【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1の硬貨払出装置の縦断面図である。
図2は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における保留ボウルを取り除いた状態の平面図である。
図3は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における平面図(保留ボウル及び回転ディスクの押動体のみ表示し他を非表示)である。
図4は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における弾出装置の説明図である。
図5は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における固定ガイドの斜視図である。
図6は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における作用説明図(正転時出口ガイドによる案内)である。
図7は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における作用説明図(正転時進入途中)である。
図8は、本発明の実施例1の硬貨払出装置における作用説明図(正転時弾出時)である。
【0017】
本実施例1は、日本硬貨の1円硬貨1C、5円硬貨5C、10円硬貨10C、50円硬貨50C、100円硬貨100C、及び、500円硬貨500Cを払い出すことができる硬貨払出装置の例である。換言すれば、小径硬貨SCの直径が1円硬貨1Cの20ミリメートルから最大
径硬貨LCの直径が500円硬貨の26.5ミリメートルの範囲の硬貨を1つずつ払い出すことができる硬貨払出装置の例である。
しかし、本発明は上記金種に限定されるものではなく、外国硬貨や遊技用のメダル等に適用することもできる。
なお、説明の便宜上、特定金種の硬貨を説明する場合以外、総称として、硬貨Cを用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、硬貨払出装置100は、バラ積みされた1円硬貨1C乃至500円硬貨500Cを1つずつ区分けした後、1つずつ弾き出す機能を有し、本実施例1においては、概略、フレーム102、ベース104、保留ボウル106、回転ディスク108、硬貨案内壁110、規制ピン112、出口ガイド114、弾出装置116を構成する固定側装置118並びに弾出ローラ120、硬貨検出装置122、及び、硬貨出口124を備えている。なお、フレーム102、ベース104、保留ボウル106、回転ディスク108、硬貨案内壁110、規制ピン112、弾出装置116の一部を構成する弾出ローラ120、硬貨検出装置122、及び、硬貨出口124は従来公知の構造であり、本願発明は固定側装置118の構造に関する。
【0019】
まずフレーム102を主に
図1を参照して説明する。
フレーム102は、ベース104、保留ボウル106等の機能部品が取り付けられる機能を有し、本実施例1では板金製であって内部が中空の矩形箱形をしている。
フレーム102の上面開口は矩形板状のベース104によって覆われている。
ベース104の裏面には減速機付きであって、正逆転可能な電気モータ123が固定され、その出力軸125はベース104に形成された円形
の通孔136を通ってベース104の上方へ突出している。電気モータ123は、コインジャムが発生した場合、所定時間かつ所定回数逆転され、コインジャムの自動解除に資する。
ベース104は、本実施例1では水平に配置されるが、傾斜配置することもできる。
【0020】
次にベース104を主に
図1を参照して説明する。
ベース104は、その上面を硬貨Cが回転ディスク108によって押動移動される機能を有し、ステンレス製や耐摩耗性樹脂製の平板であって、その上面は、所定の平面度に形成されている。
また、ベース104の上面には硬貨案内壁110を形成する所定の厚みを有する周面案内板126が密着固定される。
したがって、ベース104は同様の機能を有する他の機構に置き換えることがきる。
【0021】
次に保留ボウル106を主に
図1を参照して説明する。
