特許第5945536号(P5945536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945536安全バルブ及び燃料蒸気バルブアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945536
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】安全バルブ及び燃料蒸気バルブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/10 20060101AFI20160621BHJP
   B60K 15/035 20060101ALI20160621BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   F16K31/10
   B60K15/035 C
   F16K31/06 305L
   F16K31/06 385A
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-521243(P2013-521243)
(86)(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公表番号】特表2013-535631(P2013-535631A)
(43)【公表日】2013年9月12日
(86)【国際出願番号】IB2011001765
(87)【国際公開番号】WO2012014061
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年5月12日
(31)【優先権主張番号】61/368,797
(32)【優先日】2010年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100109690
【弁理士】
【氏名又は名称】小野塚 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ケラー、ロバート、ディー
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−317707(JP,A)
【文献】 特開平11−247730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/10
B60K 15/035
F16K 31/06
F02M 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポート(12)、第2ポート(14)、及び、該第2ポートに前記第1ポートを接続し、また、シート面(56)を備えた通路(16)を含んだ、バルブボディ(11)と、
シール(44)及びポペット(42)を備え、前記通路内に配置される第1バルブと、
前記バルブボディ内に配置されたソレノイド(26)と、
を含むバルブアセンブリ(10)であって、
前記シールは、前記通路内の前記シート面に対する着座位置と非着座位置との間で移動可能であり、
前記ポペットは、前記ポペットが前記シールを持ち上げて、前記第1ポートを前記第2ポートに流体接続する持ち上げ位置と、前記ポペットが前記シールに対してシールし、かつ、前記シールが前記着座位置にあるシール位置と、前記ポペットが前記シールからシール解除して、前記第1ポートを前記第2ポートに流体接続する低位置との間で移動可能であり、
前記ソレノイドは、前記ソレノイドが励磁されたときに、少なくとも前記ポペットを移動させるように連結されたアーマチュア(34)を含む、ことを特徴とするバルブアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記バルブボディは、さらに、前記第1バルブの上側にダイヤフラム(15)を含み、前記ダイヤフラムは、前記ポペットに接続され、前記第2ポートからの流体圧力によって前記第1バルブに作用する上下方向の力を相殺する上下方向の力を、前記第1バルブに付与するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記シールは、さらに、前記第2ポートに面し、第1実効直径(66)を有する第1側(62)、及び、前記第1ポートに面し、第2実効直径(60)を有する第2側(58)を含み、
前記ポペットは、さらに、前記第2ポートに面し、第3実効直径(79)を有する第3側(65),及び,前記第1ポートに面し、第4実効直径(81)を有する第4側(74)を含み、
前記第1ポートにおける第1圧力が、第1所定値に到達した場合、前記第1ポートにおける前記第1圧力は、前記ポペットを前記持ち上げ位置に持ち上げるように、前記第4側に作用する、ことを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記第2ポートにおける第2圧力が、第2所定値に到達した場合、前記第2圧力は、前記シールを前記着座位置に着座させるように、前記シールの前記第1側に作用することを特徴とする請求項3に記載のバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記バルブボディは、さらに、前記第1バルブの上側にダイヤフラム(15)を含み、
