(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(スロットマシン10の概要)
図1に示すように、本実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシンであって、正面に向かって開口する正面開口部を有する四角箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口部を開閉自在に塞ぐ前扉14とを有する。前記前扉14は、正面開口部の上部を開閉自在に塞ぐ上扉3と、正面開口部の下部を開閉自在に塞ぐ下扉4とを備えている。
前記上扉3には、遊技者側に向かって臨む略四角窓状の表示窓12が形成されている。そして、この表示窓12の略中央には、三個の回転リール40の円周に貼付したリールテープ42上の図柄61、いわゆる停止図柄61を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。
【0014】
前記図柄表示窓13の奥には、3個の駆動モータによって図柄表示手段41としての回転リール40を回転させるためのリールユニット60が配置されてある。前記回転リール40は、左端側に位置する左側回転リール43と、右端側に位置する右側回転リール45と、この左側回転リール43及び右側回転リール45の間に位置する中央回転リール44とからなる。
そして、スロットマシン10の前面側には、横方向に3本、左右の対角線上の斜め方向に2本の合計5本の入賞ラインA〜Eが形成されている。本実施の形態に係るスロットマシン10は、メダルの投入枚数が、3枚専用のもので、対角線も含めた五本の入賞ラインの全部が、入賞有効ラインとなる。なお、入賞ラインは、上記5本に限定されるものではなく、1〜5本のいずれでも良く、また、6本以上でもよい。また、入賞ラインは上記直線のものに限定されることはなく、V字状の折れ線状のものでもよい。また、遊技開始の条件としてのメダルの投入枚数も、上述した3枚に限定されず、1枚や、2枚や、或いはそれ以外の枚数でもよいものである。
【0015】
前記前扉14には、遊技者に入賞等を音や光や映像で報知させる報知手段66が形成されてあり、この報知手段66は、上下左右のスピーカー67と、表示窓12の上部中央に配置された液晶表示装置からなる表示部68と、表示窓12の周囲縁に配置された報知ランプ69とを備えている。
前記下扉4には、メダルを投入するためのメダル投入口18と、このメダル投入口18の下方のメダルセレクターの内部にあって、メダルのメダル投入口18から投入されたメダルを検知するための投入スイッチ15と、貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるベットスイッチ16と、クレジットしたメダルを払い出すための精算スイッチ17と、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に回転リール40の回転を開始させるための変動表示開始手段としてのスタートスイッチ30と、操作により対応する回転リール40の回転を停止させるための変動表示停止手段としてのストップスイッチ50とを備えている。
【0016】
なお、本スロットマシン10は、メダル投入口18からメダルを投入すると、最大で50枚のメダルをスロットマシン10内部に貯留する(クレジットする)ことが可能に形成されている。そして、この貯留(クレジット)したメダルを、ベットスイッチ16の押下操作によって、遊技開始の条件としてのメダル投入に代えることができる。
前記上扉3の奥には、スロットマシン10の全体を制御するための制御装置20のうちのメインである主制御装置21が配置され、その主制御装置21の右側には、設定変更スイッチ161及び設定変更キースイッチ162を有する設定変更操作部160が形成されている。
前記下扉4の奥には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払い出し手段65と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ71を有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置70とが配置されている。
【0017】
そして、下扉4の下部には、入賞した場合に、貯留払い出し手段65からメダルが払い出される払い出し口32が形成され、この払い出し口32の下方には、払い出し口32から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状の払い出し皿33が形成されている。
本実施の形態に係るスロットマシン10は、原則として、ベットスイッチ16の操作又はメダル投入後のスタートスイッチ30の押下により、回転リール40の回転を開始すると共に、当選抽選を行い、各回転リール40のストップスイッチ50の押下タイミング及び当選抽選の結果に基づいて、回転リール40の回転を当選抽選の結果に沿うように停止させ、停止時の図柄の組み合わせによって、入賞の有無を判断し、入賞した場合には所定枚数のメダルを払い出す等の特典を付与するスロットマシンである。
【0018】
なお、本明細書において、「前面」や「前」や「手前」とは、遊技者が、スロットマシン10の正面側の前にスロットマシン10の方に顔を向けているような場合のこの遊技者から見た場合の奥から手前への方向を意味する。同様に「背面」や「後方向」や「奥方向」とは、遊技者が、スロットマシン10の正面側にスロットマシン10の方を向いているような場合のこの遊技者から見たときの手前から奥への方向を意味する。同様に「左方向」や「右方向」等の左右方向も、このスロットマシン10の前面の方を向いて位置している者から見た場合の方向を意味する。
(設定変更操作部160)
設定変更操作部160は、
図2に示すように、主制御装置21の正面に設けられた操作スイッチであり、スロットマシン10の設定変更(設定1〜6のいずれかを選択)行う場合の操作装置として機能するものである。そして、設定変更操作部160は、設定変更スイッチ161、設定変更キースイッチ162を備えている。
【0019】
(制御装置20)
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が形成されている。前記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAMを備えている。そして、ROMに記憶されたデータやプログラムを、RAMが読み込むことで、動作可能に形成されている。
前記制御装置20の入力段には、上述した投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50及び設定変更操作部160が接続され、出力段には、上述した貯留払い出し手段65、リールユニット60及び報知手段66が接続されている。
【0020】
前記制御装置20は、遊技を進行させて遊技状態を制御する主制御装置21と、この主制御装置21からの信号を受けて、遊技の演出を行うために演出状態を制御する副制御装置22とを備えている。
(主制御装置21)
前記主制御装置21は、スタートスイッチ30の遊技者による操作により、乱数抽選を行い、ストップスイッチ50の操作により、その抽選結果を反映させた回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。
前記主制御装置21は、遊技制御手段27と、当選抽選手段110と、演出フリーズ発生決定手段190と、停止制御手段120と、計時手段130と、操作不能手段140と、リール決定手段170と、リール選択手段180とを備えている。
【0021】
なお、本スロットマシンにより行う遊技は、一般的(通常)に行われる通常遊技と、ボーナス遊技と呼ばれて同一の遊技回数を基準として遊技期間で比較した場合に、この通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能で通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技とを備えている。この特別遊技は、通常遊技中に予め定めた所定の役に入賞することにより移行すると共に通常遊技よりも単位時間あたりの獲得可能なメダル数が多くなることが可能に形成されている。この特別遊技は、具体的には、所定枚数までのメダルの獲得が可能なBB遊技(ビッグボーナスゲーム、BBゲーム)やRB遊技(レギュラーボーナスゲーム、RBゲーム)を備えている。