保留ボウル106は、多数の硬貨Cをバラ積み状態で保留する機能を有し、本実施例1においては、樹脂製の概略縦向き筒形であって、筒内が垂立方向に延在する硬貨保留部128に構成されている。硬貨保留部128は、上部106Aの水平断面が矩形に、下部106Uの水平断面が円形の底孔130に形成され、上部106Aと下部106Uとの間の中間部106Mは硬貨Cが滑落可能な傾斜壁に形成されている。
保留ボウル106の下端部には鍔状に横方向に突出する取付部132が形成され、この取付部132を利用して保留ボウル106はベース104、詳しくは周面案内板126に固定されている。
したがって、保留ボウル106は同様の機能を有する他の装置に変更することが出来る。
【0022】
次に回転ディスク108が主に
図1及び2を参照して説明される。
回転ディスク108は、所定の速度で回転され、保留ボウル106内の硬貨Cを攪拌すると共に、偏心位置に形成された通孔136に落下した硬貨Cを押動して連れ回りさせ、さらに、コインジャムが生じた場合、逆転してコインジャムを解消する機能を有する。
本実施例1において回転ディスク108は、保留ボウル106の底孔130内に配置され、ベース104の裏面側に固定された直流電気モータ123によって、硬貨Cの払出時は
図2における反時計方向に所定の速度で正回転され、コインジャムが生じた場合は逆方向の時計方向に所定の速度で逆回転される。
回転ディスク108は、中央に多角錘形の攪拌部134を有し、底孔130において回転することにより硬貨Cを攪拌し、通孔136に硬貨Cが落下するのを助ける。
回転ディスク108は、通孔136の間のリブ138のそれぞれの裏面に押動体140を有する。
押動体140は、ベース104の上面に密着固定された所定の厚みを有する周面案内板126の円形の収納穴142内において回転移動し、
図2に図示するように、その押動前面144は、回転ディスク108の回転軸線RA側から周縁側に向かって回転方向後位側へ後退するように湾曲形状をしている。詳述すれば、押動体140は回転軸線RA側に近い第1押動体140A、及び、周縁側に近い第2押動体140Bによって構成され、後述の第1規制ピン112A、及び、第2規制ピン112Bが通過できるように第1押動体140Aの回転軸線RA側には弧状の第1逃溝146A、第1押動体140Aと第2押動体140Bとの間には第2逃溝146Bが形成されている。第1押動体140Aの前面が第1押動前面144A、第2押動体140Bの前面が第2押動前面144Bである。
したがって、通孔136内に落下した硬貨Cは、ベース104に面接触して支えられ、かつ、収納穴142の硬貨案内壁110によって案内されつつ回転ディスク108の回転によって第1押動体140Aによって押されて、移動通路MPを回転ディスク108によって連れ回りされる。硬貨案内壁110の一部はおおよそ小径硬貨SCの直径の2倍の長さで切り欠かれ、出口開口148を構成している。硬貨Cが出口開口148に達した際、第2押動体140Bに押動を受け渡して出口ガイド114、及び、弾出ローラ120に案内させつつ押動して弾出装置116へ移動させる。
一方、硬貨案内壁110によって案内されずに回転ディスク108によって連れ回り移動される硬貨Cは、ベース104から突出し、硬貨Cの移動通路MPに位置する後述の規制ピン112(第1規制ピン112A、及び、第2規制ピン112B)によって強制的に回転ディスク108の周方向、換言すれば、
図2において上方へ案内される。
コインジャムが発生した場合、回転ディスク108が逆転される。この逆転によって第2押動体140Bの裏面150の裏面先端150Eは、硬貨Cの周面を押動して正転時とは逆方向へ移動させる。
【0023】
次に硬貨案内壁110を主に
図1乃至
図3を参照して説明する。
硬貨案内壁110は、回転ディスク108によって連れ回りされる硬貨Cの周面を案内する機能を有し、本実施例1においてはベース104とほぼ同一の矩形に形成され、所定の厚み、具体的には取り扱い対象の硬貨Cの中で最も厚い硬貨Cの厚みよりも僅かに大きい厚みを有する周面案内板126に形成されたほぼ円形の収納穴142の内壁面であり、その一部が切除され、出口開口148が形成されている。換言すれば、硬貨案内壁110はC字形をし、出口開口148は、本実施例1においては最大径硬貨たる500円硬貨500Cの直径の1.5倍程度に形成される。詳述すれば、出口開口148は硬貨案内壁110の上流側端部110Eと、下流側端部110Lとによって形成されるスリット状の開口である。
