(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SGTは、柱状半導体の側面を取り囲むようにチャネル領域を設けるため、大きいゲート幅を小さい占有面積内に実現する。すなわち、小さい占有面積に大きなオン電流を流すことが求められる。大きなオン電流が流れるため、ソース、ドレインの抵抗が高いと、ソース、ドレインに所望の電圧を印加することが難しくなる。そのため、ソース、ドレインの低抵抗化のための設計を含むSGTの製造方法が必要となる。また、大きなオン電流が流れるため、コンタクトの低抵抗化が必要となる。
【0005】
従来のMOSトランジスタにおいて、ゲート電極は、ゲート材を堆積し、リソグラフィーによりゲートパターンを基板上のレジストに転写しゲート材をエッチングすることにより、形成される。すなわち、従来のMOSトランジスタにおいて、ゲート長はゲートパターンにより設計される。一方、SGTにおいては、柱状半導体の側面がチャネル領域であるため、基板に対して垂直に、電流が流れる。すなわち、SGTにおいて、ゲート長は、ゲートパターンにより設計されず、製造方法により設計されるため、製造方法によりゲート長とゲート長のばらつきが決定される。
【0006】
SGTにおいて、微細化に伴って発生するリーク電流の増大を抑えるために、柱状半導体の直径を小さくすることが求められる。また、ソース、ドレインの最適化を行うことによりショートチャネル効果を抑制しリーク電流を抑えることができる製造方法が必要となる。
【0007】
柱状半導体層の直径を小さくすると、柱状半導体層の上部に形成されるコンタクトより柱状半導体層の直径が小さくなる。この場合、柱状半導体層上に形成されるコンタクトのエッチング時にオーバーエッチが加わると、柱状半導体層上のコンタクトと柱状半導体層の周囲に形成されているゲート電極のショートが発生しやすくなる。
【0008】
本発明は、柱状半導体層上のコンタクトと柱状半導体層の周囲に形成されるゲート電極のショートを抑制するためのコンタクトの構造と製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、上方に平面状半導体層及び該平面状半導体層上の柱状半導体層が形成された基板を用意する工程と、前記柱状半導体層の下部と前記平面状半導体層に第1のソース又はドレイン領域を形成する工程と、前記柱状半導体層の周囲にゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、前記柱状半導体層の上部に第2のドレイン又はソース領域を形成する工程と、その後に表面にコンタクトストッパー膜を成膜する工程と、その後に表面にコンタクト層間膜を成膜する工程と、前記第2のドレイン又はソース領域上に第1のコンタクトを形成する工程とを含み、前記第1のコンタクトを形成する工程は、前記第1のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第1のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第1のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存する前記コンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面の前記基板への投影面は、前記柱状半導体層の上面及び側面に形成された前記コンタクトストッパー膜の前記基板への投影形状の外周内に位置することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0010】
好ましくは、前記第1のソース又はドレイン領域上に第2のコンタクトを形成する工程をさらに含み、前記第2のコンタクトを形成する工程は、前記第2のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第2のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第2のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存する前記コンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面が前記基板にほぼ垂直となるように形成され、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも大きくなるように形成される。
【0011】
好ましくは、前記第1のソース又はドレイン領域上に第2のコンタクトを形成する工程と、前記ゲート電極から延在するゲート配線上に第3のコンタクトを形成する工程をさらに含み、前記第2のコンタクトを形成する工程は、前記第2のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第2のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第2のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存する前記コンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第3のコンタクトを形成する工程は、前記第3のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第3のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第3のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存する前記コンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の側面が前記基板にほぼ垂直となるように形成され、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも大きくなるように形成される。
