特許第5945600号(P5945600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5945600ICカード真贋判定システム及びそのシステムで使用されるICカード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945600
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】ICカード真贋判定システム及びそのシステムで使用されるICカード
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/10 20060101AFI20160621BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20160621BHJP
   B42D 25/30 20140101ALI20160621BHJP
【FI】
   G06K19/10
   B42D15/10 307
   B42D15/10 300
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-526620(P2014-526620)
(86)(22)【出願日】2012年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2012068563
(87)【国際公開番号】WO2014016883
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】591064379
【氏名又は名称】昌栄印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】中田 知宏
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/072793(WO,A1)
【文献】 特開平11−259623(JP,A)
【文献】 特開2003−067717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00− 7/14
G06K 17/00
G06K 19/00−19/18
B42D 25/00−25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカード表面から、カード固有のランダムパターンに基づく画像情報を読み取る読取部と、
前記画像情報から特徴量を特徴情報として抽出する抽出部と、
前記ICカードのICチップから、前記ICカードの識別情報を取得する取得部と、
前記特徴情報を前記識別情報と対応付けることにより、照合情報を生成する生成部と、
前記照合情報を予め対比照合情報として記憶する記憶部と、
前記ICカードから取得して生成した前記照合情報を、前記記憶部の中に記憶された前記対比照合情報と比較することにより、前記照合情報が前記対比照合情報と同一であるか否かを判定する判定部と、そして
前記識別情報に基づき、前記ICカード表面上で前記特徴情報を抽出するための領域を特定する特定部を備えており、
前記抽出部は、前記特定部により特定された前記抽出領域内の画像情報に基づく特徴情報を抽出することを特徴とするICカードの真贋判定システム。
【請求項2】
ICカード表面から、カード固有のランダムパターンに基づく画像情報を読み取る読取部と、
前記画像情報から特徴量を特徴情報として抽出する抽出部と、
前記ICカードのICチップから、前記ICカードの識別情報を取得する取得部と、
前記特徴情報を前記識別情報と対応付けることにより、照合情報を生成する生成部と、
前記照合情報を予め対比照合情報として記憶しておく記憶部と、
前記対比照合情報を対比識別情報と対比特徴情報とへ分離する分離部と、
前記ICカードから取得した前記識別情報を、前記記憶部の中に記憶されている前記対比照合情報から分離した前記対比識別情報と比較することにより、前記識別情報が前記対比識別情報と同一であるか否かを判定する第1の判定部と、
前記ICカードから取得した前記特徴情報を、前記第1の判定部によって判定された前記対比識別情報に対応しており且つ前記記憶部の中に記憶されている前記対比照合情報から分離した前記対比特徴情報と比較することにより、前記特徴情報が前記対比特徴情報と同一であるか否かを判定する第2の判定部と、そして
前記識別情報に基づき、前記ICカード表面上で前記特徴情報を抽出するための領域を特定する特定部を備えており、
前記抽出部は、前記特定部により特定された前記抽出領域内の画像情報に基づく特徴情報を抽出することを特徴とするICカードの真贋判定システム。
【請求項3】
前記ランダムパターンは、前記ICカード表面に印刷されたインク中に混在する混入物の分布パターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のICカードの真贋判定システム。
【請求項4】
前記ランダムパターンは、前記ICカードを形成する紙の繊維の配向パターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のICカードの真贋判定システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ICチップ内に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のICカードの真贋判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード真贋判定システムおよびそのシステムで使用されるICカードに関し、特にカード固有のランダムパターンに基づく特徴情報をICチップに格納された識別情報と対応付けることにより、偽造されたICカードを容易且つ確実に判別することができるICカードの真贋を判定するカード真贋判定システムおよびそのシステムで使用されるICカードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレジットカード、現金取引カードなどのセキュリティ性を高めるため、マイクロプロセッサやメモリなどを備えたICチップが組み付けられたICカードが急速に普及しつつある。これらのICカードは、例えばカードまたはカード使用者に関する認証情報がICチップに格納されており、カードが使用される際、格納された認証情報が外部コンピュータに保存されている照合情報と照合されることによってそのカードの真贋が判定される。