周面案内板126はベース104の上面に密着固定され、周面案内板126の上面には保留ボウル106の取付部132の下面が着脱可能に密着固定される。この状態において、回転軸線RAと、底孔130及び収納穴142の軸心とが一致するように配置される。換言すれば、回転ディスク108、底孔130、及び、収納穴142の垂立する軸線は同一である。また、回転ディスク108の直径は、収納穴142の直径よりも僅かに大径に形成され、収納穴142を回転ディスク108によって上側から蓋をするように構成してある。さらに。押動体140の回転ディスク108の周縁側先端は、収納穴142内で回転するように、収納穴142よりも僅かに小径に形成されている。
通孔136に落下した硬貨Cは、前述のように下面がベース104に支持された状態において押動体140によって押動されつつ周面を硬貨案内壁110に案内されて移動通路MPを移動される。換言すれば、移動通路MPは大凡円形リング状である。
したがって、周面案内板126は、硬貨Cが硬貨案内壁110に案内されて移動通路MPを移動するように案内する機能を有していればよい。
なお、ベース104と周面案内板126とは一体に形成することもできる。
【0024】
次に規制ピン112を主に
図3を参照して説明する。
規制ピン112は、回転ディスク108によって連れ回りされる硬貨Cを、回転ディスク108の周方向、換言すれば、出口開口148側へ案内する機能、及び、回転ディスク108が逆転される場合、押動体140の裏面150によって押される硬貨Cによって下方へ押し下げられて硬貨Cの移動通路MPにおける逆方向への移動を許す機能を有し、本実施例1においては、ベース104の上面から弾性的に突出する第1規制ピン112A及び第2規制ピン112Bによって構成されている。しかし、規制ピン112は硬貨Cが遠心力によって自ら出口開口148側へ向かう場合は必ずしも必要ではなく、適宜設置
することができる。本実施例1においては、念のため規制ピン112を配置している。
第1規制ピン112A及び第2規制ピン112Bは、ベース104の裏面に一端を固定された板バネ(図示せず)の他端に立設固定された円柱体であり、当該円柱体の頭部はベース104に形成された透孔からベース104上に突出するが、回転ディスク108の裏面に突き当たらない程度に突出し、その頭部には移動通路MPを逆方向に押動される硬貨Cによって、ベース104内に押し込まれる分力が作用するように斜めの傾斜面152(第1傾斜面152A、第2傾斜面152B)が形成されている。この頭部の形状は、例えば、実用新案登録第2594435号に開示の発明が採用される。
本実施例1においては、第1傾斜面152Aの回転ディスク108の周方向への第1延長線EA、及び、第2傾斜面152Bの回転ディスク108の中心側への第2延長線EBが鈍角Zで交差するように形成されている。硬貨C(本実施例1においては1円硬貨1C)が回転ディスク108の逆転時に押動体140の裏面150によって逆方向につれ回りされ、第2傾斜面152Bに当接した場合、1円硬貨1Cに対し
回転軸線RA側へ移動する分力が作用し、結果として、1円硬貨1Cは第1傾斜面152Aと第2傾斜面152Bとに接した後、それらが形成されている第1規制ピン112A及び第2規制ピン112Bを乗り越えることにより、回転ディスク108の連続逆転がなされる。そして、当該鈍角Zの二等分線BISが、
回転軸線RAを通る直線FLと直角に交差する場合において、1円硬貨1Cの中心1CCが当該交差部の近傍の二等分線BIS上に位置するように設定されている(他の金種でも同じ)。このように形成することにより、硬貨Cが第1傾斜面152A又は第2傾斜面152Bに接する場合であっても、当接した第1傾斜面152A又は第2傾斜面152Bから作用する分力によって第1傾斜面152A及び第2傾斜面152Bの両方に大凡均等に接触することになり、硬貨Cの周面の一部に大きな力が作用しないことから、硬貨Cに圧痕をつけない利点がある。
