特許第5945558号(P5945558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945558平らなガラス繊維を用いた強化ポリアミド成形材料およびポリアミド成形材料によって作製された射出成形部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945558
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】平らなガラス繊維を用いた強化ポリアミド成形材料およびポリアミド成形材料によって作製された射出成形部品
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20160621BHJP
   C08L 77/00 20060101ALI20160621BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   C08J5/04CFG
   C08L77/00
   C08K7/14
【請求項の数】33
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-20119(P2014-20119)
(22)【出願日】2014年2月5日
(62)【分割の表示】特願2007-337938(P2007-337938)の分割
【原出願日】2007年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-111780(P2014-111780A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2014年2月5日
(31)【優先権主張番号】06027036.0
(32)【優先日】2006年12月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508000722
【氏名又は名称】エムス−ヒェミー アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100109128
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 功
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(74)【代理人】
【識別番号】100100608
【弁理士】
【氏名又は名称】森島 なるみ
(74)【代理人】
【識別番号】100142099
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 真一
(74)【代理人】
【識別番号】100152803
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(74)【代理人】
【識別番号】100123548
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 晃二
(74)【代理人】
【識別番号】100169535
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルグ,ステッペルマン
(72)【発明者】
【氏名】オーヌルフ,レキシン
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー,アイヒホルン
【審査官】 大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−045390(JP,A)
【文献】 特表2006−504833(JP,A)
【文献】 特開2004−083858(JP,A)
【文献】 特開平11−349806(JP,A)
【文献】 特表2004−514044(JP,A)
【文献】 特開2000−313803(JP,A)
【文献】 特開2003−082228(JP,A)
【文献】 特開平05−202288(JP,A)
【文献】 特開平07−090178(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/122602(WO,A1)
【文献】 特開平08−269194(JP,A)
【文献】 成形加工,日本,プラスチック成形加工学会,2003年 9月20日,第15巻第9号,第612頁−第615頁
【文献】 強化プラスチックス,日本,社団法人強化プラスチック協会,2006年 9月15日,第52巻第9号,第429頁−第431頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 11/16;15/08−15/14
C08J 5/04−5/10;5/24
C08K 3/00−13/08
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミドおよび強化媒体としての平坦なガラス繊維を含有する強化ポリアミド成形材料であって、
上記ポリアミド成形材料は、ポリアミド基質および充填成分を含んでおり、
上記ポリアミド基質は、以下の成分(A)および成分(B)の少なくとも一方を含み、成分(A)と成分(B)の合計が20〜60質量%であり、成分(A)と成分(B)の混合物を含む場合には、当該混合物中に、混合物100質量%に対し少なくとも50質量%の成分(A)が存在し、
上記充填成分は、炭素繊維を含まずに、以下の成分(C)、又は成分(C)と成分(D)を含み、
上記ポリアミド成形材料は、(E)5質量%以下の更なる添加剤を含有してもよく、
成分(A)〜成分(E)の合計が100質量%であるポリアミド成形材料。
(A)0〜60質量%の、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である溶液粘度を有する、
脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミド
(B)0〜60質量%の、脂肪族、脂環式もしくは芳香族であるジアミン、ジカルボン酸、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸を基本とする、少なくとも1つのポリアミドであり、
上記成分(B)の少なくとも1つのポリアミドは、
(i)−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である溶液粘度を有している少なくとも1つの非晶質のポリアミド、
(ii)−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である溶液粘度を有している少なくとも1つの微小結晶性のポリアミド、または、
(iii) 上記(i)及び(ii)に記載のポリアミドの混合物であり、
(C)40〜80質量%の、非円形の断面を有し、かつ第2の断面軸に対する主要な断面軸の大きさの比率が3〜5である、細長い形状を有する平坦なガラス繊維
(D)0〜40質量%の、粒子状または層状の充填剤
【請求項2】
ポリアミドおよび強化媒体としての平坦なガラス繊維を含有する強化ポリアミド成形材料であって、
上記ポリアミド成形材料は、ポリアミド基質および充填成分を含んでおり、
上記ポリアミド基質は、以下の成分(A)および成分(B)を含み、成分(A)と成分(B)の混合物を含む場合には、当該混合物中に、混合物100質量%に対し少なくとも50質量%の成分(A)が存在し、
上記充填成分は、炭素繊維を含まずに、以下の成分(C)、又は成分(C)と成分(D)を含み、
上記ポリアミド成形材料は、(E)5質量%以下の更なる添加剤を含有してもよく、
成分(A)〜成分(E)の合計が100質量%であるポリアミド成形材料。