【0003】
しかしながら、ICチップに格納されたデータの改ざんは容易でないことから、近年では、ICチップ自体をカードから取り外して新たな偽造カードを作製する不正行為が行われている。すなわち、この種の不正行為では、例えばICチップをカードから取り外し、取り外した真正なICチップは第1の偽造カードへ移植し、ICチップが取り外された元のカードには偽物のICチップを組み付けることによって第2の偽造カードを作製することが行われる。そしてカード発行依頼者の元には、偽造ICチップが組み付けられた第2の偽造カードを送りつけ、電話やオンライン端末などを介して、カード発行依頼者にカードの受領を確認させることにより、真正なICチップが組み付けられた第1の偽造カードの使用を許可させるというものである。
【0004】
このようなICチップをカードから取り外して作製された偽造カードの使用を阻止するための偽造防止技術としては、例えば特開平10−255013号公報(特許文献1)、特開2005−301554号公報(特許文献2)、特開2011−128960号公報(特許文献3)に記載されているように、ICチップをカードから取り外すと、ICチップに接続されているアンテナ回路などが破壊されてICカード自体の使用が不可能になるというものが提案されている。
【0005】
しかしながら、上述のようなICカード偽造防止技術は、ICチップが取り外されたカード自体の使用を不可能にするためには有効であるが、取り外された真正なICチップを他のカードへ移植することによって作製された新たな偽造カードの使用を阻止するためには有効でないという問題があった。
【0006】
また、他のICカード偽造防止技術としては、例えば特開2001−126046号公報(特許文献4)、特開2001−266088号公報(特許文献5)、特開2005−1267号公報(特許文献6)および特開2009−187086号公報(特許文献7)に記載されている技術が知られている。
【0007】
特許文献4〜7に記載のICカード偽造防止技術は、特殊インク印刷技術、特殊模様印刷技術、電子透かし技術、強磁性材箔利用技術、磁気テープ利用技術などの特殊な情報記録技術を利用して、人工的に作成した認証情報を記録した情報読取領域をカード基材中に設ける。そして、ICカードの真贋を判定には情報読取領域から読み取った認証情報とICカードに格納されている識別情報とを併用し、認証情報と識別情報との関連付けが、予め記憶媒体に記憶されている認証情報と識別情報との関連付けと整合しているか否かを判定することにより、カードの真贋を判定できるようにしたものである。
【0008】
しかしながら、特許文献1〜7に記載のICカード偽造防止技術は、カードの識別情報と共に併用される認証情報も人工的に作成された情報であるため、一度カードの照合情報が読み取られてしまうと、特殊な情報記録技術であっても、それを利用して認証情報が記録された情報読取領域が比較的簡単に複製されてしまうという本質的な問題があった。
【0009】
また、これらのICカード偽造防止技術は、特殊インク印刷技術、特殊模様印刷技術、電子透かし技術、強磁性材箔利用技術、磁気テープ利用技術などの特殊な情報記録技術を利用しなければならないため、カードおよびカードが使用されるシステムの構成が複雑となり、カードおよびシステムが極めて高価なものになるという問題があった。さらに、特許文献1〜7に記載のICカード偽造防止技術では、カード基材へ一定の面積を占有する情報読取領域を設定しなければならないため、カードをデザインする際に様々な制約をもたらし、ICカードを自由にデザインすることができないという問題もあった。
【0010】
さらに、特開2007−272541号公報(特許文献8)には、サーバ等のデーターベースにID情報と関連付けたカード由来の識別情報を登録しておくことにより、カードから検出した識別情報を、ID情報に対応してサーバ等から読み出した識別情報と照合することにより、カードの真贋を判定できるようにした真贋判定システムが記載されている。
【0011】
しかしながら、特許文献8に記載された真贋判定システムにおいて、カードの真贋を判定するために利用される情報はカード由来の識別情報のみであり、そしてICチップを取り外されたカードにはカード由来の識別情報が残っているため、ICチップが取り外されたカードから新たな偽造カードが作製されることを効果的に防止することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−255013号公報
【特許文献2】特開2005−301554号公報
【特許文献3】特開2011−128960号公報
【特許文献4】特開2001−126046号公報
【特許文献5】特開2001−266088号公報
【特許文献6】特開2005−1267号公報
【特許文献7】特開2009−187086号公報
【特許文献8】特開2007−272541号公報
