特許第5945793号(P5945793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フクハラの特許一覧

<>
  • 特許5945793-圧縮空気用フィルタ装置 図000002
  • 特許5945793-圧縮空気用フィルタ装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5945793
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】圧縮空気用フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/24 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
   B01D46/24 Z
   B01D46/24 A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-26648(P2016-26648)
(22)【出願日】2016年2月16日
【審査請求日】2016年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154521
【氏名又は名称】株式会社フクハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】福原 廣
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−083469(JP,A)
【文献】 特開2004−084688(JP,A)
【文献】 特開2001−170429(JP,A)
【文献】 特開平05−317630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00
B01D 46/24
B01D 45/00−45/04
B01D 29/11
B01D 29/50
F04B 39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向の上下側空間をそれぞれ上ボウル及び下ボウルで覆われているボディと、
該ボディが鉛直方向に分割されて形成されている上ボディ、中ボディ、及び下ボディと、
前記中ボディの側面に水平方向を向いて形成されている第1の開口部及び第2の開口部と、
前記第1の開口部及び第2の開口部とそれぞれ連通して前記中ボディの上面及び下面の中心部以外の周縁部に形成された上開口部及び下開口部と、
前記上ボディの下面にて前記上開口部と連通する位置に形成されている上ボディ下側開口部と、
該上ボディ下側開口部と連通して前記上ボディの上面中央部分に形成された上ボディ上側開口部と、
前記下ボディの上面にて前記下開口部と連通する位置に形成されている下ボディ上側開口部と、
該下ボディ上側開口部と連通して前記下ボディの上面中央部分に形成された下ボディ下側開口部と、
前記上ボウル及び下ボウル内にそれぞれ配された上側フィルタエレメント及び下側フィルタエレメントと、
該上側フィルタエレメントによって仕切られた前記上ボウル内の上外側空間及び上内側空間と、
前記下側フィルタエレメントによって仕切られた前記下ボウル内の下外側空間及び下内側空間と、
前記ボディを貫通して形成されて前記上外側空間と前記下外側空間とを連通する連通孔とを備え、
圧縮空気が流通すべき流路として形成され、前記第1の開口部から前記中ボディ及び前記上ボディ内を通って前記上ボディ上側開口部へと延びて前記上内側空間内へと通じる第1の流路と、前記上内側空間から前記上外側空間へと延びて前記上側フィルタエレメントを通過する上通過流路と、前記上外側空間から前記下外側空間へと延びて前記連通孔を通る連通流路と、前記下外側空間から前記下内側空間へと延びて前記下側フィルタエレメントを通過する下通過流路と、前記下内側空間から前記下ボディ下側開口部を通じて前記下ボディ及び前記中ボディ内を通り前記第2の開口部へと延びる第2の流路とを有していることを特徴とする圧縮空気用フィルタ装置。
【請求項2】
前記上ボウルは、前記下ボウルと同一形状で形成されていて互いに交換可能であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気用フィルタ装置。
【請求項3】
前記ボディに対して前記上側及び下側フィルタエレメントを取り付けるための上側及び下側アダプタは同一形状で互いに交換可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮空気用フィルタ装置。
