(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態である導光レンズを用いた車両用前照灯としての車両用灯具ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態である導光レンズ14を用いた車両用前照灯としての車両用灯具ユニット10の斜視図、
図2(a)は光源12(基準位置p1)の正面図、
図2(b)は光源12(シフト位置p2)の正面図、
図3(a)は北米向けに後方レンズ面24全てに対して反射面28a〜28cを形成した導光レンズ14の縦断面図、
図3(b)は北米向けに後方レンズ面24全てに対して反射面28a〜28cを形成した導光レンズ14の背面図である。
【0020】
図1、
図3(a)に示すように、本実施形態の車両用灯具ユニット10は、光源12、導光レンズ14等を備えている。
【0021】
光源12は、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイオード)等の半導体発光素子、白熱電球その他の光源である。
【0022】
本実施形態では、光源12として、LEDチップ(例えば青色光を放出するLEDチップ)とこれを覆う蛍光体(例えばYAG等の黄色蛍光体)とを組み合わせた構造で、
図2(a)に示すように、矩形の発光面12a(例えば、1mm角の発光面)を備えた4つの白色LED光源を用いている。LEDチップからの光(例えば青色光)が照射された蛍光体は、LEDチップからの光(例えば青色光)により励起される光(例えば黄色光)と蛍光体を透過するLEDチップからの光との混色による白色光を放出する。なお、光源は4つに限られず、1〜3又は5つ以上であってもよい。
【0023】
図1〜
図3に示すように、4つの白色LED光源12は、それぞれの発光面12aを上向きとし、それぞれの一辺を車両前後方向に延びる光軸AXに直交する水平線に沿わせ、車幅方向(光軸AXに直交する水平線が延びる方向)に所定間隔をおいて一列に並べた状態で、保持部材16(例えばヒートシンク)の上面に固定された基板18上に実装されて、導光レンズ14の焦点F(本実施形態では、便宜上、光学設計上の基準点(光学的中心)を焦点と称する)近傍に配置されている。これにより、車幅方向に長い矩形の発光面(1mm角の発光面×4)が構成されている。光軸AXは、車幅方向に関し、一列に並べた4つの白色LED光源12の略中央を通っている(基準位置p1。
図2(a)参照)。
【0024】
4つの白色LED光源12は、基準位置p1(
図2(a)参照)又は基準位置p1に対して車幅方向(光軸AXに直交する水平線が延びる方向)に距離h分左側へ移動したシフト位置p2(
図2(b)参照)のいずれかに位置させられる。距離hは、後述の上反射面28aの反射面形状によって適正な寸法が定められる。
【0025】
このように、4つの白色LED光源12を基準位置p1又はシフト位置p2のいずれかに位置させるための機構としては、例えば、車幅方向(光軸AXに直交する水平線が延びる方向)に延びるガイド部材(図示せず)を設け、保持部材16を、このガイド部材に沿って車幅方向(光軸AXに直交する水平線が延びる方向)にスライド移動可能に装着したガイド機構を用いることが考えられる。
【0026】
このガイド機構によれば、4つの白色LED光源12が実装された基板18が固定された保持部材16をガイド部材に沿って車幅方向(光軸AXに直交する水平線が延びる方向)に、導光レンズ14に対してスライド移動させることで、4つの白色LED光源12を基準位置p1又はシフト位置p2のいずれかに位置させることが可能となる。そして、基準位置p1又はシフト位置p2のいずれかにおいて、保持部材16とガイド部材とをネジ等の公知の手段で固定することで、4つの白色LED光源12を基準位置p1又はシフト位置p2のいずれかに固定することが可能となる。
【0027】
図1、
図3(a)に示すように、導光レンズ14は、その表面に、少なくとも、光源12からの光が入光する入光面20、車両前方側に配置される出光面22、車両後方側に配置される後方レンズ面24等を含んでいる。
【0028】
導光レンズ14は、透明樹脂(アクリルやポリカーボネイト等)を、金型に注入し、冷却、固化させることで一体成形されている。なお、導光レンズ14の材質は、透明樹脂(アクリルやポリカーボネイト等)以外の、例えば、ガラスであってもよい。
【0029】
導光レンズ14は、装飾部材であるエクステンション、ハウジング又は車体フレーム(いずれも図示せず)等に公知の手段で固定されて、入光面20が光源12の前方(