(A)20〜60質量%の、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である溶液粘度を有する、
脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミド
(B)0〜50質量%の、脂肪族、脂環式もしくは芳香族であるジアミン、ジカルボン酸、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸を基本とする、少なくとも1つのポリアミドであり
上記成分(B)の少なくとも1つのポリアミドは、
(i)−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である溶液粘度を有している少なくとも1つの非晶質のポリアミド、
(ii)−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である溶液粘度を有している少なくとも1つの微小結晶性のポリアミド、または、
(iii) 上記(i)及び(ii)に記載のポリアミドの混合物であり、
(C)40〜80質量%の、非円形の断面を有し、かつ第2の断面軸に対する主要な断面軸の大きさの比率が3〜5である、細長い形状を有する平坦なガラス繊維
(D)0〜40質量%の、粒子状または層状の充填剤
【請求項3】
成分(B)の量が、0〜20質量%である請求項2に記載のポリアミド成形材料。
【請求項4】
成分(B)の量が、0〜15質量%である請求項2に記載のポリアミド成形材料。
【請求項5】
成分(B)が、3〜15質量%含まれる請求項1または2に記載のポリアミド成形材料。
【請求項6】
上記平坦なガラス繊維が、2〜50mmの長さを有するチョップドガラスストランド形状を有している請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項7】
上記平坦なガラス繊維が、50〜70質量%含まれている請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項8】
上記平坦なガラス繊維はチョップドガラスストランドとして加えられ、直径が6〜40μmである主要な断面軸と、直径が3〜20μmである第2の断面軸とを有している請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項9】
垂直な断面軸の比率が3〜4である請求項1〜8のいずれか記載のポリアミド成形材料。
【請求項10】
上記平坦なガラス繊維は、Eガラス繊維、Aガラス繊維、Cガラス繊維、Dガラス繊維、Mガラス繊維、Sガラス繊維、およびRガラス繊維、並びにこれらの混合物から選択され、アミノコーティングまたはエポキシコーティングを有していてもよい請求項1〜9のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項11】
上記平坦なガラス繊維は、Eガラス繊維から選択される請求項1〜10のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項12】
成分(A)の脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドは、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.8未満である溶液粘度を有する請求項1〜11のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項13】
成分(A)の脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドは、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.7未満である溶液粘度を有する請求項1〜12のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項14】
成分(A)の脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドは、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.4を超えて1.7未満である溶液粘度を有する請求項1〜13のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項15】
成分(A)の脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドは、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.35を超えて1.9未満である溶液粘度を有する請求項1〜11のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項16】
成分(A)の脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドは、m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.4を超えて1.9未満である溶液粘度を有する請求項1〜11のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項17】
成分(A)の脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1212、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1112、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド69、ポリアミド810、並びにこれらの混合物、ブレンドおよびアロイからなる群から選択される請求項1〜16のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項18】
成分(B)は、ポリアミド6I、ポリアミド6I/6T、ポリアミドMXDI/6I、ポリアミドMXDI/MXDT/6I/6T、ポリアミドMXDI/12I、ポリアミドMXDI、ポリアミドMACM 9−18、ポリアミドMACMI/12、ポリアミドMACMI/MACMT/12、ポリアミド6I/MACMI/12、ポリアミド6I/6T/MACMI/MACMT、ポリアミド6I/6T/MACMI/MACMT/12、ポリアミドMACM6/11、ポリアミドMACMI/MACM12を基本とするホモポリアミド及び/又はコポリアミドの群から選択され、
MACMは55mol%を超えてPACMに置き換えられている請求項1〜17のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項19】
MACMは60mol%を超えてPACMに置き換えられている請求項18に記載のポリアミド成形材料。
【請求項20】
成分(B)は、ポリアミド6I/6Tである請求項1〜19のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項21】
前記成分(B)の脂肪族、脂環式もしくは芳香族であるジアミン、ジカルボン酸、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸が、6〜36個の炭素原子を有する請求項1〜20のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項22】
前記成分(B)が、脂肪族、脂環式もしくは芳香族であるジアミン、及び脂肪族もしくは芳香族であるジカルボン酸を基本とする、少なくとも1つのポリアミドである請求項1〜21のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項23】
