【実施例1】
【0022】
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(
図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0023】
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
【0024】
液晶枠飾り28の左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(
図2参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、一般入賞口スイッチ35b(
図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
【0025】
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(
図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が開放して、普通電動役物40への入球(第2特図始動スイッチ32a(
図2参照)の検出)が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では1.8秒(2回)である。
【0026】
第1始動口31に遊技球が入球(第1特図始動スイッチ31a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2特図始動スイッチ32a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0027】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
【0028】
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(
図2参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が開放して、大入賞口33aへの遊技球の入球(カウントスイッチ33b(
図2参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0029】
続いて、
図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。
図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
【0030】
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
【0031】
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を開放する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物31の羽根部材を開放する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介して図示しないホールコンピュータ70と、が接続されている。
【0032】
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
【0033】
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22a又は23aと、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
【0034】
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
【0035】
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチ20aからのタッチ信号、発射停止スイッチ19aから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0036】
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
【0037】
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
【0038】
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
【0039】
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
【0040】
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機の遊技内容について説明する。本実施例のパチンコ機は、第1特別図柄、第2特別図柄共に1/230で大当りとなり、全ての大当り遊技終了後に時短状態(特別図柄、普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物40の開放延長機能が作動)が付与される。この時短状態(本発明の時短状態に該当)は、大当りを取得した時点の遊技状態によって、時短状態の制限回数(時短回数)の設定方法が異なる内容となる。この制限回数は、時短状態が終了するまでの特別図柄の変動回数となり、本発明における制限回数に該当する。なお、本実施例のパチンコ機は非確率変動機であり、大当り遊技は全て9カウント又は28.0秒の大入賞口33aの開放を14ラウンド実施する。
【0041】
具体的な時短状態の制限回数設定方法を、
図8、9を用いて説明する。
図8は、大当りを取得した時点の遊技状態が通常遊技状態の場合を示す図表となる。(1)に示す第1特別図柄の場合は、通常遊技状態で大当りを取得すると、5/10の割合で大当り図柄として図柄1を決定し、決定した図柄1に対応して大当り遊技終了後の時短回数を30回に設定(大当り終了後の遊技状態を時短1に設定)する。さらに、時短回数30回用の特別図柄の変動パターン選択テーブルとして、変動パターン選択テーブル1を設定する。