【0012】
好ましくは、前記第1のソース又はドレイン領域上に第2のコンタクトを形成する工程と、前記ゲート電極から延在するゲート配線上に第3のコンタクトを形成する工程をさらに含み、前記第2のコンタクトを形成する工程は、前記第2のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第2のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第2のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存する前記コンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第3のコンタクトを形成する工程は、前記第3のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第3のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第3のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存する前記コンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面が前記基板にほぼ垂直となるように形成され、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも大きくなるように形成される。
【0013】
好ましくは、前記第1のソース又はドレイン領域上に第2のコンタクトを形成する工程と、前記ゲート電極から延在するゲート配線上に第3のコンタクトを形成する工程をさらに含み、前記第1のコンタクトを形成する工程、前記第2のコンタクトを形成する工程及び前記第3のコンタクトを形成する工程は、第1のレジストを塗布し、リソグラフィーを用いて第1のレジストにより前記第1のコンタクト及び前記第3のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第1のコンタクト及び前記第3のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔及び第3のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、第2のレジストを塗布し、リソグラフィーを用いて第2のレジストにより前記第2のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第2のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第2のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存するコンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面が前記基板にほぼ垂直となるように形成され、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも大きくなるように形成される。
【0014】
好ましくは、前記第1のソース又はドレイン領域上に第2のコンタクトを形成する工程と、前記ゲート電極から延在するゲート配線上に第3のコンタクトを形成する工程をさらに含み、前記第1のコンタクトを形成する工程、前記第2のコンタクトを形成する工程及び前記第3のコンタクトを形成する工程は、第1のレジストを塗布し、リソグラフィーを用いて第1のレジストにより前記第1のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第1のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、第2のレジストを塗布し、リソグラフィーを用いて第2のレジストにより前記第2のコンタクトのパターン及び前記第3のコンタクトのパターンを形成する工程と、前記第2のコンタクトのパターンを用いて前記コンタクト層間膜を前記コンタクトストッパー膜までエッチングすることにより、第2のコンタクト用のコンタクト孔及び第3のコンタクト用のコンタクト孔を形成する工程と、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の底部に残存するコンタクトストッパー膜をエッチングにより除去する工程を含み、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔が前記基板にほぼ垂直となるように形成され、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔は、前記第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均及び前記第3のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも大きくなるように形成される。
【0015】
好ましくは、前記柱状半導体層の上部側壁にサイドウォール状に酸化膜を形成する工程と、前記コンタクトストッパー膜としてシリコン窒化膜を成膜する工程とを含む。
【0016】
本発明の第2の態様は、基板と、前記基板上に形成された平面状半導体層と、前記平面状半導体層上に形成された柱状半導体層と、前記柱状半導体層の底部に形成された第1のソース又はドレイン領域と、前記柱状半導体層の上部に形成された第2のドレイン又はソース領域と、前記柱状半導体層の周囲に形成されたゲート絶縁膜およびゲート電極と、前記第2のドレイン又はソース領域上に形成した第1のコンタクトと、前記第1のソース又はドレイン領域上に形成した第2のコンタクトと、前記ゲート電極から延在するゲート配線上に形成した第3のコンタクトとを含み、前記第2のコンタクトの側面が前記基板にほぼ垂直であり、前記第1のコンタクトの側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクトの側面の傾きの平均よりも大きいことを特徴とする半導体装置を提供するものである。