前記ダイヤフラムは、第5実効直径(68)を有する第5側(70)を含み、前記第5側は、前記第2ポートからの前記第2圧力を受けるように構成されており、
前記第5実効直径,前記第3実効直径,及び,前記第1実効直径は、前記第3実効直径,及び,前記第1実効直径に作用する前記第2圧力の力が、前記第5実効直径に作用する前記第2圧力の力を相殺するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のバルブアセンブリ。
【請求項6】
前記ダイヤフラムは、さらに、第3圧力を受けるように構成された第6側(71)を含むことを特徴とする請求項5に記載のバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記第1ポートは、前記シール及び前記ポペットに第1圧力の流体を供給するように構成され、
前記ダイヤフラムは、前記ダイヤフラムの第1側(70)で前記第2ポートからの流体圧力を受け、
前記バルブボディは、さらに、前記ダイヤフラムの第2側(71)に第3圧力の流体を供給するように構成された第3ポート(77)を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記アーマチュアは、さらに、延長部分(40)を含み、前記延長部分は、前記アーマチュアを前記ポペットに連結することを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項9】
前記バルブボディは、さらに、前記第1バルブの上側にダイヤフラム(15)を含み、前記ダイヤフラムは、前記ポペットに接続され、前記第2ポートからの流体圧力によって前記第1バルブに作用する上下方向の力を相殺する上下方向の力を、前記第1バルブに付与するように構成されており、また、
前記延長部分は、前記ダイヤフラムを貫通することを特徴とする請求項8に記載のバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記シールは、柔軟なシール部分(45)及び剛性のある剛体ボディ部分(46)を含むことを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項11】
前記バルブボディは、さらに、
第1端部において前記ポペットと接触し、かつ、第2端部において前記シールの前記剛体ボディ部分と接触した、第1スプリング(54)と、
第3端部において前記バルブボディの一部分と接触し、かつ、第4端部において前記シールの前記剛体ボディ部分と接触した、第2スプリング(48)と、を含み、
前記第1スプリングは、前記ポペットを前記シール位置に付勢し、
前記第2スプリングは、前記シールを前記着座位置に付勢する、ことを特徴とする請求項10に記載のバルブアセンブリ。
【請求項12】
前記バルブボディは、さらに、前記シールの移動をガイドするように構成された複数のリッジ(47)を含むことを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項13】
前記バルブボディは、さらに、第3ポート(80),第4ポート(82),及び,該第4ポートに前記第3ポートを接続し、また、第2シート面(91)を備えた第2通路(84)と、
第2シール(90)及び第2ポペット(88)を備え、前記第2通路内に配置される第2バルブと、
前記バルブボディ内に配置された第2ソレノイド(86)と、
を含み、
前記第2シールは、前記第2通路内の前記第2シート面に対する着座位置と非着座位置との間で移動可能であり、
前記第2ポペットは、前記第2ポペットが前記第2シールを持ち上げて、前記第3ポートを前記第4ポートに流体接続する持ち上げ位置と、前記第2ポペットが前記第2シールに対してシールし、かつ、前記第2シールが前記着座位置にあるシール位置と、前記第2ポペットが前記第2シールからシール解除して、前記第3ポートを前記第4ポートに流体接続する低位置との間で移動可能であり、
前記第2ソレノイドは、前記第2ソレノイドが励磁されたときに、少なくとも前記第2ポペットを移動させるように連結された第2アーマチュア(102)を含み、
前記ソレノイドが励磁された場合、前記第1バルブは、超過圧力安全機能と超過真空安全機能のいずれか1つを提供し、
前記第2ソレノイドが励磁された場合、前記第2バルブは、超過圧力安全機能と超過真空安全機能のいずれか1つを提供する、ことを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項14】
前記ソレノイドは、前記ソレノイドが励磁されたときに、前記ポペットを前記持ち上げ位置に持ち上げるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項15】
前記ソレノイドは、前記ソレノイドが励磁されたときに、前記ポペットを前記低位置に下げるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項16】
