特許第5945535号(P5945535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945535自動車の灯火、および/または信号装置における光モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945535
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】自動車の灯火、および/または信号装置における光モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20160621BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20160621BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160621BHJP
【FI】
   F21S8/10 531
   F21S8/10 532
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-521084(P2013-521084)
(86)(22)【出願日】2011年7月22日
(65)【公表番号】特表2013-532889(P2013-532889A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2011062618
(87)【国際公開番号】WO2012013591
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年7月7日
(31)【優先権主張番号】1056095
(32)【優先日】2010年7月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ テュリエ
(72)【発明者】
【氏名】トマ カノンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン ビアルヌ
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−135076(JP,A)
【文献】 特開2010−140662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の灯火および/または信号装置の光モジュール(1;1’)であって、支持体(2)と光学レンズ(3)と熱交換器(4)とを備えており、前記光学レンズ(3)と熱交換器(4)とが、前記支持体に結合されており、かつ前記支持体が前記光学レンズを前記熱交換器に接続しており、
灯火および/または信号という2つの異なる機能を実行するように設計された第1および第2の光源を備えており、
前記第1の光源は、前記第2の光源と協働して、ハイビームタイプの灯火機能を実行するようになっており、前記第2の光源は、ロービームタイプの灯火機能を単独で実行するようになっており、
前記光学レンズ(3)が、前記支持体上に配置され、前記支持体の前方部で前記支持体に結合されることを特徴とし、かつ、前記熱交換器(4)が、前記支持体上に配置され、前記支持体の下方で前記支持体に結合されており、
前記第1および第2の光源は、前記熱交換器上に配置されて前記熱交換器に結合されており、
前記支持体と前記熱交換器との間において、前記支持体の下方に、前記支持体に関連して位置決めされ、前記支持体に結合されている第1の反射(6)を備えており、
前記支持体と前記熱交換器との下方において、前記支持体に関連して配置されて前記支持体に結合された第2の反射(7)を備えていることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記支持体(2)は、前記灯火、および/または信号装置のケーシングに、およびこのケーシングの内側に、直接的または間接的に取り付けられるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記支持体は、ファン(5)および/または少なくとも1つの反射体(6、7)、および/または屈折体(8)、および/または空気を導くための空気流ガイド(13)を支持していることを特徴とする、請求項1または2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記支持体は、前記熱交換器を前記ファン(5)に、および/または前記反射体(6、7)に、および/または屈折体(8)に、および/または空気を導くための空気流ガイド(13)に接続していることを特徴とする、請求項3に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記支持体は、前記光学レンズおよび/または前記ファン、および/または前記少なくとも1つの反射、および/または前記屈折、および/または前記熱交換器を配置するための手段を備え、これらの手段は、前記光学レンズおよび/または前記ファン、および/または前記少なくとも1つの反射体、および/または前記屈折および/または前記熱交換器上に設けられた配置手段と係合していることを特徴とする、請求項3または4に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記支持体(2)が、自動車の灯火および/または信号装置のケーシングの中に回転自在に取り付けることができることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光モジュール(1’)。
