(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
なお、後述する第2実施例以降が本発明の実施形態であり、第1実施例は、そのベースとなるものであるが、便宜的に実施例と表記する。
【0028】
[第1実施例]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0029】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0030】
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の図示しない遊技釘が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり疑似図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。
【0031】
窓5aの上側にはドットマトリクスの普通図柄表示装置7及び7セグメントの特別図柄表示装置9と4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置8が設置され、下側には特別図柄保留記憶表示装置10が設置されている。
【0032】
センターケース5の向かって左横には普通図柄作動ゲート17が配置されている。センターケース5の下方には、第1始動口11と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第1始動口11は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。
第2始動口12は電動チューリップであり、周知の電動チューリップと同様に開閉変化するが、上方に第1始動口11があるために図示の閉鎖状態では遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると行われる普通図柄抽選で当り、普通図柄表示装置7に当りの普通図柄が確定表示されると、第2始動口12は開放されて入球容易になる。
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の大入賞口13が配置され、その下方にはアウト穴15が設けられている。また、複合入賞装置の左側には第1左入賞口31と第2左入賞口32と第3左入賞口33が、右側には右入賞口34がガイドレール2bに沿うように設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0033】
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。
また、パチンコ機50の裏側には(
図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置(サブ制御装置とも呼ぶ)83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
【0034】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、この外部接続端子板78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータ87に送られる。なお、従来はホールコンピュータ87へ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87へ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0035】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には電源回路は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84、電源基板85にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
また、近年では演出図柄制御装置82とサブ統合制御装置83を1つの基板上に設けて、サブ統合制御装置83とする構成も多い。本実施例では分割しているが、一つにしたものでも良いし、サブ統合制御装置を音制御装置、ランプ制御装置と分割する構成でも良い。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口13に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ13a、第1左入賞口31および第2左入賞口32、第3左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、第1右入賞口33に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ33aなどの検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
本実施例では左に配置された普通入賞口が3つの構成(31、32、33)であるが、スイッチは31a1つで検出する構成である。無論、各々に対応したスイッチを設けても良い。
【0036】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留記憶表示装置10及び普通図柄保留記憶表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、遊技盤中継端子板74を介して大入賞口ソレノイド13bを制御することで大入賞口13の開放を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。なお、普電役物とは普通電動役物(電動チューリップとも記載)を示す。
主制御装置80からの出力信号は、上記のほかにも試験信号端子や、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。
【0037】
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。
図4の構成では、払出制御装置81は裏配線中継端子板75と払出中継端子板76を介して払出モータ20を制御する構成である。また、本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0038】
払出制御装置81は満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力される構成で、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンク71に遊技球が少ない或いは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24(遊技球等貸出装置接続端子板とも記載する)を介してCRユニット56(遊技球等貸出装置とも記載する)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ57、精算を要求するための返却スイッチ58が接続されている。
【0039】