第1圧力の流体に連通した第1ポート(12)、第2圧力の流体に連通した第2ポート(14)、及び、該第2ポートに前記第1ポートを接続し、また、シート面(56)を備えた通路(16)を含んだ、バルブボディ(11)と、
シール(44)及びポペット(42)を備え、前記通路内に配置される第1バルブと、
前記バルブボディ内に配置されたソレノイド(26)と、
を含むバルブアセンブリ(10)であって、
前記シールは、前記通路内の前記シート面に対する着座位置と非着座位置との間で移動可能であり、
前記ポペットは、前記ポペットが前記第1圧力の流体に応じて前記シールを持ち上げて、前記第1ポートを前記第2ポートに流体接続する持ち上げ位置と、前記ポペットが前記シールに対してシールし、かつ、前記シールが前記着座位置にあるシール位置と、前記ポペットが前記シールからシール解除して、前記第1ポートを前記第2ポートに流体接続する低位置との間で移動可能であり、
前記ソレノイドは、前記ソレノイドが励磁されたときに、少なくとも前記ポペットを移動させるように連結されたアーマチュア(34)を含む、ことを特徴とするバルブアセンブリ(10)。
【請求項17】
前記シールは、さらに、前記第2ポートに面し、第1実効直径(66)を有する第1側(62)、及び、前記第1ポートに面し、第2実効直径(60)を有する第2側(58)を含み、
前記ポペットは、さらに、前記第2ポートに面し、第3実効直径(79)を有する第3側(65)、及び、前記第1ポートに面し、第4実効直径(81)を有する第4側(74)を含み、
前記バルブボディは、さらに、前記第1バルブの上側にダイヤフラム(15)を含み、前記ダイヤフラムは、第5実効直径(68)を有する第5側(70)を含み、
前記第5側は、前記第2ポートからの前記第2圧力の流体を受けるように構成されており、
前記第5実効直径は、前記第5実効直径に作用する前記第2圧力の力が、前記第3実効直径、及び、前記第1実効直径に作用する前記第2圧力の力によって相殺されるように構成されていることを特徴とする請求項16に記載のバルブアセンブリ。
【請求項18】
前記ダイヤフラムは、さらに、第3圧力を受けるように構成された第6側(71)を含むことを特徴とする請求項17に記載のバルブアセンブリ。
【請求項19】
燃料タンク(18)及びカーボンキャニスタ(20)を備えた車両の蒸気制御システムであって、該システムは、
前記燃料タンクに接続された第1ポート(12)、前記カーボンキャニスタに接続された第2ポート(14)、及び、該第2ポートに前記第1ポートを接続し、シート面(56)を備えた通路(16)を含んだ、バルブボディ(11)と、
シール(44)及びポペット(42)を備え、前記通路内に配置された第1バルブと、
前記バルブボディ内に配置されたソレノイド(26)と、
を含み、
前記シールは、前記通路内の前記シート面に対する着座位置と非着座位置との間で移動可能であり、
前記ポペットは、前記ポペットが前記燃料タンクからの燃料超過圧力に応じて前記シールを持ち上げる持ち上げ位置と、前記ポペットが前記シールに対してシールし、かつ、前記シールが前記着座位置にあるシール位置と、前記ポペットが前記燃料タンク内の真空状態に応じて前記シールからシール解除する低位置との間で移動可能であり、
前記ソレノイドは、前記ソレノイドが励磁されたときに、少なくとも前記ポペットを移動させるように連結されたアーマチュア(34)を含む、ことを特徴とする蒸気制御システム。
【請求項20】
前記バルブボディは、さらに、前記第1バルブの上側にダイヤフラム(15)を含み、前記ダイヤフラムは、前記ポペットに接続され、前記第2ポートからの流体圧力によって前記第1バルブに作用する上下方向の力を相殺する上下方向の力を、前記第1バルブに付与するように構成されており、
前記ダイヤフラムは、第1側(70)及び第2側(71)を含み、前記ダイヤフラムの前記第1側は、前記カーボンキャニスタからの流体圧力を受け、
前記バルブボディは、さらに、前記ダイヤフラムの前記第2側を他の流体圧力にさらす第3ポート(77)を含むことを特徴とする請求項19に記載の蒸気制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2010年7月29日に出願された米国仮出願61/368,797号の利益を主張するものであり、この仮出願は、参照することによりその全体がここに組み込まれる。
本発明は、二つの構成要素間の流量を制御するため、特に、燃料タンクと蒸気を吸収するカーボンキャニスタとの間の燃料蒸気の流れを制御するためのバルブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気ベントバルブは、蒸気が所定の条件下で容器から放出されることを許容する様々な応用において用いられる。例えば、燃料蒸気は、燃料蒸気を吸収するカーボンキャニスタへ放出される。カーボンキャニスタは、後に、吸収した燃料蒸気が車両のエンジン内で燃焼されることでパージされる。
【0003】