【特許文献9】特開2004−102562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、カードのデザインの自由度を損なうことなく、かつ真正なICカードからICチップを取り外すことにより作製された偽造ICカードを確実に判別できるICカード真贋判定システムおよびそのシステムで使用される偽造防止ICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、ICカード固有の認証情報については人工的に作成された認証情報を利用するのではなく、カード由来のものであり且つカード固有のものである認証情報と、ICチップに格納されたカードの識別情報との対応関係を照合することにより、カードの真贋を判定するICカード真贋判定システムについて鋭意検討を重ねた。その結果、カード固有の認証情報については特開2004−102562号公報(特許文献9)に記載されている識別照合技術を利用し、カード固有のランダムパターンに基づく特徴情報をICチップの識別情報と対応付けることにより、特徴情報、識別情報およびその対応関係を照合することがICカードの真贋を確実に判定するために最も有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明のICカード真贋判定システムは、カード固有の特徴情報を同じICカード内のICチップの識別情報と対応付けて照合情報を生成し、予め識別情報と対応付けられて記憶媒体に記憶されている対比照合情報との同一性を判定することを特徴とするものであり、その結果、取り外したICチップを他のカードへ移植することによって新たな偽造カードが作製されたとしても、またはICチップが取り外された元のカードに別のICチップを組み付けることによって元のカードが偽造されたとしても、それらの偽造ICカードが使用されると、容易にそれらの偽造カードを偽物であると判別し見つけ出すことができる。したがって、本発明のICカード真贋判定システムで使用されるICカードは、表面に、特徴情報の基礎となるカード固有のランダムパターンを有し、そして特徴情報と対応付けられる識別情報が格納されたICチップを備えているという特徴を有している。
【0016】
具体的には、本発明によれば、ICカード表面からカード固有のランダムパターンに基づく画像情報を読み取る読取部と、画像情報から特徴量を特徴情報として抽出する抽出部と、ICカードのICチップからICカードの識別情報を取得する取得部と、特徴情報を識別情報と対応付けることにより照合情報を生成する生成部と、照合情報を予め対比照合情報として記憶する記憶部と、そしてICカードから取得されそして生成された照合情報を記憶部の中に記憶された対比照合情報と比較することにより、照合情報が対比照合情報と同一であるか否かを判定する判定部とを備えたICカードの真贋判定システムが提供される。なお、本発明のICカードの真贋判定システムでは、記憶部の負荷を減らし、システム全体の構成を簡素化するために、記憶部をICカードに組み込まれたICチップ内に設けることもできる。
【0017】
また、本発明の他の面によれば、ICカード表面からカード固有のランダムパターンに基づく画像情報を読み取る読取部と、画像情報から特徴量を特徴情報として抽出する抽出部と、ICカードのICチップからICカードの識別情報を取得する取得部と、特徴情報を識別情報と対応付けることにより照合情報を生成する生成部と、照合情報を予め対比照合情報として記憶しておく記憶部と、対比照合情報を対比識別情報と対比特徴情報とへ分離する分離部と、ICカードから取得した識別情報を、記憶部の中に記憶されている対比照合情報から分離した対比識別情報と比較することにより、識別情報が対比識別情報と同一であるか否かを判定する第1の判定部と、そしてICカードから取得した特徴情報を、第1の判定部によって判定された対比識別情報に対応しており且つ記憶部の中に記憶されている対比照合情報から分離した対比特徴情報と比較することにより、特徴情報が対比特徴情報と同一であるか否かを判定する第2の判定部とを備えたICカードの真贋判定システムが提供される。
【0018】
本発明のICカードの真贋判定システムにおいて、カード固有の特徴情報は、ICカード表面に印刷されたインク中に混在する混入物の不規則な分布が作り出すランダムパターンの画像情報から抽出される。また、カード基材が紙から作製されている場合は、カード固有の特徴情報は、基材を形成している紙の繊維が不定形に絡み合った状態で紙の繊維の配向が作り出すランダムパターンの画像情報から抽出することもできる。
【0019】
また、上記のランダムパターンを読み取ることによって得られる画像情報は、インク混入物のランダムな分布パターン若しくはランダムな紙繊維の配向パターンそのものであってもよく、またはランダムパターンに所定の方向から特定の光線を照射することにより得られる微細な濃淡パターンや微細な凹凸パターンであってもよい。
【0020】
このように、本発明で使用される特徴情報は、カード由来の且つカード固有のランダムパターンに基づくものであり、そしてカード固有のランダムパターンは、ヒトの指紋のように実質的に同一のランダムパターンを他のカードへ複製または再現することができない特徴である。このため、本発明のICカードの真贋判定システムでは、特に真正なICチップを他のカードへ移植することによって新たに作製された偽造ICカードを判別するのに有効な手段として、カード固有のランダムパターンに基づく特徴情報、および特徴情報とICチップ内の識別情報との関係に着目し、積極的に利用することとしている。
【0021】
具体的には、本発明のICカードの真贋判定システムは、ICカード表面からカード固有のランダムパターンに基づく画像情報を読み取る読取部と、画像情報から特徴情報を抽出する抽出部と、同じICカード内のICチップから識別情報を取得する取得部と、そして特徴情報を識別情報と対応付けることにより、照合情報を生成する生成部を備えている。
【0022】
読取部は、カード固有のランダムパターンを読み取ることによって画像情報を取得し、抽出部はその画像情報からランダムパターンの特徴量をカード固有の特徴情報として抽出する。また、生成部は、ICカード表面から取得した特徴情報を同じICカード内のICチップから取得した識別情報と対応付けることによって照合情報を生成する。この照合情報は、予め対比照合情報として記憶部にも記憶される。
