(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
この発明の第1実施形態に係る揚送研磨装置について
図1から
図13を参照して説明する。揚送研磨装置は、複数の遊技機が配列された遊技機島に設置され、各遊技機で使用された遊技媒体を研磨しながら揚送して、各遊技機に供給可能にするものである。ここで、遊技機をパチンコ機という場合がある。また、遊技機で使用された遊技媒体をパチンコ球またはアウト球という場合がある。
【0021】
図1は、遊技機島1に配置された揚送研磨装置10の正面図、
図2は揚送研磨装置10の側面図、
図3は加湿手段11の機能ブロック図である。
図1から
図3に示すように、揚送研磨装置10は、複数の遊技機が配列された遊技機島1に用いられ、筒体30、及び、移送手段400を有している。
〔筒体30〕
図1及び
図2に示すように、筒体30は、遊技機島1に立設されている。筒体30は、略水平に延ばされた筒軸を有する下端部と、略上方に延ばされた筒軸を有する上端部と、下端部と上端部との間に設けられ、湾曲した筒軸を有する中間部とを有する。
【0022】
筒体30の下端部には流入口が設けられている。筒体30の上端部には排出口31が設けられている。筒体30の流入口には、アウト球が流下する樋が接続されている。なお、前述するように、遊技機で使用されたアウト球には汚れ成分が付着されている。
【0023】
〔移送手段400〕
移送手段400は、筒体30の内部に設けられ、筒軸にその軸を沿わせるように配置されたスクリュー部材40(
図4参照)及び、スクリュー部材40を回転させるモータ6を有している。
【0024】
スクリュー部材40は、水供給手段20により湿らせた研磨材とアウト球とを筒体30の内部で混ぜ合わせた状態で上方へ移送することにより、アウト球、研磨材、及び、アウト球から離された汚れを含む汚れ成分を筒体30の排出口31から排出させるものである。研磨材の一例としては、ペレット状に形成された樹脂製の研磨材があり、その表面には多数の微細な窪み(ディンプル)が設けられている。
【0025】
スクリュー部材40をモータ6により回転すると、研磨材とアウト球とが回転しながら混ぜ合わさり洗浄される。そのとき、アウト球に付着された汚れ成分が研磨材により離される。離された汚れ成分が研磨材に付着しようとする。
【0026】
研磨材とアウト球とを混ぜ合わせたときに生じる摩擦熱等により、筒体30の内部の湿度は低下し、研磨材が排出口31から排出されるまで、研磨材の水分は失われていく。しかし、水分を失っても、最小限の水分を研磨材に残すように、水供給手段20により研磨材に水を湿らせているので、汚れ成分が研磨材に付着することがない。すなわち、汚れ成分は、アウト球及び研磨材から離された状態で排出口31から排出される。
【0027】
(スクリュー部材)
次に、スクリュー部材40について
図4から
図8を参照して説明する。
図4はスクリュー部材40の図である。
(スクリュー部材)
図4に示すように、スクリュー部材40は、2種類のスクリュー部材40A、40Bを溶接により接続されたものである。スクリュー部材40Aは筒体30の中間部から上端部に配置され、その上端部がモータ6(
図1参照)に連結されている。スクリュー部材40Bは筒体30の下端部から中間部に配置され、その下端部が自由端となっている。
(スクリュー部材)
スクリュー部材40Bは、筒体30の下端部から中間部において、遊技媒体と研磨材とを混ぜ合わせながら水平に移送する。このとき、スクリュー部材40Bは、遊技媒体等で満たされた空間内を旋回するため、遊技媒体等から大きな摩擦抵抗を受ける。スクリュー部材40Bにより、筒体30の中間部までせり上げられた遊技媒体等は、スクリュー部材40Aにより、さらに、上昇させられる。スクリュー部材40Aは、筒体30の中間部から上端部において、遊技媒体と研磨材とを混ぜ合わせながら上昇させる。このとき、遊技媒体等の重量により、スクリュー部材40Aには応力(引っ張り応力及び剪断応力)がかかる。
【0028】
図5はスクリュー部材40Aの図、
図6はスクリュー部材40Bの図である。
図5及び
図6に示すように、スクリュー部材40A、40Bは、線材をコイル状に巻くようにしてそれぞれ形成される。線材の横断面の形状、コイルの外径、及び巻きピッチにおいて、スクリュー部材40Aがスクリュー部材40Bよりそれぞれ大きくなっている。
【0029】
スクリュー部材40A、40Bの横断面の形状、コイルの外径、及び巻きピッチは、遊技媒体の大きさに対応して定められる。
スクリュー部材40A、40Bのコイルの外径、及び巻きピッチの一例を挙げる、スクリュー部材40Aとしては、約65mmの外径、50mmの巻きピッチを有する。スクリュー部材40Bとしては、約58mmの外径、約40mmの巻きピッチを有する。