【0022】
更に、本スロットマシン10により行う遊技には、通常遊技よりも、遊技者にとって有利な状態となる有利遊技を有している。
この有利遊技として、AT遊技(アシストゲーム)を備えている。この遊技中は、所定の当選図柄を報知する当選図柄報知のアシスト遊技(AT遊技)である。具体的には、小役A(赤7、ベル、ベル)、小役B(青7、ベル、ベル)、小役C(白7、ベル、ベル)(ここで、括弧の中は、当該小役が入賞するための入賞有効ライン上の図柄であって、左から順に、左側回転リール43、中央回転リール44、右側回転リール45の入賞有効ライン上の図柄)の3つの小役が形成されている。この3つの小役の図柄のうち、赤7、青7、白7の図柄は、左側回転リール43の円周上で引き込み範囲が重複しないように互いに離れて、回転リール40の周囲に配置されている。そして、この3つの小役のそれぞれが、当選フラグを持ち、仮に小役Aが当選したときに、3つのうち、いずれか1つが当選していることだけが報知されても(すなわち、特定の1つの小役を特定しない報知がされても)、小役Cや、小役Bを目押しにより狙っても小役Aを入賞有効ライン上に停止させることはできない。このような場合、上記3つのどれが当選したか遊技者には、判断することができないことから、必然的に、取りこぼしが発生し得る。しかし、ATゲーム状態となって、小役A、B又はCのいずれが当選したかが報知(特定の1つが当選していることを具体的に特定する報知)されることにより、どの図柄を狙えばよいか、判断することができるので、報知された小役を入賞させることが可能となる。すなわち、小役の入賞確率を格段に(完全な目押しができる者にとって、入賞確率を3分の1から1へ)上げることができる。これにより、小役の入賞を増やし、結果として、遊技者に有利な状態にすることができる。
【0023】
なお、有利遊技としてのAT遊技は、上述したものに限定されるものではなく、例えば、押し順を報知するものでもよい。具体的には、この押し順報知のAT遊技中は、所定の当選役に対して、所定の役を入賞させるために第1番目に押下操作をしなければならないストップスイッチ50の押し順が内部的に特定されてある。そして、第1押下操作のみ正しい押し順でなければ、その当選役は入賞しない(揃わない)ような停止制御に形成されてあり、その正しい押し順を、報知手段66により教えることにより容易に入賞可能となるように形成されているようなものでもよい。もちろん、これに限定されずに、第1押下操作のみだけではなく、第2押下操作及び第3押下操作の全てが正しい押し順でなければ入賞しないように形成してもよい。
【0024】
更に、有利遊技として、上述したAT遊技に限定せずに、当選役リプレイの抽選確率が通常遊技とは異なるRT遊技(リプレイタイムゲーム)でもよく、また、AT遊技とRT遊技の両方を組み合わせたART遊技(アシストリプレイタイムゲーム)でもよい。
また、有利遊技として、AT遊技と、RT遊技との両方を、それぞれ独立して有してもよい。その際、RT遊技中に、AT遊技に移行した際には、ART遊技となる。
なお、ここで、「役」とは、原則として図柄の組み合わせにより構成されるもので、予め定めた入賞態様を意味するものであって、例えば、左、中、右の回転リール40の停止図柄が、それぞれ7、7、7のように、通常、回転リールに表示される図柄を、3つ揃えた形が基本形となる。
【0025】
役には、入賞によりメダルの払い出しを伴う小役(スイカ、ベル、チェリー等)と、入賞によりメダル払い出しは無いがBB遊技に移行するBB遊技移行役(ビッグボーナスゲーム移行役)と、入賞によりメダル払い出しは無いがRB遊技に移行するRB遊技移行役(レギュラーボーナスゲーム移行役)と、メダルの払い出しは無いが、メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができるリプレイ(再遊技)役とを備えている。
(遊技制御手段27)
前記遊技制御手段27は、遊技を行わせるためのものである。ここで、遊技制御手段27が行わせる遊技は、メダルの投入を条件として遊技が開始可能となり、当選抽選手段の抽選の結果、所定の役に当選し、且つ遊技状況が役に応じて予め定められた図柄表示の態様になること(役に対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うこと)により入賞となり、或いは、この図柄表示の態様にならないこと(役に対応する図柄が入賞有効ライン上に揃わないこと)により外れとなって1回の遊技が終了するように設定されている。なお、入賞有効ライン上に当選した役を構成する図柄が揃うことにより、当該役の入賞となる。
【0026】
そして、当選抽選手段110の抽選の結果がいずれかの当選となった場合(内部入賞とも言う。)、その当選に対応した当選フラグが成立する。ここで、「当選フラグ」とは、当選抽選手段110の抽選の結果が所定の役に当選の場合に、当選であることを記憶しておくためのメモリーであって、当選フラグが成立している状態で、当選の権利が発生していることを意味する。そして、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄61の組み合わせが、予め定められた所定の入賞図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が三個揃うもの)と一致したことを条件に入賞するように形成されている。
当選には、小役当選(スイカ、ベル、チェリー等の各当選)と、BB遊技当選(ビッグボーナスゲーム当選、すなわちBBゲームへ移行するための移行当選役の当選)と、RB遊技当選(レギュラーボーナスゲーム当選、すなわちRBゲームへ移行するための移行当選役の当選)と、リプレイ(再遊技)当選と、AT遊技当選(アシストゲーム当選、すなわちAT遊技へ移行するための移行当選役の当選)を備えている。なお、小役当選、リプレイ当選及びAT遊技当選の当選フラグは、入賞しない場合に、次の遊技に持ち越されない持越不可フラグであるが、BB遊技及びRB遊技の移行当選役の当選フラグは、入賞しない場合に、次の遊技に持ち越される持越可能フラグになっている。また、AT遊技当選は、後述する演出フリーズ中に遊技者が所定の回転リール40を選択した場合に得られるように形成されている。
【0027】
(当選抽選手段110)
前記当選抽選手段110は、抽選用の乱数を所定の領域内(十進数で0〜65535)で発生させ、その乱数を、スタートスイッチ30の操作タイミングで取得し、予め定めた当選領域のデータテーブルを有する抽選テーブルに基づいて、当選の有無や、種類を決定している。
具体的には、当選抽選手段110は、一定範囲の数字を高速で1ずつ加算するカウンタを用いて、抽選用の乱数を所定の領域内(十進数で0〜65535)で発生させる当選乱数発生手段111と、当選乱数発生手段111が発生する乱数を、所定の条件(具体的には、スタートスイッチ30の操作)で取得する当選乱数取得手段112と、当選乱数発生手段111がとる乱数の全領域中、各当選項目の当選領域の抽選テーブルを有する抽選テーブル記憶手段113と、所定の取得乱数及び抽選テーブルの当選領域を照合し、当該取得乱数が属する当選領域に対応する当選を決定すると共に、その当選結果に対応する停止テーブルを決定する当選判定手段114とを備えている。
【0028】
前記当選抽選手段110は、抽選の当選確率を予め定めた設定値に対応して、抽選確率を複数段階に変化させることが可能に形成されている。この設定値が1から6まで、設定値が1増加するに伴って、各当選役の抽選確率は、同一又は高くなるように形成されている。そして、抽選テーブルは、同一設定値の全ての役の抽選確率のデータが予め記憶されているものである。そして、遊技ホールの管理者等による設定変更操作部160の操作によって、設定値1〜6に対応する抽選テーブルを選択することができるように形成されている。
(演出フリーズ発生決定手段190)