【0023】
したがって、ユーザーがICカードを使用する時、ICカード表面から取得された特徴情報は生成部によって識別情報と対応付けられた照合情報として処理され、該照合情報は、予め記憶部の中に記憶されている対比照合情報と比較されることにより対比照合情報と同一であるか否かが判定される。その結果、照合情報が対比照合情報と同一であると判定された場合は、ICカードは真正なカードであると判別され、一方、照合情報が対比照合情報と同一でないと判定された場合は、ICカードは偽物のカードであると判別される。
【0024】
また、本発明の他の面においては、ICカードの真贋判定システムは、記憶部の中に記憶された対比照合情報を、対比特徴情報と対比識別情報とに分離するための分離部を備えていてもよい。この場合、本発明のICカードの真贋判定システムは識別情報を照合するための第1の判定部と、第1の判定部で照合された識別情報に対応した特徴情報を照合するための第2の判定部を備えている。
【0025】
したがって、ユーザーがICカードを使用する時、ICカードのICチップから取得された識別情報は、第1の判定部によって、予め記憶部の中に記憶されている対比照合情報から分離した対比識別情報と比較されることにより対比識別情報と同一であるか否かが判定される。また、ICカード表面から取得された特徴情報は、第2の判定部によって、第1の判定部によって判定された対比識別情報に対応しており且つ予め記憶部の中に記憶されている対比照合情報から分離した対比特徴情報と比較されることにより対比特徴情報と同一であるか否かが判定される。その結果、識別情報が対比識別情報と同一であると判定され、そして特徴情報が対比特徴情報と同一であると判定された場合は、ICカードは真正なカードであると判別され、一方、識別情報が対比識別情報と同一でないと判定され、または特徴情報が対比特徴情報と同一でないと判定された場合は、ICカードは偽物のカードであると判別される。
【0026】
ここで、ICチップから取得された識別情報と対応付けられるカード固有の特徴情報は、上述したとおり、ヒトの指紋情報のようにカード固有のランダムパターンに基づくものであり、そして特徴情報の基礎となるカード固有のランダムパターンは、実質的に同一のランダムパターンを他のカードへ複製または再現することはできない特徴である。
【0027】
そのため、もし本発明のICカードの真贋判定システムにおいて、真正なICチップを他のカードへ移植した偽造ICカードや、ICチップが取り外された元のカードに別のICチップを組み付けた偽造ICカードが使用されると、それらの偽造ICカードは、カード固有の特徴情報とICチップの識別情報との対応関係が破壊されているので確実に偽物であると判定され、そしてそれらの偽造ICカードの使用が未然に阻止される。また、第三者は取り外したICチップからカード固有の特徴情報、カード固有の特徴情報とICチップの識別情報との対応関係を確認することができないので、実質的に同一のICカードを偽造することができず、ICカードの偽造が効果的に抑制されるという効果もある。
【0028】
また、本発明のICカードの真贋判定システムでは、ICチップの識別情報と対応付けられるカード固有の特徴情報は、インク中に混在する混入物や紙の繊維が自然と作り出す非人為的なランダムパターンなどに基づいているので、人工的にカード固有の認証情報を作成する必要もなければ、特殊インク印刷技術、特殊模様印刷技術、電子透かし技術、強磁性材箔利用技術、磁気テープ利用技術などの特殊な情報記録技術を利用してカード基材中にカード固有の認証情報を記録させる必要もない。
【0029】
このため、本発明のICカードの真贋判定システムでは、カード固有の認証情報の作成や特殊な情報記録技術の利用などによる追加のコストを投じてICカードの偽造を防止する必要がなく、原則として一般のICカードを利用して正確にICカードの真贋を判定することができるという利益がある。
【0030】
また、本発明のICカードの真贋判定システムで使用されるICカードは、特殊な情報記録技術を利用した情報読取領域をカード基材中に設ける必要もないので、カードのデザイン設計の自由度が高く、原則として一般のICカードと同様に自由にデザインすることができるという利益もある。
【0031】
本発明のICカードの真贋判定システムでは、使用されるICカードの偽造をより一層困難にするため、ICカード表面上で特徴情報を抽出するための領域を特定する特定部を設け、抽出部は、ICチップに格納された識別情報に基づき、特定部により特定された抽出領域内のランダムパターンから取得した画像情報に基づく特徴情報を抽出するように構成することもできる。
【0032】
本発明のICカードの真贋判定システムにおいて、読取部によってICカード表面から画像情報を読み取るために必要な領域は、約1〜2mm四方程度の広さである。一方これに対し、インク中の混入物の分布が作り出すランダムパターンや、またはカード基材全体を構成している紙の繊維の配向が作り出すランダムパターンは、ICカード表面の一部のみならず全部に施すことが可能である。また、本発明のICカードの真贋判定システムで使用されるカードは、原則として一般のICカードと同じ形態のICカードが使用されるので、第三者がICカードの外観を観察したのみでは、ICカード表面のどの領域からカード固有の特徴情報が抽出されているのかを特定することはできない。
【0033】
このため、ICチップに格納された識別情報に基づき、上述した特定部によって特定された領域内からカード固有の特徴情報が抽出されるようにすると、特徴情報の基礎となっているランダムパターンおよびその抽出位置を特定することがより一層困難となるため、本発明のICカードの真贋判定システムで使用されるICカードのセキュリティ性がより一層向上する。
【発明の効果】
【0034】