【0030】
スクリュー部材40A、40Bの横断面の形状の一例について
図7を参照して説明する。
図7は、スクリュー部材40A、40Bの横断面図である。
図7に示すように、スクリュー部材40A、40Bは、流線型の断面形状(線材の断面形状)を有している。
スクリュー部材40Aにおいて、流線型の断面形状は、次の通りである。
W=13、T=6、 R=8.5
スクリュー部材40Bにおいて、流線型の断面形状は、次の通りである。
W=10、T=4、 R=7.3
ここでは、Wを板幅、Tを板厚、Rを点Oを中心とする曲面41の半径とする。
これらの流線型の断面形状は、両端43がいずれも尖っている。
【0031】
次に、流線型の断面形状において、曲面41の半径Rを、板幅W、または、板厚Tで表すこととする。
図8は、流線型の断面形状において、板幅W、板厚T、及び曲面41の半径Rの関係を示す図である。ここで、点Oから曲面41の頂点42から端43の範囲を臨む角度を“θ”とする。
【0032】
図8に示すように、流線型の断面形状において、両端43が尖っていることの条件から次の式が導かれる。
R*sinθ=W/2 (1)
R*cosθ=R−T/2 (2)
式(1)、(2)からθを消去すると、次の式となる。
R=(W
2+T
2)/4T (3)
【0033】
次に、板幅Wと板厚Tとの比を求める。
スクリュー部材40Aにおいて、板幅Wと板厚Tとの比は、次の通りである。
【0034】
T:W=6:13
すなわち、W=13T/6
スクリュー部材40Bにおいて、板幅Wと板厚Tとの比は、次の通りである。
T:W=4:10
すなわち、W=5T/2
ここで、WとTとの関係は、次の式で表すことができる。
2W/5≦T≦6W/13 (4)
13T/6≦W≦5T/2 (5)
【0035】
次に、式(4)から、板幅Wと半径Rとの関係を求める。
式(4)から、T=2W/5を式(3)に代入すると、R=29W/40となる。
式(4)から、T=6W/13を式(3)に代入すると、R=205W/312となる。
したがって、流線型の断面形状の曲面41は、205W/312以上、29W/40以下の半径Rを有する。
【0036】
次に、式(5)から、板厚Tと半径Rとの関係を求める。
式(5)から、W=13T/6を式(3)に代入すると、R=205T/144となる。
式(5)から、W=5T/2を式(3)に代入すると、R=29T/16となる。
したがって、流線型の断面形状の曲面41は、29T/16以上、205T/144以下の半径Rを有する。
【0037】
以上により、曲面41の半径Rを、板幅Wまたは板厚Tで表すことができた。
【0038】
曲面41の半径Rは、このように表されたものが好ましいが、次のように表されたものであってもよい。
ここでは、WとTとの関係を、次の式で表すこととする。
W/3≦T≦W/2 (6)
2T≦W≦3T (7)
【0039】
次に、式(6)から、板厚Wと半径Rとの関係を求める。
式(6)から、T=W/3を式(3)に代入すると、R=5W/6となる。
式(6)から、T=W/2を式(3)に代入すると、R=5W/8となる。
したがって、流線型の断面形状の曲面41は、5W/8以上、5W/6以下の半径Rを有する。
【0040】
次に、式(7)から、板厚Tと半径Rとの関係を求める。
式(7)から、にW=2Tを式(3)代入すると、R=5T/4となる。
式(7)から、W=3Tを式(3)に代入すると、R=5T/2となる。
したがって、流線型の断面形状の曲面41は、5T/4以上、5T/2以下の半径Rを有する。
【0041】
(スクリュー部材40の製造)
ばね用鋼線を用いて、コイニング金型によりスクリュー部材40に成形する。例えば、ばね用鋼線として、シリコンクロム鋼オイルテンパー線が用いられる。このようにして、外径及びピッチが異なる2種類のスクリュー部材40A、40Bが製造される。
2種類のスクリュー部材40A、40Bを溶接で連結する。このときのスクリュー部材40A、40Bの表面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば、30μm以上である。算術平均粗さ(Ra)は、3次元測定レーザ顕微鏡を用いて計測される。
【0042】
(ブラスト加工)
金属製の微粒子を高速(例えば、40m/sec〜70m/sec)でスクリュー部材40の表面に吹き付ける(ブラスト加工)。金属製の微粒子として、例えば、二酸化モリブデンが用いられる。ブラスト加工により、スクリュー部材40の表面に多数の微細な窪みが設けられる。加工後のスクリュー部材40の表面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば20μm以下となる。さらに、5μmより小さくすることも可能であるが、コスト的な問題から5μm以上、20μm以下が好ましい。ブラスト加工に限らず、スクリュー部材40の表面に多数の微細な窪みが設けられる粗面加工であって、遊技媒体等から受ける摩擦抵抗が低減可能な加工であればよい。