【0017】
好ましくは、前記第1のコンタクトの側面の傾きの平均が、前記第2のコンタクトの側面の傾きの平均よりも大きいことに加えて、前記第3のコンタクトの側面の傾きの平均も、前記第2のコンタクトの側面の傾きの平均よりも大きい。
【0018】
好ましくは、前記第2のコンタクトの側面が前記基板にほぼ垂直であることに加えて、前記第3のコンタクトの側面も前記基板にほぼ垂直であり、かつ前記第1のコンタクトの側面の傾きの平均が前記第2のコンタクトの側面の傾きの平均よりも大きいことに加えて、前記第1のコンタクトの側面の傾きの平均が前記第3のコンタクトの側面の傾きよりも大きい。
【0019】
本発明の第3の態様は、基板と、前記基板の上方に形成された柱状半導体層と、前記柱状半導体層の底部に形成された第1のソース又はドレイン領域と、前記柱状半導体層の上部に形成された第2のドレイン又はソース領域と、前記柱状半導体層の周囲に形成されたゲート絶縁膜およびゲート電極と、前記第2のドレイン又はソース領域上に形成した第1のコンタクトと、前記第1のソース又はドレイン領域上に形成した第2のコンタクトと、前記ゲート電極から延在するゲート配線上に形成した第3のコンタクトとを含み、前記柱状半導体層の上部側壁に第1の絶縁膜サイドウォールが形成されており、前記第1のコンタクトの底面の前記基板への投影面が、前記第1の絶縁膜サイドウォールの前記基板への投影形状の外周内に位置していることを特徴とする半導体装置を提供するものである。
【0020】
好ましくは、前記第1の絶縁膜サイドウォール上にコンタクトストッパー膜が形成されており、前記第1の絶縁膜サイドウォールはシリコン酸化膜で形成され、前記コンタクトストッパー膜がシリコン窒化膜である。
【0021】
ここで、基板の「上方」とは、基板上又は基板上に形成された何らかの層を介した基板の上方をいう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、縦型トランジスタにおいて、柱状半導体層上のコンタクトと柱状半導体層の周囲に形成されるゲート電極のショートを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図2】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図3】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図4】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図5】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図6】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図7】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図8】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図9】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図10】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図11】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図12】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図13】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図14】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図15】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図16】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図17】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図18】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図19】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図20】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図21】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図22】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図23】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図24】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図25】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図26】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図27】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図28】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図29】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