【請求項4】
前記上ボディと下ボディとは同一形状で互いに交換可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮空気用フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気に含まれる不純物を分離するための圧縮空気用フィルタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアコンプレッサ等の空気圧縮機から吐出される圧縮空気には、凝縮水たるドレンや塵埃、あるいは空気圧縮機で用いられている潤滑油等の不純物が含まれている。圧縮空気はその後エアガンやシリンダ等の空圧機器に用いられるため、このような不純物が含まれているとこれら空圧機器の故障等を招くおそれがある。すなわち、不純物が含まれていると圧縮空気の将来的な用途に有害となる可能性がある。このため圧縮空気中の不純物は、適宜エアフィルタにて圧縮空気から分離又は除去されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
圧縮空気が流れている圧縮空気圧回路にて、特許文献1のようなエアフィルタを配設する場所に十分なスペースがある場合、ろ過効率を高めるため大型のエアフィルタを用いることが考えられる。しかしこのスペースが上下方向にのみ余裕があり、左右方向に対して余裕がない場合がある。このような場合、上下方向のスペースを有効利用するようなエアフィルタを用いることが好ましい。このようなフィルタとしては、圧縮空気の流入方向及び流出方向に対して上下方向にそれぞれフィルタを配設したものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−315615号公報
【特許文献2】特開2014−237094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フィルタ装置に対して圧縮空気を側方から導入し、これをフィルタ装置の中心から鉛直方向に流通させる構造の場合、特許文献2のようにどうしても圧縮空気の行きと帰りの流路にてその隔壁が薄くなってしまう。このようなフィルタ装置の中心部分は鋳物で製造されることが多く、このような薄肉部分を有しさらに複雑な流路構造を有するものを製造することは困難である。
【0006】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、圧縮空気を側方から取り入れて鉛直方向に流通させる構造であっても生産性を損なうことなく、圧縮空気の流路間で十分な間隔を有する圧縮空気用フィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明では、鉛直方向の上下側空間をそれぞれ上ボウル及び下ボウルで覆われているボディと、該ボディが鉛直方向に分割されて形成されている上ボディ、中ボディ、及び下ボディと、前記中ボディの側面に水平方向を向いて形成されている第1の開口部及び第2の開口部と、前記第1の開口部及び第2の開口部とそれぞれ連通して前記中ボディの上面及び下面の中心部以外の周縁部に形成された上開口部及び下開口部と、前記上ボディの下面にて前記上開口部と連通する位置に形成されている上ボディ下側開口部と、該上ボディ下側開口部と連通して前記上ボディの上面中央部分に形成された上ボディ上側開口部と、前記下ボディの上面にて前記下開口部と連通する位置に形成されている下ボディ上側開口部と、該下ボディ上側開口部と連通して前記下ボディの上面中央部分に形成された下ボディ下側開口部と、前記上ボウル及び下ボウル内にそれぞれ配された上側フィルタエレメント及び下側フィルタエレメントと、該上側フィルタエレメントによって仕切られた前記上ボウル内の上外側及び上内側空間と、前記下側フィルタエレメントによって仕切られた前記下ボウル内の下外側及び下内側空間と、前記ボディを貫通して形成されて前記上外側空間と前記下外側空間とを連通する連通孔とを備え、圧縮空気が流通すべき流路として形成され、前記第1の開口部から前記中ボディ及び前記上ボディ内を通って前記上ボディ上側開口部へと延びて前記上内側空間内へと通じる第1の流路と、前記上内側空間から前記上外側空間へと延びて前記上側フィルタエレメントを通過する上通過流路と、前記上外側空間から前記下外側空間へと延びて前記連通孔を通る連通流路と、前記下外側空間から前記下内側空間へと延びて前記下側フィルタエレメントを通過する下通過流路と、前記下内側空間から前記下ボディ下側開口部を通じて前記下ボディ及び前記中ボディ内を通り前記第2の開口部へと延びる第2の流路とを有していることを特徴とする圧縮空気用フィルタ装置を提供する。