概して、蒸気ベントバルブは、バルブに作用するタンク内の蒸気の圧力が所定の圧力になるまで、燃料タンクからキャニスタへの蒸気の流れを閉鎖するように構成されている。燃料タンク内の蒸気の圧力からベントバルブにかかる力は、ベントバルブを閉鎖位置に付勢しているスプリングの力に打ち勝つことがある。これらの条件の下で、ベントバルブは、超過圧力に対する安全機能を実施する。蒸気ベントバルブの中には、さらに、タンク内の圧力が所定の最小圧力以下に低下したときに、蒸気がベント管路からタンクへ戻ることを許容するように動作することによって、超過真空状態に対する安全機能を実施する。
【発明の概要】
【0004】
バルブアセンブリは、ベント管路内の蒸気圧力による第2構成要素への影響を受けずに、燃料蒸気を燃料タンクから放出するように、流体を、第1構成要素からカーボンキャニスタのような第2構成要素へ放出するような超過圧力に対する安全機能を実施することを提供する。換言すれば、バルブアセンブリは、バルブが開放されるような蒸気圧力があろうがなかろうが必要とされたときに、圧力に対する安全機能を提供するために開放するバルブを有する。バルブアセンブリは、さらに、流体が蒸気圧に応じた移動によって別途流れることを許容するように制御することができるソレノイドを含むことができる。
【0005】
特に、第1ポートと第2ポートとの間の流量を制御するためのバルブアセンブリは、第1ポートと第2ポートとの間の通路を定めるバルブボディを含む。本願で用いられる流量とは、蒸気流量、流体流量、または、その両方を含む。バルブアセンブリは、移動可能なアーマチュアを有する電気的に励磁されるソレノイドを含む。少なくとも一つのバルブは、バルブボディ内のアーマチュアと一体になって移動するように接続される。この少なくとも一つのバルブは、アーマチュアと一体になって移動するように接続されるポペットバルブのような第1バルブと、本願ではポペットバルブを実質的に包囲するシールバルブとして適用される第2バルブの両方を含むことができる。この少なくとも一つのバルブ(例えばポペットバルブとシールバルブを組み合わせたもの)は、着座位置にあるときに通路を閉鎖する。この少なくとも一つのバルブは、ソレノイドを励磁する(または、ある実施形態においては非励磁化する)ことに応答してソレノイドバルブのアーマチュアによって移動させられたときに、通路を開放する。
【0006】
少なくとも一つのバルブは、さらに、着座位置から非着座位置へソレノイドから独立して移動することができる。少なくとも一つのバルブは、第1ポートにさらされる少なくとも一つのバルブの一つの面にかかる第1圧力と、第2ポートにさらされる少なくとも一つのバルブの反対側の面にかかる第2圧力、にさらされる。ダイヤフラムは、少なくとも一つのバルブに動作可能に接続され、かつ、第2圧力にさらされる少なくとも一つのバルブの実効面積に等しい第2圧力にさらされる実効面積を有する。ダイヤフラムにかかる第2ポート圧力からの力は、シールバルブにかかる第2ポートからの圧力の力に実質的に等しく、正反対の向きである。ダイヤフラムにかかる第2圧力の力は、実質的に等しく反対方向である少なくとも一つのバルブにかかる第2圧力の力の影響を実質的に相殺する。従って、所定の圧力より上になった第1ポートからの第1圧力に応答して、少なくとも一つのバルブを、通路を開放するために非着座位置へ移動させることは、実質的に第2圧力から独立している。
【0007】
従って、燃料タンクに適用することによって、バルブアセンブリは、第2ポートからの圧力に関係なく(例えば、キャニスタへの蒸気ベント管路内の圧力に関係なく)放出することを許容するためにバルブを開放することによって、超過圧力に対する安全機能を実施する。バルブアセンブリは、さらに、少なくとも一つのバルブを着座位置に付勢する第1スプリングを含むことができ、第1ポート(例えば燃料タンク)からの圧力の力が第1スプリングによる力より大きくなったときに、超過圧力に対する安全機能が機能する。
【0008】
任意の方法で、少なくとも一つのバルブがポペットバルブ及びシールバルブを含む実施形態において、ポペットバルブは、さらに、第2ポートからの蒸気圧によるポペットバルブにかかる力と、第2圧力がダイヤフラムに作用する面に対して反対側の面にかかる他の圧力からのダイヤフラムにかかる力、との合力が、第2スプリングの力と、第1ポートからの圧力によるポペットバルブにかかる力と、第2ポートからの圧力によるダイヤフラムにかかる力の合力より大きくなったときに、第2スプリングの力に逆らって移動することができる。燃料タンクに適用することによって、ポペットバルブは、燃料タンク内の第1圧力が所定の最小圧力を下回ったときに、蒸気がキャニスタへの蒸気ベント管路から燃料タンクへ流れることを許容することによって、超過真空状態に対する安全機能を実施する。
【0009】
上述の特徴と利点、および本発明の他の特徴と利点は、添付した図面と関連して本発明を実施するための以下の最良の形態の詳細な説明から容易に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、燃料タンクと蒸気キャニスタとの間の蒸気流を制御するバルブアセンブリの略断面図である。
図2図2は、図1におけるバルブアセンブリの一部分の略断面図である。