前記演出フリーズ発生決定手段190は、演出フリーズを発生させるか否かを決定するためのものである。この演出フリーズ発生決定手段190は、当選抽選手段110と同様の抽選方法により、演出フリーズを発生させるか否かを決定している。抽選の方法は、当選抽選手段110における抽選と同様であって、スタートスイッチ30の押下操作を契機として、乱数を抽出して予め定めた所定数値範囲に含まれるか否で決定している。また、演出フリーズ発生決定手段190を有さずに、当選抽選手段110の乱数抽出の結果を利用して、演出フリーズの発生の有無を決定するようにしてもよい。また、演出フリーズ発生決定手段190は、毎回の遊技で抽選を行っているが、例えば、通常遊技期間中だけ、或いは、BB遊技期間中だけに、演出フリーズを発生させるか否かの抽選を行うようにしてもよい。また、演出フリーズ発生決定手段190は、必ずしも抽選により決定するものではなく、予め定めた遊技回数の順番等により決定するようにしてもよい。また、演出フリーズ発生決定手段190は、例えば、BB遊技に当選した場合や、入賞した場合や、BB遊技が終了した場合や、BB遊技が終了した直後の最初又は所定遊技回数後の通常遊技において、演出フリーズを発生させる、或いは、その抽選を行うように形成することもできる。
【0029】
(停止制御手段120)
前記停止制御手段120は、当選抽選手段110の抽選の結果に対応した停止制御を回転リール40に対して行うためのものである。この停止制御手段120では、抽選の結果に対応する停止位置を予め記録した停止テーブルを多数用意して、その中から抽選結果により決定された停止テーブルを選択して、その選択した停止テーブルに基づいて停止させる、いわゆるテーブル停止制御を用いている。なお、この停止テーブルでは、所定の停止位置の図柄の上の図柄から連続する4個の引き込み可能図柄61の中(停止位置の図柄も含めて全部で5個の図柄)のうちから予め設定した所定図柄を引き込んで停止させるような引き込みコマ数が設定されている。
【0030】
このテーブル停止制御は、いずれかの当選フラグが成立中に、優先的に引き込む図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、選択した停止テーブル上に予め記載されている21個の図柄に対応する各押下操作位置(No0〜No20)でのすべりコマ数により決定されるものである。例えば、左側回転リール43、中央回転リール44及び右側回転リール45の入賞有効ライン上の図柄が順にセブン、セブン、セブンと停止することにより、BBゲームに入賞するように設定されている。そして、このBBゲームの当選フラグが成立している場合に、中央回転リール44での所定の入賞有効ラインでの押下操作位置がNo6であるとき、選択された停止テーブルのNo6の位置から3コマ後(3コマ回転上流の位置)にセブンが位置して、そのNo6の位置のすべりコマ数には3が予め設定されているとする。この場合、その所定の入賞有効ラインには、No6の図柄から3コマだけ回転移動してセブンの入賞図柄が停止することとなるものである。このように、停止テーブルには、各押下操作位置でのすべりコマ数が予め設定されている。
【0031】
なお、テーブル停止制御ではなく、当選フラグの成立の有無等の停止条件を判断して、蹴飛ばし制御及び引き込み制御により停止させる条件判断停止制御、いわゆるコントロール停止制御を使用してもよい。また、テーブル停止制御とコントロール停止制御とを組み合わせるとともに、払い出し枚数が多くなるほど引き込みの優先度が高くなる等のように所定の優先順位をロジック演算処理しながら行うロジック演算及びテーブル停止制御を使用してもよい。
(計時手段130)
計時手段130は、遊技間の遊技制限時間を測定する遊技間ウェイト用タイマー131と、所定時から後述する演出フリーズ中に回転リール40を第1番目に回転を開始させるまでを測定する演出フリーズ用第1タイマー132と、所定時から全部の回転リール40の回転を開始させるまでを測定する演出フリーズ用第2タイマー133との3つのタイマーを有している。
【0032】
(遊技間ウェイト用タイマー131)
前記遊技間ウェイト用タイマー131は、遊技制限時間の4.1秒を確保するために、前回遊技の所定の契機時から、今回の遊技の所定の契機時までの時間を計時して、所定条件を満たす場合に遊技間ウェイトを発生させるためのものである。
具体的には、遊技間ウェイト用タイマー131は、前回の遊技の図柄表示手段41(回転リール40)の変動表示開始時(回転開始時)から、今回の遊技のスタートスイッチ30が操作されたタイミングまでの時間Tを計時する。
そして、その時間Tが遊技制限時間の4.1秒に到達していない場合、4.1秒から時間Tを減算したをウェイト時間Wとして、算出する。そして、同時に遊技間ウェイト用タイマー131は、かかるウェイト時間Wのカウントダウンを開始し、0秒に到達したタイミングで信号を出力する。結果として、遊技間ウェイト用タイマー131は、時間Tが4.1秒に到達していない場合、前回の遊技の回転リール40の回転開始時から、遊技制限時間の4.1秒に到達したタイミングで信号を出力していることになる。
【0033】
ここで、遊技制限時間は、前回の遊技の所定のタイミング(契機)からの予め定めた特定時間が4.1秒に到達しているように形成されているものである。もちろん、遊技制限時間は、この4.1秒に限定されることなく、他の予め定めた一定時間(特定時間)に設定することもできる。この「遊技制限時間」は、1回の遊技の遊技時間が短くなりすぎて、遊技が単位時間あたり多くの遊技回数が実行されて、著しく射幸性が高まるのを抑えるために設けてあるものである。
なお、遊技間ウェイト用タイマー131は、上述したものに限定されるものではなく、前回の遊技の回転リール40の回転開始のタイミングを契機(時間T=0秒)として、そのタイミングからカウントアップを開始し、そのカウントアップした時間Tが4.1秒に到達したときに所定信号を出力するような監視タイマでもよい。そして、このタイマは、今回の遊技の回転リール40の回転開始までカウントアップを継続し、その回転開始によりタイマの時間Tを初期値0にリセットすると同時に、再度、次の遊技の遊技制限時間を計測するためにカウントアップを開始する。遊技間ウェイト用タイマー131は、4.1秒経過を判断できる機構のものであればよいものであって、具体的には例えば、回転リール40の回転開始と同時に4.1秒をセットして、0秒に到達するまでカウントダウンするようなものでもよい。なお、タイマは、0〜4.1秒までの時間Tだけを計時して、4.1秒経過後は、4.1秒経過している旨を判断できる判別子(フラグ)だけ成立させれば、4.1秒以後の時間Tをカウントしなくても済むようなものでもよい。
【0034】
前回遊技の回転リール40の回転開始から、今回遊技のスタートスイッチ30が操作されたタイミングまでの計時時間Tが予め定めた一定時間(具体的には、遊技制限時間の4.1秒)以上であって、未だスタートスイッチ30が操作されていない場合には、後述する演出フリーズが発生している場合を除き、スタートスイッチ30の操作タイミングと略同時(正確には信号伝達時間分だけ極僅かに遅れて)に、回転リール40の回転を開始するように形成されている。
一方、前回遊技の回転リール40の回転開始から、今回遊技のスタートスイッチ30が操作されたタイミングまでの計時時間Tが予め定めた一定時間(具体的には、遊技制限時間の4.1秒)未満である場合には、スタートスイッチ30の操作タイミングでは、回転リール40は回転を開始しない。そして、後述する演出フリーズが発生している場合を除き、予め定めた一定時間(具体的には、遊技制限時間の4.1秒)の到達と同時に出力された信号に基づいて、回転リール40は回転を開始する。この場合の回転リール40の回転開始時は、前回遊技の回転リール40の回転開始時から4.1秒となる。
【0035】
ここで、遊技間ウェイト用タイマー131は、前回の遊技の所定の契機時から今回の遊技の所定の契機時までの時間Tの計時を実施しているが、「所定の契機時」は、特に上述した回転リール40の回転開始時に限定されるものではない。例えば、所定の契機を、前回の遊技のメダル投入時(直接投入時又はベット投入時)や、第1押下操作、第2押下操作又は第3押下操作のストップスイッチ50の押下操作時や、スタートスイッチ30の押下操作時や、ストップスイッチ50の操作が可能となる時等に設定しても良い。また、前回の遊技の所定の契機時と、今回の遊技の所定の契機時とは、これらの同一の組み合わせでも、また、異なる組み合わせでもよい。