払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70、前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0040】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LEDや各種ランプを制御する。なお、音声出力に関しては、音量調整スイッチ83aにて音量を調節することができる。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0041】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。無論、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信の構成でもよい。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。
【0042】
メインルーチンを
図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0043】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0044】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0045】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「349」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「349」までの350個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0046】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「349」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「349」までの350個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。
【0047】
なお、大当り決定用乱数が1巡(350回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「349」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0048】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常確率状態時、高確率状態時ともに3であり、値は「0」、「3」、「5」である。 なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0049】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0050】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0051】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御基板80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12の合計で4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0052】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
【0053】
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御基板80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0054】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第1左入賞口33、第2右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御基板80に設けている。
【0055】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜349の350通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/350である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0056】
S50の入賞確認処理は
図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。
肯定判断なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。なお、パチンコ機50においては、大当り図柄に応じて大入賞口14の開放パターンが複数設定されている。
【0057】
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を特別図柄保留記憶として記憶し、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数を1増加させ(S110)、先読み判定処理を行ない(S115)、本処理を終了(リターン)する。既に4個の保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数も増やさない。
なお、特別図柄の保留記憶数の増減はサブ統合制御装置83を経由して演出図柄制御装置82に伝えられ、演出図柄表示装置6の画面6aにて、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数と同数の疑似保留表示がなされる。無論、疑似保留表示は必ずしも行う必要があるものではない。
【0058】
先読み判定処理(S115)の概要を
図7に示す。まず、S110にて記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する(S200)。当否判定用乱数が大当りに対応するものであれば(S200:yes)、大当り図柄決定用乱数が、複数ある開放パターンの内の開放パターンAに対応するものであるか否かを判定する(S205)。第1実施例のパチンコ機50は、
図21(a)のように開放パターンが設定されている。まず15ラウンド(
図21(a)ではRと記載)大当りの場合は、大入賞口13が最長で28秒開放し、これを15回繰り返す。これが開放パターンAである。そして2ラウンド大当りの場合は、大入賞口13が最長で0.8秒開放し、これを2回繰り返す。これが開放パターンBである。小当りの場合は、大入賞口13を0.8秒間、2回開放させるという動作をする。この動作は、2ラウンド大当りの、0.8秒1回開放するという動作を2回連続作動させるという動作と、みかけ上は区別がつかないように設定されている。
【0059】
図7に戻る。大当り図柄決定用乱数が開放パターンAに対応するものであれば(S205:yes)、先読み図柄指定コマンドAをサブ統合制御装置83に送信し(S210)、本処理を終了(リターン)する。大当り図柄決定用乱数が開放パターンAに対応するものでなければ(S205:no)、先読み図柄指定コマンドBをサブ統合制御装置83に送信し(S215)、本処理を終了する。当否判定用乱数が大当りに対応するものでなければ(S200:no)、当否判定用乱数が、小当りに対応するものであるか否かを判定する(S220)。当否判定用乱数が、小当りに対応するものであれば(S220:yes)、先読み図柄指定コマンドCをサブ統合制御装置83に送信し(S225)、本処理を終了する。当否判定用乱数が、小当りに対応するものでなければ(S220:no)、先読み図柄指定コマンドDをサブ統合制御装置83に送信し(S230)、本処理を終了する。