したがって、回転ディスク108の正転時に硬貨Cが押動体140によって押動されて第1規制ピン112A及び第2規制ピン112Bに衝突した場合、硬貨Cは押動体140によって押されつつ第1規制ピン112A及び第2規制ピン112Bに案内されて出口開口148へ向けて案内される。回転ディスク108が逆転される場合、押動体140の裏面150によって押動される硬貨Cは、第1規制ピン112A及び第2規制ピン112
Bの頭部の第1傾斜面152A、及び、第2傾斜面152Bを乗り上げてこれら第1規制ピン112A、及び、第2規制ピン112B上を乗り越えるので、硬貨Cは押動体140の裏面150によって押動され続けて移動
通路MPを正転方向と逆方向に連れ回りされる。
【0025】
次に出口通路153を主に
図3を参照して説明する。
出口通路153は、出口開口148から移動してくる硬貨Cが後述の硬貨出口124へ移動し得る通路であり、出口開口148の下流に連続して形成されている。したがって、出口通路153は三方を囲われたチャンネル状、又は、四方を囲われた矩形状に形成する必要はなく、少なくとも硬貨Cの下面を案内すれば良く、本実施例1においてはベース104の上面、及び、側壁の一部を固定側装置118の固定ガイド16
3によって画定されている。
したがって、出口開口148から移動してきた硬貨Cは出口通路153を通って後述の硬貨出口124から放出される。
【0026】
次に出口ガイド114を主に
図2を参照して説明する。
出口ガイド114は、回転ディスク108の正転時に硬貨Cを弾出装置116へ向かうように案内し、回転ディスク108の逆転時には硬貨Cを案内して収納穴142内に戻す機能を有し、出口開口148の上流側端部110E側の側方に位置する扇形の出口ガイド板154によって構成されている。出口ガイド板154は、本実施例1においては扇形のプレートであり、一端部をベース104から立設する固定軸156に回動自在に取り付けられ、固定軸156を中心に弧状に形成された長穴158にスクリュウ160を貫通させてベース104にねじ込むことで固定してある。
図6に示すように回転ディスク108が正転する場合、1円硬貨1Cは第2押動体140Bによって出口ガイド板154及び弾出ローラ120に押し付けられ、第2押動体140Bから硬貨中心1CCに向かう押力F1及び弾出ローラ120から硬貨中心1CCに向かう反力F2による合力F3によって弾出ローラ120に案内されつつ後述の固定側装置118に向かって押動され、固定側装置118と弾出ローラ120との間に押し込まれ(
図7)、最終的に固定ガイド16
3と弾出ローラ120によって挟まれて弾き出される。
回転ディスク108が逆転する場合、1円硬貨1Cは出口ガイド板154によって案内されて収納穴142内に戻され、回転ディスク108が連続的に逆転することができ、コインジャムを効果的に解消することができる。
【0027】
次に弾出装置116を主に
図2及び
図4を参照して説明する。
弾出装置116は、押動体140の第2押動前面144Bによって回転ディスク108の周方向に押動された硬貨Cを弾性体の弾発力によって弾き出す機能を有し、本実施例1においては固定側装置118と弾出ローラ120によって構成されている。
【0028】
まず固定側装置118を説明する。
固定側装置118は、押動体140によって押動されて出口開口148へ押し出された硬貨Cを受け止め、回転ディスク108の周方向へ案内する機能、換言すれば、出口通路153の一側を画定する機能、及び、弾出ローラ120と共に硬貨Cを挟んで弾き出す機能を有し、本実施例1においては固定ローラ161たる第1固定ローラ162、及び、固定ガイド163たる第1固定ガイド164によって構成されている。
第1固定ローラ162は完全に固定ではなく、後述のように無理な力が加わった場合には僅かに移動して当該無理な力を緩衝できるように設定されることが好ましい。装置の耐久性向上のためである。
本実施例1において第1固定ローラ162は、ベース104の裏面側に下向きに突出された第2支軸166に回転自在に指示された第1レバー168から上向きに突出し、ベース104に形成された透孔(図示せず)を貫通してベース104の上面側に位置する第3支軸170の先端に回転自在に支持されたボールベアリング172であり、詳述すれば、ボールベアリング172のインナーレースを第3支軸170に固定し、アウターレースをローラとして利用したものである。第1レバー168は、弾性体、本実施例1では第1スプリング174の弾発力によって、