【0043】
多数の微細な窪みによって、上記30μm以上の算術平均粗さを有するスクリュー部材40の表面より、その表面が均一で滑らかとなる。そのため、表面と研磨材との摩擦抵抗が減少する。また、表面強度が上がって、耐久性が向上する。例えば、溶接部に生じた凹凸が滑らかとなり、溶接部の強度が上がる。
【0044】
なお、スクリュー部材40として、両端43が尖った流線型の断面形状を有するものを示したが、断面形状はこれに限らない。例えば、流線型のうち、一端43が尖って他端43が丸みを帯びた涙滴型(「翼型」ともいう。)であってもよく、流線型でなく、紡錘体型あるいは楕円型であってもよい。
【0045】
〔揚送研磨装置の全体構成〕
以上に、筒体30及び移送手段400を説明した。次に、これらの手段が組み込まれた揚送研磨装置10の全体構成について、
図1〜
図3を参照して説明する。
【0046】
図1〜
図3に示すように、揚送研磨装置10は、筒体30及び移送手段400の他に、本体2、島上タンク3、加湿手段11、水供給手段20、水量調整手段25、分離手段50、及び、戻し通路60を有している。
【0047】
(本体2)
本体2は、遊技場の所定位置に固定されるベース4と、ベース4に立設される支柱5とを有している。支柱5の上部には、島上タンク3が設けられている。支柱5の上端部には分離手段50及びモータ6が設けられている。
【0048】
スクリュー部材40により研磨材と共に揚送された遊技媒体は、分離手段50により研磨材から分離され、島上樋(図示省略)を通って、各遊技機に供給される。各遊技機に用いられた遊技媒体は、アウト球回収樋7からアウト球投入樋8を通って、スクリュー部材40に導かれる。
【0049】
分離手段50により遊技媒体から分離された研磨材は、戻し通路60によりスクリュー部材40に導かれ、スクリュー部材40により遊技媒体と共に揚送される。このように、研磨材は遊技媒体と同様に繰り返し使用される。
【0050】
(島上タンク3)
島上タンク3は、遊技媒体が島上樋に満ちたとき、遊技媒体を一時的に貯留するものである。島上タンク3には、それから溢れ出した遊技媒体をスクリュー部材40に導くためのオーバーフロー通路(図示省略)が接続されている。
【0051】
(加湿手段11)
図1及び
図3に示すように、加湿手段11は、湿度センサ12、制御手段13、及び水供給手段20を有している。
【0052】
筒体30内は遊技媒体と研磨材とが混ぜ合わさることにより摩擦熱が生じる。摩擦熱により筒体30内は乾燥する。
加湿手段11は、筒体30内の研磨材に汚れを付着させないように構成されている。研磨材に汚れが付着する主な原因は、筒体30内の研磨材が乾いているためである。研磨材に汚れを付着させない手段として、例えば、1)遊技媒体を研磨する前に研磨材を水で湿らせておく手段;2)遊技媒体を研磨しているときに研磨材を水で湿らせる手段;3)スクリュー部材40を水で湿らせる手段がある。なお、1)及び2)の手段を、研磨材を水で直接的に湿らせる手段という場合がある。また、3)の手段を、研磨材を水で間接的に湿らせる手段という場合がある。
【0053】
以下、遊技媒体を研磨する前に研磨材を水で湿らせる手段について説明し、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を水で湿らせる手段、及び、スクリュー部材40を水で湿らせる手段については、後述する。
【0054】
加湿手段11は、筒体30内の湿度に基づいて、スクリュー部材40により移送される前の研磨材に対して水を連続的にまたは間欠的に供給することを通して、研磨材を水で湿らせることにより、筒体30の内部を加湿して、筒体30内の湿度を予め定められた範囲に保つように構成されている。なお、遊技媒体を研磨する前(遊技媒体がスクリュー部材40に導かれる直前)までに研磨材を水で湿らせておけば、加湿手段11はどのように構成されてもよい。スクリュー部材40に導かれる直前位置に加湿手段11を配置すれば、研磨材を効果的に水で湿らせることができる。直前位置からある程度離れた位置に加湿手段11を配置すれば、有効な空きスペースに加湿手段11を配置することが可能となる。
【0055】
予め定められた範囲としては、例えば、50%〜60%であることが好ましい。その範囲とした理由は、湿度が50%未満では、研磨材に汚れ成分を付着させない効果が低くなり、また、静電気の発生を抑える効果も低くなる。さらに、湿度が60%を超えると、遊技媒体や研磨材の湿り気により、汚れ成分が遊技媒体や研磨材に付着する傾向が生じ、汚れ成分を分離させ難くなる。