図1、
図3(a)中上方)に配置され、出光面22が車両前方側に配置され、後方レンズ面24が車両後方側に配置されている。
【0030】
入光面20は、光源12からの光が導光レンズ14内に入光するレンズ面で、導光レンズ14側に凹んだ球形状のレンズ面として、導光レンズ14の底面26に形成されている。入光面20の球中心は光源12近傍に位置している。従って、光源12からの光は、ほとんど屈折することなく、導光レンズ14内に入光する。なお、入光面20は、光源12からの光が導光レンズ14内に入光するレンズ面であればよく、球面形状のレンズ面に限定されない。
【0031】
出光面22は、入光面20から導光レンズ14内に入光し後述の反射面28a〜28cで反射された光源12からの光が出射するレンズ面で、例えば、光軸AXに直交する平面形状のレンズ面である。なお、出光面22は、入光面20から導光レンズ14内に入光し後述の反射面28a〜28cで反射された光源12からの光が屈折せずに(又はほとんど屈折せずに)出射するように設計されたレンズ面であってもよいし、又は、入光面20から導光レンズ14内に入光し後述の反射面28a〜28cで反射された光源12からの光が予め定められた方向に屈折して出射するように設計されたレンズ面であってもよい。
【0032】
出光面22の外形は、正面視で四角形であってもよいし、円形、楕円形、多角形又はその他の形状であってもよい。出光面22の外形は、車両デザインにあわせて、適宜の形状とすることが可能である。
【0033】
後方レンズ面24は、焦点Fが光源12近傍に設定された放物面形状の反射面で、底面26の後端縁から上方に延びて光源12の前方(
図1、
図3(a)中上方)を覆っている。後方レンズ面24は、上レンズ面24a、中レンズ面24b、下レンズ面24cを含んでいる。上レンズ面24a及び中レンズ面24bが本発明の第1レンズ面に相当し、下レンズ面が本発明の第2レンズ面に相当する。なお、後述の上反射面28a及び中反射面28bが本発明の第1反射面に相当し、後述の下反射面28cが本発明の第2反射面に相当する。
【0034】
上レンズ面24aは、入光面20から導光レンズ14内に入光した光源12からの光が透過するレンズ面で、これに対してコーティング(アルミ蒸着又は増反射膜や銀蒸着等)を施すことで、当該上レンズ面24aに密着してこれを覆うとともに、上レンズ面24aの面形状に基づく反射面形状の上反射面28aが形成されている(
図3(b)参照)。
図3(b)中ハッチングは、コーティングを施した領域を示している。
【0035】
上反射面28aは、上レンズ面24aに密着してこれを覆うことで、上レンズ面24aの面形状に基づく反射面形状の反射面(すなわち、上レンズ面24aの面形状が転写された反射面形状の反射面)となる。
【0036】
具体的には、上反射面28aは、焦点が光源12近傍に設定され、車両前後方向に延びる光軸AX(中心軸)を持つ放物面系の反射面(回転放物面又はこれに類する自由曲面等)となる。
【0037】
入光面20から導光レンズ14内に入光し上反射面28aで反射される基準位置p1に位置した光源12からの光(例えば、光源12の複数の像)は、出光面22を透過して前方に照射され、車両前面(出光面22)に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、
図4(a)に示すように、カットオフライン(水平方向に延びる左カットオフラインCL
L、その右端から斜め右上に延びる斜めカットオフラインCL
S及びその上端から水平方向に延びる右カットオフラインCL
R)を含む第1配光パターンP1を形成する。
図4(a)は北米向けに後方レンズ面24全てに対して反射面28a〜28cを形成した導光レンズ14により形成される配光パターン例である。
【0038】
第1配光パターンP1は、斜めカットオフラインCL
Sと右カットオフラインCL
Rとの交点E
US(左右位置の基準となる上端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成される。カットオフライン(左カットオフラインCL
L、カットオフラインCL
S及び右カットオフラインCL
R)は、例えば、
図5に示すように、光源12の複数の像12´を反転投影することで形成される。
図5はカットオフラインを形成する光源12の複数の像12´の例である。
【0039】
上レンズ面24a(上反射面28a)は、光源12の光軸AX
12(中心軸)上に配置されている。従って、上レンズ面24a(上反射面28a)には、光源12の光軸AX
