、期間及びエリアが同一である測位関連情報及びユーザ関連情報の集計結果を組み合わせているが、組み合わせの方法はこれに限定されない。例えば、測位関連情報及びユーザ関連情報の集計に「旅程」という条件をさらに追加し、期間、エリア及び旅程が同一である測位関連情報の集計結果とユーザ関連情報の集計結果とを組み合わせて出力しても良い。すなわち、測位関連情報とユーザ関連情報を任意の情報項目で集計し、集計した結果を組み合わせることができる。
【0042】
また、測位関連情報とユーザ関連情報とを組み合わせるときの条件として、測位関連情報とユーザ関連情報の期間又はエリアの一方が同一でなくてもよい。例えば、測位情報のサンプル量が少ない場合は、長い期間(例えば、ある年の1年間)の測位情報から求めた旅行情報の集計結果である測位関連情報と、短い期間(例えば、ある月の1か月間)の旅行予約情報の集計結果であるユーザ関連情報とを組み合わせることによって、測位情報のサンプル量の少なさを補うことができる。あるいは、予約された宿泊施設への宿泊の前後に滞在したエリアにおけるユーザの行動履歴の情報を広い範囲で集計したい場合には、旅行予約情報のエリアよりも広い範囲のエリアについての測位情報を集計することによって情報を組み合わせることが有効である。
【0043】
また、図6(A)の例では、測位情報から求めた旅行情報(測位関連情報)と旅行予約情報から求めた情報(ユーザ関連情報)とを単に組み合わせた情報を示しているが、情報出力部113はさらに、測位関連情報とユーザ関連情報とを用いて推定可能な情報を出力することとしても良い。例えば、測位関連情報が、ある期間にエリアAで測位されたユーザ数が300人であるという情報(「ユーザ数についての情報」)を含んでいるとする。また、ユーザ関連情報(宿泊施設予約サイトの情報)が、ある期間のエリアAの宿泊者500人のうち、家族が150人(30%)で、その他が350人(70%)であるという情報(「ユーザ分布についての情報」)を含んでいるとする。このとき、情報出力部113は、「ユーザ数についての情報」と「ユーザ分布についての情報」とから、ある期間にエリアAで測位されたユーザ数300人のうち、90人(30%)は家族で、その他が210人(70%)であるいうユーザ分布の推定値の情報を推定して出力し、データベース151に記憶しても良い。なお、「ユーザ数についての情報」は、図4(A)に示されているような情報を集計することによって得ることができる。「ユーザ分布についての情報」としては、図5(B)に示されているような情報を用いることができる。このように、測位関連情報とユーザ関連情報とを用いて推定可能な情報を出力することによって、マーケティング分析に用いる情報としてより有益な情報を得ることができる。
【0044】
図6(B)は、情報出力部113によって、図4(D)に示したような測位関連情報であるショッピング情報の集計結果と、図5(D)に示したような売上情報の集計結果とを期間及びエリアが同一であるものについて組み合わせた情報を示している。このように、集計条件(例えば、期間及びエリア)が同一である集計結果について、測位関連情報とユーザ関連情報とを組み合わせた情報を出力することによって、図6(A)の例と同様に、測位情報の分析結果を集計することのみによっては得ることができない情報を出力することができる。すなわち、図6(B)に示すような情報は、マーケティング分析に用いる情報として付加される情報として、収集の効率がよく、かつ、より十分な情報となる。
【0045】
また、図6(B)の例では、測位情報から求めたショッピング情報(測位関連情報)と店の売上情報から求めた情報(ユーザ関連情報)とを単に組み合わせた情報を示しているが、情報出力部113はさらに、測位関連情報とユーザ関連情報とを用いて、測位関連情報の時間による変化と、ユーザ関連情報の時間による変化との間の相関についての情報を出力することとしても良い。
【0046】
図7を参照して、そのような相関についての情報の例について説明する。図7に示すように、測位関連情報として、東京に自宅がある人と千葉に自宅がある人(日常圏情報の「自宅」のエリアが東京である人と千葉である人)の月ごとのある店(ショップA)の来店者数が求められているとする。また、ユーザ関連情報として、ショップAの月ごとの売上高が求められているとする。この例では、「東京に自宅がある人」の測位関連情報の時間による変化とユーザ関連情報の時間による変化との間には、相関がない(測位関連情報は変化していないのに対し、ユーザ関連情報は変化しているため)。一方、「千葉に自宅がある人」の測位関連情報の時間による変化とユーザ関連情報の時間による変化との間には、相関がある(測位関連情報は変化しており、ユーザ関連情報も変化しているため)。これは、ショップAに来店する顧客の多くは、千葉に自宅を持つ人であることを示唆している。従って、情報出力部113は、「千葉に自宅がある人」の測位関連情報の時間による変化とユーザ関連情報の時間による変化との間には相関があることを示す情報を出力する。このように、測位関連情報とユーザ関連情報とを用いて、情報の時間による変化の相関についての情報を出力することによって、顧客ターゲティングなどのマーケティング分析に用いる情報としてより有益な情報を得ることができる。
