(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下層の板状材よりも最下層の繊維シートの方が張り出している積層パネルを使って、最下層の繊維シートが接着された下層の板状材間に、上面に繊維シートが接着された下層の接合ボードを介在させる工程を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層パネルの接合方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような積層パネルを使う場合の一般的な課題として、積層パネルどうしの接合部の処理方法がある。すなわち、積層パネル自体の強度を増加させても、接合部の強度がそれに追随できなければ、全体としての強度を向上させることができない。
【0007】
例えば、積層パネルに内蔵させる繊維シートの枚数を増やせばパネル自体の強度を上げることはできる。しかしながら、繊維シートの枚数を増やしても接合部に露出する繊維シートの面が一面しかなければ、その一面間の接着強度が接合部の強度になってしまい、積層パネルの強度を増加させた効果を充分に発揮させることができない。
【0008】
そこで、本発明は、接合部が弱部とならないような積層パネルの接合方法及び積層パネルの接合構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の積層パネルの接合方法は、接着剤によって複数枚の繊維シートを2枚の板状材間に固着させた積層パネルどうしを接合する積層パネルの接合方法であって、上層の板状材よりも下層の板状材及び繊維シートの方が張り出した状態の積層パネルを使って、最下層の繊維シートが接着された下層の板状材の接合側端面どうしを突き合わせる工程と、隣接する前記最下層の繊維シートに跨るように接合部用の繊維シートである接合シートを接着する工程と、前記接合シートの上に前記積層パネルの内部から延びる繊維シートを重ねて接着する工程と、下面に繊維シートが接着された前記上層の板状材間に嵌る形状の接合ボードを、前記接合シートの上に重ねた繊維シートの上に接着する工程とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、別の本発明の積層パネルの接合方法は、接着剤によって複数枚の繊維シートを2枚の板状材間に固着させた積層パネルどうしを接合する積層パネルの接合方法であって、上層の板状材よりも下層の板状材及び繊維シートの方が張り出した状態の積層パネルを使って、最下層の繊維シートが接着された下層の板状材の接合側端面どうしを突き合わせる工程と、一方の積層パネルの内部から延びる繊維シートを他方の積層パネルの最下層の繊維シートの上に重ねて接着し、その上に他方の積層パネルの内部から延びる繊維シートを重ねて接着するという交互の接着作業を接合部側に張り出された繊維シートの数だけ繰り返す工程と、前記上層の板状材間に嵌る形状の接合ボードを前記継目の上に重ねた繊維シートの上に接着する工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】
さらに別の本発明の積層パネルの接合方法は、接着剤によって複数枚の繊維シートを2枚の板状材間に固着させた積層パネルどうしを接合する積層パネルの接合方法であって、上層の板状材よりも下層の板状材及び繊維シートの方が張り出した状態の積層パネルを使って、最下層の繊維シートが接着された下層の板状材の接合側端面どうしを突き合わせる工程と、隣接する前記最下層の繊維シートに跨るように接合部用の繊維シートである接合シートを接着する工程と、一方の積層パネルの内部から延びる繊維シートを前記接合シートの上に重ねて接着し、その上に他方の積層パネルの内部から延びる繊維シートを重ねて接着するという交互の接着作業を接合部側に張り出された繊維シートの数だけ繰り返す工程と、前記上層の板状材間に嵌る形状の接合ボードを前記継目の上に重ねた繊維シートの上に接着する工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、別の本発明の積層パネルの接合方法は、接着剤によって複数枚の繊維シートを2枚の板状材間に固着させた積層パネルどうしを接合する積層パネルの接合方法であって、上層の板状材よりも下層の板状材及び繊維シートの方が張り出した状態であるとともに、最下層の繊維シートよりも上層の繊維シートの方が張り出しの少ない積層パネルを使って、最下層の繊維シートが接着された下層の板状材の接合側端面どうしを突き合わせる工程と、下面に繊維シートが接着された前記上層の板状材間に嵌る形状の接合ボードであって、隣接する前記最下層の繊維シートに跨る接合部用の繊維シートである接合シートが接着された接合ボードを、前記接合側端面どうしを突き合わせた継目の上に接着する工程とを備えたことを特徴とする。