図3図3は、図1におけるバルブアセンブリの他の一部分の略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図を参照すると、同様の参照番号はこれらの図を通して同様の構成要素を示しており、図1は、第1ポート12を有するバルブボディ11、第2ポート14、及び、第1ポート12を第2ポート14に接続する通路16を備えたバルブアセンブリ10を示す。以下でさらに説明されるように、ダイヤフラム15が、バルブアセンブリ10におけるいくつかのバルブにかかる力の平衡に作用するために用いられる。
【0012】
バルブアセンブリ10は、ここで説明されるように、第1ポート12と第2ポート14との間の流量を制御する。これに限定されない一つの実施形態において、バルブアセンブリ10は、燃料タンク18と蒸気キャニスタ20との間で蒸気の流れを制御するために、車両において用いられる。図1は、第1ポート12内の第1圧力が燃料タンク18内の圧力であり、かつ、第2ポート14内の第2圧力が蒸気キャニスタ20を第2ポート14に接続するベント管路22内の圧力であるように、第1ポート12に動作可能なように接続された燃料タンク18を示す。他の実施形態において、燃料タンク18は第2ポート14に接続されてもよく、かつ、蒸気キャニスタ20へのベント管路22は第1ポート12に接続されてもよい。
【0013】
バルブアセンブリ10は、ソレノイドボディ28を備えた第1ソレノイド26を含む。この実施形態に示されているように、ソレノイドボディ28は、さらに、バルブハウジングとして適用され、かつ、鋳造、成形、または他の処理によって互いに統合されるかまたは単一化される部品を備えた複合的な構成要素である。ソレノイドボディ28はコイル30を収容する。磁極片32は、圧入、または、さもなければソレノイドボディ28内で固定される。アーマチュア34は、コイル30が電源(例えばバッテリなど、図示せず)によって励磁されたときに、円柱状のキャビティ36内で移動可能である。フラックスコレクタ38はアーマチュア34に隣接して位置される。磁極片32、コイル30、アーマチュア34、及び、フラックスコレクタ38は電磁石を形成する。磁束線は、磁極片32とアーマチュア34との間のエアギャップにおいて作り出される。
【0014】
延長部分40は、アーマチュア34と一体になって移動するように接続されている。ポペットバルブ42は、さらに第1バルブまたは第1ポペットバルブとしてここで適用され、延長部分40及びアーマチュア34と一体になって移動するように接続されている。バルブアセンブリ10は、さらに、ポペットバルブ42を放射状に包囲するシールバルブ44を含む。シールバルブ44は、さらに、第2バルブとして適用される。ポペットバルブ42及びシールバルブ44は、単一のバルブとして一体化してもよい。ポペットバルブ42が、超過圧力に対する安全を提供するために、シールバルブ44から独立して移動することができなければならないので、このような実施形態においては、バルブアセンブリ10は、以下に記述される超過真空状態に対する安全機能を提供しないであろう。図2において、シールバルブ44は、通路16においてバルブボディ11のシート面56に接触した着座位置において示されている。シールバルブ44は、柔軟なシール部分45と比較的より剛性のあるボディ部分46の両方を含む。
【0015】
図1において、アーマチュア34は、コイル30が励磁されていない位置に示されている。別の実施形態においては、アーマチュア34は、コイル30が励磁されたときに、図1に示されている位置において構成され、かつ、コイル30が非励磁化されたときに磁極片32の方へ移動することができる。第1位置において、ポペットバルブ42は、第1ポート12と第2ポート14との間に流体が流れることを防ぐために、シールバルブ44が着座するシート面56と同じ高さである。図1の実施形態において、コイル30が励磁されたときに、アーマチュア34は、磁極片32の方へ移動して、図1及び図2においてポペットバルブ42を上方へ引っ張り、ポペットバルブ42が、さらに、シールバルブ44を上方へ引っ張る第2位置へ移動するので、シールバルブ44及びポペットバルブ42は、バルブボディ11のシート面56の上にある。これは、第1ポート12と第2ポート14との間に流体が流れることを許容するために通路16を開放することである。シールバルブ44の移動はリッジ47によってガイドされる。
【0016】
ソレノイド26は、バルブが用いられる車両が駆動されるときのような動力供給がされている場合、コントローラによって制御される。バルブアセンブリ10は、さらに、車両が駆動されているかどうかに関係なく、つまりソレノイド26のコントローラが動力供給されていないときでさえ、蒸気圧力の力に応じて、超過圧力及び超過真空状態に対する安全を提供する。図に示されている、ポペットバルブ42及びシールバルブ44が単一のバルブとして一体化されない実施形態において、アーマチュア34が図に示されている位置にあるときに、ポペットバルブ42は、さらに、第1ポート12及び第2ポート14からの圧力によるポペットバルブ42にかかる力、第2ポート14からの圧力及び第2ポート14にさらされる面と反対側のダイヤフラム15の面における圧力によるダイヤフラム15にかかる力、及び、スプリング54の付勢力、との平衡によって第1位置と図に示されている(第1ポート12の方へ向かう)第3位置との間でシールバルブ44から独立して移動することができる。図1及び図2におけるポペットバルブ42は、蒸気が第2ポート14から第1ポート12へ流入することを許容する第3位置に示されている。第3位置は、超過真空状態を作り出す条件の間中に現れ、ここにおいてさらに説明される。