【0056】
湿度センサ12は、筒体30内の湿度に対応する信号を出力する。制御手段13は、湿度センサ12から出力された信号に基づいて、筒体30内の湿度を調整するように、例えば、水供給手段20により供給される時間当たりの水の量を制御する。
【0057】
なお、湿度センサ12は、筒体30の全長にわたって複数箇所に、例えば、始端部(下端部)、中間部、及び、終端部(上端部)にそれぞれ配置されてもよい。このとき、制御手段13は、各湿度センサ12の出力信号に基づき、筒体30内の湿度を細かく調整するように水供給手段20を制御する。
【0058】
(水供給手段20)
図1に示すように、水供給手段20は戻し通路60の途中に配置されている。水供給手段20は、戻し通路60を通る研磨材を水により湿らせるように構成されている。戻し通路60を通る研磨材の全部を水により湿らせるような構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0059】
一例としては、戻し通路60内の研磨材に水を噴霧することにより、研磨材を湿らせる構成がある。
【0060】
図9は水供給手段の概念図である。
図9に示すように、戻し通路60内の研磨材に水を噴霧する手段は、例えば、ノズル21、ポンプ22、タンク(水槽)23、水量センサ24を有している。ノズル21は戻し通路60の天井部に配置されている。ポンプ22は、タンク23内の水を高圧でノズル21に供給する。水量センサ24は、タンク23内の水量に応じた信号を出力する。出力された信号に基づいて、タンク23内の水量を報知する報知手段を設けてもよい。
【0061】
戻し通路60を通る研磨材の全部を水により湿らせるようにするためには、水を噴霧する範囲が戻し通路60の所定領域(全幅及び所定長)になるように構成すればよい。
【0062】
例えば、水を噴霧する範囲を戻し通路60の所定領域に広げるように構成すればよい。このとき、一度の噴霧により、所定領域内の研磨材の全部を湿らせるようにできるため、水を間欠的に噴霧すればよい。
【0063】
また、例えば、水を噴霧する範囲が戻し通路60の全幅に対して狭いとき、噴霧する方向を幅方向に沿って変えるように構成すればよい。それにより、戻し通路60の中央部を通る研磨材ばかりでなく、戻し通路60の端を通る研磨材にも水をかけることができる。
【0064】
さらに、例えば、水を噴霧する範囲が戻し通路60の所定長に対して狭いとき、水を噴霧する範囲に研磨材が長さ方向に沿って流れてくるので、水を連続的に噴霧すれば、流れてくる研磨材を湿らせることができる。
【0065】
なお、戻し通路60において、研磨材が上下に重なり合うとき、噴霧された水が研磨材間の隙間に入っていき、下側の研磨材も湿らせることができるものとする。
【0066】
噴霧される水には、8〜12のpH値を有するアルカリ電解水が用いられことが好ましい。研磨材を湿らせているアルカリ電解水は、その浸透力により、汚れと研磨材との隙間に浸透し、汚れがとりかこまれて、汚れ成分が研磨材に付着しないようになる(浸透、剥離効果)。また、汚れ内の脂質が分解して石鹸化される(石鹸効果)。さらに、アルカリ電解水が遊技媒体に触れることにより、遊技媒体が除菌される(殺菌効果)。さらに、アルカリ電解水によって遊技媒体が錆びることがない(防錆効果)。
【0067】
なお、アルカリ電解水のpH値を高くしていくと、それらの効果が高まるため、汚れの程度に応じたpH値のアルカリ電解水を用いればよい。8未満のpH値のアルカリ電解水では、それぞれの効果を十分に得られない傾向が生じる。12を超えるpH値のアルカリ電解水では、それぞれの効果は高まるものの、過酸化ナトリウムや過酸化水素を加える必要があるため、製造コストが一段と嵩む。
【0068】
(水量調整手段25)
水量調整手段25は、
図1における水供給手段20内に配置され、または、水供給手段20に接続されている。水量調整手段25は、例えば、戻し通路60内を流れる研磨材の量に応じて、水の量を調整するように構成されている。
【0069】
水の量を調整する手段としては、例えば、ノズルの口径を調整可能に構成するもの、あるいは、ポンプによりノズルに供給される水の圧力を調整可能に構成するものがある。ノズル口径や水圧の調整は、手動で行うようにしてもよく、自動で行うようにしてもよい。
【0070】
遊技機島1に用いられる遊技媒体の数量は、営業時間や営業日に応じて予測できる。そのため、研磨材の量も予測できるので、営業時間や営業日に応じて、ノズルの口径等を手動により調整すればよい。
【0071】
また、戻し通路60内を流れる研磨材の量を検出するセンサ(図示省略)を設けておき、センサにより出力される信号に基づいて、ノズルの口径等を自動調整すればよい。