【0013】
ここで、前記下層の板状材よりも最下層の繊維シートの方が張り出している積層パネルを使って、最下層の繊維シートが接着された下層の板状材間に、上面に繊維シートが接着された下層の接合ボードを介在させる工程を備えた構成とすることもできる。
【0014】
また、本発明の積層パネルの接合構造は、接着剤によって複数枚の繊維シートを2枚の板状材間に固着させた積層パネルどうしを接合させる積層パネルの接合構造であって、上層の板状材よりも下層の板状材及び繊維シートの方が張り出されて形成される一対の積層パネル本体と、前記積層パネル本体どうしを突き合わせた状態で隣接する前記積層パネル本体から延びる最下層の繊維シートに跨るように配置される接合部用の繊維シートである接合シートと、前記接合シートの上に重ねられるそれぞれの前記積層パネル本体から延びる繊維シートと、前記上層の板状材間に嵌る形状の接合ボードと、隣接する上記各部材どうしを接合させる接着剤とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記積層パネル本体どうしを突き合わせた状態で隣接する前記積層パネル本体から延びる最下層の繊維シートの上に重ねられる長さで、それぞれの前記積層パネル本体から延びる繊維シートを備えた構成とすることもできる。
【0016】
さらに、前記積層パネル本体から延びる最下層の繊維シートよりも張り出し量が少なく、かつ前記最下層の繊維シートの上にそれぞれ重ねられる前記積層パネル本体から延びる繊維シートと、前記最下層の繊維シートの上に重ねられた繊維シート間に跨るように配置される繊維シートである上シートとを備えた構成とすることもできる。
【0017】
また、前記下層の板状材間に、下層の接合ボードが介在される構成であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
このように構成された本発明の積層パネルの接合方法及び積層パネルの接合構造は、接合部における繊維シートの接着面を複数確保することによって、引張力に対する抵抗力を増加させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態で説明する積層パネル2,2の接合方法の工程を理解しやすくするために、一部切断及び分解して示した斜視図である。
【0021】
積層パネル2は、コンクリート構造物や鋼製構造物などの構造物1の表面に貼り付けられる。例えば、劣化したり耐震補強が必要になったりした橋脚やトンネルに対して、橋脚の表面やトンネルの内周面を複数枚の積層パネル2,・・・によって覆うことで補修、補強等の改修を行なう。
【0022】
積層パネル2は、2枚の板状材と、その間に介在させる複数の繊維シートと、これらを一体化させる接着剤とによって主に構成される。以下、構造物1側を「下」と表現するが、構造物1の上面にのみ適用することを意味するものではなく、当然ながら構造物1の側面や下面に対しても同様に適用できる。
【0023】
2枚の板状材のうち、下層の板状材を下層ボード3とし、上層の板状材を上層ボード4とする。下層ボード3と上層ボード4は、材質が同じであっても異なっていてもよい。
【0024】
下層ボード3や上層ボード4として、例えばフレキシブルボード、ポリオレフィン系繊維補強板、繊維補強コンクリート板、超高強度コンクリート板などが使用できる。
【0025】
ここで、フレキシブルボードは、セメントと有機繊維(パルプ等)を主成分とし、それらを混練した後にロール状に成形し、脱水プレスすることによって製造される。
【0026】
フレキシブルボードは、厚さが3 mm〜6 mm程度であり、曲げ強度が30 N/mm
2以上ある。また、比重が1.6〜1.8と軽いため、積層パネル2を軽量にすることができる。
【0027】
また、ポリオレフィン系繊維補強板は、ポリオレフィン系繊維とセメントと有機繊維(パルプ等)とを混合して成形した板状材である。ポリオレフィン系繊維補強板は、厚さが3 mm〜15 mm程度で薄くて軽いため、積層パネル2を軽量にすることができる。
【0028】
ポリオレフィン系繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン系材料からなる繊維材料である。ポリオレフィン系繊維は、例えば6 mm〜30 mm程度の短繊維として使用する。また、ポリオレフィン系繊維の表面にエンボス加工や親水処理を施すことによって、ポリオレフィン系繊維補強板の曲げタフネスや強度を増加させることができる。
【0029】
一方、繊維シートの繊維には、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維等が使用できる。また、織り方による分類では、単一配向シート、単一配向シートの向きを交互に変えて積層させたシート、クロス状に織ったシート等が使用できる。