ガラス繊維を60質量%以上含み、30kJ/m以上の切り欠き衝撃強度(ISO 179/2−1 eAによる23℃におけるシャルピーにしたがって測定された)を有する請求項1〜22のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項24】
ガラス繊維を50〜60質量%以上含み、25kJ/m以上を超える切り欠き衝撃強度(ISO 179/2−1 eAによる23℃におけるシャルピーにしたがって測定された)を有する請求項1〜22のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項25】
ガラス繊維を40質量%を超えて含み、200mmを超える流動長を有する請求項1〜22のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項26】
更なる添加剤(E)が、無機の安定剤、有機の安定剤、潤滑剤、染料、金属顔料、金属の装飾剤、金属に覆われた粒子、ハロゲン含有難燃剤、ハロゲン非含有難燃剤、衝撃緩和剤、帯電防止剤、導電付加剤、離型剤、蛍光増白剤、天然の層状ケイ酸塩、合成の層状ケイ酸塩、およびこれらの混合物の群から選択される請求項1〜25のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項27】
上記第2の断面軸に対する上記主要な断面軸の長さの比が、3〜4である請求項1〜26のいずれかに記載のポリアミド成形材料。
【請求項28】
容器の温度を240℃〜320℃に設定した合成設備を用いて、成分(A)および(B)を溶融し、その後に、成分(C)および任意に成分(D)を添加する、請求項1〜27のいずれかに記載のポリアミド成形材料を製造する方法。
【請求項29】
粒状の上記成分(A)および/または上記成分(B)と、粒状の上記充填剤(C)とを混合し、このとき、粒状の上記充填剤(D)および/または上記添加剤(E)をともに混合してもよく、
その後、追加量の、粒状の上記成分(A)および上記成分(B)を添加してもよく、
その後、これら粒状物を処理する、請求項1〜27のいずれかに記載のポリアミド成形材料を製造する方法。
【請求項30】
25kJ/m以上の切り欠き衝撃強度(ISO 179/2−1 eAによる23℃におけるシャルピーにしたがって測定された)を有する請求項1〜27のいずれかに記載のポリアミド成形材料の、成形部品を製造するための使用。
【請求項31】
射出成形、押出し成形、引き抜き成形、またはブロー成形によって、請求項1〜27のいずれかに記載のポリアミド成形材料から成形部品を製造する方法。
【請求項32】
請求項1〜27のいずれかに記載のポリアミド成形材料から得られる成形部品。
【請求項33】
携帯電話機の筐体または携帯電話機の筐体部材である請求項32に記載の成形部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、欧州出願番号EP 06 027 036.0に対する優先権を主張するものであり、上記欧州出願の全体の内容は、ここで引用することによって、ここに十分に開示されているのと同様に、本願に包含される。
【0002】
本発明は、低粘性のポリアミドおよび平面状のガラス繊維、特には、非円形の断面領域であり、かつ2次断面軸に対する主断面軸のディメンション関係が2〜5の間であるガラス繊維を含む強化ポリアミド成形材料に関する。本発明は、さらに、ポリアミド成形材料の製造プロセスに関するとともに、それにより作製される成形品、特には射出成形品にも関する。本発明に関するポリアミドの溶液粘度は、1.3より大きく1.9より小さい範囲内の(20℃、0.5重量%のm−クレゾール中で測定)ηrelであり、本発明では、これを低粘性ポリアミドとしている。1.9より小さい相対粘度ηrelは、20,000g/molより小さいポリアミドの分子量(M、実数平均)に相当する。
【背景技術】
【0003】
強化ポリアミドは、高い剛性、高い靭性、および高い加熱たわみ温度を有しているため、工業建設材料の分野における役割が増加している。利用分野としては、例えば、自動車分野、およびその他の輸送手段分野における内部部材および外部部材、電気通信設備および装置、家庭用電化製品、家庭用器具、機械設備、加熱分野における装置および取り付けのための固定部材に用いるカバー部材などがある。例えば、自動車分野における部材では、金属に似た特性が重要となるが、これらは高い充填率を有し、強化された成形材料によってのみ達成することができる。薄壁部材として用いるためには、成形材料は、特に高い流動長を必要とする。流動長は、循環繊維によって強化された成形材料においてわずかながらに達成されるか、または達成されない。
【0004】
ポリマーマトリクスと強化材料との間を特によく結合することは、強化ポリアミドの特別な利点である。これは、非常に高い強化レベルにおいてまさにそうであり、結果として、弾性における引張り係数の高い製造物を得ることができる。しかし、製造物の靭性は、全ての要求を満たすためには不十分である。
【0005】
本発明におけるポリアミドのポリマーは、互いがアミド結合(−NH−CO−)によって結合されている基本構造ブロックを有しており、この基本構造ブロックは、例えば、ジカルボン酸、ジカルボン酸ハロゲン化物、ジニトリル、ジアミン、アミノカルボン酸および/またはラクタムなどのモノマーの重縮合または重合により得ることができる。それらは、ホモポリアミドまたはコポリアミドとすることもできる。ポリアミドの平均分子量は、1.9より小さい溶液粘度ηrelに相当し、特には、1.9より小さいηrelに相当し、さらに好ましくは1.8より小さいηrelに相当する、5,000より大きくあるべきであり、10,000より大きく20,000より小さいことが好ましい。
【0006】
EP 0 190 011 B1には、楕円形または長方形の断面を有するガラス繊維およびその製造方法が開示されており、複合部品の製造に用いるこれらの特別なガラス繊維の使用について言及されている。繊維のより広い表面によって、複合物においてより高い強度値が得られる。
【0007】
EP 0 196 194 B1には、非円形断面を有する多様な単一フィラメントからなる繊維およびその製造方法が開示されている。ガラス繊維の断面は、長円形、楕円形、繭形または多角形である。
【0008】
EP 0 199 328 B1には、基本的に非円形断面を有するガラス繊維から形成されているプリント基板の繊維について開示されている。ガラス繊維は、それぞれ、長円形、細長いまたは楕円形の断面である。不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂またはPTFEがこの繊維に用いられるマトリクスとして開示されている。
【0009】
EP 0 246 620 B1には、ガラス繊維によって強化した熱可塑性樹脂から形成される物品が開示されている。ガラス繊維は、長方形、楕円形または繭形の断面である。非円形の断面をもつガラス繊維が、特に高温による強化(≧60%)において、強度および強靭性の点から優れていることが示されている。
【0010】
EP 0 376 616 B1には、熱可塑性樹脂および1〜65%の非円形断面をもつ強化繊維繊を含む維熱可塑性ポリマー組成物が開示されている。強化繊維の断面領域および垂直断面の比率は、より詳細に特定されている。強化繊維の断面は、半円形またはアーチ形である。組成物は、高い寸法安定性を有しており、また反りも少ない。
【0011】