なお、戻し通路60内を流れる研磨材の量に応じて、水量調整手段25により水の量を調整したが、モータ6の負荷に応じて、水量を調節してもよい。
【0072】
(分離手段50)
次に、分離手段50について、
図1、
図2及び
図10を参照して説明する。
図10は揚送研磨装置10の平面図である。
【0073】
分離手段50は、筒体30の排出口31から排出された遊技媒体、研磨材、及び汚れ成分をそれぞれ分離するように構成されている。分離手段50は、遊技媒体、研磨材、及び汚れ成分を分離できれば、どのような手段であってもよい。遊技媒体、研磨材、及び汚れ成分は、それらの大きさや重さが互いに異なることに基づいて、分離される。
【0074】
例えば、
図1及び
図10に示すように、分離手段50は、簀の子51、分別手段52、収集ホース55、分離用通路53、研磨材ストック54を有している。簀の子51は、筒体30の排出口31を臨むように配置されている。
図1に、3段の簀の子51を示す。
【0075】
簀の子51は、所定幅の隙間を空けて並べられた複数のレールを有している。複数のレールは、レールに沿って遊技媒体を導くとともに、隙間から研磨材及び汚れ成分を落下させるように構成されている。
【0076】
分別手段52は、落下する研磨材及び汚れ成分をそれぞれ分けるように構成されている。分別手段52の一例として、汚れ成分が研磨材に比べ極めて軽いことに基づいて、汚れ成分を集塵することにより、汚れ成分と研磨材とを分ける。汚れ成分の集塵は、落下する研磨材及び汚れ成分のうちから、汚れ成分のみを吸い込むことにより行われ、また、汚れ成分のみを吹き飛ばすことにより行われる。
図1に、汚れ成分を吸い込むタイプの分別手段52を示す。
【0077】
図1に示すように、簀の子51により遊技媒体から分離された研磨材及び汚れ成分は、分離用通路53の入口(
図1では、分離用通路53の上端)に導かれる。分離用通路53と分別手段52との間には、収集ホース55が配置されていて、汚れ成分は収集ホース55に吸い込まれ、研磨材のみが研磨材ストック54に導かれる。
【0078】
研磨材と汚れ成分とから分離された遊技媒体は遊技機に送られ、遊技に用いられる。遊技媒体と汚れ成分とから分離された研磨材は、スクリュー部材40に導かれ、アウト球の研磨に用いられる。遊技媒体と研磨材とから分離された汚れ成分は、分別手段52により集塵され、遊技機や筒体30に送られないようにされる。
【0079】
(戻し通路60)
次に、戻し通路60について
図1及び
図10を参照して説明する。
【0080】
図1及び
図10に示すように、戻し通路60は下方に傾斜して配置されている。戻し通路60の上端口は、研磨材ストック54に連通している。戻し通路60の下端口は、スクリュー部材40を臨んで開放されている。なお、戻し通路60を分離用通路53及び研磨材ストック54を含むものとして構成してもよい。
【0081】
戻し通路60の中間部には水供給手段20が設けられている。戻し通路60は、研磨材を分離手段50から水供給手段20を経由してスクリュー部材40に導くように構成されている。
【0082】
水供給手段20を経由することにより、スクリュー部材40に導かれる研磨材に必ず水を湿らせることができ、湿らせた研磨材により、アウト球を研磨することが可能となる。
【0083】
戻し通路60は、研磨材をスクリュー部材40の始端部(スクリュー部材40Bの下端部)に導く。その結果、研磨材により遊技媒体を、スクリュー部材40の始端部から終端部(スクリュー部材40Aの上端部)までの長い区間研磨することが可能となり、装置の研磨能力を向上させることが可能となる。
【0084】
なお、研磨材を導く位置は、スクリュー部材40の始端部に限らず、スクリュー部材40の始端部から終端部までの区間のいずれかの他の部分であってもよい。それにより、戻し通路60や水供給手段20などを設計するときの自由度を高めることが可能となる。
【0085】
また、戻し通路60は、研磨材をスクリュー部材40の始端部及び前記他の部分(例えば、中間部)に導いてもよい。湿らせた研磨材を始端部ばかりでなく、他の部位に導くことを通して、噴霧される水として用いられるアルカリ電解水の説明において述べたような浸透、剥離効果、石鹸効果、殺菌効果、及び、防錆効果を高めることが可能となる。
【0086】
〔作用〕
次に、揚送研磨装置10の作用について説明する。
【0087】
(遊技媒体等の揚送)