図30】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図31】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図32】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図33】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図34】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図35】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図36】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図37】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図38】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図39】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図40】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図41】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図42】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図43】(a)はこの発明に係る半導体装置の製造例を示す平面図であり、(b)はA−A’断面工程図である。
【
図45】この発明に係る柱状シリコン層上部形状の断面図。
【
図46】(a)はこの発明に係る柱状シリコン層近傍の平面図であり、(b)(c)はこの発明に係る柱状シリコン層上部形状の断面図である。
【
図47】(a)はこの発明に係る柱状シリコン層近傍の平面図であり、(b)は上部形状の断面図である。
【
図48】この発明に係る柱状シリコン層上部形状の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図43(a)は、本発明を用いて形成されたNMOS SGTの平面図であり、
図43(b)は、
図43(a)のカットラインA−A'に沿った断面図である。また、
図44は、
図43(a)のカットラインB−B'に沿った断面図である。以下に
図43、
図44を参照して、本発明を用いて形成されたNMOS SGTについて説明する。
【0025】
基板であるシリコン基板110上に、平面状半導体層である平面状シリコン層112が形成され、平面状シリコン層112上に柱状半導体層である柱状シリコン層113が形成され、柱状シリコン層113の下部と平面状シリコン層112には、ソース拡散層200が形成され、柱状シリコン層113の上部にはドレイン拡散層201が形成されている。柱状シリコン層113の下部と平面状シリコン層112に形成されたソース拡散層200と柱状シリコン層113の上部に形成されたドレイン拡散層201の間にボディ309が形成されている。柱状シリコン層113の周囲にゲート絶縁膜124およびゲート電極141aが形成されている。
【0026】
また、ゲート電極141aとソース拡散層200の間には、ゲート絶縁膜より厚い酸化膜すなわち第1の絶縁膜303が形成されている。ゲート電極141a及びゲート電極141aから延在するゲート配線141bとソース拡散層200の間に、ゲート絶縁膜より厚い酸化膜すなわち第1の絶縁膜を形成することにより、ゲート、ソース間の寄生容量を低減することができる。
【0027】
ゲート電極141aの上部且つ柱状シリコン層113の上部側壁にサイドウォール状に形成された絶縁膜すなわち第1の絶縁膜サイドウォール134が形成され、ゲート電極141a及びゲート配線141bの側壁にサイドウォール状に形成された絶縁膜すなわち第2の絶縁膜サイドウォール133が形成されている。柱状シリコン層113の上部側壁の第1の絶縁膜サイドウォール134が酸化膜で形成されている場合には、柱状シリコン層113の上部のコンタクトエッチング時に窒化膜で形成されるコンタクトストッパーと酸化膜で形成される上記第1の絶縁膜サイドウォール134との選択比が高いエッチング条件を使用することにより、コンタクトのオーバーエッチングを抑制することができる。
【0028】
ソース拡散層200の上部表面に金属と半導体の化合物153が形成され、ドレイン拡散層201の上部表面に金属と半導体の化合物152が形成されている。
【0029】
ソース拡散層200上には第2のコンタクト174が形成され、ドレイン拡散層201上には第1のコンタクト173が形成され、ゲート電極141aより延在するゲート配線141b上には第3のコンタクト172が形成されている。ここで、ドレイン拡散層である柱状シリコン層上に形成される第1のコンタクト173の形状については後述する。
【0030】
ソース拡散層をGND電位に接続し、ドレイン拡散層をVcc電位に接続し、ゲート電極に0〜Vccの電位を与えることにより上記SGTはトランジスタ動作を行う。
【0031】
なお、柱状シリコン層の上部に形成される拡散層がソース拡散層であり、柱状シリコン層下部に形成される拡散層がドレイン拡散層でもよい。
【0032】
以下に本発明のSGTを形成するための製造方法の一例を
図1〜
図43を参照して説明する。なお、これらの図面では、同一の構成要素に対しては同一の符号が付されている。
図1〜
図43は、この発明に係るSGTの製造例を示している。(a)は平面図、(b)はA−A’の断面図を示している。
【0033】
図1を参照して、シリコン基板110上にパッド酸化膜121を成膜する。
【0034】
図2を参照して、第1の窒化膜130を成膜し、続いて第1のアモルファスシリコンもしくはポリシリコン140を成膜する。