12に対して狭角方向に放出される相対的に高い光度の光Ray1が入射する(
図3(a)参照)。従って、上反射面28aからの反射光Ray1により形成される第1配光パターンP1は、高照度のパターンとなる。
【0040】
中レンズ面24bは、入光面20から導光レンズ14内に入光した光源12からの光が透過するレンズ面で、これに対してコーティング(アルミ蒸着又は増反射膜や銀蒸着等)を施すことで、当該中レンズ面24bに密着してこれを覆うとともに、中レンズ面24bの面形状に基づく反射面形状の中反射面28bが形成されている(
図3(b)参照)。
【0041】
中反射面28bは、中レンズ面24bに密着することで、中レンズ面24bの面形状に基づく反射面形状の反射面(すなわち、中レンズ面24bの面形状が転写された反射面形状の反射面)となる。
【0042】
具体的には、中反射面28bは、焦点が光源12近傍に設定され、車両前後方向に延びる光軸AX(中心軸)を持つ放物面系の反射面(回転放物面又はこれに類する自由曲面等)となる。
【0043】
入光面20から導光レンズ14内に入光し中反射面28bで反射される基準位置p1に位置した光源12からの光(例えば、光源12の一つの像)は、出光面22を透過して前方に照射され、車両前面(出光面22)に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、
図4(a)に示すように、第1配光パターンP1より水平方向及び鉛直方向に拡散し、かつ、水平方向に延びるカットオフラインCLが左カットオフラインCL
Lに一致した第2配光パターンP2を形成する。
【0044】
中レンズ面24b(中反射面28b)には、当該中レンズ面24bが上レンズ面24aの下方に配置されている関係で、光源12の光軸AX
12に対して広角方向に放出される相対的に低い光度の光Ray2が入射する(
図3(a)参照)。また、第2配光パターンP2は、水平方向及び鉛直方向に拡散される。従って、中反射面28bからの反射光Ray2により形成される第2配光パターンP2は、第1配光パターンP1と比べ、水平方向及び鉛直方向に大きくかつ低照度のパターンとなる。
【0045】
上記各配光パターンP1、P2は
図4(a)に示すように重畳される。これにより、第1配光パターンP1の照度が高く、第2配光パターンの照度が低い遠方視認性に優れた合成配光パターン(すれ違いビーム用配光パターン)が形成される。
【0046】
下レンズ面24cは、入光面20から導光レンズ14内に入光した光源12からの光が透過するレンズ面で、下レンズ面24cの面形状に基づく反射面形状の下反射面28cが選択的に形成されるレンズ面である。
【0047】
例えば、北米向けの配光パターンを形成する場合には、下レンズ面24cに対してコーティング(アルミ蒸着又は増反射膜や銀蒸着等)を施すことで、当該下レンズ面24cに密着してこれを覆うとともに、下レンズ面24cの面形状に基づく反射面形状の下反射面28cを形成する(
図3(b)参照)。
【0048】
下反射面28cは、下レンズ面24cに密着してこれを覆うことで、下レンズ面24cの面形状に基づく反射面形状の反射面(すなわち、下レンズ面24cの面形状が転写された反射面形状の反射面)となる。
【0049】
具体的には、下反射面28cは、焦点が光源12近傍に設定され、光源近傍を通って車両前後方向に延びる光軸AX(中心軸)を持つ放物面系の反射面(回転放物面又はこれに類する自由曲面等)となる。
【0050】
入光面20から導光レンズ14内に入光し下反射面28cで反射される基準位置p1に位置した光源12からの光Ray3(例えば、光源12の一つの像)は、出光面22を透過して前方に照射され、車両前面(出光面22)に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、
図4(a)に示すように、矩形領域Aを照射する第3配光パターンP3を形成する。
【0051】
図6は北米及び欧州で法規が定める要求値(測定箇所及び光度値)を説明するための図である。
【0052】
図6に示すように、北米では、道路標識等を照明する目的で、仮想鉛直スクリーン上の、右1度、上0.5度の位置と右3度、上0.5度の位置を結ぶ線領域A1、及び、右1度、上1.5度の位置と右3度、上1.5度の位置を結ぶ線状領域A2を一定値以上の光度とすることが法規により求められている。矩形領域Aは、線領域A1、A2をカバーする矩形領域とされている(
図4(a)参照)。
【0053】