本発明において、ICチップから取得された識別情報と対応付けられるカード固有の特徴情報は、ヒトの指紋情報のようにカード固有のランダムパターンに基づくものであり、そして特徴情報の基礎となるカード固有のランダムパターンは、実質的に同一のランダムパターンを他のカードへ複製または再現することはできない特徴である。したがって、もし本発明のICカードの真贋判定システムにおいて、真正なICチップを他のカードへ移植するなどの偽造が行われると、それらの偽造ICカードは、カード固有の特徴情報とICチップの識別情報との対応関係が破壊されているので確実に偽物であると判定され、そしてそれらの偽造ICカードの使用が未然に阻止される。また、第三者は、カード固有の特徴情報とICチップの識別情報との対応関係を確認することができないので、実質的に同一のICカードを偽造することができず、ICカードの偽造が効果的に抑制されるという効果もある。
【0035】
また、本発明のICカードの真贋判定システムでは、ICチップの識別情報と対応付けられるカード固有の特徴情報は、印刷インク中に混在する混入物や紙の繊維が自然に作り出す非人為的なランダムパターンなどに基づいているので、人工的にカード固有の認証情報を作成する必要もなければ、特殊な情報記録技術を利用してカード基材中にカード固有の認証情報を記録させる必要もない。このため、本発明のICカードの真贋判定システムでは、カード固有の認証情報の作成や特殊な情報記録技術の利用などによる追加のコストを投じてICカードの偽造を防止する必要がなく、原則として一般のICカードを利用して正確にICカードの真贋を判定することができるという利益がある。
【0036】
さらに、本発明のICカードの真贋判定システムで使用されるICカードは、特殊な情報記録技術を利用した情報読取領域をカード基材中に設ける必要もないので、カードのデザイン設計の自由度が高く、原則として一般のICカードと同様に自由にデザインすることができるという利益もある。
【0037】
また、本発明のICカードの真贋判定システムでは、カード固有の特徴情報を、ICチップに格納された識別情報に基づき、上述した特定部によって特定された領域内から読み取られるようにすることで、特徴情報の基礎となっているランダムパターンおよびその抽出位置を特定することがより一層困難となるため、本発明のICカードの真贋判定システムで使用されるICカードのセキュリティ性がより一層向上するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明のICカードの真贋判定システムで使用されるICカードの概要図である。
図2】本発明のICカード真贋判定システムの構成を示した概要図である。
図3】本発明におけるICカードの真贋判定処理手順の一例を示したフローチャートである。
図4】本発明の他の面におけるICカード真贋判定システムの構成を示した概要図である。
図5】本発明の他の面におけるICカードの真贋判定処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の一実施形態に係るICカードの真贋判定システムおよびそのシステムで使用されるICカードについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【0040】
図1には、本発明の一実施形態に係るICカードの真贋判定システム1で使用されるICカード2a,2bが示されている。ICカード2a,2bは、カード基材24の表面21の全部または一部の領域に形成されたランダムパターン22,23と、ICカード2a,2bの識別情報51が格納されたICチップ52を備えている。
【0041】
図1(a)には、特徴情報41の基礎となるカード固有のランダムパターン22として、ICカード表面21に印刷されたインク中に混在する混入物の分布パターンを有しているICカード2aが示されている。このようなICカード2aとしては、例えば銀塗装が施されたプラスチック製のICカードなどがある。また、図1(b)には、カード基材24が紙材料から作製されており、カード固有の他のランダムパターン23として、カード基材24を形成する紙の繊維の配向パターンを有しているICカード2bが示されている。
【0042】
このように、本実施形態におけるICカード2a,2bは、カード表面21の全部または一部の領域に自然に形成されたランダムパターン22,23を有しており、そして同じカード内にICカード2a,2bの識別情報51が格納されたICチップ52を備えているという特徴を有する。その結果、本実施形態に係るICカード2a,2bは、特殊な情報記録技術を利用してカード基材24中にカード固有の特徴情報41を記録させる必要がないので、一般のICカードと同様に自由にデザインすることができる。
【0043】
また、本実施形態に係るICカード2a,2bが有するランダムパターン22,23は、ヒトの指紋情報のように人為的に複製または再現することは実質的に不可能な特徴である。また、カード固有のランダムパターン22,23に基づく特徴情報31は、同じICカード2a,2bのICチップ52内に格納されている識別情報51に対応付けられて処理される。
【0044】
したがって、本実施形態のICカードの真贋判定システム1において、もしICカード2a,2bからICチップ52のみを取り外したり、または取り外したICチップ52を他のICカードへ移植したりすると、カード固有の特徴情報41とICチップ52内の識別情報51との対応関係が破壊されているので、そのような偽造ICカードは高度に識別され、使用することができない。また、第三者は、取り外したICチップ52から、識別情報51と対応付けられている特徴情報41を確認することができないので、実質的に同一のICカードを偽造することもできない。
【0045】
図2には、本発明の実施形態に係るICカード真贋判定システム1の概要が示されている。本実施形態に係るICカード真贋判定システム1は、主として、操作部11、制御部12、読取部3、抽出部4、取得部5、特定部6、生成部7、記憶部8および判定部9とを備えて構成されている。