【0036】
(演出フリーズ用第1タイマー132)
前記演出フリーズ用第1タイマー132は、後述する演出フリーズ中において、遊技者が回転リール40を選択してから
第3の所定時間(具体的には、2秒)の時間を計測するためのものである。そして、その
第3の所定時間に到達すると、演出フリーズ用第1タイマー132は、リール決定手段170により決定されている第1番目に回転を開始させる回転リール40、いわゆる第1回転開始リールを回転させるための回転開始信号を出力する。
(演出フリーズ用第2タイマー133)
前記演出フリーズ用第2タイマー133は、後述する演出フリーズ中において、第1回転開始リールが回転を開始してから
第4の所定時間(具体的には、3秒)の時間を計測するためのものである。そして、その
第4の所定時間に到達すると、演出フリーズ用第2タイマー133は、未だ回転を開始していない残りの2つの回転リール40の回転を開始させるための回転開始信号を出力する。
【0037】
上述した3つのタイマーは、所定時からの時間を計測することができるものであればよいものであって、計時方法は、カウントアップによるものでも、カウントダウンによるものでもいずれでもよい。
なお、演出フリーズを実施する際には、タイマー時間の合計が5秒となるので、合計遊技時間が、必ず遊技制限時間の4.1秒を超えることになるので、演出フリーズを発生させる場合には、遊技間ウェイトは発生させないように形成されている。もちろん、これに限定されるものではなく、演出フリーズを発生させる場合にも、遊技間ウェイトを発生させた後、所定の時間だけ演出フリーズを発生させるように形成してもよい
また、前記計時手段130は、上述した3つのタイマーを有しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、上述した3つのタイマーの機能を兼ね備えた1つのタイマーで実施することもできる。このような3つのタイマーの機能を兼ね備えた1つのタイマーは、演出用フリーズを発生させない場合については、遊技間ウェイト用タイマー131と同様の処理を行うことができ、演出用フリーズを発生させる場合については、演出フリーズ用第1タイマー132及び演出フリーズ用第2タイマー133と同様の処理を行うことができる。すなわち、そのような機能を兼ね備えた1つのタイマーは、遊技者が回転リール40を選択してから
第3の所定時間(具体的には例えば2秒)を計測し、第1回転開始リールを回転させるための回転開始信号を出力し、第1回転開始リールが回転を開始してから
第4の所定時間(具体的には例えば3秒)を計測し、その
第4の所定時間に到達すると、未だ回転を開始していない他の回転リール40の回転を開始させるための回転開始信号を出力することができるように形成されているものである。更にまた、前記計時手段130は、上述した3つのタイマーではなく、2つのタイマーからなるように形成することもできる。具体的には、遊技間ウェイト用タイマー131と、演出フリーズ用第1タイマー132及び演出フリーズ用第2タイマー133の2つのタイマーの機能を兼ね備えた1つのタイマー(演出フリーズ用第1タイマー132が行う処理と、演出フリーズ用第2タイマー133が行う処理との両方の処理を行うことが可能なタイマー)との合計で2つのタイマーから形成するようにしてもよい。
【0038】
(操作不能手段140)
前記操作不能手段140は、所定の条件を満たす間、遊技の進行をするために本来は操作可能となっている特定の操作を不能とするものである。
前記操作不能手段140は、遊技間ウェイトのウェイト時間W中、或いは、演出フリーズの間に、所定の機能を除いて、遊技を継続して進行させるための特定の操作を可能としない(有効化しない)ためのものであって、その操作に基づく予め定めた本来の機能を発揮させないものである。本形態においては、遊技を進行させずに不能とする特定の操作は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の押下操作を対象としている。上記期間は、スタートスイッチ30の操作後からストップスイッチ50が有効となるまでの操作不能期間となる。ここで、「所定の機能を除いて」とは、演出フリーズ中に、3つの回転リール40のうちから遊技者が第1回転開始リールを選択するためのストップスイッチ50の押下操作は除かれることを意味する。かかる演出フリーズ中には、ストップスイッチ50を操作しても本来の機能は奏さずに、いずれの回転リール40のストップスイッチ50を操作したかだけを判別することができるように形成されている。
【0039】
前記操作不能手段140は、操作不能期間の解除を、操作不能期間中に、リール選択手段180による一の回転リール40の選択が行われたことを契機に、その後、所定時間経過後に行われるように形成されている。
具体的には、操作不能手段140は、リール選択手段180による一の回転リール40の選択が遊技者により行われたことを契機に、
第3の所定時間経過後(具体的には、2秒経過後)、リール決定手段170により決定された一部の回転リール40が回転を開始し、更にその後、
第4の所定時間(具体的には、3秒)の経過に伴って全ての回転リール40が予め定められた一定の回転速度で回転を行っている状態とするように形成されている。
【0040】
すなわち、操作不能手段140は、スタートスイッチ30の操作後に所定の条件を満足している場合に、スタートスイッチ30の操作後からストップスイッチ50が有効となるまでの間に、遊技の進行を行うための所定の操作が不能となる操作不能期間を発生させる。そして、リール決定手段170により遊技者により選択されたことを契機として、2秒経過後に、リール決定手段170により決定された第1回転開始リールが回転を開始し、更に、その後、3秒経過後に、残りの未だ回転していない2個の回転リール40も、回転を開始して、3個の回転リール40が予め定めた所定の回転速度で回転するようになった時点(ストップスイッチ50の操作可能時点と一致する時点)で、操作不能手段140により操作不能期間は解除される。すなわち、解除された以後は、ストップスイッチ50の本来の機能である回転リール40の回転を停止させる操作が可能となる。
【0041】
なお、遊技進行を不能とする操作は、スタートスイッチ30に限定されることなく、他の操作に設定することもできる。例えば、メダルの投入操作、ベットスイッチ16の操作、複数個のストップスイッチ50のそれぞれの操作を、所定の間だけ不能とするように形成してもよい。
また、ここで「操作を可能としない(有効化しない)」とは、その操作に基づく予め定めた本来の主要な機能を発揮できる状態ではないことを意味する。したがって、操作を行っても操作に基づく機能のうち本来の主要な機能を発揮しないときは、操作可能状態には含まれない。この有効化しないことには、下記に示す(1)及び(2)の2つの意味が含まれる。
【0042】
(1)操作を保留すること。スタートスイッチ30の押下操作が保留された場合は、スタートスイッチ30の操作に基づく一部の機能である、操作タイミングでの各抽選は行われるが、スタートスイッチ30の本来の主要な機能である回転リール40の回転は保留され、所定の操作不能の時間経過後に、回転リール40の回転が開始されるものである。なお、ストップスイッチ50の押下操作が保留された場合は、所定の操作不能の時間経過後に、回転リール40の回転が停止されるものである。また、ベットスイッチ16の押下操作が保留された場合は、貯留メダル(クレジットメダル)からの遊技開始の条件としてのメダル投入は保留され、所定の操作不能の時間経過後に、ベットスイッチ16の押下操作が行われなくても、貯留メダル(クレジットメダル)から遊技開始の条件としてのメダル投入(内部投入)が行われる。また、メダル投入が保留された場合には、メダル投入口18から投入されたメダルは、メダルセレクターから貯留払い出し手段65へ移動するが、貯留メダル(クレジットメダル)或いは遊技開始のための投入メダルの数値は、増加していない状態となる。そして、所定の操作不能の時間経過後に、貯留メダル(クレジットメダル)或いは遊技開始のための投入メダルの数値がその投入したメダル数分だけ増加する。
【0043】