【0035】
図3を参照して、第1のレジスト301を塗布し、リソグラフィーを用いて第1のレジストにより柱状シリコン層パターンを形成する。
【0036】
図4を参照して、第1のアモルファスシリコンもしくはポリシリコン140をエッチングし、第1の窒化膜130をエッチングし、第1のハードマスクを作成し、パッド酸化膜121をエッチングする。
【0037】
図5を参照して、第1のレジストを除去する。
【0038】
図6を参照して、第1のハードマスクである第1の窒化膜130及び第1のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン140をマスクにして、柱状シリコン層113をドライエッチングにより形成する。ドライエッチング時には、第1のハードマスクのアモルファスシリコンあるいはポリシリコン140もエッチングされ、第1のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン140が全てエッチングされると、ドライエッチング装置において検出することが可能なプラズマ発光強度が変化するため、このプラズマ発光強度の変化を検出することにより、エッチングの終点検出が可能になり、エッチングレートによらず安定して柱状シリコン層113の高さを制御することができる。
【0039】
上記の終点検出方法を用いるためには、柱状シリコン層ドライエッチング前のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン140の膜厚が、柱状シリコン層の高さより小さく形成されている必要がある。
【0040】
図7を参照して、チャネル部となる柱状シリコン層113の側壁の凹凸の緩和や、ドライエッチング中にカーボンなどが打ち込まれたシリコン表面の除去のため、柱状シリコン層113及びシリコン基板110表面を犠牲酸化し、犠牲酸化膜123を形成する。
【0041】
図8を参照して、第2のレジスト150を塗布し、リソグラフィーを用いて第2のレジストにより平面状シリコン層のパターンを形成する。このときに、柱状シリコン層113及びシリコン基板110上には上記の犠牲酸化により形成された犠牲酸化膜123により、次工程のドライエッチング時に生じる副生成物等の汚染からシリコン表面が保護される。
【0042】
図9を参照して、シリコン基板110をドライエッチングにより加工して、平面状シリコン層112を形成する。
【0043】
図10を参照して、第2のレジストを除去する。
【0044】
図11を参照して、埋め込み酸化膜120を堆積し、平坦化を行う。
【0045】
図12を参照して、平坦化を行った埋め込み酸化膜120をエッチングし、平面状シリコン層112を露出する。
【0046】
図13を参照して、注入時に柱状シリコン層113の側壁から不純物が打ち込まれないために、オフセットスペーサ307を形成する。
【0047】
図14を参照して、平面状シリコン層112に砒素やリンといった不純物を注入し、柱状シリコン層113下部と平面状シリコン層112にソース拡散層200を形成する。
【0048】
また、本工程においては柱状シリコン層113上に形成される第1の窒化膜130により、柱状シリコン層113の上部への注入は行われない。上記のように平面状シリコン層に形成されるソース拡散層と柱状シリコン層上部に形成されるドレイン拡散層への注入を別々に行うことにより、それぞれの注入条件を容易に最適化できるため、ショートチャネル効果を抑制しリーク電流を抑制することができる。
【0049】
図15を参照して、オフセットスペーサ307をエッチングする。
【0050】
図16を参照して、酸化膜といった第1の絶縁膜303を堆積する。柱状シリコン層の下部、ソース拡散層上、柱状シリコン層上部に厚く第1の絶縁膜を堆積し、柱状シリコン層の側壁に薄く第1の絶縁膜を堆積する。
【0051】
図17を参照して、エッチングにより、柱状シリコン層の側壁の酸化膜といった第1の絶縁膜をエッチングする。エッチングは等方性エッチングが好ましい。柱状シリコン層の底部、ソース拡散層上、柱状シリコン層上部に厚く絶縁膜を堆積し、柱状シリコン層の側壁に薄く絶縁膜を堆積したため、柱状シリコン層の側壁の絶縁膜をエッチング後も、柱状シリコン層の底部ソース拡散層上に第1の絶縁膜303が、柱状シリコン層上部に絶縁膜306が残る。この絶縁膜が、後に形成されるゲート電極及びゲート配線とソース拡散層の間に、ゲート絶縁膜より厚い第1の絶縁膜303となる。この第1の絶縁膜により後に形成されるゲート、ソース間の寄生容量を低減することができる。
【0052】
なお、このゲート電極及びゲート配線と平面状シリコン層の間に形成されることとなる第1の絶縁膜は、絶縁膜を柱状シリコン層が埋没するように堆積し、平坦化し、エッチバックを行うことで形成してもよい。
【0053】
図18を参照して、酸化膜やシリコン酸窒化膜といったゲート絶縁膜124を形成し、
図19を参照して、ゲート導電膜である第2のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン141を、柱状シリコン層113を埋め込むように成膜する。
【0054】
図20を参照して、CMP(化学機械研磨)により第2のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン141を研磨し、ゲート導電膜の上面を平坦化する。CMPにおいて、第1のハードマスクである窒化膜130をCMPのストッパーとして使用することにより、再現性よくCMP研磨量を制御することができる。
【0055】
図21を参照して、ゲート導電膜である第2のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン141をエッチバックすることにより、ゲート長を決定する。
【0056】