【0060】
図8〜11に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S300)。S300の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S305:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S310:no)、特別図柄保留記憶(前記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(
図9のS350)。
この保留記憶があれば(S350:yes)、特別図柄保留記憶の中で最も古いもの読み込むとともにその特別図柄保留記憶は保留記憶から消去するため保留記憶を1減算し(S355)、確変フラグがセットされているか(高確率状態か)否かを判定する(S360)。
肯定判断であれば(S360:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S365)、否定判断であれば、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S370)。
本実施例の場合、通常確率状態時には1/350の確率で当選し、高確率遊技状態には1/35の確率で当選する。
【0061】
S365又はS370の判定で当りなら(S375:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定し(S380)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S385)、そして大当り設定処理を行う(S390)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当り開始演出時間や開放パターン、大当り終了演出時間等)を取得する処理である。
また、外れのときは(S375:no)、次に小当りであるか判断する(S395)。判定で小当りなら(S395:yes)、小当り図柄を決定し(S400)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S405)。なお、本実施例では小当り当選時の図柄が複数存在するので図柄決定処理(S400)を行なったが、小当り図柄が1つしかない構成に対しても本発明は適用可能であり、その場合は図柄設定を行なう必要がない。
【0062】
小当りも外れのときは(S395:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S410)。
こうしてS405またはS410により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S415)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0063】
S390又はS415に続いては、変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、また特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の変動表示を開始させ(S420)、特別遊技処理を実行する。
変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、特別図柄の変動表示に呼応した音声及びランプの演出制御を行い、また演出図柄制御装置82に変動開始コマンドを送る。
【0064】
なお、本実施例では
図22のタイミングで変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、図柄保留指定コマンド)、図柄指定コマンドは送られる。図柄指定コマンドには、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータガ含まれており、サブ統合制御装置83は図柄指定コマンドに基づき、大当り図柄又は外れ図柄(以下、まとめて確定図柄)、リーチの有無及び変動時間を判別できる。
最初に変動パターン指定コマンドと特別図柄保留記憶表示装置10での保留記憶数表示のための図柄保留指定コマンド(図では特図保留指定)、図柄指定コマンド(図では特別図柄指定)が来た地点で演出図柄表示装置6に表示された演出図柄94が変動を開始する。
変動パターンにより指定された変動時間に達すると図柄停止コマンド(図では停止指定)が送られてきて、演出図柄94の変動を停止させる。
変動が停止すると確定時間として所定時間演出図柄の確定表示を行う。この時に現在の遊技状態を指定するために状態指定コマンドが送られる。以上が本実施例でのコマンドの出力タイミングである。
【0065】
主制御装置80は、特別図柄の変動中であれば(S305:yes)、所定の図柄変動時間(S385、S405、S又は410の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判断する(
図10のS450)。
肯定判断(S450:yes)なら確定図柄を表示設定する(S455)。
【0066】
確定表示させた特別図柄が大当りになる組み合わせ(配列)であれば(S460:yes)、確変フラグが1か否かを判定する(S465)。確変フラグが1であれば(S465:yes)、S470にて確変フラグを0にし、S475に移行する。確変フラグが1でなければ(S465:no)、そのままS475に移行する。S475では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S475:yes)、S480にて時短フラグを0にし、S485に移行する。時短フラグが1でなければ(S475:no)、そのままS485に移行する。
S485では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS490にて役物連続作動装置を作動させ、S495にて大当り開始演出処理を行なうと、特別遊技処理(
図12)を行なう。
【0067】
S460で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S500:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S505)。確変回数が0であれば(S505:yes)、S510にて確変フラグを0にしてS515に進む。確変フラグが1でないとき(S500:no)又は確変回数が0ではないとき(S505:no)はそのままS515に移行する。
S515では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S515:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S520)。時短回数が0であれば(S520:yes)、S525にて時短フラグを0にしてS530に進む。時短フラグが1でないとき(S515:no)又は時短回数が0ではないとき(S520:no)はそのままS530に移行する。