【0017】
図2において示される第1スプリング48は、シールバルブ44を図に示されている着座位置に付勢する。第1スプリング48は、バルブボディ11の固定部50、及び、シールバルブ44の内部環状リップ52と接触して着座する。第1スプリング48は、第2スプリング54を放射状に包囲する。第2スプリング54は、ポペットバルブ42の一部分、及び、シールバルブ44のリップ52と接触している。第1スプリング48はアウタスプリングであり、第2スプリング54はインナスプリングである。
【0018】
シールバルブ44は、第1ポート12からの第1圧力にさらされる第1実効面積59となる第1側面すなわち第1表面58を有する。第1実効面積59は、第1圧力にさらされるシールバルブ44及びポペットバルブ42の表面によって作り出される範囲である。第1実効面積59は、外径60の円の面積と等しい。対して、シールバルブ44の第2側面すなわち第2表面62は、第2実効面積64を有し、第2ポート14からの第2圧力にさらされる第2実効直径66を備える。第2実効面積64は、第2圧力にさらされるシールバルブ44及びポペットバルブ42の表面によって作り出される。
【0019】
ポペットバルブ42が、内部表面65がシールバルブ44と接触し、かつ、シールバルブ44が図に示されている着座位置にある第1位置にあるときに、通路16は、ポペットバルブ42及びシールバルブ44によって閉鎖され、第1ポート12と第2ポート14との間に流体が流れることを許容しない。第1ポート12からの圧力が所定のレベルより上に上昇した場合、シールバルブ44を開放する(つまり非着座位置に移動させる)ために、第1実効面積59における第1圧力の力は、シールバルブ44を着座位置に付勢する第1スプリング48の力に打ち勝つ必要がある。
【0020】
ダイヤフラム15の相殺効果により、シールバルブ44は、非着座位置へ持ち上げるために、第2ポート14からの第2圧力による如何なる力に打ち勝つ必要がない。ダイヤフラム15は、外周面を、バルブボディ11と固定ソレノイドボディ28との間で固定バルブボディ11に固定されている。内周面においては、ダイヤフラム15は、アーマチュア34と一体になって移動するように接続されており、かつ、延長部分40及び第1ポペットバルブ42は、アーマチュア34と一体になって移動するように接続されている。ダイヤフラム15は、延長部分40から伸び、かつ、延長部分40と一体になって移動するカップフランジ67に接続されている。延長部分40及びカップフランジ67は、単一の部品として一体化されてもよい。ダイヤフラム15は、第2ポート14からの第2圧力にさらされる第3実効面積及び第3実効直径68を備えた表面70を含む。ダイヤフラム15は、第3実効面積を備えた表面70に対して反対側に第4実効面積を備えた表面71を有し、かつ、バルブハウジング28内の開口77(図1参照)を経由して大気圧に限定されない他の圧力にさらされる。第4実効面積を備えた表面71は、実効直径73を有するダイヤフラム15の一つの表面である。
【0021】
ダイヤフラム15は、第2圧力にさらされたダイヤフラム15の第3実効面積を備えた表面70の面積が、第2圧力にさらされたポペットバルブ42及びシールバルブ44の第2実効面積64の面積と等しくなるように、厳密に構成されている。第3実効直径68は第2実効直径66に等しい。従って、シールバルブ44を第1ポート12の方へ移動させるためにシールバルブ44に作用する第2ポート14からの第2圧力の力は、ダイヤフラム15(及びそれ故に延長部分40及びシールバルブ44)を、シート面56から離れて非着座位置へ移動させるために作用するダイヤフラム15にかかる第2圧力に相反する力によって相殺される。言い換えれば、ダイヤフラム15により、第2ポート14からの第2圧力は、シールバルブ44の位置に影響をもたらさない。シールバルブ44を非着座位置へ移動させる影響を及ぼす圧力は、第1実効面積59における第1ポート12からの圧力、及び、表面71における圧力(大気圧)のみである。別の実施形態は、ダイヤフラム15の実効直径を、実効直径60の代わりに実効直径79と等しく調整するように構成されるか、または、この適用により、その間に調整することができる。
【0022】