【0047】
また、測位関連情報とユーザ関連情報を組み合わせることによってマーケティング分析に用いる情報を集計する方法は、上記の例に限定されない。例えば、ある時間帯にあるエリアに滞在していた人の年収の情報を集計することも可能である。
【0048】
具体的には、情報出力部113は、データベース151に記憶された測位情報に基づいて、ある時間帯にあるエリアに滞在していたユーザの自宅エリアの情報をユーザごとに測位関連情報として取得する。また、情報出力部113は、データベース151に記憶された国税調査の結果の情報(図示せず)に基づいて、上記の自宅エリア(自宅位置)に対応するエリアにおける平均年収の情報をエリアごとにユーザ関連情報として取得する。そして、測位関連情報の集計結果とユーザ関連情報の集計結果とを組み合わせることによって、ある時間帯にあるエリアに滞在していた人の年収の情報を得ることができる。
【0049】
次に、図8を参照して、サーバ装置10による処理のフローを説明する。なお、以下に説明する処理のフローに含まれる各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0050】
まず、ステップS11において、条件設定部112は、ユーザからの指示に応じて、情報出力部113によりデータベース151から取得して出力する情報についての条件を設定する。ユーザからの指示には、期間又は場所の少なくともいずれかの指示が含まれる。例えば、条件設定部112は、ユーザにより期間及び場所が指示された場合、当該期間及び場所に該当する情報を情報出力部113による出力の条件として設定する。なお、データベース151から取得する情報の期間又は場所についての条件は、測位関連情報とユーザ関連情報とで別のものを設定することもできる。
【0051】
ステップS12において、情報出力部113は、ステップS11において設定された条件に該当する測位関連情報をデータベース151から取得する。情報出力部113によって取得された測位関連情報の例は、図3(B)及び図4に示したとおりである。
【0052】
ステップS13において、情報出力部113は、ステップS11において設定された条件に該当するユーザ関連情報をデータベース151から取得する。情報出力部113によって取得されたユーザ関連情報の例は、図5に示したとおりである。
【0053】
ステップS14において、情報出力部113は、ステップS12で取得した測位関連情報と、ステップS13で取得したユーザ関連情報とを組み合わせて出力する。また、情報出力部113は、当該組み合わせ情報から求められた付加的な情報(例えば、前述の推定情報や相関についての情報)を必要に応じて出力する。情報出力部113は、出力した情報をデータベース151に記憶する。情報出力部113によって出力された情報の例は、図6に示したとおりである。
【0054】
なお、この処理のフローにおいて、測位関連情報の取得(S12)の後にユーザ関連情報の取得(S13)が行われているが、これらのステップはどちらが先に行われても良い。また、測位関連情報はデータベース151から取得されているが(S12)、これに限定されない。変形例として、ステップS14で情報を組み合わせる処理の直前に測位関連情報設定部111が測位情報から測位関連情報を求め、情報出力部113が求められた測位関連情報を用いて情報の組み合わせを行っても良い。
【0055】
以上のように本実施形態によれば、ユーザによる期間又は場所の少なくともいずれかの指定に応じて、当該指定に該当する測位情報から求めた測位関連情報と、当該指定に該当するユーザ関連情報とを組み合わせて出力する。その結果、測位情報の分析結果を集計することのみによっては得ることができない情報を出力することができる。また、ユーザ関連情報は、携帯端末20のユーザの任意により収集された情報(例えば、携帯端末20のユーザへのアンケート結果の情報や登録されているユーザの個人情報など)ではないため、収集効率が良い。さらに、ユーザ関連情報は、携帯端末20のユーザに関する情報としてではなく設定された情報であるため、携帯端末20のユーザに関する情報よりも広い範囲の情報となる。すなわち、ステップS14で出力される情報は、マーケティング分析に用いる情報として付加される情報として、収集の効率がよく、かつ、より十分な情報となる。
【0056】
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0057】
1 情報処理システム、10 サーバ装置、11 制御部、12 CPU、13 メモリ、14 通信部、15 記憶部、20 携帯端末、111 測位関連情報設定部、112 条件設定部、113 情報出力部、151 データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8