図22を参照して、第1の酸化膜125を堆積し、第2の窒化膜131を堆積する。この第1の酸化膜125により、後工程において行われるウェット処理またはドライ処理からゲート電極上面が保護されるため、ゲート長の変動、つまりゲート長のばらつきやゲート電極上面からのゲート絶縁膜124へのダメージを抑制することができる。
【0057】
図23を参照して、第2の窒化膜131をエッチバックすることにより第3の絶縁膜サイドウォールを形成する。このとき、第1の酸化膜125もエッチングされる。第3の絶縁膜サイドウォールの膜厚がゲート電極の膜厚となるため、第2の窒化膜131の成膜膜厚及びエッチバック条件を調整することによって、所望の膜厚のゲート電極を形成することができる。
【0058】
図24を参照して、ゲート導電膜である第2のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン141にリン(P)といった不純物を注入し、活性化する。
【0059】
図25を参照して、反射防止膜(BARC)層161及び第3のレジスト160等を塗布し、リソグラフィーを用いて第3のレジスト160によりゲート配線パターンを形成する。
【0060】
図26を参照して、第3のレジスト160をマスクとして、BARC層161及びゲート導電膜である第2のアモルファスシリコンあるいはポリシリコン141をエッチングして、ゲート電極141a及びゲート配線141bを形成する。
【0061】
図27を参照して、第1の絶縁膜303の一部を、ソース拡散層200の表面が露出するよう、ドライエッチングもしくはウェットエッチングにより除去する。
【0062】
図28を参照して、第3のレジスト160及びBARC層161を除去し、後工程において行われる第1の窒化膜130及び第2の窒化膜131を除去する際、ゲート電極を保護するため、第4の酸化膜305を形成する。
【0063】
図29を参照して、柱状シリコン層113上部の第1の窒化膜130及び第2の窒化膜131をドライエッチングもしくはウェットエッチングにより除去する。
【0064】
図30を参照して、ドライエッチングもしくはウェットエッチングによりパッド酸化膜121、第1の酸化膜125、第4の酸化膜305を除去し、ソース拡散層200を露出する。
【0065】
図31を参照して、第3の絶縁膜132を成膜する。
【0066】
図32を参照して、第3の絶縁膜132をエッチバックして、ソース拡散層200の上面および柱状シリコン層113上部の表面を露出させ、柱状シリコン層113の側壁およびゲート電極141側壁に、第1の絶縁膜サイドウォール134、第2の絶縁膜サイドウォール133を形成、すなわち第2の絶縁膜をサイドウォール状に形成する。この第1の絶縁膜サイドウォール134、第2の絶縁膜サイドウォール133によりゲート電極141a及びゲート配線141bとソース拡散層200及び第1の柱状シリコン上部に後に形成されるドレイン拡散層が分離されるため、金属と半導体の化合物によるゲート電極141a及びゲート配線141bとソース拡散層200及びドレイン拡散層のショートを防止できる。また、柱状シリコン層113上部の側壁を第1の絶縁膜サイドウォール134で覆うことにより、柱状シリコン層113の側壁からの金属と半導体の化合物化を制御することができる。
【0067】
図33を参照して、不純物注入等により柱状シリコン層113の上部にPやAsなどの不純物を導入し、ドレイン拡散層201を形成する。ソース拡散層とドレイン拡散層との間はボディ309となる。
【0068】
図34を参照して、NiもしくはCo等の第1の金属膜をスパッタし、熱処理を加えることでソース拡散層200表面及びドレイン拡散層201表面に、金属と半導体の化合物を形成し、未反応の金属膜を除去することによってドレイン拡散層201上の金属と半導体の化合物152、およびソース拡散層200上の金属と半導体の化合物153を形成する。
【0069】
柱状シリコン層を囲むゲート電極141a上に金属と半導体の化合物151が形成されることにより、ゲート電極141aの寄生抵抗が減少する。ゲート電極141a上に金属と半導体の化合物151が形成されるためには、ゲート電極141aの膜厚Wgと第1の絶縁膜サイドウォール134の膜厚Wsの膜厚において、Wg>Wsとなっており、ゲート電極141aの表面が露出していればよい。
【0070】
図35を参照して、窒化膜等のコンタクトストッパー膜135を成膜する。
【0071】
図36を参照して、酸化膜等のコンタクト層間膜126を成膜後、CMPにより平坦化する。
【0072】
図37を参照して、第4のレジストを塗布し、リソグラフィーを用いて第4のレジスト180により柱状シリコン層113の上部に形成されるコンタクトのパターンを形成する。
【0073】
図38を参照して、柱状シリコン層113の上部に形成されるコンタクトのパターンを用いて層間絶縁膜126をエッチングし、柱状シリコン層上のコンタクト(第1のコンタクト)用のコンタクト孔181を形成する。このときの、コンタクト孔181の形状については後に詳述する。エッチングにはコンタクト層間膜とコンタクトストッパー膜の選択比が高い条件を用いることによって、コンタクトストッパー窒化膜135にてエッチングを停止させる。
【0074】
図39を参照して、第5のレジストを塗布し、リソグラフィーを用いて第5のレジスト182により平面状シリコン層上に形成されるコンタクトのパターン、およびゲート配線141b上に形成されるコンタクトのパターンを形成する。
【0075】
図40を参照して、平面状シリコン層上に形成されるコンタクトのパターン、およびゲート配線141b上に形成されるコンタクトのパターンを用いて層間絶縁膜126をエッチングし、平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクト(第2のコンタクト)用のコンタクト孔183、およびゲート配線層上のコンタクト(第3のコンタクト)用のコンタクト孔184を形成する。このとき、コンタクト孔の側面が基板にほぼ垂直となるようにコンタクト孔を形成すると、最も深い平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクト用のコンタクト孔183を確実に開口することができ、形成されるコンタクトのコンタクト抵抗を安定したものとすることができる。エッチングにはコンタクト層間膜とコンタクトストッパー膜の選択比が高い条件を用いることによって、コンタクトストッパー膜135にてエッチングを停止させる。