第2(開放)位置にポペットバルブ42を設置するためにソレノイド26によってオーバードライブされる場合、及び、超過真空状態である場合を除いて、ポペットバルブ42及びシールバルブ44の位置は、第1ポート12からの圧力、及び、バルブ42,44に作用するスプリング48,54の力の合力に依存する。シールバルブ44及びポペットバルブ42に関して、第1スプリング48の力を減じた第1ポート12からの第1圧力の力(第1圧力と第1実効面積59の積である)は、ポート12と14との間に流体が流れることを許容するために、シート面56から離れて第2ポート14の方へポペットバルブ42及びシールバルブ44を持ち上げるように作用する。第1スプリング48の力は、シールバルブ44をシート面56に(つまり図に示される着座位置に)付勢するように作用する。ポペットバルブ42は、さらに、ポペットバルブ42の表面65が柔軟なシール部分45の第1表面58と接触する第1位置へ付勢される。第2ポート14からの第2圧力はシールバルブ44に影響を及ぼさない。従って、シールバルブ44は、第1ポート12からの第1圧力の力がスプリング48の力を超えたときに、流体が流れることを許容するように、柔軟なシール部分45の底が位置72にある非着座位置に持ち上げられる。すなわち、シールバルブ44を着座しないように作用する力は、

first×Afirst―Ffirst Spring

であり、ここで、Pfirstは第1ポート12からの圧力であり、Afirstは第1実効面積59であり、かつ、Ffirst Springは第1スプリング48の力である。
【0023】
ポペットバルブ42に関して、第1ソレノイド26が、アーマチュア34(及びそれ故にポペットバルブ42及びシールバルブ44)を、通路16を開放するために第1ポート12から離れて移動させるように動作していないとすれば、まもなく、ポペットバルブ42における力の平衡は、図に示されている着座位置においてポペットバルブ42を表面65がシールバルブ44の第1表面58と接触する閉鎖位置に付勢する内側スプリング54の力を含む。第1ポート12からの第1圧力の力は、第1圧力と第1圧力にさらされた実効面積74の面積の積であり、かつ、さらに、ポペットバルブ42を閉鎖位置に付勢するように作用する。スプリング54の力及び第1ポート12からの第1圧力の力に相反して、第2圧力ポート14からの第2圧力の力は、第2圧力にさらされる表面65の実効面積とこれに作用する第2圧力の積である。すなわち、図に示されているような超過真空状態に対する安全を提供するために、ポペットバルブ42を第3位置に移動させるように作用する力は、

Second×APoppet Second+PThird×ADiaphragm at Third Pressure
(PFirst×APoppet First+FSecond Spring+PSecond×ADiaphragm at Second Pressure

であり、ここで、PSecondは第2ポート14からの第2圧力であり、APoppet Secondは実効直径79を有する第2圧力にさらされる表面65の面積であり、ADiaphragm at Third Pressureは第3圧力PThirdにさらされるダイヤフラム15の表面71の実効面積でありかつ実効直径73を有しており、PFirstは第1ポート12からの圧力であり、APoppet Firstは第1圧力にさらされる実効面積74でありかつ実効直径81を有しており、FSecond Springは第2スプリング54の力であり、かつ、ADiaphragm at Second Pressureは第2圧力にさらされるダイヤフラム15の表面70の実効面積でありかつ実効直径68を有している。
【0024】
従って、表面65に対して作用する第2ポート14からの第2圧力の力と、ダイヤフラム15の表面71に作用する第3圧力の力の合力が、実効面積74に対して作用する第1圧力の力とスプリング54の力とダイヤフラム15の表面70に作用する第2圧力の力の合力より大きい場合、ポペットバルブ42は、流体が第2ポート14から第1ポート12へ流れることを許容するために、図に示されている第3位置に移動する。図に示されているこの実施形態において、これは、超過真空状態に対する安全を提供するために、第1圧力が所定の最小圧力より下に低下した場合などに、蒸気がベント管路22から燃料タンク18へ流れることを許容する。第1ポート12からの第1圧力がベント管路22における圧力であり、かつ、第2ポート14からの第2圧力が燃料タンク18内の圧力である実施形態において、バルブ42,44の超過真空状態に対する安全は、第2圧力が超過真空状態に対する安全機能において最小の効果を有するように、その後間もなく、ダイヤフラム15によって保たれる。
【0025】
図1において、バルブボディ11は、さらに、任意の第3ポート80、第4ポート82、及び、第3ポート80を第4ポート82に接続する第2通路84を形成する。第2ソレノイド86、第3バルブ88、及び、第4バルブ90の他に第3スプリング92及び第4スプリング94もまた、ここで記述されるように第3ポート80と第4ポート82との間の流量を制御するために用いられる。第3ポート80は燃料タンク18に流体連通することができ、かつ、第4ポート82は蒸気キャニスタ20へのベント管路22に流体連通することができる。バルブ88,90、及び、スプリング92,94は、バルブ42,44及びスプリング48,54とは異なる圧力レベルにおいて超過圧力及び超過真空状態に対する安全を提供するように構成されている。あるいは、第3ポート80はベント管路22に流体連通するように構成され、かつ、第4ポート82は燃料タンク18に流体連通するように構成される。なお、第3ポート80及び第4ポート82は、さらに、第1ポート12及び第2ポート14が流体連通する構成要素とは異なる構成要素に流体連通することができる。