S530では、確定表示させた特別図柄が小当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定する。小当りになる組み合わせであれば(S530:yes)、特別電動役物の作動を開始させ(S535)、S540にて小当り開始演出処理を行なうと、特別遊技処理(
図12)を実行する。
【0068】
図8に戻り、確定図柄が表示中である場合は(S310:yes)、
図11に示すように確定図柄表示時間が終了したか判断し(S550)、終了した場合は(S550:yes)確定図柄の表示を終了する(S555)。表示時間が終了していない場合は(S550:no)そのまま特別遊技処理へ移行する。
【0069】
図12に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S600)。役物連続作動装置が作動中なら(S600:yes)、大入賞口13が開放中か否かを判断する(S605)。大入賞口13の開放中ではない場合は(S605:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口13が閉鎖しているのか判断する(S610)。インターバル中でもない場合は(S610:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S615)。これも否定判断の場合は(S615:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S620)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S620:yes)、大入賞口開放処理(S625)を行なって本処理を終了(リターン)する。なお、大当りになった際には、図示しない状態報知装置により、その大当りが
図21(a)に示した15ラウンドの大当り(開放パターンA)か2ラウンドの大当り(開放パターンB)であるかが遊技者に報知される。
【0070】
S605で大入賞口13が開放中であると判定された場合は、
図13のS650に進み、大入賞口13に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口13に10個入賞した場合(S650:yes)にはS660に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そしてラウンド回数を1インクリメントし(S665)、大当りインターバル処理(S670)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口13に10個入賞していない場合(S650:no)にはS655に進み、大入賞口13の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S655:yes)には、S660に合流し、終了していない場合(S655:no)は特別遊技処理を終了する。
【0071】
S610でインターバル中であると判定された場合は、
図14のS700に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S700:yes)は、直前に大入賞口13が開いていたのが最終ラウンドだったか否かを判定する(S705)。最終ラウンドであれば(S705:yes)、大当り終了演出処理(S710)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S705:no)、再び大入賞口13を開放する処理(S715)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S700:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。
【0072】
S615で大当りの終了演出中であると判定された場合は、
図15のS750に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S750:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S755)、条件装置の作動を停止する(S760)。そして、S390で取得した次回の遊技状態で確変を設定するか否かを判定する(S765)。確変を設定する場合(S765:yes)は、確変回数を設定し(S770)、確変フラグを1に設定し(S775)、S780に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上される。確変を設定しない場合(S765:no)はそのままS780に移行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S765でyesと判定されて確変が設定される。
S780では、次回の遊技状態で時短を設定するか否かを判定する。時短を設定する場合(S780:yes)は、時短回数を設定し(S785)、時短フラグを1に設定し(S790)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S795)を行なって特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短を設定しない場合(S780:no)はそのまま特別遊技処理を終了する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S780でnoと判定されて時短は設定されない。ただし時短中に確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S780でyesと判定され、時短状態が維持される。以上が特別遊技処理である。
【0073】
特別遊技処理で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S600:no)には、
図16に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S800にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S800:yes)、大入賞口13が開放中か判断する(S805)。否定判断の場合(S805:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S810)。小当り遊技間のインターバルではなく(S810:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S815:no)、小当り開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S820:yes)、大入賞口13を開放させ(S825)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S800:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S820:no)には、そのまま本処理を終了する。
【0074】
図16のS805で大入賞口13が開放中であると判定された場合は、