【0008】
好ましくは、前記上ボウルは、前記下ボウルと同一形状で互いに交換可能である。すなわち、その向きによって部材決定される(上ボウルとして使用するのか、下ボウルとして使用するのかが決定される)。
【0009】
好ましくは、前記ボディに対して前記上側及び下側フィルタエレメントを取り付けるための上側及び下側アダプタは同一形状で互いに交換可能である。すなわち、その向きによって部材決定される(上側アダプタとして使用するのか、下側アダプタとして使用するのかが決定される)。
【0010】
好ましくは、前記上ボディと下ボディとは同一形状で互いに交換可能である。すなわち、その向きによって部材決定される(上ボディとして使用するのか、下ボディとして使用するのかが決定される)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、中ボディに形成されている上開口部及び下開口部がそれぞれ中ボディの上面及び下面の中心部以外の周縁部に形成されている。したがって、第1の開口部と上開口部とを連通する第1の流路と、第2の開口部と下開口部とを連通する第2の流路とを離間した位置に形成することができる。すなわち、第1の開口部と第2の開口部とを中ボディに対して対向する側面に設け、且つ上開口部と下開口部とをそれぞれ第1の開口部及び第2の開口部に寄った側の周縁部に設ければ、中ボディ内に形成された第1及び第2の流路はそれぞれ中ボディ内で離間した位置に形成されることになる。したがって、圧縮空気の流路間で十分な間隔を設けることができ、流路間が肉厚となり信頼性が向上する。また、ボディを分割してそれぞれを貫通させて開口部を設けることで、圧縮空気を側方から取り入れて鉛直方向に流通させる構造であってもそれぞれの上中下ボディにおける孔あけ加工は単純なものとなり、生産性が向上する。
【0012】
また、上ボウルと下ボウルとを同一形状で互いに交換可能で、その向きによって部材決定されることで、一つの形状のボウルを形成することで両方に適用することができるので、生産効率が向上する。この際、下ボウルに備わるドレン孔は圧力計や差圧計等と連通させるための孔として用いればよい。
【0013】
また、フィルタエレメントをボディに取り付けるための上側及び下側アダプタも同一形状で互いに交換可能で、その向きによって部材決定されることで、一つの形状のアダプタを形成することで両方に適用することができるので、さらに生産効率が向上する。
【0014】
また、上ボディと下ボディとが同一形状で互いに交換可能で、その向きによって部材決定されることで、一つの形状のボディ部材を形成することで両方に適用することができるので、さらに生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る圧縮空気用フィルタ装置の概略断面図である。
図2図1のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び図2に示すように、本発明に係る圧縮空気用フィルタ装置1は、鉛直方向上側から、上ボウル4a、ボディ3、下ボウル4bが配されて形成されている。具体的には、ボディ3の鉛直方向に対して上下側の空間がそれぞれ上ボウル4a及び下ボウル4bで覆われている。すなわち、ボディ3に対して上下方向に上ボウル4a、下ボウル4bがそれぞれ取り付けられている。ボディ3は略四角柱形状であり、鉛直方向に分割されて上ボディ3a、中ボディ3b、及び下ボディ3cで形成されている。中ボディ3bの側面には水平方向を向いた第1の開口部6a及び第2の開口部6bが形成されている。
【0017】
第1の開口部6aは中ボディ3b内を通じて中ボディ3bの上面に形成された上開口部2aと連通している。第2の開口部6bは中ボディ3b内を通じて中ボディ3bの下面に形成された下開口部2bと連通している。上開口部2a及び下開口部2bは中ボディ3bの上面及び下面の中心部以外の周縁部に形成されている。具体的には、第1の開口部6a(第2の開口部6b)から水平方向に連通路は延び、中ボディ3bの中心に行く手前で約90度折れ曲がってそのまま上開口部2a(下開口部2b)と連通している。
【0018】