【0042】
また、3/10の割合で大当り図柄として図柄2を決定し、決定した図柄2に対応して大当り遊技終了後の時短回数を50回に設定(大当り終了後の遊技状態を時短2に設定)する。さらに、時短回数50回用の特別図柄の変動パターン選択テーブルとして、変動パターン選択テーブル2を設定する。
【0043】
また、2/10の割合で大当り図柄として図柄3を決定し、決定した図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定(大当り終了後の遊技状態を時短3に設定)する。さらに、時短回数100回用の特別図柄の変動パターン選択テーブルとして、変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0044】
(2)に示す第2特別図柄の場合は、通常遊技状態で大当りを取得すると、2/10の割合で大当り図柄として図柄1を決定し、決定した図柄1に対応して大当り遊技終了後の時短回数を30回に設定(時短1に設定)する。さらに、時短回数30回用として、変動パターン選択テーブル1を設定する。
【0045】
また、3/10の割合で大当り図柄として図柄2を決定し、決定した図柄2に対応して大当り遊技終了後の時短回数を50回に設定(時短2に設定)する。さらに、時短回数50回用の変動パターン選択テーブル2を設定する。
【0046】
また、5/10の割合で大当り図柄として図柄3を決定し、決定した図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定(時短3に設定)する。さらに、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0047】
この様に、大当りを取得した時点の遊技状態が通常遊技状態の場合は、決定した大当り図柄の種類に対応した大当り遊技終了後の時短回数と変動パターン選択テーブルが設定される。
【0048】
図9は、大当りを取得した時点の遊技状態が時短状態の場合を示す図表となり、(1)は第1特別図柄が大当りした場合の設定内容となる。第1特別図柄の場合、大当り取得時に変動パターン選択テーブル1が設定されているなら、即ち、時短1の遊技状態において大当りを取得したなら、該取得時には、5/10の割合で大当り図柄として図柄1を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル1と決定した図柄1に対応して大当り遊技終了後の時短回数を30回に設定し、時短回数30回用の変動パターン選択テーブル1を設定する。
【0049】
また、時短1の遊技状態において大当りを取得した場合、3/10の割合で大当り図柄として図柄2を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル1と決定した図柄2に対応して大当り遊技終了後の時短回数を50回に設定し、時短回数50回用の変動パターン選択テーブル2を設定する。
【0050】
また、時短1の遊技状態において大当りを取得した場合、2/10の割合で大当り図柄として図柄3を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル1と決定した図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定し、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0051】
大当り取得時に変動パターン選択テーブル2が設定されているなら、即ち、時短2の遊技状態において大当りを取得したなら、該取得時には、5/10の割合で大当り図柄として図柄1を決定し、3/10の割合で大当り図柄として図柄2を決定するが、このどちらの場合も、即ち、8/10の割合で、設定されている変動パターン選択テーブル2と決定した図柄1又は図柄2に対応して大当り遊技終了後の時短回数を50回に設定し、時短回数50回用の変動パターン選択テーブル2を設定する。
【0052】
また、時短2の遊技状態において大当りを取得した場合、2/10の割合で大当り図柄として図柄3を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル2と決定した図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定し、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0053】
大当り取得時に変動パターン選択テーブル3が設定されているなら、即ち、時短3の遊技状態において大当りを取得したなら、図柄1、図柄2、又は図柄3の何れの大当り図柄が決定されても、即ち、10/10の割合で、設定されている変動パターン選択テーブル3と決定した図柄1、図柄2、又は図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定し、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0054】
図9(2)は第2特別図柄が時短状態で大当りした場合の設定内容となる。第2特別図柄が時短1の遊技状態において大当りを取得したなら、該取得時には、2/10の割合で大当り図柄として図柄1を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル1と決定した図柄1に対応して大当り遊技終了後の時短回数を30回に設定し、時短回数30回用の変動パターン選択テーブル1を設定する。
【0055】
また、時短1の遊技状態において大当りを取得した場合、3/10の割合で大当り図柄として図柄2を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル1と決定した図柄2に対応して大当り遊技終了後の時短回数を50回に設定し、時短回数50回用の変動パターン選択テーブル2を設定する。