図2及び
図4において時計方向に付勢され、
図2の位置、すなわち収納穴142の下流側端部110Lに隣接した位置において、第1ストッパ176によって第1レバー168の回動が係止されて、静止状態に保たれる。
この静止位置において、ボールベアリング172の周面は、収納穴142の内面の一部をなすよう、その内側周面は、収納穴142の仮想円上に配置される。
第1スプリング174は、通常において硬貨Cが衝突した際には移動されないが、通常以上の大きな力が作用した場合、僅かに逃げ移動するようその弾発力が設定される。僅かな逃げ移動であっても、硬貨Cによる過負荷を緩衝し得、装置の耐久性の向上に資するからである。
【0029】
次に第1固定ガイド164を主に
図5を参照して説明する。
第1固定ガイド164は、第1固定ローラ162に案内された硬貨Cを所定の方向に案内する機能、及び、弾出ローラ120との間で硬貨Cを挟んで最終的に弾き出す機能を有し、本実施例1では出口通路153の一部を画定するため、第1直線部178が形成されている。
第1直線部178は、
図2に示す回転軸線RAを通る垂線VLに対し、その延長線ELが約30度の鋭角Aをなすように形成されると共に、当該延長線ELが第1固定ローラ162の周面に対し近接している。さらに、第1固定ローラ162の周面は硬貨案内壁110の下流側端部110Lにおいて硬貨案内壁110に対する接線CLに対し近接し、延長線ELに対し90度に近い鋭角Bをなすように配置されている。
第1直線部178の回転ディスク108側の先端164Tは、第1固定ローラ162の第2軸線RBと
待機位置SPに位置する弾出ローラ120の第3軸線RCとを結ぶ第1直線AL上又はその近傍に位置するよう配置されている。
したがって、第1固定ガイド164の回転ディスク108側の先端164Tは、第1直線部178と第1固定ローラ162を回避するための弧状部165によってナイフの刃先状に形成されている。
本実施例1における第1固定ガイド164は、ベース104、及び、周面案内板126と別体に構成されているが、これらの一方又は両方と一体に構成することができる。
【0030】
次に弾出ローラ120を主に
図4を参照して説明する。
弾出ローラ120は、出口通路153に押動され、第1固定ガイド164に接触している硬貨Cを弾き出す機能を有し、本実施例1においてはベース104の裏面から下向きに突出する第4支軸179に一部を回転自在に支持された第2レバー182の端部から上向きに固定され、第4支軸179を中心に弧状にベース104に形成された弧状長孔180を貫通してベース104の上側に突出する第5支軸181の上端部に回転自在に取り付けられたローラであり、本実施例1ではボールベアリング183である。ボールベアリング183もボールベアリング172と同様にアウターレースがローラとして利用される。
したがって、弾出ローラ120は同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
第2レバー182は、その一部に形成された第1係止部186とベース104から下向きに突出する第2係止部188とに端部を係止された第2スプリング190によって、固定側装置118側に近づくように弾性的に付勢され、ベース104の裏面から下向きに突出する第2ストッパ192によって、第1固定ガイド164の先端164Tと弾出ローラ120との直線距離Lが、想定される払出硬貨の最小直径よりも僅かに小になる位置において静止するよう係止される。詳述すれば、第1固定ガイド164の先端164Tと弾出ローラ120との間の直線距離Lは、1円硬貨1Cの直径よりも僅かに小さく設定され、先端164Tと弾出ローラ120との間に進入間隙194が形成される。
したがって、
図8に示すように、押動体140によって押動された1円硬貨1Cの中心1CCが、第1固定ガイド164の先端164Tと1円硬貨1Cとの第1接点PAと、弾出ローラ120と1円硬貨1Cの周面との第2接点PBとを結んだ弾出境界線DDLを越えた直後に、弾出ローラ120は第2スプリング190の弾発力によって弾き出される。この弾出方向は、弾出ローラ120による押力F11と第1固定ガイド164からの反力F12との合力F13のベクトルの方向である。
【0031】