EP 0 400 935 B1には、難燃性繊維によって強化した1〜60重量%のガラス繊維を含む難燃性ポリエステル組成物が開示されている。EP 0 400 935 B1におけるガラス繊維は、扁平状、楕円形、長円形、部分円形、湾曲状、および長方形の断面からなる群より選択される断面形状を有している。EP 0 400 935 B1に係るこれらの難燃性強化ポリエステル組成物では、力学的性質が結晶化ポリエステル樹脂により悪影響を与えられないため、歪みが低減される。この点において、例えば曲げ強さ、曲げ剛性および加工性などの樹脂の力学的性質を低減することなく、例えば、結晶性ポリマー樹脂の反りなどの歪みを低減することができることは、EP 0 400 935 B1における知見である。
【0012】
特開平10−219026号公報には、円形断面を有するガラス繊維および熱可塑性部分の反りを低減するための平坦な断面を有するガラス繊維による熱可塑性材料の強化が開示されている。この出願の実施例においてのみ、ポリアミド66がポリマー材料として用いられている。
【0013】
特開2004−285487号公報には、平坦な断面を有するガラスフィラメントからなるガラス繊維束が開示されている。ガラスフィラメント束は、不揮発性の集束剤により互いが結合されており、熱可塑性組成物は、5〜75%のガラス繊維束およびポリオレフィン材料からなる。
【0014】
特開2006−045390号公報には、長いガラス繊維により強化した粒状物が開示されている。粒状物は、熱可塑性材料および平坦な断面を有する60重量%以下のガラス繊維からなる。粒径およびガラス繊維の長さは、同一である。特開2006−045390号公報における強化組成物から形成される成形物の有利な特性は、よい表面品質および高い衝撃強さである。
【0015】
したがって、本発明の目的は、低粘性のポリアミドを基本にした、強化された新しいポリアミド成形材料を提供することである。強化された新しいポリアミド成形材料は、例えば、20,000g/molの分子量(M)を有し、機械的なおよび加工における特性に関して、円形の断面を有するガラス繊維を用いた成形材料よりも明らかに優れている。また、本発明の成形材料から製造された成形部品は、横断方向に対する高い剛性および抵抗性を有している。
【0016】
上記目的は、開示され、かつ主張されているような本発明に係る上記ポリアミド成形材料によって実現される。
【0017】
したがって、実施の形態(I)において、本発明は、高い切り欠き衝撃強度を有する、強化ポリアミド成形材料に関する。強化された上記ポリアミド成形材料は、低粘性のポリアミドおよび強化媒体としてのガラス繊維を含有するポリアミド成形材料であって、
以下の成分:
(A)m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である、好ましくは1.35を超えて1.9未満である、より好ましくは1.4を超えて1.9未満である溶液粘度を有する、60質量%以下、特に20〜60質量%の、脂肪族であり、部分的に結晶質である少なくとも1つのポリアミドを含むポリアミド基質と、
(C)非円形の断面領域を有し、かつ第2の断面軸に対する主要な断面軸の大きさの比率が2〜5、特に3〜4を有する、40〜80質量%の細長い形状を有する平坦なガラス繊維と、付加的に(D)40質量%以下の粒子状のまたは層状の充填剤と、付加的に(E)5質量%以下の更なる通常の添加剤および補助剤と、を含む充填成分とを含有し、
炭素繊維が除かれていることを前提として、成分(A)、成分(c)ならびに付加的に成分(D)および成分(E)の重量%の合計が100重量%以下になる。
【0018】
他の実施形態(II)において、本発明は、高い切り欠き衝撃強度を有する、強化ポリアミド成形材料に関する。強化された上記ポリアミド成形材料は、低粘性のポリアミドおよび強化媒体としてのガラス繊維を含有するポリアミド成形材料であって、
以下の成分:
(B)m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である、好ましくは1.35を超えて1.9未満である、より好ましくは1.4を超えて1.9未満である溶液粘度を有する、60質量%以下、特に20〜60質量%の、脂肪族であり、部分的に結晶質である少なくとも1つのポリアミドを含むポリアミド基質と、
(C)非円形の断面領域を有し、かつ第2の断面軸に対する主要な断面軸の大きさの比率が2〜5、特に3〜4を有する、40〜80質量%の細長い形状を有する平坦なガラス繊維と、付加的に(D)40質量%以下の粒子状のまたは層状の充填剤と、付加的に(E)5質量%以下の更なる通常の添加剤および補助剤と、を含む充填成分とを含有し、
炭素繊維が除かれていることを前提として、成分(A)、成分(C)ならびに付加的に成分(D)および成分(E)の重量%の合計が100重量%以下になる。
【0019】
他の実施形態(III)において、本発明は、高い切り欠き衝撃強度を有する、強化ポリアミド成形材料に関する。強化された上記ポリアミド成形材料は、低粘性のポリアミドおよび強化媒体としてのガラス繊維を含有するポリアミド成形材料であって、
以下の成分:
(A)m−クレゾール(0.5質量%)において測定されたηrelが1.3を超えて1.9未満である、好ましくは1.35を超えて1.9未満である、より好ましくは1.4を超えて1.9未満である溶液粘度を有する、60質量%以下、特に20〜60質量%の、脂肪族であり、部分的に結晶性である少なくとも1つのポリアミドと、
(B)好ましくは6〜36個の炭素原子を有する、脂肪族、脂環式もしくは芳香族のジアミン、ジカルボン酸、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸、あるいはそのようなホモポリアミドおよび/またはコポリアミドの混合物を基本とする、60質量%以下の非晶質または微小結晶性である少なくとも1つのポリアミドとを
成分(A)および成分(B)が以下の条件:
(A)+(B)が60質量%以下であり、かつ(成分(A)と成分(B)との)混合物に少なくとも50質量部の脂肪族のブロック(A)が存在すること
を満たして、含むポリアミド基質と、
(C)非円形の断面領域を有し、かつ第2の断面軸に対する主要な断面軸の大きさの比率が2〜5、特に3〜4を有する、40〜80質量%の細長い形状を有する平坦なガラス繊維と、付加的に(D)0〜40質量%の粒子状のまたは層状の充填剤と、付加的に(E)通常の添加剤および補助剤と、を含む充填成分とを含有し、
炭素繊維が除かれていることを前提として、成分(A)〜成分(E)の重量%の合計が100重量%以下になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】反りを測定するための射出成形体を示している。反りは、図1に係るこの射出成形体において決定される。スプルーは、z方向における底から成形されている。
図2】x方向における反り測定用の上記射出成形体における測定点の位置を示している。
図3】z方向における反り測定用の上記射出成形体における測定点の位置を示している。
図4】x方向における図2の測定点7〜9の反りを示している。
図5】x方向における測定点10〜12の反りを示している。
図6】z方向における測定点13〜15の反りを示している。
図7】z方向における測定点19〜21の反りを示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の実施例および図面は、本発明を説明するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
本発明において、平坦なガラス繊維(断面軸の比率が2より大きい)は、断面が円形であるガラス繊維と比べて、非常に優れた力学的性質、力学的処理および表面品質を示す。これは、50%より大きい比率でガラス繊維を含む場合において特に示される。本発明におけるポリアミド成形材料、とりわけ、例えば65重量%のガラス繊維を含み、その他は同様の組成であるPA12では、円形状のガラス繊維である場合と比較して、平坦なガラス繊維として用いた場合の方が、切り欠き衝撃強度が2倍となる。本発明におけるポリアミド成形材料として、とりわけ、低分子量のPA12が用いられる場合、これらは、高い靭性値も有する。低分子量のPA12は、低い融解粘度を有している。したがって、射出成形処理において有利である。