モータ6により、スクリュー部材40を筒体30の内部で回転させることによって、筒体30内の遊技媒体と湿らせた研磨材とが混ぜ合わせた状態で揚送される。それにより、汚れ成分が遊技媒体から分離される。研磨材を湿らせることにより汚れ成分が研磨材に付着されず、遊技媒体や研磨材とともに筒体30の上部から排出される。排出された研磨材は、遊技媒体や汚れと分離され、戻し通路60を経由してスクリュー部材40に導かれる。このように研磨材は繰り返し使用されるが、汚れ成分を研磨材に付着させないため、研磨材が汚れず、研磨材の洗浄作業の回数を減少させることが可能となる。それにより、遊技場の運営コストを減少させることが可能となる。
【0088】
遊技媒体及び湿らせた研磨材を揚送しているとき、スクリュー部材40が遊技媒体及び研磨材から摩擦抵抗を受ける。研磨材が湿っているため、研磨材が重くなる上に、摩擦抵抗が大きくなるため、スクリュー部材40に大きな応力がかかり、モータ6に大きな負荷がかかる。しかし、ブラスト加工後において、スクリュー部材40の表面粗さが小さくなっている分、摩擦抵抗が小さくなる。また、スクリュー部材40の表面強度が向上している。そのため、スクリュー部材40が破断するようなことがなく、また、モータ6にかかる負荷も小さくなるので、揚送研磨装置としての耐久性が向上する。この点からも、遊技場の運営コストを減少させることが可能となる。
【0089】
遊技媒体及び研磨材を流体とするなら、遊技媒体及び研磨材を揚送しているとき、スクリュー部材40が流体中を相対移動することとなる。スクリュー部材40の曲面41が、流線型の断面形状を有しているので、曲面41に沿って遊技媒体及び研磨材が移動するとき、遊技媒体及び研磨材からスクリュー部材40が受ける摩擦抵抗が小さくなり、スクリュー部材40にかかる剪断力が小さくなり、モータ6にかかる負荷も小さくなる。
【0090】
筒体30の下端部から中間部に、断面が小さく、巻きピッチが小さなスクリュー部材40Bが設けられているため、遊技媒体等を水平に移送するとき、遊技媒体等から受ける摩擦抵抗が小さくなる。筒体30の中間部から上端部に、断面が大きく、巻きピッチが大きなスクリュー部材40Aが設けられているため、遊技媒体等を上昇させるとき、遊技媒体等から受ける応力が大きくなっても、それにスクリュー部材40Aが十分に耐えることができる。
【0091】
(研磨材の収容)
揚送研磨装置10においては、研磨材は研磨に繰り返し用いられる。研磨材は、研磨材ストック54を含む、揚送研磨装置10の内部に収容されている。
【0092】
(遊技媒体の研磨)
揚送研磨装置10を始動すると、モータ6が回転して、スクリュー部材40の旋回により筒体30の内部で遊技媒体と研磨材とが混ぜ合わされた状態で移送される。遊技媒体と研磨材とを混ぜ合わせているとき、研磨材に水を湿らせているため、汚れ成分が研磨材に付着しない。それにより、研磨材が汚れない。また、遊技媒体、研磨材及び汚れ成分が離れた状態で筒体30の排出口31から排出される。
【0093】
(分離)
遊技媒体、研磨材及び汚れ成分が筒体30の排出口31から排出されると、簀の子51により遊技媒体と、研磨材及び汚れ成分とが分離される。さらに、分別手段52により、研磨材と汚れ成分とが分離される。それにより、分離された遊技媒体を遊技に用いることが可能となり、また、研磨材を研磨に再度用いることが可能となり、さらに、分離された汚れ成分を、遊技媒体や研磨材に接触しないように、回収することが可能となる。
【0094】
(研磨材に水を湿らせる)
分離された研磨材は、戻し通路60により水供給手段20を経由してスクリュー部材40に導かれる。それにより、研磨材を遊技媒体の研磨に繰り返し用いることができる上に、研磨材を研磨に用いる度に、水供給手段20を経由しているので、確実に研磨材に水を湿らせることができる。それにより、研磨に繰り返し用いたとしても、研磨材が汚れることはなく、研磨材の洗浄回数を少なくすることが可能となる。
【0095】
(遊技媒体の遊技利用及び回収)
また、研磨材により研磨された遊技媒体は、汚れ成分と離され、所定の通路を通って、各遊技機に供給され、遊技機から再び揚送研磨装置10に回収されるが、研磨により遊技媒体に汚れが付着していないため、また、遊技媒体には遊技1回分の汚れしか付着していないため、汚れを起因として、遊技に支障を来すことが回避される。
【0096】
(遊技媒体の再研磨)
遊技機から回収された遊技媒体と、戻し通路60によりスクリュー部材40に導かれ、水を湿らせた研磨材とを、筒体30の内部で混ぜ合わせることで、遊技媒体を研磨することが可能となる。
【0097】
(水供給手段20等の保守、点検等)
遊技機島1には、スクリュー部材40の保守点検用の開口が設けられ、保守点検時に開けられ、通常には蓋部材(図示省略)で閉じられている。水供給手段20は、スクリュー部材40の始端部(アウト球や研磨材が導かれる所)の近傍に配されている(
図1参照)。
【0098】