【0046】
操作部11は、ICカード真贋判定システム1を使用するユーザーが該システムを操作するための、いわゆるユーザインタフェースである。したがって、操作部11は、カードリーダー、キーボードまたはスイッチなどの入力部を備えている。
【0047】
制御部12は、例えば操作部11のオン/オフスイッチのオン/オフ信号に基づき、読取部3、抽出部4、取得部5、特定部6、生成部7、記憶部8および判定部9などへ、それぞれの処理開始を命令するものである。
【0048】
読取部3はCCDカメラまたはCCDラインセンサなどの光学式画像読取装置を備えており、ICカード表面21から、ICカード表面21に印刷されたインク中に混在する混入物の不規則な分布のランダムパターン22や、またはカード基材24を形成している紙の繊維の不規則な配向のランダムパターン23を画像情報31として読み取る。
【0049】
抽出部4は、読取部3によって取得された画像情報31からカード固有の特徴量を特徴情報41として抽出する。そして、抽出部4によって抽出されたICカード固有のランダムパターンに基づく特徴情報41は、判定部9へ送信される。
【0050】
ランダムパターン22,23を読み取ることによって得られる画像情報31は、例えばICカード2a,2bに光を照射することによって得られる反射光または透過光を受光することにより得られるランダムパターンに基づくものであってもよい。したがって、この場合の画像情報31は、ICカード表面に印刷されたインク中に混在する混入物の不規則な分布が作り出すランダムパターンや、またはカード基材を形成している紙の繊維が不定形に絡み合った状態で紙の繊維の配向が作り出すランダムパターンそのものであってもよい。また、画像情報31は、ICカード2a,2bに所定の方向から特定の光線を照射することによって得られる微細な濃淡パターンや微細な凹凸パターン若しくはそれらのパターンであってもよい。
【0051】
取得部5は、ICチップ52に格納されている識別情報51を読み出すために機能するものである。取得部5は例えばICプローブ(図示せず)のようなものを備えており、ICプローブはICカード2a,2bが接触型であるかまたは非接触型であるかを問わず、ICチップ52に格納されている識別情報51を取得し、そして識別情報51を判定部9へ送信する。
【0052】
また、本実施形態に係るICカードの真贋判定システム1では、使用されるICカード2a,2bの偽造をより一層困難にするため、ICカード表面21上で特徴情報41を抽出するための領域を特定する特定部6を設け、ICチップ52に格納された識別情報51に基づき、抽出部4は、特定部6により特定された抽出領域内からランダムパターン22,23に基づく特徴情報31を抽出するように構成することもできる。また、抽出領域の特定は、読取部3によって読み取られた、ある範囲内のランダムパターン22,23に基づく画像情報31の中から抽出領域を特定し、この抽出領域に対応するランダムパターン22,23の画像情報31を切り出すことによって特徴情報41を抽出する方法であってもよい。
【0053】
本実施形態において、読取部3がICカード表面21からランダムパターン22,23を読み取るために必要な領域は、約1〜2mm四方程度の広さがあれば十分である。一方これに対し、ランダムパターン22,23そのものは、ICカード表面21の一部のみならず全部に施すことが可能である。このため、ICチップ52に格納された識別情報51に基づき、特定部6によって特定された領域内からカード固有の特徴情報41が抽出されるようにすると、特徴情報41の基礎となるランダムパターン22,23およびその抽出位置を特定することがより一層困難となるため、ICカードの真贋判定システム1で使用されるICカード2a,2bのセキュリティ性がより一層向上する。
【0054】
生成部7は、ICカード表面21から取得した特徴情報41を同じICカード2a,2b内のICチップ52から取得した識別情報51と対応付けることによって照合情報71を生成するために機能する。また、この照合情報71は、暗号化された情報として生成してもよい。
【0055】
記憶部8は、ICカード2a,2bから取得されそして生成された照合情報71と比較するため、生成部7によって生成された照合情報71を予め対比照合情報72として記憶する。例えば、記憶部8はICカード2a,2bとは別個に設けられた大容量のハードディスクドライブを備えたサーバまたはメモリ等であってもよく、またはICカード2a,2bのICチップ52内に設けられたメモリ等であってもよい。特に記憶部8をICカード2a,2bのICチップ52内に設けると、記憶部8に記憶させるICカードの対比照合情報72を分散させて記憶させることができるので、記憶部8の負荷を減らすことができ、システム全体の構成も簡素化できる。
【0056】
判定部9は、ICカード2a,2bから取得されそして生成された照合情報71を、記憶部8から読み出した対比照合情報72と比較することにより、照合情報71が対比照合情報72と同一であるか否かを判定する。その結果、判定部9が、照合情報71を対比照合情報72と同一であると判定すれば、ICカードの真贋判定システム1は、ICカード2a,2bを本物としてカード利用に対して提供されるべきアプリケーション処理を実行する。もし判定部9が照合情報71を対比照合情報72と同一でないと判定すれば、ICカードの真贋判定システム1は、ICカード2a,2bを偽物として、カード利用に対して提供されるべきアプリケーション処理の実行を拒否する。また、判定部9による判定結果は、例えば上述した操作部11に設けられた表示部やディスプレイなどの表示部に出力される。
【0057】