中ボディ3bの上側には、上ボディ3aが取り付けられている。上ボディ3aの下面には、上開口部2aと連通する位置に対応して上ボディ下側開口部5aが形成されている。また、上ボディ3aの上面中央部分には、上ボディ下側開口部5aと連通する上ボディ上側開口部14aが形成されている。一方で、中ボディ3bの下側には、下ボディ3cが取り付けられている。下ボディ3cの上面には、下開口部2bと連通する位置に対応して下ボディ上側開口部5bが形成されている。また、下ボディ3cの上面中央部分には、下ボディ上側開口部5bと連通する下ボディ下側開口部14bが形成されている。上中下のボディ3a〜3cは互いにボルト等で締結されて一体化し(例えば図2で示す上ボディ3aの四隅に形成されたボルト孔23を利用)、ボディ3として形成されている。また、上中下のボディ3a〜3cの間にはシート状のパッキン材が介装され、気密性が向上されている。
【0019】
上述したように、ボディ3の上下側の空間は、上ボウル4a及び下ボウル4bにてそれぞれ覆われている。上ボウル4a及び下ボウル4bはそれぞれボディ3に対して密接して取り付けられ、ボディ3の上下側の空間をそれぞれ密閉している。上ボウル4a及び下ボウル4b内にそれぞれ上側フィルタエレメント9a及び下側フィルタエレメント9bが配されている。上側及び下側フィルタエレメント9a、9bは、それぞれ上側アダプタ10a及び下側アダプタ10bを介してボディ3の上下それぞれに取り付けられている。上側及び下側アダプタ10a、10bは略円筒形状である。上側アダプタ10aは上ボディ3aの上ボディ上側開口部14aに、下側アダプタ10bは下ボディ3cの下ボディ下側開口部14bにそれぞれOリング17を介して嵌め込まれている。上側及び下側フィルタエレメント9a、9bは網目状もしくは中空糸膜状のフィルタ材で形成された略円筒形状である。
【0020】
上ボウル4a内は上側フィルタエレメント9aによって上外側空間11aと上内側空間11bとに仕切られている。つまり、上外側空間11aと上内側空間11bとの間には上側フィルタエレメント9aが介装されている。一方で、下ボウル4b内は下側フィルタエレメント9bによって下外側空間12aと下内側空間12bとに仕切られている。つまり、下外側空間12aと下内側空間12bとの間には下側フィルタエレメント9bが介装されている。
【0021】
図2に示すように、ボディ3には、上外側空間11aと下外側空間12aとを連通するための連通孔13が貫通して形成されている。この連通孔13は上中下のボディ3a〜3cの全てについて同位置に形成されている。
【0022】
以上のような構成から、圧縮空気が流通する流路が装置1内に形成される。すなわち、第1の開口部6aから中ボディ3b及び上ボディ3a内を通って上ボディ上側開口部14aへと延びて上内側空間11b内へと通じる流路は第1の流路7として形成される。また、上内側空間11bから上外側空間11aへと延びて上側フィルタエレメント9aを通過する流路は上通過流路15として形成される。また、上外側空間11aから下外側空間12aへと延びて連通孔13を通る流路は連通流路16として形成される。また、下外側空間12aから下内側空間12bへと延びて下側フィルタエレメント9bを通過する流路は下通過流路18として形成される。また、下内側空間12aから下ボディ下側開口部14bを通じて下ボディ3c及び中ボディ3b内を通り第2の開口部6bへと延びる流路は第2の流路8として形成される。
【0023】
以上より、ボディ3内には、第1の流路7と第2の流路8と連通流路16とが別々に設けられている。例えば、第1の開口部6aを圧縮空気の流入口として使用した場合は、圧縮空気は第1の開口部6aから第1の流路7を通って上内側空間11bへと進む。そして、上内側空間11bから上外側空間11aへと延びる上通過流路15を通る(すなわち、上側フィルタエレメント9aを通過する)。そして、上外側空間11aから下外側空間12bへと延びる連通孔13内の連通流路16を通る。そして、下外側空間12aから下内側空間12bへと延びる下通過流路18を通る(すなわち、下側フィルタエレメント9bを通過する)。そして、この下内側空間12bから第2の流路8を通り、第2の開口部6bから流出する。なお、図1では第1の開口部6aが圧縮空気の流入口である場合を例にして矢印の向きを記載している。第2の開口部6bを圧縮空気の流入口とした場合は、上記と逆の流路をたどる。
【0024】
上述した構成によれば、中ボディ3bに形成されている上開口部2a及び下開口部2bがそれぞれ中ボディ3bの上面及び下面の中心部以外の周縁部に形成されている。したがって、第1の開口部6aと上開口部2aとを連通する第1の流路7と、第2の開口部6bと下開口部2bとを連通する第2の流路8とを離間した位置に形成することができる。すなわち、図1に示すように、第1の開口部6aと第2の開口部6bとを中ボディ3bに対して対向する側面に設け、且つ上開口部2aと下開口部2bとをそれぞれ第1の開口部6a及び第2の開口部6bに寄った側の周縁部に設ければ、中ボディ3b内に形成された第1及び第2の流路7、8はそれぞれ中ボディ3b内で離間した位置に形成されることになる。したがって、圧縮空気の流路間で十分な間隔を設けることができ、流路間が肉厚となり信頼性が向上する。また、ボディ3を分割してそれぞれを貫通させて開口部を設けることで、圧縮空気を側方から取り入れて鉛直方向に流通させる構造であってもそれぞれの上中下ボディ3a〜3cにおける孔あけ加工は単純なものとなり、生産性が向上する。すなわち、一つ一つの部材の製造が単純となるので生産効率が向上する。