【0023】
一般的に、より低い靭性値は、高分子量のポリアミドよりも低分子量のポリアミドにおいてみられる。しかし、高い充填レベルでの熱可塑性処理は、高分子量のポリアミドの高い粘性によって困難となっている。これは、困難な形状充填、陥没の出現および不十分な表面品質として示される。
【0024】
本発明のさらなる知見は、特には平坦なガラス繊維を高い比率で含むことによって、円形の断面を有するガラス繊維を含む材料と比較して、加工性がよく、反りが少なく、高い表面品質であり、十分に高い靭性を有する製造物を製造することができることである。用いられる本発明の成形品材料は、低粘性を有する、脂肪族であり、部分的に結晶性のポリアミドであることが好ましく、低粘性のPA12であることがより好ましい。
【0025】
円形の断面を有するガラス繊維と比較して、主軸の値と第2の軸の値とが異なる値である断面を有するガラス繊維(平坦なガラス繊維)は、高レベルの強化において非常に高い充填密度を有しているため、結果として、特に繊維の横軸方向において、高い係数および強度となる。しかし、平坦なガラス繊維間の予想以上に小さい空間が、ポリマーマトリクスを十分に浸透させ、そしてマトリクスが、歪み中に生じる力を十分に転送することを可能とする場合にのみ、剛性および強度における所望の向上が完全に実現される。本発明における低粘性のポリアミドのみが、幾何学的に有利である平坦なガラス繊維の潜在性を完全に生かす。
【0026】
特に、例えばバルブケースまたは水道メーターケースのような使用中に圧力を受ける部品では、とりわけ破裂圧および変形抵抗が向上するため、繊維の横軸方向における剛性および強度の増加は利点である。部品にもよるが、断面が円形であるガラス繊維を有する成形材料の度合いが10〜40%である本発明の成形材料から作られる部品は、横軸方向の高い剛性を有しているために、様々な圧力負荷条件下における部品の歪みが非常に小さくなる。断面が円形である一般的なガラス繊維を有する脂肪族ポリアミドをベースとした成形材料は、縦軸方向における剛性に比べて横軸方向の剛性の方が低いことが多いため、この結果は特に有利である。欠点は、ポリアミドと共に平坦なガラス繊維を用いることによって相殺することができる。そのため、縦軸方向の剛性および横軸方向の剛性それぞれの値を増加するだけでなく、縦軸方向に対する横軸方向の剛性の比率も増加される。
【0027】
本発明において用いられるポリアミド成形材料のマトリクスは、上述したように、少なくとも1種の脂肪族であり、部分的に結晶性であるポリアミド(成分(A))もしくは少なくとも1種のアモルファスであり、微晶性のポリアミド(成分B)、また少なくとも50重量%の脂肪族の成分(A)を含む成分(A)および成分(B)の混合物をベースとしている。
【0028】
脂肪族であり、部分的に結晶性であるポリアミド(成分(A))は、1.3より大きく1.9より小さい溶液粘度ηrel(0.5重量%のm−クレゾールにおいて測定)を有している。ηrelは、1.35より大きく1.9より小さいことがより好ましく、1.4より大きく1.9より小さくいことがさらに好ましい。また、ηrelは、1.8より小さいことが好ましく、1.7より小さいことが特に好ましい。ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1212、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド1112、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド69、ポリアミド810またはそれらの混合物からなる群より選択されるポリアミドは、脂肪族ポリアミドとして使用するために融合されるか、または混合される。
【0029】
本発明の一実施形態において、異なる溶液粘度を有する少なくとも2つの脂肪族ポリアミドが他の成分とともに用いられる。例えば、1.45〜1.67の範囲の溶液粘度を有するPA12、および1.75〜1.9の範囲の溶液粘度を有するPA12を混合する。低粘性のPA12と高粘性のPA12との混合比率は、80:20〜20:80の間である。
【0030】
他の実施形態において、ポリアミド成形材料は、50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下の少なくとも1種の非晶質または微晶性のポリアミド(成分(B))を含む。成分(B)は、好ましくは炭素数が6〜36である脂肪族、脂環式もしくは芳香族のジアミン、ジカルボン酸、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸、あるいは成分(A)に加えてホモポリアミドおよび/またはコポリアミドを混合した混合物をベースとしている。この実施形態において、成形材料は、1〜20重量%の成分(B)を含むことが好ましく、3〜15重量%の成分Bを含むことが特に好ましい。
【0031】
本発明において用いた微晶性およびアモルファスポリアミド(成分(B))および/またはコポリアミドのための好適なシステムは以下の通りである。
【0032】
ポリアミドは、好ましくは炭素数が6〜36である脂肪族、脂環式もしくは芳香族のジアミン、ジカルボン酸、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸、あるいはホモポリアミドおよび/またはコポリアミドを混合した混合物をベースとしている。脂環式ジアミンは、さらなる置換基を含むか、あるいは含まないMACM、IPD(イソフォロンジアミン)、および/またはPACMであることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸は、炭素数2〜36、好ましくは炭素数8〜20の直鎖状または分岐鎖を有する脂肪族ジカルボン酸であることが好ましく、炭素数が10、12、13、14、16または18であることがより好ましい。
【0033】
MACMは、ISO名でビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)−メタンを表しており、Laromin C−260−typ(CAS No. 6864−37−5)として3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンという商品名で市販されている。融点は、−10〜0℃であることが好ましい。例えばMACM12における数字は、脂肪族であり、直鎖状のC12ジカルボン酸(DDS、ドデカン二酸)がジアミンMACMに対して重縮合していることを表している。
【0034】
IPSは、イソフォロンジアミンである。PACMは、ISO名でビス(4−アミノ−シクロヘキシル)−メタンを表しており、DICYCAN−TYPE(CAS No. 1761−71−3)として4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンという商品名で市販されている。融点は、30〜45℃であることが好ましい。
【0035】
ホモポリアミドは、MACM12、MACM13、MACM14、MACM16、MACM18、PACM12、PACM13、PACM14、PACM16、PACM18および/またはMACM12/PACM12、MACM13/PACM13、MACM14/PACM14、MACM16/PACM16、MACM18/PACM18の群より選択されるコポリアミドからなる群より選択されることが好ましい。上記ポリアミドの混合物も用いることができる。