【0030】
例えば炭素繊維シートは、繊維目付量が200〜300 g/m
2と軽量であり、錆びない特性を有する。また、繊維方向では鉄筋の3〜8倍の2000〜3500 N/mm
2という大きな引張強度を有している。
【0031】
そして、下層ボード3と上層ボード4との間に複数の繊維シートを介在させる。
図1では、下層ボード3の上面に最下層の繊維シートとなる第1シート51が固着され、その第1シート51の上に別の繊維シートが第2シート52として固着される。第1シート51と第2シート52は、同じ材質、織り方のシートであってもよいし、材質や織り方が異なっていてもよい。
【0032】
接着剤8には、エポキシ樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、EVA系(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系)、アクリル樹脂系等の樹脂系接着剤や、クロロプレンゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系等のゴム系接着剤や、セメント系、石膏系等の水・気硬性接着剤などを用いることができる。
【0033】
以上に挙げたようにいずれの接着剤でも使用できるが、接着強度や作業性の点からエポキシ樹脂系の接着剤8を使用するのが好ましい。接着剤8は、第1シート51や第2シート52に含浸させて使用する。
【0034】
そして、下層ボード3と第1シート51と第2シート52と上層ボード4とは、接着剤8によって一体化される。この一体化される範囲は、下層ボード3と上層ボード4とに挟まれた範囲である。
【0035】
ここで、
図1に示すように、隣接する積層パネル本体としての積層パネル2,2の下層ボード3,3の接合側端面どうしが突き合わされた箇所を継目20とする。第1シート51は、継目20に至る全面において下層ボード3に接着剤8で固着される。
【0036】
これに対して第2シート52は、上層ボード4から継目20側に張り出された部分は、第1シート51と接着されない自由部521となる。この自由部521では、
図1に示すように、持ち上げたり折り曲げたりすることができる。
【0037】
また、自由部521の張り出し量は、
図2に示すように第1シート51の張り出し量よりも少ない。自由部521は、少なくとも後述する接合シート6の縁部に重ねられる長さが張り出されていなければならない。
【0038】
一方、継目20の上方には、繊維シートとしての接合シート6が配置される。接合シート6は、持ち上げられた両側の自由部521,521の下に入れることができる範囲の幅に成形される。
【0039】
この接合シート6の材質や織り方は、繊維シートとして上述したものが使用できる。また、接合シート6と第1,2シート51,52は、同じ材質、織り方のシートであってもよいし、材質や織り方が異なっていてもよい。
【0040】
さらに、継目20の上方の最上層には、接合ボード7が配置される。接合ボード7には、板状材(下層ボード3、上層ボード4)と同様の材質のものが使用できる。
【0041】
この接合ボード7は、
図1に示すように上層ボード4,4間に嵌る形状に成形される。また、接合ボード7の下面には、全面にわたって繊維シートとしての上シート71が接着剤8によって固着される。
【0042】
次に、本実施の形態の積層パネル2,2の接合方法及びそれによって構築される積層パネル2,2の接合構造、並びにそれらの作用について説明する。
【0043】
まず、構造物1の表面に接着剤8を塗布し、2枚の積層パネル2,2を下層ボード3,3及び第1シート51,51の接合側端面どうしが突き合わされるようにして貼り付ける。
【0044】
そして、隣接する第1シート51,51間の継目20が覆われるように接合シート6を接着剤8によって固着させる。これによって、第1シート51,51間に接合シート6が跨り、第1シート51,51どうしが接合されたことになる。
【0045】
続いて、接合シート6の上に、
図2に示すように両側の第2シート52,52の自由部521,521をそれぞれ重ね、接着剤8によって固着する。そして、その上から上シート71が下面に固着された接合ボード7を、上層ボード4,4間の隙間に嵌める。この上シート71と、その下に配置される自由部521,521及び接合シート6の露出部とも、接着剤8によって一体化される。
【0046】
このように構成された本実施の形態の積層パネル2,2の接合方法及びそれによって構築される積層パネル2,2の接合構造は、積層パネル2,2どうしの接合部において、第1シート51と接合シート6、接合シート6と第2シート52の自由部521、自由部521,521及び接合シート6と上シート71の3面が接着面となる。