(2)操作を無効として扱うこと(無視すること)。スタートスイッチ30の押下操作が無効として扱われた場合、所定の操作不能の時間経過後に、再度、スタートスイッチ30の押下操作をしない限り、少なくとも回転リール40の回転は開始されない。なお、ストップスイッチ50の押下操作が無効として扱われた場合には、所定の操作不能の時間経過後に、再度、ストップスイッチ50の押下操作をしない限り、回転リール40の回転は停止されない。また、ベットスイッチ16の押下操作が無効とされた場合は、所定の操作不能の時間経過後に、再度、ベットスイッチ16の押下操作をしない限り、貯留メダル(クレジットメダル)からの遊技開始の条件としてのメダル投入は行われない。また、メダル投入が無効とされた場合には、メダル投入口18から投入されたメダルは、メダルセレクターを介して払い出し口32から払い出し皿33へ排出される。このため、所定の操作不能の時間経過後に、再度、メダル投入口18からメダルを投入しない限り、メダル投入口18から投入されたメダルは、貯留払い出し手段65へ投入されない。
【0044】
なお、本実施の形態では、スタートスイッチ30については、(1)の「保留すること」の意味として使用している。また、ストップスイッチ50については、(2)の「操作を無効とすること」の意味として使用している。なお、(1)の保留すること、有効化しないことを、無効として扱うこととする(2)の意味となるように変更して使用することもできる。
(リール決定手段170)
前記リール決定手段170は、操作不能期間中に、複数個(3個)の回転リール40のうちで他の2個の回転リール40とは異なる態様となるように回転を行う回転リール40を抽選により決定するためのものである。具体的には、リール決定手段170は、複数個の回転リール40のうちで設定された順番の時に他の回転リール40の現在の態様とは異なる態様となるように回転を行う回転リール40を決定しているものであって、更に、具体的には、リール決定手段170は、複数個の回転リール40のうちで設定された順番の時に回転を開始する回転リール40を抽選により決定しているものである。ここで、設定された順番の時とは、本実施の形態では、3個の回転リール40のうち、第1番目に回転を開始する時に設定されてある。すなわち、リール決定手段170は、第1番目に回転を開始する、いわゆる第1回転開始リールを決定している。もちろん、第1回転開始リールに限定されるものではなく、第2、第3番目に回転を開始する第2回転開始リールや、第3回転開始リールを決定するように形成することもできる。なお、ここでの抽選方法は、当選抽選手段110と同様に所定の契機で乱数を抽出して、その抽出乱数が所定の範囲にあるか否かで判定するものである。
【0045】
また、リール決定手段170は、操作不能期間中、上述したように設定された順番の時に回転を開始する回転リール40を決定するものに限定されるものではない。リール決定手段170は、演出フリーズ中、複数個の回転リール40のうちで、他の回転リール40とは異なる態様となるように回転を行うものを決定するものであればよいものであって、例えば、他の回転リール40とは、回転速度等の回転態様が異なる回転リール40を決定するように形成してもよい。ここで、回転態様が異なるとは、上述したような回転が開始していることではなく、回転速度が他の回転リール40の回転速度と比較して、遊技者が判別することができる程度に速い、或いは遅いものが含まれる。また、当該回転リール40の回転の加速度(角速度)が、他の回転リール40の回転の加速度(角速度)と比較して、遊技者が判別することができる程度に大きい、或いは小さいものが含まれる。また、当該回転リール40の回転の回転速度の変動量が、他の回転リール40の回転の回転速度の変動量と比較して、遊技者が判別することができる程度に大きい、或いは小さいものが含まれる。すなわち、回転リール40の回転速度が高速や低速に大きく変化して、その変化の度合いが、明らかに他の回転リール40と比較して異なるようなものが含まれるものである。
【0046】
更に、上述した「回転態様が異なる」には、一定時間、回転リール40の回転方向が他の回転リール40と比べて逆回転するようなものも含まれる。具体的には、例えば、遊技者が回転リール40を選択して、
第3の所定時間(具体的には例えば2秒)経過した後に、リール決定手段170によって決定された1つの回転リール40が、通常の回転方向とは逆回転で回転を開始すると同時に(或いは遅れて)、残りの他の回転リール40が通常の回転方向と同一方向(順回転)で回転を開始するようなものが含まれる。
また、リール決定手段170が決定する回転リール40は、上述したような回転リール40の回転開始の順序と、回転態様との予め定めた一方が異なるものだけに限定されるものではなく、上述したような回転開始の順序と、回転態様との両方が異なるものも含まれる。すなわち、リール決定手段170は、複数個の回転リール40のうちで設定された順番の時に回転を開始し、且つ、複数個の回転リール40のうちで他の回転リール40とは回転態様(回転速度や、回転加速度や、途中での回転一時停止等の回転態様)が異なる回転リール40を決定するようにしてもよい。
【0047】
また、ここでの回転リール40の回転態様には、回転リール40が回転開始後、定常回転に到達するまでに回転リール40が一時停止するようなものも含まれる。具体的には、例えば、(1)スタートスイッチ30の操作、(2)全回転リール40の回転開始(定常回転となる前の演出フリーズ中)、(3)全回転リール40が一時停止(演出フリーズ中)、(4)遊技者による回転リール40の選択(演出フリーズ中)、(5)予め抽選等により決定されている特定の回転リール40が回転(演出フリーズ中)、(6)遊技者の選択から
第1の所定時間経過後、全回転リール40が定常回転へ移行する。このような(1)〜(6)のような回転態様に設定することもできる。ここでのリール決定手段170は、全回転リール40が一時停止した後の最初に回転を開始する回転リール40を決定している。
【0048】
また、ここでの回転リール40の回転態様には、回転リール40が回転開始後、定常回転に到達するまでに回転リール40の回転速度が変化するようなものも含まれる。具体的には、例えば、(1)スタートスイッチ30の操作、(2)全回転リール40の回転開始(定常回転となる前の演出フリーズ中)、(3)全回転リール40が定常回転時の回転速度とは異なる回転速度(低速又は高速)で回転(演出フリーズ中)、(4)遊技者による回転リール40の選択(演出フリーズ中)、(5)予め抽選等により決定されている特定の回転リール40が、他の2つの回転リール40とは異なる回転速度へ移行(演出フリーズ中)、(6)遊技者の選択から
第1の所定時間経過後、全回転リール40が定常回転へ移行する。このような(1)〜(6)のような回転態様に設定することもできる。ここでのリール決定手段170は、全回転リール40が回転しているときに、他の2つの回転リール40とは異なる回転速度へ移行する回転リール40を決定している。
【0049】
(リール選択手段180)
前記リール選択手段180は、操作不能期間中に、複数個の回転リール40のうちから遊技者が一の回転リール40を選択するためのものである。
前記リール選択手段180は、演出フリーズ中の操作不能期間中に、3個の回転リール40のうちから遊技者が、回転リール40に対応するストップスイッチ50を押下操作することで、一の回転リール40を選択している。本形態では、遊技者が、演出フリーズ中に、回転停止している3個の回転リール40のうちから、最初に回転を開始する一の回転リール40を予測して、それに対応するストップスイッチ50を操作することで、選択できるように形成されている。すなわち、遊技者が選択した回転リール40を、リール選択手段180による選択された回転リール40にしているものである。
【0050】
なお、リール決定手段170が最初に回転を開始する回転リール40を決定するのではなく、他の回転リール40の現在の態様(回転速度等)とは異なる態様となる回転リール40を決定するような場合には、リール選択手段180により選択される回転リール40も、その態様が異なる回転リール40を選択することになる。
(副制御装置22)