【請求項7】
自動車の灯火および/または信号装置のケーシングに結合されるようになっており、かつ、前記支持体(2)は、前記ケーシングに関連して回転できるかたちで、前記支持体に固定されるようになっている第1の関節接合手段(2c)を備える基部(2b)を備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光モジュール(1’)。
【請求項8】
前記支持体上に配置され、かつ前記支持体に取付けられている屈折を備えることを特徴とする、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記支持体上に配置され、かつ前記支持体に、前記支持体の上方、および/または前記支持体の背部に取付けられているファンを備えることを特徴とする、請求項1または8に記載の光モジュール。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の光モジュール(1;1’)を備える灯火、および/または信号装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の灯火、および/または信号装置における光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光源がラジエータに取り付けられている灯火装置は、例えば[特許文献1]および[特許文献2]によって公知である。空気流がラジエータに向けられるため、光源によって生じた熱の一部が、ラジエータによって空気流の中に吸い込まれて消散する。光源が発光ダイオードのタイプである場合には、特にこの通りである。そのため、強力な灯火装置が得られる。しかし、このような装置には欠点がある。このような装置は構造が複雑であるため、組み立てが面倒である。また、一緒に組み立てる必要のある多くの部品に、許容誤差を設けなければならない。従って、これらの装置では、各種の部品の寸法関係も複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願2009/303742号明細書
【特許文献2】国際特許出願WO2005/116520号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、前述した従来の光モジュールの欠点を改善した、灯火、および/または信号装置の光モジュールを提供することである。特に、本発明は、構造が簡単で、かつ、各部の寸法の関係も同様に簡単な光モジュールを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による自動車の灯火、および/または信号装置の光モジュールは、支持体と光学レンズと熱交換器とを備えている。光学レンズと熱交換器とは、前記支持体に結合されており、支持体は、光学レンズを熱交換器に接続している。支持体は、レンズを直接的に支持し、かつ、熱交換器を直接的に支持していることが好ましい。従って、単純かつ組立てが容易で、各種のコンポーネントの寸法の関係も単純である光モジュールを提供することができる。
【0006】
前記支持体は、灯火、および/または信号装置のケーシングに、および、このケーシングの内側に、直接的または間接的に取り付けうるように設計することができる。
【0007】
また、支持体は、ファン、および/または少なくとも1つの反射体、および/または屈折体、および/または空気を導くためのガイドを支持することができる。支持体は、ファン、および/または少なくとも1つの反射体、および/または屈折体、および/または空気を導くための手段を直接的に支持していることが好ましい。これにより、光モジュールは、さらに簡単となり、その組み立てはさらに容易になる。
【0008】
支持体は、光学レンズ、および/またはファン、および/または少なくとも1つの反射体、および/または屈折体、および/または熱交換器を配置するための手段を備えていてもよく、これらの手段は、光学レンズに、および/またはファンに、および/または少なくとも1つの反射体に、および/または屈折体に、および/または熱交換器に設けられた配置手段と係合していてもよい。
【0009】
光モジュールは、灯火、および/または信号という2つの異なる機能を実行するようになっている第1および第2の光源を備えているのがよい。第1および第2の光源は、一緒になって、ハイビームタイプの灯火機能を実行するようになっていてもよく、第2の光源は、単独でロービームタイプの灯火機能を実行するように設計されていてもよい。
【0010】
光モジュールは、フォグランプ機能を実行するようになっている光源を備えていてもよい。
【0011】