【0047】
このように積層パネル2の繊維シート(51,52)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【実施例1】
【0048】
次に、前記実施の形態とは別の形態の積層パネル2A,2Aの接合方法及び積層パネル2A,2Aの接合構造について、
図3を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0049】
前記実施の形態で説明した積層パネル2は、下層ボード3と上層ボード4との間に2枚の繊維シート(51,52)を介在させた。この実施例1で説明する積層パネル2Aは、下層ボード3と上層ボード4との間に3枚の繊維シート(51,52A,53)を介在させる。
【0050】
この積層パネル本体としての積層パネル2Aでは、第2シート52Aだけでなく、その上に配置される繊維シートとしての第3シート53にも上層ボード4から張り出されて下層と接着されていない自由部531がある。
【0051】
この第2シート52Aの自由部521と第3シート53の自由部531は、第1シート51よりも他方の積層パネル2A側に突出している。すなわち、
図3に示すように、自由部521,531によって継目20を覆うことができる。
【0052】
そして、一方の積層パネル2Aの内部から延びる自由部521(531)と、他方の積層パネル2Aの内部から延びる自由部521(531)とを交互に重ねていく。
【0053】
例えば、
図3に示すように、まず左側の積層パネル2Aの自由部521を継目20が覆われるように延ばして、右側の積層パネル2Aの第1シート51の上に重ねて接着剤8で固着させる。
【0054】
続いて、右側の積層パネル2Aから延びる自由部521をその上に重ねて接着剤8で固着させる。さらに、その上に左側の積層パネル2Aから延びる自由部531を重ねて接着剤8で固着させる。
【0055】
そして、右側の積層パネル2Aから延びる自由部531を最上層に重ねて接着剤8で固着させる。また、左右の上層ボード4,4間の隙間には、接合ボード7を嵌めて接着剤8で固着させる。
【0056】
このように構成された実施例1の積層パネル2A,2Aの接合方法及びそれによって構築される積層パネル2A,2Aの接合構造は、積層パネル2A,2Aどうしの接合部において、第1シート51と左側の積層パネル2Aの自由部521、左側の積層パネル2Aの自由部521と右側の積層パネル2Aの自由部521、右側の積層パネル2Aの自由部521と左側の積層パネル2Aの自由部531、左側の積層パネル2Aの自由部531と右側の積層パネル2Aの自由部531の4面が接着面となる。
【0057】
このように積層パネル2Aの繊維シート(51,52A,53)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0058】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【実施例2】
【0059】
次に、前記実施の形態及び実施例1とは別の形態の積層パネル2B,2Bの接合方法及び積層パネル2B,2Bの接合構造について、
図4を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0060】
この実施例2では、前記実施例1と同じく下層ボード3と上層ボード4との間に3枚の繊維シート(51,52A,53)を介在させる。また、積層パネル2Bの第2シート52Aの自由部521と第3シート53の自由部531は、第1シート51よりも他方の積層パネル2B側に突出している。
【0061】
そして、実施例3では、
図4に示すように継目20を接合シート6で覆ったうえに、自由部521,521,531,531を継目20上方に重ねていく。すなわち、積層パネル本体としての一方の積層パネル2Bの内部から延びる自由部521(531)と、他方の積層パネル2Bの内部から延びる自由部521(531)とを交互に重ねていく。
【0062】
このように構成された実施例2の積層パネル2B,2Bの接合方法及びそれによって構築される積層パネル2B,2Bの接合構造は、積層パネル2B,2Bどうしの接合部において、第1シート51と接合シート6、接合シート6と左側の積層パネル2Bの自由部521、左側の積層パネル2Bの自由部521と右側の積層パネル2Bの自由部521、右側の積層パネル2Bの自由部521と左側の積層パネル2Bの自由部531、左側の積層パネル2Bの自由部531と右側の積層パネル2Bの自由部531の5面が接着面となる。
【0063】