【0056】
また、時短1の遊技状態において大当りを取得した場合、5/10の割合で大当り図柄として図柄3を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル1と決定した図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定し、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0057】
大当り取得時に変動パターン選択テーブル2が設定されているなら、即ち、時短2の遊技状態において大当りを取得したなら、該取得時には、2/10の割合で大当り図柄として図柄1を決定し、3/10の割合で大当り図柄として図柄2を決定するが、このどちらの場合も、即ち、5/10の割合で、設定されている変動パターン選択テーブル2と決定した図柄1又は図柄2に対応して大当り遊技終了後の時短回数を50回に設定し、時短回数50回用の変動パターン選択テーブル2を設定する。
【0058】
また、時短2の遊技状態において大当りを取得した場合、5/10の割合で大当り図柄として図柄3を決定し、設定されている変動パターン選択テーブル2と決定した図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定し、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0059】
大当り取得時に変動パターン選択テーブル3が設定されているなら、即ち、時短3の遊技状態において大当りを取得したなら、図柄1、図柄2、又は図柄3の何れの大当り図柄が決定されても、即ち、10/10の割合で、設定されている変動パターン選択テーブル3と決定した図柄1、図柄2、又は図柄3に対応して大当り遊技終了後の時短回数を100回に設定し、時短回数100回用の変動パターン選択テーブル3を設定する。
【0060】
以上が、大当り遊技終了後の時短状態の設定方法となる。上記したように、通常遊技状態では大当り図柄に基づいて大当り遊技終了後の時短回数を決定し、決定した時短回数に対応した変動パターン選択テーブルが設定され、時短状態では、設定されている時短状態の制限回数に対応した変動パターン選択テーブルの種類と大当り図柄の種類に基づいて時短回数が決定され、決定した時短回数に対応した変動パターン選択テーブルが設定される。これは、時短状態時は、設定されている変動パターン選択テーブルが示す時短回数と、決定した大当り図柄が示す時短回数とを比較し、遊技者に有利な方を設定する構成ともいえる。
【0061】
上述した構成により、時短中に大当りを取得した場合は、前回設定された時短回数よりも少ない回数が設定されることがなくなり、時短中に大当りを連続して取得する限りその状況が継続する。また、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当り図柄の振分け率が異なる構成となっており、第2特別図柄では時短30回が付与される割合が少なくなっている。従って、第2特別図柄は時短状態において主となるため、時短状態中に大当りを取得すると多回数の時短回数が付与される割合が高くなっている。
【0062】
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄で時短回数の振分を異ならせている場合は、保留記憶を入賞順に消化する方が遊技性が高い。遊技者はいずれの特別図柄で当選するかにより時短回数の優劣があるため、ただ大当りを目指すだけでなく、どちらの特別図柄で当選するかも目指すことになる。無論、第2特別図柄の保留記憶を優先消化する構成でもよく、その場合は、第1特別図柄は通常遊技状態時に当選した場合の時短回数を決めるものとなり、初当り時の時短回数を決める役割を持ち、第2特別図柄は、時短遊技状態時に当選した場合の時短回数を決めるものとなり、時短の継続率に深く関わるものとなる。
【0063】
上記で説明した変動パターン選択テーブル1、2、3と通常遊技状態で用いる変動パターン選択テーブルが、本発明における特別図柄の変動パターンを選択する複数の選択テーブルに該当し、図表の構成は、制限回数設定手段及び選択テーブル決定手段に該当すると共に、「前記当否判定結果が大当りの場合の遊技状態が前記通常遊技状態なら、前記大当り図柄決定手段が決定した大当り図柄の種類に応じて前記制限回数を設定し、前記当否判定結果が大当りの場合の遊技状態が前記特典遊技状態なら、設定されている前記選択テーブルの種類、又は前記選択テーブルの種類と大当り図柄の種類に応じて前記制限回数を設定する」と「前記当否判定結果が大当りの場合の遊技状態が前記特典遊技状態なら、設定されている前記選択テーブルに対応した前記制限回数以上の前記制限回数を所定の確率で設定する」の構成を満たしている。
【0064】
次に、
図3を用いて、主制御装置50が行う始動入賞処理について説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0065】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
【0066】
始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
【0067】
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
【0068】
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)(第1先読判定コマンド送信手段)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
【0069】
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S60)。
【0070】