前記副制御装置22は、主として演出データに関するものであって、表示部68や報知ランプ69やスピーカー67等の報知手段66を制御するためのものである。前記副制御装置22は、表示部68等の報知手段66の演出データを記憶するROMを有する演出データ記憶手段25と、この演出データ記憶手段25からの各演出データを、RAMに読み込ませて、主制御装置21からの制御信号に基づいて、表示部68等の報知手段66に出力し、各報知手段66を制御するためのものである。
【0051】
前記副制御装置22は、演出データ記憶手段25と、演出決定手段200と、有利状態発生決定手段210と、演出制御手段26とを備えている。
(演出データ記憶手段25)
前記演出データ記憶手段25は、通常の演出に使用される種々の演出データを記憶している。前記演出データ記憶手段25は、操作不能期間中に、回転リール40の数に対応した正解と不正解との選択肢を有する質問を、回転リール40及び質問がそれぞれ対応するように表示部68に表示することができるような演出データとして、記憶している。
ここで、正解と不正解とを有する質問データの内容には、正解を遊技者が容易に推定することができる低難度演出と、正解を推定することが可能であり、その難易度が中程度の中難度演出と、全く正解を推定することは困難な高難度演出の3種類が、予め準備されている。そして、これらのうちから演出決定手段200により提示する演出を決定する。
【0052】
具体的には、低難度演出として、例えば、「1日は、何時間?(20時間:左、24時間:中、28時間:右)」が形成され、中難度演出として、例えば、「キャラクターA,B,Cで最も強いのは誰?(A:左、B:中、C:右)」が形成され、高難度演出として、例えば、「今回遊技で、最初に回る回転リールはどれ?(左、中、右)」がある。
(演出決定手段200)
前記演出決定手段200は、かかる低難度演出、中難度演出、高難度演出の3つの種類のいずれの種類の演出を抽選により選択して表示するかを決定し、更に、それらの3つのうちの選択した例えば中難度演出の予め準備した複数の質問のうちから、具体的に、提示する1つの質問を抽選により選択して決定する。なお、抽選の方法は、当選抽選手段110と同様であって、乱数を抽出して、その抽出した乱数値が予め定めた所定の各範囲に含まれることで、所定の演出が決定される。
【0053】
(有利状態発生決定手段210)
前記有利状態発生決定手段210は、操作不能期間中に、リール決定手段170によって決定された回転リール40と、リール選択手段180によって選択された回転リール40とが一致しているか否かを判断し、一致している場合には、その後、遊技者に有利な遊技状態を発生させ、一致していない場合には、かかる有利な遊技状態を発生させないことを決定するためのものである。ここで、有利な遊技状態とは、いわゆるAT遊技であって、AT遊技を発生させることに決定した場合は、有利状態発生決定手段210は、演出制御手段26へAT遊技へ移行させるための信号を送出して、演出制御手段26が、所定の期間、AT遊技へ移行させる。
【0054】
なお、本実施の形態では、遊技者が選択した回転リール40がリール決定手段170によって決定した回転リール40とが一致している場合には、必ず有利な遊技状態を発生させているが、必ずしもこれに限定されるものではない。そのように回転リール40が一致している場合には、有利状態へ移行することが可能な移行抽選を行って、その移行抽選に当選した場合にだけ、有利状態を発生させるように形成してもよい。
(演出制御手段26)
前記演出制御手段26は、通常の演出において、演出データ記憶手段25からの各演出データを、RAMに読み込ませて、主制御装置21からの制御信号に基づいて、表示部68等の報知手段66に出力し、各報知手段66を制御する。
【0055】
前記演出制御手段26は、操作不能期間中、回転リール40の数(3個)に対応した正解と不正解との選択肢を有する質問を、上述したように、左、中、右の回転リール40と、質問に対する3つの選択肢とがそれぞれ対応するように表示部68に表示するものである。
そして、演出制御手段26は、リール決定手段170で決定された回転リール40に対応する位置に正解となる選択肢を配置する。具体的には、例えば、
図5の右側回転リール45、
図6の中央回転リール44であって、それぞれの上部の表示部68に、正解を意味する「WIN」の文字表示を行う。その文字表示の表示タイミングは、第1回転開始リールの回転が開始した後、僅かに遅れて、表示されるように形成されている。あくまでも第1回転開始リールの回転開始により、遊技者に最初に当選の有無を知らせるためであり、その回転の意味を最終確認させるために文字表示を行っている。もちろん、それに限定されるものではなく、同時に行ってもよく、また報知タイミングを逆にしてもよい。
【0056】
更に、これに加えて、有利状態発生決定手段210が有利な遊技状態の発生を決定し、いわゆるAT遊技へ移行させるための信号を演出制御手段26へ送出してきた場合、演出制御手段26は、所定の期間中、AT遊技を実行させる。
本実施の形態では、当該遊技で、3択チャレンジ演出で、遊技者が第1回転開始リールを選択した場合、当該遊技の1回のみにおいてのみAT遊技へ移行することができるように形成されている。このAT遊技の遊技回数は、上述した1回に限定されるものではなく、当該遊技から30回や、50回や、100回等の所定の回数の遊技回数だけAT遊技へ移行することができるように形成してもよい。また、AT遊技へ移行するタイミングも、当該遊技から移行することに限定されるものではなく、当該遊技の次の遊技からAT遊技へ移行するように形成してもよく、また、AT遊技へ移行することが決定すれば、それ移行の所定の契機から移行するように形成してもよい。具体的には、例えばBB遊技の当選、入賞又は終了、所定の小役等の当選又は入賞、所定の図柄の成立等の所定の契機から、所定の遊技回数だけ移行するように形成してもよい。また、所定の遊技期間中、例えば、BB遊技期間中、RB遊技の期間中、RT遊技の期間中だけAT遊技へ移行するように形成してもよい。
【0057】
(スロットマシン10の動作)
次に、上記構成を備えたスロットマシン10の遊技の通常遊技の動作の概略について、
図7に示したフローを用いて説明する。
先ず、ステップ110において、遊技者により、遊技メダルをメダル投入口18から直接投入するか、または、予めクレジットして最大50枚貯留されているクレジットメダルからベットスイッチ16の操作によりベット投入されるかにより、遊技媒体の投入処理が行われる。なお、特にフロー中に図示していないが、前回遊技で再遊技に入賞した場合には、それらの投入処理の操作をすることなく、投入処理は完了しているものとして、遊技は進行するように形成されている。そして、次のステップ111に進む。
【0058】
ステップ111において、遊技者によりスタートスイッチ30が操作されて、ON状態になっているか否かが判定される。そして、スタートスイッチ30がON状態になっていると判定された場合、次のステップ112に進む。
ステップ112において、当選抽選手段110により、今回の遊技の当選抽選処理が行われる。当選抽選処理は、先ず、当選乱数発生手段111により発生された乱数の中から当選乱数取得手段112により乱数が取得されて内部に記憶される。そして、当選判定手段114により、取得された乱数と抽選テーブル記憶手段113に記憶されている抽選テーブルの当選判定領域データとの比較が行われる。そして、取得された乱数が、抽選テーブル記憶手段113の抽選テーブルのどの当選領域に含まれるか決定され、抽選処理の評価が決定される。そして、その決定に基づいて予め停止させる停止位置を定めた停止テーブルが決定される。なお、抽選方法は、特にこれらの方法に限定されるものではなく、他の乱数発生プログラム等を用いた他の方法で決定するようにしてもよい。そして、次のステップ113に進む。
【0059】
ステップ113において、演出フリーズ発生決定手段190により、演出フリーズを発生させるか否かの演出フリーズ発生抽選処理が行われる。そして、次のステップ114に進む。
ステップ114において、抽選で演出フリーズ発生に当選しているか否かが判定される。そして、演出フリーズに当選していると判定された場合、次のステップ115に進む。
ステップ115において、演出フリーズ処理が行われる。この演出フリーズ処理中は、演出フリーズ期間となって、所定の例外(遊技者が回転リール40を選択するためのストップスイッチ50の操作)を除いて、遊技進行のための操作が不能状態となる操作不能期間となる。そして、次のステップ116に進む。