【0026】
第2ソレノイド86は、コイル98を収容する複合的なソレノイドボディ96を有する。ソレノイドボディ96は、ソレノイドボディ28を含んで統合されるかまたは単一化されて形成される。磁極片100は、圧入、または、さもなければソレノイドボディ96内で固定される。アーマチュア102は、コイル98が電源(例えばバッテリなど、図示せず)によって励磁されたときに、円柱状のキャビティ104内で移動可能である。フラックスコレクタ106はアーマチュア102に隣接して位置される。磁極片100、コイル98、アーマチュア102、及び、フラックスコレクタ106は電磁石を形成する。磁束線は、磁極片100とアーマチュア102との間のエアギャップにおいて作り出される。
【0027】
第3バルブ88は、さらに第2ポペットバルブとしてここで適用され、アーマチュア102と一体になって移動するように接続されている。アーマチュア102は、磁極片100の方へ移動している開放位置において図に示されており、励磁されたコイル98によるか、(または、ある実施形態においては非励磁化されたコイル98によるか)バルブ88,90の超過圧力に対する安全機能によるかのどちらかで、第2通路84を通ってポート80とポート82との間の流体連通を許容する。別の実施形態において、アーマチュア102は、コイル98が励磁化されていないときに流体がポート80とポート82との間に流れることを許容する開放位置において構成され、かつ、コイル98が励磁されたときに流体が流れることを阻止するように移動することができる。このような通常開放されているソレノイド(つまり、アーマチュアが、コイル98が励磁されていないときに、流体がポート80とポート82との間に流れることを許容する位置にある)については、超過圧力及び超過真空状態に対する安全は、ソレノイドが励磁されたときのみ、機能することになる。図3の実施形態において、コイル98が励磁されていないときに、アーマチュア102は、磁極片100から離れて移動し、ポペットバルブ88を図1及び図3における下方の閉鎖位置へ移動させ、さらに、第4バルブ90が下方へ移動することを許容するので、第4バルブ90は表面91に着座し、かつ、第4バルブ90及びポペットバルブ88は、流体が第3ポート80と第4ポート82との間に流れることを防ぐために、第2通路84を閉鎖する。
【0028】
第2ソレノイド86は、バルブアセンブリ10を備えた車両が駆動されるときのような動力供給がされているときに、コントローラによって制御される。バルブアセンブリ10は、さらに、車両が駆動されているかどうかに関係なく、つまりソレノイド86のコントローラが動力供給されていないときでさえ(ソレノイドが通常閉鎖される実施形態において)、蒸気圧力の力に応じて移動可能であり、スプリングが付勢されたバルブ88,90を用いて超過圧力及び超過真空状態に対する安全を提供する。図に示されている実施形態において、アーマチュア102がソレノイド86によって磁極片100の方へ引っ張られていないときに、超過圧力に対する安全は、シールバルブ90が図に示されている非着座位置へ移動し、さらに、ポペットバルブ88が図に示されていない開放位置へ移動したときに提供され、蒸気が第3ポート80から第4ポート82へ流れることを許容する。
【0029】
超過圧力に対する安全は、表面91に着座した第4実効面積110及び実効直径114を有するシールバルブ90の表面にかかる第3ポート80からの圧力の力が、実効直径116を有する第5実効面積112を有するシールバルブ90の表面にかかる第4ポート82からの圧力の相反する力と、シールバルブ90にかかるスプリング92の力の合力より大きい場合に、生じる。シールバルブ90の第4実効面積110は、実効直径114の円の面積であり、第3ポート80からの圧力にさらされたシールバルブ90とポペットバルブ88の両方の面積を含む。シールバルブ90の第5実効面積112は、実効直径116の円の面積であり、第4ポート82からの圧力にさらされたシールバルブ90とポペットバルブ88の両方の面積を含む。
【0030】
同様に、ポペットバルブ88は、さらに、シールバルブ90が着座位置にあるときの閉鎖位置と超過真空状態に対する安全を提供するための(ポート80の方へ向かう)位置との間を移動することができる。シールバルブ90が着座位置にあると仮定すれば、第5実効面積112の表面にかかるポート82からの圧力の力が、第4実効面積110の表面にかかるポート80からの圧力の力とスプリング94の力の合力を超えた場合、ポペットバルブ88は、流体がポート82からポート80へ流れることを許容するために、ポート80の方の位置へ移動する。
【0031】
本発明を実施するための最良の形態を詳細にこれまで説明してきたが、本発明に関連する技術に熟知した者であれば、添付した請求の範囲内で本発明を実施するための様々な代案デザインおよび実施の形態を認識するであろう。
図1
図2
図3