前記支持体は、自動車の灯火、および/または信号装置のケーシングの中に、回転自在に取り付けることができるようになっているのがよい。このようにすると、自動車が曲がるカーブに従って、光モジュールの軸線の方向を定めることができる。
【0012】
本発明の光モジュールは、自動車の灯火および/または信号装置のケーシングに取付けるように設計された基部を備えているのがよい。この基部は、支持体がケーシングに関連して回転できるように支持体に固定されるように設計された第1の関節接合手段を備えているのがよい。例えば、支持体は、基部の開口部と係合するようになっているほぞを備え、例えば、1つのほぞは支持体の最上部に、別のほぞは、下方にあり、これらのほぞを通る軸は、ケーシングに関連するモジュールの回転軸に対応していてもよい。
【0013】
基部は、支持体をケーシングの方向と合わせるようになっている操作メカニズムを備えているのがよい。一実施形態においては、基部は、駆動メカニズムを備えている。駆動メカニズムから、駆動軸がモジュールの開口部と係合しながら浮上していてもよいが、できればそれは、支持体を回転させるために支持体に設けた開口部であることが好ましい。一変形形態として、図示のように、支持体が、例えばフレームのような中間部分を介して、基部に間接的に接続されていてもよい。その場合、支持体は、フレームに結合されたファスニングラグを備えているのがよい。この場合、フレームは、基部の第1の関節接合手段と係合する手段を備えている。例えば、最上部にほぞがあり、最下部に開口部があって、ほぞが基部の最上部の開口部の中に入り、開口部が駆動軸を受けるようになっている。
【0014】
光学レンズは、支持体上に配置され、支持体の前部で支持体に結合されているのがよく、熱交換器は、支持体上に配置され、支持体の下方で支持体に結合されているのがよい。
【0015】
この光モジュールは、熱交換器上に配置され、熱交換器に結合されている第1および第2の光源を備えているのがよい。
【0016】
この光モジュールは、支持体と熱交換器との間で、支持体の下方に、支持体に関連して配置され、かつ支持体に結合されている第1の反射体を備えているのがよい。
【0017】
この光モジュールは、支持体と熱交換器との下方に、支持体に関連して配置されて支持体に結合されている第2の反射体を備えているのがよい。
【0018】
この光モジュールは、支持体上に配置されて、支持体に結合されている屈折体を備えているのがよい。
【0019】
この光モジュールは、支持体上に配置されて、例えば支持体の上方、および/または支持体の後方で支持体に結合されているファンを備えているのがよい。
【0020】
この灯火および/または信号装置は、中に支持体が取り付けられるケーシングを備えているのがよい。
【0021】
また、本発明は、上記で定義した灯火、および/または信号装置を備える自動車にも関する。
【0022】
添付の図面は、例として、本発明による自動車の光モジュールの2つの実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による光モジュールの第1の実施形態の分解斜視図である。
図2】本発明による光モジュールの第1の実施形態の縦断面図である。
図3】本発明による光モジュールの第1の実施形態の一部の要素を省いた縦断面図である。
図4】本発明による光モジュールの第2の実施形態の分解斜視図である。
図5】本発明による光モジュールの第2の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜3を参照して、本発明の灯火および/または信号装置の光モジュール1の第1の実施形態を説明する。この例では、灯火および/または信号装置の光モジュールは、次の2つの機能を持つ光モジュール1である。
‐ロービームタイプの灯火の機能、および
‐ハイビームタイプの灯火の機能。
【0025】
光モジュール1は、主な要素として、支持体2と、光学レンズ3と、ファン5と、熱交換器例えばラジエータ4と、第1反射体6と、第2反射体7と、屈折体8とを備えている。
【0026】
支持体2は、光学レンズ3を支持体2に取付けるための取付け手段30を備えている。この取付け手段は、光学レンズ3に設けられた配置結合手段31と係合する。従って、光学レンズ3は、支持体2に支持されている。光学レンズ3は、支持体2に直接的に支持されていることが好ましい。
【0027】
支持体2は、ラジエータ4を支持体2に配置して、それを支持体2に結合するための結合手段32を備えている。この結合手段32は、ラジエータに設けられた保持手段33と係合する。このようにして、ラジエータは、支持体2に支持される。ラジエータは、支持体に直接的に支持されることが好ましい。
【0028】
支持体2は、ファン5を支持体2上に配置して、それを支持体2に結合するための結合手段34を備えている。この結合手段34は、ファン5に設けられた配置手段35と係合する。従って、ファン5は、支持体2によって支持されている。ファン5は、支持体2によって直接的に支持されることが好ましい。
【0029】