【0060】
ステップ116において、全ての回転リール40が回転する。すなわち、演出フリーズを発生させて、第1回転開始リールだけ既に回転を開始している場合には、残りの回転していない2個の回転リール40が回転を開始して、全ての回転リール40が回転する。また、遊技間ウェイトが発生して、3個とも回転していない場合には、全ての回転リール40の回転が開始する。結果として、いずれの場合も、全ての回転リール40が回転することになる。そして、次のステップ117に進む。
ステップ117において、遊技者によりストップスイッチ50の操作が行われて、ストップスイッチ50がON状態となる。そして、次のステップ118に進む。
【0061】
ステップ118において、回転リール40の押下操作処理が行われる。この押下操作処理は、当選抽選手段110の抽選結果に対応して選択された停止テーブルに基づいて、回転リール40の停止処理が行われる、いわゆるテーブル停止制御によって実施される。なお、条件判断停止制御や、それらを組み合わせた停止制御によって実施してもよい。そして、次のステップ119に進む。
ステップ119において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたと判定された場合、次のステップ120に進む。
【0062】
ステップ120において、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する入賞図柄が入賞有効ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、次のステップ121に進む。
ステップ121において、入賞時処理が行われる。具体的には、BB移行役に入賞した場合は、メダル払い出しは行われずに遊技状態の移行処理が設定され、リプレイに入賞した場合には、リプレイ処理(当該遊技で投入したメダル枚数と同じ枚数を自動的に次の遊技の投入枚数として投入する処理)が行われ、小役に入賞した場合は、小役の入賞図柄に相当する予め定めた特定の枚数のメダルの払い出し処理が行われる。そして、遊技が終了する。
【0063】
前記ステップ111において、スタートスイッチ30がON状態になっていないと判定された場合、ステップ111の前に戻る。
前記ステップ114において、抽選で演出フリーズに当選していないと判定された場合、次のステップ122に進む。
ステップ122において、遊技間ウェイト処理が行われる。そして、次のステップ116に進む。
前記ステップ119において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われていないと判定された場合、ステップ117に戻る。
【0064】
前記ステップ120において、入賞していないと判定された場合、ステップ121を飛び越して、遊技が終了する。
図7のフローのステップ115の演出フリーズ処理について、
図8のフローを用いて説明する。
ステップ210において、リール決定手段170により第1回転開始リールの抽選処理が行われる。なお、これに限らず、第2回転開始リールや、第3回転開始リールを決定してもよく、また、必ずしも回転開始する回転リール40ではなく、他の回転リール40と回転速度等の回転態様が異なるようになる回転リール40を抽選で決定するようにしてもよい。そして、次のステップ211に進む。
【0065】
ステップ211において、演出決定手段200により、複数の質問データから実際に遊技者に表示する質問を選択するための質問データ抽選処理が行われる。そして、次のステップ212に進む。
ステップ212において、
図3に示すような3択チャレンジ演出が報知手段66により行われる。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、停止させるための押下操作、いわゆる停止操作を実行したか否かが判定される。押下操作を実行したと判定された場合、
図4に示すように、操作不能期間中に、ストップスイッチ50を押下操作することで、遊技者が予想する第1回転開始リールを選択することができ、遊技者が押下操作したストップスイッチ50に対応する回転リール40上の表示部68に、「右リールを選択!!」等の文字表示が行われ、選択しなかった回転リール40の上に「非選択」等の文字が表示される。そして、次のステップ214に進む。
【0066】
ステップ214において、有利状態発生決定手段210により遊技者が第1回転開始リールを選択したか否かが判定される。そして、第1回転開始リールを遊技者が選択したと判定された場合には、次のステップ215に進む。
ステップ215において、AT遊技への移行が確定する。なお、本実施の形態では、当該遊技からAT遊技へ移行するが、必ずしもこれに限定されることなく、次の遊技や、或いは、所定の遊技回数以後や、所定の契機から移行するように形成してもよい。また、本実施の形態の本ステップでは、AT遊技の移行が確定するが、特にこれに限定されることなく、本ステップにおいてAT遊技への移行当選役が当選した状態となって、当該遊技の停止させるための押下操作でAT遊技の移行当選役の図柄を入賞有効ライン上に停止させることができて、AT遊技の移行当選役に入賞した場合に、AT遊技への移行が確定するように形成してもよい。そして、次のステップ216に進む。
【0067】
ステップ216において、演出フリーズ用第1タイマー132がセットされる。すなわち、演出フリーズ用第1タイマー132が、タイマーの時間(具体的には、2秒)の計測を開始する。そして、次のステップ217に進む。
ステップ217において、演出フリーズ用第1タイマー132のタイマー時間である2秒が経過したか否かが判定される。そして、
第3の所定時間が経過したと判定された場合には、次のステップ218に進み、
第3の所定時間が経過していないと判定された場合には、ステップ217の前に戻る。
ステップ218において、第1回転開始リールの回転が開始される。本実施の形態では、いきなり、第1回転開始リールを回転させているが、第1回転開始リールを回転させる直前に、全回転リール40を僅かな距離だけ回転と逆回転を繰り返し、上下に振動させるようにしてもよい。これにより、第1回転開始リールの回転開始に緊張感を与えることができる。そして、次のステップ219に進む。
【0068】
ステップ219において、報知手段66による演出報知処理が行われる。そして、次のステップ220に進む。
ステップ220において、演出フリーズ用第2タイマー133がセットされる。すなわち、演出フリーズ用第2タイマー133が、タイマーの時間(具体的には、3秒)の計測を開始する。そして、次のステップ221に進む。
ステップ221において、演出フリーズ用第2タイマー133のタイマー時間である3秒が経過したか否かが判定される。そして、
第4の所定時間が経過したと判定された場合には、当該処理が終了し、所定時間が経過していないと判定された場合には、ステップ221の前に戻る。
【0069】
前記ステップ213において、停止させるための押下操作を実行していないと判定された場合、ステップ212に戻る。
前記ステップ214において、第1回転開始リールを遊技者が選択していなと判定された場合には、次のステップ222に進む。
ステップ222において、今回の演出フリーズ中の結果ではAT遊技へ移行しないことが確定する。したがって、AT遊技への移行は、今回の結果からはない。そして、次のステップ216に進む。
なお、ここで、ステップ214、ステップ215及びステップ222のATに移行するか否かの判断処理を、それらのステップでは行わずに、ステップ218の後に行うようにしてもよい。具体的には、有利状態発生決定手段210が、遊技者が選択した回転リール40がステップ218において実際に回転した回転リール40であるか否かにより判定するものである。そして、有利状態発生決定手段210は、遊技者が選択した回転リール40がステップ218において実際に回転した回転リール40である場合には、AT遊技への移行を確定させ、遊技者が選択した回転リール40がステップ218において実際に回転した回転リール40でない場合には、AT遊技へ移行せずに確定させるものである。これは、主制御装置21への不正操作を防止する観点から主制御装置21から副制御装置22への信号出力は可能だが、副制御装置22から主制御装置21への信号出力は不可能となるように信号出力の流れが制限されている。このような制限下、ステップ214、215において、AT遊技への移行が確定したとしても、ステップ218で主制御装置21のプログラムバグ等により、ステップ210で決定された回転リール40とは異なる回転リール40が回転するような事態が発生し、表面的には、不正解なのにAT遊技へ移行してしまうような不具合が発生する可能性がある。そこで、AT遊技に移行するか否かの判断処理を、ステップ218の後に行うことで、実際に回転した回転リール40で判定することにより、そのような不具合の発生を防止することができる。