S60に続いては、記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。具体的には、第1保留記憶と同様に、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
【0071】
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)(第2先読判定コマンド送信手段)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
【0072】
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し(普図保留記憶手段)、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)(保留記憶数送信手段)、リターンする。
【0073】
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40のロング開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
【0074】
次に
図4、5、6、7を用いて主制御装置50が行う特図当否判定処理を説明する。この処理は、本発明における当否判定手段と大当り図柄決定手段と特典遊技決定手段とを含む処理となり、主制御装置50が第1始動口31又は第2始動口32への遊技球の入球時に取得した大当り判定用乱数とに応じて大当りを生起させるか否か判定(本発明の当否判定手段)し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数に基づいて複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定し(本発明の大当り図柄決定手段に該当)、抽選時(判定時)の遊技状態(通常遊技状態か時短状態か)に応じて大当り遊技終了後の時短回数(本発明の制限回数に該当)を決定する。
【0075】
図4に示す特図当否判定処理を開始すると、主制御装置50は条件装置が未作動か否か判定する(S100)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。S100が否定判定なら(S100:no)大当り遊技を制御する特別遊技処理に進み、S100が肯定判定であれば(S100:yes)、特別図柄が変動停止中であるか(S105)、確定図柄の非表示期間であるか(S110)の判定が行われる。
【0076】
S105、S110の両方が肯定判定なら(S105:yes、S110:yes)、
図5に進み、第2保留記憶があるか否か判定する(S120)。肯定判定なら(S120:yes)、S130に進み、否定判定なら(S120:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S125)。否定判定なら(S125:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S125:yes)、S130に進む。このS120とS125の判定順により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
【0077】
S130では、判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算し(S130)、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S135)。
【0078】
続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S140)。なお、本実施例における特図当否判定テーブルは1/230で大当りとなるように設定されている(本発明における当否判定手段に該当)
【0079】
続いてS140の比較結果が大当りか否かを判定し(S145)、肯定判定なら(S145:yes)、読み出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて
図8、9を用いて説明した大当り図柄(図柄1、図柄2、図柄3の何れか)を選択する(S150)(本発明の大当り図柄決定手段に該当)。
【0080】
S150に続いては、時短フラグが0か否か判定する(S155)。時短フラグは、主制御装置50にて記憶される値であり、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」のときは、時短状態であることを主制御装置50が判断するための値であり、時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物40の回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。
【0081】
S155が肯定判定、即ち当該処理を実行中の遊技状態が通常遊技状態なら(S155:yes)、S150で決定した大当り図柄の種類を参照し、該参照した内容に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を設定(
図8を用いて説明した設定方法)し、設定内容を記憶しておくモードバッファを設定する(S165)。
【0082】
モードバッファは、当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態を、時短フラグをクリアしなければならない大当り遊技が終了するまで(大当り遊技終了時に遊技状態を設定するまで)記憶する装置であり、設定するモードバッファの値により大当り遊技終了時に設定される遊技状態(時短回数、変動パターン選択テーブル)が異なる内容になる。
【0083】
具体的には、モードバッファは大当り遊技終了後の遊技状態の違いに応じて3種の値が設定され、