次に、本実施形態のICカードの真贋判定システム1におけるICカード2a,2bの真贋判定方法について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る真贋判定システム1におけるICカード2a,2bの真贋判定処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0058】
まず、操作部11は、所定の位置にICカード2a,2bを受け入れるとスイッチがオンされ、スイッチオンの信号を受けた制御部12は読取部3および取得部5へ処理開始を命令する。
【0059】
ステップS1では、命令を受けた取得部5がICチップ52に格納されている識別情報51を読み出す。
【0060】
一方、ステップS2では、命令を受けた読取部3が、ICカード表面21からカード固有のランダムパターン22,23に基づく画像情報31を読み取る。
【0061】
ステップS3では、抽出部4が、特定情報61に基づいて特定された抽出領域内の画像情報31からカード固有の特徴量を特徴情報41として抽出する。
【0062】
ステップS4では、生成部7が、特徴情報41を識別情報51と対応付けることによって照合情報71を生成する。
【0063】
ステップS5では、判定部9が、照合情報71を記憶部8から読み出した対比照合情報72と比較することにより、照合情報71が対比照合情報72と同一であるか否かを判定する。その結果、判定部9が、照合情報71を照合情報72と同一であると判定すれば、ICカード2a,2bが本物である旨の結果を出力し、そして照合情報71を対比照合情報72と同一でないと判定すれば、ICカード2a,2bが偽物である旨の結果を出力する。そしてこれらの判定結果は、例えば操作部11へ送信され、操作部11に設けられた表示部やディスプレイなどの表示部に出力される。
【0064】
図4には、本発明の他の実施形態に係るICカード真贋判定システム1の概要が示されている。本実施形態に係るICカード真贋判定システム1は、主として、操作部11、制御部12、読取部3、抽出部4、取得部5、特定部6、生成部7、記憶部8、分離部10および第1の判定部91と第2の判定部92とを備えて構成されている。
【0065】
操作部11は、ICカード真贋判定システム1を使用するユーザーが該システムを操作するための、いわゆるユーザインタフェースである。したがって、操作部11は、カードリーダー、キーボードまたはスイッチなどの入力部を備えている。
【0066】
制御部12は、例えば操作部11のオン/オフスイッチのオン/オフ信号に基づき、読取部3、抽出部4、取得部5、特定部6、生成部7、記憶部8、分離部10および第1の判定部91と第2の判定部92などへ、それぞれの処理開始を命令するものである。
【0067】
読取部3はCCDカメラまたはCCDラインセンサなどの光学式画像読取装置を備えており、ICカード表面21から、ICカード表面21に印刷されたインク中に混在する混入物の不規則な分布のランダムパターン22や、またはカード基材24を形成している紙の繊維の不規則な配向のランダムパターン23を画像情報31として読み取る。
【0068】
抽出部4は、読取部3によって取得された画像情報31からカード固有の特徴量を特徴情報41として抽出する。そして、抽出部4によって抽出されたICカード固有のランダムパターンに基づく特徴情報41は、判定部9へ送信される。
【0069】
ランダムパターン22,23を読み取ることによって得られる画像情報31は、例えばICカード2a,2bに光を照射することによって得られる反射光または透過光を受光することにより得られるランダムパターンに基づくものであってもよい。したがって、この場合の画像情報31は、ICカード表面に印刷されたインク中に混在する混入物の不規則な分布が作り出すランダムパターンや、またはカード基材を形成している紙の繊維が不定形に絡み合った状態で紙の繊維の配向が作り出すランダムパターンそのものであってもよい。また、画像情報31は、ICカード2a,2bに所定の方向から特定の光線を照射することによって得られる微細な濃淡パターンや微細な凹凸パターン若しくはそれらのパターンであってもよい。
【0070】
取得部5は、ICチップ52に格納されている識別情報51を読み出すために機能するものである。取得部5は例えばICプローブ(図示せず)のようなものを備えており、ICプローブはICカード2a,2bが接触型であるかまたは非接触型であるかを問わず、ICチップ52に格納されている識別情報51を取得し、そして識別情報51を判定部9へ送信する。
【0071】
また、本実施形態に係るICカードの真贋判定システム1では、使用されるICカード2a,2bの偽造をより一層困難にするため、ICカード表面21上で特徴情報41を抽出するための領域を特定する特定部6を設け、ICチップ52に格納された識別情報51に基づき、抽出部4は、特定部6により特定された抽出領域内からランダムパターン22,23に基づく特徴情報31を抽出するように構成することもできる。また、抽出領域の特定は、読取部3によって読み取られた、ある範囲内のランダムパターン22,23に基づく画像情報31の中から抽出領域を特定し、この抽出領域に対応するランダムパターン22,23の画像情報31を切り出すことによって特徴情報41を抽出する方法であってもよい。
【0072】
本実施形態において、読取部3がICカード表面21からランダムパターン22,23を読み取るために必要な領域は、約1〜2mm四方程度の広さがあれば十分である。一方これに対し、ランダムパターン22,23そのものは、ICカード表面21の一部のみならず全部に施すことが可能である。このため、ICチップ52に格納された識別情報51に基づき、特定部6によって特定された領域内からカード固有の特徴情報41が抽出されるようにすると、特徴情報41の基礎となるランダムパターン22,23およびその抽出位置を特定することがより一層困難となるため、ICカードの真贋判定システム1で使用されるICカード2a,2bのセキュリティ性がより一層向上する。