図17のS850に進み、大入賞口13に6個入賞したか否かを判定する。大入賞口13に6個入賞していない場合(S850:no)はS855に進み、大入賞口13の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.8秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S855:yes)には、S860にて小当り開放カウンタを1インクリメントし、S865にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S870)を行なって、小当り遊技処理を終了する。
大入賞口13に6個入賞した場合(S850:yes)にはS865に直行し、また大入賞口13の開放時間が終了していない場合(S855:no)は小当り遊技処理を終了する。
【0075】
図16のS810で小当りインターバル中であると判定された場合は、
図18のS900に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S900:yes)にはS905にて大入賞口13に6個入賞したか否かを判定する。大入賞口13に6個入賞していない場合は、S910にて小当り開放カウンタが2か否かを判定する。小当り開放カウンタが2の場合(S910:yes)は、小当り終了演出処理(S915)を行なって小当り遊技処理を終了する。小当り開放カウンタが2ではない場合(S910:no)は、大入賞口開放処理(S920)により大入賞口13を0.8秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。なお、S905で大入賞口13に6個入賞していると判定された場合(S905:yes)には、S915に直行し、またS900で小当りインターバル時間が経過していないと判定された場合は、そのまま小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口13が基本的に0.8秒、2回開放されるが、1回の開放で6個以上の入賞があった場合には1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で6個以上の入賞が発生することは殆どない。
【0076】
図16のS815で小当り終了演出中であると判定された場合は、
図19のS950に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S950:yes)は、S955にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S960)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S950:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
【0077】
サブ統合制御装置83のCPUが実行する先読み演出決定処理を
図20に示す。本処理は先読み図柄指定コマンドを主制御装置80から受信すると起動(S1000:yes)し、先読み演出実行抽選処理(S1005)を行なう。
先読み演出実行抽選処理の内容を説明するために、先読み図柄指定コマンドと先読み演出との関係を
図21(b)に示す。
図7の先読み判定処理のS210にて先読み図柄指定コマンドAが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、20%の確率で先読み演出Bを行い、80%の確率で先読み演出を行わない。先読み演出実行抽選処理(S1005)では、このような割合で先読み演出Bを行うか否かを抽選する。同様にして、S215にて先読み図柄指定コマンドBが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、35%の確率で先読み演出Aを行い、65%の確率で先読み演出を行わない。S225にて先読み図柄指定コマンドCが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、50%の確率で先読み演出Aを行い、50%の確率で先読み演出を行わない。S230にて先読み図柄指定コマンドDが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、1%の確率で先読み演出Aを行い、1%の確率で先読み演出Bを行い、98%の確率で先読み演出を行わない。
【0078】
図23に画面6aに先読み演出が行なわれた様子を示す。先読み演出Aは
図23(a)に符号96で示すようなもので、演出図柄94の変動開始時に犬のキャラクタ96が画面に大きく表示される(カットイン表示)。前述したように、先読み演出Aが行なわれるのは先読み図柄指定コマンドB、C、またはDをサブ統合制御装置83が受信したとき(正確には更に先読み演出実行抽選処理(S1005)により「先読み演出を行なう」と判定されたとき)であり、これらはそれぞれ開放パターンBの大当り、小当り、はずれの場合に受信されるものである。つまり、この犬のキャラクタ96が画面6aに表示されると、遊技者は「犬の達吉がカットイン表示されたから潜伏状態になる可能性がある」と判断することができる。潜伏状態とは、2ラウンド大当りにより確率変動した状態か、単なる小当りで確率が変化しなかった状態か分からない状態を言う。
図23(a)のように大きく表示された犬のキャラクタ96は、
図23(b)のように画面6aの右上に小さく表示され、大当りが確定した場合には、
図23(c)のように犬のキャラクタ96が笑って大当りが発生する旨を遊技者に告知する。
一方、先読み演出Bは
図23(a)に符号97で示すようなもので、特別図柄の通常の保留表示である○印の中に☆が表示される。前述したように、先読み演出Bが行なわれるのは先読み図柄指定コマンドAまたは先読み図柄指定コマンドDをサブ統合制御装置83が受信したとき(正確には更に先読み演出実行抽選処理(S1005)により「先読み演出を行なう」と判定されたとき)であり、これらはそれぞれ開放パターンAの大当り又ははずれの場合に受信されるものである。つまり、☆が保留表示されると、遊技者は「15ラウンドの大当りになるかもしれない」と判断することができる。
【0079】
このように構成されたパチンコ機50によれば、犬のキャラクタ96が表示されることにより、2ラウンドのみで潜伏状態に移行する可能性があることを遊技者に予告することができる。また保留表示に☆印97が表示されることにより、15ラウンドの大当りになる可能性があることを遊技者に予告することができる。このように開放パターン(15ラウンドか2ラウンド(小当りも含む)か)に応じて先読み演出を変更するので、開放パターンに対する期待を遊技者に抱かせることができる。具体的には、保留表示に☆印97が表示された場合には、「2ラウンドで終わることはない」と期待させたり、犬のキャラクタ96が表示された場合は、「2ラウンド確変がくるかもしれない」と期待させたりすることができる。
【0080】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110の処理が本発明の「保留手段」に相当し、S360〜S370の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、
図12の特別遊技処理が本発明の「大当り遊技発生手段」に相当し、
図7の先読み判定処理が本発明の「先読み演出判定手段」に相
当する。
【0081】
[第2実施例]
第2実施例について