支持体2は、第1反射体6を支持体2上に配置して、それを支持体2に結合するための固定手段36を備えている。この固定手段37は、第1の反射板6上に設けられた保持手段と係合する。あるいは、支持体は、第1の反射板6を支持体に結合するための手段だけを有していてもよい。位置決め手段は、第1の反射板を第1の光源に関連して配置するために、ラジエータ上または第1の光源上の配置手段と係合することを目的として、第1の反射体上に設けてもよい。従って、第1の反射板は、支持体によって支持される。第1の反射板は、支持体によって直接的に支持されることが好ましい。あるいは、第1の反射板は、ラジエータ4上に配置して、ラジエータによって支持させてもよい。
【0030】
支持体2は、第2の反射体7を支持体上に配置して、それを支持体に結合するための結合手段38を備えている。この結合手段は、第2の反射体7上に設けられている結合手段39と係合する。あるいは、支持体2は、第2の反射体7を支持体に結合するための手段だけを有していてもよい。配置手段は、第2の反射体7を第2の光源に関連させて配置するために、ラジエータ上、または第2の光源上の配置手段と係合するようにして、第2の反射体7に設けてもよい。従って、第2の反射体7は、支持体によって支持される。第2の反射体は、支持体によって直接支持されることが好ましい。あるいは、第2の反射体を、ラジエータ上に配置し、ラジエータによって支持させてもよい。
【0031】
支持体2は、屈折体8を支持体上に配置して、それを支持体に結合するための手段を備えている。これらの手段は、屈折体8に設けた配置手段31と係合する。あるいは、支持体は、屈折体8を支持体に結合するための手段だけを有していてもよい。配置手段は、屈折体を第1の光源に関連して配置するために、ラジエータ上、または第1の光源上の配置手段と係合させるようにして、屈折体上に設けてもよい。従って、屈折体は、支持体によって支持される。屈折体は、支持体によって直接支持されることが好ましい。あるいは、屈折体を、ラジエータ上に配置し、ラジエータによって支持させてもよい。
【0032】
支持体2は、空気流ガイド13を支持体上に配置して、それを支持体に結合するための結合手段38を備えている。この結合手段は、空気流ガイド13上に設けられた係合手段39と係合する。あるいは、空気流ガイド13は、図1〜5の場合のように、第2の反射体7に固定してもよい。従って、空気流ガイド13は、支持体2によって支持される。空気流ガイド13は、支持体2によって直接的に支持されていることが好ましい。
【0033】
第1の光源は、第1のプリント回路9上に取り付けられた第1の発光ダイオードと、第2のプリント回路10上に取り付けられた第2の発光ダイオードとを備えていることが好ましい。これらのプリント回路9および10は、ラジエータ4上に配置されてラジエータ4に結合されることが好ましい。第1の光源によって放出される光ビームは、第1の反射体6の反射面11によって反射され、その後、屈折体8によって一部が反射されて、光学レンズ3によって方向転換される。これらの各種の要素は、第1の光学系を形成し、それによって、カットオフされたロービームタイプの光ビームを生成することが可能になる。反射面11は、楕円形の第1の部分と楕円形の第2の部分とを有し、第1のダイオードは、第1の楕円の部分の第1の焦点に少なくとも実質的に存在し、第2のダイオードは、第2の楕円の部分の第1の焦点に少なくとも実質的に存在し、屈折体は、少なくとも、第1および第2の楕円の部分の第2の焦点に実質的に存在していることが好ましい。また、屈折体は、光学レンズ3の焦点に位置していることが好ましい。
【0034】
第2の光源は、第3のプリント回路19上に取り付けられた第3の発光ダイオードを備えていることが好ましい。第3のプリント回路19は、ラジエータ4上に配置され、かつラジエータ4に固定されていることが好ましい。第2の光源によって放出される光ビームは、第2の反射体7の反射面12によって反射され、その後、光学レンズ3によって方向転換される。これらの各種の要素は、第2の光学系を形成し、それによって、第1の光学系によって生成される光ビームの相補的部分を生成し、その結果、第1および第2の光ビームがハイビームタイプの光ビームを相補的に生成するようにすることが可能になる。反射面12は、楕円形であることが好ましい。第3のダイオードは、反射面12の第1の焦点に実質的に位置し、光学レンズ3の焦点は、反射面12の第2の焦点に実質的に位置している。
【0035】
上記の光学系の構造のため、光学系の各種コンポーネント、すなわち、光源、反射器、屈折器および光学レンズを、相互に関連して精確に配置することが重要であることが分かる。これを行うには、いくつかの方法がある。特に、レンズを支持体に関連させて配置し、反射体を支持体に関連させて配置し、光源をラジエータに関連させて配置し、ラジエータを支持体に関連させて配置することが可能である。この例では、反射体に関連するか、または光学レンズに関連して光源を配置した連鎖体は、ラジエータと支持体とを通過する。あるいは、レンズを支持体に関連して配置し、反射体をラジエータに関連して配置し、光源をラジエータに関連して配置し、ラジエータを支持体に関連して配置することが可能である。後者の例では、光源を反射体に関連して配置した連鎖体は、ラジエータだけを通過する。
【0036】
すべての変形形態において、光学系の各種のコンポーネントは、支持体によって、間接的に支持されるか、直接的に支持されるが、後者の方が好ましい。