【0025】
下ボウル4bの下端には開口したドレン孔19が設けられている。ドレン孔19は図示しないドレントラップ等とバルブ20を介して接続される。上外側空間11aや下外側空間12aで発生したドレンは自重により落下し、このドレン孔19から排出される。
【0026】
ここで、上ボウル4aは、下ボウル4bと同一形状で形成されていて互いに交換可能であってもよい。上及び下ボウル4a、4bを同一形状とすると上ボウルの上端にドレン孔19と同様の孔が形成されるが、これは差圧計(圧力計)21と接続するための接続口22として利用すればよい。このように上ボウル4aと下ボウル4bとを同一形状で互いに交換可能であり、その向きによって部材決定される(向きによって上ボウル4aとして使用するのか、下ボウル4bとして使用するのかが決定される)ことで、製造段階では一つの形状のボウルを形成すればよく、これを両方に適用することができ、生産効率が向上する。
【0027】
また、上側及び下側アダプタ10a、10bも同一形状で互いに交換可能であり、その向きによって部材決定されてもよい(向きによって上側アダプタ10aとして使用するのか、下側アダプタ10bとして使用するのかが決定される)。これにより、一つの形状のフィルタエレメント及びアダプタを形成することで両方に適用することができ、さらに生産効率が向上する。
【0028】
さらに、前記上ボディ3aと下ボディ3cとは同一形状で互いに交換可能であり、その向きによって部材決定されてもよい(向きによって上ボディ3aとして使用するのか、下ボディ3cとして使用するのかが決定される)。これにより、一つの形状のボディ用部材を形成することで両方に適用することができ、さらに生産効率が向上する。
【0029】
図1の例では、上側フィルタエレメント9aはプレフィルタ、下側フィルタエレメント9bは除菌フィルタを配している。プレフィルタは0.1um〜5um程度の粒子をろ過分離可能な網目を有し、除菌フィルタは細菌類の中でも特に細菌をろ過可能な網目を有している。このような構成にすれば、徐々に網目が細かくなり圧力損失をできるだけ低減しながら圧縮空気内の不純物を除去して流通させることができる。ただし、上通過流路15と下通過流路18とは、エレメントの内側と外側との関係で流路の向きを逆とするので、それについて留意して実施することが好ましい。
【符号の説明】
【0030】
1:圧縮空気用フィルタ装置、2a:上開口部、2b:下開口部、3:ボディ、3a:上ボディ、3b:中ボディ、3c:下ボディ、4a:上ボウル、4b:下ボウル、5a:上ボディ下側開口部、5b:下ボディ上側開口部、6a:第1の開口部、6b:第2の開口部、7:第1の流路、8:第2の流路、9a:上側フィルタエレメント、9b:下側フィルタエレメント、10a:上側アダプタ、10b:下側アダプタ、11a:上外側空間、11b:上内側空間、12a、下外側空間、12b:下内側空間、13:連通孔、14a:上ボディ上側開口部、14b:下ボディ下側開口部、15:上通過流路、16:連通流路、17:Oリング、18:下通過流路、19:ドレン孔、20:バルブ、21:差圧計、22:接続口、23:ボルト孔
【要約】
【課題】圧縮空気を側方から取り入れて鉛直方向に流通させる構造であっても生産性を損なうことなく、圧縮空気の流路間で十分な間隔を有する圧縮空気用フィルタ装を提供する。
【解決手段】圧縮空気用フィルタ装置1は、圧縮空気が流通すべき流路として形成され、第1の開口部6aから中ボディ3b及び上ボディ3a内を通って上ボディ上側開口部14aへと延びて上内側空間11b内へと通じる第1の流路7と、上内側空間11bから上外側空間11aと延びて上側フィルタエレメント9aを通過する上通過流路15と、上外側空間11aから下外側空間12aへと延びて連通孔を通る連通流路16と、下外側空間12aから下内側空間12bへと延びて下側フィルタエレメント9bを通過する下通過流路18と、下内側空間12bから下ボディ下側開口部14bを通じて下ボディ3c及び中ボディ3b内を通り第2の開口部6bへと延びる第2の流路8とを有している。
【選択図】 図1
図1
図2