【0073】
生成部7は、ICカード表面21から取得した特徴情報41を同じICカード2a,2b内のICチップ52から取得した識別情報51と対応付けることによって照合情報71を生成するために機能する。また、この照合情報71は、暗号化された情報として生成してもよい。
【0074】
記憶部8は、ICカード2a,2bから取得されそして生成された照合情報71と比較するため、生成部7によって生成された照合情報71を予め対比照合情報72として記憶する。例えば、記憶部8はICカード2a,2bとは別個に設けられた大容量のハードディスクドライブを備えたサーバまたはメモリ等であってもよく、またはICカード2a,2bのICチップ52内に設けられたメモリ等であってもよい。特に記憶部8をICカード2a,2bのICチップ52内に設けると、記憶部8に記憶させるICカードの対比照合情報72を分散させて記憶させることができるので、記憶部8の負荷を減らすことができ、システム全体の構成も簡素化できる。
【0075】
分離部10は、記憶部8の中に記憶された対比照合情報72を、対比特徴情報42と対比識別情報53とに分離するために機能する。この場合、本実施形態に係るICカードの真贋判定システム1は識別情報51を照合するための第1の判定部91と、第1の判定部91で照合された識別情報51に対応した特徴情報42を照合するための第2の判定部92を備えている。
【0076】
第1の判定部91は、ICカード2a,2bのICチップ52から取得された識別情報51を、予め記憶部8の中に記憶されている対比照合情報72から分離した対比識別情報53と比較することにより、識別情報51が対比識別情報53と同一であるか否かを判定する。また、第2の判定部92は、ICカード表面21から取得された特徴情報41を、第1の判定部91によって判定された対比識別情報53に対応しており且つ予め記憶部の中に記憶されている対比照合情報72から分離した対比特徴情報42と比較することにより、特徴情報41が対比特徴情報42と同一であるか否かを判定する。
【0077】
その結果、第1の判定部91および第2の判定部92が対比すべき情報と同一であると判定すれば、ICカードの真贋判定システム1は、ICカード2a,2bを本物としてカード利用に対して提供されるべきアプリケーション処理を実行する。一方、第1の判定部91および/または第2の判定部92が対比すべき情報と同一でないと判定すれば、ICカードの真贋判定システム1は、ICカード2a,2bを偽物として、カード利用に対して提供されるべきアプリケーション処理の実行を拒否する。また、第1の判定部91および第2の判定部92による判定結果は、例えば上述した操作部11に設けられた表示部やディスプレイなどの表示部に出力される。
【0078】
次に、本実施形態のICカードの真贋判定システム1におけるICカード2a,2bの真贋判定方法について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る真贋判定システム1におけるICカード2a,2bの真贋判定処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0079】
まず、操作部11は、所定の位置にICカード2a,2bを受け入れるとスイッチがオンされ、スイッチオンの信号を受けた制御部12は読取部3および取得部5へ処理開始を命令する。
【0080】
ステップS1では、命令を受けた取得部5が、ICチップ52に格納されている識別情報51を読み出す。
【0081】
一方、ステップS2では、命令を受けた読取部3が、ICカード表面21からカード固有のランダムパターン22,23に基づく画像情報31を読み取る。
【0082】
ステップS3では、抽出部4が、特定情報61に基づいて特定された抽出領域内の画像情報31からカード固有の特徴量を特徴情報41として抽出する。
【0083】
ステップS4では、分離部7が、記憶部8の中に記憶されている対比照合情報を対比識別情報と対比特徴情報とへ分離する。
【0084】
ステップS5では、第1の判定部91が、識別情報51を対比照合情報72から分離した対比識別情報53と比較することにより、識別情報51が対比識別情報53と同一であるか否かを判定する。
【0085】
ステップS6では、第2の判定部92が、特徴情報41を、第1の判定部91によって判定された対比識別情報53に対応しており且つ対比照合情報72から分離した対比特徴情報42と比較することにより、特徴情報41が対比特徴情報42と同一であるか否かを判定する。
【0086】
その結果、ステップS5で同一であると判定されそしてステップS6で同一であると判定されると、ICカード2a,2bが本物である旨の結果が出力され、ステップS5で同一でないと判定され、および/またはステップS6で同一でないと判定されると、ICカード2a,2bが偽物である旨の結果が出力される。そしてこれらの判定結果は、例えば操作部11へ送信され、操作部11に設けられた表示部やディスプレイなどの表示部に出力される。
【符号の説明】
【0087】
1・・・・・・ICカード真贋判定システム
10・・・・・分離部
11・・・・・操作部
12・・・・・制御部
2a,2b・・ICカード
21・・・・・カード表面
22・・・・・インク混入物の分布に基づくランダムパターン
23・・・・・繊維の配向に基づくランダムパターン
24・・・・・カード基材
3・・・・・・読取部
31・・・・・画像情報
4・・・・・・抽出部
41・・・・・特徴情報
42・・・・・対比特徴情報
5・・・・・・取得部
51・・・・・識別情報
52・・・・・ICチップ
53・・・・・対比識別情報
6・・・・・・特定部
61・・・・・特定情報
7・・・・・・生成部
71・・・・・照合情報
72・・・・・対比照合情報
8・・・・・・記憶部
9・・・・・・判定部
91・・・・・第1の判定部
92・・・・・第2の判定部
図1
図2
図3
図4
図5