【0076】
図41を参照して、柱状シリコン層上のコンタクト孔181、平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクト孔183、およびゲート配線層上のコンタクト孔184の底部に残存するコンタクトストッパー膜135をエッチングにより除去する。
【0077】
図42を参照して、コンタクト孔にバリアメタル171であるタンタル(Ta)や窒化タンタル(TaN)などを成膜後、銅(Cu)といった金属170をスパッタやめっきにより成膜して、CMPによってコンタクト172、173、174を形成する。バリアメタルとしてチタン(Ti)や窒化チタン(TiN)を用いてもよい。また、タングステン(W)を用いてもよい。また、銅を含む合金を用いてもよい。
【0078】
図43及び
図44を参照して、レジスト(図示されない)を塗布し、リソグラフィーを用いて第1層配線177、178、179のパターンを形成し、第1層配線177、178、179をバリアメタル175及び金属176を用いて形成する。
【0079】
上記の製造方法では、ゲート配線上のコンタクト孔184を平面状シリコン上のコンタクト孔183と同一工程にて形成しているが、ゲート配線上コンタクト孔184を柱状シリコン層上コンタクト孔181と同一工程にて形成してもよい。
【0080】
以下に本発明における柱状シリコン層上のコンタクト形状と柱状シリコン層上部の形状の関係について詳しく述べる。本発明に用いているSGTは柱状シリコン層の寸法が小さいほどショートチャネル効果が抑制されるため、柱状シリコン層は最小寸法付近の寸法でリソグラフィーによりパターニングされた後、エッチング時における寸法シュリンクや犠牲酸化等により寸法が縮小され、最終的な柱状シリコン層の寸法はパターニング可能な最小寸法より小さく形成される。したがって、柱状シリコン層上部の寸法より、コンタクトの寸法は大きく形成されることが多い。
【0081】
図45(a)はコンタクト層間膜エッチング後の柱状シリコン層上部の断面形状を示している。
【0082】
図45(a)のようにコンタクト孔底部の寸法が柱状シリコン層上部及び側壁に成膜されるコンタクトストッパー膜の上面の寸法より大きい場合には、後工程のコンタクトストッパー膜エッチング時に、
図45(b)のようにコンタクトストッパー膜エッチング後に柱状シリコン層上のコンタクト孔はゲート配線表面まで到達し、コンタクトとゲート配線はショートしてしまう。したがって、柱状シリコン層上のコンタクトとゲート配線層のショートを抑制するためには、コンタクト底部の寸法は柱状シリコン層上部及び側壁に成膜されるコンタクトストッパー膜の上面の寸法より小さく形成される必要がある。
【0083】
図46〜
図48はコンタクト層間膜エッチング後の柱状シリコン層近傍の拡大図であり、
図46(a)、47(a)はその平面図であり、
図46(b)、47(b)〜
図48(c)はA−A’の断面図であって柱状シリコン層の上部近傍の拡大図である。
【0084】
図46(a)〜(c)のようにコンタクト底面の寸法が柱状シリコン層上部及び側壁に成膜されるコンタクトストッパー膜上面の寸法より小さい場合、すなわち第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面の基板への投影面181aが、柱状半導体層の上面及び側面に形成されたコンタクトストッパー膜の基板への投影形状の外周135a内に位置する場合には、コンタクトストッパー膜のゲート電極表面から第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面まで縦方向の膜厚が、柱状シリコン層上部の膜厚より厚いため、100%程度のオーバーエッチングが加わっても、ゲートとコンタクトのショートは発生しづらくなる。したがって、第1のコンタクト用のコンタクト孔181の形成においては、第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面の基板への投影面が、柱状半導体層の上面及び側面に形成されたコンタクトストッパー膜の基板への投影形状の外周内に位置するように形成する。
【0085】
ここで、柱状シリコン層の上面及び側面に形成されたコンタクトストッパー膜は実際には
図47(b)に示されるように、その上面の角部は直角ではなく丸まっている。コンタクトストッパー膜の上面の角部が丸まっている箇所においては、コンタクトストッパー膜として窒化膜、コンタクト層間膜として酸化膜を採用した場合、そのエッチングの選択比が低いため、コンタクト層間膜エッチング後において、コンタクトストッパー膜がよりエッチングされる場合がある。このため、
図47(a)、(b)のようにコンタクト孔の底面の寸法が柱状シリコン層上部及び側壁に成膜されるコンタクトストッパー膜上面の寸法より小さく、さらにコンタクト孔の底面が上面よりも小さくなるように形成すると、コンタクト孔の底面はストッパー膜の上面の比較的平坦な部分に形成されるため、コンタクト層間膜エッチング時のコンタクト層間膜とコンタクトストッパー膜との選択比は高く、コンタクトストッパー膜がエッチングされる量が少なくなり、さらにコンタクトとゲートがショートしづらい構造とすることができる。そして、第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均がより大きいほどショートを抑制することができる。特に、柱状シリコン層上の第1のコンタクト用のコンタクト孔底面の寸法が柱状シリコン層の側壁上部に形成される第1の絶縁膜サイドウォール134より小さい場合、すなわち第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面の基板への投影面181aが、絶縁膜サイドウォールの基板への投影形状の外周134a内に位置している場合には、第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面はストッパー膜上面が平坦な部分に形成されるため、コンタクトとゲートのショートは発生しづらい。