このように積層パネル2Bの繊維シート(51,52A,53)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0064】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【実施例3】
【0065】
次に、前記実施の形態及び他の実施例とは別の形態の積層パネル2C,2Cの接合方法及び積層パネル2C,2Cの接合構造について、
図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0066】
この実施例3では、前記実施の形態と同じく下層ボード3と上層ボード4との間に2枚の繊維シート(51,52B)を介在させる。また、積層パネル本体としての積層パネル2Cの第2シート52Bの自由部521の張り出し量は、
図5に示すように第1シート51の張り出し量よりも少ない。この第1シート51と第2シート52Bの張り出し量の差は、100 mm〜150 mm程度にする。
【0067】
一方、実施例3では、積層パネル2C,2Cの上層ボード4A,4A間の離隔が上述した実施の形態及び他の実施例よりも広くなっており、その間に嵌合可能な幅広の接合ボード7Aが使用される。
【0068】
そして、接合ボード7Aの下面には、全面にわたって繊維シートとしての上シート71Aが接着剤8によって固着される。さらに、その上シート71Aの下面には、左右の積層パネル2C,2Cから張り出された自由部521,521間の離隔よりも狭い幅の接合シート6Aが、接着剤8によって固着される。
【0069】
実施例3では、
図5に示すように継目20を接合シート6Aで覆うように接合ボード7Aを上層ボード4A,4A間に嵌めると、第1シート51,51どうしが接合シート6Aと接着剤8とによって接合される。さらに、第2シート52,52どうしが上シート71Aと接着剤8とによって接合される。
【0070】
このように構成された実施例3の積層パネル2C,2Cの接合方法及びそれによって構築される積層パネル2C,2Cの接合構造は、積層パネル2C,2Cどうしの接合部において、第1シート51と接合シート6A、第2シート52Bの自由部521と上シート71Aの2面が接着面となる。
【0071】
このように積層パネル2Cの繊維シート(51,52B)の枚数と同数の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0072】
また、予め接合シート6Aを接合ボード7Aに貼り付けておくことによって、現場での接合作業を省力化することができる。
【0073】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【実施例4】
【0074】
次に、前記実施の形態及び他の実施例とは別の形態の積層パネル2D,2Dの接合方法及び積層パネル2D,2Dの接合構造について、
図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0075】
前記実施の形態などで説明した積層パネル2は、下層ボード3,3どうしを直接、突き合わせた。この実施例4では、下層ボード3A,3A間に下層の接合ボードとしての下接合ボード9を介在させる。
【0076】
すなわち下接合ボード9は、
図6に示すように下層ボード3A,3A間に嵌る形状に成形される。また、下接合ボード9の上面には、全面にわたって繊維シートとしての下シート91が接着剤8によって固着される。
【0077】
また、積層パネル本体としての積層パネル2Dには、第2シート52だけでなく、その下に配置される繊維シートとしての第1シート51Aにも上層ボード4及び下層ボード3Aから張り出された自由部511がある。
【0078】
ここで、第2シート52の自由部521の張り出し量は、
図6に示すように第1シート51Aの自由部511の張り出し量よりも少ない。但し、自由部521は、少なくとも接合シート6の縁部に重ねられる長さが張り出されていなければならない。
【0079】
実施例4では、まず、構造物1の表面に接着剤8を塗布し、下シート91が上面に固着された下接合ボード9を正確な位置に貼り付ける。続いて、下接合ボード9の両側に、それをガイドに位置決めして積層パネル2D,2Dをそれぞれ接着剤8によって貼り付ける。
【0080】
そして、下シート91の上に第1シート51A,51Aの自由部511,511を接着剤8によって固着する。これによって、第1シート51A,51Aどうしが下シート91を介して接合されたことになる。
【0081】
さらに、第1シート51A,51Aの自由部511,511間に跨るように接合シート6を接着剤8で固着する。また、接合シート6の上に、
図6に示すように両側の第2シート52,52の自由部521,521を重ね、接着剤8によって固着する。
【0082】