図24〜28を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図24は、小当り遊技処理の一部を示すフローチャートであり、第1実施例の
図18に示したフローチャートに対応するものである。本図に示す処理が起動されると、S1100にて小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S1100:yes)にはS1105にて大入賞口13に6個入賞したか否かを判定する。大入賞口13に6個入賞していない場合(S1105:no)は、S1110にて小当り開放カウンタが9か否かを判定する。小当り開放カウンタが9の場合(S1110:yes)は、小当り終了演出処理(S1115)を行なって小当り遊技処理を終了する。小当り開放カウンタが9ではない場合(S1110:no)は、大入賞口開放処理(S1120)を行なって小当り遊技処理を終了する。なお、S1105で大入賞口13に6個入賞していると判定された場合(S1105:yes)には、S1115に直行し、またS1100で小当りインターバル時間が経過していないと判定された場合は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
図18のフローチャートと異なる点は、大入賞口13が9回開く(S1110)点である。
【0082】
第2実施例の先読み判定処理は、
図25に示すようなもので、まず、当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する(S1200)。当否判定用乱数が大当りに対応するものであれば(S1200:yes)、大当り図柄決定用乱数が、開放パターンAに対応するものであるか否かを判定する(S1205)。第2実施例のパチンコ機50は、
図26のように開放パターンが設定されている。まず開放パターンAは9ラウンド大当りであり、大入賞口13が最長で28秒開放し、これを9回繰り返す。そして開放パターンBでは大入賞口13が0.2秒開放し、これを9回繰り返す。開放パターンCでは、まず大入賞口13が0.2秒開放し、これを9回繰り返し、更に大入賞口13が最長で28秒開放し、これを8回繰り返す。小当りの場合は、大入賞口13を0.2秒間、9回開放させるという動作をする。この動作は、開放パターンBとみかけ上は区別がつかない。 また、開放パターンCの最初の0.2秒間の開放を9回行なうという動作ともみかけ上は区別がつかない。 なお、開放パターンCは、最初の0.2秒間の開放を9回行なう動作を1ラウンドと設定されており、これに引き続き行なわれる最長28秒間の開放は、1回の開放が1ラウンドとされている。 この結果、第2実施例のパチンコ機50では、開放パターンが異なる3種類の大当りが存在するが、いずれも9ラウンドとなっている。これにより、ラウンド数を遊技者に報知する必要がない仕様となっている
。
【0083】
図25に戻る。大当り図柄決定用乱数が開放パターンAに対応するものであれば(S1205:yes)、先読み図柄指定コマンドAをサブ統合制御装置83に送信し(S1210)、本処理を終了(リターン)する。大当り図柄決定用乱数が開放パターンAに対応するものでなければ(S1205:no)、大当り図柄決定用乱数が、開放パターンBに対応するものであるか否かを判定する(S1215)。大当り図柄決定用乱数が開放パターンBに対応するものであれば(S1215:yes)、先読み図柄指定コマンドBをサブ統合制御装置83に送信し(S1220)、本処理を終了する。大当り図柄決定用乱数が開放パターンBに対応するものでもなければ(S1215:no)、先読み図柄指定コマンドCをサブ統合制御装置83に送信し(S1225)、本処理を終了する。当否判定用乱数が大当りに対応するものでなければ(S1200:no)、当否判定用乱数が、小当りに対応するものであるか否かを判定する(S1230)。当否判定用乱数が、小当りに対応するものであれば(S1230:yes)、先読み図柄指定コマンドDをサブ統合制御装置83に送信し(S1235)、本処理を終了する。当否判定用乱数が、小当りに対応するものでなければ(S1230:no)、先読み図柄指定コマンドEをサブ統合制御装置83に送信し(S1240)、本処理を終了する。
【0084】
サブ統合制御装置83のCPUが実行する先読み演出決定処理を
図27に示す。本処理は第1実施例の
図20に示したフローチャートに対応するものである。本処理も先読み図柄指定コマンドを主制御装置80から受信すると起動(S1300:yes)し、現在が時短中か否かを判定する(S1305)。時短中であれば(S1305:yes)、S1310にて時短時先読み演出実行抽選処理(S1310)を行ない、本処理を終了(リターン)する。時短中でなければ(S1305:yes)、S1315にて通常時先読み演出実行抽選処理(S1310)を行ない、本処理を終了(リターン)する。
図20に示した処理との違いは、パチンコ機50が時短中か否かに応じて、先読み演出の抽選を切り替える点である。その抽選の振り分けを
図28に示す。
【0085】
まずS1315の通常時の先読み演出の発生の振り分けは
図28(a)のようになっている。
図25の先読み判定処理のS1210にて先読み図柄指定コマンドAが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、20%の確率で先読み演出Bを行い、80%の確率で先読み演出を行わない。同様にして、S1220にて先読み図柄指定コマンドBが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、35%の確率で先読み演出Aを行い、65%の確率で先読み演出を行わない。S1225にて先読み図柄指定コマンドCが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、40%の確率で先読み演出Aを行い、60%の確率で先読み演出を行わない。S1235にて先読み図柄指定コマンドDが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、50%の確率で先読み演出Aを行い、50%の確率で先読み演出を行わない。S1240にて先読み図柄指定コマンドEが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、1%の確率で先読み演出Aを行い、1%の確率で先読み演出Bを行い、98%の確率で先読み演出を行わない。
【0086】
S1310の時短時の先読み演出の発生の振り分けは
図28(b)のようになっている。S1210にて先読み図柄指定コマンドAが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、20%の確率で先読み演出Bを行い、80%の確率で先読み演出を行わない。S1220にて先読み図柄指定コマンドBが送信された場合、およびS1235にて先読み図柄指定コマンドDが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、先読み演出を行わない。S1225にて先読み図柄指定コマンドCが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、40%の確率で先読み演出Aを行い、60%の確率で先読み演出を行わない。S1240にて先読み図柄指定コマンドEが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、1%の確率で先読み演出Aを行い、1%の確率で先読み演出Bを行い、98%の確率で先読み演出を行わない。