保守点検用の開口を開くと、開口を通して水供給手段20を見ることができ、スクリュー部材40の保守点検を行う際に、一緒に、水供給手段20の保守点検(ノズル21、ポンプ22、タンク23の水量、水量センサ24等の保守点検)を行うことができる。
【0099】
以上のように、前記実施形態に係る揚送研磨装置10によれば、研磨材を研磨に繰り返し用いても汚れが付着しないので、研磨材の洗浄作業の回数を減少させることが可能となる。
【0100】
また、研磨材が研磨に用いられる前に、必ず水供給手段20を経由することにより研磨材に確実に水を湿らせるように構成することができる。さらに、分別手段52により、汚れ成分を確実に集塵することが可能となるという効果を奏する。
【0101】
(水供給手段20の他の例)
前記実施形態では、水を噴霧することにより研磨材を湿らせるように構成された水供給手段20について説明したが、これに限らない。
【0102】
次に、水供給手段20の他の例について
図11を参照して説明する。水供給手段20は、戻し通路60内の研磨材に水を滴下することにより、研磨材を湿らせるように構成されている。
【0103】
図11は、水供給手段の他の例を示す概念図である。
図11に示すように、水供給手段20は、タンク23、水量センサ24、水量調整手段25、及び、開閉器26を有している。水量調整手段25は、滴下される水の量を調整するものである。開閉器26は、流路を開閉して、水が滴下するのを許容/禁止するものである。
【0104】
戻し通路60を通る研磨材の全部を水により湿らせるようにするために、水を滴下する範囲が戻し通路60の所定領域(全幅及び所定長)になるように構成すること、また、滴下される水としてアルカリ電解水を用いることは、水を噴霧する上記実施形態と同様である。
【0105】
さらに、水供給手段20の他の例について
図12を参照して説明する。水供給手段20の他の例としては、戻し通路60内を加湿状態にすることにより、研磨材を湿らせるように構成されている。
【0106】
図12は、水供給手段20の他の例を示す概念図である。
図12に示すように、水供給手段20は、タンク23、水量センサ24、ファン27、及び、超音波発生器28を有している。この水供給手段20は、超音波発生器28の超音波振動によって水を細かく破砕し、それをファン27によって吹き出すものである。戻し通路60の壁(底壁及び側壁)には、吹き出された水の粒を通すための微細穴(図示省略)が設けられている。なお、水供給手段20としては、超音波発生器28に代えて、ヒータ(図示省略)を設け、水を加熱することにより発生させた水蒸気をファン27により吹き出させるものでもよい。
【0107】
戻し通路60を通る研磨材の全部を水により湿らせるように、戻し通路60内を加湿状態にすること、また、加湿状態を作るときの水としてアルカリ電解水を用いること、さらに、加湿状態を調整する水量調整手段を設けることは、水を噴霧する上記実施形態と同様である。
【0108】
以上の実施形態及び変形例において、遊技媒体を研磨する前に研磨材を水で湿らせておく手段について説明した。
【0109】
次に、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を水で湿らせる手段の一例について
図13を参照して説明する。
【0110】
図13は、水供給手段20の他の例を示す概念図である。
図13に示すように、水供給手段20は、筒体30の内部に水を噴霧することにより、筒体30の内部を加湿するように構成されている。筒体30の内部に水を噴霧することにより、筒体30の内部の湿度を上昇させるとともに、筒体30内の研磨材を水で湿らせることができる。それにより、研磨材に汚れ成分が付着するのを防止することが可能となる。
【0111】
また、遊技媒体と研磨材とを混ぜ合わせたときの摩擦熱等により筒体30内の湿度が低下すると、静電気が発生し易くなって、研磨材や汚れ成分に帯電し、研磨材に汚れ成分が付着しようとするが、筒体30の内部に水を噴霧することにより、筒体30内の湿度の低下が抑えられ、静電気の発生を抑えることが可能となる。
【0112】
筒体30の始端部(下端部)及び中間部に配置された水供給手段20を
図13に示す。水供給手段20の上流側には、筒体30内の湿度に対応する信号を出力する湿度センサ12が配置されている。なお、
図13では、筒体30の始端部及び中間部に水供給手段20が一つずつ配置されたものを示したが、複数個ずつ(例えば、筒体30の周方向に所定間隔で)配置されてもよい。
【0113】
噴霧する水としてアルカリ電解水を用いること、また、噴霧する水の量を調整する水量調整手段を設けることは、上記実施形態と同様である。
【0114】
なお、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を水で湿らせる水供給手段20としては、水を噴霧するものに限らず、水を滴下するものであってもよい。