詳細には、回転ディスク108の正転によって第2押動体140Bによって押動され、1円硬貨1Cは出口ガイド板154に案内される共に、弾出ローラ120に案内されて進入間隙194へ向かって移動される(
図6)。さらに回転ディスク108が正転すると、硬貨Cは第2押動体140Bの押力によって進入間隙194へ押し込まれ(
図7)、弾出ローラ120は第2スプリング190の弾発力に抗して第1固定ローラ162から離れる方向へ移動され、この過程において1円硬貨1Cの接触は第1固定ローラ162から第1固定ガイド164の先端164Tへ移動する。詳述すれば、進入間隙194が広げられ、第1接点PAが第1固定ガイド164の先端164Tとの接点において形成され、その第1接点PAと第2接点PBとを結ぶ弾出境界線DDLを1円硬貨1Cの硬貨中心1CCが通過した直後に第2スプリング190による弾発力によって1円硬貨1Cが弾き出される(
図8)。弾き出された1円硬貨1Cは出口通路153を通って硬貨出口124から払い出される。この払い出される途中において、硬貨Cは硬貨検出装置122によって検知される。
【0032】
次に硬貨検出装置122を説明する。
硬貨検出装置122は、弾出装置116によって弾き出された硬貨Cを検出する機能を有し、本実施例1では電磁気式の金属センサ196を用いている。したがて、硬貨検出装置122は同様の機能を有する他の装置、例えば、光電センサ、機械式センサ等の他方式に変更することができる。
本実施例1において、硬貨検出装置122は出口通路153の途中に配置されているが、硬貨出口124の下流に配置することもできる。
【0033】
最後に硬貨出口124が
図2を参照して説明される。
硬貨出口124は、硬貨Cがベース104から送り出される機能を有し、特にスリット形通路等に構成する必要は無く、本実施例1では出口通路153の下流端に構成される。換言すれば、出口通路153に相対するベース104の端部が硬貨出口124である。
【0034】
次に、この硬貨払出装置100の作用を
図6乃至
図8をも参照して説明する。
所定範囲の直径の硬貨を部品交換や位置調整をすることなく1つの装置で払い出す場合、最も問題になるのは最小の小径硬貨SCであるので、1円硬貨1Cを例に説明する。
また、1円硬貨1Cが収納穴142の硬貨案内壁110に沿って移動した場合と、硬貨Cが規制ピン112に案内されて払い出される場合では作用が異なるので、それぞれ場合分けして説明する。
【0035】
まず、1円硬貨1Cが硬貨案内壁110に沿って移動した場合を説明する。
保留ボウル106内の硬貨Cは、回転ディスク108の回転によって通孔136内に落下し、その表面又は裏面がベース104に面接触して支えられ、かつ、第1押動体140Aに押動されると共に収納穴142の周壁たる硬貨案内壁110によって案内されつつ出口開口148側へ移動される(
図3)。
出口開口148に達した硬貨Cは、上流側端部110Eに続いて出口ガイド板154に案内された後(
図3)、待機位置SPに位置する弾出ローラ120に接触して第1固定ローラ162側へ案内され(
図6)、進入間隙194に押し込まれる(
図7)。
更なる回転ディスク108の回転によって、1円硬貨1Cは第2押動前面144Bによって進入間隙194へさらに押し込まれるので、第1固定ローラ162の円弧状周面に沿って回転ディスク108の周方向へ移動されることから、弾出ローラ120は
図2において時計方向へ回動され、進入間隙194は更に拡張される。
そして、1円硬貨1Cが更に回転ディスク108の周方向へ移動され、その周面と固定側装置118との接触は、第1固定ローラ162から第1固定ガイド164の先端164Tに移り、第1固定ガイド164の先端164Tと1円硬貨1Cとの第1接点PAと、弾出ローラ120と1円硬貨1Cの周面との第2接点PBとを結ぶ弾出境界線DDLを1円硬貨1Cの中心1CCが通過した直後から弾出ローラ120から弾き出し力を受ける。そして弾出ローラ120は、第2スプリング190の弾発力によって1円硬貨1Cの周面を押して前述しように、1円硬貨1Cが押力F11と反力F12の合力F13のベクトルの方向に弾き出される(
図8)。
弾き出された1円硬貨1Cは、出口通路153を通って硬貨出口124から払い出される。
【0036】