【0070】
図8のフローのステップ219の報知手段による演出報知処理について、
図9のフローを用いて説明する。
ステップ310において、遊技者が選択した回転リール40に対応する表示部68の強調演出が行われる。具体的には、
図5及び
図6の場合、いずれも遊技者が選択した回転リール40は、右側回転リール45であるので、それに対応する表示部68の右側の部分が他の部分と比較して、光量が強くなるように強調された演出となる。そして、次のステップ311に進む。
なお、ここで、強調演出は、光量が強くなるだけではなく、当該部分だけが点灯して他の部分が消灯したり、該当部分が点滅する等により、行ってもよい。
【0071】
また、ここで、
図5の場合、第1回転開始リールは、右側回転リール45であるので、第1回転開始リールと、遊技者が選択した回転リール40とが一致し、AT遊技への移行が確定しているものである。また、
図6の場合、第1回転開始リールは、中央回転リール44であるので、第1回転開始リールと、遊技者選択した回転リール40とが不一致となり、AT遊技へ移行することは決定されないものである。
ステップ311において、AT遊技への移行に確定したか否かが判定される。そして、AT遊技への移行に確定していると判定された場合、次のステップ312に進む。
ステップ312において、小役A(赤7、ベル、ベル)、小役B(青7、ベル、ベル)、小役C(白7、ベル、ベル)のうち、いずれかの小役に当選しているか否かが判定される。そして、小役A、B、Cのいずれかに当選していると判定された場合、次のステップ313に進む。
【0072】
ステップ313において、小役A、B、Cのうちの当選している小役を具体的に、指定して遊技者に報知する。そして、当該処理が終了する。
前記ステップ311において、AT遊技への移行に確定していないと判定された場合、当該処理が終了する。
前記ステップ312において、小役A、B、Cのいずれにも当選していないと判定された場合、当該処理が終了する。
図7のステップ122の遊技間ウェイト処理について、
図10のフローを用いて説明する。
【0073】
ステップ410において、計時手段130の遊技間ウェイト用タイマー131による計時Tが前回遊技からの遊技制限時間の4.1秒に到達しているか否かが判定される。そして、計時Tが遊技制限時間に到達していないと判定された場合、次のステップ411に進む。
ステップ411において、ウェイト時間Wが設定される。具体的には、ウェイト時間Wは、遊技制限時間の4.1秒から計時時間Tを減算した値である。そして、次のステップ412に進む。
ステップ412において、計時Tが、遊技制限時間の4.1秒に到達したか否か、すなわち、ウェイト時間Wが、0秒になって、ウェイト時間(操作不能期間)が終了したか否かが判定される。そして、計時時間Tが4.1秒に到達している、すなわち、ウェイト時間(操作不能期間)が終了していると判定された場合、当該処理が終了する。
【0074】
前記ステップ410において、計時Tが遊技制限時間に到達していると判定された場合、当該処理が終了する。
前記ステップにおいて、計時時間Tが4.1秒に到達していない、すなわち、ウェイト時間(操作不能期間)が終了していないと判定された場合、ステップ412の前に戻る。
(作用)
本実施の形態によれば、リール決定手段170によって操作不能期間中、スロットマシン10が決定した第1回転開始リールと、リール決定手段170によって遊技者が自ら選択した回転リール40とが一致したときに、遊技者に有利な遊技状態であるAT遊技への移行確定状態を発生させる。これにより、遊技者の自らの力により有利状態であるAT遊技を発生させることができたという達成感を得ることができる。
【0075】
また、操作不能期間中、遊技者がリール選択手段180による回転リール40の選択後の
第1の所定時間(具体的には5秒)経過後に、操作不能期間が解除される。
具体的には、操作不能期間中、遊技者がリール選択手段180による回転リール40の選択が行われて
第3の所定時間(具体的には2秒)経過後、回転リール40の第1回転開始リールの回転開始が行われる。そして、回転開始後の
第4の所定時間(具体的には3秒)経過後に、全部の回転リール40の回転が行われ、予め定めた一定の回転速度で回転し、操作不能期間が解除される。このように遊技者のストップスイッチ50による回転リール40の選択操作を契機として、その後の演出や遊技進行が行われることより、遊技者に自ら遊技の進行を操作している感じを付与することができる。
【0076】
また、本実施の形態では、各回転リール40とが対応するように表示し、リール決定手段170で決定された回転リール40に対応する位置に正解となる選択肢を配置している。そして、正解と不正解との選択肢を有する質問のうち、正解が容易に判る低難度演出と、正解を推定することが可能な中難度演出との場合には、正解の位置の回転リール40は、その問題を遊技者に表示した以後は、遊技者がリール選択手段180によって選択した後も含めて、スロットマシン10の制御によって変更することは不可能となる。これにより、遊技者がリール選択手段180によって選択した後に、スロットマシン10側の制御により、遊技者の選択結果を見て、遊技者が選択したリール以外の回転リール40を、最初に回転させているのではないかという疑念を払拭させることができ、遊技の公平性及び信頼性を高め、安心感を遊技者に与えることができる。
【0077】
上述した実施の形態において、遊技者が第1回転開始リールを選択しない限り、遊技が進行しないように形成されているが(ステップ213)、特にこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、演出フリーズが発生してから
第2の所定時間(具体的には、例えば5秒)が経過しても、遊技者が3択チャレンジの選択の押下操作をしない場合には、通常と同じ態様(演出フリーズが発生しない場合と同じ態様)で回転リール40を回転させるように形成してもよく、また、特定の回転リール40(例えば、左側回転リール43)を遊技者が選択したものとして処理を
進めるように形成してもよい。
(変形例)
上述した実施の形態では、リール決定手段170は、操作不能期間中に、複数個の回転リール40のうちで設定された順番の時に他の回転リール40の現在の態様とは異なる態様となるように回転を行う回転リール40、具体的には、所定の順番の時に回転を開始する回転リール40を決定していたが、特にこれに限定されるものではない。リール決定手段170は、操作不能期間中に、他の回転リール40とは異なる態様となるように回転を行う回転リール40を決定するようなものでもよい。具体的には、演出フリーズ中に、全部の回転リール40が同時に回転を開始するが、1の回転リール40は、他の回転リール40とは異なる態様で回転を開始し、遊技者が選択した1の回転リール40と、前記異なる態様で回転を開始した回転リール40が一致したときに、有利な状態を発生可能なものである。
【0078】
更に、具体的には、例えば、(1)スタートスイッチ30の操作、(2)回転リール40が回転せず(演出フリーズ中)、(3)遊技者による回転リール40の選択(演出フリーズ中)、(4)全部の回転リール40が回転開始するが、リール決定手段170により決定された1の回転リール40が他の回転リール40とは「異なる態様」で回転開始(演出フリーズ中)、(5)
遊技者の選択から第1の所定時間経過後、全部の回転リール40が定常回転へ移行する。このような(1)〜(5)のような処理が行われるようなものが含まれる。なお、「異なる態様」は、上述した実施の形態の(リール決定手段170)の説明箇所で説明した種々の異なる回転態様の事例が適用可能なものである。