【0037】
ファンは、空気とラジエータとの間の熱交換を最適化するために、ラジエータのフィン18の間に流れて、ガイド13によって導かれる空気流22を作り出す。
【0038】
発光ダイオードを支持する各種のプリント回路は、ラジエータに結合されてラジエータに関連して配置される。従って、それらは、支持体2によって間接的に支持され、ラジエータは支持体に結合されている。
【0039】
支持体は、さらに、自動車の構造体にそれが結合されうるようにする結合手段を有する。結合手段は、照明、および/または信号装置のケーシングの中に取付けられるようになっている。このケーシングは、さらに、自動車の構造体に取付けるための手段を有していることが好ましい。支持体は、モールディングによって製造されることが好ましい。例えば、金属またはプラスチック、特に、合成物で作られる。
【0040】
次に、本発明による光モジュールの第2の実施形態を、図4および図5を参照して説明する。これは、支持体2の構造だけが第1の実施形態とは異なっている。具体的には、この第2の実施形態では、支持体2は、関節接合手段2cを備えている。関節接合手段2cは、灯火、および/または信号装置のケーシングの中で結合されるようになっている基部2b上で、第2の関節接合手段と係合する。従って、支持体および光モジュールを、ケーシングの方向に合わせることができる。基部は、例えば、フレームを形成し、フレームの中で支持体が関節接合される。この関節接合は、例えば、垂直な軸に沿って、例えばピボット連結によって行われる。従って、自動車がカーブを曲がる場合に、灯火および/または信号装置の光軸の方向を修正する機能を発揮させることができる。また、基部は、支持体の方向を制御し、それによって、光モジュールの方向の制御を可能にする、例えば歯車モータのような操作手段を備えていてもよい。
【0041】
例えば、支持体は、第1の関節接合手段として、ほぞ(図示せず)を備えていてもよい。例えば、1つのほぞが支持体の最上部に、別のほぞが下方にあり、これらのほぞを通る軸が、ケーシングに対するモジュールの回転軸に相当してもよい。基部は、第2の関節接合手段として、ほぞと係合しうるようになっている孔を備えていてもよい。
【0042】
一変形形態においては、基部2bは、駆動メカニズムを備えていてもよい。駆動メカニズムから駆動軸2dがモジュールの開口部と係合しながら浮上してもよいが、できれば、それは、支持体2を回転させるために支持体2の開口部であることが好ましい。一変形形態として、図示のように、支持体2を、例えばフレームのような中間部分(見やすくするため図示せず)を介して、基部2bに間接的に接続してもよい。この場合、支持体は、フレームに結合されたファスニングラグ2eを備えていてもよい。この場合、フレームは、基部の第2の関節接合手段と係合する手段を備えている。例えば、最上部にほぞがあり、最下部に孔があって、ほぞが基部の最上部の開口部2cの中に入り、孔が駆動軸2dを受ける。
【0043】
本明細書全体を通じて、「コンポーネントを支持する」とは、そのコンポーネントに及ぼされた力を吸収し、その力を自動車の構造体に伝達する動作を意味しており、その力とは、特に、例えばウエイトのような加速力に起因する、ある距離を隔てた力である。さらに、「直接的に」コンポーネントを支持する部分は、そのコンポーネントに及ぼされる力を直接吸収し、これを、自動車の構造体に伝達する。すなわち、そのコンポーネントと部品との間には、力を伝達する中間部分は存在しない。あるいは、中間部分の唯一の機能がインタフェース機能である場合には、中間部分を設けてもよい。後者の場合には、中間部分といえども、その部品がコンポーネントを直接的に支持しているとみなされる。
【0044】
各種の実施形態において、光モジュールは、第1のロービーム機能と、第2のハイビーム機能とを実行する。しかし、本発明による光モジュールは、第1および第2の機能のうちの一方、および/または他方の代替として、いずれかの他の機能を実行してもよい。また、本発明による光モジュールは、例えばフォグランプ機能のような、灯火および/または信号のうち1つの機能だけを実行してもよい。
【0045】
本明細書全体を通して、各種の「形容詞」と共に用いている「少なくとも実質的に」という用語は、「形容詞である」か、または「実質的に形容詞である」との意味であり、例えば、「少なくとも実質的に垂直である」とは、「垂直である」か、または「実質的に垂直である」ことを意味している。
【符号の説明】
【0046】
1 光モジュール
2 支持体
2b 基部
2c 関節接合手段
2d 駆動軸
2e ファスニングラグ
3 光学レンズ
4 ラジエータ
5 ファン
6 第1反射体
7 第2反射体
8 屈折体
9 第1のプリント回路
10 第2のプリント回路
11 第1の反射体6の反射面
12 第2の反射体7の反射面
13 空気流ガイド
18 フィン
19 第3のプリント回路
22 空気流
30 取付け手段
31 配置手段
32 結合手段
33 配置保持手段
34 固定手段
35 配置手段
36 固定手段
37 係止手段
38 結合手段
39 係合手段
図1
図2
図3
図4
図5