【0115】
図13に示す変形例では、加湿手段11として、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を水で直接的に湿らせる手段について説明したが、研磨材を水で間接的に湿らせる手段であってもよい。
【0116】
次に、研磨材を水で間接的に湿らせる手段の一例として、スクリュー部材40を水で湿らせる手段について説明する。例えば、スクリュー部材40は保水性を有している。それにより、スクリュー部材40を水で湿らせることが可能となる。例えば、スクリュー部材40において、揚送時に研磨材と接する面(搬送面)は保水性を有している。搬送面を水で湿らせておくと、揚送時に研磨材が搬送面と接することにより、研磨材を間接的に水で湿らせることが可能となる。また、スクリュー部材40を水で湿らせることにより、筒体30の内部を加湿することができ、静電気の発生をし難くすることが可能となる。
【0117】
スクリュー部材40を湿らせておく水としてアルカリ電解水を用いること、また、水の量を調整する水量調整手段を設けることは、上記実施形態と同様である。
【0118】
前記実施形態では、遊技媒体を研磨する前に研磨材を水で湿らせる水供給手段20を示した。また、
図13に示す変形例では、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を水で湿らせる水供給手段20を示したが、これらの水供給手段20を組み合わせたものであってもよい。それにより、研磨材をより適時かつより適所で水で湿らせることが可能となる。
【0119】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るスクリュー部材40について
図14を参照して説明する。
図14は、スクリュー部材40C、40Dの横断面図(線材の断面形状)である。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成については同一番号を付してその説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
第1実施形態では、スクリュー部材40A、40Bが溶接により接続されたスクリュー部材40を説明した。これに対し、第2実施形態では、スクリュー部材40、40Bに代えてスクリュー部材40C、40Dが用いられる。
【0120】
第2実施形態では、スクリュー部材40は、2種類のスクリュー部材40C、40Dを溶接により接続されたものである。スクリュー部材40の上部分がスクリュー部材40Cであり、下部分がスクリュー部材40Dである。また、スクリュー部材40の表面には、ブラスト加工により、多数の微細な窪みが設けられている。
【0121】
遊技媒体等の揚送研磨時に、遊技媒体等から受ける摩擦抵抗を減少させるためには、第1実施形態に示すように、流線型であることが好ましい。しかし、流線型の横断面は、コストが嵩む要因となる。摩擦抵抗が嵩むのを抑えつつ、摩擦抵抗を減少させるには、スクリュー部材40の横断面は、矩形状であって、角部に面取りが施されていればよい。
【0122】
図14に示すように、スクリュー部材40C、40Dは、矩形状断面形状を有している。
このスクリュー部材40Cにおいて、断面形状は次の通りである。
W=13、T=6
このスクリュー部材40Dにおいて、断面形状は次の通りである。
W=10、T=4
ここで、Wを板幅、Tを板厚とする。
【0123】
これらの断面形状は、いずれも、角部44に半径R1の面取りが施されている。
半径R1は、0.5mm以上、T/2以下であればよい。
なお、第2実施形態では、半径R1は、2mmから3mmである。
第2実施形態では、角部44に面取りが施されているため、角部44と筒体30の内壁との間の隙間に研磨材が噛み込むことが少なくなって、研磨材とスクリュー部材40との間に生じる摩擦力を低下させることが可能となる。
なお、前記実施形態では、水で湿らせた研磨材を用いて遊技媒体を研磨することで、研磨材に汚れ成分を付着し難くして、研磨材の洗浄作用の回数を減少させることが可能な揚送研磨装置を示したが、本発明に係るスクリュー部材40は、例えば、水で湿らせない研磨材を用いて遊技媒体を研磨する既存の揚送研磨装置においても、有効である。例えば、研磨材を交換してすぐのとき(特に、研磨材が新品のとき)、研磨材からスクリュー部材40が受ける摩擦抵抗が大きく、スクリュー部材40に大きな負荷がかかって、モータがロックしてしまうことがある。このようなときにも、本発明に係るスクリュー部材40は、研磨材からの摩擦抵抗を減少させるような断面形状を有するため、モータのロックを防止することができる。