【0087】
以上のように構成された第2実施例のパチンコ機50によれば、ラウンド数が全ての大当りで同じとなっているため、状態報知装置によりラウンド数が遊技者に報知されず、遊技者は大入賞口13が0.2秒、9回開放された場合に、9ラウンド大当りか小当りかが分かりにくい。また、大入賞口13が0.2秒、9回開放された後に、大入賞口13が28秒間、8回開放される(つまり開放パターンCである)可能性もある。従って遊技者は、通常状態において先読み演出Aが行なわれた場合には、開放パターンCの大当りになることを強く望む。このように第2実施例のパチンコ機50では、「大入賞口13が0.2秒間、9回開放するだけで終わらない開放パターンCに発展してくれ」という新たな遊技興趣を、先読み演出により創出することができる。
【0088】
また、パチンコ機50で、時短中に先読み演出Aが行なわれた場合には、通常状態とは異なり、開放パターンCかもしくはハズレが確定し、開放パターンBや小当りにはならない。これにより、比較的有利な遊技状態である時短中は、出球がほぼ得られない2ラウンド確変または小当りに対する演出をカットして、出球を得られるかに集中させることができる。
【0089】
[第3実施例]
第3実施例について
図29〜38を用いて説明する。なお、本実施例も第1実施例と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図29は、第3実施例のパチンコ機50の遊技盤を示すもので、第1実施例のパチンコ機50との違いは、右入賞口34の右上にも大入賞口を備えている点である。この第2大入賞口14は普通電動役物型をしている。このように第1大入賞口13及び第2大入賞口14を備えていることに合わせて、電気的構成も
図30に示すように、第1大入賞口ソレノイド13b及び第2大入賞口ソレノイド14bが、遊技盤中継端子板74を介して主制御装置80に接続された構成となっている。
【0090】
先読み判定処理(S115)の概要を
図31に示す。まずS110にて記憶した当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する(S1400)。当否判定用乱数が大当りに対応するものであれば(S1400:yes)、大当り時先読み図柄指定コマンドを選択して(S1405)、本処理を終了(リターン)する。当否判定用乱数が大当りに対応するものでなければ(S1400:no)、当否判定用乱数が、小当りに対応するものであるか否かを判定する(S1410)。当否判定用乱数が小当りに対応するものであれば(S1410:yes)、先読み図柄指定コマンドEをサブ統合制御装置83に送信し(S1415)、本処理を終了する。当否判定用乱数が、小当りに対応するものでなければ(S1410:no)、先読み図柄指定コマンドFをサブ統合制御装置83に送信し(S1420)、本処理を終了する。
【0091】
S1405の処理の詳細を
図32に示す。本処理ではまずS1500にて、大当り図柄決定用乱数(本図では単に「大当り」と記載。以下、これに倣う)が、開放パターンAに対応するものであるか否かを判定する。大当りが開放パターンAに対応するものであれば(S1500:yes)、先読み図柄指定コマンドAをサブ統合制御装置83に送信し(S1505)、本処理を終了(リターン)する。大当りが開放パターンAに対応するものでなければ(S1500:no)、大当りが開放パターンBに対応するものであるか否かを判定する(S1510)。大当りが開放パターンBに対応するものであれば(S1510:yes)、先読み図柄指定コマンドBをサブ統合制御装置83に送信し(S1515)、本処理を終了する。大当りが開放パターンBに対応するものでなければ(S1510:no)、大当りが開放パターンC,D,Eのいずれかに対応するものであるか否かを判定する(S1520)。大当りが開放パターンC,D,Eのいずれかに対応するものであれば(S1520:yes)、先読み図柄指定コマンドCをサブ統合制御装置83に送信し(S1525)、本処理を終了する。大当りが開放パターンC,D,Eのいずれかにも対応しないものであれば(S1520:no)、先読み図柄指定コマンドDをサブ統合制御装置83に送信し(S1530)、本処理を終了する。
【0092】
第3実施例のパチンコ機50における開放パターンA〜Fは、
図34のように設定されている。まず開放パターンAは、第1大入賞口13が最長で28秒開放し、これを9回繰り返す。そして開放パターンBは、第1大入賞口13が最長で1.8秒開放し、これを9回繰り返す。開放パターンCは、第2大入賞口14が最長で0.8秒間、3回開放するのを1ラウンドとし、これを9回繰り返す。開放パターンDは、第2大入賞口14が最長で0.8秒間、2回開放するのを1ラウンドとし、これを9回繰り返す。開放パターンEは、第2大入賞口14が最長で0.8秒開放するのを1ラウンドとし、これを9回繰り返す。開放パターンFは、第2大入賞口14が最長で0.2秒間、9回開放するのを1ラウンドとし、この後に、第2大入賞口13が最長で28秒開放する。この28秒の開放は1回が1ラウンドであり、これを8回繰り返す。開放パターンGは、第2大入賞口14が最長で0.2秒開放するのを1ラウンドとし、これを9回繰り返す。小当りの場合は、第2大入賞口14を0.2秒間、9回開放させるという動作をする。この動作は、開放パターンGの、0.2秒1回開放するという動作を9回連続作動させるという動作と、みかけ上は区別がつかないように設定されている。第3実施例のパチンコ機50では、開放パターンが異なる7種類の大当りが存在するが、いずれも9ラウンドとなっている。例えば開放パターンCは3回の開放を9回繰り返すので見かけ上は第2大入賞口14が27回開放されるが、3回の開放を1ラウンドとしているので、9ラウンドである。また、開放パターンCは0.2秒の開放が9回行なわれた後、28秒の開放が8回行なわれるので、見かけ上は第2大入賞口14が17回開放されるが、0.2秒の開放は9回で1ラウンドとしているので、1+8=9となり、やはり9ラウンドである。これにより、ラウンド数を遊技者に報知する必要がない仕様となっている。
【0093】
第3実施例の先読み演出決定処理は、
図33に示すようなもので、第2実施例の先読み演出決定処理と外観は同じであるが、振り分けの内容が異なっている。S1615で行なわれる先読み演出の振り分けを
図34(b)に示す。
図32の大当り時先読み図柄指定コマンド選択処理のS1505にて先読み図柄指定コマンドAが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、20%の確率で先読み演出Aを行い、20%の確率で先読み演出Bを行い、60%の確率で先読み演出を行わない。同様にして、S1515にて先読み図柄指定コマンドBが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、20%の確率で先読み演出Aを行い、80%の確率で先読み演出を行わない。S1525にて先読み図柄指定コマンドCが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、20%の確率で先読み演出Bを行い、10%の確率で先読み演出Cを行い、10%の確率で先読み演出Dを行い、60%の確率で先読み演出を行わない。S1530にて先読み図柄指定コマンドDが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、10%の確率で先読み演出Bを行い、90%の確率で先読み演出を行わない。