北米向けの配光パターンを形成する場合には、光源12を基準位置p1に位置させてこの位置に固定することとなる(
図2(a)参照)。これにより、第1配光パターンP1は、斜めカットオフラインCL
Sと右カットオフラインCL
Rとの交点E
US(左右位置の基準となる上端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成される(
図4(a)参照)。
【0054】
以上のようにして、各配光パターンP1〜P3が重畳され、かつ、斜めカットオフラインCL
Sと右カットオフラインCL
Rとの交点E
US(左右位置の基準となる上端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した、北米に最適化された合成配光パターンを形成することが可能となる(
図4(a)参照)。
【0055】
図3(c)は欧州向けに後方レンズ面24のうち上レンズ面24a、中レンズ面24bに対してのみ反射面28a、28bを形成した導光レンズ14の縦断面図、
図3(d)は欧州向けに後方レンズ面24のうち上レンズ面24a、中レンズ面24bに対してのみ反射面28a、28bを形成した導光レンズ14の背面図である。
【0056】
欧州では、線領域A1、A2を一定値以上の光度とすることは求められていない。従って、欧州向けの配光パターンを形成する場合には、下レンズ面24cに対してコーティング(アルミ蒸着又は増反射膜や銀蒸着等)を施さず、下レンズ面24cを素通しのレンズ面のままとする(
図3(d)参照)。
図3(d)中ハッチングは、コーティングを施した領域を示している。
【0057】
これにより、下レンズ面24cに向かう光Ray3は当該下レンズ面24cを透過して導光レンズ14外へ放出されることとなるため(
図3(c)参照)、上記各配光パターンP1、P2のみが重畳された合成配光パターンが形成される(
図4(b)参照)。
図4(b)は欧州向けに後方レンズ面24のうち上レンズ面24a、中レンズ面24bに対してのみ反射面28a、28bを形成した導光レンズ14により形成される配光パターン例である。
【0058】
欧州向けの配光パターンを形成する場合には、光源12を基準位置p1に対して車幅方向(光軸AXに直交する水平線が延びる方向)に距離h分左側へ移動したシフト位置p2に位置させてこの位置に固定することとなる(
図2(b)参照)。これにより、光源12と上反射面28aの焦点との相対的な位置関係が変化し、第1配光パターンP1は、仮想鉛直スクリーン上で距離hに対応した距離分右側へ移動し、左カットオフラインCL
Lと斜めカットオフラインCL
Sとの交点E
EC(左右位置の基準となる下端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成される(
図4(b)参照)。
【0059】
一般的に、配光パターンを仮想鉛直スクリーン上で水平方向に移動させるには、車両用灯具ユニット自体を、鉛直軸を中心に左右方向に回転(スイブル)させる必要がある。しかしながら、車両用灯具ユニットを回転(スイブル)させると、車両用灯具ユニットを構成するレンズ(例えば、投影レンズ)とその周囲に配置された部材(例えば、エクステンション)との相対的な位置関係が変化し、見栄えが変化するという問題がある。
【0060】
これに対して、本実施形態においては、導光レンズ14は固定されており、この固定された導光レンズ14に対して光源12を移動させることで、第1配光パターンP1を移動させる構成であるため、第1配光パターンP1の移動に際して、導光レンズ14とその周囲に配置された部材(例えば、エクステンション)との相対的な位置関係が変化し、見栄えが変化するのを防止することが可能となる。
【0061】
以上のようにして、各配光パターンP1、P2のみが重畳され、かつ、左カットオフラインCL
Lと斜めカットオフラインCL
Sとの交点E
EC(左右位置の基準となる下端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した、欧州に最適化された合成配光パターンを形成することが可能となる。
【0062】
以上、本発明の第1レンズ面として、2つのレンズ面(上レンズ面24a及び中レンズ面24b)を例に説明したが、本発明の第1レンズ面は、2つのレンズ面に限られず、例えば、1つのレンズ面であってもよいし、3つ以上のレンズ面であってもよい。3つ以上のレンズ面を用いれば、複数の配光パターンが重畳され、中心の配光パターンの照度が最も高く、中心から周囲に向かうに従って照度がグラデーション状に低くなる遠方視認性に優れた合成配光パターン(すれ違いビーム用配光パターン)を形成することが可能となる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、一つの導光レンズ14の下レンズ面24cに対して下反射面28cを選択的に形成することで、国又は地域ごとに最適化された配光パターン(