【0036】
ポリアミドは、炭素数8〜18、好ましくは8〜14の芳香族ジカルボン酸、または上記ホモポリアミドおよび/もしくはコポリアミドの混合物をベースとしており、PXDAおよび/またはMXDAをベースとすることが好ましく、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸をベースとすることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸は、TPS、ナフタレンジカルボン酸および/またはIPSであることが好ましい。
【0037】
ポリアミドは、MACM9−18、PACM9−18、MACMI/12、MACMI/MACMT、MACMI/MACMT/12、6I6T/MACMI/MACMT/12、3−6T、6I6T、TMDT、6I/MACMI/MACMT、6I/PACMI/PACMT、6I/6T/MACMI、MACMI/MACM36、6I、12/PACMIもしくは12/MACMT、6/PACMT、6/6I、6/IPDTまたはその混合物からなる群より選択される。50mol%のIPSは、TPSにより置き換えられもよい。
【0038】
アモルファスおよび微晶性ポリアミド(成分B)は、110℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上のガラス転移点を有している。相対溶液粘度(20℃、0.5重量%のm−クレゾール中で測定)は、1.4以上1.9未満の範囲であり、好ましくは1.5〜1.8の間の範囲であり、より好ましくは1.55〜1.75の間の範囲である。
【0039】
微晶性ポリアミドは、4〜25J/g(DSCにより測定)の範囲内の融解熱を有しており、アモルファスポリアミドは、4J/gより小さい融解熱を有している。微晶性ポリアミドは、ジアミンをベースとしており、MACMおよびPACMを用いることが好ましい。上記ポリアミドの例は、システムPA MACM9−18/PACM9−18である。55mol%(ジアミンの全体量に対する相対値)より多いPACM比率のPA MACM12/PACM12は、本発明において特に好適に用いることができる。
【0040】
ガラス転移点が少なくとも130℃であり、好ましくは少なくとも150℃であるアモルファスおよび/または微晶性ポリアミドは、成分Bとして好適に用いられる。
【0041】
他の好ましい実施形態において、溶融エンタルピーが少なくとも4J/g、好ましくは4〜25J/gである微晶性ポリアミドが、成分Bとして用いられる。
【0042】
本発明において用いた平坦なガラス繊維は、平坦状であるとともに、断面領域が非円形であり、垂直断面軸の比率が2以上であり、短い断面軸の長さが3μm以上であるガラス繊維である。ガラス繊維は、2〜50mmの長さのチョップトガラスストランドの形状を有している。本発明に係る成形材料におけるガラス繊維の量は、40〜80重量%の間であり、好ましくは50〜70重量%の間である。本発明における特有の実施形態において、ガラス繊維は、常に60重量%よりも多い。
【0043】
本発明においてチョップトガラスストランドを用いることによって、長いガラス繊維の粒子を排除することができる。驚くべきことに、本発明において、高い切り欠き衝撃値を達成することができる。他では、長い繊維により強化した高分子量のポリアミドでのみ確認されていたが、本発明では細かく切断したガラス繊維において確認された。また、各フィラメントは、「接着剤」または特別な集束剤によって互いが結合されていない。本発明において、高い切り欠き衝撃値、特には高い強化値は、以下のようにして達成される。ガラス繊維の比率を50〜60重量%とすることにより、25kJ/mより大きい切り欠き衝撃値を達成することができ、ガラス繊維の比率を60重量%より多くすることにより、30kJ/mより大きい切り欠き衝撃値を達成することができる。
【0044】
さらに、本発明では、高い流動長が達成される。特には本発明の成形材料から形成した薄肉(射出成形)部材では、40重量%以上の強化レベルにおいて200mmより大きい流動長を達成する。成形材料から形成される射出成形部材の表面品質もまた、非常に優れていることが、添付した表1(光沢度)からわかる。
【0045】
状況に応じて、炭素繊維を除くさらなる充填剤および強化剤成分(D)が、0〜40重量%の量でポリアミド成形材料に添加される。
【0046】
本発明に係る成形材料は、他の添加剤(E)もまた含まれている。添加剤は、例えば、無機安定剤、有機安定剤、潤滑剤、染料、凝集剤、金属顔料、安価な金属、金属被覆粒子、ハロゲン含有難燃剤、ハロゲン非含有難燃剤、衝撃緩和剤、帯電防止の導電添加剤、離型剤、蛍光漂白剤、天然層状ケイ酸塩、合成の層状ケイ酸塩または上記添加剤の混合物である。
【0047】
例えば、カーボンブラックおよび/またはカーボンナノチューブは、本発明の成形材料における帯電防止剤として用いることができる。
【0048】
カーボンブラックの使用は、成形材料の黒色化を向上することもできる。
【0049】
例えば、カオリン、蛇紋石、タルク、バーミキュライト、イライト、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ダブルハイドロキシドまたはその混合物は、本発明の成形材料における層状ケイ酸塩として用いることができる。層状ケイ酸塩は、表面処理されてもよいし、またされていなくてもよい。
【0050】
例えば、抗酸化剤、光安定剤、UV安定剤、UV吸収剤、またはUV防止剤は、本発明の成形材料においてそれぞれ、安定剤および経年変化保護物として用いることができる。
【0051】
概要を上述したように、本発明において、平坦なガラス繊維(C)は、チョップトガラスストランドとして添加される。これらのガラス繊維は、断面の短径軸の直径が3〜20μmであり、断面の長径軸の直径が6〜40μmである。直角断面軸の比率は、2〜5の間であり、好ましくは3〜4の間である。特に、本発明では、Eガラス繊維が用いられる。しかし、Eガラス繊維とともに全ての他のガラス繊維タイプ(例えばA、C、D、M、S、Rガラス繊維またはその混合物)が用いられる。ガラス繊維の集束剤としては、通常、例えば多様なアミノシラン集束剤などが用いられる。
【0052】
本発明におけるポリアミド成形材料の調製は、例えばシングルスクリューまたはツインスクリューの押出成形機またはスクリューニーダーなどのような従来の複合工作機械によって達成することができる。一般的には、まず重合体の要素を溶融させ、強化材料(ガラス繊維)を押出成形機における同じ部位または異なる部位、例えばサイド供給装置から導入する。混合は、容器温度を280〜320℃に設定することにより好適に達成される。本発明の成形材料を穏やかに処理することにより、強化した成形部材が得られる。すなわち、繊維長の分布が、高い繊維長に大きくシフトする。このように、本発明の成形材料は、円形の断面を有するガラス繊維をベースとした成形部材と比較して、20〜200%高い平均繊維長を有している。
【0053】
本発明における成形材料から製造される成形部材は、内部部材または外部部材に用いられる。上記内部部材または外部部材は、電気、建具、スポーツ、機械工学、公衆衛生と衛生分野、医療技術、ならびに自動車分野とそれに関連する他の輸送機器分野におけるエネルギー技術および駆動技術における、支持機能または機構に関する機能、あるいは電気通信機、娯楽電子装置、家電製品、機械工学、加熱部材として用いる装置もしくは取り付け用固定部材のための装置もしくは器具用のカバー材料あるいは全ての型式の容器および換気部材のカバー材料として用いられることが好ましい。
【0054】