図31の先読み判定処理のS1415にて先読み図柄指定コマンドEが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、50%の確率で先読み演出Bを行い、50%の確率で先読み演出を行わない。S1420にて先読み図柄指定コマンドFが送信された場合は、サブ統合制御装置83は、1%の確率で先読み演出Aを行い、1%の確率で先読み演出Bを行い、1%の確率で先読み演出Cを行い、1%の確率で先読み演出Dを行い、96%の確率で先読み演出を行わない。
なお、S1610の時短時の先読み演出の振り分けについては図示しないが、先読み図柄指定コマンドAを受信したときには20%の確率で先読み演出Aを行い、80%の確率で先読み演出を行なわないようにされており、先読み図柄指定コマンドB〜Eを受信したときには先読み演出を全く行なわず、先読み図柄指定コマンドFを受信したときには1%の確率で先読み演出Aを行い、99%の確率で先読み演出を行なわないようにされている。
【0094】
画面6aに先読み演出が行なわれた様子を
図35に示す。先読み演出Aは
図35(a)に符号97で示すようなもので、特別図柄の通常の保留表示である○印が犬のキャラクタに変わる。前述したように、先読み演出Aが行なわれるのは先読み図柄指定コマンドA、B、Fのいずれかをサブ統合制御装置83が受信したとき(正確には更に先読み演出実行抽選処理により「先読み演出を行なう」と判定されたとき)であり、これらはそれぞれ開放パターンAの大当り、開放パターンBの大当り、又ははずれの場合に受信される。はずれの場合を除き、これらはいずれも第1大入賞口13を用いた大当りが行なわれる場合である。
先読み演出Bは
図35(b)に符号98で示すようなもので、特別図柄の通常の保留表示である○印が
図35(a)とは異なる犬のキャラクタに変わる。前述したように、先読み演出Bが行なわれるのは、先読み図柄指定コマンドC,D,E,Fのいずれかをサブ統合制御装置83が受信したとき(正確には更に先読み演出実行抽選処理により「先読み演出を行なう」と判定されたとき)であり、これらは開放パターンC〜Gの大当り、小当り、又ははずれの場合に受信される。はずれの場合を除き、これらはいずれも第2大入賞口14を用いた大当りまたは小当りが行なわれる場合である。
【0095】
先読み演出Cは
図36(a)に符号96で示すようなもので、図柄の変動開始時に犬のキャラクタ96が画面に大きく表示される(カットイン表示)。前述したように、先読み演出Cが行なわれるのは先読み図柄指定コマンドA、C、またはFをサブ統合制御装置83が受信したとき(正確には更に先読み演出実行抽選処理により「先読み演出を行なう」と判定されたとき)であり、これらは開放パターンA、C,D,Eの大当り、はずれのいずれかの場合に受信されるものである。これらは、はずれの場合を除き、ある程度の出玉が期待できるものである。すなわち開放パターンAならば第1大入賞口13が最大28秒間、9回開放するし、開放パターンC、D,Eであっても、第2大入賞口14が最大0.8秒間、それぞれ27回、18回、9回開放するので、これらの入賞口に入球させるのは、それほど難しいことではない。犬のキャラクタ96はその後、
図36(b)のように図柄94が変動したり停止したりする間中、画面6aの右上に表示され、大当りが確定した場合には、
図36(c)のように犬のキャラクタ96が笑って大当りが発生する旨を遊技者に告知する。
【0096】
先読み演出Dは
図37(a)に符号96で示すようなもので、
図36(a)に似ているが、犬のキャラクタ96の頭上に毛が生え、口の周りにヒゲが生えている点が異なる。前述したように、先読み演出Dが行なわれるのは先読み図柄指定コマンドC、またはFをサブ統合制御装置83が受信したとき(正確には更に先読み演出実行抽選処理により「先読み演出を行なう」と判定されたとき)であり、これらは開放パターンC,D,Eの大当り、はずれのいずれかの場合に受信されるものである。これらは、はずれの場合を除き、第2大入賞口14が27回、18回、9回のいずれかの回数開放されるものである。これらの回数の内の何れであるかは遊技者には判別できないため、最大の27回まで開放が継続されることを遊技者は期待する。先読み演出Dはこのように3段階の開放回数を有する大当りを期待することができるものである。犬のキャラクタ96はその後、
図37(b)のように図柄94が変動したり停止したりする間中、画面6aの右上に表示され、大当りが確定した場合には、
図37(c)のように犬のキャラクタ96が笑って大当りが発生する旨を遊技者に告知する。
【0097】
以上のように構成された第3実施例のパチンコ機50によれば、第2実施例のパチンコ機50と同様、ラウンド数が全ての大当りで同じとなっているため、ラウンド数が遊技者に報知されず、遊技者は大入賞口13が0.2秒、9回開放された場合に、開放パターンGの大当りか小当りかが分かりにくい。
また、犬のキャラクタ97(先読み演出A)が保留表示されると、遊技者は「第1大入賞口13が開閉される大当りになるかもしれない」と判断することができる。犬のキャラクタ98(先読み演出B)が保留表示されると、遊技者は「第2大入賞口14が開閉される大当りになるかもしれない」と判断することができる。また、
図36(a)のように犬のキャラクタ96(先読み演出C)が画面6aに表示されると、遊技者は「犬がカットイン表示されたから、ある程度の出球が期待できる」と判断することができる。そして
図37(a)の犬のキャラクタ96(先読み演出D)が画面6aに表示されると、遊技者は「第2大入賞口14の開放回数が段階的に増えていくかもしれない」と期待することができる。このように先読み演出の違いにより、様々な期待を遊技者に抱かせることができる。
【0098】
[他の実施例]
前記実施例のパチンコ機50では、いずれも小当りを有する構成であったが、小当りのないパチンコ機に適用しても構わない。大当りの開放パターンが複数存在する仕様であれば、本発明は適用可能である。また、小当りの開放パターンが複数ある機種に適用しても構わない。
前記先読み演出は、カットイン予告および保留予告であったが、これらに代えて(またはこれらに加えて)連続予告を行なう構成としてもよい。また、パチンコ機を可動物を備える構成として、この可動物を動かしたり、スピーカ66から音を出したりすることにより先読み演出を行なう構成としてもよい。
【0099】
前記実施例のパチンコ機50では、いずれも主制御装置80で先読み判定処理を行なうものであったが、これをサブ統合制御装置83で行なうようにしてもよい。より具体的には、主制御装置80は乱数に基づく当否の判定結果とそれに対応する開放パターンの先読み結果をサブ統合制御装置83に送信し、これらを受信したサブ統合制御装置83のCPUが、受信した当否判定結果と開放パターンとから先読み演出を行なうか否か(先読み演出が複数ある場合は何れの先読み演出を行なうのか、或いは全く行なわないのか)を判定する。このようにすると、主制御装置80において、先読み演出を行なうか否かを判定する必要がなくなるので、主制御装置80の処理負担を軽減することができる。また、サブ統合制御装置83の処理負担が大きい状況で、主制御装置80から当否の判定結果や開放パターンが送信されてきた場合は、先読み演出を割愛するといったことも可能となる。