そして、その上から上シート71が下面に固着された接合ボード7を、上層ボード4,4間の隙間に嵌める。この上シート71と、その下に配置される自由部521,521及び接合シート6の露出部とも、接着剤8によって一体化される。
【0083】
このように構成された実施例4の積層パネル2D,2Dの接合方法及びそれによって構築される積層パネル2D,2Dの接合構造は、積層パネル2D,2Dどうしの接合部において、下シート91と第1シート51Aの自由部511、第1シート51Aの自由部511と接合シート6、接合シート6と第2シート52の自由部521、自由部521,521及び接合シート6と上シート71の4面が接着面となる。
【0084】
このように積層パネル2Dの繊維シート(51A,52)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0085】
また、下接合ボード9を先行して構造物1に貼り付けることにより、積層パネル2D,2Dの位置決めがしやすくなって、正確な位置に迅速に配置できるようになる。
【0086】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【実施例5】
【0087】
次に、前記実施の形態及び他の実施例とは別の形態の積層パネル2E,2Eの接合方法及び積層パネル2E,2Eの接合構造について、
図7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0088】
この実施例5は、前記実施例1の下層ボード3,3を前記実施例4の下層ボード3A,3A及び下接合ボード9に置き換えた形態である。すなわち、実施例1と比べて下接合ボード9上面の下シート91と第1シート51Aの自由部511との接着面が追加されるため、接合部において5面が接着面となる。
【0089】
このように積層パネル本体としての積層パネル2Eの繊維シート(51A,52A,53)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0090】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【実施例6】
【0091】
次に、前記実施の形態及び他の実施例とは別の形態の積層パネル2F,2Fの接合方法及び積層パネル2F,2Fの接合構造について、
図8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0092】
この実施例6は、前記実施例2の下層ボード3,3を前記実施例4の下層ボード3A,3A及び下接合ボード9に置き換えた形態である。すなわち、実施例2と比べて下接合ボード9上面の下シート91と第1シート51Aの自由部511との接着面が追加されるため、接合部において6面が接着面となる。
【0093】
このように積層パネル本体としての積層パネル2Fの繊維シート(51A,52A,53)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0094】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【実施例7】
【0095】
次に、前記実施の形態及び他の実施例とは別の形態の積層パネル2G,2Gの接合方法及び積層パネル2G,2Gの接合構造について、
図9を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を付して説明する。
【0096】
この実施例7は、前記実施例3の下層ボード3,3を前記実施例4の下層ボード3A,3A及び下接合ボード9に置き換えた形態である。すなわち、実施例3と比べて下接合ボード9上面の下シート91と第1シート51Aの自由部511との接着面が追加されるため、接合部において3面が接着面となる。
【0097】
このように積層パネル本体としての積層パネル2Gの繊維シート(51A,52B)の枚数以上の接着面が確保できれば、引張力に対する抵抗力を増加させることができるので、繊維シートを増やした分に見合った強度の接合部にすることができる。
【0098】
なお、この他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
【0099】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0100】
例えば、前記実施の形態又は実施例では、2枚又は3枚の繊維シートが介在された積層パネル2,2A−2Gについて説明したが、これに限定されるものではなく、4枚以上の繊維シートが下層ボード3と上層ボード4との間に介在された積層パネルどうしであっても、上述した方法に基づく接合方法を適用することができる。