図4(a)に示す北米向けの配光パターン又は
図4(b)に示す欧州向けの配光パターン)を形成することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、従来より少ない部品点数(一つの導光レンズ14)で国又は地域ごとに最適化された配光パターンを形成することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態によれば、下レンズ面24cに下反射面28cを形成することで、上レンズ面24a及び中レンズ面24bに形成された上反射面28a及び中反射面28bからの反射光Ray1、Ray2により形成される第1配光パターンP1及び第2配光パターンP2に加え、下レンズ面24cに形成された下反射面28cからの反射光Ray3により形成される第3配光パターンP3を含む北米向けの配光パターンを形成することが可能となる(
図4(a)参照)。
【0065】
また、本実施形態によれば、下レンズ面24cに下反射面28cを形成しないことで(すなわち、下レンズ面24cをいわゆる素通しのレンズ面とすることで)、上レンズ面24a及び中レンズ面24bに形成された上反射面28a及び中反射面28bからの反射光Ray1、Ray2により形成される第1配光パターン及び第2配光パターンのみからなる欧州向けの配光パターンを形成することが可能となる(
図4(b)参照)。
【0067】
上記実施形態では、北米向けの配光パターンが、斜めカットオフラインCL
Sと右カットオフラインCL
Rとの交点E
US(左右位置の基準となる上端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成される第1配光パターンP1である例について説明したが、本発明は、これに限定されない。
【0068】
北米では、斜めカットオフラインCL
Sと右カットオフラインCL
Rとの交点E
US(左右位置の基準となる上端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成されることは、法規で求められていない(本実施形態では、遠方視認性を向上させるために、斜めカットオフラインCL
Sと右カットオフラインCL
Rとの交点E
US(左右位置の基準となる上端エルボー)を鉛直線V−V上に位置させている)。
【0069】
一方、欧州では、左カットオフラインCL
Lと斜めカットオフラインCL
Sとの交点E
EC(左右位置の基準となる下端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成されることが、法規で求められている。
【0070】
従って、北米向けの配光パターンは、欧州向け配光パターン、すなわち、左カットオフラインCL
Lと斜めカットオフラインCL
Sとの交点E
EC(左右位置の基準となる下端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成される配光パターンP1(
図4(b)参照)を共用することが可能である。例えば、4つの白色LED光源12をシフト位置p2に相当する位置に固定したままとすることで、左カットオフラインCL
Lと斜めカットオフラインCL
Sとの交点E
EC(左右位置の基準となる下端エルボー)が鉛直線V−V上に位置した状態で形成される配光パターンP1(
図4(b)参照)を共用することが可能となる。
【0071】
このようにすれば、北米向け配光パターンの水平線H−Hと鉛直線V−Vとの交点付近の照度が若干低下するものの、4つの白色LED光源12を基準位置p1又はシフト位置p2のいずれかに位置させるためのガイド機構を省略することが可能となる。
【0072】
本変形例によっても、上記実施形態と同様、一つの導光レンズ14の下レンズ面24cに対して下反射面28cを選択的に形成することで、国又は地域ごとに最適化された配光パターンを形成することが可能となる。すなわち、本変形例によっても、従来より少ない部品点数(一つの導光レンズ14)で国又は地域ごとに最適化された配光パターンを形成することが可能となる。
【0073】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。