図10(1)に示すように、モードバッファの値が「0」なら、大当り遊技終了後の遊技状態が時短1として時短回数に30回が設定される。また、時短1が設定される場合には、それに応じて変動パターン選択テーブル1が設定される。モードバッファの値が「1」なら、大当り遊技終了後の遊技状態が時短2として時短回数に50回が設定される。また、時短2が設定される場合には、それに応じて変動パターン選択テーブル2が設定される。モードバッファの値が「2」なら、大当り遊技終了後の遊技状態が時短3として時短回数に100回が設定される。また、時短3が設定される場合には、それに応じて変動パターン選択テーブル3が設定される。
【0084】
図5に戻り、S155が否定判定、即ち、当該処理中の遊技状態が時短状態なら(S155:no)、当該処理中に設定されている変動パターン選択テーブルの種類を参照し(S170)、S150で決定した大当り図柄の種類を参照し(S160)、二つの参照した内容に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を設定(
図9を用いて説明した設定方法)し、設定内容を記憶しておくモードバッファを設定する(S165)。
【0085】
S165に続いては、大当り遊技の大入賞口33aの開放パターンを設定し(S175)、上記した内容に応じて設定中の変動パターン選択テーブルから変動パターンを選択する(S185)。S145が否定判定なら(S145:no)、ハズレ図柄選択処理を行い(S185)、上記と同様に変動パターン選択処理を行う。S185の変動パターン選択処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り図柄の種類、ハズレの種類(リーチの有無)、変動時間等)を含んだ変動指示コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30において特別図柄を変動表示させる処理を行い(S190)、特別遊技処理に移行する。サブ統合制御装置53は変動指示コマンドを受信することにより、大当り図柄の種類、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
【0086】
図4の処理に戻り、S105が否定判定(S105:no)、即ち特別図柄が変動中なら、
図6のフローチャートに進み、特図の変動時間(S185で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S200:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御してS150、又はS180で決定した図柄を確定表示させる(S205)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
【0087】
S205の処理に続いては、確定表示した特別図柄が大当りを示すか否かを判定し(S210)、肯定判定なら(S210:yes)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S215)、大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を行い(S220)特別遊技処理に進む。
【0088】
S210が否定判定(S210:no)、即ち確定表示した特別図柄が大当りを示さない場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S245)、時短フラグが1か否か判定する(S250)。S250が肯定判定なら(S250:yes)、時短カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S255)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S260)。S260が否定判定なら(S260:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S260:yes)、時短フラグに0を設定し(S265)、通常遊技状態用の変動パターン選択テーブルを設定し(S270)特別遊技処理進む。この処理により、時短状態の制限回数を超えると、通常遊技状態用の変動パターン選択テーブルが設定される。
【0089】
図4に戻り、S110が否定判定(S110:no)、即ち特別図柄が確定表示中なら、
図7に進みS215又はS245で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S300:yes)、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置53に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い(S305)特別遊技処理に進む。
【0090】
以上が特図当否判定処理の説明となり、S160、S165、及びS170、S160、S165が本発明における、大当り図柄の種類に応じて大当り遊技終了後の遊技状態を決定する特典遊技決定手段に該当する。
【0091】
次に、
図11を用いて主制御装置50が実行する当り遊技開始処理を説明する。当り遊技開始処理を開始すると、大当りフラグが1か否か判定し(S350)、否定判定なら(S350:no)リターンし、肯定判定なら(S350:yes)、
図5のS175で設定された開放パターンに従って、条件装置および役物連続作動装置を作動して大当り遊技を開始する大当り遊技設定処理を行う(S810)。続いて、時短フラグが1か否か判定し(S360)、否定判定なら(S360:no)リターンし、肯定判定なら(S360:yes)、時短フラグに1を設定し(S365)、時短カウンタをクリアして(S370)リターンする。
【0092】
次に、
図12を用いて、主制御装置50が実行する当り遊技終了処理を説明する。当り遊技終了処理を開始すると、大当り遊技の終了インターバル時間が経過したか否か判定し(S400)、否定判定なら(S400:no)、役物連続作動装置および条件装置の作動停止処理を行い(S410、S415)、