【0086】
ここで、より厳密には、コンタクト孔の形成において、コンタクト孔の側面が基板に垂直になるように形成しようとしても、エッチングの性質上コンタクト孔の上面よりも底面が若干小さくなり、コンタクト孔の深さが深いほど底面は小さくなる。したがって、コンタクト孔の側面がほぼ垂直になるように形成する第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の側面の傾きの平均が大きくなるように形成すればよい。すなわち、第1のコンタクト用のコンタクト孔の断面は
図47に示されるテーパー形状以外にも、
図48(a)、(b)、(c)等の形状であってもよく、
図48(a)、(b)、(c)のαとβを結ぶ線分と基板に対する垂線とがなす角度θがコンタクト孔の側面の傾きの平均であるところ、コンタクト孔の側面がほぼ垂直になるように形成する第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の側面の傾きの平均が大きくなるように形成すればよい。
【0087】
なお、第1のコンタクト用のコンタクト孔は、平面状シリコン層上の第2のコンタクト用のコンタクト孔183より浅いため、エッチングが途中で停止したり、抵抗値がバラつくなどの問題が発生しづらく、エッチング条件を調整することにより、このコンタクト孔を、コンタクト孔の側面がほぼ垂直になるように形成する第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の側面の傾きの平均が大きくなるように形成することは比較的容易である。
【0088】
また、変形例として、コンタクト孔の側面が基板にほぼ垂直になるように形成する第2のコンタクト用のコンタクト孔の側面の傾きの平均よりも第1のコンタクト用のコンタクト孔の側面の側面の傾きの平均が大きくなるように第1のコンタクト用のコンタクト孔形成する代わりに、柱状シリコン層上の第1のコンタクト用のコンタクト孔181をその側面が基板にほぼ垂直に形成し、その底面を小さく形成することにより同様の効果を得ることができる。上記実施例と同様に、特に、柱状シリコン層上の第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面の寸法が柱状シリコン層の側壁上部に形成される第1の絶縁膜サイドウォール134より小さい場合、すなわち第1のコンタクトの底面の基板への投影面が、絶縁膜サイドウォールの基板への投影形状の外周内に位置している場合には、第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面はストッパー膜上面が平坦な部分に形成されるため、コンタクトとゲートのショートは発生しづらい。柱状シリコン層上の第1のコンタクト用のコンタクト孔181は平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクト孔183より浅いため、深いコンタクトに比べ小さいコンタクトをパターニングすることは容易である。このとき、コンタクト層間膜をできるだけ薄く形成するとより小さなコンタクトをパターニングすることができる。
【0089】
ここで、上述のように、柱状シリコン層上のコンタクトは平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクトに比べて浅いため形成が容易であり、寸法が小さくても安定したコンタクト抵抗を得ることができる。 一方、平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクトは柱状シリコン層上コンタクトより深いためテーパー形状に形成した場合には、コンタクト底部が小さいためコンタクトは高抵抗であり、コンタクト抵抗のばらつきが大きくなるなどの不具合が生じやすい。したがって、平面状シリコン層上の第2のコンタクト用のコンタクト孔をその側面が基板にほぼ垂直となるように形成して第2のコンタクト用のコンタクト孔の底面の面積を維持しつつ、柱状シリコン層上の第1のコンタクト用のコンタクト孔の底面を小さく形成する構成とすると、柱状シリコン層上のコンタクトとゲート配線層のショートを抑制し、かつ安定して平面状シリコン層のソース拡散層上のコンタクト抵抗を得ることができ、より効果的である。
【0090】
また、第1の絶縁膜サイドウォール134が酸化膜で形成されている場合には、柱状シリコン層状のコンタクトとゲート電極のショートに加え柱状シリコン層側壁のエッチングを抑制することができる。第1の絶縁膜サイドウォール134が窒化膜で形成されている場合には、柱状シリコン層上部側壁からのエッチングが大きくなる場合があるが、絶縁膜サイドウォール134が酸化膜で形成されている場合には、コンタクトストッパー窒化膜エッチング時に酸化膜と選択比の高い条件を用いることにより、柱状シリコン層上部側壁部における過剰なエッチングを抑制できる。
【0091】
上記の実施例においては、コンタクト層間膜として酸化膜、コンタクトストッパー膜として窒化膜を例に示したが、コンタクト層間絶縁膜はLow−k膜等の他の膜絶縁膜であり、コンタクトストッパー膜はLow−k膜等の他の絶縁膜に対してエッチングの選択比をとれる他の絶縁膜であってもよい。
【0092】
また、上記の実施例においては、基板上に平面状半導体層が形成されていたが、SOI基板等の基板上に絶縁膜が形成された基板を用いて、基板上の絶縁膜上に平面状半導体層が形成される構成とする等基板上に形成された何らかの層を介した基板の上方に平面状半導体層が形成される構成とすることができることは、当業者に明らかであろう。