次に1円硬貨1Cが硬貨案内壁110に案内されずに第1規制ピン112A、及び、第2規制ピン112Bによって案内されて進入間隙194に押し込まれた場合を説明する。
この場合、1円硬貨1Cは、出口ガイド板154とは接触せず、進入間隙194に進行した後、前述のように第1固定ローラ162に案内された後、第1固定ガイド164の先端164Tと接触した状態で弾出ローラ120によって弾き出される。
【実施例3】
【0041】
次に本発明の実施例3を
図12乃至
図15を参照して説明する。
図12は、本発明の実施例3の硬貨払出装置の平面図である。
図13は、本発明の実施例3の硬貨払出装置の固定ガイドの斜視図である。
図14は、本発明の実施例3の硬貨払出装置における作用説明図(弾出時)である。
図15は、本発明の実施例3の硬貨払出装置における作用説明図(払出時)である。
実施例3は、実施例2の改良であって、固定ガイド163たる第3固定ガイド206が、第2固定ガイド202に対し第2直線部208及び湾曲部210が付加されたものである。
換言すれば、第3固定ガイド206は、第2固定ローラ200に案内された硬貨Cを所定の方向に案内する機能、及び、弾
出ローラ120との間で硬貨Cを挟んで最終的に弾き出す機能を有し、本実施例3では、第2固定ローラ200側から順に第1直線部204、湾曲部210、及び、第2直線部208が形成されている。
第1直線部204は、実施例2と同一の構成である。
第2直線部208は、
図12において回転軸線RAを通る垂線VLと平行に形成されている。したがって、第2直線部208の
第2延長線EL2は第1直線部204の延長線ELと180度に近い鈍角Cをなすように構成されている。換言すれば、第1直線部204に沿って移動する硬貨Cは、湾曲部210に案内された後、第2直線部208に案内されつつ硬貨出口124から払い出される。
湾曲部210は、第1直線部204と第2直線部208とを滑らかに結ぶ弧状に形成されている。
硬貨Cの最終的な払出方向を決定する第2直線部208は、硬貨Cの払出方向によって適宜決定され、垂線VLと平行でなくともよく、また、曲線であっても良い。
【0042】
実施例3においては、出口ガイド114が実施例1及び2の出口ガイド板154に代えて出口ローラ212が用いられている。
出口ローラ212はベース104から上向きに立設された第6支軸216に回転自在に支持され、硬貨案内壁110の上流側端部110Eと弾
出ローラ120との間の中間であって、出口通路153の側方に配置され、待機位置SPに位置する弾
出ローラ120に接線をなし、かつ、上流側端部110Eとを接続した第2直線L2から所定距離離れて配置されている。詳しくは、第2直線L2と出口ローラ212の円形周面214とは、最短において、出口ローラ212の直径の2分の1の距離離れるように配置されている。この出口ローラ212の位置は、対象とする最小の小径硬貨、本実施例3においては1円硬貨1Cが、逆転する回転ディスク108、したがって、押動体140の裏面先端150Eによって押動され、収納穴142内に戻すことができる位置に配置される。これにより、回転ディスク108を連続的に逆転することができ、コインジャムを効果的に解消することができる。
【0043】
次に実施例3の作用を
図14及び
図15も参照して説明する。
硬貨Cの一部が第2固定ローラ200と第2固定ガイド202に接触し、弾出ローラ120によって弾き出される作用・効果は、実施例2と同一であるため、弾出ローラ120によって弾き出された以降の湾曲部210及び第2直線部208の作用・効果を説明する。
1円硬貨1Cの周面が第1直線部204の
先端204Tと
第2固定ローラ200とに接した状態において、弾
出ローラ120は第2スプリング190の弾発力によって1円硬貨1Cの周面を押して、合力F23のベクトルの方向へ、換言すれば、湾曲部210へ向けて弾き出す(
図14)。
弾き出された1円硬貨1Cは、湾曲部210に案内された後、第2直線部208に案内されて垂線VLと平行な方向へ硬貨出口124から払い出される(
図15)。すなわち、1円硬貨1Cは、最終的に第2直線部208に案内され、垂線VLに沿った方向に払い出される。
全ての硬貨Cは湾曲部210に案内された後、第2直線部208によって案内されるため、垂線VLに沿った同一方向へ払い出される。