図5のS165で設定されたモードバッファを参照する(S420)。
【0093】
続いて、参照したモードバッファの値に基づいて、
図10(2)の図表に示す内容で時短フラグと時短カウンタを設定し(S425、S430)、
図10(1)の図表に示す内容で変動パターン選択テーブルを設定し(S435)、モードバッファをクリアし(S440)、サブ統合制御装置53へ大当り遊技の終了コマンドを送信し(S445)、大当りフラグをクリアし(S450)リターンする。
【0094】
この当り遊技終了処理によって、当否判定処理時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態(時短1、2、3)がモードバッファの値に基づいて設定される。
【0095】
次に、演出図柄表示装置54bで実施される大当り開始インターバル演出の表示例を
図13、14を用いて説明する。
図13(1)は、通常遊技状態で、時短30回を付与する図柄1(「444」)で大当りした場合の大当り開始インターバル演出の表示例となる。具体的な表示内容は、画面上部に図柄1に対応した疑似図柄の大当り図柄の1つとなる「444」を表示し、画面中央に大当り図柄の種類に応じて付与される時短回数を説明する文字列を表示し、画面下部に「大当り!」の文字列とキャラクタの熊の達吉(笑顔)を表示する。この表示内容により、遊技者は大当り終了後に特別図柄が30回変動するまで時短状態となることを認識する。
【0096】
図13(2)は、100回の時短状態中(時短3の状態中)に、図柄1(疑似図柄「444」)で大当りした場合の大当り開始インターバル演出の表示例となる。具体的な表示内容は、画面上部に(1)と同様に、図柄1に対応した疑似図柄の大当り図柄の1つとなる「444」を表示し、画面中央に大当り時の変動パターン選択テーブルの種類と大当り図柄の種類とに応じて付与される時短回数を説明する文字列を表示し、画面下部に「大当り!」の文字列とキャラクタの熊の達吉を表示する。この表示内容により、遊技者は大当り終了後に特別図柄が再度100回変動するまで時短状態となることを認識する。
【0097】
図14(3)は、通常遊技状態で、時短100回を付与する図柄3(「777」)で大当りした場合の大当り開始インターバル演出の表示例となる。具体的な表示内容は、画面上部に図柄3に対応した疑似図柄の大当り図柄の1つとなる「777」を表示し、画面中央に大当り図柄の種類に応じて付与される時短回数と以降の時短付与条件を説明する文字列を表示し、画面下部に「大当り!」の文字列とキャラクタの熊の達吉を表示する。この表示内容により、遊技者は大当り終了後に特別図柄が100回変動するまで時短状態となり、更に時短中に大当りとなれば図柄の種類に拘わらず100回の時短状態になることを認識する。
【0098】
以上が実施例の説明となる。上述した構成により、大当りを取得した遊技状態にかかわらず、時短100回となる大当り図柄となった場合は、時短100回を実行する時短3の遊技状態中に再度大当りになると、図柄の種類が図柄1、2であっても大当り遊技終了後の遊技状態は時短3として100回の時短が付与される。これにより、一旦有利な時短回数を取得した場合は、時短の消化中に大当りを取得したとしても、一度得た有利度を維持することが可能となっている。
【0099】
本実施例では、大当り遊技終了後に付与される特典遊技状態を時短状態として説明したが、特典遊技状態の維持を特別図柄の変動回数で規制する構成であるならば時短状態を確率変動状態としても同様の効果を発揮する。
【0100】
例えば、回数切り確変(STともいう)だったら、時短回数のところを確変回数にして実施すれば良い。それならば、一旦獲得した確変回数は確変状態が継続する限り付与回数が降格することなく、チャンスアップされた状態を維持しながら遊技することができる。また、STのあとに時短を付与する遊技構成の場合は、確変状態時用の選択テーブル、時短状態用の選択テーブルを各々用意し、確変状態時に大当りしたのならば確変状態時用の選択テーブルを参照して次回の確変回数を設定し、時短状態時に大当りしたのなら時短回数を選択テーブルを参照して設定することが考えられる。これならば、確変で大当りをして行けば確変の付与回数が伸びていく可能性が高くなり、時短で大当りしていけば時短が伸びていく可能性が高くなる。
【0101】
このように連チャンすればただ有利度を高めるのではなく、どの遊技状態で当ったかで付与内容が変わっていくという新たな特典付与形式を備えさせることができる。なお、確変と時短を比較すると、確変の方が当選確率が高くなるため遊技者にとって有利であり、確変の回数が伸びていく方を、遊技者はより目指すことになる。
【0102】
また、上記の構成で、確変、時短を合わせて100回までのように上限を設けた場合は、確変回数のみを選択テーブルで振り分けることが考えられる。例えば、確変20回が付与された時は、残りの80回を時短とし、確変50回が付与された時は時短50回、確変100回の時は時短0回、といったようにすれば、連チャンすればするほど連チャン率も高くなっていくことから(時短よりも確変が有利な構成を前提として記載)、遊技者は単純に連チャンを目指すと共に、確変回数が増えることも目指すことができる。この場合、選択テーブルは確変、時短で共通のものを用い、該テーブルで振分られるのは確変回数となる。
【0103】
また、上記のように確変、時短の構成だが、確変回数は一定であり、時短回数のみが変動する構成も考えられる。その場合、確変、時短は共通の選択テーブルを使用し、確変、時短どちらで当選しても同じ振分率で時短回数を設定しても良いし、確変、時短で別々の選択テーブルを用意しておき、確変時に当った時の方が、時短時に当った時より有利な振分率で設定されている構成としても良い。確変、時短どちらでも同じ振分率の場合は、シンプルに連チャンして行けば有利になっていく遊技性とすることができるし、確変で当った時の方が有利な振分率の場合は、確変状態で連チャンした方が、より有利になっていく遊技性とすることができるようになる。