良好な靭性と共に非常に高い剛性が所望される金属ダイカスト代替品の領域では特に、本発明における成形材料から製造される成形部材の利用用途として言及することができる。
【0055】
用途
この出願において開示され、主張される本発明は、広範囲の製品に対して利用用途を有している。
【0056】
電気器具分野:
集積電気ファンクション(成形回路部品、MID)を有するか、または有しない電動の手工具における停止および/または調整素子;
例えば一つの材料からなる均一デザインにおける、または例えば複合材料を含むハイブリッド部材としてのハンマードリル用の連接棒および/またはピストン;
均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として、集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないケース部材、直角グラインダー、ドリル、電気かんなまたは研削盤のためのギアケース、他の融和性、または非融和性材料を含む可能性のある特定の機能領域(例えば、導力面、滑り面、装飾層領域、締め付け領域)(例えば、目的物の層間剥離または歪み、所定の破断点、力またはトルク限界に用いる);
ツールホルダ、例えばチャック素子または固定素子;
ミシンケース、集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しない滑りテーブル;
電気通信機(例えば、携帯電話)および家庭用電化製品のケースまたはケース部材。
【0057】
公衆衛生および衛生分野:
口腔洗浄器、歯ブラシ、快適トイレ、シャワーキャビネット、均一デザインにおいて、
またはハイブリッド部材として、集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しない衛生センターのケースおよび/または機能部材(例えば、ポンプ、ギア、バルブ用):
多様なコネクターまたはコネクションモジュール;あるいは
均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないポンプケース、バルブケースもしくは水圧メー
【0058】
家電製品分野:
機械的、電気的もしくは電気機械的閉鎖システム、ロッキングシステムまたは冷蔵庫、大型冷蔵庫、冷凍庫、オーブン、調理器具、蒸気調理器具、もしくは食器洗い機に用いる集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないセンサーのケースおよび/または機能部材。
【0059】
自動車分野:
均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないケースおよび/またはホルダ:
制御/スイッチ(例えば、外部ミラー調整、シート位置調整、照明、運転方向指示器);
内部センサー(例えば、シート用);
外部センサー(例えば、駐車補助用、超音波またはレーダー距離メーター用);
エンジンスペースのセンサー(例えば、振動またはノッキングセンサー);
内部または外部照明;
内部および外部区域におけるモーターまたは駆動装置(例えば、シート快適機能、外部ミラー調整、ヘッドライト調整および/または追跡、ウィンカー);あるいは
車両駆動におけるモニターおよび/または制御システム(例えば、燃料、空気、冷却媒体、潤滑剤などのような媒体の輸送および/または調節)。
【0060】
集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しない機械機能素子および/またはセンサーケース:
閉鎖システム、ロック、閉じるシステム(例えば、車両の回転ドア、引き戸、エンジンスペースのフラップまたはボンネット、テールゲート、車両の窓の場合);または
流体ラインのコネクター、車両電気学および車両電子工学の分野におけるコネクター。
【0061】
機械工学:
標準寸法もしくは用途特定デザイン、または均一デザインにおけるISO標準部材および/または機械素子(例えば、スクリュー、ナット、ボルト、くさび、シャフト、歯車);
標準寸法もしくは用途特定デザインにおける、またはハイブリッド部材としての、例えば、スクリュー、ナット、ボルト、くさび、シャフトなどのようなISO標準部材および/または機械素子、例えば導力面、滑り面、装飾層領域、締め付け領域などのような他の融和性あるいは非融和性材料を含む可能性のある特定の機能領域(例えば、目的物の層間剥離または歪み、所定の破断点、力/トルク限界に用いる);
例えば、金属および/または木材を処理する直立ボール盤、テーブルボール盤、裁断機または組み合わせ作動機などのような処理装置の支持部、架台部、柱脚部;
挿入部材(例えば、ねじ山付のブッシュ);または
タッピンねじ。
【0062】
エネルギーおよび駆動技術分野:
均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないソーラーセルに用いるフレーム、ケース、支持部材(基板)および/または固定素子;
集電器に用いるトラッキングおよび/または調整素子(例えば、ベアリング、ひんじ、ジョイント、引っ張り棒、緩衝器);あるいは
均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないポンプケースおよび/またはバルブケース。
【0063】
医療機器分野:
モニター装置および/または生体機能用装置に用いる、均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しないフレーム、ケース、支持部材;
均一デザインにおける、またはハイブリッド部材としての例えば、はさみ、クランプ、鉗子、メスの柄などのような処分器具;
均一デザインにおける、またはハイブリッド部材としての骨折における短期間の、または救急の固定具;あるいは
均一デザインにおいて、またはハイブリッド部材として、集積電気ファンクション(MID)を有するか、または有しない歩行器および/または負荷モニター用センサー。
【実施例】
【0064】
実施例および比較例(CE)には、以下の材料:
17,000g/molのMおよびηrel=1.66を有するポリアミド−12(EMS−CHEMIE AG、スイス)であるPAタイプA;
ηrel=1.75、Tg=155℃、およびΔH<1J/gを有するポリアミドMACM12(EMS−CHEMIE AG、スイス)PAタイプB;
ηrel=1.82を有するポリアミド−66(RADICI、イタリア)PAタイプC;ηrel=1.52、Tg=125℃、およびΔH<1J/gwを有するポリアミド6I6T(70:30)(EMS−CHEMIE AG、スイス)であるPAタイプD;
長さ3mm、幅28μm、厚さ7μmおよびアミノシラン集束剤を有するNITTOBO CSG3PA−820(NITTO紡績、日本)であるガラス繊維タイプA(本発明に係る平らなガラス繊維);ならびに
長さ4.5mmおよび直径10μmを有するCS 7928(BAYER AG,ドイツ)であるガラス繊維タイプB(最先端の技術水準における円の断面を有するガラス繊維)が使用された。
【0065】
表1における成形材料は、バーナー アンド プフライダラー(Werner & Pfleiderer)社製のZSK25型の双軸押し出し機を用いて調製された。PA12の粒子は、供給領域において測定された。ガラス繊維は、金型の前に側方供給機3つの容器ユニットを経て、ポリマーの溶融物において測定された。
【0066】
上記容器の温度は、300℃まで上昇する温度プロファイルに設定されている。また、毎分150〜200回転において、処理量10kgが達成された。水槽においてガラス繊維を冷却した後、粒状化し、かつ110℃において24時間乾燥させた後における、粒子の性質が測定された。
【0067】
試験試料は、Arburg射出成形機において製造されており、シリンダーの温度は、240℃〜300℃に設定され、かつ、円周回転速度は15m/分に設定された。また、成形温度は80℃〜100℃として選択された。
【0068】
上記測定は、以下の規格および試料にしたがって実施された。
【0069】
弾性の引張り係数:
a.1mm/分のけん引速度を用いたISO527
b.ISO 引張り試験片,標準:ISO/CD 3167,タイプA1,170×20/10×4mm,温度23℃
破断強度および破断点における伸張
a.5mm/分の速度を用いたISO 527
b.ISO 引張り試験片,標準:ISO/CD 3167,タイプA1,170×20/10×4mm,温度23℃
シャルピー衝撃強度:
a.ISO179/*eU
b.ISO 試験片,標準:ISO/CD 3167,タイプB1,80×10×4mm,温度23℃
c.* 1=機器を備えていない、2=機器を備えている
シャルピー切り欠き衝撃強度:
a.ISO 179/*eU
b.ISO 引張り試験片,標準:ISO/CD 3167,タイプB1,80×10×4mm,温度23℃
c.* 1=機器を備えていない、2=機器を備えている
ガラス転移温度(Tg),融解エンタルピー(ΔH)
a.ISO 11357−1/−2
顆粒
示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)は,20℃/分の加熱速度において実施された。上記温度は開始温度(Tg)として指定される。
【0070】
相対粘度:
DIN EN ISO 307, 0.5重量%のm−クレゾール溶液中,温度20℃ メルトボリュームレイト(MVR:Melt volume rate):
275℃および5kgの負荷におけるISO 1133にしたがっている
流動長流動長は、アルブルグ(Arburg)射出成形機(種類:ARBURG−ALLROUNDER 320−210−750)を用いて決定された。1.5mm×10mmの流量コイルは、278℃(290℃)の溶融温度、および80℃(100℃)の成形温度において生成された。
【0071】
光沢:光沢測定は、光沢計ミノルタマルチグロス268を用いてISO2813にしたがって実施された。
【0072】
ガラス繊維の含有量は、800℃まで20K/分の加熱速度を用いて、約10mgの試料を溶融することによって、粒子におけるTGAを介して決定される。また、600℃からは、洗浄媒体である窒素は、空気に置き換えられる。なお、残量は、ガラス繊維の割合に相当する。
【0073】
表において他の方法であると記載されていなければ、試料は乾燥状態において使用される。したがって、上記試料は、射出成形後において、少なくとも48時間、室温に乾燥下において貯蔵される。
【0074】
【表1】
【0075】
以下の実施例は、横方向の強度および横方向の剛性の向上について、本発明に係る成形材料の利点を例証している。
【0076】
スプルーに対して縦方向および横方向の剛性および強度を決定するために、10×100×2mm容積の試験試料が使用された。これらは、100×100×2mm容積のプレートの中央から、(薄膜スプルーをそれぞれ用いて)ふたつに分けられた。上記プレートは実施例2(本発明に係る平らなガラス繊維)および、比較例2(円形の断面を有するガラス繊維)の成形材料から作られた。
【0077】
【表2】
【0078】
円形ガラス繊維を用いた成形材料と比較して、本発明に係る成形材料(実施例2a)は、横方向の剛性において40%を越えて上昇し、かつ横方向の強度において20%の上昇を示す。
【0079】
【表3】
【0080】
引張り試験のために、剛性および強度の異方向性測定が可能な、特定の試験試料を用いた(Noss‘Ovra staff magazine,December 2006,No12,29巻,EMS−CHEMIE AGに開示されたBIAX)。
【0081】
実施例4(本発明に係る)と比較例4との比較の結果、本発明に係る低粘性ポリアミド成形材料と平らなガラス繊維の組み合わせによって、横方向の剛性は10%を超えて増強され、かつ横断面の強度は20%を超えて増強されることが分かった。
【0082】
試験試料を焼却した後においてガラス繊維の強度分布、および平均繊維強度が決定されている。本発明に係る成形材料は、著しく上昇した繊維強度を有するガラス繊維を含んでいた。
【0083】
射出成形を経た試験試料の製造物は、円形ガラス繊維を用いて強化された従来の成形材料と比較して、充填圧力が著しく低減されるという、本発明に係る成形材料の他の利点を示す。低粘性ポリアミドと平らなガラス繊維との組み合わせは、充填圧力が20〜30%低減された射出成形部品の生成ができる。
【0084】
反りは、以下の詳細によって決定される。
【0085】
反り測定
反りは、図1に係る射出成形体において決定される。上記スプルーは、z方向における底辺からなされる。射出成形体は、280℃の溶解温度および80℃の成形温度において作られた。
【0086】
Tesa Validator10(登録商標)の三次元座標測定機を用いて、位置1から12は、点4に対してx方向に決定され、かつ位置13から27は、点16に関してz方向に決定された(図2および図3を参照)。
【0087】
これらの位置偏差は、個々の位置について曲線によって表される。これらの位置偏差は、図4図7に示す。
【0088】
平らなガラス繊維を用いた射出成形体の場合において、すべての測定地点において、形態の保護について目立ってより等方的なふるまい、および有為に低い反りの平均が観察される。
【0089】
ところで、本発明を十分に説明されているので、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、かつ過度の実験をすることなく、同等の変数、濃度、および条件の広い範囲内において実施されてもよいことは、当該分野の当業者によって、正しく認識されるであろう。
【0090】
本発明は、特定の実施形態に関して記載されているが、更なる改良が可能であることが理解されるであろう。本明細書は、通常、本発明の原則にしたがい、かつ本発明が属する技術に含まれる周知のまたは通例の実施といえるような、ならびに添付の請求の範囲において説明される必須の特徴に当てはまるような現在の開示内容からの逸脱を含む、本発明のあらゆる変化、利用または適応の範囲に及ぶことが意図されている。
【0091】
学術誌の論文またはは要約、公開されたまたは対応する米国または外国出願明細書、発行済の米国または外国特許、あるいはあらゆる他の参考文献を含む、ここに引用された全ての参考文献は、引用された参考文献において公開されているデータ、表、図、および本文のすべてを含めて、引用することによって本明細書中に包含される。
【0092】
公知の方法段階、従来の方法段階、公知の方法または従来の方法への言及は、本発明のあらゆる局面、記載、または実施形態が、当該技術に開示され、教示され、また示唆されているということを、決して自認しているのではない。
【0093】
特定の実施形態の上述の説明は、(本明細書に引用した参考文献の内容を含めて、)当該分野の技術に含まれている知識を適用することによって、他者が本発明の通常の概念から逸脱することなく、かつ過度の実験を行わずに種々の適用について容易に変更および/または適応させることが可能な程度に、本発明の通常の性質を明らかにしているであろう。したがって、そのような適応および変更は、本明細書中において示されている教示および指示に基づいて、開示された実施形態の等価物の目的および範囲内にあることが意図される。本明細書の表現または専門用語は、通常の当業者のひとりの知識の組み合わせて、本明細書に示されている教示および指示を考慮に入れて、熟練した技術者によって解釈されるように、説明するためのものであり、発明を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7